JP2011003813A - アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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啓一郎 東
Yoshihiko Akazawa
慶彦 赤澤
Yasuhiro Ueda
安宏 上田
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Abstract

【課題】比電導度を高く維持しつつ、かつ電解液の耐久性が高いアルミニウム電解コンデンサ用電解液を提供することである。
【解決手段】第3級アンモニウム(A1)及び/又はアミジニウム(A2)であるカチオン(A)とカルボキシレートアニオン(B)からなる電解質(C)を有機溶媒(D)に溶解させた電解液であって、有機溶媒(D)が水酸基を有さない有機溶媒(D1)、水酸基を有する有機溶媒(D2)及び添加剤(E)を含有し、(D2)の重量が(D)の重量に対して0.5〜10重量%であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
添加剤(E):炭素数1〜4であるモノオール又は2〜3価のポリオールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを平均0.5〜5モル付加した化合物の少なくとも1つの水酸基がアルキル(炭素数1〜4)エーテル化された化合物
【選択図】なし。

Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用電解液およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサに関するものである。
近年、薄型テレビなどデジタル家電の薄型化・省エネルギー化に伴い、電解液の比電導度が高く、かつ耐久性の高い電解液が要望されてきている。しかしながら、一般的に、電解液の比電導度を高くするために、エチレングリコール等の水酸基を有する溶媒を使用した場合、電解コンデンサの耐久性が良くないという問題点がある。そこで、高い比電導度を有する電解液でありながら高い耐久性を有する電解コンデンサを得る試みとして、新規な電解質組成が検討されている。
例えば、カチオンを1,2−ジメチルアジリジンイオンに変更することにより、電解液の比電導度が高く耐久性を向上させることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−95871号公報
しかし、この1,2−ジメチルアジリジンイオンは工業的な入手が困難であり、現実的でない。また、電解液の耐久性は向上するものの、まだ不十分であるという課題があった。
本発明の課題は、比電導度を高く維持しつつ、かつ電解液の耐久性が高いアルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサを提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、水酸基と電解質のカルボキシレートアニオンがエステル化反応することにより電解質が劣化することを付き止め、本発明に至った。すなわち、本発明は、
第3級アンモニウム(A1)及び/又はアミジニウム(A2)であるカチオン(A)とカルボキシレートアニオン(B)からなる電解質(C)を有機溶媒(D)に溶解させた電解液であって、有機溶媒(D)が水酸基を有さない有機溶媒(D1)、水酸基を有する有機溶媒(D2)及び添加剤(E)(添加剤(E)は、炭素数1〜4であるモノオール又は2〜3価のポリオールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを平均0.5〜5モル付加した化合物の少なくとも1つの水酸基がアルキル(炭素数1〜4)エーテル化された化合物である。)を含有し、(D2)の重量が(D)の重量に対して0.5〜10重量%であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液;および該電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサである。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、比電導度が高く、かつ電解液の耐久性を向上させることができる。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、第3級アンモニウム(A1)及び/又はアミジニウム(A2)であるカチオン(A)とカルボキシレートアニオン(B)からなる電解質(C)を有機溶媒(D)に溶解させた電解液であって、有機溶媒(D)が水酸基を有さない有機溶媒(D1)、水酸基を有する有機溶媒(D2)及び添加剤(E)(添加剤(E)は、炭素数1〜4であるモノオール又は2〜3価のポリオールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを平均0.5〜5モル付加した化合物の少なくとも1つの水酸基がアルキル(炭素数1〜4)エーテル化された化合物である。)を含有し、(D2)の重量が(D)の重量に対して0.5〜10重量%であることに特徴がある。
以下に本特許の構成成分について詳細に記載する。
<電解質(C)>
電解質(C)を構成するカチオン(A)としては、第3級アンモニウム(A1)及び/又はアミジニウム(A2)が挙げられる。また、各カチオンは一種または二種以上を併用してもよい。
(A1)としては炭素数3〜10の第3級アミンのプロトン付加体が挙げられる。
アミジニウム(A2)としては下記の一般式(1)で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2011003813
[式中、Rは水素または炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表し、R、Rは同一であっても異なっていても良い。Rは水素、または水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、もしくはアルデヒド基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。Qは炭素数1〜5の炭化水素基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、もしくはアルデヒド基で置換されていてもよい炭素数2〜10の2価の炭化水素基を表す。R、R、RおよびQの一部が相互に結合して環を形成しても良い。]
アミジニウム(A2)としては、一般式(1)においてR、Rの少なくとも一方は水素原子であるアミジニウム(A21)、R、Rの両方がアルキル基、又は結合して環を形成しているアミジニウム(A22)が挙げられる。(A21)は対応するアミジンのプロトン付加体であり、(A22)は対応するアミジンの4級化塩である。
第3級アンモニウム(A1)としては、下記一般式(2)で表されるカチオンが好ましい。
NR+ (2)
〜Rは少なくとも1つが異なる炭素数1〜3の1価のアルキル基が好ましい。R〜Rのうち少なくとも1つが異なるとは、R〜R全てが異なるか、2つが同じで他が異なるかのいずれかである。
具体的な例としては、ジメチルエチルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム、ジメチルイソプロピルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、メチルエチルn−プロピルアンモニウム、メチルエチルイソプロピルアンモニウム、ジ−n−プロピルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、等が挙げられる。
これらの内、好ましくはジメチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、メチルエチルn−プロピルアンモニウムであり、最も好ましくはジメチルエチルアンモニウムである。
アミジニウム(A2)としては、[1]イミダゾリニウムカチオン及び[2]イミダゾリウムカチオン、[3]テトラヒドロピリミジニウムカチオン、[4]ジヒドロピリミジニウムカチオン等が好ましい。
アミジニウムの例としては、下記のものが挙げられる。
[1]イミダゾリニウム
アミジニウム(A22)型
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム等。
アミジニウム(A21)型
1,2,4−トリメチルイミダゾリニウム、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、1,2,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチルイミダゾリニウム、1−メチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2−メチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、1−アセチルメチル−2−メチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、1−メチルカルボオキシメチル−2−メチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、1−メトキシメチル−2−メチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、1−ホルミルメチル−2−メチルイミダゾリニウム、1−ヒドロキシエチル−2−メチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、1−メチル−2−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムなど。
[2]イミダゾリウム類
アミジニウム(A22)型
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム等。
アミジニウム(A21)型
1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,2,4−トリメチルイミダゾリウム、1−メチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジエチルイミダゾリウム、1,2,4−トリエチルイミダゾリウム、1−メチル−2−フェニルイミダゾリウム、1−メチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2−メチルイミダゾリウム、4−シアノ−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1−シアノメチル−2−メチルイミダゾリウム、2−シアノメチル−1−メチル−イミダゾリウム、4−アセチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1−アセチルメチル−2−メチルイミダゾリウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1−メチルカルボオキシメチル−2−メチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1−メトキシメチル−2−メチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1−ホルミルメチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ヒドロキシエチル−2−メチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリウムなど。
[3]テトラヒドロピリミジニウム類
アミジニウム(A22)型
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム等。
アミジニウム(A21)型
1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,5−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−シアノメチル−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−アセチルメチル−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−メチルカルボオキシメチル−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−メトキシメチル−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−ホルミルメチル−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−ヒドロキシエチル−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど。
[4]ジヒドロピリミジニウム類
アミジニウム(A22)型
1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、[これらを1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表現を用いる。]1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ヒドロピリミジニウム等。
アミジニウム(A21)型
1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,5−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカジエニウム、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、4−シアノ−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1−シアノメチル−2−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1−アセチルメチル−2−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1−メチルカルボオキシメチル−2−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1−メトキシメチル−2−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1−ホルミルメチル−2−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1−ヒドロキシエチル−2−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4(6)−ヒドロピリミジニウムなど。
なお、上記アミジニウムは一種または二種以上を併用してもよい。
上記アミジニウムのうち、最も好ましくは、1−エチル-3−メチル−イミダゾリム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウムである。
本発明において、電解質(C)を形成するカルボキシレートアニオン(B)としては、電解液に通常用いられる種々のカルボン酸のアニオンを用いることができる。カルボン酸としては、例えば下記のものが挙げられる。
炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など)]、芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など]、S含有ポリカルボン酸[チオジブロピオン酸など]。
炭素数2〜20のオキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒酪酸、ひまし油脂肪酸など];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸など];
炭素数1〜30のモノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸など)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸など)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸など]
上記の中でフタル酸、マレイン酸、安息香酸が好ましい。
<有機溶媒(D)>
有機溶媒(D)は、水酸基を有さない有機溶媒(D1)、水酸基を有する有機溶媒(D2)及び添加剤(E)を含有する。
水酸基を有さない有機溶媒(D1)としては、(1)エーテル、(2)アミド、(3)オキサゾリジノン、(4)ラクトン、(5)ニトリル、(6)カーボネート、(7)スルホン及び(8)その他の以下に記載の有機溶媒が含まれる。ただし、添加剤(E)として記載の化合物は(D1)には含まれない。
(1)エーテル
モノエーテル(テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルなど)、など。
(2)アミド
ホルムアミド(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ピロリドン(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど。
(3)オキサゾリジノン
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど。
(54γ−ブチロラクトン(以下、GBLと記す。)、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
(5)ニトリル
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ベンゾニトリルなど。
(6)カーボネート
エチレンカーボネート、プロピオンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
(7)スルホン
スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなど。
(8)その他の有機溶媒
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、芳香族溶媒(トルエン、キシレンなど)パラフィン溶媒(ノルマルパラフィン、イソパラフィンなど)など。
水酸基を有さない有機溶媒(D1)は、一種または二種以上を併用してもよい。これらのうち、ラクトン及びスルホンが好ましく、さらに好ましくはγ−ブチロラクトン、スルホランである。
水酸基を有する有機溶媒(D2)としては、(1)アルコール、(2)エーテルとして挙げられる以下に記載の有機溶媒が含まれる。ただし、添加剤(E)として記載の化合物は(D2)には含まれない。
(1)アルコール
1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコール、フルフリルアルコールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、3価アルコール(グリセリンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)など。
(2)エーテル
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルなど)、など。
水酸基を有する有機溶媒(D2)は、一種または二種以上を併用してもよい。これらのうち、アルコールが好ましく、さらに好ましくはエチレングリコールである。
添加剤(E)は、炭素数1〜4であるモノオール又は2〜3価のポリオールに、エチレンオキサイド(以下EOと記載。)及び/又はプロピレンオキサイド(以下POと記載。)を平均0.5〜5モル付加した化合物であって、該化合物の少なくとも1つの水酸基がアルキル(炭素数1〜4)エーテル化された化合物である。
ここで、少なくとも1つの水酸基がアルキルエーテル化されたとは、例えば、メタノールのEO付加物は、1つの水酸基がアルキルエーテル化されていると見做すものとする。
炭素数1〜4であるモノオールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アリルアルコール等が挙げられる。
炭素数1〜4であるポリオールとしては、
ジオール(メタンジオール、エチレングリコール、1,1−エタンジオール、1,1−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,2−プロパンジオール、1,1−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールなど。)、
トリオール(グリセリン、1,1,1−プロパントリオール、1,1,2−プロパントリオール、1,1,3−プロパントリオール、1,2,2−プロパントリオール、1,1,1−ブタントリオール、1,1,2−ブタントリオール、1,1,3−ブタントリオール、1,1,4−ブタントリオール、1,2,2−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、1,3,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2,2,3−ブタントリオールなど。)が挙げられる。
EO及び/又はPOの付加は、ブロック付加、ランダム付加のいずれでもよい。
アルキル(炭素数1〜4)エーテル化は少なくとも1つの水酸基がアルキルエーテル化されていればよいが、すべての水酸基がアルキルエーテル化されていることが好ましい。
アルキル(炭素数1〜4)エーテル化のアルキル基としてはメチル基が好ましい。
添加剤(E)の具体例は、
(1)メタノールのEO及び/又はPOの付加物
メタノールのEO1〜5モル付加物、メタノールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、メタノールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、メタノールのPO1〜5モル付加物、メタノールのPO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、メタノールのEO1モルPO1〜4モルランダム付加物、メタノールのEO1モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、メタノールのEO2モルPO1〜4モルランダム付加物、メタノールのEO2モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、メタノールのEO3モルPO1〜2モルランダム付加物、メタノールのEO3モルPO1〜2モルランダム付加末端メチルエーテル化物、メタノールのEO4モルPO1モルランダム付加物、メタノールのEO4モルPO1モルランダム付加末端メチルエーテル化物、など。
(2)エタノールのEO及び/又はPOの付加物
エタノールのEO1〜5モル付加物、エタノールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、エタノールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、エタノールのPO1〜5モル付加物、エタノールのPO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、エタノールのEO1モルPO1〜4モルランダム付加物、エタノールのEO1モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、エタノールのEO2モルPO1〜4モルランダム付加物、エタノールのEO2モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、エタノールのEO3モルPO1〜2モルランダム付加物、エタノールのEO3モルPO1〜2モルランダム付加末端メチルエーテル化物、エタノールのEO4モルPO1モルランダム付加物、エタノールのEO4モルPO1モルランダム付加末端メチルエーテル化物、など。
(3)ブタノールのEO及び/又はPOの付加物
ブタノールのEO1〜5モル付加物、ブタノールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、ブタノールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、ブタノールのPO1〜5モル付加物、ブタノールのPO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、ブタノールのEO1モルPO1〜4モルランダム付加物、ブタノールのEO1モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、ブタノールのEO2モルPO1〜4モルランダム付加物、ブタノールのEO2モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、ブタノールのEO3モルPO1〜2モルランダム付加物、ブタノールのEO3モルPO1〜2モルランダム付加末端メチルエーテル化物、ブタノールのEO4モルPO1モルランダム付加物、ブタノールのEO4モルPO1モルランダム付加末端メチルエーテル化物、など。
(4)アリルアルコールのEO及び/又はPOの付加物
アリルアルコールのEO1〜5モル付加物、アリルアルコールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、アリルアルコールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、アリルアルコールのPO1〜5モル付加物、アリルアルコールのPO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、アリルアルコールのEO1モルPO1〜4モルランダム付加物、アリルアルコールのEO1モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、ブアリルアルコールのEO2モルPO1〜4モルランダム付加物、アリルアルコールのEO2モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、アリルアルコールのEO3モルPO1〜2モルランダム付加物、アリルアルコールのEO3モルPO1〜2モルランダム付加末端メチルエーテル化物、アリルアルコールのEO4モルPO1モルランダム付加物、アリルアルコールのEO4モルPO1モルランダム付加末端メチルエーテル化物、など。
(5)エチレングリコールのEO及び/又はPOの付加物
エチレングリコールのEO1〜5モル付加物、エチレングリコールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、エチレングリコールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、エチレングリコールのPO1〜5モル付加物、エチレングリコールのPO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、エチレングリコールのEO1モルPO1〜4モルランダム付加物、エチレングリコールのEO1モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、エチレングリコールのEO2モルPO1〜4モルランダム付加物、エチレングリコールのEO2モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、エチレングリコールのEO3モルPO1〜2モルランダム付加物、エチレングリコールのEO3モルPO1〜2モルランダム付加末端メチルエーテル化物、エチレングリコールのEO4モルPO1モルランダム付加物、エチレングリコールのEO4モルPO1モルランダム付加末端メチルエーテル化物、など。
(6)グリセリンのEO及び/又はPOの付加物
グリセリンのEO1〜5モル付加物、グリセリンのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、グリセリンのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、グリセリンのPO1〜5モル付加物、グリセリンのPO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、グリセリンのEO1モルPO1〜4モルランダム付加物、グリセリンのEO1モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、グリセリンのEO2モルPO1〜4モルランダム付加物、グリセリンのEO2モルPO1〜4モルランダム付加末端メチルエーテル化物、グリセリンのEO3モルPO1〜2モルランダム付加物、グリセリンのEO3モルPO1〜2モルランダム付加末端メチルエーテル化物、グリセリンのEO4モルPO1モルランダム付加物、グリセリンのEO4モルPO1モルランダム付加末端メチルエーテル化物、など。
(7)その他
添加剤(E)に含まれ、(D1)(D2)に該当しないエーテル類
ジエーテル(ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、トリエーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)、など。
上記の中でメタノールのEO1〜5モル付加物、メタノールのEO1〜5モル付加末端メチルエーテル化物、アリルアルコールのPO1〜5モル付加物、エチレングリコールのEO及び/又はPOの付加末端メチルエーテル化物、グリセリンのEO及び/又はPOの付加末端メチルエーテル化物が好ましい。
添加剤(E)は公知の方法で製造することができる。
水酸基を有する有機溶媒(D2)の重量は、有機溶媒(D)の重量に対して0.5〜10重量%であり、1〜5重量%が好ましい。
ここで(D)の重量は、水酸基を有さない有機溶媒(D1)、(D2)、添加剤(E)の合計重量である。(D2)の重量が0.5重量%未満の場合は電解質(C)の解離度が小さくなるため、初期電導度が低くなる。
(D2)の重量が10重量%を超える場合は(D2)の水酸基とカルボキシレートアニオン(B)との反応が起きやすくなり、耐久性試験後の電導度が低下する。
添加剤(E)の添加量は、有機溶媒(D)の重量に基づいて、0.1〜20重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがさらに好ましい。添加量が0.1重量%以上であると十分な耐久性の向上効果が得られ、また、添加量が20重量%以下であると電導度の低下が小さく好ましい。
有機溶媒(D)の含有量は、比電導度と電解質(C)の溶解度の観点から、電解質(C)および有機溶媒(D)の合計重量に基づいて、好ましくは60〜95重量%、特に好ましくは70〜90重量%である。
本発明の電解液には必要により、電解液に通常用いられる種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、ホウ酸誘導体(例えば、ホウ酸、ホウ酸と多糖類〔マンニット、ソルビットなど〕との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール〔エチレングリコール、グリセリンなど〕との錯化合物など)、ニトロ化合物(例えば、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノールなど)などを挙げることができる。その添加量は、比電導度と電解液への溶解度の観点から、電解質(C)と有機溶媒(D)の重量に基づいて、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下がよい。
本発明の電解液は、アルミニウム電解コンデンサ用として好適である。アルミニウム電解コンデンサとしては、特に限定されず、例えば、捲き取り形のアルミニウム電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサが挙げられる。本発明の電解液を駆動用電解液としてセパレーターに含浸し、陽陰極と共に、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで密閉してアルミニウム電解コンデンサを構成することができる。
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<製造例1>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、水分0.05%以下のメタノール32部(1モル)と触媒として水酸化カリウム4部を投入し、混合系内を窒素で置換した。次いで、撹拌しながらEO220部(5モル)を130℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2の範囲を保つよう3時間かけて導入した。この付加物に水酸化カリウム92部を加え混合系内を窒素で置換した後、メチルクロライド51部を圧入し、80℃にて5時間反応した。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧−0.095MPa(ゲージ圧)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、本発明の添加剤、メタノールのEO5モル付加末端メチルエーテル化物(E−1)を得た。
<製造例2>
製造例1においてメタノール32部(1モル)をアリルアルコール58部(1モル)に変更し、EO220部(5モル)をPO232部(4モル)に変更し、反応後残存するPOを除去するため減圧−0.095MPa(ゲージ圧)、100℃で1時間処理することにより、本発明の添加剤、アリルアルコールのPO4モル付加物(E−2)を得た。
<製造例3>
製造例1において、メタノール32部(1モル)の替わりにエチレングリコール62部(1モル)、EO220部(5モル)の替わりにEO132部(3モル)とPO58部(1モル)の混合物、メチルクロライド51部の替わりに102部に変更した以外は同様にして、本発明の添加剤、エチレングリコールのEO3モルPO1モルランダム付加末端メチルエーテル化物(E−3)を得た。
<製造例4>
製造例1において、メタノール32部(1モル)の替わりにグリセリン92部(1モル)、EO220部(5モル)の替わりにEO44部(1モル)とPO116部(2モル)の混合物、メチルクロライド51部の替わりにエチルクロライド194部に変更した以外は同様にして、本発明の添加剤、グリセリンのEO1モルPO2モルランダム付加末端エチルエーテル化物(E−4)を得た。
<製造例5>
[1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩の製造]
ジメチルカーボネート180部(2モル)のメタノール溶液(74%)に2,4−ジメチルイミダゾリン98部(1モル)を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチルカーボネート塩を生成した。フタル酸166部(1モル)を1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩174部(1モル)溶液に加えることで塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩(アミジン4級塩)(A2−1)を得た。収率は100モル%であった。
実施例1
ガンマブチロラクトン710部にフタル酸146部を常温で溶解した後、ジメチルエチルアミン72部を5分間で滴下し、ジメチルエチルアンモニウムのフタル酸塩(A1−1)を得た。これにエチレングリコール20部、製造例1で得た添加剤(E−1)20部を加え、実施例1の電解液(G−1)を得た。
実施例2
ガンマブチロラクトン810部にフタル酸88部を常温で溶解した後、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン74部を5分間で滴下し、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウムのフタル酸塩(DBNH塩)(A2−2)を得た。これにエチレングリコール22部、製造例2で得た添加剤(E−2)22部を加え、実施例2の電解液(G−2)を得た。
実施例3
ガンマブチロラクトン810部に製造例5で得た(A2−1)50部を加え、均一になるまで撹拌した。これにエチレングリコール33部、製造例2で得られた添加剤(E−2)33部を加え、実施例3の電解液(G−3)を得た。
実施例4
ガンマブチロラクトン630部にフタル酸146部を常温で溶解した後、ジメチルエチルアミン72部を5分間で滴下し、ジメチルエチルアンモニウムのフタル酸塩を得た。これにエチレングリコール60部、製造例1で得た添加剤(E−1)60部を加え、実施例4の電解液(G−4)を得た。
実施例5
ガンマブチロラクトン720部にフタル酸146部を常温で溶解した後、ジメチルエチルアミン72部を5分間で滴下し、ジメチルエチルアンモニウムのフタル酸塩を得た。これにエチレングリコール5部、製造例1で得た添加剤(E−1)25部を加え、実施例5の電解液(G−5)を得た。
実施例6
実施例1において添加剤(E−1)20部を製造例3で得られた添加剤(E−3)20部に替えた以外は同様にして、実施例6の電解液(G−6)を得た。
実施例7
実施例1においてジメチルエチルアミン72部の替わりにメチルエチルn−プロピルアミン(A1−2)92部、(E−1)を製造例4で得られた添加剤(E−4)に替えた以外は同様にして、実施例7の電解液(G−7)を得た。
比較例1
ガンマブチロラクトン750部にフタル酸146部を常温で溶解した後、ジメチルエチルアミン72部を5分間で滴下し、ジメチルエチルアンモニウムのフタル酸塩を得た。これを比較例1の電解液(G’−1)とした。
比較例2
実施例2において、エチレングリコール22部と添加剤(E−2)22部の替わりにエチレングリコール44部に変更した以外は同様にして、比較例2の電解液(G’−2)を得た。
比較例3
実施例3において、エチレングリコール33部と添加剤(E−2)33部の替わりにエチレングリコール66部に変更した以外は同様にして、比較例3の電解液(G’−3)を得た。
比較例4
ガンマブチロラクトン600部にフタル酸146部を常温で溶解した後、ジメチルエチルアミン72部を5分間で滴下し、ジメチルエチルアンモニウムのフタル酸塩を得た。これにエチレングリコール90部、製造例1で得た添加剤(E−1)60部を加え、比較例4の電解液(G’−4)を得た。
実施例1〜7、比較例1〜4で得た電解液を用い、下記の方法で初期の比電導度、耐久性試験後の比電導度を測定し、その結果を表1に記載した。
比電導度:東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用い、30℃での比電導度を測定した。
初期電導度は、製造後常温保管で3日以内に測定した。
耐久性試験後の比電導度は、以下の手順により電解コンデンサを作成して行い、105℃の下で放置し、1000時間経過後に電解コンデンサ内から電解液を抜き取り、比電導度を測定した。
<電解コンデンサの作成方法>
本発明の実施例1〜7および比較例1〜4の電解液を使用して巻き取り形のアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧6.3V−静電容量220μF、サイズ;φ6.5mm×L4.5mm)を作成した。封口ゴムには過酸化物加硫のブチルゴムを使用した。
Figure 2011003813
(E−1):メタノールのEO5モル付加末端メチルエーテル化物
(E−2):アリルアルコールのPO4モル付加物
(E−3):エチレングリコールのEO3モルPO1モルランダム付加末端メチルエーテル化物
(E−4):グリセリンのEO1モルPO2モルランダム付加末端エチルエーテル化物
表1の実施例1〜7と比較例1〜4との比較により、添加剤(E)を加えることで、所期の比電導度を5.0mS/cm以上高く維持しつつ、かつ1000時間後の比電導度を4.0mS/cm以上と耐久性が高い電解液を得ることができることが明らかとなった。
本発明のアルミニウム電解コンデンサは、高温下で非常に高い耐久性を有するため、長期間高性能を発揮でき、電装化の進む自動車ならびに各種産業機器用の電子部品として使用するのに有用である。

Claims (6)

  1. 第3級アンモニウム(A1)及び/又はアミジニウム(A2)であるカチオン(A)とカルボキシレートアニオン(B)からなる電解質(C)を有機溶媒(D)に溶解させた電解液であって、有機溶媒(D)が水酸基を有さない有機溶媒(D1)、水酸基を有する有機溶媒(D2)及び添加剤(E)を含有し、(D2)の重量が(D)の重量に対して0.5〜10重量%であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
    添加剤(E):炭素数1〜4であるモノオール又は2〜3価のポリオールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを平均0.5〜5モル付加した化合物の少なくとも1つの水酸基がアルキル(炭素数1〜4)エーテル化された化合物
  2. 3級アンモニウム(A1)が下記一般式(2)で表される請求項1に記載の電解液。
    NR+ (2)
    [R〜Rは少なくとも1つが異なる炭素数1〜3の1価のアルキル基である。]
  3. 3級アンモニウム(A1)がジメチルエチルアンモニウムである請求項1又は2に記載の電解液。
  4. 有機溶媒(D1)がγ−ブチロラクトンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
  5. 有機溶媒(D2)がエチレングリコールである請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液。
  6. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサ。
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