JP2012209433A - アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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山下  智史
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Abstract

【課題】
本発明の課題は、3.0mS/cm以上の比電導度を維持しつつ、かつ電解液の耐電圧が高いアルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】
電解質(A)、非プロトン性溶媒(B)並びにエーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)を含有するアルミニウム電解コンデンサ用電解液であり、(C)は電解質(A)、非プロトン性溶媒(B)、並びにエーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)の合計重量に基づいて0.1〜20重量%が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用電解液およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサに関するものである。
近年、車載電装用電源やデジタル家電の使用電圧の上昇に伴い、電解液の比電導度を維持しつつ、かつ電解液の耐電圧が高い電解液が要望されてきている。しかしながら、一般的に、電解液の比電導度が高くなると電解コンデンサの耐電圧は低下する傾向にあり、電解コンデンサの開発を困難なものにしている。そこで、高い比電導度を有する電解液を使用しながら、高い耐電圧を有する電解コンデンサを得る試みとして、例えば、電解液にオキシアルキレン基を有するジカルボン酸及び/又はその塩を添加することにより、電解液の高い比電導度を維持しつつ耐電圧を上昇させることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−128275号公報
しかし、特許文献1で提案されたオキシアルキレン基を有するジカルボン酸及び/又はその塩を用いても耐熱性が十分でないという課題があった。
本発明の課題は、3.0mS/cm以上の比電導度を維持しつつ、かつ電解液の耐電圧が高く、さらに耐熱性が高いアルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサを提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、電解質(A)、非プロトン性溶媒(B)、並びに下記一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)を含有するアルミニウム電解コンデンサ用電解液;前記アルミニウム電解コンデンサ用電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサである。
−O−(AO)−R−COO+ (1)
[式中、Rは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基;Rは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基;M+は水素イオン又は1価の有機カチオン;mは、(AO)の平均モル数を表す1〜10の整数を表す。]
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、比電導度を維持しつつ、かつ電解液の耐電圧が高く、耐熱性が良い。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、電解質(A)、非プロトン性溶媒(B)並びにエーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)を含有するアルミニウム電解コンデンサ用電解液である。エーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)を電解液中に溶解させることによって、電解液の比電導度を維持しつつ、かつ耐電圧を高く、耐熱性を良くできることに本発明の特徴がある。
本発明の電解液は、溶媒として非プロトン溶媒を含有するため、加熱時においても、添加した酸及び/又はその塩と溶媒とが反応することによる電解液の劣化が起きないため、耐熱性が良い。
エーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)は、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)が挙げられる。
溶解性の観点から、式(1)中におけるRは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、耐電圧向上効果の観点からAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基で(AO)の平均モル数mとしては、1〜10であり、好ましくは1〜5であり、更に好ましくは1〜3である。
炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−へキシル基等が挙げられる。炭素数が7以上のアルキル基の場合は、溶媒への溶解性の観点で好ましくない。
炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドなどが挙げられ、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びこれらの混合物が好ましい。炭素数が5以上のオキシアルキレン基である場合は、耐電圧の観点から好ましくない。
炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、2−メチルプロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、ブチレン基及び2−メチルブチレン基等が挙げられる。炭素数が6以上のアルキレン基の場合は、溶媒への溶解性の観点で好ましくない。
は水素イオン又は1価の有機カチオン(D)であり、カチオン(D)としては、第4級アンモニウムカチオン(D1)、第1〜3級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン及びそれらの混合物等が使用できる。また、各カチオンは一種または二種以上を併用してもよい。
第4級アンモニウムカチオン(D1)としては、アミジニウムカチオン(D11)、テトラアルキルアンモニウムカチオン(D12)等が含まれる。
アミジニウムカチオン(D11)としては、イミダゾリニウムカチオン(D111)及びイミダゾリウムカチオン(D112)等が含まれる。
イミダゾリニウムカチオン(D111)としては、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。
イミダゾリウムカチオン(D112)としては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、及び1−エチル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム等が挙げられる。
テトラアルキルアンモニウムカチオン(D12)としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム及びスピロ−(1,1’)−ビピペリジニウム等が挙げられる。
第1級アンモニウムとしては、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、エチレンジアンモニウム、エチレンジアミンモノアンモニウム、1,2−ジアンモニウムプロパン及び1,2−ジアミノプロパンモノアンモニウム等が挙げられる。
第2級アンモニウムとしては、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウム、メチルプロピルアンモニウム、メチルイソプロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、メチルホルミルメチルアンモニウム及びメチルホルミルエチルアンモニウム等が挙げられる。
第3級アンモニウムとしては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム、ジメチルイソプロピルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、メチルエチルプロピルアンモニウム、メチルエチルイソプロピルアンモニウム、ジプロピルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、ジメチルホルミルメチルアンモニウム、ジメチルホルミルエチルアンモニウム及びジエチルホルミルメチルアンモニウム等が挙げられる。
ホスホニウムカチオンとしては、炭素数1〜4のアルキルを有するテトラアルキルホスホニウムカチオン{テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム及びトリエチルメチルホスホニウム等}が挙げられる。
上記カチオン(D)のうち、(D112)及び第3級アンモニウムカチオンが好ましく、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム及びトリエチルアンモニウムが更に好ましい。
エーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)としては、(2−メトキシエトキシ)酢酸、[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、[2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ]酢酸、[2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ]酢酸、(2−エトキシエトキシ)酢酸、(2−プロポキシエトキシ)酢酸、(2−ブトキシエトキシ)酢酸、[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]プロピオン酸、[2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ] プロピオン酸、[2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ] プロピオン酸、(2−エトキシエトキシ)プロピオン酸、(2−プロポキシエトキシ)プロピオン酸、及び(2−ブトキシエトキシ)プロピオン酸;及びこれらの塩等が挙げられる。
これらの内、耐電圧の観点から好ましくは、エーテルカルボン酸、エーテルカルボン酸・1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、及びエーテルカルボン酸・トリエチルアンモニウム塩等が挙げられ、更に好ましくは(2−ブトキシエトキシ)酢酸、[2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ]酢酸、及び[2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ]酢酸・トリエチルアンモニウム塩が挙げられる。
エーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)は、電解液中に溶解しているのが好ましい。
エーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)は電解液の構成成分である電解質(A)、非プロトン性溶媒(B)、並びにエーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)の合計重量に基づいて0.1〜20重量%含有することが好ましく、1〜10重量%であることが更に好ましい。この範囲であると十分な耐電圧の向上効果が得られ、また、電導度の低下が抑制されるため好ましい。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液の電解質(A)は、カチオン(E)とアニオン(F)との塩からなる。
電解質(A)を形成するカチオン(E)としては、前記の1価の有機カチオン(D)が使用できる。上記カチオン(E)のうちで、好ましくは、アミジニウムカチオン(D11)、更に好ましいのは環状アミジニウムカチオン、より好ましいのはイミダゾリニウムカチオン(D111)及びイミダゾリウムカチオン(D112)、特に好ましくは1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン及びトリエチルアンモニウムカチオンである。
本発明において、電解質(A)を形成するアニオン(F)を構成する酸(f)としては、アルミニウム電解コンデンサ用電解液に通常用いられる種々の有機酸及び/又は無機酸を用いることができる。有機酸、無機酸としては、例えば下記の(f1)〜(f5)が挙げられる。
カルボン酸(f1)
炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸等)、不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等)]、芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等]、硫黄含有ポリカルボン酸[チオジプロピオン酸等]。
炭素数2〜20のオキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒酪酸、ひまし油脂肪酸等];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸等];
炭素数1〜30のモノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸等)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸等]
アルキルリン酸エステル(f2)
アルキルリン酸エステルとしては、モノアルキルリン酸エステル(f21)及びジアルキルリン酸エステル(f22)が含まれる 。
モノアルキルリン酸エステル(f21)
モノメチルリン酸エステル、モノエチルリン酸エステル、モノプロピルリン酸エステル[モノ(n−プロピル)リン酸エステル、モノ(iso−プロピル)リン酸エステル]、モノブチルリン酸エステル[モノ(n−ブチル)リン酸エステル、モノ(iso−ブチル)リン酸エステル、及びモノ(tert−ブチル)リン酸エステル]、モノペンチルリン酸エステル、モノヘキシルリン酸エステル、モノへプチルリン酸エステル、モノオクチルリン酸エステル[モノ(2−エチルヘキシル)リン酸エステル等]等。
ジアルキルリン酸エステル(f22)
ジメチルリン酸エステル、ジエチルリン酸エステル、ジプロピルリン酸エステル[ジ(n−プロピル)リン酸エステル、ジ(iso−プロピル)リン酸エステル]、ジブチルリン酸エステル[ジ(n−ブチル)リン酸エステル、ジ(iso−ブチル)リン酸エステル、及びジ(tert−ブチル)リン酸エステル]、ジペンチルリン酸エステル、ジヘキシルリン酸エステル、ジヘプチルリン酸エステル、ジオクチルリン酸エステル[ビス(2−エチルヘキシル)リン酸エステル等]等。
スルホン酸(f3)
アルキル(炭素数1〜15)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等)、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホン酸等。
無機酸(f4)
リン酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化ヒ素酸等
その他(f5)
三フッ化メタンスルホニルイミド、三フッ化メタンスルホニルメチド等。
上記アニオンを構成する酸のうちで、好ましくはジアルキルリン酸エステルであり、アニオン(F)として好ましくは、ジアルキルリン酸エステルのモノアニオンである。
電解質(A)としては、取り扱いの観点から、電解質(A)の性状が25℃で液体であるか、電解質(A)に非プロトン性溶媒(B)を加えて得られる溶液が25℃で液体であることが好ましい。
そのような電解質(A)としては、イミダゾリニウムアルキルリン酸エステル、及びイミダゾリウムアルキルリン酸エステルが好ましく、更に好ましくは1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムジエチルリン酸エステルモノアニオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムジエチルリン酸エステルモノアニオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルリン酸エステルモノアニオン及び、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムジエチルリン酸エステルモノアニオンが挙げられる。
非プロトン性溶媒(B)としては、エーテル(B1)、アミド(B2)、オキサゾリジノン(B3)、ラクトン(B4)、ニトリル(B5)、カーボネート(B6)、スルホン(B7)及び、その他の有機溶媒(B8)が挙げられる。
エーテル(B1)
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン等)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等)、トリエーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等)等。
アミド(B2)
アセトアミド(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等)、プロピオンアミド(N,N−ジメチルプロピオンアミド等)、ピロリドン(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等)、ヘキサメチルホスホリルアミド等。
オキサゾリジノン(B3)
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン等。
ラクトン(B4)
γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等。
ニトリル(B5)
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ベンゾニトリル等。
カーボネート(B6)
エチレンカーボネート、プロピオンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等。
スルホン(B7)
スルホラン、ジメチルスルホン等。
その他の有機溶媒(B8)
ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、芳香族溶媒(トルエン、キシレン等)、パラフィン溶媒(ノルマルパラフィン、イソパラフィン等)等。
有機溶媒は、一種または二種以上を併用してもよい。これらのうち、ラクトン及びスルホンが好ましく、更に好ましくはγ−ブチロラクトン及びスルホランである。
電解質(A)の含有量は、比電導度と非プロトン性溶媒への溶解度の観点から、電解質(A)及び非プロトン性溶媒(B)の合計重量に基づいて、好ましくは2〜70重量%、更に好ましくは4〜40重量%である。
非プロトン性溶媒(B)の含有量は、比電導度の観点から、電解質(A)及び非プロトン性溶媒(B)の合計重量に基づいて、好ましくは30〜98重量%、更に好ましくは60〜96重量%である。
本発明の電解液は、電解質(A)を非プロトン性溶媒(B)に溶解させた溶液中に、エーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)を溶解させることで得る、または、エーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)を(B)に溶解させた溶液と、電解質(A)を非プロトン性溶媒(B)に溶解させた溶液とを混合して得てもよい。溶解させる方法としては、例えば、通常の櫂型撹拌羽根を用いて、室温で撹拌する方法等が挙げられる。
本発明の電解液には、適当量の水を含有することが好ましい。水を含有すると、コンデンサ部材{陽極箔である酸化アルミニウム箔など}の化成性{陽極箔表面に欠損部分があれば、酸化被膜を形成させてこれを修復する性質}を向上させることができる。一方、水の含有量が多いと、高温使用時にコンデンサ内部の圧力が上昇し、コンデンサが膨れたり、破裂したりしてしまう。
したがって、水を含有する場合、水の含有量は、電解液の重量に基づいて、好ましくは0〜10重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%である。なお、水分は、JIS K0113:2005の「8.カールフィッシャー滴定方法、8.1容量滴定方法」に準拠して測定される。
本発明の電解液には必要により、アルミニウム電解コンデンサ用電解液に通常用いられる種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、ホウ酸誘導体(ホウ酸、ホウ酸と多糖類〔マンニット、ソルビット等〕との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール〔エチレングリコール、グリセリン等〕との錯化合物等)、ニトロ化合物(o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等)等を挙げることができる。その添加量は、比電導度と電解液への溶解度の観点から、電解液の重量に基づいて、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは2重量%以下がよい。
本発明の電解液は、アルミニウム電解コンデンサ用として好適である。アルミニウム電解コンデンサとしては、特に限定されず、例えば、捲き取り形のアルミニウム電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサが挙げられる。本発明の電解液を駆動用電解液としてセパレーターに含浸し、陽陰極と共に、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで密閉してアルミニウム電解コンデンサを構成することができる。
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
<製造例1>
ジメチルカーボネートの26%メタノール溶液20部に、2,4−ジメチルイミダゾリン10部を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチルカーボネート塩のメタノール溶液を得た。
リン酸トリエチル(TEP:大八化学工業社製)10部を、前記1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチルカーボネート塩のメタノール溶液30部に加え、水10部を添加し、100℃×20時間撹拌することで、リン酸トリエチルを加水分解すると共に、塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ジエチルリン酸エステルモノアニオンのメタノール溶液を得た。上記溶液を−0.03MPa(ゲージ圧)の減圧度、50℃で、メタノールの留出がなくなるまで加熱してメタノールを蒸留した後、温度を50℃から100℃に上昇させて30分加熱してモノメチルカーボネート(HOCOCH)、メタノール及び二酸化炭素(メタノール及び二酸化炭素は、モノメチルカーボネートの熱分解により僅かに生成する。)を蒸留、除去することで、電解質(A−1)(1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ジエチルリン酸エステルモノアニオン)を得た。収率は99%であった。
<製造例2>
撹拌式オートクレーブにトリエチルアミン30部、リン酸トリメチル10部(TMP:大八化学工業社製)及び水3部を仕込み、反応温度110℃にて20時間反応させてトリエチルアンモニウム・ジメチルリン酸エステルモノアニオンを含む溶液を得た。不純分を減圧留去することで、電解質(A−2)(トリエチルアンモニウム・ジメチルリン酸エステルモノアニオン)を得た。
<実施例1>
5.0gの電解質(A−1)を90.0gのγ−ブチロラクトン(B−1)に溶解させた。そこに、エーテルカルボン酸として[2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ]酢酸(シグマ−アルドリッチ社製)(C−1)を5.0g添加し、水分を1.5重量%に調整し、マグネチックスターラーを用い、室温で2時間撹拌することで本発明の電解液を得た。電解質(A−1)及びエーテルカルボン酸(C−1)の濃度は、電解液の重量に基づいて各5重量%及び5重量%であった。
<実施例2>
実施例1において(A−1)を94.5g、(C−1)を0.5gに変更する以外は実施例1と同様にして、本発明の電解液を得た。
<実施例3>
実施例1において(A−1)を75.0g、(C−1)を20.0gに変更する以外は実施例1と同様にして、本発明の電解液を得た。
<実施例4>
実施例1において(C−1)を(2−ブトキシエトキシ)酢酸(シグマ−アルドリッチ社製)(C−2)に変更する以外は実施例1と同様にして、本発明の電解液を得た。
<実施例5>
実施例1において(A−1)を(A−2)に変更する以外は実施例1と同様にして、本発明の電解液を得た。
<実施例6>
実施例1において(B−1)90gを(B−1)45gとスルホラン(B−2)45gの混合溶媒に変更する以外は実施例1と同様にして、本発明の電解液を得た。
<製造例3>
トリエチルアミン10部と[2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ]酢酸22部を25℃、メタノール中で1時間混ぜ合わせた後、メタノールを−0.03MPa(ゲージ圧)の減圧度、50℃で減圧留去する事で[2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ]酢酸・トリエチルアンモニウム塩(C−3)を得た。
<実施例7>
実施例1における(C−1)を(C−3)に変更する以外は実施例1と同様にして、本発明の電解液を得た。
<比較例1>
実施例1において(B−1)を95.0gに変更し、(C−1)を配合しない以外は実施例1と同様にして、比較用の電解液を得た。
<比較製造例4>
金属ナトリウム存在下で、クロロ酢酸10部と1−ノニルアルコール6.5部を25℃、メタノール中で1時間混ぜ合わせた後、分液精製(トルエン/水)
し、有機層を集め、トルエンを−0.07MPa(ゲージ圧)の減圧度、80℃で減圧留去する事で(2−ノナオキシエトキシ)酢酸(C’−4)を得た。
<比較例2>
実施例1において(C−1)を(C’−4)に変更する以外は実施例1と同様にして、比較用の電解液を得た。
<比較例3>
実施例1において(B−1)をエチレングリコール(B’−3)に変更する以外は実施例1と同様にして、比較用の電解液を得た。
<比較製造例5>
無水コハク酸150部と平均分子量400のポリエチレングリコール(PEG−400:三洋化成工業(株)製)300部とに、エステル化反応触媒として酸化カルシウム粉末を添加し、乾燥窒素吹込み下で、温度120℃、圧力5kPaで3時間保持した。その後、大気圧に戻し、温度80℃で酸化カルシウムを濾別し、PEG400−コハク酸ジエステルを得、さらにアンモニアガスを吹込み、PEG400−コハク酸ジエステル二アンモニウム塩(C’−5)を得た。
<比較例4>
実施例1において(C−1)をPEG400−コハク酸ジエステル二アンモニウム塩(C’−5)に変更する以外は実施例1と同様にして、比較用の電解液を得た。
実施例1〜7、及び比較例1〜4で得た電解液を用い、下記の方法で比電導度、耐電圧、耐熱性を測定・評価し、その結果を表1に記載した。
表1中の略号は以下の意味を示す。
A−1:1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ジエチルリン酸エステルモノアニオン
A−2:トリエチルアンモニウム・ジメチルリン酸エステルモノアニオン
B−1:γ−ブチロラクトン
B−2:スルホラン
B’−3:エチレングリコール
C−1:[2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ]酢酸
C−2:(2−ブトキシエトキシ)酢酸
C−3:[2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ]酢酸・トリエチルアンモニウム塩
C’−4: (2−ノナオキシエトキシ)酢酸
C’−5:PEG400−コハク酸ジエステル二アンモニウム塩
Figure 2012209433
比電導度:東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用い、30℃での比電導度を測定した。
耐電圧:陽極に10cmの高圧用化成エッチングアルミニウム箔、陰極に10cmのプレーンなアルミニウム箔を用い、25℃において、2mAの定電流法を負荷したときの電解液の耐電圧を測定した。
耐熱性:電解液10gをバイアル瓶に入れ、ブチルゴム製の蓋で栓をし、アルミキャップで封をした。そのサンプルを105℃にセットした循風乾燥機に入れ100時間後の電導度を測定し、加熱前の初期電導度との電導度低下率を算出した。
実施例1〜7と比較例1〜4を比較すると、電解液に電解質(A)、非プロトン性溶媒(B)並びにエーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)を含有させることで、比電導度を維持しつつ、かつ耐電圧が高く、さらに耐熱性が高い電解液を得ることができることが明らかとなった。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサは、高温下で非常に高い耐久性を有するため、長期間高性能を発揮でき、電装化の進む自動車ならびに各種産業機器用の電子部品として使用するのに有用である。

Claims (3)

  1. 電解質(A)、非プロトン性溶媒(B)、並びに下記一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)を含有するアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
    −O−(AO)−R−COO+ (1)
    (式中、Rは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基;Rは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基;Mは水素イオンまたは1価の有機カチオン;mは、(AO)の平均モル数を表す1〜10の整数を表す。)
  2. (C)が、電解質(A)、非プロトン性溶媒(B)、並びにエーテルカルボン酸及び/又はその塩(C)の合計重量に基づいて0.1〜20重量%含有される請求項1に記載の電解液。
  3. 請求項1又は2に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサ。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015065369A (ja) * 2013-09-26 2015-04-09 日油株式会社 電解コンデンサ用電解液
CN107868104A (zh) * 2016-09-22 2018-04-03 深圳新宙邦科技股份有限公司 一种磷酸二烃基酯盐的制备方法

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