JP2009088128A - 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ Download PDF

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JP2009088128A JP2007254045A JP2007254045A JP2009088128A JP 2009088128 A JP2009088128 A JP 2009088128A JP 2007254045 A JP2007254045 A JP 2007254045A JP 2007254045 A JP2007254045 A JP 2007254045A JP 2009088128 A JP2009088128 A JP 2009088128A
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Abstract

【課題】本発明の課題は、高い電導度と高い火花電圧を両立したアルミ電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミ電解コンデンサを提供することにある。
【解決手段】オニウム性カチオン(a)好ましくはアミジニウムカチオン(a1)とテトラ置換ボレートアニオン(b)からなる、下記一般式(1)で表される塩(A)を電解質として含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
【化1】
Figure 2009088128

[式中、R〜Rは炭素数4から20の飽和および不飽和の2価の炭化水素基の少なくとも一方を表し、R〜Rが同一であっても異なっていてもよい。]
【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサに使用する電解液、およびそれを用いた電解コンデンサに関するものである。さらに詳しくは、中高圧級用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサに関するものである。
近年コンデンサが使用される周辺環境の省スペース化・高温化に伴い、電導度が高く、火花電圧が高い、つまり電極のアルミ化成皮膜を破壊しにくく、アルミ化成皮膜に欠陥が生じたとき、これを修復する皮膜修復能に優れ、さらに高温での特性劣化が小さい電解液が要望されている。これに対し、第2級カルボン酸と第3級カルボン酸を併用して用いる電解液(例えば特許文献1)、第2級ポリカルボン酸と2級モノカルボン酸を併用して用いる電解液(例えば特許文献2)、第2級および/または第3級のカルボキシル基を合計で2個以上有する分子量260以上のポリカルボン酸を用いる電解液(例えば特許文献3)が知られている。
特開平6−275472号公報(第1頁) 特開平6−290998号公報(第1頁) 特許第2068248号公報(第1項)
従来技術の上記2級および/または3級モノおよび/またはポリカルボン酸をアニオンとして用いる電解液は、そのアニオンの分子量および構造を制御することで火花電圧を高くすることが可能であるが、同時に電導度の低下を起こし、電解コンデンサ用電解液の特性として十分ではなかった。
すなわち、本発明の課題は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、高い電導度と高い火花電圧を両立した電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサを提供することにある。
本発明は、 オニウム性カチオン(a)とテトラ置換ボレートアニオン(b)からなる、下記一般式(1)で表される塩(A)を電解質として含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液である。
Figure 2009088128
[式中、Xはオニウム性カチオンを表し、R〜Rは炭素数4から20の飽和および不飽和の2価の炭化水素基の少なくとも一方を表し、R〜Rが同一であっても異なっていてもよい。]
本発明のアニオンは、電解コンデンサの絶縁体を修復する(化成)機能にすぐれるため、火花電圧が高く、また、電荷が分散している構造でイオンとして安定しているので電解液中のイオン濃度が高くなり、高電導度を発現する。
本発明においてオニウム性カチオン(a)は、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン等が挙げられるが、アンモニウムカチオンが好ましい。アンモニウムカチオンとしては、テトラアルキルアンモニウム、アミジニウム、グアジニウム等が挙げられるが、高温での安定性の観点からアミジニウムおよびグアジニウムが好ましく、さらに好ましくはアミジニウムである。特に好ましくは、環状アミジニウムであり、5員環および6員環であるものがさらに好ましい。
アミジニウムの例としては、下記のものが挙げられる。
[1]イミダゾリニウム
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムなど。
[2]イミダゾリウム類
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム
[3]テトラヒドロピリミジニウム類
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど。
[4]ジヒドロピリミジニウム類
1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、[これらを1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表現を用いる。]1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ヒドロピリミジニウムなど。
グアニジウムの例としては、下記のものが挙げられる。
[1]イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムなど。
[2]イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムなど。
[3]テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど。
[4]ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムなど。
なお、上記アミジニウム、グアニジウムは一種または二種以上を併用してもよい。
上記アミジニウムおよび/またはグアニジウムのうち、最も好ましくは、1−エチル-3−メチル−イミダゾリム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムである。
テトラアルキルアンモニウムの例としては下記のものが挙げられる。
テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウムなど。
本発明における電解質塩(A)を形成するアニオン成分であるテトラ置換ボレートアニオン(b)は電圧印可時、アルミ電解コンデンサの陽極の酸化アルミニウム中に取り込まれて絶縁体を形成する。つまり、酸化アルミニウムの修復、化成機能を有する。これによって、高い火花電圧を発現することができる。
本発明におけるテトラ置換ボレートアニオン(b)は下記一般式(2)で表される。
Figure 2009088128
[式中、R〜Rは炭素数4から20の飽和および不飽和の2価の炭化水素基の少なくとも一方を表し、R〜Rが同一であっても異なっていてもよい。]
上記炭素数4から20の2価の飽和炭化水素基としては、−(CH−、−CH−CH−CH(CH)−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH−CH(CHCH)(CH−、−(CH−、−(CHCH(CH)−、−(CH−、−(CH10−、−(CHCH((CHCH)−、−(CH11−、−(CH12−、−(CH13−、−(CH14−、−(CH15−、−(CH16−、−(CH17−、−(CH18−等をあげることができる。
上記炭素数4から20の2価の不飽和炭化水素基としては−(CHCH=CH(CH−等を挙げることができる。
この内、溶媒への溶解性の観点から−(CH−、−CH−CH−CH(CH)−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH−CH(CHCH)(CH−、−CH−CH−CH(CH)−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH−CH(CHCH)(CH−、−(CH−、−(CHCH(CH)−、−(CH−、−(CH10−、−(CHCH((CHCH)−が好ましく、電導度、火花電圧の観点から−(CHCH(CH)−、−(CHCH((CHCH)−が特に好ましい。
本発明における上記テトラ置換ボレートアニオン(b)は、一種単独使用、または二種以上併用のいずれでもよい。
本発明における電解質塩(A)は、1−エチル-3−メチル−イミダゾリムカチオン(a−1)、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン(a−2)、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン(a−3)と下記一般式(3)〜(7)で表されるアニオン(b−1)、(b−2)、(b−3)、(b−4)、(b−5)を組み合わせたものが好ましい。
Figure 2009088128
Figure 2009088128
Figure 2009088128
Figure 2009088128
Figure 2009088128
カチオンとアニオンの組み合わせの例として下記のものが挙げられる。(1:1)はモル比を表す。
(a−1):(b−1) (1:1)
(a−1):(b−2) (1:1)
(a−1):(b−3) (1:1)
(a−1):(b−4) (1:1)
(a−1):(b−5) (1:1)
(a−2):(b−1) (1:1)
(a−2):(b−2) (1:1)
(a−2):(b−3) (1:1)
(a−2):(b−4) (1:1)
(a−2):(b−5) (1:1)
(a−3):(b−1) (1:1)
(a−3):(b−2) (1:1)
(a−3):(b−3) (1:1)
(a−3):(b−4) (1:1)
(a−3):(b−5) (1:1)
この内、特に好ましいのは下記の組み合わせである。
(a−1):(b−4) (1:1)
(a−1):(b−5) (1:1)
(a−2):(b−4) (1:1)
(a−2):(b−5) (1:1)
(a−3):(b−4) (1:1)
(a−3):(b−5) (1:1)
本発明における電解液は上記電解質塩(A)と電解液に通常用いられる種々の有機酸および/または無機酸を併用してもよい。用いることができる有機酸、無機酸としては下記のものが挙げられる。併用する有機酸および/または無機酸は火花電圧の観点から、電解液の重量に基づいて好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜10重量%である。
[1]カルボン酸類
・炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など)]、芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など]、S含有ポリカルボン酸[チオジブロピオン酸など]。
・炭素数2〜20のオキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸
、乳酸、酒酪酸、ひまし油脂肪酸など];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸など];
・炭素数1〜30のモノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸など)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸など)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸など];
[2]フェノール類
・1価フェノール(フェノール類、ナフトール類を含む):フェノール、アルキル(炭素数1〜15)フェノール類(クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、n−もしくはイソプロピルフェノール、イソドデシルフェノールなど)、メトキシフェノール類(オイゲノール、グアヤコールなど)、α−ナフトール、β−ナフトール、シクロヘキシルフェノールなど;
・多価フェノール:カテコール、レゾルシン、ピロガロール、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど。
[3]アルキル基の炭素数1〜15のモノおよびジアルキルリン酸エステル
・モノおよびジメチルリン酸エステル、モノおよびジイソプロピルリン酸エステル、モノおよびジブチルリン酸エステル、モノおよびジ−(2−エチルヘキシル)リン酸エステル、モノおよびジイソデシルリン酸エステルなど。
[4]スルホン酸
・アルキル(炭素数1〜15)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸など)、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホン酸など。
[5]無機酸
・リン酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化ヒソ酸など
[6]その他
・三フッ化メタンスルホニルイミドなどのイミドアニオン、三フッ化メタンスルホニルメチドなどのメチドアニオン。
本発明における塩(A)において、オニウム性カチオン(a)とテトラ置換ボレートアニオン(b)との当量比は特に限定されないが、電気伝導度と火花電圧特性の観点から、(a):(b)=1:1〜4:1が好ましい。
塩(A)の製造方法としては、例えば、アセトンのような適当な溶媒中に1,6−デカンジカルボン酸のような長鎖(炭素数4〜20)ジカルボン酸のオニウム塩を溶解せしめ、これに三ハロゲン化ホウ素を滴下し、約100℃で反応させ、生成するハロゲンのオニウム塩を濾別、溶媒を留去することで得ることができる。
本発明の電解液における塩(A)の含有量は、電気伝導度と火花電圧の観点から電解液の重量に基づいて、好ましくは2〜100重量%、さらに好ましくは5〜40重量%であり、特に好ましくは10〜30重量%である。
本発明の電解液は必要により溶剤を使用することができる。溶剤量としては電解液の重量に基づいて好ましくは0〜98重量%、さらに好ましくは60〜95重量%、特に好ましくは70〜90重量%である。
溶剤としては特に限定はなく公知の有機溶剤を用いることができる。この有機溶剤の具体例は以下の通りであり、2種以上併用することもできる。
・アルコール類;
1価アルコール;炭素数1〜6の1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなど)、炭素数7以上の1価アルコール(ベンジルアルコール、オクタノールなど)
2価アルコール;炭素数1〜6の2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、炭素数7以上の2価アルコール(オクチレングリコールなど)
3価アルコール;炭素数1〜6の3価アルコール(グリセリンなど)、
4価から6価またはそれ以上のアルコール;炭素数1〜6の4価から6価またはそれ以上のアルコール(ヘキシトールなど)など。
・エーテル類;
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)など。
・アミド類;
ホルムアミド類(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド類(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど。
オキサゾリジノン類;
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど。
・ラクトン類;
γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
・ニトリル類;
アセトニトリル、アクリロニトリルなど。
・カーボネート類;
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど。
・その他の有機溶剤;
ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、芳香族系溶剤(トルエン、キシレンなど)、パラフィン系溶剤(ノルマルパラフィン、イソパラフィン)など。
これら溶剤のうち、好ましいものはラクトン類および/またはスルホランを主体とする溶剤であり、特に好ましいものは、γ−ブチロラクトンおよび/またはスルホランを主体とする溶剤である。本発明において、主体とするとは50重量%以上を含有する場合を言うものとする。
本発明の電解液のpHは通常3〜12、好ましくは6〜11であり、(A)を製造する際は電解液のpHがこの範囲となるような条件が選択される。なお該電解液のpHは電解液原液の25℃の分析値である。
本発明の電解液には必要により、電解液に通常用いられる種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、リン酸誘導体(例えば、リン酸、リン酸エステルなど)、ホウ酸誘導体(例えば、ホウ酸、ホウ酸と多糖類〔マンニット、ソルビットなど〕との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール〔エチレングリコール、グリセリンなど〕との錯化合物など)、ニトロ化合物(例えば、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノールなど)などを挙げることができ、その添加量は、塩(A)の電気伝導度と電解液溶剤への溶解度の観点から電解液の重量に基づいて10重量%以下である。
本発明における電解液は、電解コンデンサに用いられる。上記電解コンデンサとしては特に限定されず、例えば、巻き取り形のアルミ電解コンデンサにおける、表面に酸化アルミニウム箔と陰極アルミニウム箔をその間にセパレータを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサ素子等であってよく、この素子に、本発明の電解液を駆動用電解液として含浸し、前記コンデンサ素子を、例えば、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口剤で密閉してアルミニウム電解コンデンサを構成することができる。
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1
[1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・1,6−デカンジカルボン酸塩(y−1)の製造]
1LのSUS製攪拌式オートクレーブに炭酸ジメチル270.0g、1,2,4−トリメチルイミダゾリン112.0gを充填し、反応温度130℃で24時間反応した。反応後オートクレーブを冷却し、反応液を液体クロマトグラフで分析したところ、1,2,4−トリメチルイミダゾリンの転化率は95.0%であった。未反応物および反応で副生するメタノールを留去して1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチル炭酸塩(x−1)を140g得た。
(x−1)140.0gをメタノール1400.0gに溶解させたものを、攪拌下、1,6−デカンジカルボン酸159.4gに除々に添加したところ、炭酸ガスが激しく発生した。80℃/20mmHgで脱気、メタノールを除去して1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・1,6−デカンジカルボン酸塩(カチオン:アニオンモル比=1:1)(y−1)235.1gを得た。
製造例2
[1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・2−メチルアゼライン酸塩(y−2)の製造]
1LのSUS製攪拌式オートクレーブに炭酸ジメチル270.0g、1−エチルイミダゾ−ル96.0gを充填し、反応温度130℃で24時間反応した。反応後オートクレーブを冷却し、反応液を液体クロマトグラフで分析したところ、1−エチル−イミダゾ−ルの転化率は95.0%であった。未反応物および反応で副生するメタノールを留去して1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・メチル炭酸塩(x−2)を130g得た。
(x−2)130.0gをメタノール1300.0gに溶解させたものを、攪拌下、2−メチルアゼライン酸141.3gに除々に添加したところ、炭酸ガスが激しく発生した。80℃/20mmHgで脱気、メタノールを除去して1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・2−メチルアゼライン酸塩(カチオン:アニオンモル比=1:1)(y−2)208gを得た。
製造例3
フラスコ中に(y−1)35.6gを仕込み、水冷しながら、三臭化ホウ素3.9gを滴下した後、攪拌下100℃で1時間加熱した。これをアセトンに溶解させ、不溶な1、2、3、4−テトラメチルイミダゾリニウム・ホウ酸塩を濾別した。次いで濾液にヘキサンを加え分液させた後、下層を取り出し、そこから溶媒を留去して下式(4)の塩(A−1)を得た。
Figure 2009088128
製造例4
フラスコ中に(y−2)31.3gを仕込み、水冷しながら、三臭化ホウ素3.9gを滴下した後、攪拌下100℃で1時間加熱した。これをアセトンに溶解させ、不溶な1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ホウ酸塩を濾別した。次いで濾液にヘキサンを加え分液させた後、下層を取り出し、そこから溶媒を留去して下式(5)の塩(A−2)を得た。
Figure 2009088128
[実施例1、2]
電解質濃度10wt%となるように、上記(A−1)、(A−2)、及びγ−ブチロラクトンを表1のように配合して、実施例1、2の電解液を調製した。
[比較例1、2]
1、6−デカンジカルボン酸アンモニウム、2−メチルアゼライン酸アンモニウムと市販のエチレングリコールを表1のように配合して、比較例1、2の電解液を調製した。
調製した電解液について、下記の方法で電導度、火花電圧を測定した結果を表1に示す。
電導度の測定法:東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用い、30℃での比電導度を測定した。
火花電圧の測定法:陽極に10cm2の化成エッチングアルミ箔、陰極に未化成のエッチングアルミ箔を用いて電解液に定電流(2mA)を負荷したときの放電電圧を測定した。
表1から明らかなように本発明の実施例1、2の電解液は、比較例1、2の電解液と比較して電導度、火花電圧が高いことがわかった。
Figure 2009088128
[実施例3、4][比較例3、4]
また、表1の電解液を使用して定格400WV、33μFのアルミ電解コンデンサを製造し、初期特性と125℃×1000hr、印可電圧400Vの高温負荷試験後の特性を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2009088128
表2から明らかなように、本発明の実施例3、4の電解コンデンサは、比較例3、4の電解コンデンサと比較して、高温での特性劣化が小さく、コンデンサ特性に優れることがわかった。
本発明の電解液を電解コンデンサ特に高圧級電解コンデンサに用いれば、電解液が高電導度かつ高い火花電圧を有することからコンデンサの小型化、省スペース化が可能となるもので、工業的価値の大なるものである。

Claims (7)

  1. オニウム性カチオン(a)とテトラ置換ボレートアニオン(b)からなる、下記一般式(1)で表される塩(A)を電解質として含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2009088128
    [式中、Xはオニウム性カチオンを表し、R〜Rは炭素数4から20の飽和および不飽和の2価の炭化水素基の少なくとも一方を表し、R〜Rが同一であっても異なっていてもよい。]
  2. テトラ置換ボレートアニオン(b)のR〜Rが、−(CH−、−CH−CH−CH(CH)−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH−CH(CHCH)(CH−、−(CH−、−(CHCH(CH)−、−(CH−、−(CH10−、及び−(CHCH((CHCH)−からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の電解液。
  3. オニウム性カチオン(a)がアミジニウムカチオン(a1)である請求項1又は2に記載の電解液。
  4. アミジニウムカチオン(a1)が1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の電解液。
  5. さらに有機溶剤を含有する請求項1〜4の何れか1項に記載の電解液。
  6. 有機溶剤がγ−ブチロラクトン、及びスルホランの少なくとも一方を主に含有する請求項5に記載の電解液。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電解コンデンサ。
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