JP2012089660A - 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】水を配合した電解液において、電解コンデンサの信頼性を十分確保できる電解液を提供する。
【解決手段】10〜70重量%の有機溶媒(B)と30〜90重量%の水とからなる混合溶媒(C)、炭素数が1〜20である有機カルボン酸塩(D)、およびドデシル・水素、ドデセニル・水素等(1)を含有する電解コンデンサ用電解液。ここで(1)中には、カルボキシル基と、水素原子または炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1〜18のアルケニル基と、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサ用電解液関する。さらに詳しくは、溶媒として水を多く含む電解液に関する。
一般的な電解コンデンサは陽極箔と陰極箔との間にセパレータを挿入し、巻き回して得られるコンデンサ素子に電解液を含浸させた後、金属製の筒状ケースに収納し開口部を弾性ゴムにより封口され、封口した部位を絞り加工することにより製造される。アルミニウム電解コンデンサの場合、高純度アルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理して表面積を拡大させ、さらに化成処理を行い、酸化皮膜を形成させて陽極箔を得る。一方陰極箔はアルミニウム箔をエッチングした後安定化処理することで得られる。
近年の電子部品のデジタル化進行において、電解コンデンサの低損失、低インピーダンス化の需要はますます高まってきており、電解コンデンサに使用される電解液は、高電導度(低比抵抗)化が望まれている。従来、低圧用電解液においてはエチレングリコールを主溶媒とし、溶質としてアジピン酸アンモニウム等が使用されているが、近年の低比抵抗化の要望に対し、電解液中の水配合量を増大させた電解液が提案されている。
(例えば特許文献1参照。)
ところが、電解液中の水配合量が増大すると、アルミニウム電極箔が水和反応により劣化し、電解コンデンサの電気特性や寿命を著しく低下させる問題がある。この水和反応を抑制するため、例えば燐酸化合物(例えば特許文献2参照。)やカルボン酸(例えば特許文献3参照。)を添加することが提案されている。
特開2000−173872号公報 特開2007−180337号公報 特開2007−115970号公報
しかしながら、上記提案の電解コンデンサは十分な信頼性を確保するまでには至っていない。
そこで、水を配合して低比抵抗化を図った場合においてアルミニウム電極箔と水との水和反応を抑制し、電解コンデンサの信頼性を十分確保することができる電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、10〜70重量%の有機溶媒(B)と30〜90重量%の水とからなる混合溶媒(C)、炭素数が1〜20である有機カルボン酸塩(D)および一般式(1)で表される化合物(A)を含有する電解コンデンサ用電解液である。
Figure 2012089660
[式(1)中、Xはカルボキシル基または一般式(2)で表される基であり、RおよびRは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数2〜18のアルケニル基であり、同一でも異なっていてもよい。RおよびRは炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2012089660
[式(2)中、Eは酸素原子またはメチレン基であり、GおよびGは水酸基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、少なくとも一方は水酸基である。]
本発明は水を配合して低比抵抗化を図った電解液において、化合物Aを添加することで、アルミニウム電極箔と水との水和反応を抑制し電解コンデンサの信頼性を十分確保することができる電解液を提供することができる。
本発明の電解液は、10〜70重量%の有機溶媒(B)と30〜90重量%の水とからなる混合溶媒(C)、炭素数が1〜20である有機カルボン酸塩(D)、および一般式(1)で表される化合物(A)を含有する電解コンデンサ用電解液であり、アルミニウム電極箔と水との水和反応を抑制し電解コンデンサの信頼性を十分確保することができる。
本発明における化合物(A)はアルミニウム電極箔と水との水和反応を抑制し電解コンデンサの信頼性を十分確保するために添加されるものであり、下記一般式(1)で表される。
Figure 2012089660
式(1)中、Xはカルボキシル基または一般式(2)で表される基であり、RおよびRは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数2〜18のアルケニル基であり、同一でも異なっていてもよい。RおよびRは炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、同一でも異なっていてもよい。
Figure 2012089660
式(2)中、Eは酸素原子またはメチレン基であり、GおよびGは水酸基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、少なくとも一方は水酸基である。
式(1)中RおよびRにおいて炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルなどの直鎖アルキル基、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル、1,3,5,7−テトラメチルオクチルなどの分岐アルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−n−オクチル−シクロヘキシルなどの環状アルキル基などが挙げられる。
式(1)中RおよびRにおいて炭素数2〜18のアルケニル基としては、ビニル、アリル、プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ノネニル、1−デセニル、1−ドデセニル、9−オクタデセニル等が挙げられる。
電解液への溶解性、電導度への影響の観点からRおよびRのうち一方が炭素数8〜18のアルキル基またはアルケニル基かつ残りが水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数2〜4のアルケニル基が好ましい。
その組み合わせの具体例としては、2−エチルヘキシル・メチル、n−オクタデシル・メチル、n−ドデシル・エチル、n−ノニル・水素、n−ドデシル・水素、1−ドデセニル・水素、2−オクテニル・水素等であり、さらに好ましくはn−ノニル・水素、n−ドデシル・水素、1−ドデセニル・水素、2−オクテニル・水素である。
式(1)中RおよびRにおいて炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルなどの直鎖アルキル基、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの分岐アルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなどの環状アルキル基などが挙げられ、電解液への溶解性、電導度への影響の観点からメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましい。
式(1)中RおよびRにおいて炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、4−ヒドロキシブチル、1,2−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、3−メチル−3−ヒドロキシプロピル、2−メチル−3−ヒドロキシプロピル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルなどが挙げられ、電解液への溶解性、電導度への影響の観点からヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−メチル−2−ヒドロキシエチル基、4−ヒドロキシブチル基が好ましく、ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基がさらに好ましい。
式(2)中GおよびGにおいて炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。
電解液への溶解性、電導度への影響の観点からGおよびGは水酸基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基が好ましく、水酸基、メトキシ基、エトキシ基がさらに好ましい。
一般式(2)で表される基の具体例としては、ジヒドロキシホスホリルオキシ基、ヒドロキシメトキシホスホリルオキシ基、エトキシヒドロキシホスホリルオキシ基、ヒドロキシイソプロポキシホスホリルオキシ基、n−ブトキシヒドロキシホスホリルオキシ基、tert−ブトキシヒドロキシホスホリルオキシ基、ジヒドロキシホスホリルメチル基、ヒドロキシメトキシホスホリルメチル基、エトキシヒドロキシホスホリルメチル基、ヒドロキシイソプロポキシホスホリルメチル基、n−ブトキシヒドロキシホスホリルメチル基、tert−ブトキシヒドロキシホスホリルメチル基等が挙げられる。
化合物(A)としては、電解液への溶解性、電導度への影響の観点から一般式(3)で表される化合物(A1)または一般式(4)で表される化合物(A2)が好ましい。
Figure 2012089660
[式(3)中、R〜Rは式(1)と同じである。]
Figure 2012089660
[式(4)中、R〜Rは式(1)と同じである。]
化合物(A1)の好ましい具体例としては、N、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−ペンタデカン酸モノアミド(以下ドデシルコハク酸ジエタノールアミドとする)、N、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−4−ペンタデセン酸モノアミド(以下ドデセニルコハク酸ジエタノールアミドとする)、N、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−5−ドデセン酸モノアミド(以下オクテニルコハク酸ジエタノールアミドとする)、N、N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−3−カルボキシ−4−ペンタデセン酸モノアミド(以下ドデセニルコハク酸ジイソプロパノールアミドとする)、N、N−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−3−カルボキシ−4−ペンタデセン酸モノアミド(以下ドデセニルコハク酸ジプロパノールアミドとする)、N、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−2−メチル−4−トリデカン酸モノアミド等が挙げられ、原料入手の容易さの観点で、ドデシルコハク酸ジエタノールアミド、デセニルコハク酸ジエタノールアミド、オクテニルコハク酸ジエタノールアミド、ドデセニルコハク酸ジイソプロパノールアミドがさらに好ましい。
化合物(A2)の好ましい具体例としては、3−ホスホノキシミリスチン酸ジエタノールアミド、3−ホスホノキシミリスチン酸ジイソプロパノールアミド、3−ホスホノキシミリスチン酸ジプロパノールアミド、3−(ヒドロキシメトキシホスホリルオキシ)ミリスチン酸ジエタノールアミド、3−(エトキシヒドロキシホスホリルオキシ)ミリスチン酸ジエタノールアミド、3−ホスホノキシ−5−エチル−2−メチルカプリン酸ジエタノールアミド、3−ホスホノキシ−2−エチルカプリン酸ジエタノールアミド等が挙げられ、原料入手の容易さの観点で、3−ホスホノキシミリスチン酸ジエタノールアミド、3−ホスホノキシミリスチン酸ジイソプロパノールアミドがさらに好ましい。
化合物(A)の添加量は、混合溶媒(C)、有機カルボン酸塩(D)および化合物(A)の合計重量に対し好ましくは0.01重量%〜20重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜10重量%、最も好ましくは0.5重量%〜6重量%である。
混合溶媒(C)の添加量は、混合溶媒(C)、有機カルボン酸塩(D)および化合物(A)の合計重量に対し好ましくは70〜95重量%であり、さらに好ましくは75重量%〜90重量%である。
本発明の電解液の溶媒は有機溶媒(B)と水からなる混合溶媒(C)である。有機溶媒(B)としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等グリコール類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等、ヘキサメチルリン酸トリアミド等アミド類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等ラクタム類、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等ラクトン類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等炭酸エステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等ニトリル類、ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド等スルホキシド類、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン等スルホン類、ジメチルウレア、テトラメチルウレア、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア等ウレア類などが挙げられる。
これらのうちで好ましいのはエチレングリコール、プロピレングリコールであり、有機溶媒(B)は1種でもよく2種以上用いても良い。
本発明の電解液の溶媒である混合溶媒(C)の比率は、10〜70重量%の有機溶媒(B)と30〜90重量%の水である。混合溶媒(C)において(B)の比率が10重量%未満では水和反応が著しく信頼性確保が困難となり、(B)の比率が70重量を超える場合は電導度が低下する。(B)の比率は好ましくは10〜65重量%、さらに好ましくは15〜65重量%ある。
本発明の電解液に含まれる電解質としては、炭素数が1〜20である有機カルボン酸塩(D)である。有機カルボン酸の炭素数が21を超える場合は電解液への溶解性が著しく低下し、電導度の低下、析出等による信頼性低下を招く恐れがある。
本発明における炭素数が1〜20である有機カルボン酸塩(D)としては、炭素数1〜20である有機カルボン酸の共役塩基をアニオン成分とする、アンモニウム塩、アミン塩、4級アンモニウム塩、4級アミジニウム塩が挙げられる。電解液への溶解性、電導度への影響の観点から、最も好ましくはアンモニウム塩である。
有機カルボン酸塩(D)のアニオン成分である、炭素数が1〜20である有機カルボン酸としては、ギ酸、直鎖または分岐アルキルカルボン酸、あるいはベンゼン環を有する芳香族カルボン酸が好ましい。具体例としては、ギ酸、酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸、サリチル酸等モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、フタル酸、マレイン酸等ジカルボン酸、クエン酸、トリメリット酸、ピメリット酸、アコニット酸等多価カルボン酸等が挙げられる。
電解液への溶解性、電導度への影響の観点から、さらに好ましいのは、ギ酸、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、フタル酸、マレイン酸である。
アミン塩のカチオン成分であって、その共役塩基であるアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン等2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン等3級アミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール等アミジンが挙げられ、電解液への溶解性、電導度への影響の観点から、これらの中でメチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ピロリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、N−メチルピロリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、ジメチルイミダゾールが好ましく、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミンがさらに好ましい。
4級アンモニウム塩のカチオン成分としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、ジメチルピロリジニウム、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム、ジメチルモルホリニウム、1−メチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタニウム、1−メチル−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニウム、7、7−ジメチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニウム、5−アゾニアスピロ[4.4]ノナン、5−アゾニアスピロ[4.5]デカン、1−メチル−1−アゾニアビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アゾニアトリシクロ[3.3.3.0]ウンデカン等が挙げられ、電解液への溶解性、電導度への影響の観点から、これらの中でテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ジメチルピロリジニウムが好ましく、テトラメチルアンモニウムがさらに好ましい。
4級アミジニウム塩のカチオン成分としては、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、2,3−ジメチル−1,3−ジアザビシクロ[4.2.1]−2−ノネニウム、2,3−ジメチル−1,3−ジアザビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテニウム等が挙げられ、電解液への溶解性、電導度への影響の観点から、これらの中でテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ジメチルピロリジニウム、好ましい4級アミジニウムカチオンとしては、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウムが好ましく、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムがさらに好ましい。
本発明に用いられるこれら有機カルボン酸塩(D)は、1種でもよく、2種以上用いてもよい。
本発明の電解液は、必要に応じ従来電解コンデンサ用電解液に用いられるその他電解質を併用してもよく、また種々の添加剤を添加することもできる。
添加剤としては、ホウ酸、リン酸、珪酸などの無機酸類、ニトロフェノール、ニトロ安息香酸、ニトロアニソール等芳香族ニトロ化合物、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等多価アルコール類、炭素数が1〜20である有機カルボン酸(E)等が挙げられる。添加剤は通常0〜20重量%、好ましくは0.01〜15重量%の範囲で添加される。炭素数が1〜20である有機カルボン酸(E)は電解液の耐電圧を上げる効果があるので好ましい。
本発明の電解液は電解コンデンサ、中でもアルミ電解コンデンサで特に有用である。近年の低比抵抗化の要望に対し、電解液中の水配合量を増大させた電解液においても信頼性を十分確保するものでデジタル家電、パソコン等に好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1 ドデセニルコハク酸ジエタノールアミド(A1−1)の合成
ガラス製コルベンにクロロホルム400部、ジエタノールアミン126部(1.2モル)を仕込み、滴下ロートに仕込んだドデセニル無水コハク酸(三洋化成工業製)266部(1モル)を、コルベン内が0〜5℃に保つように攪拌しながら3時間かけて滴下した。その後0〜5℃にてさらに10時間反応させた。次いで水400部を投入し、30℃にて10分間攪拌して水洗し、分液にて水層を除去した後有気層を減圧下で濃縮することにより淡黄褐色固体350部を得た(収率98%)。1H−NMRにより淡黄褐色固体がドデセニルコハク酸ジエタノールアミド(A1−1)であることを確認した。
製造例2 ドデシルコハク酸ジエタノールアミド(A1−2)の合成
製造例1において、ドデセニル無水コハク酸(三洋化成工業製)266部(1モル)をドデシル無水コハク酸(東京化成製)268部(1モル)とした以外は製造例1と同様な操作を行い、淡黄褐色固体340部を得た(収率95%)。1H−NMRにより淡黄褐色固体がドデシルコハク酸ジエタノールアミド(A1−2)であることを確認した。
製造例3 オクテニルコハク酸ジエタノールアミド(A1−3)の合成
製造例1において、ドデセニル無水コハク酸(三洋化成工業製)266部(1モル)を2−オクテニル無水コハク酸(東京化成製)210部(1モル)とした以外は製造例1と同様な操作を行い、淡黄褐色固体270部を得た(収率98%)。1H−NMRにより淡黄褐色固体がドデシルコハク酸ジエタノールアミド(A1−3)であることを確認した。
製造例4 3−ホスホノキシミリスチン酸ジエタノールアミド(A2−1)合成
(1)3−ホスホノキシミリスチン酸(中間体A−21)の合成
ガラス製コルベンにジクロロメタン400部、3−ヒドロキシミリスチン酸216部(1モル)、ピリジン87部(1.1モル)を仕込んだ。クロロリン酸ジメチル(東京化成製)190部(1.1モル)を、コルベン内が0〜5℃に保つように攪拌しながら1時間かけて滴下した。その後0〜5℃にてさらに10時間反応させた。生じた白色固体をろ過にて除去し、有気層を減圧下で濃縮することにより淡黄色固体280部(収率80%)を得た。1H−NMRにより淡黄色固体が中間体(A−21)であることを確認した。
(2)3−ホスホノキシミリスチン酸ジエタノールアミド(A2−1)合成
ガラス製コルベンにクロロホルム200部、ジエタノールアミン83部(0.6モル)を仕込み、滴下ロートに中間体(A−21)176部(0.5モル)とクロロホルム200部を仕込み溶解させた溶液を、コルベン内が0〜5℃に保つように攪拌しながら3時間かけて滴下した。その後0〜5℃にてさらに10時間反応させた。次いで水400部を投入し、70℃にて6時間攪拌して静置した。分液にて水層を除去した後有気層を減圧下で濃縮することにより淡黄褐色固体150部を得た(収率78%)。1H−NMRにより淡黄褐色固体が3−ホスホノキシミリスチン酸ジエタノールアミド(A2−1)であることを確認した。
実施例1(電解液作成)
ガラス製容器にドデセニルコハク酸ジエタノールアミド(A1−1)1部、アジピン酸アンモニウム(E−1)14部、エチレングリコール(B−1)55部、純水30部からなる混合溶媒(C)を加え、均一になるまで攪拌を行い電解液を得た。
実施例2〜17および比較例1〜7
下記の表1に示した配合量で実施例1と同様の操作を行い、各電解液を得た。
実施例1〜17および比較例1〜7で得られた電解液について、下記に記載した方法で評価を行い、それらの結果を表1に示す。
(1)高温負荷試験
定格6.3V−1000μF(Φ10mm×12.5mmL)の電解コンデンサを10個作成し、高温負荷試験(105℃×1000時間定格電圧印加試験)後の静電容量の変化率を求めた。
(2)電解液の初期電導度ならびに加熱試験(105℃×1000時間)後の電解液中へのアルミニウムイオン溶出量を測定した。
Figure 2012089660
*圧力弁が作動したため測定不可であった。
<静電容量の測定>
JIS C5101−4:2010に準拠して負荷試験前の静電容量と負荷試験後の静電容量を測定し、負荷試験によって減少した静電容量変化量を求めた。
<アルミニウムイオン溶出量測定>
電解液100部にアルミニウム箔(エッチング済アルミニウム箔)2cm×2cm片5枚を耐熱容器に入れ、105℃で1000時間加熱した。加熱後の電解液を取り出し、ICP発光分析装置(バリアン テクノロジーズ ジャパン リミテッド社製ICP 730−ES)でアルミニウムイオンの溶出量について測定した。なお加熱後電解液を超純水にて50倍希釈したものを測定した。検出限界は0.1ppmである。
<電導度測定>
東亜電波工業株式会社製電導度計M−40Sを用い、30℃での比電導度を測定した。
表1で明らかなように、比較電解液に比べ実施例の電解液は静電容量変化量を低減しており、電解液へのアルミニウムイオンの溶出量が抑制されている。つまり本発明の電解液は、アルミニウム電極箔と水との水和反応を効果的に抑制し、電解コンデンサの信頼性を十分確保することが可能である。
本発明の電解液を使用した電解コンデンサは、水を配合してもアルミニウム電極箔と水との水和反応を抑制し電解コンデンサの信頼性を十分確保することができるため、低比抵抗アルミ電解コンデンサとして有用である。

Claims (5)

  1. 10〜70重量%の有機溶媒(B)と30〜90重量%の水とからなる混合溶媒(C)、炭素数が1〜20である有機カルボン酸塩(D)、および一般式(1)で表される化合物(A)を含有する電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2012089660
    [式(1)中、Xはカルボキシル基または一般式(2)で表される基であり、RおよびRは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数2〜18のアルケニル基であり、同一でも異なっていてもよい。RおよびRは炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2012089660
    [式(2)中、Eは酸素原子またはメチレン基であり、GおよびGは水酸基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、少なくとも一方は水酸基である。]
  2. 化合物(A)が一般式(3)で表される化合物(A1)または一般式(4)で表される化合物(A2)である請求項1に記載の電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2012089660
    [式(3)中、R〜Rは式(1)と同じである。]
    Figure 2012089660
    [式(4)中、R〜Rは式(1)と同じである。]
  3. 化合物(A)が混合溶媒(C)、有機カルボン酸塩(D)および化合物(A)の合計重量に対して0.01〜20重量%含有される請求項1または2に記載の電解コンデンサ用電解液。
  4. 有機溶媒(B)がエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコールである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液を用いる電解コンデンサ。







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