JP2017103449A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は低温でも固化しにくいいため寒冷地でも駆動でき、かつ十分な耐電圧を有する電解コンデンサを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、3〜6価の多価アルコール(a)のアルキレンオキサイド付加物(A)、電解質(B)および極性溶媒(C)を必須成分とし、アルキレンオキサイド付加物(A)が下記一般式(1)で表されることを特徴とする電解コンデンサ用電解液;およびこれを用いた電解コンデンサである。
1未満であると、耐電圧の向上効果が小さくなり、70を超えると低温特性が悪くなる。
本用途であるアルミ電解コンデンサ用途では、金属イオンはコンデンサのショートの原因となるため、カリウムイオンまたは、ナトリウムイオンを吸着処理等で、10ppm以下に好ましくは1ppm以下にする必要がある。
1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコール、フルフリルアルコールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、3価アルコール(グリセリンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)など。
ホルムアミド(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ピロリドン(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど。
γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ベンゾニトリルなど。
スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチルメチルスルホンなど。
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど。
重量比(A)/(C)が2/98未満であると耐電圧向上の効果が低くなり、一方、40/60を超えると粘度が高くなるため、コンデンサを組み立てる際にセパレータに電解液を浸み込みにくくなる。
駆動中にわすかに発生する水素ガスを吸収させる目的で、例えば、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノールなどのニトロ化合物などが添加される。また、耐電圧を高めるために、ホウ酸、ポバールなどが添加される。その添加量は、比電導度と電解液への溶解度の観点から、電解液の重量に基づいて、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは0.1〜2重量%がよい。
アルミニウム電解コンデンサとしては、特に限定されず、例えば、捲き取り形の電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサが挙げられる。
本発明の電解液を駆動用電解液としてセパレーターに含浸し、陽陰極と共に、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで密閉して電解コンデンサを構成することができる。
6価アルコールのソルビトール(a−1)182重量部(1mol)に水酸化カリウム1.1重量部(0.02mol)添加し、170℃でエチレンオキサイド616重量部(14mol)を圧平衡に達するまで反応させた。その後、あらかじめ、エチレンオキサイド572重量部(13mol)とプロピレンオキサイド354重量部(6mol)をボンベ中で均一にした液をで反応させ、圧平衡に達したところで終点とした。その後、水酸化カリウム除去のために吸着剤としてキヨーワード600、キヨワード700(協和化学工業株式会社製)を用いて水酸化カリウムを1ppm以下にした。
一段目の反応が終わった時点でのサンプリング物と最終製造品のプロトン核磁気共鳴装置(H−NMR)チャートと水酸基価で、化学式(1)のk=14、m=13、n=6、f=6、A=水素原子、R=ソルビトール残基のアルキレンオキサイド付加物(A−1)が得たことを確認した。
製造例1において、最初のエチレンオキサイドをエチレンオキサイド704重量部(16mol)に変更し、2段目のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをエチレンオキサイド4,268重量部(97mol)とプロピレンオキサイド2,360重量部(40mol)をボンベ中で均一にした液とした以外は製造例1と同様に反応させて、化学式(1)のk=16、m=97、n=40、f=6、A=水素原子、R=ソルビトール残基のアルキレンオキサイド付加物(A−2)を得た。
製造例1において、ソルビトールを3価のアルコールのグリセリン(a−2)に変更し、2段目のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをエチレンオキサイド572重量部(13mol)とプロピレンオキサイド767重量部(13mol)をボンベ中で均一にした液とした以外は製造例1と同様に反応させて、化学式(1)のk=14、m=13、n=13、f=3、A=水素原子、R=グリセリン残基のアルキレンオキサイド付加物(A−3)を得た。
製造例1において、ソルビトールをグリセリンに変更し、最初のエチレンオキサイド704重量部(16mol)にし、2段目のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをエチレンオキサイド2,200重量部(50mol)とプロピレンオキサイド472重量部(8mol)をボンベ中で均一にした液とした以外は製造例1と同様に反応させて、化学式(1)のk=16、m=50、n=8、f=3、A=水素原子、R=グリセリン残基のアルキレンオキサイド付加物(A−4)を得た。
グリセリン(a−1)182重量部(1mol)に水酸化カリウム1.1重量部(0.02mol)添加し、170℃でエチレンオキサイド616重量部(14mol)とプロピレンオキサイド767重量部(13mol)をボンベ中で均一にした液を滴下し、圧平衡に達するまで反応させた。その後、水酸化カリウム除去のために吸着剤としてキヨーワード600、キヨワード700(協和化学工業株式会社製)を用いて水酸化カリウムを1ppm以下にした。反応途中でサンプリングを複数回行い、それらと最終製造品のH−NMRのチャートと水酸基価から、グリセリンのエチレンオキサイド14モル/プロピレンオキサイド13モル付加物(A−2’)を得た。付加形式はランダムであった。これは化学式(1)には該当しない。
製造例1において、ソルビトールをグリセリンにし、最初はエチレンオキサイド付加ではなくプロピレンオキサイド826重量部(14mol)を付加し、2段目のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをエチレンオキサイド572重量部(13mol)とプロピレンオキサイド354重量部(6mol)をボンベ中で均一にした液とした以外は製造例1と同様に反応させて、グリセリンのPO14モル付加−EO13モル/PO6モル付加物(A’−3)を得た。これは化学式(1)には該当しない。
製造例1において、2段目のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをプロピレンオキサイド重量部767(13mol)に変更し、圧平衡に達するまで反応させ、加えて3段目として、エチレンオキサイド572重量部(13mol)を圧平衡に達するまで反応させた以外は製造例1と同様に反応させて、グリセリンのEO14モル付加−EO13モル−PO13モル付加物(A’−4)を得た。これは化学式(1)には該当しない。
(A−1)と極性溶媒のエチレングリコール(C−1)を、表1に記載した配合部数(重量部)で混合した。その後、この溶液91重量部に1,6−デカンジカルボン酸(B2−1)8重量部を添加し、アンモニアガス(B1−1)を1重量部吹き込み中和しながら溶解させ、実施例1の電解液を得た。pHは6.9であった。
表1に記載した部数(重量部)に従い、実施例1と同様の操作を行い、実施例2,3、比較例1〜3の電解液を得た。
電解液を透明のガラス瓶に入れ、−20℃の恒温槽で24時間放置し、−20℃の状態でガラス瓶を傾けて目視で観察し、下記の判定基準で評価した。
○:透明であり、析出物なく、傾けると流動性がある
△:うっすら白濁するが、全体として均一で、傾けると流動性がある
×:全体が固化
電導度計CM−40S(東亜電波工業株式会社製)を用いて、30℃での電導度(mS/cm)を測定した。
この条件では、電導度は、1.2mS/cm以上であることが必要とされる。
陽極に10cm2の高圧用化成エッチングアルミニウム箔を用い、陰極に10cm2のプレーンなアルミニウム箔を用い、25℃にて定電流(2mA)を負荷したときに、電圧の降下(ショート)がみられたときの電圧値を読み取って耐電圧とした。直流安定化電源として高砂製作所製のGP650−05Rを用いて測定した。
500V対応コンデンサには、この条件では一般に520V以上の耐電圧が必要である。
一方、2価のアルコールアルキレンオキサイド付加物を用いた比較例1と、mが0のアルコールアルキレンオキサイド付加物を用いた比較例2は、ともに−20℃では固化した。先ずブロック付加するのがエチレンオキサイドではなくプロピレンオキサイドである比較例3は耐電圧が不十分であった。また、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドがランダム状の付加物でない比較例4は、電解液が−20℃ではうっすら白濁し耐電圧が不十分であった。
Claims (5)
- 3〜6価の多価アルコール(a)のアルキレンオキサイド付加物(A)、電解質(B)および極性溶媒(C)を必須成分とし、アルキレンオキサイド付加物(A)が下記一般式(1)で表されることを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
- 一般式(1)中のkが10〜30の数である請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。
- アルキレンオキサイド付加物(A)中エチレンオキサイド全体の付加モル数 が12〜60である請求項1または2に記載の電解コンデンサ用電解液。
- (A)の数平均分子量が1,000〜8,000である請求項1〜3いずれかに記載の電解コンデンサ用電解液。
- 請求項1〜4いずれかに記載の電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサ。
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