JP2005045225A - 電解液 - Google Patents

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Shinya Sasada
信也 笹田
Shinya Taguchi
眞也 田口
Azusa Kameo
梓 亀尾
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Abstract

【課題】 コンデンサ内部から漏出しにくく、且つ高温における電解液の比電導度の安定性および低温特性に優れるアルミ電解コンデンサ用電解液を提供することを目的とする。
【解決手段】 下記一般式(1)で示されるイミダゾリウムカチオン(A)と有機酸アニオン(B)からなる塩を電解質(C)としてなる電解液。
【化3】

式中、R1、R2は水酸基、シアノ基、カルボニル基、フォルミル基、エステル結合を有する基、又はエーテル結合を有する基を有していてもよい炭化水素基であって、炭素の合計数が1以上3以下であり、R1とR2は異なる基である。
【選択図】 なし

Description

本発明はアルミニウム電解コンデンサに使用する電解液に関するものである。
従来、アルミニウム電解コンデンサ用の電解液としては、マレイン酸またはシトラコン酸の第4級アンモニウム塩を電解質とした電解液、芳香族カルボン酸のテトラアルキル4級アンモニウム塩を電解質とした電解液(特許文献1)、アルキル置換アミジン基を有する化合物の4級化物のカルボン酸塩を電解質とする、いわゆるアミジン系電解液(特許文献2)などが知られている。
米国特許第4715976号公報(第1頁) WO95/15572号公報(第1頁)
しかし、特許文献1などに開示されているテトラアルキル4級アンモニウム塩を電解質とした電解液では、電解液の電気化学反応により、コンデンサの負極近傍でアルカリ成分が発生し、これが封口ゴムの弾性を劣化させるので、経時的にゴムの封止力が低下し、やがて負極リード孔部より内部の電解液が漏出するという不具合があった。
また、特許文献2に開示されている、アルキル置換アミジン基を有する化合物の4級化物のカルボン酸塩を電解質とするアミジン系電解液では、このアルカリ成分の発生が少ないので、テトラアルキル4級アンモニウム塩と比較して、前述の不具合は発生しにくいものの、特にアルキル置換アミジン基を有する化合物の4級化物の脂肪族不飽和カルボン酸塩では、高温での電解液の比電導度の安定性および低温特性において必ずしも十分なものではなかった。
すなわち、本発明の課題は、高温での比電導度の安定性、及び低温特性に優れた電解液を提供することにある。
本発明者等は上記問題を解決するべく鋭意検討した結果、特定構造のイミダゾリウム塩を電解質とした電解液を用いることにより、コンデンサ内部からの電解液の漏出を抑制しつつ、高温における電解液の比電導度の安定性および低温特性などが改善されることを見い出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、下記一般式(1)で示されるイミダゾリウムカチオン(A)と有機酸アニオン(B)からなる塩を電解質(C)としてなる電解液である。
[式中、R1、R2は水酸基、シアノ基、カルボニル基、フォルミル基、エステル結合を有する基、又はエーテル結合を有する基を有していてもよい炭化水素基であって、炭素の合計数が1以上3以下であり、R1とR2は異なる基である。]
本発明の電解液は、特定構造のイミダゾリウムと有機酸からなる塩を電解質とする電解液である。この構成により、高温および低温で長時間安定な、信頼性の高いアルミニウム電解コンデンサを実現できるものである。
本発明において、イミダゾリウムカチオン(A)としては前記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。上記(A)は2種以上の混合物であってもよい。
一般式(1)におけるR1、R2としては、直鎖もしくは分岐のアルキル基たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基など;ヒドロキシアルキル基たとえばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基など;シアノアルキル基たとえばシアノメチル基、シアノエチル基など;アルコキシアルキル基たとえばメトキシメチル基、メトキシエチル基など;アセチルアルキル基たとえばアセチルメチル基など;メチルカルボオキシアルキル基たとえばメチルカルボオキシメチル基、メチルカルボオキシエチル基など;ホルミルアルキル基たとえばホルミルメチル基、ホルミルエチル基など;などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、メトキシメチル基、アセチルメチル基、メチルカルボオキシメチル基およびホルミルメチル基であり、特に好ましいものは、メチル基、エチル基であり、R1とR2は異なっている。
該イミダゾリウムカチオン(A)の具体例としては下記の化合物が挙げられる。以下の例示で、カチオンを省略する。
(1)R1、R2が炭化水素基であるもの
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−メチル−3−イソプロピルイミダゾリウム、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−エチル−3−イソプロピルイミダゾリウなど。
(2)R1、R2がホルミル基を有する炭化水素であるもの
1−メチル−3−ホルミルメチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ホルミルエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−ホルミルメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−ホルミルエチルイミダゾリウム、1−ホルミルメチル−3−ホルミルエチルイミダゾリウムなど。
(3)R1、R2がエステル結合を有する基を有する炭化水素であるもの
1−メチル−3−メチルカルボオキシメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルカルボオキシメチルイミダゾリウム、1−メチル−3−メチルカルボオキシエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルカルボオキシエチルイミダゾリウム、1−メチルカルボオキシメチル−3−メチルカルボオキシエチルイミダゾリウムなど。
(4)R1、R2がシアノ基を有する炭化水素であるもの
1−メチル−3−シアノメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−シアノメチルイミダゾリウム、1−メチル−3−シアノエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−シアノエチルイミダゾリウム、1−シアノメチル−3−シアノエチルイミダゾリウムなど。
(5)R1、R2がエーテル結合を有する基を有する炭化水素であるもの
1−メチル−3−メトキシメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メトキシメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メトキシメチルイミダゾリウム、1−メチル−3−メトキシエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メトキシエチルイミダゾリウム、1−メトキシメチル−3−メトキシエチルイミダゾリウムなど。
(6)R1、R2がカルボニル基を有する炭化水素であるもの
1−メチル−3−アセチルメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−アセチルメチルイミダゾリウム、1−メチル−3−アセチルエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−アセチルエチルイミダゾリウム、1−アセチルメチル−3−アセチルエチルイミダゾリウムなど。
(7)R1、R2が水酸基を有する炭化水素であるもの
1−メチル−3−ヒドロキシメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−ヒドロキシメチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリウム、1−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリウムなど。
これらのうち好ましいものは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−メチル−3−イソプロピルイミダゾリウム、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−エチル−3−イソプロピルイミダゾリウであり、更に好ましくは、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムである。
本発明において、有機酸アニオン(B)としては、例えば下記の(1)〜(4)の有機酸のモノアニオン及び2価〜4価のポリアニオンが挙げられる。
上記(B)は2種以上の混合物であってもよい。
(1)カルボン酸類
・炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、シトラコン酸、フマール酸、イタコン酸など)]、芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など]、S含有ポリカルボン酸[チオジブロピオン酸など];
・炭素数2〜20のオキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒酪酸、ひまし油脂肪酸など];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸など];
・炭素数1〜30のモノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸など)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸など)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸など];
(2)フェノール類
・1価フェノール(フェノール類、ナフトール類を含む):フェノール、アルキル(炭素数1〜15)フェノール類(クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、n−もしくはイソプロピルフェノール、イソドデシルフェノールなど)、メトキシフェノール類(オイゲノール、グアヤコールなど)、α−ナフトール、β−ナフトール、シクロヘキシルフェノールなど;
・多価フェノール:カテコール、レゾルシン、ピロガロール、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど。
(3)炭素数が1〜15であるアルキル基からなるモノおよびジアルキルリン酸エステル
モノおよびジメチルリン酸エステル、モノおよびジイソプロピルリン酸エステル、モノおよびジブチルリン酸エステル、モノおよびジ−(2−エチルヘキシル)リン酸エステル、モノおよびジイソデシルリン酸エステルなど。
(4)スルホン酸
アルキル(炭素数1〜15)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸など)、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホン酸など。
有機酸アニオン(B)として好ましいものは、特に高い比電導度を発現するマレイン酸モノアニオン及びシトラコン酸モノアニオンである。
有機酸アニオン(B)の分子量は好ましくは40以上500以下、さらに好ましくは90以上300以下である。
本発明において、電解質(C)として好ましいものは、マレイン酸モノ(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、マレイン酸モノ(1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム)塩、マレイン酸モノ(1−メチル−3−イソプロピルイミダゾリウム)塩、マレイン酸モノ(1−エチル−3−プロピルイミダゾリウム)塩、マレイン酸モノ(1−エチル−3−イソプロピルイミダゾリウム)塩、シトラコン酸モノ(1−メチル−3−エチルイミダゾリウム)塩、シトラコン酸モノ(1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム)塩、シトラコン酸モノ(1−メチル−3−イソプロピルイミダゾリウム)塩、シトラコン酸モノ(1−エチル−3−プロピルイミダゾリウム)塩、シトラコン酸モノ(1−エチル−3−イソプロピルイミダゾリウム)塩、であり、さらに好ましくは、マレイン酸モノ(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、シトラコン酸モノ(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩であり、最も好ましくは、マレイン酸モノ(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩である。
本発明において電解質(C)の製造方法は特に限定されないが、例えば、J.Am.Chem.Soc.,69,2269(1947)、米国特許第4892944号などに記載の方法(3級アミンを炭酸エステルで4級化後、酸交換する方法)が挙げられる。
本発明の電解質(C)において、(A)と(B)との当量比は特に限定されないが、導電率の高さと耐熱性の兼ね合いより、(A):(B)=1:0.8〜1:2の範囲が好ましく、より好ましくは(A):(B)=1:0.95〜1:1.05の範囲である。
本発明の電解液のpHは好ましくは4以上11以下、さらに好ましくは6以上9以下であり、該4級塩(A)を製造する際は電解液のpHがこの範囲となるような条件(例えば、アニオンの種類、使用量の条件)で製造することが好ましい。例えばポリカルボン酸等の多塩基酸の部分エステルをアニオン形成として用いるときpH調整に留意する必要がある。該電解液のpHは電解液原液の25℃の分析値である。
本発明の電解液は、上記電解質(C)または、(C)と有機溶剤(D)の溶液からなる。有機溶剤(D)の具体例は下記の通りであり、2種以上併用することもできる。またこれらの有機溶剤とともに必要により水を併用してもよい。
・アルコール類:
1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、アリルアルコール、ウンデカノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、n−オクタノール、n−デカノール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコール、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、3価アルコール(グリセリンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)など。
・エーテル類:
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、フラン、3−メチルテトラヒドロフラン、アニソールなど)、ジエーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)など。
・アミド類:
ホルムアミド類(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド類(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど。
・オキサゾリジノン類:
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど。
・ラクトン類:
γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
・ニトリル類:
アセトニトリル、アクリロニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリルなど。
・カーボネート類:
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど。
・ケトン系溶剤:
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、メチルイソブテニルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロン、アセチルアセトン、アセトニルアセトンなど。
・その他の有機溶剤:
ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、芳香族系溶剤(トルエン、キシレンなど)、パラフィン系溶剤(ノルマルパラフィン、イソパラフィン)など。
有機溶剤(D)として好ましいものは、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールおよびスルホラン、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンである。
有機溶剤とともに水を用いる場合の水の含有量は、電解液の重量に基づいて10重量%以下、更には3重量%以下、特に1重量%以下が好ましい。
本発明の電解液において(A)とともに必要により、公知の他の4級アンモニウム塩(例えばテトラアルキル4級アンモニウム塩、アミジン系4級塩など)を併用してもよい。併用する場合の該他の4級アンモニウム塩の量は電解質(C)中の30重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
本発明の電解液には必要により、電解液に通常用いられる種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、リン酸誘導体(例えばリン酸、リン酸エステルなど)、ホウ酸誘導体[例えばホウ酸、ホウ酸と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリンなど)との錯化合物など]、ニトロ化合物(例えばo−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノールなど)などを挙げることができる。
本発明の電解液における電解質塩の含有量は、電解液の重量に基づいて通常1重量%以上70重量%以下、好ましくは5重量%以上40重量%以下である。
実施例
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1
1LのSUS製攪拌式オートクレーブに炭酸ジエチル354.0g、1−メチルイミダゾール82.0gを充填し、反応温度130℃で24時間反応した。反応後オートクレーブを冷却し、反応液を液体クロマトグラフで分析したところ、1−メチルイミダゾールの転化率は95.0%であった。未反応物および反応で副生するエタノールを留去してエチル炭酸(1−メチルイミダゾール)エチル4級塩を180g得た。 次にエチル炭酸(1−メチルイミダゾール)エチル4級塩30.0gをメタノール200.0gに溶解し、マレイン酸17.4gを除々に添加したところ、炭酸ガスが激しく発生した。80℃/20mmHgで脱気、メタノールを除去してマレイン酸モノ(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩30.8gを得た。
製造例2
製造例1のマレイン酸17.4gをシトラコン酸19.5gに代えた以外は製造例1と同様にしてシトラコン酸モノ(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩32.3gを得た。
比較製造例1
1LのSUS製攪拌式オートクレーブに炭酸ジメチル270.0g、1−メチルイミダゾール82.0gを充填し、反応温度130℃で24時間反応した。反応後オートクレーブを冷却し、反応液を液体クロマトグラフで分析したところ、1−メチルイミダゾールの転化率は95.0%であった。未反応物および反応で副生するメタノールを留去してメチル炭酸(1−メチルイミダゾール)メチル4級塩を155.2g得た。 次にメチル炭酸(1−メチルイミダゾール)メチル4級塩35.0gをメタノール200.0gに溶解し、マレイン酸17.4gを除々に添加したところ、炭酸ガスが激しく発生した。80℃/20mmHgで脱気、メタノールを除去してマレイン酸モノ(1−メチル−3−メチルイミダゾリウム)塩39.2gを得た。
比較製造例2
比較製造例1の1−メチルイミダゾールの代わりに1,2,4−トリメチルイミダゾリンを使用した以外は比較製造例1と同様にして、マレイン酸・1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム33.6gを得た。
比較製造例3
500mLのガラス製攪拌式4口コルベンに、マレイン酸14.0gを充填し、攪拌、20℃下で、水酸化テトラメチルアンモニウム10wt%水溶液109.2gを少量ずつ系中に導入し、8時間反応後、水を留去して、マレイン酸・テトラメチルアンモニウム20.3gを得た。
上記の方法で得られた製造例1〜2および比較製造例1〜3の電解質を表1に示したように有機溶剤(D)および水に溶解して、実施例1〜5、比較例1〜3の電解液を調製した。
本実施例では実験上、比電導度変化の加速試験を目的に水を添加しているのであって、実際にアルミニウム電解コンデンサに本発明の電解液を使用するときは、水は必ずしも添加する必要はない。
実施例1〜5および比較例1〜3
表1は本発明の実施例1〜5および比較例1〜3の電解液組成と、調製直後の30℃における比電導度、およびこれら電解液を密閉ガラスアンプル中で125℃−1000hの耐熱試験を実施した後の比電導度の変化率[(耐熱試験後の比電導度)/(耐熱試験前の比電導度)]×100、単位は「%」および、電解液を−55℃の雰囲気下に1週間放置した時の電解質の析出の有無(低温析出)を示した。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜5の電解液は、高温での比電導度変化率が小さく、また低温における電解質の析出がない。一方、比較例1に示すような、上記化1のR1、R2が同一であるイミダゾール骨格をもつ電解質の場合や比較例3に示すような第4級アンモニウム塩の電解質では、低温での析出が発生するので、低温でコンデンサの誤作動を誘発する。また、比較例2に示すようなイミダゾリニウム塩の電解質では、高温での比電導度変化率が極めて大きいため、コンデンサのインピーダンス性能を高温度で長時間保証することが困難である。
従って、本発明の塩を電解質とする電解液を用いることにより、高温および低温で長時間安定な、信頼性の高いアルミニウム電解コンデンサを実現できるものである。
本発明の電解液は、アルミニウム電解コンデンサに使用される。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で示されるイミダゾリウムカチオン(A)と有機酸アニオン(B)からなる塩を電解質(C)としてなる電解液。
    [式中、R1、R2は水酸基、シアノ基、カルボニル基、フォルミル基、エステル結合を有する基、又はエーテル結合を有する基を有していてもよい炭化水素基であって、炭素の合計数が1以上3以下であり、R1とR2は異なる基である。]
  2. 上記電解質(C)と有機溶剤(D)からなる請求項1に記載の電解液。
  3. 上記イミダゾリウムカチオン(A)が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−イソプロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、及び1−エチル−3−イソプロピルイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載の電解液。
  4. 上記イミダゾリウムカチオン(A)が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである請求項1〜3いずれかに記載の電解液。
  5. 上記有機酸アニオン(B)が脂肪族不飽和カルボン酸アニオンである請求項1〜4いずれかに記載の電解液。
  6. 上記有機酸アニオン(B)がシトラコン酸モノアニオンおよび/またはマレイン酸モノアニオンである請求項1〜5いずれかに記載の電解液。
  7. 上記有機溶剤(D)がγ−ブチロラクトン、エチレングリコール及びスルホランからなる群より選ばれる1種以上である請求項2〜6いずれか記載の電解液。
  8. 上記有機溶剤(D)がケトン系溶剤である請求項2〜7いずれか記載の電解液。
  9. 上記ケトン系溶剤がアセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン、シクロペンタノン、およびシクロヘキサノンからなる群より選ばれる1種以上である請求項8に記載の電解液。

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