JP6932652B2 - 電解コンデンサ用電解液及び該電解液を用いた電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解液及び該電解液を用いた電解コンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、電解コンデンサ用電解液及び該電解液を用いた電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、様々な電気製品及び電子製品において広く用いられており、その用途は電荷の蓄積、ノイズの除去及び位相の調整等多岐に渡っている。近年、電解コンデンサをより高い駆動電圧でも動作可能にするため、耐電圧向上のニーズが高まっており、様々な改良が試みられている。
例えば、特許文献1には、溶媒と、特定の電解質塩とを備える電解液に多価アルコールを添加することで耐電圧を向上させる技術が開示されている。
特開平9−213583号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、耐電圧向上の効果に限界があり、耐電圧向上の効果が不十分であった。
本発明は、高い耐電圧を有する電解コンデンサ用電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく検討を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は、有機溶剤を含有する溶剤と、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体と、電解質と、を含有する電解コンデンサ用電解液であって、前記有機溶剤が有するヒドロキシ基の濃度が、前記有機溶剤の重量を基準として10mmol/g以下である電解コンデンサ用電解液;該電解コンデンサ用電解液を含む電解コンデンサである。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、優れた耐電圧向上効果を有し、更に高い導電率を有する。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、有機溶剤を含有する溶剤と、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体と、電解質と、を含有し、前記の有機溶剤が有するヒドロキシ基の濃度は、前記有機溶剤の重量を基準として10mmol/g以下である。
また、電解コンデンサとしては、アルミ電解コンデンサ、アルミ固体コンデンサ及びアルミハイブリッド型コンデンサ等が挙げられる。
本発明におけるヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体としては、ヒドロキシ基とカルボキシ基を両方有するアクリル重合体、又は、ヒドロキシ基若しくはカルボキシ基のうちいずれか一つを有するアクリル重合体であれば特に制限はない。アクリル重合体とは、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を主成分とする単量体成分を重合して得られる重合体であり、本発明におけるヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体は、(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体、並びに/又は、(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体を、必須構成単量体とする重合体であることが好ましい。
ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
なお、本出願において、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」と「メタクリロイル」の双方又はいずれかを意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」の双方又はいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」の双方又はいずれかを意味し、「(メタ)アクリロイロキシ」は「アクリロイロキシ」と「メタクリロイロキシ」の双方又はいずれかを意味する。
本発明における(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体としては、炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、前記の炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートへの炭素数2〜12のラクトン1〜5モル付加物及び前記の炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートへの炭素数2〜10のアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数4〜12のモノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、炭素数4〜12のジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及び炭素数4〜12のトリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
炭素数4〜12のモノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、7−ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート及び8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
炭素数4〜12のジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
炭素数4〜12のトリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリストールモノアクリレート等が挙げられる。
前記の炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに付加する炭素数2〜12のラクトンとしては、アセトラクトン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン及びラウロラクトン等が挙げられる。
炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートへの炭素数2〜12のラクトン1〜5モル付加物としては、6−ヒドロキシヘキサン酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル、5−ヒドロキシドデカン酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのカプロラクトン5モル付加物等が挙げられる。
前記の炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに付加する炭素数2〜10のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、1,2−又は1,3−プロピレンオキシド、1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレンオキシド、3−メチルテトラヒドロフラン、1,2−デセンオキシド、スチレンオキシド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)等が挙げられる。
炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートへの炭素数2〜10のアルキレンオキシド1〜30モル付加物としては、(メタ)アクリル酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(10−ヒドロキシデキシ)エチル及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのエチレンオキシド30モル付加物等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの内、耐電圧の観点から好ましいのは、炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであり、更に好ましいのは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチルアクリレートであり、特に好ましいのは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチルアクリレートである。
(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体としては、例示した上記の単量体以外の単量体であっても、(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体であれば、耐電圧向上効果を得ることが出来る。
本発明における(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体としては、前記(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体への炭素数4〜10の酸無水物付加物[コハク酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル及びヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル等]、(メタ)アクリル酸への炭素数2〜12のラクトン1〜5モル付加物[2−((メタ)アクリロイロキシ)エタン酸、3−((メタ)アクリロイロキシ)プロパン酸、4−((メタ)アクリロイロキシ)ブタン酸、5−((メタ)アクリロイロキシ)ペンタン酸、6−((メタ)アクリロイロキシ)ヘキサン酸及び(メタ)アクリル酸へのカプロラクトン5モル付加物等]並びに(メタ)アクリル酸等が挙げられる。なお、炭素数4〜10の酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及びヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、炭素数2〜12のラクトンとしては、アセトラクトン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン及びラウロラクトン等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの内、耐電圧の観点から好ましいのは、炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートへの無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及びヘキサヒドロ無水フタル酸付加物であり、更に好ましいのはコハク酸2−(メタ)アクリロイロキシエチルである。
(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体として例示した上記の単量体以外の単量体であっても、(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体であれば、耐電圧向上効果を得ることが出来る。
本発明におけるアクリル重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必須構成単量体以外の単量体を含有していてもよい。
必須構成単量体以外の単量体の内、共重合性及び溶剤への溶解性の観点から好ましいものとしては、(メタ)アクリロイル基及びアミノ基を有する単量体〔炭素数3〜20の(メタ)アクリルアミド[(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジベンジル(メタ)アクリルアミド等]及び(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等〕、(メタ)アクリロイル基及びスルホ基を有する単量体[(メタ)アクリル酸2−スルホエチル及び2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等]、(メタ)アクリロイル基及びホスホ基を有する単量体[リン酸2−((メタ)アクリロイロキシ)エチル]、炭素数4〜20のアルキル(メタ)アクリレート[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル及び(メタ)アクリル酸ラウリル等]、(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体と炭素数1〜8のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びオクタノール等)とのエーテル[(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(2−オクトキシエトキシ)エチル等]、炭素数8〜20のスチレン誘導体(スチレン、パラメチルスチレン、スチレンスルホン酸及びビニル安息香酸等)、炭素数3〜20のアリル化合物(アリルアルコール、アリルメチルエーテル及びアリルブチルエーテル等)等が挙げられ、更に好ましいのは、炭素数4〜20のアルキル(メタ)アクリレートであり、特に好ましいのは、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルである。
これらの必須構成単量体以外の単量体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体の数平均分子量(以降Mnと略記)は、耐電圧の観点から、1,000〜500,000であることが好ましく、更に好ましくは3,000〜200,000であり、特に好ましくは4,000〜50,000であり、最も好ましくは4,000〜15,000である。
本発明におけるヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体のMnは、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(以降GPCと略記)を用いて以下の条件で測定する。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(重量平均分子量: 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
前記ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体の構成単量体の合計モル数に対する、必須構成単量体[(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体並びに(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体]の合計モル数の割合は、耐電圧の観点から0.5〜100モル%であることが好ましく、5〜100モル%であることが更に好ましく、50〜100モル%であることが特に好ましく、80〜100モル%であることがとりわけ好ましく、100モル%であることが最も好ましい。必須構成単量体の割合がこの範囲であれば、耐電圧向上に効果的である。
有機溶剤を含有する溶剤と、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体と、電解質と、を含有する電解コンデンサ用電解液を用いると電解コンデンサの耐電圧が良好になる理由は明確ではないが、以下の機構が考えられる。陽極アルミ箔の表面に酸化皮膜を形成した誘電体を用いることで大きな静電容量を得ている電解コンデンサにおいて、誘電体の耐電圧性が良好になれば、電解コンデンサの耐電圧性も良好になる。電解液がヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体を含むと、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基によって誘電体と高い親和性を持つアクリル重合体は誘電体と相互作用し、誘電体を保護する効果を生ずるものと考えられる。そして、(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体並びに(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体の含有量が多くなるほど、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体と誘電体の親和性が高くなり、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体が誘電体を保護する効果が高まる結果、耐電圧が向上するものと推測される。
前記ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体において、必須構成単量体の合計モル数に対する、(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体のモル数の割合は、25〜100モル%である事が好ましく、更に好ましくは60〜100モル%であり、特に好ましくは90〜100モル%であり、とりわけ好ましくは95〜100モル%であり、最も好ましくは100モル%である。
(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体の割合が、この範囲内であれば、耐電圧向上に効果的である。
また、本発明の電解コンデンサが、後述するホウ酸及び/又はホウ酸エステルを含有する場合、(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体に由来する構成単位は、有するヒドロキシ基がホウ酸及び/又はホウ酸エステルと錯体を形成し、更なる耐電圧向上を期待できる観点からも、上記の範囲が好ましい。
前記ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体において、必須構成単量体の合計モル数に対する、(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体のモル数の割合は、0〜75モル%である事が好ましく、更に好ましくは0〜40モル%であり、特に好ましくは0〜10モル%であり、とりわけ好ましくは0〜5モル%であり、最も好ましくは0モル%である。
また、必須構成単量体の合計モル数に対する、(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体のモル数の割合が、最も好ましい0モル%であるアクリル重合体は、ヒドロキシ基を有しカルボキシ基を有しないアクリル重合体である。
(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体の割合が、この範囲内であれば、耐電圧向上に効果的である。
前記のヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体のガラス転移温度(以下、Tgと略記する)は、耐電圧向上の観点から、−100〜80℃であることが好ましく、更に好ましくは−80〜60℃であり、特に好ましくは−80〜56℃である。
本発明のTgは、示差走査熱量測定装置[セイコーインスツル(株)製の「DSC20」または「SSC/580」等]を用いて「ASTM D3418−82」に準拠した方法で測定することができる。
ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体のTgを前記の範囲にすることで、耐電圧が向上する機構としては、以下のことが考えられる。
前記の範囲のTgを有するアクリル重合体は、比較的柔軟な重合体あるため、誘電体に対する吸着性が高まる結果、アクリル重合体による誘電体保護の効果が更に高くなり、耐電圧が向上するものと推測される。
ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体は、公知の方法(特開平5−117330号公報等に記載の方法)を用いることで合成することが出来る。例えば、前記単量体を溶媒(トルエン等)中でラジカル開始剤(アゾビスイソブチロニトリル等)とともに反応させる溶液重合法により合成することが出来る。
本発明に用いられるヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体は、電解コンデンサ用添加剤の主成分として用いることも出来る。
前記の電解コンデンサ用添加剤は、有機溶剤及び電解質と混合することで、任意の組成の電解コンデンサ用電解液を製造することが出来るため、有用である。
また、前記の電解コンデンサ用添加剤は、特開2017−4986号公報に記載の「固体電解コンデンサ用固体電解質用添加剤(A)」に代えて用い、特開2017−4986号公報に記載の電解コンデンサを作成することで、固体電解コンデンサ用添加剤として用いることが出来るため、有用である。
電解コンデンサ用添加剤は、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体の他に後述するホウ酸及び/又はホウ酸エステルを含有していることが好ましい。
電解コンデンサ用添加剤が、ホウ酸及び/又はホウ酸エステルを含有する場合、電解コンデンサ用添加剤の合計重量に対するホウ酸及びホウ酸エステルの合計重量の割合は、耐電圧の観点から5〜50重量%であることが好ましく、10〜40重量%であることが更に好ましい。
電解コンデンサ用添加剤は、アクリル重合体を前記の溶液重合法で製造した後に、製造に用いた溶媒を減圧乾燥等の公知の方法で留去する方法等で得ることができる。
また、電解コンデンサ用添加剤が、ホウ酸及び/又はホウ酸エステルを含有する場合の製造方法としては、アクリル重合体を前記の溶液重合法で製造し、製造に用いた溶液にホウ酸及び/又はホウ酸エステルを溶解させた後に、溶媒を減圧乾燥等の公知の方法で留去する方法等が挙げられる。
本発明の電解コンデンサ用電解液は有機溶剤を含有する溶剤を含み、前記の有機溶剤が有するヒドロキシ基の濃度は、前記有機溶剤の重量を基準として10mmol/g以下である(つまり、前記有機溶剤を構成する化合物のヒドロキシ基の濃度が10mmol/g以下である)。
前記のヒドロキシ基濃度が10mmol/g以下である有機溶剤としては、アルコール溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテル及びポリエチレングリコール(Mn:600以下)等)、アミド溶剤(N−メチルホルムアミド及びN,N−ジメチルホルムアミド等)、ラクトン溶剤(α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びδ−バレロラクトン等)、ニトリル溶剤(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル及びベンゾニトリル等)スルホキシド溶剤(ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド及びジエチルスルホキシド)及びスルホン溶剤(スルホラン及びエチルメチルスルホン等)等が挙げられる。
前記のヒドロキシ基濃度が10mmol/g以下である有機溶剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの有機溶剤の内、耐電圧向上の観点から好ましいのは、ラクトン溶剤、スルホキシド溶剤及びスルホン溶剤であり、更に好ましいのはラクトン溶剤及びスルホン溶剤であり、特に好ましいのはγ−ブチロラクトン、スルホラン及びエチルメチルスルホンである。
また、前記のヒドロキシ基濃度が10mmol/g以下である有機溶剤の沸点は、コンデンサの寿命の観点から150〜300℃であることが好ましい。
本発明の電気コンデンサ用電解液は、ヒドロキシ基濃度が10mmol/g以下である有機溶剤以外にも、本発明の効果を阻害しない範囲で、ヒドロキシ基濃度が10mmol/gを超える有機溶剤及び水等を溶剤として含んでいてもよい。
ヒドロキシ基濃度が10mmol/gを超える有機溶剤としては、メチルアルコール及びエチレングリコール等が挙げられる。
溶剤の合計重量に対する、ヒドロキシ基濃度が10mmol/g以下である有機溶剤の重量割合は、耐電圧向上の観点から、50〜100重量%であることが好ましく、更に好ましくは70〜100重量%であり、特に好ましくは100重量%である。
本発明の電解コンデンサ用電解液は電解質を含有する。特開平9−213583号公報等に記載の電解コンデンサ用電解液に用いられる公知の電解質を使用することが出来るが、カルボキシレートイオンと、アンモニウム又はアミジニウムとからなる電解質であることが好ましい。
カルボキシレートイオンとしては、飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スリン酸、アゼライン酸、2−メチルアゼライン酸、セバシン酸、1,5−オクタンジカルボン酸、4,5−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,15−ペンタデカンジカルボン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロン酸、ヘキシルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルプロピルマロン酸、メチルブチルマロン酸、エチルプロピルマロン酸、ジプロピルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸及び3−メチルアジピン酸等)、飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸及びウンカン酸等)、不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸及びオレイン酸等]、不飽和脂肪族ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸及びシトラコン酸等)、芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、トルイル酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ブチル安息香酸、イソブチル安息香酸、第2ブチル安息香酸、第3ブチル安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、イソプロポキシ安息香酸、ブトキシ安息香酸、イソブトキシ安息香酸、第2ブトキシ安息香酸、第3ブトキシ安息香酸、アミノ安息香酸、N−メチルアミノ安息香酸、N−エチルアミノ安息香酸、N−プロピルアミノ安息香酸、N−イソプロピルアミノ安息香酸、N−ブチルアミノ安息香酸、N−イソブチルアミノ安息香酸、N−第2ブチルアミノ安息香酸、N−第3ブチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸及びN,N−ジエチルアミノ安息香酸等)及び芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸等)等のカルボン酸のカルボキシ基から水素原子を除いたアニオンが挙げられる。これらの内、導電率の観点から好ましいのは不飽和ポリカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸等のカルボキシ基から水素原子を除いたアニオンであり、更に好ましいのはマレイン酸及びフタル酸等のカルボキシ基から水素原子を除いたアニオンである。
アンモニウムは、前記カルボキシレートイオンと塩を形成するアンモニウムであれば特に限定されることなく使用することが出来る。
アンモニウムとしては、第3級アンモニウム(トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム及びジメチルイソプロピルアンモニウム等)及び第4級アンモニウム(テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム及びテトラエチルアンモニウム等)等が挙げられる。
アミジニウムは、前記カルボキシレートイオンと塩を形成するアミジニウムであれば特に限定されることなく使用することが出来る。
アミジニウムとしては、イミダゾリニウム、イミダゾリニウムが有する水素原子をアルキル基で置換したカチオン(1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム及び1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム等)、イミダゾリウム及びイミダゾリウムが有する水素原子をアルキル基で置換したカチオン(1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム及び1,2,3−トリメチルイミダゾリウム等)等が挙げられる。
アンモニウム及びアミジニウムの内、導電率の観点から好ましいのはアミジニウムであり、更に好ましいのはイミダゾリニウムが有する水素原子をアルキル基で置換したカチオンであり、特に好ましいのは1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムである。
本発明における電解質は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明における電解質は、公知の方法[J.Am.Chem.Soc.,69,2269(1947)及び米国特許第4892944号等に記載の方法]を用いることで合成することが出来る。例えば、第3級アミンを炭酸エステルで4級化後、酸交換する方法で合成することができる。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、耐電圧の観点から、ホウ酸及び/又はホウ酸エステルを含有していることが好ましい。
ホウ酸エステルとしては、ホウ酸アルキル(ホウ酸トリエチル等)及びホウ酸アリール(ホウ酸トリフェニル等)等が挙げられる。
ホウ酸とホウ酸エステルの内、好ましいのはホウ酸である。
また、本発明の電解コンデンサ用電解液は、耐電圧の観点から、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体及び溶剤以外の多価アルコール(ポリビニルアルコール、マンニトール及びMnが1000以上のポリエチレングリコール等)を含有していることが好ましい。
リビニルアルコールは、ポバール[(株)クラレ製]及びJP−03[日本酢ビ・ポバール(株)製]等として市場から入手することができる。
本発明の電解コンデンサ用電解液が含有するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体と、溶剤との、溶解度パラメータ(以降SP値と略記)の差の絶対値は、耐電圧の観点から0.1〜5.0であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜4.5であり、特に好ましくは1.0〜4.0であり、最も好ましくは3.0〜4.0である。なお本発明でのSP値は、ロバートエフフェイダース(Robert F Fadors)らの著によるポリマーエンジニアリングアンド サイエンス(Polymerengineering andscience)第14巻、151〜154ページに記載されている方法で計算したものである。
また、耐電圧を更に向上させる観点からは、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体のSP値から、溶剤のSP値を減じた値が、0.1〜5.0であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜4.5であり、特に好ましくは1.0〜4.0であり、最も好ましくは3.0〜4.0である。
ここで、電解コンデンサ用電解液中の溶剤が、複数の溶剤の混合物である場合、各成分のSP値と各成分の重量割合とを用いて加重平均した値を、溶剤のSP値とする。
また、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体として、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体を2種以上併用する場合、上記の溶剤のSP値と同様に、各ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体のSP値を加重平均した値を、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体のSP値とし、上述したSP値の差を計算する。
ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体と、溶剤のSP値の差の絶対値を前記の範囲にすることで耐電圧が向上する機構としては、以下のことが考えられる。ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体と溶剤のSP値の差の絶対値が大きくなるほど、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体の誘電体に対する親和性が、溶剤に対する親和性よりも相対的に高くなり、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体による誘電体保護の効果が高くなる結果、耐電圧が向上するものと推測される。
本発明の電解コンデンサ用電解液において、電解コンデンサ用電解液の合計重量に対するヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体の重量割合は、0.5〜40重量%であることが好ましく、更に好ましくは1〜30重量%であり、特に好ましくは5〜20重量%である。0.5重量%以上のヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体を含有すると耐電圧が良好であり、40重量%以下であると導電率が良好である。
電解コンデンサ用電解液の合計重量に対する溶剤の重量割合は、導電率の観点から、50〜99重量%であることが好ましく、更に好ましくは、50〜98重量%であり、特に好ましくは60〜80重量%である。
電解コンデンサ用電解液の合計重量に対する電解質の重量割合は、導電率の観点から、0.5〜40重量%であることが好ましく、更に好ましくは5〜30重量%である。
本発明の電解コンデンサ用電解液がホウ酸及び/又はホウ酸エステルを含有する場合、電解コンデンサ用電解液の合計重量に対するホウ酸及びホウ酸エステルの合計重量の割合は、0.1〜10重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜5重量%であり、特に好ましくは1〜3重量%である。
本発明の電解コンデンサ用電解液が前記の多価アルコールを含有する場合、電解コンデンサ用電解液の合計重量に対する前記の多価アルコールの重量割合は、0.1〜10重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜5重量%であり、特に好ましくは1〜3重量%である。
本発明の電解コンデンサ用電解液が水を含有する場合、電解コンデンサ用電解液の合計重量に対する水の重量割合は、酸化アルミニウムの生成効率の観点から、0.01〜5重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜3重量%である。
水の含有量は、カールフィッシャー水分計により測定することができる。
本発明の電解コンデンサ用電解液の製造方法は、特に限定はされない。例えば、前記のヒドロキシ基濃度が10mmol/g以下である有機溶剤、前記のヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体、並びに、電解質を、20〜200℃の温度範囲で、公知の機械的混合方法(例えばメカニカルスターラーやマグネティックスターラーを用いる方法)を用いることによって均一混合することで、製造することができる。
本発明の電解コンデンサとしては、前記の本発明の電解コンデンサ用電解液を含んでいればよく、形状及び大きさ等は限定されず、例えば、捲き取り形の電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレータを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサが挙げられる。
本発明の電解コンデンサは、本発明の電解コンデンサ用電解液を駆動用電解液としてセパレータ(クラフト紙及びマニラ紙等)に含浸し、陽陰極と共に、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴム(ブチルゴム及びシリコーンゴム等)で密閉することで得ることが出来る。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下において部は重量部を表す。
また、製造例1〜23で合成したヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体のMnについて、以下の条件のGPCにより測定した。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(重量平均分子量: 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
また、製造例1〜23で合成したヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体のTgについて、示差走査熱量測定装置[セイコーインスツル(株)製の「DSC20」または「SSC/580」等]を用いて「ASTM D3418−82」に準拠した方法で測定した。
<ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体の合成>
<製造例1:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体1の合成>
撹拌機、温度計および冷却管を取り付けたフラスコに、トルエン[和光純薬工業(株)製]30部、アクリル酸[和光純薬工業(株)製]2.1部(29mmol)及びアクリル酸ブチル[和光純薬工業(株)製]12.0部(93.6mmol)を投入し、攪拌下で80℃まで加熱した。ここにアゾビスイソブチロニトリル[和光純薬工業(株)製]0.9部をトルエン5部に溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃を維持したまま、更に3時間攪拌下で加熱した。その後、0.5kPaの減圧下において100℃に加熱することでトルエンを留去し、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体1を合成した。Mnは5,500であり、SP値は10.4であり、Tgは−40℃であった。
<製造例2:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体2の合成>
製造例1での、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸2−エチルヘキシル[和光純薬工業(株)製]12.0部(65.1mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体2を合成した。Mnは5,300であり、SP値は9.94であり、Tgは−55℃であった。
<製造例3:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体3の合成>
製造例1での、アクリル酸2.1部(29mmol)をアクリル酸8.3部(116mmol)に変更し、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシエチル[和光純薬工業(株)製]5.8部(50mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体3を合成した。Mnは5,400であり、SP値は14.2であり、Tgは45℃であった。
<製造例4:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体4の合成>
製造例1での、アクリル酸2.1部(29mmol)をアクリル酸6.8部(94mmol)に変更し、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシエチル7.3部(63mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体4を合成した。Mnは5,200であり、SP値は14.2であり、Tgは32℃であった。
<製造例5:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体5の合成>
製造例1での、アクリル酸2.1部(29mmol)をアクリル酸4.1部(57mmol)に変更し、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシエチル10.0部(85.9mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体5を合成した。Mnは5,300であり、SP値は14.3であり、Tgは11℃であった。
<製造例6:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体6の合成>
製造例1での、アクリル酸2.1部(29mmol)をアクリル酸3.0部(41mmol)に変更し、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシエチル11.1部(95.9mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体6を合成した。Mnは5,500であり、SP値は14.4であり、Tgは4℃であった。
<製造例7:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体7の合成>
製造例1での、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシエチル12.0部(103mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体7を合成した。Mnは6,100であり、SP値は14.4であり、Tgは−2℃であった。
<製造例8:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体8の合成>
製造例1での、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル[商品名「ライトアクリレートEC−A」、共栄社化学(株)製]12.0部(63.8mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体8を合成した。Mnは6,200であり、SP値は10.4であり、Tgは−55℃であった。
<製造例9:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体9の合成>
製造例1での、アクリル酸2.1部(29mmol)をコハク酸2−アクリロイロキシエチル[東京化成工業(株)製]2.1部(9.7mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体9を合成した。Mnは5,900であり、SP値は10.2であり、Tgは−53℃であった。
<製造例10:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体10の合成>
撹拌機、温度計および冷却管を取り付けたフラスコに、トルエン[和光純薬工業(株)製]30部及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル14.1部(121mmol)を投入し、攪拌下で80℃まで加熱した。ここにアゾビスイソブチロニトリル[和光純薬工業(株)製]0.9部をトルエン5部に溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃を維持したまま、更に3時間攪拌下で加熱した。その後、0.5kPaの減圧下において100℃に加熱することでトルエンを留去し、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体10を合成した。Mnは6,100であり、SP値は14.5であり、Tgは−15℃であった。
<製造例11:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体11の合成>
製造例10での、アクリル酸2−ヒドロキシエチル14.1部(121mmol)をコハク酸2−アクリロイロキシエチル14.1部(65.2mmol)に変更したこと以外は、製造例10と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体11を合成した。Mnは4,600であり、SP値は12.3であり、Tgは−40℃であった。
<製造例12:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体12の合成>
製造例10での、トルエン30部をメチルエチルケトン[和光純薬工業(株)製]30部に変更したこと以外は、製造例10と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体12を合成した。Mnは3,100であり、SP値は14.5であり、Tgは−15℃であった。
<製造例13:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体13の合成>
製造例10での、アゾビスイソブチロニトリル0.9部を0.4部に変更したこと以外は、製造例10と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体13を合成した。Mnは15,000であり、SP値は14.5であり、Tgは−15℃であった。
<製造例14:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体14の合成>
製造例10での、アクリル酸2−ヒドロキシエチル14.1部(121mmol)をアクリル酸4−ヒドロキシブチル[商品名「4−HBA」、大阪有機化学工業(株)製]14.1部(97.8mmol)に変更したこと以外は、製造例10と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体14を合成した。Mnは6,200であり、SP値は13.0であり、Tgは−40℃であった。
<製造例15:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体15の合成>
製造例10での、アクリル酸2−ヒドロキシエチル14.1部(121mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシプロピル[東京化成工業(株)製]14.1部(108mmol)に変更したこと以外は、製造例10と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体15を合成した。Mnは5,600であり、SP値は13.4であり、Tgは−7℃であった。
<製造例16:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体16の合成>
製造例1での、アクリル酸2.1部(29mmol)をアクリル酸4−ヒドロキシブチル12.7部(88.2mmol)に変更し、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸ブチル1.4部(10.9mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体16を合成した。Mnは5,800であり、SP値は12.7であり、Tgは−42℃であった。
<製造例17:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体17の合成>
製造例10での、アクリル酸2−ヒドロキシエチル14.1部(121mmol)をグリセリンモノメタクリレート[商品名「ブレンマーGLM」、日油(株)製]14.1部(88.0mmol)に変更したこと以外は、製造例10と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体17を合成した。Mnは4,500であり、SP値は15.6であり、Tgは55℃であった。
<製造例18:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体18の合成>
製造例10での、アクリル酸2−ヒドロキシエチル14.1部(121mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトン2モル付加物[商品名「SR−495B」、サートマー社製]14.1部(40.9mmol)に変更したこと以外は、製造例10と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体18を合成した。Mnは7,000であり、SP値は11.5であり、Tgは−50℃であった。
<製造例19:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体19の合成>
製造例10での、アクリル酸2−ヒドロキシエチル14.1部(121mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシエチルのエチレンオキサイド2モル付加物[商品名「ブレンマーAE90」、日油(株)製]14.1部(69.0mmol)に変更したこと以外は、製造例10と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体19を合成した。Mnは6,500であり、SP値は13.0であり、Tgは−50℃であった。
<製造例20:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体20の合成>
製造例1での、アクリル酸2.1部(29mmol)をアクリル酸12.1部(168mmol)に変更し、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシエチル2.0部(17mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体20を合成した。Mnは5,500であり、SP値は14.1であり、Tgは81℃であった。
<製造例21:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体21の合成>
製造例1での、アクリル酸2.1部(29mmol)をアクリル酸10.5部(146mmol)に変更し、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシエチル3.6部(31mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体21を合成した。Mnは5,300であり、SP値は14.1であり、Tgは66℃であった。
<製造例22:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体22の合成>
製造例1での、アクリル酸2.1部(29mmol)をアクリル酸9.5部(132mmol)に変更し、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をアクリル酸2−ヒドロキシエチル4.6部(40mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体22を合成した。Mnは5,600であり、SP値は14.2であり、Tgは56℃であった。
<製造例23:ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体23の合成>
製造例1での、アクリル酸2.1部(29mmol)をアクリル酸8.8部(122mmol)に変更し、アクリル酸ブチル12.0部(93.6mmol)をメタクリル酸2−ヒドロキシエチル[東京化成工業(株)製]5.3部(41mmol)に変更したこと以外は、製造例1と同様にして行い、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体23を合成した。Mnは5,100であり、SP値は13.8であり、Tgは85℃であった。
製造例1〜23で合成したアクリル重合体1〜23の組成、分子量、Tg及びSP値等を表1に示す。
Figure 0006932652
<電解質の合成>
<製造例24>
電解質1の合成
ジメチルカーボネート[東京化成工業(株)製]18.0部とメタノール[和光純薬工業(株)製]4.5部の混合溶液に、2,4−ジメチルイミダゾリン[東京化成工業(株)製]9.7部を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチルカーボネート塩の76重量%メタノール溶液を得た。ここにフタル酸[和光純薬工業(株)製]16.6部を加え、50℃、1.0kPaの条件で3時間減圧を行った後、100℃に昇温しさらに3時間減圧し、残存溶媒を留去することで電解質1(フタル酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム)を得た。
<製造例25>
電解質2の合成
フタル酸16.6部をマレイン酸11.6部に変更したこと以外は製造例24と同様にして行い電解質2(マレイン酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム)を得た。
<製造例26>
電解質3の合成
フタル酸18.6部をメタノール150部に分散させた分散液にトリエチルアミン[東京化成工業(株)製]11.4部を滴下して、室温で3時間攪拌することで、フタル酸トリエチルアンモニウムのメタノール溶液を得た。得られた溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、電解質3(フタル酸トリエチルアンモニウム)を得た。
<電解液の調製>
<実施例1〜42、比較例1〜5>
表2及び3に示した部数で、製造例1〜23で合成したアクリル重合体1〜23、ポリエチレングリコール[商品名「PEG−1000」、三洋化成工業(株)製、Mn=1000]、ホウ酸[東京化成工業(株)製]、ホウ酸トリエチル[東京化成工業(株)製]、マンニトール[東京化成工業(株)製]又はポリビニルアルコール[JP−03、重合度300、日本酢ビ・ポバール(株)製]と、溶剤[いずれも東京化成工業(株)製]と、電解質(製造例24で製造した電解質1、製造例25で製造した電解質2又は製造例26で製造した電解質3)とをそれぞれ配合した。その後、25℃に温調し、メカニカルスターラーを用いた攪拌により均一化し、本発明の電解液及び比較用の電解液をそれぞれ調製した。得られた電解液について、以下の方法で評価を行った。結果を表2及び表3に示す。
Figure 0006932652
Figure 0006932652
<電解コンデンサ用電解液が含有する水の重量割合>
実施例及び比較例の電解液について、自動水分測定装置[AQV−300、平沼産業(株)製]を用いて、電解液が含有する水の含有量を測定し、電解コンデンサ用電解液の合計重量に対する水の重量割合を求めた。
<導電率>
実施例及び比較例の電解液について、電気伝導率計CM−40S(東亜電波工業株式会社製)を用いて、30℃での導電率を測定した。
<火花電圧>
陽極として10cmの高圧用化成エッチングアルミニウム箔を、陰極として10cmのプレーンなアルミニウム箔を、電解液として実施例及び比較例の電解液をそれぞれ用いて耐電圧測定用のセルを作成し、25℃にて定電圧・定電流直流電源装置(高砂製作所製、GP0650−05R)を用いて電極間に定電流法(2mA)による負荷をかけ、時間経過に伴う電圧の変化を測定した。横軸と縦軸をそれぞれ時間と電圧にしたグラフに経過時間毎の電圧値をプロットして、電圧の上昇カーブを作成し、スパークによる上昇カーブの乱れ又はシンチレーションによる上昇カーブの乱れのいずれかを最初に生じた時点での電圧を測定に用いた電解液の火花電圧とした。火花電圧が高いほど、その電解液を用いたアルミ電解コンデンサの耐電圧が高いことを示す。
本発明の電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサは、高い導電率を維持しつつ耐電圧も高いため、高い駆動電圧が要求される電気製品及び電子製品の部品として好適に使用出来る。特にノートパソコン等のモバイル用途や車載用途の電解コンデンサ用電解液として好適である。

Claims (11)

  1. 有機溶剤を含有する溶剤と、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体と、電解質と、を含む電解コンデンサ用電解液であって、
    前記有機溶剤が有するヒドロキシ基の濃度が、前記有機溶剤の重量を基準として10mmol/g以下であり、前記アクリル重合体が、(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体、並びに/又は、(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体を、必須構成単量体とする重合体であり、
    前記アクリル重合体の構成単量体の合計モル数に対する、前記(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体、並びに、前記(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体の合計モル数の割合が、0.5〜100モル%である電解コンデンサ用電解液。
  2. 前記(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体が、炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、前記炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートへの炭素数2〜12のラクトン1〜5モル付加物及び前記炭素数4〜12のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートへの炭素数2〜10のアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体である請求項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  3. 前記(メタ)アクリロイル基及びカルボキシ基を有する単量体が、前記(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する単量体への炭素数4〜10の酸無水物付加物、(メタ)アクリル酸への炭素数2〜12のラクトン1〜5モル付加物並びに(メタ)アクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体である請求項又はに記載の電解コンデンサ用電解液。
  4. 前記電解コンデンサ用電解液の合計重量に対する前記アクリル重合体の重量割合が、0.5〜40重量%である請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. 前記ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有するアクリル重合体の溶解度パラメータと、前記溶剤との、溶解度パラメータの差の絶対値が、0.1〜5.0である請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  6. 前記有機溶剤が、ラクトン溶剤及び/又はスルホン溶剤である請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  7. 前記有機溶剤が、γ−ブチロラクトンである請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  8. 前記電解コンデンサ用電解液が水を含有し、前記電解コンデンサ用電解液の合計重量に対する水の重量割合が、0.01〜5重量%である請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  9. 更にホウ酸及び/又はホウ酸エステルを含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  10. 前記電解コンデンサ用電解液の合計重量に対するホウ酸及びホウ酸エステルの合計重量の割合が、0.1〜10重量%である請求項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液を含む電解コンデンサ。
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