JP6055472B2 - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)の製造方法に関し、詳しくは、フェノール及びアセトンからビスフェノールAを製造する方法に関する。
ビスフェノールAはポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂等のエンジニアリングプラスチック、あるいはエポキシ樹脂等の原料として重要な化合物であることが知られており、近年その需要はますます増大する傾向にある。高品質の樹脂を製造するための原料として、高品質なビスフェノールAが要求されている。
ビスフェノールAは、通常、化学量論的に過剰のフェノールとアセトンとを酸性触媒の存在下に反応させることにより製造される。そして、ビスフェノールAは、当該反応後の溶液から、晶析・固液分離により、ビスフェノールAとフェノールとの付加物(アダクト)として回収し、付加物に含まれるフェノールを除去することにより、製品として得られる。そして、晶析後に付加物を分離した母液は、反応工程等に循環され、系内で再利用される。
このようなビスフェノールAの製造方法に関し、高品質なビスフェノールAを効率的に製造する方法が提案されている。
特許文献1には、フェノールとアセトンとの反応後の反応溶液を、分離・分割して得た母液の一部を反応器に戻しつつ、当該母液の一部を、異性化工程、母液濃縮工程、晶析・固液分離工程を経て、ビスフェノールAとフェノールとの付加物を回収した回収溶液を得た後、当該回収溶液から、アルカリ分解工程、再結合反応工程を経て、ビスフェノールA及びフェノールを回収して反応器に戻すというプロセスを有する製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、フェノールとアセトンとの反応後の反応混合物から、ビスフェノールAとフェノールとの付加物を晶析分離した後の母液を反応器に循環させずに、当該母液の全量を異性化処理した後、縮合反応工程、濃縮工程又は晶析・固液分離工程に再循環させると共に、系内に不純物の蓄積を防ぐために、ブローする異性化処理液からビスフェノールAとフェノールとを回収するというプロセスを有する製造方法が開示されている。
特開2009−242316号公報 特開2004−359594号公報
しかしながら、特許文献1記載のように、反応溶液の母液の一部を反応器に戻すプロセスを有する方法では、当該母液中に不純物が含まれているため、得られるビスフェノールAの品質が劣るという問題を有する。
また、特許文献2記載の製造方法は、高品質のビスフェノールAを得ることができるが、
異性化処理液からビスフェノールA及びフェノールを回収後、残りの溶液は廃棄している。当該溶液には、アルカリ分解により、フェノールやビスフェノールAの中間体であるp−イソプロペニルフェノールとなり得る有効成分が含まれている。
ビスフェノールAの製造方法において、従来は廃棄していた当該溶液を有効利用し、供給する原料使用量の低減が望まれている。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、高品質のビスフェノールAを製造することができ、供給する原料使用量を効果的に低減することができる、ビスフェノールAの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ビスフェノールAの製造方法において、フェノールとアセトンとの反応後の反応混合液から分離した母液を、当該反応が行われている反応器に戻さずに、特定の工程を経ることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記〔1〕〜〔7〕を提供するものである。
〔1〕下記工程(A)〜(F)を有する、ビスフェノールAの製造方法。
工程(A):酸触媒の存在下、過剰のフェノールとアセトンとを縮合反応させる反応器において、ビスフェノールAを生成し、ビスフェノールAを含む反応混合液を得る工程
工程(B):工程(A)で得た反応混合液を濃縮し、濃縮液を得る工程
工程(C):工程(B)で得た濃縮液を晶析した後固液分離し、ビスフェノールAとフェノールとの付加物を含む固形分と、母液とに分離する工程
工程(D):工程(C)で得た母液のうち、系内に存在する当該母液の少なくとも一部を異性化処理する工程
工程(E):工程(D)の異性化処理後の溶液を晶析した後固液分離し、固形分と、母液とに分離する工程
工程(F):工程(E)で得た母液のうち、系内に存在する当該母液の少なくとも一部をアルカリ分解処理し、フェノール及び/又はp−イソプロペニルフェノールを回収して、回収した当該フェノール及び/又はp−イソプロペニルフェノールを、再結合反応器を経由することなく、工程(A)の前記反応器に供給する工程
〔2〕工程(D)において、工程(C)で得た母液のうち、系内に存在する当該母液の全量を異性化処理する、上記〔1〕に記載のビスフェノールAの製造方法。
〔3〕工程(D)の異性化処理後の溶液の5〜30質量%を工程(E)に送り、当該溶液の95〜70質量%を工程(B)へ戻す、上記〔1〕又は〔2〕に記載のビスフェノールAの製造方法。
〔4〕工程(F)において、回収したフェノール及び/又はp−イソプロペニルフェノールを、直接工程(A)の前記反応器に供給する、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のビスフェノールAの製造方法。
〔5〕工程(E)で固液分離して固形分を除去した母液に対しフェノール回収処理を行い、フェノール回収処理後の母液を工程(F)に送る、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のビスフェノールAの製造方法。
〔6〕製造されるビスフェノールAのJIS K 4101の基づく比色法にて測定される色相(APHA)が15以下である、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のビスフェノールAの製造方法。
本発明のビスフェノールAの製造方法によれば、高品質のビスフェノールAを製造することができ、且つ、供給する原料使用量を効果的に低減することができる。
本発明のビスフェノールAの製造方法の一例を示す工程図である。 実施例1記載のビスフェノールAの製造方法の工程図である。 比較例1記載のビスフェノールAの製造方法の工程図である。 比較例2記載のビスフェノールAの製造方法の工程図である。
本発明のビスフェノールAの製造方法は、下記工程(A)〜(F)を有する。
工程(A):酸触媒の存在下、過剰のフェノールとアセトンとを縮合反応させる反応器において、ビスフェノールAを生成し、ビスフェノールAを含む反応混合液を得る工程
工程(B):工程(A)で得た反応混合液を濃縮し、濃縮液を得る工程
工程(C):工程(B)で得た濃縮液を晶析した後固液分離し、ビスフェノールAとフェノールとの付加物を含む固形分と、母液とに分離する工程
工程(D):工程(C)で得た母液のうち、系内に存在する当該母液の少なくとも一部を異性化処理する工程
工程(E):工程(D)の異性化処理後の溶液を晶析した後固液分離し、固形分と、母液とに分離する工程
工程(F):工程(E)で得た母液のうち、系内に存在する当該母液の少なくとも一部をアルカリ分解処理し、フェノール及び/又はp−イソプロペニルフェノールを回収して、回収した当該フェノール及び/又はp−イソプロペニルフェノールを、再結合反応器を経由することなく、工程(A)の前記反応器に供給する工程
本発明のビスフェノールAの製造方法は、フェノールとアセトンとの反応後の反応混合液から分離した母液を、当該反応が行われている反応器に戻さない製造方法である。そのため、反応器内に存在する不純物の量が低減されるため、高品質のビスフェノールAを製造することができる。
また、工程(D)において、固形分を分離した母液のうち、系内に存在する母液の少なくとも一部を異性化処理することにより、当該母液中の不純物のうち、異性化できる成分をできるだけビスフェノールAに転化させ、ビスフェノールAの濃度を上げることができる。そのため、系内に不純物が蓄積することを防止するために母液の一部を系外へパージする際に、パージ母液中から、ビスフェノールAをより多く回収することができ、ビスフェノールAの回収率を向上させることができる。
なお、工程(D)における異性化処理とは、反応工程で生成する副生成物を4,4’−体へ転化させる処理を指す。当該副生成物としては、ビスフェノールAの2,4’−体等の異性体が挙げられる。
さらに、工程(F)において、異性化処理後の溶液から固形分を除いた母液のうち、系内に存在する当該母液の少なくとも一部をアルカリ分解処理することで、当該母液中に存在するビスフェノールA、2.4’−ビスフェノールA、トリスフェノール等の不純物を分解し、原料であるフェノール及び/又はビスフェノールAの中間体であるp−イソプロペニルフェノール(IPP)を有効成分として回収することができる。
この回収したフェノール及び/又はIPPは、再結合反応器を経由すると、再結合反応器内でフェノールとIPPが反応し、ビスフェノールAが生成され、この生成したビスフェノールAが、工程(A)の反応器内に送られると反応性が高い反応中間体のIPPと更に反応し、副生成物が生じてしまい、製造されるビスフェノールAの品質の低下の原因となる。
そこで、本発明では、この回収したフェノール及び/又はIPPは、再結合反応器を経由することなく、工程(A)の反応器に供給される。
また、回収したフェノール及び/又はIPPは、原料フェノールと混合し、工程(A)の反応器に供給することができるので、原料のフェノールやアセトンの供給量を低減できると共に、従来と変わらない高品質のビスフェノールAを得ることができる。
以下、本発明のビスフェノールAの製造方法について、図1に示された本発明のビスフェノールAの製造方法の一例を示す工程図に沿って説明する。
〔工程(A)〕
工程(A)は、酸触媒の存在下、過剰のフェノールとアセトンとを縮合反応される反応器において、ビスフェノールAを生成し、ビスフェノールAを含む反応混合液を得る工程である。
本工程では、供給されるフェノールとアセトンとが縮合反応して、p−イソプロペニルフェノール(IPP)を生成した後、当該IPPとフェノールとが更に縮合反応して、ビスフェノールAを生成する。
工程(A)で用いる酸触媒としては、強酸性陽イオン交換樹脂が用いられるが、触媒活性の観点から、スルホン酸型陽イオン交換樹脂が好ましい。
スルホン形陽イオン交換樹脂としては、スルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂であれば特に制限されず、例えば、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化架橋スチレンポリマー、フェノールホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、ベンゼンホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記の強酸性陽イオン交換樹脂の中でも、当該樹脂の一部がメルカプタン類により中和をされている強酸性陽イオン交換樹脂が好ましい。
本発明において、メルカプタン類とは、分子内にSH基を遊離の形で有する化合物を意味する。このようなメルカプタン類としては、例えば、アルキルメルカプタン、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基等の置換基一種以上を有するアルキルメルカプタン類等が挙げられる。これらの中でも、2−メルカプトエチルアミン、3−メルカプトプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−メルカプトプロピルアミン、N,N−ジ−n−ブチル−4−メルカプトブチルアミン、2,2−ジメチルチアゾリジン等のメルカプトアルキルアミンが好ましい。
メルカプタン類により中和された強酸性陽イオン交換樹脂中のスルホン酸基の含有量としては、中和前の強酸性陽イオン交換樹脂中の全スルホン酸基の総量に対して、好ましくは5〜35モル%、より好ましくは10〜30モル%、更に好ましくは15〜25モル%である。
フェノールとアセトンとの供給割合は、化学量論的にフェノールが過剰となる割合であれば特に制限はない。
ただし、生成するビスフェノールAの精製の容易さや経済性等の観点から、アセトン1モルに対するフェノールの供給量が、好ましくは3〜30モル、より好ましくは5〜20モルである。
なお、本工程におけるビスフェノールAの製造においては、反応液の粘度が高すぎる場合や、凝固して運転が困難になるような低温で反応させる場合以外では、反応溶媒の添加は特に必要ではない。
本工程における、フェノールとアセトンとの縮合反応は、回分式及び連続式のいずれであってもよいが、原料を連続的に供給して反応させる固定床連続反応方式が好ましく、押し出し流れ方式である固定床流通方式がより好ましい。
固定床連続反応方式における反応塔は、1基でもよく、2基以上を直列に配置した固定床多段連続反応方式としてもよい。
固定床流通方式の場合、反応器に供給する原料の液空間速度は、好ましくは0.1〜20hr-1、より好ましくは0.3〜15hr-1、更に好ましくは0.5〜10hr-1、より更に好ましくは0.7〜6hr-1である。
また、フェノールとアセトンとの反応の際の温度は、好ましくは50〜100℃、より好ましくは55〜90℃、更に好ましくは60〜80℃である。反応温度が50℃以上であれば、反応速度を十分に上げることができると共に、反応混合液の粘度を適切な範囲とすることができ、反応混合液が固化する恐れを防ぐことができる。一方、反応温度が100℃以下であれば、反応制御が可能であり、ビスフェノールAの選択率を良好とすることができる。また、触媒の分解又は劣化を防止することができる。
また、フェノールとアセトンとの反応の際の圧力は、好ましくは常圧(0.1MPa)〜1.5MPa、より好ましくは常圧(0.1MPa)〜0.6MPaである。
〔工程(B)〕
工程(B)は、工程(A)で得た反応混合液を濃縮し、濃縮液を得る工程である。本工程により、反応混合液から、未反応アセトン、未反応フェノール、副生成物である水等の低沸点物質等が除去されると共に、生成したビスフェノールの濃度を適度な範囲に調製することができる。
本工程は、蒸留塔を用いた減圧蒸留により、反応混合液を濃縮することが好ましい。
また、本工程の濃縮は、主として未反応アセトン、水、低沸点物質等を留去する第一濃縮工程と、主として未反応フェノール等を留去し、濃縮液の濃度を調整する第二濃縮工程とに分けて行うことが好ましい。
第一濃縮工程での減圧蒸留の条件として、温度としては、好ましくは10〜200℃、より好ましくは20〜190℃、更に好ましくは30〜180℃であり、圧力としては、好ましくは10〜90kPa、より好ましくは20〜80kPa、更に好ましくは25〜70kPaである。
第二濃縮工程での減圧蒸留の条件として、温度としては、好ましくは70〜170℃、より好ましくは80〜140℃、更に好ましくは85〜130℃であり、圧力としては、好ましくは4〜70kPa、より好ましくは7〜50kPa、更に好ましくは10〜30kPaである。
なお、第二濃縮工程での減圧蒸留における温度及び圧力は、成分の沸点の上昇を考慮して、第一濃縮工程よりも、低く設定することが好ましい。
本工程を経て得られる濃縮液のビスフェノールAの濃度は、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは20〜40質量%である。当該濃度が20質量%以上であれば、ビスフェノールAの晶析による回収を効率良く行うことができる。一方、60質量%以下であれば、固化温度が高くならず、晶析後のスラリー移送が困難となるといった弊害を防止することができる。
〔工程(C)〕
工程(C)は、工程(B)で得た濃縮液を晶析した後固液分離し、ビスフェノールAとフェノールとの付加物(以下、「アダクト」ともいう)を含む固形分と、母液とに分離する工程である。
濃縮後の溶液から固形分の晶析方法としては、晶析前の減圧蒸留終了直後の濃縮液を、35〜60℃(好ましくは40〜55℃)まで冷却して、上記固形分を晶析してスラリーとすることが好ましい。
この際の冷却は、外部熱交換器を用いて行なってもよく、また、濃縮液に水を加えて、減圧下での水の蒸発潜熱を利用して冷却する真空冷却晶析法により行なってもよい。
次に、このようにして晶析された固形分を含むスラリーは、ろ過や遠心分離等の公知の手段により、固形物と反応副生物を含む母液とに分離する。この際に用いる機器としては、特に制限はないが、例えば、ベルトフィルター、ドラムフィルター、トレイフィルター、遠心分離器等が挙げられる。
なお、晶析した後固液分離の後の固形分は、再溶解し、再度晶析した後固液分離を繰り返してもよい。晶析と固液分離を多段で繰り返すことで、結晶内に取り込まれた不純物を減らすことができる。再溶解の溶解液としては、例えば、フェノール、水、水−フェノール混合液等が挙げられる。なお、フェノールは、系内から回収したフェノールを用いてもよく、系外から別途供給したフェノールを用いてもよい。
また、分離した固形分は、洗浄し、アダクト分解工程に送り、固形分中に含まれるアダクトからフェノールを除去することで、高純度のビスフェノールAを得ることができる。
この際、使用する洗浄液としては、例えば、フェノール、水、水−フェノール混合液等が挙げられる。なお、フェノールは、系内から回収したフェノールを用いてもよく、系外から別途供給したフェノールを用いてもよい。
使用する洗浄液の量は、洗浄効率、及び再溶解のための損失、洗浄液の循環、回収、再使用の観点から、分離した固形分の質量に対して、0.1〜10倍が好ましい。
〔アダクト分解工程〕
上記の固液分離により回収された固形分に含まれる、ビスフェノールAとフェノールとの付加物(アダクト)は、アダクト分解工程を経ることで、ビスフェノールAとフェノールに分解され、フェノールを除去することで、高純度のビスフェノールAを得ることができる。
アダクト分解工程では、はじめに、アダクトを含む固形分を、好ましくは100〜160℃で加熱溶融して、アダクトをビスフェノールAとフェノールとに分解し、これらを含む溶融液を得る工程を経ることが好ましい。
次いで、この溶融液を蒸発塔に送り、減圧蒸留等により、この溶融液からフェノールを除去し、溶融状態のビスフェノールAを回収する。当該減圧蒸留は、温度150〜190℃で、圧力1〜11kPaの条件下で行うことが好ましい。
また、回収した溶融状態のビスフェノールAは、更にスチームストリッピングにより残存するフェノールを除去することが好ましい。
このような工程を経て、高純度のビスフェノールAを得ることができる。
〔工程(D)〕
工程(D)は、工程(C)で得た母液で、系内に存在する当該母液の少なくとも一部を異性化処理する工程である。
工程(C)で得た母液の組成は、通常、フェノール:65〜85質量%、ビスフェノールA:10〜20質量%、2,4’−異性体等の不純物:5〜15質量%であり、異性体等の不純物が多く含まれている。
本発明において、工程(C)で得た母液のうち、当該母液の一部系外に排出してもよいが、少なくとも排出後に系内に存在する母液の少なくとも一部を異性化処理する。
上述のとおり、系内に存在する母液の少なくとも一部を異性化処理することで、母液中の不純物をできる限りビスフェノールAに転化して、ビスフェノールAの濃度を上げることができる。そのため、系内に不純物が蓄積することを防止するために母液の一部を系外へパージする際に、パージ母液中から、ビスフェノールAをより多く回収することができ、ビスフェノールAの回収率を向上させることができる。
本工程で系内に存在する母液のうち、異性化処理を行う母液の割合は、ビスフェノールAの回収率を向上させる観点から、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%、より更に好ましくは90〜100質量%であり、系内に存在する当該母液の全量を異性化処理することが特に好ましい。
なお、ビスフェノールAの回収率を向上させる観点から、工程(C)で得た母液の全量を異性化処理することが好ましい。
異性化処理で用いる触媒としては、スルホン酸型陽イオン交換樹脂が好ましい。スルホン酸型陽イオン交換樹脂としては、上述の工程(A)で用いられる樹脂が挙げられる。
異性化処理は、上記スルホン酸型陽イオン交換樹脂の存在下、反応温度50〜100℃(好ましくは60〜90℃)で、連続式で押し出し流れ方式である固定床流通方式で行われることが好ましい。
この固定床流通方式の場合、溶液の液空間速度は、好ましくは0.1〜20hr-1、より好ましくは0.3〜15hr-1、更に好ましくは0.5〜10hr-1である。
なお、本工程において、異性化処理を行う反応器は、並列に複数設けられてもよい。例えば、工程(C)で得た母液を、異性化処理後に(B)工程に再循環するための異性化処理用の反応器と、異性化処理後の溶液を処理する工程(E)に送るための異性化処理用の反応器とに分割して設置することも可能である。
異性化処理後の溶液は、工程(E)に送られるが、当該溶液の一部を工程(B)へ戻すことが好ましい。異性化処理後の溶液の一部を工程(B)へ戻すことで、異性化処理がなされ生成されたビスフェノールAを回収し、ビスフェノールAの回収率を向上させることができる。また、異性化処理後の溶液は、フェノールを65〜85質量%含むことから、この一部を蒸発させ晶析操作に相応したビスフェノールAの濃度に調製するためにも、当該溶液を工程(B)に戻すことが好ましい。
上記観点から、異性化処理後の溶液のうち、工程(E)へ送る溶液量としては、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜25質量%、更に好ましくは13〜23質量%であり、工程(B)へ戻す溶液量としては、好ましくは95〜70質量%、より好ましくは90〜75質量%、更に好ましくは87〜77質量%である。
〔工程(E)〕
工程(E)は、工程(D)の異性化処理後の溶液を晶析した後固液分離し、固形分と、母液とに分離する工程である。本工程により、ビスフェノールAとフェノールとの付加物(アダクト)を含む固形分を晶析させ、固形分と母液とに分離する。
異性化処理後の溶液は、晶析前に、フェノールの一部を除去し濃縮することが好ましい。当該濃縮は、温度70〜140℃(好ましくは80〜125℃、より好ましくは90〜115℃)、圧力1.5〜40kPa(好ましくは2.0〜25kPa、より好ましくは3.0〜15kPa)の条件下の減圧蒸留により行われることが好ましい。濃縮後の溶液のビスフェノールAの濃度としては、好ましくは20〜50質量%である。
濃縮後の溶液から固形分の晶析方法としては、減圧蒸留終了直後の溶液を、35〜60℃(好ましくは40〜55℃)まで冷却して、上記固形分を晶析してスラリーとすることが好ましい。この際の冷却は、上述の工程(C)と同様の方法により行うことができる。
また、固形分を含むスラリーは、上述の工程(C)と同様の方法により、晶析した固形分と母液とに分離することができる。
ここで晶析した固形分(以下、「回収結晶」ともいう)は、前述の工程(B)又は工程(C)に戻すことが好ましい。当該回収結晶は、前述の工程(C)で得られる結晶よりも多くの不純物を含んでいるが、回収結晶中の不純物の濃度は、工程(A)で得られる反応混合液中の不純物の濃度よりも低い。そのため、回収結晶を、工程(B)又は工程(C)に戻すことで、工程(A)で得られた反応混合液中の不純物の濃度が低くなり、回収結晶が供給されない場合よりも高純度の結晶を得ることができる。
なお、本発明において、工程(E)で固液分離して固形分を除去した母液に対しフェノール回収処理を行い、フェノール回収処理後の母液を工程(F)に送ることが好ましい。
工程(E)で得た当該母液の組成は、通常、フェノール:45〜70質量%、ビスフェノールA:5〜15質量%、2,4’−異性体等の不純物:20〜40質量%である。当該母液には、2,4’−異性体等の不純物を多く含んでいるが、これら不純物よりも多くのフェノールが含んでいる場合が多い。そのため、フェノール回収の効率性の観点から、当該母液を工程(F)に送る前に、当該母液中に含まれる多くのフェノールを回収するため、工程(E)で固液分離して固形分を除去した母液に対してフェノール回収処理を行うことが好ましい。
フェノール回収処理におけるフェノールの回収方法としては、充填式蒸留塔等を使用して、減圧蒸留により、フェノールを塔頂より回収し、フェノール回収後の副生物及び着色物質等を多く含んだ残留液を塔底より得る方法が好ましい。
当該減圧蒸留の条件としては、温度120〜180℃(好ましくは135〜170℃)、圧力0.5〜20kPa(好ましくは1.0〜10kPa)の条件下で行うことが好ましい。なお、この減圧蒸留は、残留液中の残存フェノール量が、好ましくは20質量%以下、より好ましくは2〜15質量%になるまで行うことが好ましい。
ここで回収したフェノールは、例えば、工程(C)又は(E)の晶析・固液分離工程での固形分の洗浄液或いは再溶解液として、又は工程(A)で用いられる反応用原料としての使用が可能である。
〔工程(F)〕
工程(F)は、工程(E)で得た母液のうち、系内に存在する当該母液の少なくとも一部をアルカリ分解処理し、フェノール及び/又はp−イソプロペニルフェノール(IPP)を回収して、回収した当該フェノール及び/又はIPPを、再結合反応器を経由することなく、工程(A)の前記反応器に供給する工程である。
なお、本工程において、工程(E)で得た母液のうち、系内に存在する当該母液の全量に対してアルカリ分解処理を行ってもよい。ただし、工程(E)で固液分離して固形分を除去した母液にフェノール回収処理を行い、フェノールを回収後の残りの母液に対してアルカリ分解処理を行うことが好ましい。
工程(E)で固形分離して固形物を除去した母液は、上述のとおり、ビスフェノールA、2,4’−異性体等の不純物が多く含まれている。また、当該母液からフェノールを回収した後の母液については、このビスフェノールA、2,4’−異性体等の不純物の割合が多くなる。本工程では、不純物を多く含むこれらの母液に、アルカリを添加し、アルカリ分解反応塔の反応槽に当該母液を供給する。そして、高温・減圧下で操作することで、ビスフェノールA、2.4’−異性体等の不純物は、フェノールとIPPに分解される。
当該フェノールとIPPは、反応塔の塔頂より回収することができ、クロマン化合物等の不純物は重質の不純物(高沸点物)に変換され、反応塔の塔底(反応槽)より、タール(残渣)として取り出す。
なお、当該フェノールとIPPは、双方とも回収してもよく、一方のみを回収してもよい。
なお、アルカリ分解処理は、連続式又は回分式のいずれでも行うこともできる。
本発明において、工程(E)で得た母液の一部を系外に排出してもよいが、排出後に少なくとも系内に存在する当該母液の少なくとも一部をアルカリ分解処理する。
上述のとおり、系内に存在する当該母液の少なくとも一部をアルカリ分解処理することで、当該母液中に存在するビスフェノールA、2.4’−ビスフェノールA、トリスフェノール等が分解し、フェノール及び/又はIPPを回収することができる。IPPは、フェノールとアセトンからの生成物であり、ビスフェノールAの中間体であるため、ここで得たフェノール及び/又はIPPを、工程(A)に戻すことで、系内に新たに供給を必要とする原料のフェノール及びアセトンの供給量の低減することができる。
なお、フェノール及び/又はIPPの回収率を向上させ、系内に新たに供給する必要があるフェノール及びアセトンの供給量を低減させる観点から、工程(E)で得た母液の全量をアルカリ分解処理することが好ましい。
アルカリ分解処理で用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、これらは水溶液の形態で添加してもよい。
添加するアルカリの量は、反応槽に供給されるフェノールを除いた供給量に対して、好ましくは0.01〜3.0質量%、より好ましくは0.05〜2.0質量%である。
アルカリ分解処理を行う際、反応槽及び蒸留塔の温度は、好ましくは180〜350℃、より好ましくは190〜300℃、更に好ましくは200〜280℃である。
また、反応槽及び蒸留塔の圧力は、好ましくは0.5〜50kPa、より好ましくは1.5〜20kPa、更に好ましくは3.0〜10kPaである。
本発明において、塔頂から回収されたフェノール及び/又はIPPは、凝縮液化させ、供給原料のフェノール及びアセトンと混合後、工程(A)の反応器に供給される。なお、本工程で回収したフェノール及び/又はIPPは、前工程までに回収したフェノールと共に、凝縮液化させてもよい。
ここで、回収したフェノール及び/又はIPPが再結合反応器を経由し、工程(A)の反応器に供給されると、上述のとおり、再結合反応器内で、フェノールとIPPが反応し、ビスフェノールAが生成される。この生成したビスフェノールAが、工程(A)の反応器内に送られると、反応性が高い反応中間体のIPPと更に反応し、副生成物が生じてしまい、製造されるビスフェノールAの品質の低下の原因となる。
そのため、本発明においては、回収したフェノール及び/又はIPPは、再結合反応器を経由することなく、工程(A)の反応器に供給される。
なお、回収したフェノール及びIPPは、再結合反応器を経由することなければ、本発明の効果を阻害しない範囲において、他の工程・反応器を経由して、工程(A)の反応器に供給されてもよいが、直接工程(A)の前記反応器に供給されることが好ましい。
以上のように、本発明の製造方法によれば、供給する原料使用量を効果的に低減しながら、無色で高純度である高品質のビスフェノールAを製造することができる。
本発明の製造方法により得られたビスフェノールAのJIS K 4101の基づく比色法にて測定される色相(APHA)は、好ましくは15以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下である。
以下の本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、製造工程中に生成されたフェノール及びビスフェノールA等は、HPLC分析によって定量した。
また、製造したビスフェノールAの色相(APHA)は、20gのビスフェノールAを、エタノール20mlに溶解し、分光光度計(日立製作所社製、製品名「U−3410型自記分光光度計」)を用いて、JIS K 4101に基づく比色法にて測定した。
実施例1
図2は、本実施例1のビスフェノールAの製造方法の工程図である。以下、図2に示した工程図に従って、実施例1で行ったビスフェノールAを製造方法について説明する。
触媒として、スルホン酸型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製、製品名「ダイヤイオン−104H」)に対して、2−メルカプトエチルアミンにてスルホン酸基の20モル%を部分中和したものを充填した固定床反応器に、初期供給量フェノール51.9t/hとアセトン4.5t/hとの混合物を、触媒層の温度を80℃に保ちながら、常圧(0.1MPa)の環境下、液空間速度1.0hr-1にて連続的に供給した(アセトン1モルに対するフェノールの供給量は7.1モル)。そして、ビスフェノールAを生成して、該ビスフェノールAを含む反応混合液を得た(工程(A))。
得られた反応混合液から、温度150℃、圧力40kPaの条件下で、主として未反応アセトン、反応生成水、低沸点物質を留去し、次いで温度90℃、圧力10kPaの条件下で、主としてフェノールを留去し、濃縮して、濃縮液を得た(工程(B))。
この濃縮液を、90℃から45℃まで冷却して、ビスフェノールAとフェノールとの付加物(アダクト)を含む固形分を晶析させた後、遠心分離機により分離して、当該固形物と、11.2t/hの母液とに分離した(工程(C))。なお、固形物については、洗浄し、溶融して、アダクト分解した後、温度170℃、圧力2kPaの条件下に操作された蒸留塔に送り、フェノールを留去回収した。そして、蒸留塔の塔底からビスフェノールAを含む溶液を抜き出し、更にスチームストリッピングにより当該溶液から残存フェノールを完全に除去して、6.3t/hのビスフェノールAを得た。
一方、遠心分離機で分離された11.2t/hの母液の全量を、温度70℃、液空間速度1hr-1の条件下でスルホン酸型陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製、製品名「ダイヤイオン−104H」)に接触させ、異性化処理を行った(工程(D))。
そして、異性化処理後の溶液のうち、8.8t/hの溶液は、工程(B)の濃縮工程に戻し、残りの2.4t/hの溶液を、温度100℃、圧力5kPaの条件下で濃縮して一部フェノールを留去した後、50℃まで冷却して、ビスフェノールAとフェノールとの付加物(アダクト)を含む固形分を晶析させた後、遠心分離機で分離し、固形分を洗浄して、0.7t/hの固形物と、1.7t/hの母液を得た(工程(E))。この固形物は、溶融した後、工程(B)の濃縮工程に戻した。
一方、上記の工程(E)で固形分を除去した母液は、温度160℃、圧力2kPaの条件下で、フェノールを蒸発させ、1.3t/hのフェノールを回収すると共に、0.4t/hの残留液(残留母液)を得た。
この0.4t/hの残留液(残留母液)を、10kg/hの25%水酸化ナトリウム水溶液を添加した後、塔底に反応槽を有するアルカリ分解反応塔の反応槽に供給し、温度250℃、圧力6.7kPaの条件下で操作し、反応塔の塔頂から0.21t/hのフェノール及びp−イソプロぺニルフェノール(IPP)を得、反応塔の塔底(反応槽)から0.17t/hのタール(残渣)を得た。そして、塔頂から得たフェノール及びIPPは、他の工程にて回収したフェノールと混合し、直接、工程(A)の固定床反応器に供給した(工程(F))。
上記工程からなるサイクルを繰り返し、供給フェノール及びアセトンを調整し、ビスフェノールAの生産量が6.3t/hで一定になるようにして一定時間経過後、供給フェノール量は5.40t/hとなり、供給アセトン量は1.70t/hであった。また、製造されたビスフェノールAの色相(APHA)は10であった。
比較例1
図3は、本比較例1のビスフェノールAの製造方法の工程図である。図3に示した工程に従ってビスフェノールAを製造した。
つまり、実施例1の工程(E)で固形分を除去した母液からフェノールを回収した後に残った0.4t/hの残留液(残留母液)を、上記工程(F)を経ずに廃棄した以外は、実施例1と同様の製造方法により、6.3t/hのビスフェノールAが製造されるように調整した。
一定時間経過後、供給フェノール量は5.55t/hとなり、供給アセトン量は1.75t/hであった。また、製造されたビスフェノールAの色相(APHA)は10であった。
製造されたビスフェノールAは、実施例1同様に高品質であったが、比較例1の製造方法では、供給フェノール量を0.15t/h、供給アセトン量を0.05t/h、実施例1の製造方法に比べて、多く供給する必要があった。
つまり、比較例1の製造方法は、実施例1に比べて、年間で供給フェノール1,200t、供給アセトン400tだけ多くの原料を必要とする。
比較例2
図4は、本比較例2のビスフェノールAの製造方法の工程図である。図4に示した工程図に従ってビスフェノールAを製造した。
つまり、実施例1の工程(F)において、蒸発塔の塔頂から得たフェノール及びIPPを、他の工程にて回収したフェノールと混合して、再結合反応器にて、フェノールとIPPとを反応させてビスフェノールAを生成し、再結合反応器で生成したビスフェノールAを含む反応物を工程(A)の固定床反応器に供給した以外は、実施例1と同様の製造方法により、6.3t/hのビスフェノールAが製造されるように調整した。
一定時間経過後、供給フェノール量は5.40t/hとなり、供給アセトン量は1.70t/hであり、実施例1と同様であった。しかし、製造されたビスフェノールAの色相(APHA)は20であり、実施例1で製造されたビスフェノールAに比べて品質が劣る結果であった。これは、再結合反応器にて生成したビスフェノールAが、反応器に供給されることで、例えば、反応器中に存在するIPPとビスフェノールAとが更に反応して得られる副生成物が残存してしまうことが原因と考えられる。
本発明のビスフェノールAの製造方法によれば、高品質のビスフェノールAを製造することができ、且つ、供給する原料使用量を効果的に低減することができる。得られたビスフェノールAは、ポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂等のエンジニアリングプラスチックの原料として使用し得る。

Claims (6)

  1. 下記工程(A)〜(F)を有する、ビスフェノールAの製造方法。
    工程(A):酸触媒の存在下、過剰のフェノールとアセトンとを縮合反応させる反応器において、ビスフェノールAを生成し、ビスフェノールAを含む反応混合液を得る工程
    工程(B):工程(A)で得た反応混合液を濃縮し、濃縮液を得る工程
    工程(C):工程(B)で得た濃縮液を晶析した後固液分離し、ビスフェノールAとフェノールとの付加物を含む固形分と、母液とに分離する工程
    工程(D):工程(C)で得た母液のうち、系内に存在する当該母液の少なくとも一部を異性化処理する工程
    工程(E):工程(D)の異性化処理後の溶液を晶析した後固液分離し、固形分と、母液とに分離する工程
    工程(F):工程(E)で得た母液のうち、系内に存在する当該母液の少なくとも一部をアルカリ分解処理し、フェノール及び/又はp−イソプロペニルフェノールを回収して、回収した当該フェノール及び/又はp−イソプロペニルフェノールを、再結合反応器を経由することなく、工程(A)の前記反応器に供給する工程
  2. 工程(D)において、工程(C)で得た母液のうち、系内に存在する当該母液の全量を異性化処理する、請求項1に記載のビスフェノールAの製造方法。
  3. 工程(D)の異性化処理後の溶液の5〜30質量%を工程(E)に送り、当該溶液の95〜70質量%を工程(B)へ戻す、請求項1又は2に記載のビスフェノールAの製造方法。
  4. 工程(F)において、回収したフェノール及び/又はp−イソプロペニルフェノールを、直接工程(A)の前記反応器に供給する、請求項1〜3のいずれかに記載のビスフェノールAの製造方法。
  5. 工程(E)で固液分離して固形分を除去した母液に対しフェノール回収処理を行い、フェノール回収処理後の母液を工程(F)に送る、請求項1〜4のいずれかに記載のビスフェノールAの製造方法。
  6. 製造されるビスフェノールAのJIS K 4101の基づく比色法にて測定される色相(APHA)が15以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のビスフェノールAの製造方法。
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