JP2001143969A - 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ

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JP2001143969A
JP2001143969A JP32039099A JP32039099A JP2001143969A JP 2001143969 A JP2001143969 A JP 2001143969A JP 32039099 A JP32039099 A JP 32039099A JP 32039099 A JP32039099 A JP 32039099A JP 2001143969 A JP2001143969 A JP 2001143969A
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Ryota Nagamatsu
亮太 永松
Toshiyuki Kiryu
俊幸 桐生
Nagamitsu Shindo
修光 進藤
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Japan Carlit Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火花電圧がより高く、低温、高温でも安定し
た特性を有する電解コンデンサを得ることのできる電解
コンデンサ用電解液を提供。 【解決手段】 出発原料であるオレイン酸の二重結合の
解離によって起こる電荷移動部への一酸化炭素付加カル
ボキシル化反応により、下式<A>〜<E>で表される
カルボキシル基分岐を有するアルキルジカルボン酸を2
種以上含む混合物得る。前記混合物またはそのアミン塩
を電解質として、有機極性溶媒等に溶解させた電解コン
デンサ用電解液と、これを用いて作製した電解コンデン
サである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解コンデンサ用
電解液及び該電解液を用いて作製した電解コンデンサに
関する。
【0002】
【従来の技術】特公昭31−8971号公報には、電解
質であるホウ酸またはその塩を、エチレングリコール等
の有機極性溶媒に溶解させた電解コンデンサ用電解液が
開示されているが、この電解コンデンサ用電解液は、電
導度が低く、またホウ酸とエチレングリコールとのエス
テル化により水が生成し、高温では、水蒸気が発生して
内圧が上昇し、電解コンデンサの外装ケースの破損を起
こすという欠点があった。
【0003】上記欠点を改良するため、特公昭47−3
0461号公報には、電解質としてアゼライン酸、セバ
シン酸等の直鎖アルキルジカルボン酸またはその塩を用
いることが開示されている。直鎖アルキルジカルボン酸
は、有機極性溶媒に対する溶解度が低く、室温以下で
は、結晶が析出しやすく、低温における電解コンデンサ
の特性が劣化する。
【0004】上記低温での特性劣化を改善させることを
目的として、特公昭60−13293号公報及び特公昭
63−15738号公報には、電解質としてブチルオク
タン二酸、5,6−デカンジカルボン酸等の分岐アルキ
ルジカルボン酸またはその塩を用いることが開示されて
いる。分岐アルキルジカルボン酸またはその塩は、有機
極性溶媒に対する溶解度が高く、低温における電解コン
デンサの特性劣化を抑制することができる。また、分岐
アルキルジカルボン酸またはその塩とエチレングリコー
ルとのエステル化反応が遅いので、水の生成が少なく、
高温における電解コンデンサの特性を安定化させること
ができる。
【0005】しかしながら、近年、電解コンデンサの使
用範囲の拡大に伴い、さらに火花電圧がより高く、かつ
より安定した特性を有する電解コンデンサが要望されて
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、火花
電圧がより高く、低温、高温でも安定した特性を有する
電解コンデンサを得ることのできる電解コンデンサ用電
解液を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、オレイン酸を出発原
料として合成した特定構造のカルボキシル基分岐を有す
るアルキルジカルボン酸またはその塩を電解質とした電
解コンデンサ用電解液及び該電解液を用いて作製した電
解コンデンサが、上記課題を解決し得ることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、下式<A>、<B
>、<C>、<D>、<E>で表されるカルボキシル基
分岐を有するアルキルジカルボン酸またはその塩からな
る群から選ばれる少なくとも2種以上の電解質と、有機
極性溶媒とを含有してなることを特徴とする電解コンデ
ンサ用電解液であり、また、該電解液を用いて作製した
電解コンデンサである。
【0009】
【化3】
【0010】上記<A>〜<E>で表されるカルボキシ
ル基分岐を有するアルキルジカルボン酸は、下式<G>
で表されるオレイン酸を出発原料とし、該オレイン酸の
二重結合の解離によって起こる電荷移動部への一酸化炭
素付加によるカルボキシル化反応を行わせることにより
得られる。
【0011】
【化4】
【0012】出発原料であるオレイン酸は、天然物中に
も存在し、オリーブ油、ツバキ油等ほとんどの動植物油
中に含有されており、工業用オレイン酸として安価に入
手することができる。
【0013】カルボキシル化反応としては、a)オレイ
ン酸及び蟻酸ないしは一酸化炭素を出発原料とし、硫酸
によりKoch反応(J.Am.Oil.Chem.S
oc.,54巻,6号,251頁(1977))させる
か、b)オレイン酸及び一酸化炭素を出発原料とし、ニ
ッケルカルボニルによりReppe反応(acetyl
ene and carbon monoxide c
hemistry,269頁,(1949年))させる
こと等があげられる。
【0014】a)反応では、出発原料のオレイン酸が、
硫酸により下式のように異性化を受けることによリ、本
発明に用いられるカルボキシル基分岐を有するアルキル
ジカルボン酸が得られる。反応は1段階工程であり、酸
廃液と一酸化炭素は再利用可能であり、産業廃棄物がほ
とんど生成せず、簡便かつ経済的である。
【0015】
【化5】
【0016】b)反応では、下式(式中、Xはハロゲン
を表す。)に示すように、ニッケルカルボニルにより、
出発原料のオレイン酸の二重結合に、カルボキシル化反
応が起こり、本発明に用いられるカルボキシル基分岐を
有するアルキルジカルボン酸が得られる。反応は1段階
工程であり、副生物が生成し難く、簡便かつ経済的であ
る。
【0017】
【化6】
【0018】本発明に用いられるカルボキシル基分岐を
有するアルキルジカルボン酸塩は、下記一般式<F>で
表されるアミンをカチオン成分とする塩である。
【0019】
【化7】
【0020】式中、R1、R2、R3及びR4は、水素原子
または炭素数1〜4のアルキル基(分岐を有していても
よい)であり、同一であっても異なっていてもよい。
【0021】カチオン成分となる上記一般式<F>で表
されるアミンとしては、アンモニア、公知の一級アミ
ン、二級アミン、三級アミンまたは四級アンモニウムが
あげられ、少なくとも1種以上が用いられる。
【0022】本発明に用いられる有機極性溶媒として
は、電解コンデンサ用電解液の溶媒として一般に用いら
れているエチレングリコール等、公知の有機極性溶媒を
用いることができ、少なくとも1種以上が用いられる。
【0023】本発明に用いられるカルボキシル基分岐を
有するアルキルジカルボン酸またはその塩は、電解コン
デンサ用電解液の全質量に対し、通常1〜80質量部で
あり、好ましくは10〜60質量部である。なお、電解
質として、他の公知の有機酸またはその塩を電解質とし
て併用しても差し支えなく、この場合、カルボキシル基
分岐を有するアルキルジカルボン酸またはその塩の量が
10質量部より小でも、上記10質量部と同等の特性を
有する電解コンデンサが得られる。
【0024】また、本発明の電解コンデンサ用電解液に
は、必要に応じ、耐電圧を高めるためにマンニット、ソ
ルビット等の多価アルコールやノニオン性界面活性剤等
が、あるいは腐食抑制のためにニトロ化合物等が添加さ
れる。
【0025】本発明に用いられるカルボキシル基分岐を
有するアルキルジカルボン酸またはその塩は、従来の分
岐アルキルジカルボン酸またはその塩と比べ、分子量が
大きく、かつ分子量が大きいにもかかわらず、アルキル
基の立体障害により、有機極性溶媒に対する溶解度が非
常に高い。
【0026】本発明に用いられるカルボキシル基分岐を
有するアルキルジカルボン酸またはその塩を用いた電解
コンデンサ用電解液は、高電導度であり、また低温でも
結晶が析出せず、該電解液を用いて作製された電解コン
デンサは、火花電圧がより高く、かつ低温での特性も安
定している。
【0027】また、本発明に用いられるカルボキシル基
分岐を有するアルキルジカルボン酸またはその塩を電解
質として用いた電解コンデンサ用電解液は、アルキル基
の立体障害により、カルボキシル基とエチレングリコー
ルとのエステル化が抑制され、安定であり、該電解液を
用いて作製された電解コンデンサは、高温での特性がよ
り安定している。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、合
成例及び実施例に基き説明する。なお、実施例中の
「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を表す。本発
明は、これらの合成例及び実施例になんら限定されな
い。
【0029】合成例1 容量2Lの反応容器中に、濃硫酸98gとN−ペンタン
30mlを入れ、温度10℃に冷却し、オレイン酸35
gと蟻酸12gを徐々に滴下した後、攪拌下、2時間反
応させる。ついで、氷水100gを加えて反応を停止し
た後、ジエチルエーテルで抽出し、水で洗浄した後、ジ
エチルエーテルを留去して、橙色液体37gを得た。
【0030】得られた橙色液体の酸価を中和滴定法(J
IS−K0070準拠)により測定したところ、310
mgKOH/g(理論量320mgKOH/g)であ
り、ジカルボン酸であることが確認された。
【0031】また、得られた橙色液体をメチルエステル
化させ、ガスクロマトグラム(ヒューレットパッカード
社製5890A)及び質量スペクトル装置(ヒューレッ
トパッカード社製5971A、MASS SELECT
IVE DETECTOR)を用いて、ガスクロマトグ
ラフ−質量スペクトル装置結合分析法(以下「GC−M
S法」と略記)を行った。
【0032】GC−MS法により測定されたマススペク
トル(m/e)の内、下式(式中、RはHまたはCH3
を表す。)において、(1)の部分での解離をαとし、
(2)の部分での解離をβとすると、αが186、20
0及び214であり、βが258、244及び230で
あり、<C>、<D>及び<E>の3種類のカルボキシ
ル基分岐を有するアルキルジカルボン酸を主体とする混
合物であることが確認された。
【0033】
【化8】
【0034】得られた橙色液体10gに25%アンモニ
ア水4.2gを加え、室温で30分攪拌した後、過剰の
アンモニア水を留去した後、乾燥して、本発明で用いら
れるカルボキシル基分岐を有するアルキルジカルボン酸
アンモニウム(以下、「合成1−アンモニウム塩」と略
記)10gを得た。
【0035】また、得られた橙色液体10gに、二級ア
ミンであるイソプロピルアミン3.6gを加え、上記と
同様にして、本発明で用いられるカルボキシル基分岐を
有するアルキルジカルボン酸イソプロピルアミン「合成
1−イソプロピルアミン塩」11gを得た。
【0036】合成例2 容量2Lの反応容器に、濃硫酸690gとN−ペンタン
300mlを入れ、温度10℃に冷却し、一酸化炭素を
吹き込みながら、オレイン酸35gを徐々に滴下した
後、攪拌下、6時間反応させた。ついで、氷水700g
を加えて反応を停止した後、ジエチルエーテルで抽出
し、水で洗浄した後、ジエチルエーテルを留去して、橙
色液体35gを得た。
【0037】得られた橙色液体の酸価を、合成例1と同
様にして測定したところ、305mgKOH/g(理論
量320mgKOH/g)であり、ジカルボン酸がであ
ることが確認された。
【0038】また、得られた橙色液体をメチルエステル
化させ、合成例1と同様にして、GC−MS法により測
定したマススペクトルは、αが186、200、18
6、200及び214であり、βが244、230、2
58、244及び230であり、<A>、<B>、<C
>、<D>及び<E>の5種類のカルボキシル基分岐を
有するアルキルジカルボン酸を主体とする混合物である
ことが確認された。
【0039】得られた橙色液体10gに25%アンモニ
ア水4.2gを加え、室温で30分攪拌した後、過剰の
アンモニア水を留去した後、乾燥して、本発明で用いら
れるカルボキシル基分岐を有するアルキルジカルボン酸
アンモニウム(以下、「合成2−アンモニウム塩」と略
記)11gを得た。
【0040】また、得られた橙色液体10gに二級アミ
ンであるジエチルアミン4.5gを加え、上記と同様に
して、本発明で用いられるカルボキシル基分岐を有する
アルキルジカルボン酸ジエチルアミン(以下、「合成2
−ジエチルアミン塩」と略記)12gを得た。
【0041】合成例3 容量100mlのオートクレーブ(SUS316製)中
に、オレイン酸7g、水1.8g、ニッケルカルボニル
1.8g及びヨウ化ニッケル0.25gを入れ、一酸化
炭素雰囲気中、20MPaの圧力下、温度270℃で1
8時間反応させた。ついで、常温、常圧に戻した後、ジ
エチルエーテルで抽出し、水で洗浄した後、ジエチルエ
ーテルを留去して、橙色液体5gを得た。
【0042】得られた橙色液体の酸価を、合成例1と同
様にして測定したところ、300mgKOH/g(理論
量320mgKOH/g)であり、ジカルボン酸がであ
ることが確認された。
【0043】また、得られた橙色液体をメチルエステル
化し、合成例1と同様にして、GC−MS法により測定
したマススペクトルは、αが186及び200であり、
βが244及び230であり、<A>及び<B>の2種
類のカルボキシル基分岐を有するアルキルジカルボン酸
を主体とする混合物であることが確認された。
【0044】得られた橙色液体5gに25%アンモニア
水2.1gを加え、室温で30分攪拌した後、過剰のア
ンモニア水を留去した後、乾燥して、本発明で用いられ
るカルボキシル基分岐を有するアルキルジカルボン酸ア
ンモニウム(以下、「合成3−アンモニウム塩」と略
記)6gを得た。
【0045】実施例1 電解質として合成例1で得られた「合成1−アンモニウ
ム塩」15部、有機極性溶媒としてエチレングリコール
84部及び水1部を混合して、本発明の電解コンデンサ
用電解液を調製した。電解液の組成を表1に示す。
【0046】また、純度99.99%のアルミニウム箔
を陽極及び陰極(電極面積1cm2、極間距離1cm)
とし、ガラス容器中の前記電解液中に浸漬し、定電流で
陽極酸化し、形成された陽極酸化皮膜が破壊された時の
火花電圧(日本蓄電器工業(株)発行「電解液陰極アルミ
ニウム電解コンデンサ」、永田伊佐地著、283頁(1
997年)を参照)を測定したところ、505Vであっ
た。結果を表2に示す。
【0047】上記電解コンデンサ用電解液を、恒温槽
(ヤマト科学(株)製DS−64)中、温度105℃で1
000時間保持し、熱劣化試験を行った。
【0048】電導度計(横川電機(株)製SC82)を用
いて測定した電導度は、試験前が1.48mS/cmで
あり、試験後が1.21mS/cmであった。結果を表
2に示す。
【0049】微量水分率測定装置(平沼産業(株)製AQ
−7)を用いて測定した、電解コンデンサ用電解液中の
水分率は、試験前が0.98%であり、試験後が1.5
0%であった。結果を表2に示す。
【0050】電解コンデンサ用電解液のpHは、試験前
が6.54であり、試験後が6.80であった。結果を
表2に示す。
【0051】また、上記電解コンデンサ用電解液の低温
における溶解性について、温度−20℃、−40℃、−
60℃の各温度まで冷却し、結晶の析出の有無を目視で
確認したところ、各温度共、結晶の析出は見られなかっ
た。結果を表3に示す。
【0052】実施例2 電解質として合成例1で得られた「合成1−アンモニウ
ム塩」60部、有機極性溶媒としてエチレングリコール
34部及び水1部を混合して、本発明の電解コンデンサ
用電解液を調製した。電解液の組成を表1に示す。
【0053】実施例1と同様にして測定した火花電圧
は、500Vであった。結果を表2に示す。
【0054】電解コンデンサ用電解液の熱劣化試験を、
実施例1と同様に行ったところ、電導度は、試験前2.
01mS/cm、試験後1.61mS/cmであり、水
分率は、試験前1.01%、試験後1.53%であり、
pHは、試験前6.53、試験後6.81であった。結
果を表2に示す。
【0055】また、電解コンデンサ用電解液の低温溶解
性試験は、実施例1と同様であった。結果を表3に示
す。
【0056】実施例3 電解質として合成例1で得られた「合成1−イソプロピ
ルアミン塩」20部、有機極性溶媒としてエチレングリ
コール79部及び水1部を混合して、本発明の電解コン
デンサ用電解液を調製した。電解液の組成を表1に示
す。
【0057】実施例1と同様にして測定した火花電圧
は、495Vであった。結果を表2に示す。
【0058】電解コンデンサ用電解液の熱劣化試験を、
実施例1と同様に行ったところ、電導度は、試験前1.
51mS/cm、試験後1.29mS/cmであり、水
分率は、試験前0.98%、試験後1.55%であり、
pHは、試験前6.57、試験後6.88であった。結
果を表2に示す。
【0059】また、電解コンデンサ用電解液の低温溶解
性試験は、実施例1と同様であった。結果を表3に示
す。
【0060】実施例4 電解質として合成例1で得られた「合成1−ジエチルア
ミン塩」20部、有機極性溶媒としてエチレングリコー
ル79部及び水1部を混合して、本発明の電解コンデン
サ用電解液を調製した。電解液の組成を表1に示す。
【0061】実施例1と同様に測定した火花電圧は、5
15Vであった。結果を表2に示す。
【0062】電解コンデンサ用電解液の熱劣化試験を、
実施例1と同様にして行ったところ、電導度は、試験前
1.34mS/cm、試験後1.07mS/cmであ
り、水分率は、試験前0.98%、試験後1.55%で
あり、pHは、試験前6.51、試験後6.81であっ
た。結果を表2に示す。
【0063】また、電解コンデンサ用電解液の低温溶解
性試験は、実施例1と同様であった。結果を表3に示
す。
【0064】実施例5 電解質として「合成2−アンモニウム塩」15部、有機
極性溶媒としてエチレングリコール84部及び水1部を
混合して、本発明の電解コンデンサ用電解液を調製し
た。電解液の組成を表1に示す。
【0065】実施例1と同様にして測定した火花電圧
は、510Vであった。結果を表2に示す。
【0066】電解コンデンサ用電解液の熱劣化試験を、
実施例1と同様にして行ったところ、電導度は、試験前
1.38mS/cm、試験後1.12mS/cmであ
り、水分率は、試験前1.04%、試験後1.51%で
あり、pHは、試験前6.55、試験後6.83であっ
た。結果を表2に示す。
【0067】また、電解コンデンサ用電解液の低温溶解
性試験は、実施例1と同様であった。結果を表3に示
す。
【0068】実施例6 電解質として合成例3で得られた「合成3−アンモニウ
ム塩」15部、有機極性溶媒としてエチレングリコール
84部及び水1部を混合して、本発明の電解コンデンサ
用電解液を調製した。電解液の組成を表1に示す。
【0069】実施例1と同様にして測定した火花電圧
は、500Vであった。結果を表2に示す。
【0070】電解コンデンサ用電解液の熱劣化試験を、
実施例1と同様にして行ったところ、電導度は、試験前
1.53mS/cm、試験後1.20mS/cmであ
り、水分率は、試験前1.06%、試験後1.53%で
あり、pHは、試験前6.58、試験後6.87であっ
た。結果を表2に示す。
【0071】また、電解コンデンサ用電解液の低温溶解
性試験は、実施例1と同様であった。結果を表3に示
す。
【0072】実施例7 電解質として合成例1で得られた「合成1−アンモニウ
ム塩」5部及びアゼライン酸アンモニウム1部、有機極
性溶媒としてエチレングリコール93部及び水1部を混
合して、本発明の電解コンデンサ用電解液を調製した。
電解液の組成を表1に示す。
【0073】実施例1と同様にして測定した火花電圧
は、490Vであった。結果を表2に示す。
【0074】電解コンデンサ用電解液の熱劣化試験を、
実施例1と同様にして行ったところ、電導度は、試験前
1.31mS/cm、試験後1.00mS/cmであ
り、水分率は、試験前1.03%、試験後1.63%で
あり、pHは、試験前6.58、試験後6.88であっ
た。結果を表2に示す。
【0075】また、電解コンデンサ用電解液の低温溶解
性試験は、実施例1と同様であった。結果を表3に示
す。
【0076】比較例1 電解質としてアゼライン酸アンモニウム5部、有機極性
溶媒としてエチレングリコール94部と水1部を混合さ
せて、電解コンデンサ用電解液を調製した。電解液の組
成を表1に示す。
【0077】実施例1と同様にして測定した火花電圧
は、410Vであった。結果を表2に示す。
【0078】電解コンデンサ用電解液の熱劣化試験を、
実施例1と同様にして行ったところ、電導度は、試験前
1.33mS/cm、試験後0.61mS/cmであ
り、水分率は、試験前1.02%、試験後2.14%で
あり、pHは、試験前6.50、試験後6.97であっ
た。結果を表2に示す。
【0079】また、電解コンデンサ用電解液の低温溶解
性試験を、実施例1と同様にして行ったところ、温度−
20℃で、結晶の析出が見られた。結果を表3に示す。
【0080】比較例2 電解質としてセバシン酸アンモニウム5部、有機極性溶
媒としてエチレングリコール94部及び水1部を混合さ
せて、電解コンデンサ用電解液を調製した。電解液の組
成を表1に示す。
【0081】実施例1と同様にして測定した火花電圧
は、430Vであった。結果を表2に示す。
【0082】電解コンデンサ用電解液の熱劣化試験を、
実施例1と同様にして行ったところ、電導度は、試験前
1.10mS/cm、試験後0.66mS/cmであ
り、水分率は、試験前1.05%、試験後2.02%で
あり、pHは、試験前6.50、試験後7.12であっ
た。結果を表2に示す。
【0083】また、電解コンデンサ用電解液の低温溶解
性試験を、実施例1と同様にして行ったところ、温度−
20度で、結晶の析出が見られた。結果を表3に示す。
【0084】比較例3 電解質として1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム
5部と、有機極性溶媒としてエチレングリコール94部
及び水1部を混合させて、電解コンデンサ用電解液を調
製した。電解液の組成を表1に示す。
【0085】実施例1と同様にして測定した火花電圧
は、440Vであった。結果を表2に示す。
【0086】電解コンデンサ用電解液の熱劣化試験を、
実施例1と同様にして行ったところ、電導度は、試験前
1.34mS/cm、試験後1.01mS/cmであ
り、水分率は、試験前0.90%、試験後1.65%で
あり、pHは、試験前6.52、試験後6.86であっ
た。結果を表2に示す。
【0087】また、電解コンデンサ用電解液の低温溶解
性試験を、実施例1と同様にして行ったところ、温度−
60℃で、液が微濁した。結果を表3に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】表2より、比較例と比べ、火実施例の火花
電圧が高いことが明らかであり、また、熱劣化試験前の
電導度は、同等またはそれ以上であった。
【0091】また、実施例は、比較例と比べ、熱劣化試
験前と温度105℃×1000時間後の電導度の低下が
同等またはそれ以下であり、水分率及びpHの増加がよ
り小さく、熱劣化がより小さく、安定性が高い。
【0092】
【表3】
【0093】表3より、比較例は、温度−60℃で、微
濁〜結晶析出がみられたのに対し、実施例では、温度−
60℃でも、結晶が析出せず、低温における安定性が優
れていることがわかる。
【0094】
【発明の効果】本発明の電解コンデンサ用電解液を用い
た電解コンデンサは、従来の電解コンデンサに比し、火
花電圧がより高い。
【0095】本発明に用いられるカルボキシル基分岐を
有するアルキルジカルボン酸またはその塩は、従来の分
岐アルキルジカルボン酸またはその塩と比べ、分子量が
大きく、かつアルキル基の立体障害により、有機極性溶
媒に対する溶解度が非常に高いので、上記酸またはその
塩を電解質として用いた本発明の電解コンデンサ用電解
液は、高電導度であり、また温度−60℃でも結晶が析
出せず、該電解液を用いて作製された電解コンデンサ
は、低温における特性が安定している。
【0096】本発明の電解コンデンサ用電解液は、温度
105℃×1000時間の熱劣化試験後でも、電導度の
低下、水分率及びpHの増加が小さいので、該電解液を
用いて作製された電解コンデンサは、高温での安定性に
優れている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式<A>、<B>、<C>、<D>、
    <E>で表されるカルボキシル基分岐を有するアルキル
    ジカルボン酸またはその塩からなる群から選ばれる少な
    くとも2種以上の電解質と、有機極性溶媒とを含有して
    なることを特徴とする電解コンデンサ用電解液。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカルボキシル基分岐を
    有するアルキルジカルボン酸塩が、下記一般式<F>で
    表されるアミンをカチオン成分とする塩であることを特
    徴とする電解コンデンサ用電解液。 【化2】 (式中、R1、R2、R3及びR4は、水素原子または炭素
    数1〜4のアルキル基(分岐を有していてもよい)であ
    り、同一であっても異なっていてもよい。)
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電解コ
    ンデンサ用電解液を用いて作製した電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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