JP6052985B2 - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents

電解コンデンサの駆動用電解液 Download PDF

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Description

本発明は、γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主溶媒とする電解コンデンサの駆動用電解液(以下、電解液と略す)に関するものであり、さらに詳しくは、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、実質的にナトリウムを含まないポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂と略す)を用いることで劣化を抑制することができ、安全性の高い電解液を提供する。
近年、自動車分野等においてアルミニウム電解コンデンサ等の電解コンデンサは、広範な温度領域で使用することが求められており、特に冬場又は寒冷地でも問題なく作動する低温特性に優れた製品の開発が求められている。このような自動車分野で用いられるアルミニウム電解コンデンサでは、低温特性に優れたγ−ブチロラクトンを主溶媒とした電解液が注目されているが、それらを主溶媒にした電解液では耐電圧特性が十分ではないため、電解液の耐電圧を向上させる目的で特定の鹸化度、重合度のポリビニルアルコールを添加することが提案されている(特許文献1)。また、γ−ブチロラクトンは蒸気圧が高く、高温領域での使用に適さないため、アルキル−γ−ブチロラクトンを主溶媒とした電解液も提案されている(特許文献2)。
しかしながら、ポリビニルアルコールを添加することで耐電圧を向上させることはできるが、自動車分野等においては安全性に対する要求が高いため、耐電圧を向上することが重要となる一方で、高温長時間放置後に漏れ電流が小さいこと、及びショートによるコンデンサ破壊が起こらないことも重要となる。
耐電圧向上剤として使用されるPVA系樹脂の代表的な工業的製造法は、下記式(2)のように酢酸ビニルをメタノール溶媒中においてラジカル重合し、得られたポリ酢酸ビニルをメタノール溶液中で水酸化ナトリウムを用い鹸化反応を行う方法である。
Figure 0006052985
前記製造方法においては、重合時にアゾ系、過酸化物系等の開始剤を用いてラジカル重合させるが、このとき、下記式(3)のように一部連鎖移動反応によって、酢酸ビニルのエステル基の末端に連鎖反応が移動する。これは長鎖分岐と呼ばれているが、この分岐は鹸化反応の際に切断される。その際分岐したポリマー鎖の末端構造が水酸化ナトリウムを使用して鹸化を行なった場合、カルボン酸ナトリウムが末端に残る構造となっている。
Figure 0006052985
また、鹸化反応において水酸化ナトリウムを用いた場合、その副生物として酢酸ナトリウムが生じ、一部不純物として製品中に混在する。
これらナトリウム成分は、電解液中に存在すると電解液pHを変動させて、封止剤等の周辺部材の劣化、電極に形成された酸化被膜の劣化の原因となるという問題があった。
特開2008−244346号公報 特開平06−132165号公報
本発明は、上記現状に鑑み、電解液の劣化を抑制し、安全性が高く、かつ耐電圧特性にも優れるPVA系樹脂含有電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒、電解質、及び、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂とを含有する電解液を用いることで、前記した課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒、電解質、及び、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂を含むことを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
[2]重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂が、脂肪族ビニルエステル系重合体を、ナトリウムを含有しない鹸化触媒の存在下に、鹸化して得られることを特徴とする前記[1]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[3]ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、ホスファゼン化合物であることを特徴とする前記[2]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[4]ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、下記一般式(1)
OH (1)
(上記式中、R〜Rは、それぞれ独立して炭素数1〜16のアルキル基、ベンジル基又はフェニル基である。)
で表される水酸化4級アンモニウム化合物であることを特徴とする前記[2]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[5]ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、グアニジン化合物又はアミジン化合物であることを特徴とする前記[2]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[6]ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、酸鹸化触媒であることを特徴とする前記[2]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[7]酸鹸化触媒が、ギ酸、酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、及び硝酸からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする前記[6]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[8]ナトリウムを含まない鹸化触媒を用いて脂肪族ビニルエステル系重合体を鹸化することによって、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂を製造する工程、及びγ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒に、前記ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂及び電解質を溶解する工程を含むことを特徴とする、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液の製造方法。
本発明の電解コンデンサ駆動用電解液を用いると、電解液の性能劣化及びショートを生じ難く、かつポリビニルアルコール系樹脂を添加することにより、安全性が高く、耐電圧特性が高い電解液を提供できる。また、本発明は、低温特性に優れる電解液を提供できる。
以下、本発明の電解コンデンサ駆動用電解液を詳細に説明する。
本発明の電解液に主成分として用いられる溶媒としては、γ−ブチロラクトン、アルキル−γ−ブチロラクトンが挙げられる。アルキル−γ−ブチロラクトンとしては、ラクトン環にアルキル基を有するものであれば制限はなく、前記アルキル基は、例えば、炭素数1〜20が挙げられる。前記アルキル−γ−ブチロラクトンの具体的としては、例えば、プロピル−γ−ブチロラクトン、n−ヘキシル−γ−ブチロラクトン、オクチル−γ−ブチロラクトン、ノニル−γ−ブチロラクトン、n−ドデシル−γ−ブチロラクトン、オクタデシル−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶媒は、一種単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用することもできる。これらの溶媒は、主成分であればよく、本発明の効果を損なわない範囲内で、下記の他の溶媒を混合していてもよい。
混合する溶媒としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等の多価アルコール類、アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド等のアミド類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド、ケトン類、エステル類、スルホラン及びその誘導体、等を使用することができる。これらの他の溶媒は、一種単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用することもできる。
本発明の電解液に用いられる電解質としては、有機酸又は無機酸若しくはそれらの塩、或いは、アミン類を一種単独又は二種以上を組合せて用いることができる。電解質の含有量としては、発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、電解液全体に対して、通常0.05〜30.0質量%であり、好ましくは0.1〜25.0質量%である。
有機酸としては、特に限定されないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、エナント酸等の脂肪族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、メチルマロン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、トルイル酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。
無機酸としては、特に限定されないが、例えば、ホウ酸、リン酸、ケイ酸、HBF、HPF等が挙げられる。
有機酸又は無機酸の塩としては、特に限定されないが、例えば、アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、アンモニウム塩としては、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム、エナント酸アンモニウム等の脂肪族モノカルボン酸アンモニウム、マロン酸二アンモニウム、コハク酸二アンモニウム、グルタル酸二アンモニウム、アジピン酸二アンモニウム、メチルマロン酸二アンモニウム、ピメリン酸二アンモニウム、スベリン酸二アンモニウム、アゼライン酸二アンモニウム、セバシン酸二アンモニウム、デカンジカルボン酸二アンモニウム、マレイン酸二アンモニウム、シトラコン酸二アンモニウム、イタコン酸二アンモニウム等の脂肪族カルボン酸二アンモニウム、安息香酸アンモニウム、フタル酸二アンモニウム等の芳香族カルボン酸アンモニウム塩が挙げられ、第四級アンモニウム塩としては、アジピン酸モノテトラエチルアンモニウム、グルタル酸モノテトラブチルアンモニウム、フタル酸モノテトラメチルアンモニウム、フタル酸モノトリエチルアンモニウム等が挙げられ、イミダゾリウム塩としては、エチルジメチルイミダゾリウム、テトラメチルイミダゾリウム等が挙げられる。
アミン類としては、特に限定されないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、t−ブチルアミン等の一級アミン、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン等の二級アミン、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン等が挙げられる。
その他、ホスホニウム塩、アルソニウム塩等を使用することができ、本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じてニトロ化合物等を添加することもできる。
本発明の電解液に用いられるPVA系樹脂は、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下であれば特に限定されない。
本発明の電解液に用いられるPVA系樹脂の重合度は、γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主溶媒とする電解液に溶解させる必要があること、電解液の粘度が高くなると比抵抗が上がること、及び、PVA系樹脂、電解コンデンサの生産性の面で問題が出ることから、通常50〜2000であり、好ましくは80〜1000であり、さらに好ましくは100〜700である。重合度が50を下回る場合は、工業的にPVA系樹脂の生産が困難であり、重合度が2000を超える場合には、γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主溶媒とする電解液への溶解が困難であり、電解液の粘度も高くなるため比抵抗が高くなり過ぎること、電解液がセパレーターへ含浸し難くなるため生産面でも問題が生じる。重合度は、JIS K−6726(1994)に記載の方法で測定される。
PVA系樹脂の鹸化度は、γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主溶媒とする電解液に溶解させる必要があるため、通常5.0〜85.0モル%であり、好ましくは10.0〜80.0モル%であり、さらに好ましくは15.0〜75.0モル%である。鹸化度が5.0モル%を下回る場合は、耐電圧向上効果が小さくなり、85.0モル%を超える場合は電解液へ溶解しない。鹸化度は、JIS K−6726(1994)に記載の方法で測定される。
本発明の電解液に用いられるPVA系樹脂は、電解液の劣化を抑制でき、PVA系樹脂を使用した電解液を使用したコンデンサでは電極劣化が抑制されて、良好な高温寿命特性を有し、かつ耐電圧特性にも優れる点から、ナトリウム含有量が10ppm以下であればよいが、ナトリウム含有量が10ppm未満であることが好ましく、5ppm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは1ppm以下である。なお、「ナトリウム含有量が10ppm以下のPVA系樹脂」とはPVA系樹脂中の質量基準のナトリウム含有量が0.001質量%以下であることを意味する。本発明において、ナトリウム含有量は、偏光ゼーマン原子吸光光度計 Z−5300(日立製作所製)を用いて測定した。
本発明の電解液に用いられるPVA系樹脂の製造方法については、ナトリウム含有量が10ppm以下になる製法であればよく、特に限定されないが、工業的には脂肪族ビニルエステル、主に酢酸ビニルをメタノール溶媒中で溶液重合し、得られた脂肪族ビニルエステル系重合体をアルカリ鹸化触媒又は酸鹸化触媒の存在下に、鹸化する方法が好ましい。
脂肪族ビニルエステルを重合する際に用いる重合開始剤としては、特に制限はなく、通常アゾ系化合物、過酸化物系開始剤等が用いられる。
また、重合の際には脂肪族ビニルエステルの加水分解を防止する目的で、酒石酸、クエン酸、酢酸等の有機酸を添加してもよい。
なお、重合度調整のために、2−メルカプトエタノール、1−ドデカンチオール、アセトアルデヒド等の連鎖移動剤を用いてもかまわない。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、脂肪族ビニルエステルと共重合可能な他の不飽和単量体、例えば、(メタ)アクリル酸;マレイン酸;無水マレイン酸;フマル酸;クロトン酸;イタコン酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体、マレイン酸モノメチル;イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル類、アクリルアミド;ジメチルアクリルアミド;ジメチルアミノエチルアクリルアミド;ジエチルアクリルアミド;ジメチルアミノプロピルアクリルアミド;イソプロピルアクリルアミド;N−メチロールアクリルアミド;N−ビニルアセトアミド;ダイアセトンアクリルアミド等のアミド基含有不飽和単量体、塩化ビニル;フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類、アリルグリシジルエーテル;グリシジルメタクリレート等のグリシジル基を有する不飽和単量体、N−ビニル−2−ピロリドン;N−ビニル−3−プロピル−2−ピロリドン;N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン;N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン;N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピロリドン;N−アリル−2−ピロリドン等の2−ピロリドン環含有不飽和単量体、メチルビニルエーテル;n−プロピルビニルエーテル;i−プロピルビニルエーテル;n−ブチルビニルエーテル;i−ブチルビニルエーテル;t−ブチルビニルエーテル;ラウリルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル;ステアリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、アクリロニトリル;メタアクリロニトリル等のニトリル類、アリルアルコール;ジメチルアリルアルコール;イソプロペニルアリルアルコール;ヒドロキシエチルビニルエーテル;ヒドロキシブチルビニルエーテル等の水酸基含有不飽和単量体、アリルアセテート;ジメチルアリルアセテート;イソプロペニルアリルアセテート等のアセチル基含有不飽和単量体、(メタ)アクリル酸メチル;(メタ)アクリル酸エチル;アクリル酸−2−エチルヘキシル;アクリル酸−n−ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、トリメトキシビニルシラン;トリブチルビニルシラン;ジフェニルメチルビニルシラン等のビニルシラン類、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート;ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート類、ポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド;ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリル酸アミド類、ポリオキシエチレンビニルエーテル;ポリオキシプロピレンビニルエーテル等のポリオキシアルキレンビニルエーテル類、ポリオキシエチレンアリルエーテル;ポリオキシプロピレンアリルエーテル;ポリオキシエチレンビチルビニルエーテル;ポリオキシプロピレンブチルビニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルビニルエーテル類、エチレン;プロピレン;n−ブテン;1−ヘキセン等のα−オレフィン類、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン;3,4−ジアシロキシ−1−ブテン;3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン;4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン;3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン等のブテン類、4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン;4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン;4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン;4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン等のペンテン類、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン;5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン等のヘキセン類、N,N−ジメチルアリルアミン;N−アリルプペラジン;3−ピペリジンアクリル酸エチルエステル;2−ビニルピリジン;4−ビニルピリジン;2−メチル−6−ビニルピリジン;5−エチル−2−ビニルピリジン;5−ブテニルピリジン;4−ペンテニルピリジン;2−(4−ピリジル)アリルアルコール等のアミン系不飽和単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩;N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩;N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルベンゼンスルホン酸4級塩等の第四アンモニウム化合物を有する不飽和単量体、スチレン等の芳香族系不飽和単量体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩或いは有機アミン塩;2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩或いは有機アミン塩;2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩或いは有機アミン塩;ビニルスルホン酸又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩或いは有機アミン塩;アリルスルホン酸又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩或いは有機アミン塩;メタアリルスルホン酸又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩或いは有機アミン塩等のスルホン酸基を含有する不飽和単量体、グリセリンモノアリルエーテル;2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン;2−アセトキシ−1−アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパン;3−アセトキシ−1−アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパン;3−アセトキシ−1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン;グリセリンモノビニルエーテル;グリセリンモノイソプロペニルエーテル;アクリロイルモルホリン;ビニルエチレンカーボネート等との共重合物を鹸化して得られたPVA系樹脂を使用してもかまわない。
脂肪族ビニルエステルと脂肪族ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体との共重合の割合は任意でよく、通常共重合樹脂中で該不飽和単量体の割合が0.1〜10モル%の範囲で共重合されるのが一般的である。
さらに、上記のようにして得られるPVA系樹脂とアクリル酸、メタクリル酸等とをグラフト重合させて側鎖に官能基を付加し後変性したPVA系樹脂、PVA系樹脂とジケテンとを反応させる方法、PVA系樹脂とアセト酢酸エステルとを反応させエステル交換する方法等により得られるアセトアセチル化PVA等の後変性PVA系樹脂も本発明におけるPVA系樹脂として用いられる。
この他、本発明のPVA系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、部分的にウレタン化、アセタール化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等の反応によって変性させてもよい。
脂肪族ビニルエステル重合の際には、重合容器の形状、重合攪拌機の種類、さらには重合温度や、重合容器内の圧力等いずれも公知の方法を使用してかまわない。
通常工業的に得られるPVA系樹脂中には、鹸化時に水酸化ナトリウムを用いるため、鹸化反応時の副生成物である酢酸ナトリウムが不純物として含まれており、またPVA系樹脂の分子内にもナトリウムを含んでいる。これらPVA系樹脂中のナトリウム含有量を減少させるには、〔1〕脂肪族ビニルエステル系重合体を酸又はアルカリ鹸化してPVA系樹脂にした後、メタノール、エタノール等のアルコール類又はそれらアルコール類と水、酢酸メチル等の混合溶媒で洗浄する方法、〔2〕PVA系樹脂を水等の溶媒に溶かしてPVA系樹脂溶液とした後、酸型イオン交換樹脂層を通過させてナトリウムイオンを除去する方法、〔3〕脂肪族ビニルエステル系重合体を鹸化する際に使用する鹸化触媒にナトリウムを含まないものを使用する方法が挙げられるが、工業的には〔3〕の方法が好ましい。すなわち本発明においては、ナトリウム含有量が10ppm以下のPVA系樹脂が、脂肪族ビニルエステル系重合体を、ナトリウムを含有しない鹸化触媒を使用して鹸化することにより得られるものであることが好ましい。〔1〕の方法はナトリウム含有量を十分に下げることが困難であり、洗浄液を大量に用いるため洗浄液の回収コストが高くなる。〔2〕の方法は、ナトリウム量は必要とされるレベルにまで下げることはできるがイオン交換樹脂層を通過させる関係上、水溶液中のPVA系樹脂の濃度を10質量%未満に抑える必要があり、生産性が悪く、本発明においては電解液中へ水も添加されることになり、所望の配合に調整することができない場合がある。
脂肪族ビニルエステル系重合体を鹸化する際に使用される鹸化触媒としては、水酸化ナトリウム、ナトリウムアルコラート、水酸化テトラアルキルアンモニウム、水酸化ベンジルトリアルキルアンモニウム、シクロアミジン類(特開昭62−225504号公報参照)、グアニジン化合物(特開平08−12721号公報参照)、アミジン化合物(特開平08−27218号公報参照)、ホスファゼン化合物(特開2001−81130号公報参照)等のアルカリ鹸化触媒、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、乳酸、p−トルエンスルホン酸、α−又はβ−ナフタレンスルホン酸、3,4−ジメチルベンゼンスルホン酸等の酸鹸化触媒が挙げられるが、上記〔3〕の方法で脂肪族ビニルエステル系重合体を鹸化する際に用いられるナトリウムを含有しない鹸化触媒としては、アルカリ鹸化触媒ではホスファゼン化合物、下記一般式(1)
OH (1)
(上記式中、R〜Rは、それぞれ独立して炭素数1〜16のアルキル基、ベンジル基又はフェニル基である。)
で表される水酸化4級アンモニウム、グアニジン化合物、又はアミジン化合物が好ましい。これらのアルカリ鹸化触媒は、一種単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて用いることもできる。なお、本明細書中の鹸化触媒が「ナトリウムを含有しない」とは、水酸化ナトリウム(NaOH)のように構成分子中にナトリウム(Na)原子を含まず、かつその組成物中にもナトリウム原子を含んでいないものである。鹸化触媒がその組成物中にナトリウム原子を含まないとは、該触媒に不純物等として含まれるナトリウムが約500ppm以下であることを意味する。このような鹸化触媒としては、不純物として含まれるナトリウムが約100ppm以下のものが好ましく、約50ppm以下のものがより好ましく、実質的にナトリウムを含有しないものが最も好ましい。
ホスファゼン化合物としては、特に限定されないが、例えば、2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルハロイド−1,3,2−ジアザホスホリン、tert−ブチルイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン、tert−ブチルイミノ−トリ(ピロリジノ)ホスホラン、1−エチル−2,2,4,4,4−ペンタキス(ジメチルアミノ)−2λ、4λ−カテナジ(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスファラニリデンアミノ]−2λ,4λ−カテナジ(ホスファゼン)が好ましい。
上記一般式(1)で表される水酸化4級アンモニウムにおいて、炭素数1〜16のアルキル基は、直鎖アルキル基であっても炭素数2〜16の分岐アルキル基であってもよい。また、ベンジル基及びフェニル基は、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜6の低級アルキル基又はハロゲン原子等の置換基を1〜5個有していてもよい。一般式(1)で表される水酸化4級アンモニウムとして、具体的には水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラベンジルアンモニウム、水酸化メチルトリブチルアンモニウム、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、水酸化フェニルトリメチルアンモニウム等が好ましい。
グアニジン化合物としては、特に限定されないが、例えば、1,1,3,3−トリメチルグアニジン、1−シアノエチル−1,3,3−トリメチルグアニジン、1−ベンジル−1,3,3−トリメチルグアニジン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デセン−5が好ましい。
アミジン化合物としては、特に限定されないが、例えば、6−ジメチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−ジエチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−ジプロピルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7が好ましい。
これらの触媒の中でもホスファゼン化合物、水酸化4級アンモニウムがより好ましく、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等の水酸化4級アンモニウムが特に好ましい。
ナトリウムを含有しないアルカリ鹸化触媒の使用量としては、用いる化合物の種類、鹸化する際の溶媒組成及び含水率にもよるが、メタノール溶媒中で鹸化反応を行う場合には、脂肪族ビニルエステル系重合体に対して、0.5〜500ミリ当量が好ましく、1〜100ミリ当量がより好ましい。
鹸化に用いる溶媒は、特に限定されないが、例えば、非プロトン性極性溶媒、非プロトン性非極性溶媒、極性プロトン溶媒、低級のジアミン又はトリアミン化合物等が挙げられる。非プロトン性極性溶媒とは、プロトン性の水素を有さない極性溶媒であり、例えば、DMSO、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、トルエン、クロロベンゼン等が挙げられる。非プロトン性非極性溶媒とは、プロトン性の水素を有さない非極性溶媒であり、例えば、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。極性プロトン溶媒とは、プロトン性の水素を有する極性溶媒であり、例えば、水、ギ酸、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、酢酸等が挙げられる。これらの鹸化溶媒は、一種単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用することもできる。
本発明の電解液に用いられるPVA系樹脂の添加量は、電解液全体に対して、通常0.1〜10.0質量%であり、好ましくは0.2〜5.0質量%である。添加量が0.1質量%未満では耐電圧向上の効果が不十分であり、10.0質量%を超えると比抵抗が高くなり過ぎるため、低抵抗用途には不向きとなる。
本発明の電解液は、γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒に、電解質、及び、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂を溶解することによって製造できる。各成分の混合の順序は特に限定されない。
本発明の電解液には、本発明の効果を妨げない限り、漏れ電流の低減、耐電圧向上、ガス吸収等の目的で種々の公知の添加剤を加えることができる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。以下の実施例及び比較例においては、下記製造例1において鹸化触媒として下記表1に示す各鹸化触媒を用いて製造したPVA系樹脂を用いた。なお、重合度の異なるPVA系樹脂は、上記製造例において酢酸ビニルモノマーを溶液重合する際の酢酸ビニルモノマーと溶媒であるメタノールとの比率及び重合収率を調整することで変化させた。また、酢酸ビニルモノマーに共重合可能な不飽和単量体を共重合させる場合も所望の変性量になるように該不飽和単量体を重合開始時に初期一括あるいは重合中に連続添加する等して調整した。PVA系樹脂の鹸化度は鹸化反応を行う際の鹸化触媒の量及び鹸化時間を調整して変化させた。得られたPVA系樹脂を鹸化触媒と共に下記表1に示す。なお、例中の「部」及び「%」は、特に指定しない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
ポリビニルアルコール系樹脂の製造例を下記に示す。
[製造例1]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び圧力計を備えた反応器内を窒素で置換した後、脱酸素した酢酸ビニルモノマー2800質量部及び脱酸素したメタノール800質量部を仕込み、撹拌下で昇温を開始し内温が60℃となったところで、別途脱酸素したメタノール50質量部に開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))1質量部を溶解させた開始剤溶液を添加して重合を開始した。60℃で5時間重合した後、冷却して重合を停止した。このときの重合溶液中の固形分濃度は55.1%(重合収率で71.8%)、また、得られたポリ酢酸ビニル樹脂を鹸化度100モル%のポリビニルアルコールとしJISK6726(1994)に従って測定した重合度は1710であった。得られた重合溶液を塔内に多孔板を多段数有する脱モノマー塔に供給して塔下部よりメタノール蒸気を吹き込んで重合溶液と接触させ未反応の酢酸ビニルモノマーを除去した。ポリ酢酸ビニル−メタノール溶液の固形分濃度は42%であった。このポリ酢酸ビニル−メタノール溶液1kg(1000質量部)の温度を40℃に保ち、tert−ブチルイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン4質量部を添加して60分間鹸化反応を行った。鹸化反応終了時の形態は溶媒のメタノール及び副生成物の酢酸メチルを含有したゲルになっており、鹸化度は71.0モル%、揮発分は58%、ナトリウム成分はポリビニルアルコールに対して1ppm(ここで言う1ppmとはPVA系樹脂中の質量基準のナトリウム含有量0.0001質量%を示す。)未満であった。このゲル状ポリビニルアルコールを3mm角の大きさに粉砕後、乾燥して揮発分4%にまで下げたものを試験に供した。
[製造例2〜24]
酢酸ビニルモノマーとメタノールの仕込み割合、開始剤量、重合収率を変え、重合度の異なるポリ酢酸ビニル−メタノール溶液を作製し、鹸化触媒を表1に示す種類に変えて鹸化を行った。鹸化後のゲルが粉砕できない場合又は液状の場合は、そのまま乾燥し、乾燥後に3〜10mm程度に粉砕した。それ以外は製造例1と同様の操作を行い、表1に示すPVA2〜24をそれぞれ作製した。
Figure 0006052985
表1における鹸化触媒を、以下に示す。
1)tert−ブチルイミノ−トリ(ピロリジノ)ホスホラン
2)2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルハロイド−1,3,2−ジアザホスホリン
3)水酸化テトラメチルアンモニウム
4)水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム
5)7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デセン−5
6)6−ジプロピルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7
7)乳酸
8)水酸化ナトリウム
[実施例1〜12及び比較例1〜13]
表2の組成で実施例及び比較例の各電解液を作製した。30℃における各電解液の比抵抗値と85℃における火花発生電圧を測定し、表2の結果を得た。
Figure 0006052985
実施例1〜12と比較例13を比較すると、実施例1〜12では比抵抗が同程度で、火花発生電圧が上昇するためPVA系樹脂を添加することで耐電圧特性が改善されており、PVA系樹脂を使用することによる耐電圧特性向上効果が確認された。
また、ナトリウム含有量が10ppm以下のPVA系樹脂を使用した実施例1〜12と対応するナトリウム含有量が高いPVA系樹脂を使用した比較例1〜12とを比較すると、比抵抗はほぼ同じであり、火花発生電圧は上昇する傾向が見られた。
次に、エッチング処理して表面積を拡大したアルミニウム箔の表面に陽極酸化により誘電体酸化アルミニウム皮膜を形成した陽極箔と、アルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔とを、セパレーターを介して巻き込むことにより、コンデンサ素子を作製し、このコンデンサ素子に実施例1〜12及び比較例1〜13の各電解液を含浸させ、含浸後のコンデンサ素子を金属ケース内に封止して、定格電圧250V、定格静電容量が220μFのアルミニウム電解コンデンサを作製した。
得られた各コンデンサについて、静電容量、誘電損失(tanδ)、漏れ電流を測定し、その後105℃で定格電圧250Vを2000時間印加する高温負荷試験を行った。試験後、再度静電容量、誘電損失(tanδ)、漏れ電流を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0006052985
表3に示す通り、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のPVA系樹脂を使用した実施例1〜12と対応するナトリウム含有量が高いPVA系樹脂を使用した比較例1〜12を比較すると、PVA系樹脂を使用すると実施例の漏れ電流が比較例の値に比べて顕著に小さくなっており、本発明のPVA系樹脂を使用した電解液を使用したコンデンサでは電極劣化が抑制されており、ショートによるコンデンサ破壊が起こらなかった。一方、PVA系樹脂を添加していない比較例13では、試験中にショートした。
本発明のPVA系樹脂を使用することで、耐電圧特性が良好で、かつ長時間の高温負荷試験においても電極劣化が抑制され、良好な高温寿命特性を有する低温でも動作可能な電解コンデンサ駆動用電解液を得ることができる。

Claims (7)

  1. γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒、電解質、及び、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂を含むことを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
  2. 請求項1に記載の電解コンデンサの駆動用電解液の製造方法であって、脂肪族ビニルエステル系重合体を、ナトリウムを含有しない鹸化触媒の存在下に、鹸化して、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂を製造する工程と、γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒に、電解質、及び、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂を溶解する工程を含むことを特徴とする製造方法
  3. ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、ホスファゼン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液の製造方法
  4. ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、下記一般式(1)
    OH (1)
    (上記式中、R〜Rは、それぞれ独立して炭素数1〜16のアルキル基、ベンジル基又はフェニル基である。)
    で表される水酸化4級アンモニウム化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液の製造方法
  5. ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、グアニジン化合物又はアミジン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液の製造方法
  6. ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、酸鹸化触媒であることを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液の製造方法
  7. 酸鹸化触媒が、ギ酸、酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸及び硝酸からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項6に記載の電解コンデンサの駆動用電解液の製造方法
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