JP2013153150A - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒、電解質、及び、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂とを含むことを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
【選択図】なし
Description
[1]γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒、電解質、及び、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂を含むことを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
[2]重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂が、脂肪族ビニルエステル系重合体を、ナトリウムを含有しない鹸化触媒の存在下に、鹸化して得られることを特徴とする前記[1]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[3]ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、ホスファゼン化合物であることを特徴とする前記[2]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[4]ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、下記一般式(1)
R1R2R3R4N+OH− (1)
(上記式中、R1〜R4は、それぞれ独立して炭素数1〜16のアルキル基、ベンジル基又はフェニル基である。)
で表される水酸化4級アンモニウム化合物であることを特徴とする前記[2]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[5]ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、グアニジン化合物又はアミジン化合物であることを特徴とする前記[2]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[6]ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、酸鹸化触媒であることを特徴とする前記[2]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[7]酸鹸化触媒が、ギ酸、酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、及び硝酸からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする前記[6]に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
[8]ナトリウムを含まない鹸化触媒を用いて脂肪族ビニルエステル系重合体を鹸化することによって、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂を製造する工程、及びγ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒に、前記ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂及び電解質を溶解する工程を含むことを特徴とする、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液の製造方法。
R1R2R3R4N+OH− (1)
(上記式中、R1〜R4は、それぞれ独立して炭素数1〜16のアルキル基、ベンジル基又はフェニル基である。)
で表される水酸化4級アンモニウム、グアニジン化合物、又はアミジン化合物が好ましい。これらのアルカリ鹸化触媒は、一種単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて用いることもできる。なお、本明細書中の鹸化触媒が「ナトリウムを含有しない」とは、水酸化ナトリウム(NaOH)のように構成分子中にナトリウム(Na)原子を含まず、かつその組成物中にもナトリウム原子を含んでいないものである。鹸化触媒がその組成物中にナトリウム原子を含まないとは、該触媒に不純物等として含まれるナトリウムが約500ppm以下であることを意味する。このような鹸化触媒としては、不純物として含まれるナトリウムが約100ppm以下のものが好ましく、約50ppm以下のものがより好ましく、実質的にナトリウムを含有しないものが最も好ましい。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び圧力計を備えた反応器内を窒素で置換した後、脱酸素した酢酸ビニルモノマー2800質量部及び脱酸素したメタノール800質量部を仕込み、撹拌下で昇温を開始し内温が60℃となったところで、別途脱酸素したメタノール50質量部に開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))1質量部を溶解させた開始剤溶液を添加して重合を開始した。60℃で5時間重合した後、冷却して重合を停止した。このときの重合溶液中の固形分濃度は55.1%(重合収率で71.8%)、また、得られたポリ酢酸ビニル樹脂を鹸化度100モル%のポリビニルアルコールとしJISK6726(1994)に従って測定した重合度は1710であった。得られた重合溶液を塔内に多孔板を多段数有する脱モノマー塔に供給して塔下部よりメタノール蒸気を吹き込んで重合溶液と接触させ未反応の酢酸ビニルモノマーを除去した。ポリ酢酸ビニル−メタノール溶液の固形分濃度は42%であった。このポリ酢酸ビニル−メタノール溶液1kg(1000質量部)の温度を40℃に保ち、tert−ブチルイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン4質量部を添加して60分間鹸化反応を行った。鹸化反応終了時の形態は溶媒のメタノール及び副生成物の酢酸メチルを含有したゲルになっており、鹸化度は71.0モル%、揮発分は58%、ナトリウム成分はポリビニルアルコールに対して1ppm(ここで言う1ppmとはPVA系樹脂中の質量基準のナトリウム含有量0.0001質量%を示す。)未満であった。このゲル状ポリビニルアルコールを3mm角の大きさに粉砕後、乾燥して揮発分4%にまで下げたものを試験に供した。
酢酸ビニルモノマーとメタノールの仕込み割合、開始剤量、重合収率を変え、重合度の異なるポリ酢酸ビニル−メタノール溶液を作製し、鹸化触媒を表1に示す種類に変えて鹸化を行った。鹸化後のゲルが粉砕できない場合又は液状の場合は、そのまま乾燥し、乾燥後に3〜10mm程度に粉砕した。それ以外は製造例1と同様の操作を行い、表1に示すPVA2〜24をそれぞれ作製した。
1)tert−ブチルイミノ−トリ(ピロリジノ)ホスホラン
2)2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルハロイド−1,3,2−ジアザホスホリン
3)水酸化テトラメチルアンモニウム
4)水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム
5)7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デセン−5
6)6−ジプロピルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7
7)乳酸
8)水酸化ナトリウム
表2の組成で実施例及び比較例の各電解液を作製した。30℃における各電解液の比抵抗値と85℃における火花発生電圧を測定し、表2の結果を得た。
Claims (7)
- γ−ブチロラクトン及び/又はアルキル−γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒、電解質、及び、重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂を含むことを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
- 重合度が50〜2000であり、鹸化度が5.0〜85.0モル%であり、ナトリウム含有量が10ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂が、脂肪族ビニルエステル系重合体を、ナトリウムを含有しない鹸化触媒の存在下に、鹸化して得られることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、ホスファゼン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、下記一般式(1)
R1R2R3R4N+OH− (1)
(上記式中、R1〜R4は、それぞれ独立して炭素数1〜16のアルキル基、ベンジル基又はフェニル基である。)
で表される水酸化4級アンモニウム化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。 - ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、グアニジン化合物又はアミジン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- ナトリウムを含有しない鹸化触媒が、酸鹸化触媒であることを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- 酸鹸化触媒が、ギ酸、酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸及び硝酸からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項6に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
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