JP2005162742A - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応工程で使用される陽イオン交換樹脂触媒の劣化を抑制し、長期間安定してビスフェノールAを製造することが出来るビスフェノールAの製造方法を提供する。
【解決手段】触媒の存在下に原料成分のアセトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAを製造する方法であって、次の(1)〜(3)の何れかの手段を採用する。
(1)反応工程に原料成分と反応工程からの回収アセトンとを供給するに当り、反応工程に供給される全アセトン中の低級アルコール濃度を100ppm以下に調節する。
(2)反応工程に原料成分と反応工程から回収された原料成分とを供給するに当り、反応工程から導出される反応液中の低級アルコール濃度を30ppm以下に調節する。
(3)反応工程に原料成分と回収アセトンとを供給するに当り、反応工程に供給されるアセトンのうち少なくとも回収アセトンを反応工程に供給する前に精製して不純物として含まれる低級アルコールを除去する。
【選択図】 なし
【解決手段】触媒の存在下に原料成分のアセトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAを製造する方法であって、次の(1)〜(3)の何れかの手段を採用する。
(1)反応工程に原料成分と反応工程からの回収アセトンとを供給するに当り、反応工程に供給される全アセトン中の低級アルコール濃度を100ppm以下に調節する。
(2)反応工程に原料成分と反応工程から回収された原料成分とを供給するに当り、反応工程から導出される反応液中の低級アルコール濃度を30ppm以下に調節する。
(3)反応工程に原料成分と回収アセトンとを供給するに当り、反応工程に供給されるアセトンのうち少なくとも回収アセトンを反応工程に供給する前に精製して不純物として含まれる低級アルコールを除去する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ビスフェノールAの製造方法に関し、詳しくは、原料の一成分であるアセトン中に不純物として含有されるメタノール等の低級アルコールを低減することにより、反応工程で使用される陽イオン交換樹脂触媒の劣化を抑制し、触媒寿命の延長を可能にするビスフェノールAの製造方法に関する。
ビスフェノールAは、通常、フェノールとアセトンとを陽イオン交換樹脂などの酸性触媒の存在下で反応させることにより製造される。得られる反応混合物は、目的物であるビスフェノールAの他に、未反応フェノール、未反応アセトン、反応生成水および着色物質等の反応副生物を含む。反応混合物から目的物であるビスフェノールAを分離する方法としては、通常、蒸留法が採用される。この場合、蒸留塔内でフェノールの沸点よりも低い温度で蒸留を行い、未反応アセトン、反応生成水、一部の未反応フェノール等の低沸点成分を塔頂から回収する。そして、塔底からの濃縮混合液を冷却することによってビスフェノールAをフェノールとの結晶アダクトとして晶析させ、反応副生物を含む母液から得られた結晶アダクトを分離した後に、結晶アダクトからフェノールを除去してビスフェノールAを回収する。
塔頂から得られる低沸点成分中には未反応のアセトンが含まれているが、通常、さらにアセトン分離塔を使用し、蒸留などの操作によりアセトンを分離回収し、新たに供給されるアセトン(以下、フレッシュアセトンと略記することがある)と共に反応工程に再供給される。
フレッシュアセトン中には、不純物として微量のメタノールが含まれている。このメタノールは反応に関与しないため、分離回収された未反応アセトン中(以下、回収アセトンと略記することがある)に蓄積される。この回収反応アセトンをフレッシュアセトンと共に反応工程に再供給すると、反応混合物中のメタノールの濃度が上昇する。
反応工程で使用される酸性触媒としては、一般に強酸性陽イオン交換樹脂が使用されているが、反応工程に供給されるアセトン中に不純物として含まれるメタノールがこの強酸性陽イオン交換樹脂を劣化させ、触媒寿命を短くするという問題がある。
上記の問題点を解決するため、反応工程に供給するアセトン中のメタノール濃度を監視し、メタノールの濃度が所定濃度以上となった際に、アセトン分離塔の中間部からメタノールリッチのアセトンを適宜除去し、その分フレッシュアセトンの量を増加させ、反応工程に供給するアセトン中のメタノール濃度を10000重量ppm以下に調節する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、フレッシュアセトン中のメタノール濃度が高い場合、回収アセトンの量を調節してもメタノール濃度を低減することが出来ず、触媒である強酸性陽イオン交換樹脂が早期に劣化する。特に、部分的に含イオウアミン化合物で中和された酸性イオン交換樹脂を触媒として使用する場合、メタノールによる触媒の劣化はことさら大きい。また、反応工程に供給するアセトン中のメタノール濃度を10000重量ppm以下という様な程度で管理するのでは、触媒である強酸性陽イオン交換樹脂の劣化を防止することは出来ず、反応工程に供給する原料アセトン中のメタノール濃度をより低く管理する必要がある。
また、反応工程に供給する原料中のメタノール濃度を調節する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、低沸点成分中に含まれる未反応アセトンを再使用することについて考慮されていない。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、反応工程で使用される陽イオン交換樹脂触媒の劣化を抑制し、長期間安定してビスフェノールAを製造することが出来るビスフェノールAの製造方法を提供することである。
上記課題を解決すべく、本発明者は鋭意検討した結果、反応工程に供給されるアセトン中に不純物として含有されるメタノールの濃度を所定濃度以下に低減することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った、
本発明の第1の要旨は、触媒の存在下に原料成分のアセトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAを製造する方法であって、反応工程に上記の原料成分と反応工程から回収されたアセトンとを供給するに当り、反応工程に供給される全アセトン中の低級アルコール濃度を100重量ppm以下に調節することを特徴とするビスフェノールAの製造方法に存する。
本発明の第2の要旨は、触媒の存在下に原料成分のアセトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAを製造する方法であって、反応工程に上記の原料成分と反応工程から回収された原料成分とを供給するに当り、反応工程から導出される反応液中の低級アルコール濃度を30重量ppm以下に調節することを特徴とするビスフェノールAの製造方法に存する。
本発明の第3の要旨は、触媒の存在下に原料成分のアセトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAを製造する方法であって、反応工程に上記の原料成分と反応工程から回収されたアセトンとを供給するに当り、反応工程に供給されるアセトンのうち少なくとも反応工程から回収されたアセトンを反応工程に供給する前に精製して不純物として含まれる低級アルコールを除去することを特徴とするビスフェノールAの製造方法に存する。
本発明のビスフェノールAの製造方法によれば、反応工程に供給されるアセトン中に不純物として含有されるメタノール濃度を低減しているため、反応工程で使用されるイオン交換樹脂触媒の劣化を抑制することが出来る。特に、部分的に含イオウアミン化合物で変性された酸性イオン交換樹脂を使用した場合、その劣化抑制効果は顕著である。また、反応工程におけるアセトンとフェノールとの存在量及び比率が安定する様になるため、一定の品質のビスフェノールAを安定して製造することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の第1〜3の要旨に記載のビスフェノールAの製造方法は、触媒の存在下に原料成分のアセトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAを製造する方法である。本発明の製造方法は、上記反応工程の他に、通常、反応工程で得られた反応混合物からビスフェノールAを含む成分と未反応アセトンを含む低沸点成分とに分離する分離工程、低沸点成分から未反応アセトンを分離回収し、反応工程に循環させるアセトン循環工程、晶析工程、ビスフェノールAの回収工程、母液循環工程などの工程が含まれる。
先ず、発明の理解を容易にするため、図1のフロー図を基に、ビスフェノールAの製造方法の概略を説明するが、本発明の製造方法は種々の実施形態が可能である。なお、図1のフロー図は、後述する分離工程において方法(i)を採用した場合のフロー図である。
原料であるアセトンとフェノールはライン(1)を介して反応器(2)に供給される。反応器(2)からの反応混合物はライン(3)を介して蒸留塔(4)に導入される。塔頂から抜出されたアセトン、水、フェノール等を含む低沸点成分は、分離システム(20)へ移送され、蒸留などにより、アセトン、水およびフェノールに分離される。アセトンは、ライン(21)及びライン(A)を介して後述する精製器としてのメタノール除去装置(1a)へ移送される。水は分離システム(20)から系外に排出される。フェノールは分離システム(20)から精製器(20a)に供給されて精製処理された後にフェノール貯留用タンク(22)へ移送される。
蒸留塔(4)の塔底成分は晶析器(5)に移送され、ビスフェノールAとフェノールとが付加してなる結晶アダクトを析出させる。この結晶アダクトは、固液分離器(6)で固液分離された後に、再溶解器(7)で再溶解され、再晶析器(8)で再晶析され、遠心分離機などにより構成される固液分離及びリンスシステム(9)で処理される。ここで、結晶アダクトのリンスは、タンク(22)から供給される清浄なフェノールで行われる。リンス廃液はライン(10)を介して再溶解器(7)へ移送される(又はライン(17)を介し固液分離器(6)のリンスとして使用される)。リンス後の結晶アダクトは、アダクト分解装置(11)にて加熱されてビスフェノールAとフェノールとに分解され、ビスフェノールAは精製器(12)にて処理され、製品ビスフェノールAとなる。アダクト分解装置(11)及び精製器(12)にて分離されたフェノールは、タンク(22)へ移送される。
固液分離器(6)で分離された液分(母液)は、ライン(13)を介して母液タンク(14)へ移送される。母液タンク(14)内の母液は、ライン(15)を介してライン(1)へ移送され、アセトンと混合されて反応器(2)に供給される。さらに、母液タンク(14)内の母液は、ライン(16)を介してライン(3)にも移送される。
反応器(2)に供給されるアセトンと母液との混合液中におけるアセトンと母液との比率が所定範囲となる様に、ライン(15)からライン(1)への供給量が制御される。アセトンと母液との比率が安定化することにより、反応器(2)における反応が安定し、製品ビスフェノールAの品質および収率が安定する。なお、母液タンク(14)は、ライン(13)からの循環量の変動を平準化するためのバッファータンクの役目を担う。
次に、各工程について詳細に説明する。
反応工程:
反応器(2)内で行われる反応工程において、原料のフェノールとアセトンは、化学量論的にフェノール過剰で反応させる。フェノールとアセトンとのモル比(フェノール/アセトン)は、通常3〜30、好ましくは、5〜20である。反応温度は、通常50〜100℃、反応圧力は、通常、常圧〜600kPaで行われる。
反応器(2)内で行われる反応工程において、原料のフェノールとアセトンは、化学量論的にフェノール過剰で反応させる。フェノールとアセトンとのモル比(フェノール/アセトン)は、通常3〜30、好ましくは、5〜20である。反応温度は、通常50〜100℃、反応圧力は、通常、常圧〜600kPaで行われる。
触媒としては、通常スルホン酸型などの強酸性陽イオン交換樹脂、好ましくは強酸性陽イオン交換樹脂を部分的に含イオウアミン化合物で中和したが樹脂が使用される。イオウアミン化合物としては、例えば2−(4−ピリジル)エタンチオール、2−メルカプトエチルアミン、3−メルカプトプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−メルカプトプロピルアミン、N,N−ジ−n−ブチル−4−メルカプトブチルアミン、2,2−ジメチルチアゾリジン等の、ビスフェノールAの合成に使用される一般的なプロモーターが挙げられる。プロモーターの使用量は、酸性イオン交換体中の酸基(スルホン酸基)に対し、通常2〜30モル%、好ましくは5〜20モル%である。
フェノールとアセトンとの縮合反応は、通常、連続方式かつ押し流れ方式である固定床流通方式、または懸濁床回分方式で行われる。固定床流通方式の場合、反応器に供給する原料混合物の液空間速度は、通常0.2〜50hr−1である。懸濁床回分方式で行う場合、反応温度、反応圧力によって異なるが、原料混合物に対して強酸性陽イオン交換樹脂触媒の使用量は通常20〜100重量%、その処理時間は通常0.5〜5時間である。
分離工程:
反応工程において得られた反応混合物から、ビスフェノールAを含む成分と未反応アセトンを含む低沸点成分とに分離する。分離方法としては、代表的には以下の(i)〜(iii)の方法がある。
反応工程において得られた反応混合物から、ビスフェノールAを含む成分と未反応アセトンを含む低沸点成分とに分離する。分離方法としては、代表的には以下の(i)〜(iii)の方法がある。
方法(i):
図1のフロー図に基づいて前述した様に、蒸留塔(4)を使用し、反応工程において得られた反応混合物を蒸留し、塔頂から未反応アセトンを含む低沸点成分を分離する。缶出液はビスフェノールAを含む液体成分である。蒸留塔としては公知のものが使用できる。蒸留を常圧で行う場合はフェノールの沸点以下で行うが、好ましくは減圧蒸留により行われる。減圧蒸留は、通常、温度50〜150℃、圧力50〜300mmHgで行われる。反応混合物中に含まれる未反応フェノールは、以降の晶析工程でビスフェノールとアダクト付加物を形成させるため、所定量を塔底から抜き出す条件で蒸留を行うことが好ましい。蒸留塔(4)の塔頂から分離される成分は、未反応アセトン、水、不純物として含まれるメタノール、未反応フェノール等である。
図1のフロー図に基づいて前述した様に、蒸留塔(4)を使用し、反応工程において得られた反応混合物を蒸留し、塔頂から未反応アセトンを含む低沸点成分を分離する。缶出液はビスフェノールAを含む液体成分である。蒸留塔としては公知のものが使用できる。蒸留を常圧で行う場合はフェノールの沸点以下で行うが、好ましくは減圧蒸留により行われる。減圧蒸留は、通常、温度50〜150℃、圧力50〜300mmHgで行われる。反応混合物中に含まれる未反応フェノールは、以降の晶析工程でビスフェノールとアダクト付加物を形成させるため、所定量を塔底から抜き出す条件で蒸留を行うことが好ましい。蒸留塔(4)の塔頂から分離される成分は、未反応アセトン、水、不純物として含まれるメタノール、未反応フェノール等である。
上記の低沸点成分を塔頂から分離した後の缶出液中のビスフェノールAの濃度は、通常20〜50重量%である。ビスフェノールAの濃度が20重量%よりも小さい場合、ビスフェノールAの収率が低くなり、50重量%より大きい場合、濃縮混合液の見かけの粘度が高くなって移送が困難になる。缶出液は晶析工程に移送され、目的物であるビスフェノールAの回収が行われる。晶析工程については後述する。
方法(i i):
反応工程において得られた反応混合物を晶析器(5)に直接供給する(供給ラインは図示せず)。そして、晶析器(5)において、減圧して未反応アセトンを含む低沸点成分を蒸発させて分離すると共にビスフェノールAとフェノールとの結晶アダクトが晶析したスラリーを得る。反応混合物には、必要に応じて、水およびアセトンを添加する。晶析を行う際のビスフェノールAの濃度は通常20〜50重量%、水濃度は通常1〜10重量%、アセトン濃度は通常0.5〜5重量%である。
反応工程において得られた反応混合物を晶析器(5)に直接供給する(供給ラインは図示せず)。そして、晶析器(5)において、減圧して未反応アセトンを含む低沸点成分を蒸発させて分離すると共にビスフェノールAとフェノールとの結晶アダクトが晶析したスラリーを得る。反応混合物には、必要に応じて、水およびアセトンを添加する。晶析を行う際のビスフェノールAの濃度は通常20〜50重量%、水濃度は通常1〜10重量%、アセトン濃度は通常0.5〜5重量%である。
晶析器(5)内を減圧にすることにより、水、アセトン及び少量のフェノール等が蒸発し、70〜140℃の晶析原料(反応混合物)は、通常35〜60℃までに冷却され、結晶アダクトが晶析し、スラリー状となる。圧力が50〜550mmHgとなる様な減圧度が好ましい。得られたスラリーは、フィルタ等の手段から成る固液分離器(6)において固液分離される。一方、晶析器(5)で蒸発除去された低沸点成分としての水、アセトン及びこれらに付随するフェノールは分離システム(20)から成るアセトン循環工程に送られ、アセトンが分留され、このアセトンが反応工程前段のメタノール除去装置(1a)へフィードバックされる。
方法(iii):
この方法は、ビスフェノールAとフェノールとの結晶アダクトを晶析させてスラリーを得る晶析工程と、得られたスラリーに対し、ビスフェノールAとフェノールとの結晶アダクトと、液分とに固液分離する工程と、固液分離工程で得られた液分から未反応アセトンを含む低沸点成分を分離する工程とを含む。
この方法は、ビスフェノールAとフェノールとの結晶アダクトを晶析させてスラリーを得る晶析工程と、得られたスラリーに対し、ビスフェノールAとフェノールとの結晶アダクトと、液分とに固液分離する工程と、固液分離工程で得られた液分から未反応アセトンを含む低沸点成分を分離する工程とを含む。
すなわち、反応工程において得られた反応混合物を晶析器(5)に直接供給する(供給ラインは図示せず)。そして、必要に応じて、水およびアセトンを添加し、晶析を行う。晶析を行う際のビスフェノールAの濃度は通常20〜50重量%、水濃度は通常1〜10重量%、アセトン濃度は通常0.5〜5重量%である。晶析方法は特に限定されず、熱交換器で晶析原料を冷却することにより晶析を行うことが好ましい。また、方法(i i)で行われる減圧による蒸発を併用して冷却を行い、晶析を行ってもよい。70〜140℃の晶析原料は、通常35〜60℃まで冷却され、結晶アダクトが晶析し、スラリー状となる。得られたスラリーは、固液分離器(6)において固液分離される。
固液分離器(6)からの晶析母液または晶析母液と洗浄濾液の混合物は低沸点成分分離工程に移送される。なお、方法(i i)で行われる減圧による蒸発を併用して晶析を行った場合は、蒸発除去された低沸点成分も低沸点成分分離工程に移送する。
低沸点成分分離工程において、通常蒸留塔を使用し、減圧蒸留などの方法により、塔頂から未反応アセトン、水、フェノールを含む低沸点成分を分離する。減圧蒸留は、通常、温度50〜150℃、圧力50〜300mmHgで行われる。分離された未反応アセトン、水、フェノールを含む低沸点成分は分離システム(20)から成るアセトン循環工程に送られ、アセトンが分留され、このアセトンが反応工程前段のメタノール除去装置1aへフィードバックされる。
上記の(i)〜(iii)の何れの方法を採用する場合において、低沸点成分中に、反応混合物中に僅かに存在するメタノールにより、触媒被毒を伴って発生するアルキルメルカプタン類が含まれる。したがって、低沸点成分を分離する際のストリームガス中のアルキルメルカプタン類を除去し、排気する装置を設けることが好ましい。アルキルメルカプタン類の除去方法としては、特に限定されず、洗浄法、酸化(オゾン)法、吸着法、生物処理法、燃焼法、光触媒脱臭法、プラズマ脱臭法、消臭噴霧法などが挙げられる。アルキルメルカプタン類がジメチルスルフィド等で、洗浄法を採用した場合、薬剤に次亜塩素酸ナトリウム(酸化剤)を使用して酸化し、硫酸などの酸性物質にした後に、水酸化ナトリウム等でpH調製して処理する。吸着法としては、一般的に活性炭により吸着を行い、数ppm以下の低濃度においても有効に処理可能であるが、臭気を吸着処理した活性炭を再生処理すれば効率もよい。燃焼法としては、燃焼後の排ガスに脱硫システムを使用することが好ましい。
アセトン循環工程:
前述の分離工程で分離された低沸点成分から未反応アセトンを分離回収し、反応工程に循環させる。低沸点成分からの未反応アセトンの分離は、分離システム(20)で行われ、通常、分離システム(20)としては多段蒸留塔が使用され、水、アセトン、フェノールに分離される。なお、分離回収したアセトン中には、不純物であるメタノールも含まれている。分離回収したアセトンは、ライン(21)を介してフレッシュアセトンと混合され、反応工程に供給される。分離回収したフェノールは、フレッシュフェノールと共に精製器(20a)において精留された後、清浄フェノールの貯留用タンク(22)に貯えられ、後述の結晶アダクトのリンスに使用される。
前述の分離工程で分離された低沸点成分から未反応アセトンを分離回収し、反応工程に循環させる。低沸点成分からの未反応アセトンの分離は、分離システム(20)で行われ、通常、分離システム(20)としては多段蒸留塔が使用され、水、アセトン、フェノールに分離される。なお、分離回収したアセトン中には、不純物であるメタノールも含まれている。分離回収したアセトンは、ライン(21)を介してフレッシュアセトンと混合され、反応工程に供給される。分離回収したフェノールは、フレッシュフェノールと共に精製器(20a)において精留された後、清浄フェノールの貯留用タンク(22)に貯えられ、後述の結晶アダクトのリンスに使用される。
晶析工程:
分離工程で方法(i)を採用する場合は、低沸点成分を分離した缶出液(ビスフェノールAを含む液体成分)に対して引続き晶析工程を行う。斯かる晶析工程は、方法(i i)及び(iii)の場合と同様に、晶析器5において70〜140℃から35〜60℃まで冷却され、結晶アダクトが晶析し、スラリーとなり、このスラリーは、固液分離器(6)において固液分離される。
分離工程で方法(i)を採用する場合は、低沸点成分を分離した缶出液(ビスフェノールAを含む液体成分)に対して引続き晶析工程を行う。斯かる晶析工程は、方法(i i)及び(iii)の場合と同様に、晶析器5において70〜140℃から35〜60℃まで冷却され、結晶アダクトが晶析し、スラリーとなり、このスラリーは、固液分離器(6)において固液分離される。
方法(i)〜(iii)における晶析器(5)としては、通常、切り替え運転可能な複数の外部冷却器を有する晶析槽が使用される。外部冷却器を複数設けて切り替え運転することにより、外部冷却器の凍結を防止できる。なお、外部冷却器の切り替え時に、晶析槽での晶析特性が変動するため、固液分離器(6)で分離される母液量が変動する。ライン(15)からライン(1)へ供給される母液量の変動を防ぐためには、通常、ライン(16)を介して母液の一部を反応器(2)の後段側へバイパスさせる。晶析器(5)として、ジャケット式冷却器を具備した晶析槽を使用する場合で上記方法(i i)を採用する場合、伝熱面に付着したスケールを除去する掻き取り装置を備えたものが好ましい。
ビスフェノールAの回収工程:
分離工程の各方法を経由して得られた、固液分離器(6)において回収された結晶アダクトは、再溶解器(7)中でフェノールに再溶解され、再晶析器(8)で再晶析されて純度を高めた後に。固液分離及びリンスシステム(9)で固液分離され、清浄なフェノールでリンスされる。次いで、結晶アダクト分解システム(11)に移送される。
分離工程の各方法を経由して得られた、固液分離器(6)において回収された結晶アダクトは、再溶解器(7)中でフェノールに再溶解され、再晶析器(8)で再晶析されて純度を高めた後に。固液分離及びリンスシステム(9)で固液分離され、清浄なフェノールでリンスされる。次いで、結晶アダクト分解システム(11)に移送される。
なお、固液分離及びリンスシステム(9)で分離された液分の大部分およびリンス廃液は、再溶解器(7)における結晶アダクト再溶解用フェノール及び固液分離器(6)に供給されるリンス液として使用される。固液分離及びリンスシステム(9)で分離された液分の一部は循環母液と共にタンク(14)に循環される。
結晶アダクト分解装置(11)においては、通常、100〜160℃に結晶アダクトを加熱溶融し、得られた溶融液から大部分のフェノールを留去する方法が使用される。精製器(12)においては、通常、スチームストリッピング等により残存するフェノールを除去し、ビスフェノールAを精製する方法が使用される。この方法は、例えば、特開平2−28126号公報、特開昭63−132850号公報などに記載されている。
母液循環工程:
固液分離器(6で固液分離された液分(母液)は、ライン(13)、(15)及び(16)を介して反応工程の前段側および後段側に循環される。
固液分離器(6で固液分離された液分(母液)は、ライン(13)、(15)及び(16)を介して反応工程の前段側および後段側に循環される。
固液分離器(6)から得られる母液の組成は、通常、フェノール65〜85重量%、ビスフェノールA10〜20重量%、2,4’−異性体などの副生物5〜15重量%であり、2,4’−異性体などの不純物を多く含んでいる。これらの不純物の循環系への蓄積を防止するため、固液分離器(6)から得られる母液の全量をそのまま循環させるのではなく、その一部を分取して不純物除去処理を施して純度を高めた後に、循環供給に供することが好ましい。
不純物除去処理としては、通常、ライン(13)から母液の一部を不純物除去装置(13a)に分取し、この分取した母液に水酸化ナトリウム等の分解触媒を添加し、蒸留することによりフェノール、ビスフェノールA及びイソプロピルフェニルを塔頂成分として回収し、この回収分をライン(13)に戻す処理方法が使用される。塔底分については系外に排出する。
ライン(13)から不純物除去装置(13a)に分取する母液の分取率は、通常4〜15重量%である。不純物除去装置(13a)を設けることにより、ライン(13)からタンク(14)へ循環する母液の組成が、ほぼ上記に示す範囲内に安定する。
なお、分取した母液の一部には、反応工程由来の陽イオン交換樹脂残渣が微量含まれる。そのため、ライン(13)に、陽イオン交換樹脂残渣を除去した後に再びラインに戻す手段を設けることが好ましい。
ライン(13)からの母液は、タンク(14)、ライン(15)及びライン(16)を介してライン(1)及び(3)にそれぞれ供給される。タンク(14)からポンプに送出される母液は、ライン(16)の流量が一定となる様にライン(15)に設置されたバルブにより調節される。
フェノールと、ライン(1)へのフレッシュアセトン量(a)とライン(21)を介して供給される回収アセトン量bとの合計量(a+b)に対するモル比(フェノール/アセトン)が、上記に示した一定の混合比率となる様にタンク(14)からライン(15)への母液送出用ポンプ(図示略)の制御を行う。
次に、本発明の第1の要旨の特徴部分について説明する。本発明の第1の要旨は、反応工程に供給される全アセトン中の低級アルコール濃度を100重量ppm以下、好ましくは20〜100ppm、より好ましくは30〜80ppmに調節することを特徴とする。低級アルコールとは、炭素数1〜8のアルコールを意味し、代表的にはメタノールである。以下、メタノールを例として説明する(後述の第2及び3の要旨の特徴部分についての説明においても同じ)。
フレッシュアセトン中のメタノール濃度は、通常50〜400重量ppm(以下、単にppmと記載する)であり、回収アセトン中のメタノール濃度は70〜700ppm程度である。フレッシュアセトン量aに対する回収アセトンの量(b)の比(b/aは、通常0.05〜0.2程度である。したがって、メタノール除去処理を行わない場合のフレッシュアセトン及び回収アセトンの混合アセトン中のメタノール濃度は、通常50〜500ppm程度である。しかしながら、フレッシュアセトン中のメタノール濃度が100ppm以下であっても、反応を継続していくうちに、回収アセトン中のメタノール濃度が上昇し、混合アセトン中のメタノール濃度が100ppmを超える。また、フレッシュアセトン中のメタノール濃度が100ppmを超えている場合は、最初から混合アセトン中のメタノール濃度が100ppmを超える可能性がある。
何れの場合においても、メタノール濃度が100ppmを超えた段階でアセトン中のメタノールを除去する。フレッシュアセトン中のメタノール濃度が100ppm以下である場合は、回収アセトン中のメタノールを除去してフレッシュアセトンと混合する方法、または、フレッシュアセトン量(a)に対する回収アセトンの量(b)の比(b/a)を調節する方法が挙げられる。フレッシュアセトン中のメタノール濃度が100ppmを超える場合は、混合アセトン中のメタノールを除去する。何れの方法であっても、反応工程に供給される全アセトン中のメタノール濃度が100ppm以下になる様にすればよい。アセトン中のメタノール濃度は、ガスクロマトグラフィ分析法により測定できる。アセトン中のメタノールを除去する方法については後述する。
次に、本発明の第2の要旨の特徴部分について説明する。本発明の第2の要旨は、反応工程から導出される反応液中の低級アルコール濃度を30重量ppm以下、好ましくは20重量ppm以下、より好ましくは10重量ppm以下に調節することを特徴とする。換言すれば、低級アルコールは反応に関与しないため、フェノール、フレッシュアセトン、回収アセトンを含む反応工程に供給する原料混合物中に不純物として存在するメタノール等の低級アルコールの濃度が30重量ppm以下である。
部分的に含イオウアミン化合物で中和された酸性イオン交換樹脂の場合は、メタノールとプロモーターであるメルカプト基との反応によりスルフィド体を形成するに加え、更に反応が進行し、スルホニウム陽イオンを形成し、酸部位の性能が低下する。この際、触媒被毒に伴い、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド等(プロモーターからの分解脱離生成物)の臭気物質であるアルキルメルカプタン類が発生する。したがって、部分的に含イオウアミン化合物で中和された酸性イオン交換樹脂の場合は特に、反応器に供給されるメタノールの濃度を低くすることが重要である。反応液中のメタノール濃度は、ガスクロマトグラフィ分析法により測定できる。
反応器に供給される前述の原料混合物中のメタノールの濃度を低減させる方法としては、アセトン中のメタノール濃度を低減させる後述の方法が例示される。
次に、本発明の第3の要旨の特徴部分について説明する。本発明の第3の要旨は、反応工程に供給されるアセトンのうち少なくとも反応工程から回収されたアセトンを反応工程に供給する前に精製して不純物として含まれる低級アルコールを除去することを特徴とする。メタノール等の低級アルコールを除去する対象となるアセトンは、回収アセトン、フレッシュアセトンと回収アセトンとの混合物の何れの場合でもよい。フレッシュアセトン中のメタノール濃度が低い場合、回収アセトン中のメタノールを除去すればよい。また、フレッシュアセトン中のメタノール濃度が高い場合、フレッシュアセトンと回収アセトンとの混合物中のメタノールを除去すればよい。
アセトン中のメタノール除去処理は、メタノール除去装置(1a)を使用し、反応原料として供給されるアセトン中に不純物として存在するメタノール濃度が、通常100ppm以下、好ましくは20〜100ppm、より好ましくは30〜80ppmとなる様に行われる。
具体的なメタノール除去装置(1a)を使用した除去方法としては、例えば、特開平9−278703号に記載の方法が採用できる。すなわち、蒸留塔を使用し、蒸留塔内のメタノールを含有するアセトンの操作圧を通常200kPa以上、好ましくは200〜1100kPa、より好ましくは300〜600kPaの範囲内に調節し、蒸留処理を行うことが好ましい(例えば、特開平9−278703号に記載)。蒸留塔としては、通常理論段数20段以上、好ましくは25〜50段の充填塔または棚段塔が使用される。塔頂温度および塔底温度は、塔頂操作圧に対応した条件で操作される。好ましい態様として、メタノールを微量含有するアセトンを蒸留塔の中段に供給し、蒸留塔を上記の操作圧で運転し、塔頂からメタノールに富むアセトン留分を留出させ、一方、塔底よりメタノール濃度が著しく低下したアセトン缶出液を取得する。この缶出液を反応原料としてライン(1)を介して供給する。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお、%は、特に記載の無い限り重量%とする。ビスフェノールAの定量およびメタノール濃度は、株式会社島津製作所製「GC−17A」を使用し、FID検出器を使用してガスクロマトグラフィ分析法により測定した。
実施例1:
図1に示すフローを有したパイロットプラントによりビスフェノールAを製造した。フレッシュアセトン中のメタノール濃度は300ppmであった。メタノール除去装置(1a)としては、理論段数35段の規則充填物(菱化フォワード社製「エムシーパックMC350S」)を有する蒸留塔を使用し、410kPaの圧力下において、上から25段目よりフレッシュアセトン及びライン(21)からの回収アセトンとの混合物を供給した。
図1に示すフローを有したパイロットプラントによりビスフェノールAを製造した。フレッシュアセトン中のメタノール濃度は300ppmであった。メタノール除去装置(1a)としては、理論段数35段の規則充填物(菱化フォワード社製「エムシーパックMC350S」)を有する蒸留塔を使用し、410kPaの圧力下において、上から25段目よりフレッシュアセトン及びライン(21)からの回収アセトンとの混合物を供給した。
反応器(2)内の触媒としては、2−(4−ピリジル)エタンチオールにてスルホン酸基の20モル%が部分中和されたスルホン酸型陽イオン交換樹脂(ロームアンドハース(Rohm and Haas)社製「アンバーリスト 31」)を使用し、充填量は3.4m3とした。
アセトンのニューフィード量は60kg/hとした。ライン(21)からの回収アセトン量は、平均して10kg/hであった。ライン(15)からライン(1)への母液供給量は、1608.8kg/hで一定となる様にライン(16)の流量を調節した。
蒸留塔(4)の塔底の温度は135℃で、圧力は100mmHgとした。晶析器(5)としては、3個の外部冷却器を有した晶析槽を使用し、3個のうち1個の外部冷却器を順次に停止しながら晶析を行った。晶析槽の温度は49℃〜51℃の範囲で変動した。
その結果、ライン(21)からの回収アセトン中のメタノール濃度は平均して515ppmであった。触媒のアセトン添加率は反応開始時の99.5%から、徐々に低下した。この間、ライン(21)からの回収アセトン量も徐々に増加したが、メタノール除去装置(1a)で処理した後のアセトン中のメタノール濃度は90〜109ppmに維持された。ライン(1)への母液との混合後の反応液中のメタノール濃度は3〜4ppmに維持された。12ヶ月後のアセトン添加率は81%となった。そして、反応器(2)内の触媒を交換することなく12ヶ月にわたって運転を継続することが出来た。
比較例1:
メタノール除去装置(1a)をライン(21)に移設し、ライン(21)を介する回収アセトンのみをメタノール除去装置(1a)を使用して常圧下で蒸留処理し、処理後の回収アセトンをフレッシュアセトンと混合してライン(1)から反応器2に供給し、ライン(15)からのライン(1)への母液供給量を500kg/hとした以外は、実施例1と同様の運転操作を行った。メタノール除去処理後の回収アセトン中のメタノール濃度は、900〜1000ppm程度までしか低減しなかった。触媒のアセトン転化率は反応開始時の99.9%から徐々に低下すると共に、回収アセトン量も増加し、ニューフィードアセトンとの混合アセトン中のメタノール濃度は300〜325ppmまで増加し、フレッシュアセトン中のメタノール濃度よりも大きくなった。また、母液との混合後の反応液中のメタノール濃度は32〜34ppmまで増加した。そして、運転開始後約6ヶ月で、アセトン添加率が69%まで低下し、反応器(2)中の触媒が劣化したために交換を必要とし、長期間に渡って運転を継続することが出来なかった。
メタノール除去装置(1a)をライン(21)に移設し、ライン(21)を介する回収アセトンのみをメタノール除去装置(1a)を使用して常圧下で蒸留処理し、処理後の回収アセトンをフレッシュアセトンと混合してライン(1)から反応器2に供給し、ライン(15)からのライン(1)への母液供給量を500kg/hとした以外は、実施例1と同様の運転操作を行った。メタノール除去処理後の回収アセトン中のメタノール濃度は、900〜1000ppm程度までしか低減しなかった。触媒のアセトン転化率は反応開始時の99.9%から徐々に低下すると共に、回収アセトン量も増加し、ニューフィードアセトンとの混合アセトン中のメタノール濃度は300〜325ppmまで増加し、フレッシュアセトン中のメタノール濃度よりも大きくなった。また、母液との混合後の反応液中のメタノール濃度は32〜34ppmまで増加した。そして、運転開始後約6ヶ月で、アセトン添加率が69%まで低下し、反応器(2)中の触媒が劣化したために交換を必要とし、長期間に渡って運転を継続することが出来なかった。
1a:メタノール除去装置
2:反応器
4:蒸留塔
5:晶析器
6:固液分離器
7:再溶解器
8:再晶析器
9:固液分離及びリンスシステム
11:結晶アダクト分解装置
12:精製器
13a:不純物除去システム
14:タンク
20:分離システム
20a:精製器
22:フェノール貯留タンク
2:反応器
4:蒸留塔
5:晶析器
6:固液分離器
7:再溶解器
8:再晶析器
9:固液分離及びリンスシステム
11:結晶アダクト分解装置
12:精製器
13a:不純物除去システム
14:タンク
20:分離システム
20a:精製器
22:フェノール貯留タンク
Claims (8)
- 触媒の存在下に原料成分のアセトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAを製造する方法であって、反応工程に上記の原料成分と反応工程から回収されたアセトンとを供給するに当り、反応工程に供給される全アセトン中の低級アルコール濃度を100重量ppm以下に調節することを特徴とするビスフェノールAの製造方法。
- 触媒の存在下に原料成分のアセトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAを製造する方法であって、反応工程に上記の原料成分と反応工程から回収された原料成分とを供給するに当り、反応工程から導出される反応液中の低級アルコール濃度を30重量ppm以下に調節することを特徴とするビスフェノールAの製造方法。
- 触媒の存在下に原料成分のアセトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAを製造する方法であって、反応工程に上記の原料成分と反応工程から回収されたアセトンとを供給するに当り、反応工程に供給されるアセトンのうち少なくとも反応工程から回収されたアセトンを反応工程に供給する前に精製して不純物として含まれる低級アルコールを除去することを特徴とするビスフェノールAの製造方法。
- フレッシュアセトンと反応工程から回収されたアセトンとを混合した後、反応工程に供給する前に精製して不純物として含まれる低級アルコールを除去する請求項3に記載の製造方法。
- 反応工程から回収されたアセトンを精製して不純物として含まれる低級アルコールを除去し、回収されたアセトンに含まれる低級アルコールの濃度をフレッシュアセトン中に含まれる低級アルコールの濃度以下にする請求項3に記載の製造方法。
- 低級アルコール除去処理が200kPa以上の加圧下で行なう蒸留処理である請求項3〜5の何れかに記載の製造方法。
- 蒸留処理が200〜1100kPaの加圧下で行われる請求項6に記載のビスフェノールAの製造方法。
- 反応工程で使用する触媒が、部分的に含イオウアミン化合物で中和された酸性イオウ交換樹脂である請求項1〜7の何れかに記載の製造方法。
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-
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- 2004-11-10 JP JP2004326230A patent/JP2005162742A/ja active Pending
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