JP6932695B2 - 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は電解コンデンサ用電解液及び該電解液を含む電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、様々な電気製品及び電子製品において広く用いられており、その用途は電荷の蓄積、ノイズの除去及び位相の調整等多岐に渡っている。近年、電解コンデンサをより高い駆動電圧でも動作可能にするため、耐電圧向上のニーズが高まっており、様々な改良が試みられている。
例えば特許文献1にはエチレングリコールを主溶媒とする電解液にポリアクリル酸を添加することで耐電圧を向上させることができる技術が開示されている。
特開平7−45482号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では耐電圧が向上するものの、導電率が大きく低下するという問題点があった。本発明は優れた耐電圧と導電率との両方をバランスよく有する電解コンデンサ用電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、(メタ)アクリル系モノマー(a)を必須の構成成分(構成単量体)とする重合体(A)を含有する電解コンデンサ用電解液添加剤(B)、水酸基濃度が10mmol/gより高い有機溶剤(C)及び電解質(D)を含む電解コンデンサ用電解液であって、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)の含有量が重合体(A)を構成する全モノマーに対して60〜100重量%であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液;並びに当該電解コンデンサ用電解液を含む電解コンデンサである。
本発明の電解液を用いることで優れた耐電圧と導電率との両方を有する電解コンデンサ用電解液を提供することができる。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、(メタ)アクリル系モノマー(a)を必須の構成成分(構成単量体)とする重合体(A)を含有する電解コンデンサ用電解液添加剤(B)と、水酸基濃度が10mmol/gより高い有機溶剤(C)と、電解質(D)とを必須成分として含む。
本発明における電解コンデンサ用電解液添加剤(B)は、(メタ)アクリル系モノマー(a)を必須の構成成分(構成単量体)とする重合体(A)を含有する。
本発明における重合体(A)において、(メタ)アクリル系モノマー(a)としてのヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)の含有量は、重合体(A)を構成する全モノマーの合計重量に対して、60〜100重量%である。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)の含有量が、重合体(A)を構成する全モノマーの合計重量に対して60重量%未満であると、耐電圧が悪化する。
また、前記の(メタ)アクリル系モノマー(a1)の含有量は、耐電圧の観点から、重合体(A)を構成する全モノマーの合計重量に対して、65〜100重量%であることが好ましく、更に好ましくは70〜100重量%であり、特に好ましくは90〜100重量%である。
なお、後述のカルボキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a2)は、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)に含まれないものとする。
なお、本願明細書において、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」と「メタクリロイル」との双方又はいずれかを意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との双方又はいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との双方又はいずれかを意味し、「(メタ)アクリロイロキシ」は「アクリロイロキシ」と「メタクリロイロキシ」との双方又はいずれかを意味する。
本発明におけるヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)としては、ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有するものであれば特に限定されること無く用いることができる。
(メタ)アクリル系モノマー(a1)の具体例としては、炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)、前記の炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)への炭素数2〜12のラクトン付加物(a12)、前記の炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)への炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物(a13)、炭素数6〜15のヒドロキシ基と環状骨格とを有する(メタ)アクリレート(a14)、前記の炭素数6〜15のヒドロキシ基と環状骨格とを有する(メタ)アクリレート(a14)への炭素数2〜12のラクトン付加物(a15)及び前記の炭素数6〜15のヒドロキシ基と環状骨格とを有する(メタ)アクリレート(a14)への炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物(a16)等が挙げられる。
なお、ここでいう(a11)の炭素数には(メタ)アクリロイル基の炭素数も含むこととする。
炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)としては、炭素数4〜12のモノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a111)、炭素数4〜12のジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a112)及び炭素数4〜12のトリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a113)等が挙げられる。
炭素数4〜12のモノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a111)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(アクリル酸2−ヒドロキシエチル及び/又はメタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、7−ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート及び8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
炭素数4〜12のジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a112)としては、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
炭素数4〜12のトリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a113)としては、ペンタエリストールモノアクリレート等が挙げられる。
前記の炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)に付加する炭素数2〜12のラクトンとしては、アセトラクトン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン及びラウロラクトン等が挙げられる。
これらラクトンの付加モル数としては電解液の導電率の観点から1〜15モルであることが好ましい。
付加するラクトンは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)への炭素数2〜12のラクトン付加物(a12)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのカプロラクトン2モル付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのカプロラクトン5モル付加物等が挙げられる。
前記の炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)に付加する炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、1,2−又は1,3−プロピレンオキシド及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレンオキシドが挙げられる。これらアルキレンオキシドの付加モル数としては電解液の導電率の観点から1〜40モルであることが好ましい。付加するアルキレンオキシドは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)への炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物(a13)としては、(メタ)アクリル酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのエチレンオキシド3.5モル付加物(ポリエチレングリコールモノアクリレート)等が挙げられる。
炭素数6〜15のヒドロキシ基と環状骨格とを有する(メタ)アクリレート(a14)が有する環状骨格としては、脂環式骨格及び芳香環骨格等が挙げられる。
炭素数6〜15のヒドロキシ基と環状骨格とを有する(メタ)アクリレート(a14)の具体例としては、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート及び3−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロイロキシアダマンタン等が挙げられる。
炭素数6〜15のヒドロキシ基と環状骨格とを有する(メタ)アクリレート(a14)への炭素数2〜12のラクトン付加物(a15)としては、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートへのカプロラクトン2モル付加物等が挙げられる。
前記の炭素数6〜15のヒドロキシ基と環状骨格とを有する(メタ)アクリレート(a14)への炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物(a16)としては、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートへのエチレンオキサイド3モル付加物等が挙げられる。
これらの内、耐電圧の観点から(a1)として好ましいのは、炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)であり、更に好ましいのは炭素数4〜12のモノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a111)及び炭素数4〜12のジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a112)であり、特に好ましいのは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びグリセロールモノ(メタ)アクリレートである。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)として例示した上記のモノマー以外であっても、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)であれば、耐電圧向上効果を得ることができる。
本発明における重合体(A)を構成する(メタ)アクリル系モノマー(a)としては、更にカルボキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a2)を含んでいてもよい。
(a2)の具体例としては、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)への炭素数4〜10の酸無水物付加物(a21)及び(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
(a1)に付加する炭素数4〜10の酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及びヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)への炭素数4〜10の酸無水物付加物(a21)の具体例としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの無水コハク酸付加物等のコハク酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル及びヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル等が挙げられる。
これらの内、耐電圧の観点から(a2)として好ましいものは、(メタ)アクリル酸及びコハク酸2−(メタ)アクリロイロキシエチルである。
本発明における重合体(A)は、前述のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a2)以外のその他のモノマー(a3)を含んでいてもよい。
その他のモノマー(a3)の具体例としては、炭素数4〜20のアルキル(メタ)アクリレート[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル及び(メタ)アクリル酸ラウリル等];
(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体と炭素数1〜8のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びオクタノール等)とのエーテル[(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(2−オクトキシエトキシ)エチル等];
炭素数3〜20の(メタ)アクリルアミド[(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド及びN,N−ジベンジル(メタ)アクリルアミド];
カルボキシ基以外の酸性官能基(ホスホ基及びスルホ基等)を有する(メタ)アクリレート[リン酸2−((メタ)アクリロイロキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−スルホエチル等]等が挙げられる。
その他のモノマー(a3)の内、好ましいのは炭素数4〜20のアルキル(メタ)アクリレートであり、特に好ましいのは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルである。
これらのモノマーは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合体(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記する)は、1,000以上であることが好ましく、更に好ましくは3,000以上であり、特に好ましくは5,000以上である。
また、重合体(A)のMnは、100,000以下であることが好ましく、更に好ましくは80,000以下であり、特に好ましくは50,000以下である。
Mnが1,000以上であると電解液の耐電圧の観点で好ましく、100,000以下であると電解液の素子への含浸性の観点で好ましい。
なお、本発明におけるMnは実施例に記載のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した値とする。
前記の重合体(A)のガラス転移温度(以下、Tgと略記する)は、耐電圧向上の観点から、−100℃以上が好ましく、更に好ましくは−80℃以上である。
また、前記の重合体(A)のTgは、耐電圧向上の観点から、80℃以下が好ましく、更に好ましくは60℃以下であり、特に好ましくは55℃以下である。
本発明のTgは、示差走査熱量測定装置[セイコーインスツル(株)製の「DSC20」及び「SSC/580」等]を用いて「ASTM D3418−82」に準拠した方法で測定することができる。
重合体(A)のTgを前記の範囲にすることで、耐電圧が向上する機構としては、以下のことが考えられる。
前記の範囲のTgを有する重合体(A)は、比較的柔軟な重合体あるため、誘電体に対する吸着性が高まる結果、重合体(A)による誘電体保護の効果が更に高くなり、耐電圧が向上するものと推測される。
重合体(A)は、後に詳述するように、(メタ)アクリル系モノマー(a)を公知の方法を用いて重合することで得ることができる。
電解コンデンサ用電解液添加剤(B)は、重合体(A)を必須の構成成分として含有するが、必要に応じてその他の添加剤を更に含有していてもよい。
その他の添加剤の具体例としては、ガス発生抑制剤(o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール及びp−ニトロフェノールなどのニトロ化合物)及び耐電圧向上剤(ポリエチレングリコール(Mn:600以上)、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、マンニトール)が挙げられる。
これらのうち耐電圧を向上させる目的で耐電圧向上剤が好ましく用いられ、マンニトールを用いることが更に好ましい。
電解コンデンサ用電解液添加剤(B)の合計重量に対する重合体(A)の重量比率は、耐電圧向上の観点から、10〜100重量%であることが好ましく、更に好ましくは30〜100重量%であり、特に好ましくは50〜100重量%であり、最も好ましくは80〜100重量%である。
前記の重合体(A)を含有する電解コンデンサ用電解液添加剤(B)は、(メタ)アクリル系モノマー(a)を公知の方法(特開平5−117330号公報等に記載の方法)を用いて重合することで合成することができる。例えば、前記モノマー(a)等の単量体を溶剤(トルエン等)中でラジカル開始剤(アゾビスイソブチロニトリル等)とともに反応させる溶液重合法により合成し、その後重合に用いた溶剤を減圧により留去することで得ることができる。
前記のその他の添加剤は、合成に用いる溶剤に混合してもよいし、溶剤留去後に重合体(A)と混合してもよい。
本発明における水酸基濃度が10mmol/gより高い有機溶剤(C)としては、水及びアルコール溶剤(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール及びプロピレングリコール等)等が挙げられる。中でも、低蒸気圧、かつ、コンデンサ素子への浸透性に優れるという観点から好ましいのはエチレングリコール及びプロピレングリコールであり、更に好ましいのはエチレングリコールである。
また、本発明の電解コンデンサ用電解液は、前記の有機溶剤(C)以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、水酸基濃度が10mmol/g以下の有機溶剤を更に含有していてもよい。
水酸基濃度が10mmol/g以下の有機溶剤としては、アルコール溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテル、及びポリエチレングリコール(Mn:600未満)等)、アミド溶剤(N−メチルホルムアミド及びN,N−ジメチルホルムアミド等)、ラクトン溶剤(α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びδ−バレロラクトン等)、ニトリル溶剤(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル及びベンゾニトリル等)スルホキシド溶剤(ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド及びジエチルスルホキシド)及びスルホン溶剤(スルホラン及びエチルメチルスルホン等)等が挙げられる。
これらの内、ラクトン溶剤、スルホキシド溶剤及びスルホン溶剤が好ましく用いられる。
前記の有機溶剤(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の有機溶剤(C)は、エチレングリコールを必須成分とすることが好ましい。また、有機溶剤(C)がエチレングリコール以外の溶剤を含有する場合、有機溶剤(C)の合計重量に対するエチレングリコールの重量比率は、10〜100重量%であることが好ましく、更に好ましくは30〜100重量%である。
本発明の電解コンデンサ用電解液が含有する電解質(D)は電解コンデンサ用電解液に通常用いられる公知の電解質を使用することができるが、カルボキシレートイオンと、アンモニウム又はアミジニウムとからなる電解質であることが好ましい。
カルボキシレートイオンとしては、飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、2−メチルアゼライン酸、セバシン酸、1,5−オクタンジカルボン酸、4,5−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,15−ペンタデカンジカルボン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロン酸、ヘキシルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルプロピルマロン酸、メチルブチルマロン酸、エチルプロピルマロン酸、ジプロピルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸及び3−メチルアジピン酸等);
飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸及びウンデカン酸等);
不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸及びオレイン酸等];
不飽和脂肪族ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸及びシトラコン酸等);
芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、トルイル酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ブチル安息香酸、イソブチル安息香酸、第2ブチル安息香酸、第3ブチル安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、イソプロポキシ安息香酸、ブトキシ安息香酸、イソブトキシ安息香酸、第2ブトキシ安息香酸、第3ブトキシ安息香酸、アミノ安息香酸、N−メチルアミノ安息香酸、N−エチルアミノ安息香酸、N−プロピルアミノ安息香酸、N−イソプロピルアミノ安息香酸、N−ブチルアミノ安息香酸、N−イソブチルアミノ安息香酸、N−第2ブチルアミノ安息香酸、N−第3ブチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸及びN,N−ジエチルアミノ安息香酸等);
及び芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸等)等のカルボン酸のカルボキシ基から水素原子を除いたアニオンが挙げられる。
これらの内、耐電圧の観点から好ましいのは飽和ポリカルボン酸及び不飽和ポリカルボン酸のカルボキシ基から水素原子を除いたアニオンである。
アンモニウムは、前記カルボキシレートイオンと塩を形成するアンモニウムであれば特に限定されることなく使用することができる。
アンモニウムとしては、無置換アンモニウム、第1級アンモニウム(メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム及びイソプロピルアンモニウム等)、第2級アンモニウム(ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウム、メチルプロピルアンモニウム及びメチルイソプロピルアンモニウム等)、第3級アンモニウム(トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム及びジメチルイソプロピルアンモニウム等)及び第4級アンモニウム(テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム及びテトラエチルアンモニウム等)等が挙げられる。
アミジニウムは、前記カルボキシレートイオンと塩を形成するアミジニウムであれば特に限定されることなく使用することができる。
アミジニウムとしては、イミダゾリニウム、イミダゾリニウムが有する水素原子をアルキル基で置換したカチオン(1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム及び1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム等)、イミダゾリウム及びイミダゾリウムが有する水素原子をアルキル基で置換したカチオン(1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム及び1,2,3−トリメチルイミダゾリウム等)等が挙げられる。
アンモニウム及びアミジニウムの内、耐電圧の観点から好ましいのはアンモニウムであり、更に好ましいのは無置換アンモニウム、第一級アンモニウム及び第三級アンモニウムである。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、必要に応じてホウ酸化合物(E)を含有していてもよい。
前記のホウ酸化合物(E)としては、ホウ酸及びホウ酸エステル等が挙げられる。
前記のホウ酸エステルとしては、ホウ酸アルキル(ホウ酸トリエチル等)及びホウ酸アリール(ホウ酸トリフェニル等)等が挙げられる。
これらの内、耐電圧の観点から好ましいのはホウ酸である。
本発明の電解コンデンサ用電解液において、電解コンデンサ用電解液の合計重量に対する電解コンデンサ用電解液添加剤(B)の重量比率は、0.5〜40重量%であることが好ましく、更に好ましくは1〜30重量%であり、特に好ましくは5〜20重量%である。
0.5重量%以上の電解コンデンサ用電解液添加剤(B)を含有すると耐電圧が良好であり、40重量%以下であると導電率が良好である。
電解コンデンサ用電解液の合計重量に対する前記の有機溶剤(C)の重量比率は、導電率の観点から、50〜99重量%であることが好ましく、更に好ましくは60〜80重量%である。
電解コンデンサ用電解液の合計重量に対する電解質(D)の重量比率は、導電率の観点から0.5〜40重量%であることが好ましく、更に好ましくは5〜30重量%である。
電解コンデンサ用電解液の合計重量に対するホウ酸化合物(E)の重量比率は、耐電圧の観点から0〜10重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜5重量%である。
本発明の電解コンデンサ用電解液の製造方法は、特に限定はされない。例えば、水酸基濃度が10mmol/gより高い有機溶剤(C)、電解コンデンサ用電解液添加剤(B)及び電解質(D)並びに必要に応じてホウ酸化合物(E)を、20〜80℃の温度範囲で、公知の機械的混合方法(例えばメカニカルスターラーやマグネティックスターラーを用いる方法)を用いることによって均一混合することで、製造することができる。
アルミニウム電解コンデンサ等の本発明の電解コンデンサとしては、前記の本発明の電解コンデンサ用電解液を含んでいればよく、形状及び大きさ等は限定されない。本発明の電解コンデンサとしては、例えば、捲き取り形の電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレータを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサが挙げられる。
アルミニウム電解コンデンサ等の本発明の電解コンデンサは、例えば、本発明の電解コンデンサ用電解液を駆動用電解液としてセパレータ(クラフト紙及びマニラ紙等)に含浸し、陽陰極と共に、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴム(ブチルゴム及びシリコーンゴム等)で密閉することで得ることができる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、以下において部は重量部を表す。
また、製造例及び比較製造例で合成した重合体(A)のMnは、GPCを用いて以下の条件で測定した。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(重量平均分子量: 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
また、製造例及び比較製造例で合成した重合体(A)のTgは、示差走査熱量測定装置[セイコーインスツル(株)製の「DSC20」及び「SSC/580」]を用いて「ASTM D3418−82」に準拠した方法で測定した。
<重合体(A)の合成>
<製造例1:重合体(A−1)の合成>
撹拌機、温度計及び冷却管を取り付けたフラスコに、メチルイソブチルケトン[和光純薬工業(株)製]30部及びポリエチレングリコールモノアクリレート[ブレンマーAE−200、日油(株)製]14.1部を投入し、80℃まで加熱した。ここに予め調製しておいたアゾビスイソブチロニトリル[和光純薬工業(株)製]0.9部をメチルイソブチルケトン5部に溶解させた溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間加熱した。その後100℃、0.5kPaの条件の減圧によりメチルイソブチルケトンを留去し、重合体(A−1)を合成した。
<製造例2:重合体(A−2)の合成>
製造例1において、メチルイソブチルケトンの投入量を30部から20部に変更した以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−2)を合成した。
<製造例3:重合体(A−3)の合成>
製造例1において、メチルイソブチルケトンの投入量を30部から15部に、アゾビスイソブチロニトリルの投入量を0.9部から0.5部に変更した以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−3)を合成した。
<製造例4:重合体(A−4)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル[和光純薬工業(株)製]9.0部、メタクリル酸[和光純薬工業(株)製]2.6部及びメタクリル酸メチル[和光純薬工業(株)製]2.6部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−4)を合成した。
<製造例5:重合体(A−5)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル[和光純薬工業(株)製]14.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−5)を合成した。
<製造例6:重合体(A−6)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、アクリル酸2−ヒドロキシエチル[和光純薬工業(株)製]14.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−6)を合成した。
<製造例7:重合体(A−7)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、グリセリンモノアクリレート[ブレンマーGLM、日油(株)製]14.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−7)を合成した。
<製造例8:重合体(A−8)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート[ファンクリルFA−610A、日立化成(株)製]14.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−8)を合成した。
<製造例9:重合体(A−9)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトン2モル付加物[SR−495B、サートマー社製]14.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−9)を合成した。
<製造例10:重合体(A−10)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル[和光純薬工業(株)製]9.0部及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの無水コハク酸付加物[ライトエステルHO−MS(N)、共栄社化学(株)製]5.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−10)を合成した。
<製造例11:重合体(A−11)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル[和光純薬工業(株)製]9.0部及びメタクリル酸[和光純薬工業(株)製]5.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−11)を合成した。
<製造例12:重合体(A−12)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、グリセリンモノアクリレート[ブレンマーGLM、日油(株)製]9.0部及びメタクリル酸[和光純薬工業(株)製]5.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−12)を合成した。
<製造例13:重合体(A−13)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート[ファンクリルFA−610A、日立化成(株)製]9.0部及びメタクリル酸[和光純薬工業(株)製]5.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−13)を合成した。
<製造例14:重合体(A−14)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、アクリル酸2−ヒドロキシエチル[和光純薬工業(株)製]9.0部及びメタクリル酸[和光純薬工業(株)製]5.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い重合体(A−14)を合成した。
<比較製造例1:重合体(A’−1)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、アクリル酸[和光純薬工業(株)製]14.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い比較用の重合体(A’−1)を合成した。
<比較製造例2:重合体(A’−2)の合成>
製造例1において、ポリエチレングリコールモノアクリレートに代えて、アクリル酸[和光純薬工業(株)製]7.1部及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル7.1部を用いた以外は製造例1と同様にして行い比較用の重合体(A’−2)を合成した。
重合体(A−1)〜(A−14)及び比較用の重合体(A’−1)〜(A’−2)のMn及びTg等を表1に示す。
Figure 0006932695
<電解質(D)の調製>
<製造例15>
300mlビーカーにメタノール80部と1,6−デカンジカルボン酸20部を投入し、アンモニアガス2.5部吹き込み中和した。その後減圧下(0.5kPa)80℃の条件でメタノールを除去し、1,6−デカンジカルボン酸二アンモニウム塩22.2部を得た。
<電解液の調製>
<実施例1〜18、比較例1〜3>
上記製造例で合成した重合体(A)としての重合体(A−1)〜(A−14)又は比較製造例で合成した比較用の重合体(A’−1)〜(A’−2)と、製造例15で製造した電解質(D)としての1,6−デカンジカルボン酸二アンモニウム塩と、有機溶剤(C)としてのエチレングリコール(水酸基濃度:32mmol/g)又はプロピレングリコール(水酸基濃度:26mmol/g)と、必要に応じてホウ酸化合物(E)としてのホウ酸とを表1に示した部数で配合し実施例1〜18の電解液及び比較例1〜3の電解液を調製した。また、以下の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006932695
<導電率>
電気伝導率計CM−40S[東亜電波工業(株)製]を用いて、実施例及び比較例の電解液の30℃での導電率を測定した。
<火花電圧>
陽極として10cmの高圧用化成エッチングアルミニウム箔を、陰極として10cmのプレーンなアルミニウム箔を、電解液として実施例及び比較例の電解液を用いた。次に、25℃にて定電圧・定電流直流電源装置[(株)高砂製作所製、GP0650−05R]を用いて定電流法(2mA)による負荷をかけ、電圧を測定した。横軸に時間を、縦軸に電圧をプロットし、時間経過に伴う電圧の上昇カーブを観測し、初めにスパーク又はシンチレーションによる上昇カーブの乱れが生じた時点での電圧を火花電圧とした。火花電圧が高いほど、耐電圧が高いことを示す。
本発明の実施例1〜18の電解液は優れた耐電圧と導電率を示す。
一方、比較例2の電解液は添加剤未添加の比較例1に比べて耐電圧が向上するものの導電率が大きく低下する。これは重合体(A’−1)中に多数含まれるカルボキシ基がアニオンの動きを阻害するためと考えられる。また、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)の含有量が全モノマーの重量に対して60重量%未満の比較例3は、十分な耐電圧向上効果を得ることが出来ない。これは分子中のヒドロキシ基の数が少ないためと考えられる。
本発明の電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサは、高い導電率を維持しつつ耐電圧も高い電解液を用いているため、高い駆動電圧が要求される電気製品及び電子製品の部品として好適に使用できる。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、特にノートパソコンなどのモバイル用途や車載用途の電解コンデンサ用電解液として好適である。

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル系モノマー(a)のみを構成成分とする重合体(A)を含有する電解コンデンサ用電解液添加剤(B)、水酸基濃度が10mmol/gより高い有機溶剤(C)及び電解質(D)を含む電解コンデンサ用電解液であって、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)の含有量が前記重合体(A)を構成する全モノマーに対して60〜100重量%であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
  2. 前記重合体(A)の数平均分子量が1,000〜100,000である請求項1に記載の電解コンデンサ用電解液。
  3. 前記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)が、炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)、炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)の炭素数2〜12のラクトン付加物(a12)及び炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a11)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物(a13)からなる群から選ばれる1種以上のモノマーである請求項1又は2に記載の電解コンデンサ用電解液。
  4. 前記重合体(A)を構成する前記(メタ)アクリル系モノマー(a)として、更にカルボキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a2)を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. 前記カルボキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a2)が、前記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)への炭素数4〜10の酸無水物付加物(a21)及び/又は(メタ)アクリル酸である請求項4に記載の電解コンデンサ用電解液。
  6. 更にホウ酸化合物(E)を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液を含む電解コンデンサ。
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