JP3775742B2 - ポリビニルエーテルを含有する電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents

ポリビニルエーテルを含有する電解コンデンサの駆動用電解液 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐電圧に優れる電解コンデンサの駆動用電解液(以下、単に「電解液」ということもある)に関する。また、該電解液に使用するのに適した新規ポリビニルエーテルも本明細書に記載する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液には、低分子カルボン酸またはその塩が溶解され、耐電圧を得るためにグリセリンが添加されていた。しかし、グリセリンの添加により耐電圧を向上させると、比抵抗が増大し、電解コンデンサの特性が低下してしまう。
そこで、耐電圧の向上と比抵抗の低下を両立した高圧用アルミニウム電解コンデンサを得るために、電解液にポリビニルアルコール(特許文献1)または1,6−デカンジカルボン酸のごとき長鎖ジカルボン酸(特許文献2および3)等の化合物が添加されている。
しかし、上記の化合物はエチレングリコール等を主成分とする電解液溶媒に対する溶解性が極めて低いため、多量に添加することができない。また、少量の添加であっても、該化合物を溶解するためには長時間の電解液の加熱と攪拌が必要であるという問題を有していた。
【0003】
そこで、上記問題を解決するために、特許文献4および5には、側鎖にアルキル基を有する炭素骨格の両末端にカルボン酸を有する高分子カルボン酸を電解液に添加することが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第1816207号明細書
【特許文献2】
特許第1328231号明細書
【特許文献3】
特開平5−226189号公報
【特許文献4】
特開2000−150315号公報
【特許文献5】
特開2000−208371号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、耐電圧に優れる電解コンデンサの駆動用電解液を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
より詳しくは、本発明は、以下の(1)〜(7)を提供する。
(1)両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルまたはその塩を含有する電解コンデンサの駆動用電解液;
(2)溶媒を含有する(1)記載の電解コンデンサの駆動用電解液;
(3)両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルまたはその塩を1.0〜20.0重量%含有する(1)または(2)記載の電解コンデンサの駆動用電解液;
(4)両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルが一般式(I):
【0007】
【化4】
Figure 0003775742
【0008】
(式中、Rは、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表し、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表す)で表される構造単位を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液;
(5)両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルは原料のビニル系モノマーを重合することによって得られ、ここに、該原料のビニル系モノマーが一般式(III):
【0009】
【化5】
Figure 0003775742
【0010】
(式中、R、 RおよびRは、それぞれ前記と同義である)で表されるビニルエーテルを70重量%以上含む(1)〜(4)のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液;
(6)両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルの数平均分子量が200から30,000である(1)〜(5)のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液;
(7)両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルが一般式(II):
【0011】
【化6】
Figure 0003775742
【0012】
(式中、R、 RおよびRは、それぞれ前記と同義であり、nは、1〜500までの整数を表し、nが2以上の場合の2つ以上存在するRならびに2つ以上存在するRおよびRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい)で表されるポリビニルエーテルである(1)〜(6)のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
【0013】
本明細書には、一般式(I)で表される構造単位を含み、その両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテル(以下、「化合物(I)」という)および一般式(II)で表されるポリビニルエーテル(以下、「化合物(II)」という)を記載する。これらの化合物は両末端にカルボキシル基を有し、側鎖にエーテル結合を含むことを特徴とする新規ジカルボン酸化合物である。本明細書には、これらのジカルボン酸の塩も記載する。以下、化合物(I)および化合物(II)のごとき両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルをポリビニルエーテルAということもある。
本発明は、ポリビニルエーテルAまたはその塩を溶質として含有する電解コンデンサの駆動用電解液を提供する。
【0014】
本発明による電解液に用いられるポリビニルエーテルAおよびその塩は、両末端にカルボキシル基を有し、かつ、側鎖にエーテル結合を有するのでエチレングリコール等の溶媒に対する溶解度が高い。そして、電解コンデンサを構成する電極箔のアルミニウム酸化皮膜は、電解コンデンサの使用温度や印加される電流または電圧が高くなると、電解液中の水分とアルミニウム酸化皮膜とが化学反応を起こし、アルミニウム酸化皮膜が劣化して電圧が低下するが、ポリビニルエーテルAまたはその塩を電解液に添加すれば、その構造中に存在するエーテル結合の酸素原子がアルミニウム酸化皮膜と配位結合することで、電極箔上に耐水性の皮膜を形成して、電解液と電極箔との化学反応を抑え、結果として電解コンデンサの耐電圧を向上できると考えられる。また、カルボキシル基を有していることからポリビニルエーテルAは高電導度を有している。ポリビニルエーテルAを溶質として使用することで、高電導度(低比抵抗)および高耐電圧を有する電解液を提供することができる。
【0015】
化合物(I)および化合物(II)中の各基の定義において、低級アルキルとしては、例えば、炭素数1〜8の直鎖または分岐状のものがあげられ、その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等があげられる。
シクロアルキルとしては、例えば、炭素数3〜10のものがあげられ、その具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等があげられる。
【0016】
アリールおよびアラルキルのアリール部分としては、例えば、炭素数6〜14のアリールがあげられ、その具体例としては、フェニル、ナフチル、アントリル等があげられ、アラルキルのアルキレン部分としては、例えば、前記の低級アルキルから水素原子を1つ除いたもの等があげられる。アラルキルの具体例としては、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、ジフェニルメチル等があげられる。
【0017】
置換低級アルキルおよび置換シクロアルキルにおける置換基としては、例えば、低級アルコキシ等があげられる。その置換数は、特に限定されないが、1〜3であるのが好ましい。置換基の定義において、低級アルコキシの低級アルキル部分としては、前記低級アルキルで例示したものと同様のものがあげられる。
【0018】
置換アリールおよび置換アラルキルにおける置換基としては、例えば、低級アルキル、低級アルコキシ等があげられ、低級アルキル、低級アルコキシの低級アルキル部分としては、それぞれ前記低級アルキルで例示したものと同様のものがあげられる。その置換数は、特に限定されないが、1〜3であるのが好ましい。
【0019】
化合物(I)の数平均分子量は、特に限定されないが、200〜30,000であるのが好ましい。
【0020】
化合物(II)において、nは1〜500の範囲であるが、2〜50の範囲であるものが好ましく、さらには、5〜30の範囲であるものがより好ましい。nが2以上であれば、化合物(II)を含有する電解液およびそのような電解液を用いた電解コンデンサの耐電圧特性の向上に優れ、50以下であれば、電解液の比抵抗が低くなり低比抵抗用途に適するという効果が得られる。
【0021】
化合物(I)もしくは化合物(II)またはそれらの塩において、RおよびRが水素原子であって、Rが置換もしくは非置換の低級アルキルまたはアラルキルである化合物が好ましく、RおよびRが水素原子であって、Rがメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルまたはベンジルのいずれかである化合物がより好ましい。
【0022】
ポリビニルエーテルAの塩としては、例えば、アンモニウム塩;メチルアミン、エチルアミン、tert−ブチルアミン等の一級アミン塩;ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン等の二級アミン塩;トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン塩;テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩;イミダゾリニウム塩等の塩基との塩があげられ、中でもアンモニウム塩が好ましい。
【0023】
ポリビニルエーテルAの製造方法として、化合物(I)または化合物(II)の製造方法を例にあげて説明する。
化合物(I)または化合物(II)は、例えば、対応するビニルエーテルを、開始剤およびルイス酸等の存在下、公知の重合方法[例えば、高分子学会編:新高分子実験学2、高分子の合成・反応(1) 242−276頁、1995年 東村敏延、澤本光男、上垣外正己 著 共立出版等]等に付して得られる両末端にアセタールもしくはホルミル基を有する化合物を、酸化することにより得ることができる。
【0024】
化合物(I)および化合物(II)の原料となるビニルエーテルとしては、例えば、一般式(III):
【0025】
【化7】
Figure 0003775742
【0026】
(式中、R、RおよびRは、それぞれ前記と同義である)で表されるビニルエーテル等があげられる。以下、一般式(III)で表されるビニルエーテルをビニルエーテル(III)と表現することもある。
ビニルエーテル(III)の中でも、 RおよびRが水素原子であって、Rが置換もしくは非置換の低級アルキルまたはアラルキルであるものが好ましく使用される。例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル等が好ましく使用される。前記ビニルエーテル(III)として、1の組合せのR、RおよびRを有するビニルエーテルを単独で、または、互いに異なった組合せのR、RおよびRを有するビニルエーテルを2種類以上組み合わせて用いられる。
【0027】
また、化合物(I)の原料として、ビニルエーテル(III)以外に、ビニルエーテル(III)と共重合可能なビニル系モノマー、例えば、スチレン、ヒドロキシスチレン等のビニル系芳香族化合物;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;または、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のα,β−不飽和エステル等を含んでいてもよいが、化合物(I)の原料は、ビニルエーテル(III)を全ビニル系モノマー中70重量%以上含んでいることが好ましく、80重量%以上含んでいることがより好ましい。
【0028】
開始剤としては、特に限定されないが、例えば、
一般式(IV):
【0029】
【化8】
Figure 0003775742
【0030】
(式中、Rは、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表し、R、RおよびRは、同一または異なって、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表す)で表される化合物;
一般式(V):
【0031】
【化9】
Figure 0003775742
【0032】
(式中、R、R、R12およびR13は、同一または異なって、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表し、R11は低級アルキレンまたはシクロアルキレンを表し、R10およびR14は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表す)で表される化合物 ;または
一般式(VI):
【0033】
【化10】
Figure 0003775742
【0034】
(式中、R15、R16、R18およびR19は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表し、R17は低級アルキレンまたはシクロアルキレンを表し、XおよびXは、同一または異なって、ハロゲン原子を表す)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0035】
前記一般式(IV)、(V)および(VI)の各基の定義において、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールおよび置換もしくは非置換のアラルキルとしては、それぞれ前記と同様のものがあげられる。低級アルキレンとしては、前記の低級アルキルから水素原子を1つ除いたもの等があげられれ、シクロアルキレンとしては、前記のシクロアルキルから水素原子を1つ除いたもの等があげられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子があげられる。
開始剤の使用量は、特には限定されないが、原料となるビニルエーテル1モルに対して、0.0001〜1モルの範囲であるのが好ましい。
【0036】
ルイス酸としては、金属ハロゲン化物が好ましく、例えば、BCl、BF、BF・O(C、TiCl、SnCl、SnBr、(C)AlCl、AlCl、SbCl、SbF、WCl、TaCl等が挙げられる。前記した中でも、ホウ素、スズまたはアルミニウムのハロゲン化物が好ましく、具体的にはBF・O(C(三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体)、SnCl、(C)AlCl、AlCl等が好ましく使用される。
前記した金属ハロゲン化物において、そのハロゲン原子の代わりに低級アルキル、低級アルコキシ、またはフェノキシで置換されたものを使用してもよい。ここで、低級アルキル、低級アルコキシとしては前記と同様のものがあげられる。
ルイス酸の使用量は、特には限定されないが、原料となる全ビニル系モノマー1モルに対して0.00001〜0.1モルの範囲であるのが好ましい。
【0037】
また、前記の開始剤に、必要に応じてルイス塩基を添加してもよく、その具体例としては、酢酸エチル、クロロ酢酸エチル、ジエチルカーボネート、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、テトラヒドロチオフェン、チオエーテル類、2,6−ジメチルピリジン等があげられる。
ルイス塩基の使用量は、特には限定されないが、原料となる全ビニル系モノマー1モルに対して0.0001〜100モルの範囲であるのが好ましい。
【0038】
また、前記の開始剤に、必要に応じて塩を添加してもよく、その具体例としては、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩等があげられる。
塩の使用量は、特には限定されないが、原料となる全ビニル系モノマー1モルに対して0.0001〜1モルであるのが好ましい。
【0039】
重合は、溶媒の存在下に実施してもよい。溶媒は重合反応に不活性なものであれば特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;塩化メチル、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ化合物;へキサン等の飽和炭化水素;またはこれらの混合溶媒等があげられる。酢酸エチル、1−クロロ酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類は、重合反応に影響のない範囲で使用してもよい。
重合温度は特には限定されないが、−120〜100℃の範囲であるのが好ましく、−90〜80℃の範囲であるのがより好ましい。
重合時間は特に限定されず、ビニルエーテルや開始剤の種類または使用量等により調整することができる。
【0040】
化合物(I)または化合物(II)は、モノ過硫酸水素カリウム、ペルオキソ二硫酸またはその塩、ペルオキソ一硫酸またはその塩、オキソン(デュポン社製)のごとき過酸化水素、ペルオキソ酸またはその塩等の存在下、両末端にアセタールもしくはホルミル基を有する化合物を酸化することにより得ることができる。
過酸化水素、ペルオキソ酸またはその塩の使用量は、アセタール1モルに対し、活性酸素当量にして1〜10モルの範囲であるのが好ましく、1〜2モルの範囲であるのがより好ましい。
【0041】
酸化反応は、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒は、反応に不活性なものであれば、特に限定されず、例えば、水;アルコール;エーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;塩化メチル、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ化合物;へキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の飽和炭化水素等;またはこれらの混合溶媒があげられる。
【0042】
酸化反応の温度は、特には限定されないが、−80〜100℃の範囲であるのが好ましく、−30〜100℃の範囲であるのがより好ましい。酸化反応の時間は特に限定されないが、0.1〜24時間であるのが好ましい。
【0043】
ポリビニルエーテルAの塩は、ポリビニルエーテルAに、例えば、アンモニウム;メチルアミン、エチルアミン、tert−ブチルアミン等の一級アミン;ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン等の二級アミン;トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン;テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム;イミダゾリニウム等の塩基の水溶液等を加えることによって、または前記塩基のガスを通気することによって得ることができる。中でもアンモニウム塩が好ましい。
【0044】
本発明による電解コンデンサの駆動用電解液に用いる溶媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクトン類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等のアミド類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等の炭酸類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ベンジルアルコール等のアルコール類;エーテル類;ケトン類;エステル類;スルホランまたはスルホラン誘導体;水等があげられる。これらの溶媒は一種だけでなく、二種以上を混合して使用することもでき、中でもグリコール類、またはそれらと水との混合物が好ましく、エチレングリコールまたはエチレングリコールと水との混合物がより好ましい。
【0045】
電解液中にはポリビニルエーテルAまたはその塩および上記の溶媒の他、漏れ電流の低減、耐電圧向上、ガス吸収等の目的で種々の添加剤を加えることができる。
添加剤の例として、リン酸化合物、リン酸エステル化合物、ニトロ化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレングリコールのランダム共重合体およびブロック共重合体に代表される高分子化合物があげられる。
【0046】
リン酸化合物およびリン酸エステル化合物として、オルトリン酸、ピロリン酸、次亜リン酸、次二リン酸、亜リン酸、二亜リン酸、ピロ亜リン酸、二亜リン酸、イソ次リン酸、次リン酸、リン酸ブチル、リン酸イソブチル、リン酸オクチル等があげられ、リン酸化合物およびリン酸エステル化合物の塩としてはアンモニウム塩、アルミニウム塩等があげられる。
【0047】
ニトロ化合物として、ニトロアニソール、ニトロアニリン、ニトロ安息香酸、ニトロトルエン、ニトロフェノール、ニトロベンジルアルコール、ニトロアセトフェノン等があげられる。
【0048】
また、必要に応じて、電解液の電導度の増加および特性向上等を目的として、ポリビニルエーテルAまたはその塩以外に、さらに他のカルボン酸またはカルボン酸の塩を添加することができる。
カルボン酸の例として、ギ酸、酢酸、ラウリン酸、ステアリン酸、デカン酸、安息香酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、2−メチルアゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸等があげられる。カルボン酸の塩としては、前記したポリビニルエーテルAの塩と同様のものがあげられる。
なお、本発明による電解液の溶媒量と溶質量は、電解コンデンサの用途および定格電圧等により異なるが、溶媒量は50.0〜99.0重量%、溶質量は1.0〜50.0重量%が好ましい。
【0049】
ポリビニルエーテルAまたはその塩の溶解量は、溶質の種類および溶媒の種類等により異なるが各溶質の飽和濃度以下であり、より最適な溶解量は電解液に対して1.0〜20.0重量%の範囲であるのが好ましい。ポリビニルエーテルAまたはその塩の溶解量が1.0重量%以上であれば、電解液の比抵抗が低くなり低比抵抗用途に適し、溶解量が20.0重量%以下であれば、電解液および電解コンデンサの耐電圧向上に優れるという効果が得られる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明について調製例および実施例に基づき具体的に説明する。
調製例1〜11において、種々の構造を有するポリビニルエーテルAの製造方法を説明する。
実施例1〜11において、ポリビニルエーテルAを含有する電解コンデンサの駆動用電解液の製造方法を説明する。
さらに実施例12および13において、本発明による電解コンデンサの駆動用電解液の特性およびそれを用いて作製された電解コンデンサの特性について説明する。
【0051】
調製例1:両末端にカルボキシル基を有するポリメチルビニルエーテル(ポリメチルビニルエーテル300ジカルボン酸;化合物A)の製造
【0052】
【化11】
Figure 0003775742
【0053】
1Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリメチル115g、トルエン250gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.3gを加えた。この溶液を20℃で撹拌しながら、メチルビニルエーテル275gを添加した。メチルビニルエーテルの添加により重合が開始した。添加終了後の反応液に水酸化ナトリウムを加えて中和、ろ過後、溶媒を留去し両末端にアセタールを有するポリメチルビニルエーテル370gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリメチルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、360であり、分子量分布M/Mが1.50であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリメチルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0054】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリメチルビニルエーテル4.8g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)2.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、反応液をろ過し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリメチルビニルエーテル4.3gを回収した。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。このポリマーの酸価は370mgKOH/gで、数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、300であり、分子量分布M/Mが1.40であった。
【0055】
ポリメチルビニルエーテル300ジカルボン酸の300は、おおよその数平均分子量を表し、重合度nの数値は数平均分子量から計算した平均n数である。他の化合物についても、同様である。
【0056】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析は以下の条件で行い、数平均分子量の測定と構造の確認を行った。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析条件
検出器:RIおよびUV;
カラム: TSK guardcolumn Super H−H、TSK gel Super HM−M、TSK gel Super HM−N、TSK gel Super HM−Lを接続;
カラムオーブン:40℃;
展開溶媒:テトラヒドロフラン、流速0.5mL/分;
内部標準物質:ポリスチレン
【0057】
調製例2:両末端にカルボキシル基を有するポリエチルビニルエーテル(ポリエチルビニルエーテル600ジカルボン酸;化合物B)の製造
【0058】
【化12】
Figure 0003775742
【0059】
1Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリメチル145g、トルエン250gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.33gを加えた。この溶液を20℃で撹拌しながら、エチルビニルエーテル246gを添加した。エチルビニルエーテルの添加により重合が開始した。添加終了後の反応液を水酸化ナトリウム水溶液、次いで、蒸留水で洗浄後、溶媒を留去し両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテル320gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、790であり、分子量分布M/Mが1.26であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0060】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテル5.0g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)3.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル100gを加えた反応液を水で洗浄し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリエチルビニルエーテル4.3gを回収した。このポリマーの酸価は230mgKOH/gであった。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。このポリマーの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、680であり、分子量分布M/Mが1.25であった。
【0061】
調製例3:両末端にカルボキシル基を有するポリエチルビニルエーテル(ポリエチルビニルエーテル800ジカルボン酸;化合物C)の製造
【0062】
【化13】
Figure 0003775742
【0063】
1Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリエチル116g、トルエン160gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.13gを加えた。この溶液を20℃で撹拌しながら、エチルビニルエーテル361gを添加した。エチルビニルエーテルの添加により重合が開始した。添加終了後の反応液を水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水で洗浄後、溶媒を留去し両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテル420gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,000であり、分子量分布M/Mが1.20であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0064】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテル4.8g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)2.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル100gを加えた反応液を水で洗浄し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリエチルビニルエーテル4.5gを回収した。このポリマーの酸価は157mgKOH/gであった。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。このポリマーの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、860であり、分子量分布M/Mが1.2であった。
【0065】
調製例4:両末端にカルボキシル基を有するポリエチルビニルエーテル(ポリエチルビニルエーテル1200ジカルボン酸;化合物D)の製造
【0066】
【化14】
Figure 0003775742
【0067】
1Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリエチル58g、トルエン220gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.13gを加える以外は調製例3と同様に実施し、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテル397gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,430であり、分子量分布M/Mが1.20であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0068】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテル4.9g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)2.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル100gを加えた反応液を水で洗浄し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリエチルビニルエーテル4.5gを回収した。このポリマーの酸価は101mgKOH/gであった。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。また、このポリマーをMALDI−TOF−MS(Matrix−Assisted Laser Desorption Ionization Time of Flight Mass Spectrometry )解析により確認したところ、理論値である分子量 176.0685+72.0575×n(nは自然数)の値と一致するピークがメインピークとして確認された。このポリマーの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,240であり、分子量分布M/Mが1.3であった。
【0069】
調製例5: 両末端にカルボキシル基を有するポリエチルビニルエーテル(ポリエチルビニルエーテル1500ジカルボン酸;化合物E)の製造
【0070】
【化15】
Figure 0003775742
【0071】
3Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリエチル112g、トルエン750gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.38gを加え、エチルビニルエーテル1058gを加える以外は調製例3と同様に実施し、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテル1140gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,610であり、分子量分布M/Mが1.3であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0072】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテル5.1g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)2.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル100gを加えた反応液を水で洗浄し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリエチルビニルエーテル4.8gを回収した。このポリマーの酸価は79mgKOH/gであった。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。このポリマーの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,480であり、分子量分布M/Mが1.3であった。
【0073】
調製例6: 両末端にカルボキシル基を有するポリエチルビニルエーテル(ポリエチルビニルエーテル1900ジカルボン酸;化合物F)の製造
【0074】
【化16】
Figure 0003775742
【0075】
1Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリエチル29g、トルエン250gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.15gを加え、エチルビニルエーテル363gを加える以外は調製例3と同様に実施し、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテル370gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,940であり、分子量分布M/Mが1.3であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0076】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリエチルビニルエーテル5.0g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)2.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル100gを加えた反応液を水で洗浄し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリエチルビニルエーテル4.6gを回収した。このポリマーの酸価は60mgKOH/gであった。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。このポリマーの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,860であり、分子量分布M/Mが1.3であった。
【0077】
調製例7: 両末端にカルボキシル基を有するポリイソブチルビニルエーテル(ポリイソブチルビニルエーテル900ジカルボン酸;化合物G)の製造
【0078】
【化17】
Figure 0003775742
【0079】
1Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリエチル83g、トルエン250gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.15gを加え、イソブチルビニルエーテル307gを加える以外は調製例3と同様に実施し、両末端にアセタールを有するポリイソブチルビニルエーテル379gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリイソブチルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,010であり、分子量分布M/Mが1.2であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリイソブチルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0080】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリイソブチルビニルエーテル5.0g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)2.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル100gを加えた反応液を水で洗浄し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリイソブチルビニルエーテル4.6gを回収した。このポリマーの酸価は142mgKOH/gであった。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。このポリマーの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、870であり、分子量分布M/Mが1.2であった。
【0081】
調製例8: 両末端にカルボキシル基を有するポリプロピルビニルエーテル(ポリプロピルビニルエーテル4000ジカルボン酸;化合物H)の製造
【0082】
【化18】
Figure 0003775742
【0083】
1Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリエチル10g、トルエン250gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.15gを加え、プロピルビニルエーテル380gを加える以外は調製例3と同様に実施し、両末端にアセタールを有するポリプロピルビニルエーテル375gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリプロピルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、4,010であり、分子量分布M/Mが1.4であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリプロピルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0084】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリプロピルビニルエーテル5.0g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)2.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル100gを加えた反応液を水で洗浄し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリプロピルビニルエーテル4.3gを回収した。このポリマーの酸価は28mgKOH/gであった。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。このポリマーの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、3,900であり、分子量分布M/Mが1.5であった。
【0085】
調製例9: 両末端にカルボキシル基を有するポリブチルビニルエーテル(ポリブチルビニルエーテル1000ジカルボン酸;化合物I)の製造
【0086】
【化19】
Figure 0003775742
【0087】
1Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリエチル35g、トルエン250gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.15gを加え、ノルマルブチルビニルエーテル356gを加える以外は調製例3と同様に実施し、両末端にアセタールを有するポリブチルビニルエーテル375gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリブチルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,190であり、分子量分布M/Mが1.3であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリブチルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0088】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリブチルビニルエーテル5.0g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)2.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル100gを加えた反応液を水で洗浄し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリブチルビニルエーテル4.2gを回収した。このポリマーの酸価は85mgKOH/gであった。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。このポリマーの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,020であり、分子量分布M/Mが1.4であった。
【0089】
調製例10: 両末端にカルボキシル基を有するポリベンジルビニルエーテル(ポリベンジルビニルエーテル800ジカルボン酸;化合物J)の製造
【0090】
【化20】
Figure 0003775742
【0091】
1Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリエチル44g、トルエン250gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.15gを加え、ベンジルビニルエーテル3346gを加える以外は調製例3と同様に実施し、両末端にアセタールを有するポリベンジルビニルエーテル377gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリベンジルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、900であり、分子量分布M/Mが1.3であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリベンジルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0092】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリベンジルビニルエーテル5.1g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)2.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル100gを加えた反応液を水で洗浄し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリベンジルビニルエーテル4.4gを回収した。このポリマーの酸価は120mgKOH/gであった。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。このポリマーの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、760であり、分子量分布M/Mが1.3であった。
【0093】
調製例11: 両末端にカルボキシル基を有するポリtert−ブチルビニルエーテル(ポリtert−ブチルビニルエーテル1200ジカルボン酸、化合物K)の製造
【0094】
【化21】
Figure 0003775742
【0095】
1Lガラス製フラスコに、オルトギ酸トリエチル32g、トルエン250gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.15gを加え、tert−ブチルビニルエーテル358gを加える以外は調製例3と同様に実施し、両末端にアセタールを有するポリtert−ブチルビニルエーテル380gを回収した。このとき、両末端にアセタールを有するポリtert−ブチルビニルエーテルの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,330であり、分子量分布M/Mが1.4であった。ポリマーの構造が、両末端にアセタールを有するポリtert−ブチルビニルエーテルであることはH−NMRで確認した。
【0096】
次いで、50mLフラスコに、両末端にアセタールを有するポリtert−ブチルビニルエーテル5.2g、エタノール10mL、水5gおよびオキソン(デュポン社製)2.2gを加えた。この溶液を25℃で6時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル100gを加えた反応液を水で洗浄し、溶媒を留去後、両末端にカルボキシル基を有するポリtert−ブチルビニルエーテル4.5gを回収した。このポリマーの酸価は82mgKOH/gであった。構造をH−NMRで確認したところ、原料に存在したアセタールに由来するピークは確認されず、末端のカルボキシル基に由来するピークのみが観測された。このポリマーの数平均分子量M(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法により測定した)は、1,230であり、分子量分布M/Mが1.3であった。
【0097】
上記調製例1〜11で製造したポリビニルエーテルAの構造ならびにそれらの数平均分子量および分子量分布を表1に記載する。
【0098】
【表1】
Figure 0003775742
【0099】
実施例1〜11: 本発明による電解液の調合
調製例1〜11で製造した種々のポリビニルエーテルAを主溶質とする電解液を表2に示す組成で調合した。
【0100】
【表2】
Figure 0003775742
【0101】
比較例1〜5: 従来の電解液の調合
比較のため、主溶質として低分子のジカルボン酸化合物を用いて、表3に示す組成で従来の電解液を調合した。
【0102】
【表3】
Figure 0003775742
【0103】
実施例12: 電解液の比抵抗および耐電圧の測定
本発明による電解液A〜Kおよび比較例の電解液L〜Pにつき、30℃における電解液の比抵抗と85℃における火花発生電圧(電解液の耐電圧)を測定した。
電解液の比抵抗については電極表面に白金黒メッキ処理を施した二極型白金セルを用い、LCRメーターにて測定を行った。また、電解液の耐電圧を調べるために、火花発生電圧を測定した。火花発生電圧の測定は、電解液をアルミケースに入れ、縦5cmおよび横2cmの矩形に形成した740V化成電極箔の試料片を電解液に浸し、定電流電源の+極を電極箔に、−極をアルミケースにつなぎ、10mAの電流を通電することによって行い、印加電圧を上昇させて、ノイズが発生したときの電圧を火花発生電圧とした。比抵抗および火花発生電圧の測定結果を表2および表3に示す。
【0104】
実施例13: アルミ電解コンデンサの製品耐電圧の測定
本発明による電解液A〜Kで、化成電圧900Vの陽極箔と坪量54g/mのクラフト紙と陰極箔とを用い、直径16.0mm、長さ25.0mmのアルミ電解コンデンサを各5個作製した。これらの製品に85℃の恒温槽中で、1個当たりの電流2.5mAで通電しながら印加電圧を上昇させ、コンデンサが破壊された電圧の平均値を製品耐電圧とした。比較のため、比較例の電解液L、M、OおよびPで、上記と同様にしてコンデンサを作製し、製品耐電圧を測定した。測定結果を表4に示す。
【0105】
【表4】
Figure 0003775742
【0106】
表2〜4に示した結果より、実施例1〜11で得られた本発明による電解液A〜Kは、比較例1〜5で得られた従来の電解液L〜Pと比較して、火花発生電圧および耐電圧の面で優れていることを確認した。
なお、本発明による電解液Hおよび電解液Kは、電解液の火花発生電圧および製品の耐電圧を向上させる効果が高く、電解液の比抵抗は、従来の電解液Pより低く優れるが、本発明による他の電解液より比抵抗が高くなる。
【0107】
本発明による電解液は、上記実施例に限定されるものではなく、先に例示した置換基を組み合わせた他の化合物(I)もしくは化合物(II)またはそれらの塩を主溶質としても上記実施例と同等の効果がある。また、目的に合わせて、前記のリン酸化合物やニトロ化合物等を添加してもよい。
【0108】
【発明の効果】
本発明により、耐電圧に優れる電解コンデンサの駆動用電解液が提供される。

Claims (7)

  1. 両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルまたはその塩を含有する電解コンデンサの駆動用電解液。
  2. 溶媒を含有する請求項1記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  3. 両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルまたはその塩を1.0〜20.0重量%含有する請求項1または2記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  4. 両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルが一般式(I):
    Figure 0003775742
    (式中、Rは、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表し、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表す)で表される構造単位を含む請求項1〜3のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  5. 両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルは原料のビニル系モノマーを重合することによって得られ、ここに、該原料のビニル系モノマーが一般式(III):
    Figure 0003775742
    (式中、R、RおよびRは、それぞれ前記と同義である)で表されるビニルエーテルを70重量%以上含む請求項1〜4のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  6. 両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルの数平均分子量が200から30,000である請求項1〜5のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  7. 両末端にカルボキシル基を有するポリビニルエーテルが一般式(II):
    Figure 0003775742
    (式中、R、 RおよびRは、それぞれ前記と同義であり、nは、1〜500までの整数を表し、nが2以上の場合の2つ以上存在するR、ならびに2つ以上存在する RおよびRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい)で表されるポリビニルエーテルである請求項1〜6のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
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