JP2006229176A - 電解液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 有機極性溶媒(C)、カルボン酸(A)および/または該カルボン酸(A)の塩(B)からなる電解液であって、該カルボン酸(A)のアニオン(A0)のCACheシステムのMM3/PM3法で計算した生成エネルギーE(A0)、アルミニウムイオン(D)のCACheシステムのMM3/PM3法で計算した生成エネルギーE(D)、(A0)と(D)のイオン結合物(G)のCACheシステムのMM3/PM3法で計算した生成エネルギーE(G)からなる下式で示されるΔHが−2320kcal/mol以上であることを特徴とする電解液。
ΔH=E(G)−[E(A0)+E(D)]
【選択図】 なし
Description
本発明の課題は、電解液の比電導度の低下を極力抑え、火花電圧が高い電解液を得ることである。
その結果、カルボン酸アニオンとアルミニウムイオンのイオン結合物の生成し易さを示すパラメーターΔHがこの因子であることをつきとめ本発明に到達した。
すなわち本発明は、
有機極性溶媒(C)、カルボン酸(A)および/または該カルボン酸(A)の塩(B)からなる電解液であって、該カルボン酸(A)のアニオン(A0)のCACheシステムのMM3/PM3法で計算した生成エネルギーE(A0)、アルミニウムイオン(D)のCACheシステムのMM3/PM3法で計算した生成エネルギーE(D)、(A0)と(D)のイオン結合物(G)のCACheシステムのMM3/PM3法で計算した生成エネルギーE(G)からなる下式で示されるΔHが−2320kcal/mol以上であることを特徴とする電解液である。
ΔH=E(G)−[E(A0)+E(D)]
電圧印加時にコンデンサの陽極箔から溶出するアルミニウムイオンは、通常電解液中の水酸化イオンと反応して酸化アルミを形成し陽極酸化皮膜の欠損部を修復する。しかし、電解液中のアニオン成分が該アルミニウムイオンと錯体を形成し易い場合、該アルミニウムイオンは陽極酸化皮膜修復に寄与せず高い火花電圧を発現できない。
一方、電解液中のアニオン成分が該アルミニウムイオンと錯体を形成しにくければ、該アルミニウムイオンは陽極酸化皮膜の修復に効率よく使用される。従って、該アルミニウムイオンと電解液中のアニオン成分のΔHを上記の範囲にすれば、アニオン成分が分子量の比較的小さいカルボン酸アニオンであっても高い火花電圧を発現させることができ、比電導度を低下させることなく、火花電圧の高い電解液となる。
MM3/PM3法は、半経験的分子軌道法であるPM3法の一種であり、J.Comp.Chem.10,209−220,1989に記載の計算方法に基づくものである。
本発明において使用する(A0)は、上記ΔHが−2320kcal/mol以上となるものである。
Δei、Δvi:それぞれ原子または原子団の蒸発エネルギー、モル体積。
但し、Tg>25℃の樹脂についてはモル体積に次の値が加算される。
n<3のとき、+Δvi=4n
n≧3のとき、+Δvi=2n
n:ポリマーの最少繰返し単位中の主鎖骨格原子の数。
さらに、上記多価カルボン酸は、ジカルボン酸(AD)であることがさらに好ましい。
上記ジカルボン酸(AD)のうち、下記一般式(1)で示されるもの(A1)が特に好ましい。
R1は直鎖または分岐を有する飽和または不飽和の炭素数4以上18以下の1価の炭化水素基、或いは炭素数4以上18以下のエーテル結合を有する1価の炭化水素基であることが好ましい。高い比電導度と火花電圧の両立の観点から、R1の炭素数は6以上18以下がさらに好ましい。R1としては例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、メチルポリオキシアルキレン基(重合度2〜4、アルキレン基がエチレン基、又はイソプロピレン基)、フェニルポリオキシアルキレン基(重合度2〜4、アルキレン基がエチレン基、又はイソプロピレン基)、−[CH2CH2O]n[CH2]m−CH3(nは1〜4、mは0〜8でn+m≧2)で示される基、−[CH2CH2O]n−(CH2)m−CH[(CH2)qCH3]−(CH2)kCH3(nは1〜4、mは1〜8、kは1〜4、qは1〜3)で示される基等が挙げられる。この内、特に好ましいのは有機極性溶媒(C)への溶解性と耐電圧の向上を両立する観点から、−[CH2CH2O]n[CH2]m−CH3で示される基、−[CH2CH2O]n−(CH2)m−CH[(CH2)qCH3]−(CH2)kCH3(nは1〜4、mは1〜8、kは1〜4、qは1〜3)で示される基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基である。
Br−X−CH2COOEt、Cl−X−CH2COOEt、CH3−(C6H4)−SO3−X−CH2COOEt(Xは上記記載のもの、Etはエチル基)に上記R1を置換基として有するマロン酸メチルエステルまたはエチルエステルを反応温度60℃〜80℃、無溶媒で求核付加反応させ、常法でケン化、脱炭酸する方法を例として挙げることができる。
さらに、上記多価カルボン酸は、ジカルボン酸(AD’)であることがさらに好ましい。
上記ジカルボン酸(AD’)のうち、下記一般式(2)で示されるもの(A2)が特に好ましい。
R2、R3は直鎖または分岐を有する飽和または不飽和の炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基であることが好ましい。R2、R3は同一であっても異なっていても良い。R2、R3としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、−[OCH2CH2]n−OCH3(nは1〜4)、で示される基、−[OCH2CH2(CH3)]n−OCH3(nは1〜3)等が挙げられる。特に好ましいのはメトキシ基、エトキシ基、−[OCH2CH2]n−OCH3(nは1〜4)、で示される基である。ベンゼン環上でのR2、R3の置換位置は、メタ位が好ましい。
Br−Y−Br、Cl−Y−ClまたはCH3−(C6H4)−SO3−Y−SO3−(C6H4)−CH3(Yは上記記載のもの)に上記R2、R3を置換基として有するマロン酸メチルエステルまたはエチルエステルを反応温度60℃〜80℃、無溶媒で求核付加反応させ、常法でケン化、脱炭酸する方法を例として挙げることができる。
アミン塩を構成するアミン(塩基)の例としては、1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン等)、2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン等)、3級アミン[トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等]が挙げられる。これらのうちで好ましいのはアンモニウム塩及びトリエチルアミン塩であり、特に好ましいのはアンモニウム塩である。
(C)の具体例としては以下のものが挙げられる。
(1)アルコール類;
1価アルコール;炭素数1〜6の1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなど)、炭素数7以上の1価アルコール(ベンジルアルコール、オクタノールなど)、
2価アルコール;炭素数1〜6の2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、炭素数7以上の2価アルコール(オクチレングリコールなど)、
3価アルコール;炭素数1〜6の3価アルコール(グリセリンなど)、
4価から6価またはそれ以上のアルコール;炭素数1〜6の4価から6価またはそれ以上のアルコール(ヘキシトールなど)、
(2)エーテル類;
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)など。
(3)アミド類;
ホルムアミド類(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド類(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミドなど)、オキサゾリジノン類(N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど)。
(4)ラクトン類;
α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
(5)ケトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノンなど。
(6)ニトリル類;
アセトニトリル、アクリロニトリルなど。
(7)カーボネート類;
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど。
(8)その他の有機極性溶剤;
ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなど。
上記の中で、炭素数1〜6の2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)が好ましく、エチレングリコールがさらに好ましい。
上記非極性溶媒の含量は、電解液合計重量に対して20重量%以下であることが好ましい。
電解コンデンサ用電解液は必要により、水を含有させることが出来る。その含有量は、電解液の合計重量に対して10重量%以下である。
該添加剤としては、リン酸誘導体(例えば、リン酸、リン酸エステルなど)、ホウ酸誘導体(例えば、ホウ酸、ホウ酸と多糖類〔マンニット、ソルビットなど〕との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール〔エチレングリコール、グリセリンなど〕との錯化合物など)、ニトロ化合物(例えば、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノールなど)などを挙げることができる。
また必要に応じ、化成性の向上や、比電導度のさらなる向上の目的で、1級カルボキシル基を有するカルボン酸や、芳香族カルボキシル基を有するカルボン酸等を少量混合することが出来る。具体例としては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,6デカンジカルボン酸、2−メチルアゼライン酸、安息香酸等が挙げられる。
上記添加剤の合計添加量は、(A)、(B)及び(C)の合計重量に基づいて、10重量%以下が好ましい。
カルボン酸(A)の塩(B)を製造する際は、電解液のpHがこの範囲となるような条件が選択される。なお該電解液のpHは電解液原液の25℃の分析値である。
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、%は重量%を示す。
[ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルのトシル化物の製造]
3L4つ口フラスコにジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシル218.0g(1mol)とドライピリジン900mlを仕込み、塩化p−トルエンスルホニルをドライトルエン600mlに溶解せしめた液を撹拌下、フラスコ内容物の温度が10℃以下を保つようにしながら滴下した後、4hr反応させ、さらに室温で12hr熟成した。反応物をトルエンで抽出し、抽出液を1Nの塩酸、ついで10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、トルエンをトッピングして、下式で示される(P−1)300gを得た。
[ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルマロン酸ジエチルの製造]
3L4つ口フラスコで、マロン酸ジエチル256.3g(1.6mol)と20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液544.0g(1.6mol)の混合物を70℃で加熱撹拌し、その混合液に上記の(P−1)の50%トルエン溶液1191.0g(1.6mol)を滴下した。加熱還流下で9時間反応させた後、生成したp−トルエンスルホン酸ナトリウムを濾別し、蒸留して、下式で示されるマロン酸ジエチル誘導体(Q−1)500gを得た。
2L4つ口フラスコで、上記の(Q−1)360.3g(1mol)と20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液340.0g(1mol)の混合物を加熱撹拌した。その混合液に6−クロロヘキサンカルボン酸エチルの50%トルエン溶液328.2g(0.5mol)を滴下し、加熱還流下で36時間反応させた。反応物を酢酸エチルで抽出し、10N水酸化カリウム水溶液ついで6N塩酸で処理し、脱溶媒後テトラカルボン酸を得た。得られたテトラカルボン酸をピリジンに溶解し、加熱還流下で脱炭酸して、下式(A−1)で示されるジカルボン酸を得た。得られた(A−1)19.4g(0.05mol)をエチレングリコール80gに溶解せしめ、アンモニアガスをパージし、pH=7.0になった時点でパージをやめ、ジカルボン酸ジアンモニウム塩溶液(B−1)を得た。
[m−メトキシフェノールのトシル化物の製造]
製造例1のジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシル218.0g(1mol)の代わりにm−メトキシフェノール124.0gを用いた以外は製造例1と同様にして下式で示されるm−メトキシフェノールのトシル化物(P−2)を得た。
[m−メトキシフェニルマロン酸ジエチルの製造]
製造例2の(P−1)の50%トルエン溶液1191.0g(1.6mol)の代わりに(P−2)の50%トルエン溶液947.5g(1.6mol)を用いた以外は製造例2と同様にして下式で示されるマロン酸ジエチル誘導体(Q−2)400gを得た。
2L4つ口フラスコで、上記の(Q−2)162.1g(1mol)と20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液340.0g(1mol)の混合物を70℃で加熱撹拌した。その混合液に1,6−ジクロロヘキサンの50%トルエン溶液310.2g(0.5mol)を滴下し、加熱還流下で36時間反応させた。その後、実施例1と同様にして下式(A−2)で示されるジカルボン酸を得た。得られた(A−2)20.71g(0.05mol)をエチレングリコール80gに溶解せしめ、実施例1と同様にしてジカルボン酸ジアンモニウム塩溶液(B−2)を得た。
[臭化オレイン酸エチルの製造]
3L4つ口フラスコにオレイン酸エチル310.5g(1mol)と臭化カリウム357.0g(3mol)と硫酸1002.3g(4mol)を仕込み、80℃で3時間反応させた。反応物をトルエンで抽出し、抽出液を1Nの塩酸、ついで10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、トルエンをトッピングして、下式で示される(P−3)800gを得た。
2L4つ口フラスコで、ブチルマロン酸ジエチル216.3g(1mol)と20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液340.0g(1mol)の混合物を70℃で加熱撹拌した。その混合液に上記(P−3)の50%トルエン溶液391.4g(1mol)を滴下し、加熱還流下で36時間反応させた。その後、実施例1と同様にして下式(A−3)で示されるジカルボン酸を得た。得られた(A−3)26.31g(0.05mol)をエチレングリコール80gに溶解せしめ、実施例1と同様にしてジカルボン酸ジアンモニウム塩溶液(B−3)を得た。
[1-ブロモアルカン(C18)の製造]
3L4つ口フラスコに炭素数18のα−オレフィン420.8g(1.5mol)と臭化水素の酢酸溶液(33%)1103.1g(3mol)とベンゾイルパーオキサイド10.9g(0.06mol)を仕込み、20℃で12時間反応させた。反応物をトルエンで抽出し、抽出液を10%リン酸、ついで10%水酸化ナトリウムで洗浄した後、トルエンをトッピングして、下式で示される(P−4)450gを得た。
3L4つ口フラスコで、マロン酸ジエチル160.2g(1mol)と20%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(28%)385.9g(2mol)の混合物を70℃で加熱撹拌した。その混合液にブロモヘキサン酸エチル223.1g(1mol)の50%トルエン溶液を滴下し、加熱還留下で18時間反応させた。ついで上記(P−4)333.4g(1mol)の50%トルエン溶液を滴下し、加熱還流下で36時間反応させた。その後、実施例1と同様にして下式(A−4)で示されるジカルボン酸を得た。得られた(A−4)21.3g(0.05mol)をエチレングリコール80gに溶解せしめ、実施例1と同様にしてジカルボン酸ジアンモニウム塩溶液(B−4)を得た。
実施例4で示した(A−4)21.3g(0.05mol)をエチレングリコール80gに溶解せしめ、25%アンモニア水6.1g(0.09mol)、トリエチルアミン1.0g(0.01mol)を加えて中和した(アンモニアとトリエチルアミンのmol比=1.8:0.2)後、60℃、減圧下で水分を留去してジカルボン酸のアンモニウム、トリエチルアミン混合塩(B−5)を得た。
下式で示されるn−オクタデカンジカルボン酸[東京化成(株)製](A−6’)15.03(0.06mol)をエチレングリコール80gに溶解せしめ、アンモニアガスをパージし、pH=7.0になった時点でパージをやめ、ジカルボン酸ジアンモニウム塩溶液(B−6’)を得た。
ブチルマロン酸ジエチル216.3gをドライベンゼン700mlに溶解した溶液に、ナトリウムエトキシド68.5gをドライエタノール60ml中に溶解した溶液を添加し、加熱還流下で15分間反応させた。その反応液に、1,6−ジブロモヘキサン116.2gをドライベンゼン190mlに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。加熱還流下で12時間反応させた。反応物をエチルエーテルで抽出し、10N水酸化カリウムついで6N塩酸で処理し、テトラカルボン酸を得た。得られたテトラカルボン酸をピリジンに溶解し、加熱還流下で脱炭酸し、下式(A−7’)で示す2,9−ジブチルセバシン酸を得た。得られた(A−7’)10.89(0.05mol)をエチレングリコール80gに溶解せしめ、アンモニアガスをパージし、pH=7.0になった時点でパージをやめ、ジカルボン酸ジアンモニウム塩溶液(B−7’)を得た。
比電導度:東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用い、30℃での比電導度を測定した。
火花電圧:10cm2の高圧用化成エッチングアルミ箔を用い、定電流法(2mA)を負荷したときの電解液の放電電圧を測定した。
Claims (17)
- 有機極性溶媒(C)、並びに、カルボン酸(A)および/または該カルボン酸(A)の塩(B)からなる電解液であって、該カルボン酸(A)のアニオン(A0)のCACheシステムのMM3/PM3法で計算した生成エネルギーE(A0)、アルミニウムイオン(D)のCACheシステムのMM3/PM3法で計算した生成エネルギーE(D)、(A0)と(D)のイオン結合物(G)のCACheシステムのMM3/PM3法で計算した生成エネルギーE(G)からなる下式で示されるΔHが−2320kcal/mol以上であることを特徴とする電解液。
ΔH=E(G)−[E(A0)+E(D)] - Fedors法によって計算した上記カルボン酸(A)の溶解性パラメーターと上記有機極性溶媒(C)の溶解性パラメーターとの差の絶対値が4以上9以下である請求項1に記載の電解液。
- 上記カルボン酸(A)が、第1級カルボキシル基を有し、かつα位の置換基が炭素数5以上18以下である第2級カルボキシル基及び/又はα位の置換基が炭素数1以上18以下である第3級カルボキシル基を有する多価カルボン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解液。
- 上記カルボン酸(A)がジカルボン酸(AD)であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電解液。
- 上記カルボン酸(A)が、α位に電子吸引性の置換基及び/又は芳香族基を有する多価カルボン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解液。
- 上記カルボン酸(A)がジカルボン酸(AD’)であることを特徴とする請求項1、2、5の何れか1項に記載の電解液。
- 上記ジカルボン酸(AD’)の一般式(2)において、R2およびR3がメタ位置換である請求項8記載の電解液。
- 上記カルボン酸(A)の分子量が380以上500以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の電解液。
- 上記カルボン酸(A)の塩(B)がアンモニウム塩および/またはアミン塩である請求項1〜13のいずれか1項に記載の電解液。
- 上記カルボン酸(A)の塩(B)が(A)をアンモニアとアミンで中和した塩であり、アンモニアとアミンのmol比が(1.99:0.01)〜(1:1)である請求項1〜14のいずれか1項に記載の電解液。
- 上記有機極性溶媒(C)がエチレングリコールである請求項1〜15のいずれか1項に記載の電解液。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電解コンデンサ。
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