JP2000068155A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JP2000068155A
JP2000068155A JP24912898A JP24912898A JP2000068155A JP 2000068155 A JP2000068155 A JP 2000068155A JP 24912898 A JP24912898 A JP 24912898A JP 24912898 A JP24912898 A JP 24912898A JP 2000068155 A JP2000068155 A JP 2000068155A
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JP
Japan
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alkyl group
carbon atoms
electrolytic solution
hydrogen atom
acid
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JP24912898A
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Makoto Shimizu
誠 清水
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Original Assignee
Nippon Chemi Con Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火花電圧が高く、かつ高温寿命特性の良好な
中高圧用の電解液を提供する。 【解決手段】 エチレングリコールを主体とする溶媒中
に、硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはその塩を一
種又は二種以上を溶解した電解液に、(化1)で示され
る総炭素数11〜18の脂肪族カルボン酸化合物あるい
はその塩を0.1〜10重量%添加した電解液であり、
火花電圧が高く、高温長寿命特性が良好である。したが
って、本発明の電解液を用いることによって、耐電圧及
び過電圧特性が良好で、さらに、寿命試験後の容量変
化、tanδ変化の低い、寿命特性の良好な電解コンデ
ンサを得ることができる。 【化1】 (式中、R1 は炭素数2〜4のアルキル基または水素原
子であり、R2 ないしR4 は炭素数1〜4のアルキル基
または水素原子であり、R2 ないしR4 のうち少なくと
も一つはアルキル基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解コンデンサ用
電解液に関し、更に詳しくは中高圧用の電解液に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサ用電解液は、アルミニウ
ムまたはタンタルなどの表面に絶縁性の酸化皮膜が形成
された弁金属を陽極電極に使用し、前記酸化皮膜層を誘
電体とし、この酸化皮膜層の表面に電解質層となる電解
液を接触させ、さらに通常陰極と称する集電用の電極を
配置して構成されている。
【0003】電解コンデンサ用電解液は、上述のように
誘電体層に直接に接触し、真の陰極として作用する。即
ち、電解液は電解コンデンサの誘電体と集電陰極との間
に介在して、電解液の抵抗分が電解コンデンサに直列に
挿入されていることになる。故に、その電解液の特性が
電解コンデンサ特性を左右する大きな要因となる。
【0004】電解コンデンサの従来技術においては、中
高圧用の電解液として、火花電圧が比較的高く得られる
ことから、エチレングリコールを溶媒とし、セバシン
酸、やアゼライン酸等の有機ジカルボン酸が用いられる
こともあるが、これらは溶解性が低いため、低温におい
て結晶が析出しやすくコンデンサの低温特性を劣化させ
るという欠点を免れ得なかった。さらに、特公昭60−
13296号公報に示されているようにブチルオクタン
二酸を溶質として用いる例や特公昭63−15738号
公報に示されているように5,6−デカンジカルボン酸
を溶質として用いた例がある。これらの二塩基酸あるい
はその塩を用いた電解液では、火花電圧および電導度が
高く、溶解性も高いので、低温特性も良好である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の電解液においては、エチレングリコールの水酸基と溶
質のカルボキシル基との間でエステル化反応が進行し、
イオンの減少により電導度が低下するという現象が起こ
り、このため、電解コンデンサの高温での寿命特性が十
分なものではないという問題点があった。
【0006】さらに、近年、スイッチング電源を使用し
た電子機器が一般家庭で汎用されるようになり、アルミ
電解コンデンサの安全性に対する要求が高まっている。
この電解コンデンサの安全性を向上させるために、電解
コンデンサ用電解液の火花電圧を向上させて、電解コン
デンサの過電圧特性を向上させることが望まれている。
【0007】そこで、本発明は、火花電圧が高く、さら
に、これを用いた電解コンデンサの高温寿命特性の長期
安定化が図れる中高圧用電解液を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の電解コンデンサ用電解液は、エチレングリ
コールを主体とする溶媒中に、硼酸の多価アルコール錯
化合物あるいはその塩を一種又は二種以上を溶解した電
解液に、一般式(化6)で示される総炭素数11〜18
の脂肪族カルボン酸化合物あるいはその塩を0.1〜1
0重量%添加したことを特徴とする。
【0009】また、エチレングリコールを主体とする溶
媒中に、硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはその塩
を一種又は二種以上を溶解した電解液に、一般式(化
7)で示される総炭素数15〜23の脂肪族カルボン酸
化合物あるいはその塩、一般式(化8)で示される総炭
素数19〜28の脂肪族カルボン酸化合物あるいはその
塩、一般式(化9)で示される総炭素数22〜39の脂
肪族カルボン酸化合物あるいはその塩のうち、一種また
は二種以上と、一般式(化6)で示される総炭素数11
〜18の脂肪族カルボン酸化合物あるいはその塩を0.
1〜10重量%添加したことを特徴とする。
【0010】そして、前記電解液において、脂肪族カル
ボン酸化合物(化6)ないし(化9)のR1 が、水素原
子であることを特徴とする。
【0011】さらに、前記電解液の硼酸の多価アルコー
ル錯化合物における多価アルコールが、エリトリット、
アラビット、アドニット、ソルビット、マンニット、ズ
ルシット、タリットのうちから選ばれる糖アルコールで
あることを特徴とする。
【0012】そして、前記電解液に、芳香族ニトロ化合
物を一種又は二種以上を添加したことを特徴とする。
【0013】また、前記電解液に、一般式(化10)で
示される酸性アルキル燐酸エステルあるいは、燐酸、亜
燐酸を一種又は二種以上添加したことを特徴とする。
【0014】さらに、前記電解液に、非イオン性界面活
性剤、多価アルコールに酸化エチレン及び/または酸化
プロピレンを重合させて得られるポリオキシアルキレン
多価アルコールエーテル化合物を一種又は二種以上添加
したことを特徴とする。
【0015】
【化6】 (式中、R1 は炭素数2〜4のアルキル基または水素原
子であり、R2 ないしR4 は炭素数1〜4のアルキル基
または水素原子であり、R2 ないしR4 のうち少なくと
も一つはアルキル基である。)
【0016】
【化7】 (式中、R1 は炭素数2〜4のアルキル基または水素原
子であり、R2 ないしR4 は炭素数1〜4のアルキル基
または水素原子であり、R2 ないしR4 のうち少なくと
も一つはアルキル基であり、R5 は炭素数1〜5のアル
キル基または水素原子である。)
【0017】
【化8】 (式中、R1 は炭素数2〜4のアルキル基または水素原
子であり、R2 ないしR4 は炭素数1〜4のアルキル基
または水素原子であり、R2 ないしR4 のうち少なくと
も一つはアルキル基であり、R5 、R6 は炭素数1〜5
のアルキル基または水素原子である。)
【0018】
【化9】 (式中、R1 、R8 は炭素数2〜4のアルキル基または
水素原子であり、R2 ないしR7 は炭素数1〜4のアル
キル基または水素原子であり、R2 ないしR4 のうち少
なくとも一つはアルキル基、R5 ないしR7 のうち少な
くとも一つはアルキル基、R9 、R10は炭素数1〜5の
アルキル基または水素原子である。)
【0019】
【化10】 (式中、R1 、R2 は、炭素数1〜18のアルキル基ま
たは水素原子であり、少なくとも一つはアルキル基であ
る。)
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の電解コンデンサ用電解液
は、エチレングリコールを主たる溶媒とし、硼酸の多価
アルコール錯化合物あるいはその塩を主たる溶質として
いる。この硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはその
塩は、エチレングリコールとの実質的な化学反応によっ
てイオンの減少が起こるというようなことがないため、
電解液の電導度の低下が緩やかになり、電解コンデンサ
のtanδ(誘電損失)の上昇が抑制される。ここで、
硼酸の多価アルコール錯化合物の含有率は、1〜50重
量%、好適には5〜20重量%である。この範囲未満で
は、イオン濃度が低いため、また、この範囲を越えると
電解液の粘性が高くなってイオンの移動度が低下するた
め、電導度が低下する。
【0021】また、本発明の電解液における硼酸の多価
アルコール錯化合物は、予め、合成した錯化合物あるい
はその塩をエチレングリコールを主体とする溶媒中に溶
解させることで得られるが、エチレングリコール中に硼
酸及び硼酸とエステルを形成させる多価アルコールとを
所定量混合し、加熱溶解させることでも得ることができ
る。後者の方法で電解液を調整した場合は、硼酸の多価
アルコール錯化合物形成時に水の生成(硼酸1モルに対
して3モルの水)を伴うが、必要に応じ開放系で加熱攪
拌する等により、水分を除去することができる。
【0022】しかしながら、この硼酸の多価アルコール
錯化合物あるいはその塩は、化学的な安定性にすぐれて
いる反面、電解液の酸化皮膜の修復能力が低い、即ち化
成性が悪いという欠点がある。このため、陽極酸化皮膜
の劣化修復時の発熱が大きく、寿命試験での漏れ電流の
上昇等、結果としてコンデンサの特性を長時間維持でき
なくなるという欠点がある。
【0023】そこで、本発明においては、(化6)ない
し(化9)で示される脂肪族カルボン酸化合物あるいは
その塩を添加し、本添加物の、皮膜修復能力を高める特
性によって、長時間安定な特性を有する電解コンデンサ
を得ている。さらにこれらの硼酸の多価アルコール錯化
合物あるいはその塩と(化6)ないし(化9)で示され
る脂肪族カルボン酸化合物あるいはその塩との相乗作用
により、電解液の火花電圧も上昇する。
【0024】また、(化6)で示される脂肪族カルボン
酸化合物あるいはその塩を単独で用いるよりも、(化
6)ないし(化9)で示される脂肪族カルボン酸化合物
あるいはその塩の混合物を用いると、さらに火花電圧は
向上する。
【0025】さらに、(化6)ないし(化9)で示され
る脂肪族カルボン酸化合物のR1 が水素原子である場合
は、より化成性の良好な電解液を得ることができ、電解
コンデンサの漏れ電流の低減等が図れる。
【0026】脂肪族ジカルボン酸化合物あるいはその塩
の添加量は0.1〜10重量%、好適には0.5〜5.
0重量%である。この範囲未満では効果が小さく、また
これを越えると、(化6)ないし(化9)で表される脂
肪族カルボン酸化合物のカルボキシル基とエチレングリ
コールの水酸基との間でエステル化反応が起こり、アニ
オンが減少して電解液のpHが上昇し、さらにコンデン
サ内部の内圧が上昇して、結果的にコンデンサの寿命が
短くなる。
【0027】(化6)で示される脂肪族カルボン酸化合
物の具体例としては、2−メチル−1,7−オクタンジ
カルボン酸、3−メチル−1,7−オクタンジカルボン
酸、2,3−ジメチル−1,7−オクタンジカルボン
酸、2,4−ジメチル−1,7−オクタンジカルボン
酸、2,3,4−トリメチル−1,7−オクタンジカル
ボン酸、,9−デカンジカルボン酸、2−エチル−1,
7−オクタンジカルボン酸、3−エチル−1,7−オク
タンジカルボン酸、2−プロピル−1,7−オクタンジ
カルボン酸、3−プロピル−1,7−オクタンジカルボ
ン酸、1−プロピル−1,7−オクタンジカルボン酸、
3−ブチル−1,7−オクタンジカルボン酸、2,4−
ジブチル−1,7−オクタンジカルボン酸、1,3−ジ
ブチル−1,7−オクタンジカルボン酸、1−ブチル−
1,7−オクタンジカルボン酸等を例示できる。
【0028】(化7)で示される脂肪族カルボン酸化合
物の具体例としては、2,7−ジメチル−7−メトキシ
カルボニル−1,9−デカンジカルボン酸、3,7−ジ
メチル−7−メトキシカルボニル−1,9−デカンジカ
ルボン酸、2,3,7−トリメチル−7−メトキシカル
ボニル−1,9−デカンジカルボン酸、2,4,7−ト
リメチル−7−メトキシカルボニル−1,9−デカンジ
カルボン酸、2,3,4,7−テトラメチル−7−メト
キシカルボニル−1,9−デカンジカルボン酸、2−エ
チル−7−メチル−7−メトキシカルボニル−1,9−
デカンジカルボン酸、3−エチル−7−メチル−7−メ
トキシカルボニル−1,9−デカンジカルボン酸、9−
メチル−9−メトキシカルボニル−3,12−ドデカン
ジカルボン酸、7−メチル−7−メトキシカルボニル−
2−プロピル−1,9−デカンジカルボン酸、7−メチ
ル−7−メトキシカルボニル−3−プロピル−1,9−
デカンジカルボン酸、7−メチル−7−メトキシカルボ
ニル−1−プロピル−1,9−デカンジカルボン酸、3
−ブチル−7−メチル−7−メトキシカルボニル−1,
9−デカンジカルボン酸、2,4−ジブチル−7−メチ
ル−7−メトキシカルボニル−1,9−デカンジカルボ
ン酸、1,3−ジブチル−7−メチル−7−メトキシカ
ルボニル−1,9−デカンジカルボン酸、1−ブチル−
7−メチル−7−メトキシカルボニル−1,9−デカン
ジカルボン酸、2,7−ジメチル−1,7,9−デカン
トリカルボン酸、3,7−ジメチル−1,7,9−デカ
ントリカルボン酸、3−エチル−1,7,9−デカント
リカルボン酸、9−メチル−3,9,12−ドデカント
リカルボン酸、3−ブチル−7−メチル−1,7,9−
デカントリカルボン酸、1−ブチル−7−メチル−1,
7,9−デカントリカルボン酸、1,3−ジブチル7−
メチル−1,7,9−デカントリカルボン酸等を例示で
きる。
【0029】(化8)で示される脂肪族カルボン酸化合
物の具体例としては、2,7,9−トリメチル−7,9
−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボ
ン酸、3,7,9−トリメチル−7,9−ジメトキシカ
ルボニル−1,11−ドデカンジカルボン酸、2,3,
7,9−テトラメチル−7,9−ジメトキシカルボニル
−1,11−ドデカンジカルボン酸、2,4,7,9−
テトラメチル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,1
1−ドデカンジカルボン酸、 2,3,4,7,9−ペ
ンタメチル−,9−ジメトキシカルボニル−1,11−
ドデカンジカルボン酸、 2−エチル−7,9−ジメチ
ル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカ
ンジカルボン酸、3−エチル−7,9−ジメチル−7,
9−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカンジカル
ボン酸、9,11−ジメチル−9,11−ジメトキシカ
ルボニル−3,13−テトラデカンジカルボン酸、7,
9−ジメチル−7,9−ジメトキシカルボニル−2−プ
ロピル−1,11−ドデカンジカルボン酸、7,9−ジ
メチル−7,9−ジメトキシカルボニル−3−プロピル
−1,11−ドデカンジカルボン酸、7,9−ジメチル
−7,9−ジメトキシカルボニル−1−プロピル−1,
11−ドデカンジカルボン酸、3−ブチル−7,9−ジ
メチル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ド
デカンジカルボン酸、2,4−ジブチル−7,9−ジメ
トキシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボン酸、
1,3−ジブチル−7,9−ジメトキシカルボニル−
1,11−ドデカンジカルボン酸、1−ブチル−7,9
−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボ
ン酸等を例示できる。
【0030】(化9)で示される脂肪族カルボン酸化合
物の具体例としては、2,7,8,13−テトラメチル
−7,8−ジメトキシカルボニル−1,14−テトラデ
カンジカルボン酸、3,7,8,12−テトラメチル−
7,8−ジメトキシカルボニル−1,14−テトラデカ
ンジカルボン酸、2,3,7,8,12,13−ヘキサ
メチル−7,8−ジメトキシカルボニル−1,14−テ
トラデカンジカルボン酸、2,4,7,8,11,13
−ヘキサメチル−7,8−ジメトキシカルボニル−1,
14−テトラデカンジカルボン酸、2,3,4,7,
8,11,12,13−オクタメチル−7,8−ジメト
キシカルボニル−1,14−テトラデカンジカルボン
酸、2,13−ジエチル−7,8−ジメトキシカルボニ
ル−1,14−テトラデカンジカルボン酸、3,12−
ジエチル−7,8−ジメトキシカルボニル−1,14−
テトラデカンジカルボン酸、9,10−ジメチル−9,
10−ジメトキシカルボニル−3,16−オクタデカン
ジカルボン酸、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシ
カルボニル−2,13−ジプロピル−1,14−テトラ
デカンジカルボン酸、7,8−ジメチル−7,8−ジメ
トキシカルボニル−3,12−ジプロピル−1,14−
テトラデカンジカルボン酸、7,8−ジメチル−7,8
−ジメトキシカルボニル−1,14−ジプロピル−1,
14−テトラデカンジカルボン酸、3,12−ジブチル
−7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカルボニル−
1,14−テトラデカンジカルボン酸、2,4,11,
14−テトラブチル−7,8−ジメチル−7,8−ジメ
トキシカルボニル−1,14−テトラデカンジカルボン
酸、1,14−ジブチル−7,8−ジメチル−7,8−
ジメトキシカルボニル−1,14−テトラデカンジカボ
ン酸、1,3,12,14−テトラブチル−7,8−ジ
メチル−7,8−ジメトキシカルボニル−1,14−テ
トラデカンジカルボン酸等を例示できる。
【0031】硼酸の多価アルコール錯化合物における多
価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルエタン、ペンタエリトリット、ポリビニルアルコール
等、さらには、トリット、テトリット、ペンチット、ヘ
キシット、へプチット、オクチット、ノニット、デシッ
ト、ドデシット等の糖アルコールがあげられる。
【0032】ここで、硼酸の多価アルコール錯化合物に
おける多価アルコールとして、エリトリット、アラビッ
ト、アドニット、ソルビット、マンニット、ズルシッ
ト、タリットのようにシス位の水酸基をもつ糖アルコー
ルを用いると、硼酸エステル錯陰イオンが形成され、さ
らに、熱安定性の向上を図ることができる。
【0033】このことは、以下のように推察される。す
なわち、通常は、遊離の硼酸陰イオンが、加水分解によ
って生成するが、この硼酸陰イオンは、高温下では、陽
極酸化皮膜層中にとりこまれて、電解液中の硼酸陰イオ
ン濃度が低下し、このことによって、電解液の電導度が
低下する。しかしながら、シス位の水酸基をもつ糖アル
コールを用いると、このシス位の二つの水酸基が、高温
下において、硼酸エステルと結合して、安定な硼酸エス
テル錯陰イオンが生成される。この硼酸エステル錯陰イ
オンは陽極酸化皮膜層中にとりこまれるというようなこ
とがないので、電解液中の硼酸陰イオン濃度が低下して
電解液の電導度が低下するというようなことがなく、熱
安定性が向上する。
【0034】さらに、糖アルコールを含む硼酸エステル
形錯イオンは、エチレングリコール単独の硼酸エステル
形錯イオンの場合よりも、火花電圧を上昇させる。これ
らの糖アルコールのうち、最も好ましいのはマンニット
である。
【0035】硼酸の多価アルコール錯化合物を構成する
多価アルコール中の糖アルコール含有量は、重量比で、
硼酸1に対して0.5〜3.0、好適には、1.0〜
2.0の範囲である。この範囲未満では、高温での熱安
定性が低く、またこの範囲をこえると電導度が低下す
る。
【0036】本発明における硼酸の多価アルコール錯化
合物の塩、脂肪族カルボン酸化合物の塩としては、アン
モニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩および環状
アミジン化合物の四級アンモニウム塩があげられる。ア
ミン塩を構成するアミンとしては、一級アミン(メチル
アミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミ
ン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン等)、二
級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピ
ルアミン、エチルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジ
エタノールアミン等)、三級アミン(トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、トリエ
タノールアミン等)があげられる。これらのうちで好ま
しいのは、アンモニウム塩である。
【0037】溶媒はエチレングリコールを主体としてい
るが、低温度特性の改善、比抵抗の低減等の目的でプロ
トン性極性溶媒、非プロトン性溶媒、あるいは水を添加
することもできる。プロトン性極性溶媒としては、一価
アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シク
ロペンタノール、ベンジルアルコール、等)、多価アル
コール及びオキシアルコール化合物類(プロピレングリ
コール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、1,3−ブタンジオール、メトキシプロピレング
リコール等)などがあげられる。非プロトン性溶媒とし
ては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ヘ
キサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類、環状
アミド類、カーボネート類(γ−ブチロラクトン、N−
メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート等)、ニトリル類(アセトニトリ
ル)オキシド類(ジメチルスルホキシド等)などが代表
としてあげられる。
【0038】以上のように、本発明の電解液は、火花電
圧が高く、高温下での電解液の特性が安定で、さらに、
酸化皮膜の化成性も安定である。したがって、本発明の
電解液を用いることによって、耐電圧、さらには過電圧
特性が良好で、高温での誘電損失変化、静電容量変化等
の寿命特性が良好な電解コンデンサを得ることができ
る。
【0039】また、前記電解液に芳香族ニトロ化合物を
添加することにより、コンデンサ内部圧力の上昇を抑制
することができ、コンデンサの寿命特性の改善が図るこ
とができる。これは、コンデンサ内部に発生した水素ガ
スとの間でニトロ基の還元反応がおこることによるもの
と思われる。芳香族ニトロ化合物の添加量は、0.01
〜7.0重量%、好適には0.1〜5.0重量%であ
る。この範囲未満では、効果が低下し、この範囲を越え
ると電解液の電導度が低下する。
【0040】芳香族ニトロ化合物の具体例としては、ニ
トロフェノール、ジニトロフェノール、ニトロ安息香
酸、ニトロトルエン、ジニトロトルエン、ニトロキシレ
ン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ニトロベンジ
ルアルコール、ニトロアセトフェノン、ニトロアニソー
ル、ジメトキシニトロベンゼン、ニトロアニリン、ニト
ロフェネトール、ニトロフタル酸、2−(ニトロフェノ
キシ)エタノール等をあげることができる。
【0041】また、前記電解液に(化10)で示される
酸性アルキル燐酸エステル化合物、燐酸、亜燐酸を添加
することにより、コンデンサの漏れ電流の上昇を抑制す
ることができる。これは、これらの添加剤の、コンデン
サを長時間放置した際に発生する陽極酸化皮膜の水和劣
化を抑制する効果によるものであると思われる。燐酸、
亜燐酸の添加量は、0.01〜1.0重量%、好適には
0.1〜0.5重量%である。酸性アルキル燐酸エステ
ル化合物の添加量は0.01〜5.0重量%、好適には
0.1〜3.0重量%である。この範囲未満では効果が
低下し、この範囲を越えると、火花電圧が低下する。
【0042】そして、前記電解液に非イオン性界面活性
剤、多価アルコールに酸化エチレン及び/または酸化プ
ロピレンを重合して得られるポリオキシアルキレン多価
アルコールエーテル化合物を添加することにより、電解
液の火花電圧を向上させることができる。このことによ
って、コンデンサに過電圧が印加された際の安全性を向
上することができる。
【0043】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒ
ド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン
脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビ
タン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソ
ルビトール脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテ
ル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、親水性
シリコンオイル等があげられる。ポリオキシアルキレン
多価アルコールエーテル化合物の多価アルコールとして
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ポリグリ
セリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン等があげられる。非イオン性界面活性剤、ポリオキシ
アルキレン多価アルコールエーテル化合物の添加量は、
0.1〜15重量%、好適には0.5〜10重量%であ
る。この範囲未満では、効果が低下し、この範囲を越え
ると、電導度が低下する。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0045】(表1)〜(表3)は、本発明例の実施
例、従来例、及び、比較例について、電解コンデンサ用
電解液の組成と、火花電圧および電導度を、示したもの
である。ここで、電解液の作成は常法により行い、アン
モニアガスを注入してpHを調整した。また、火花電圧
は、コンデンサ素子(定格:550V−120μF)を
用い、室温において、10mAの定電流を流して測定し
た値である。
【0046】ここで、以下の、脂肪族カルボン酸Aは3
−ブチル−1,7−オクタンジカルボン酸を示す。ま
た、脂肪族カルボン酸Bは2,4−ジメチル−1,7−
オクタンジカルボン酸(53%)、2,4,7−トリメ
チル−7−メトキシカルボニル−1,9−デカンジカル
ボン酸(12%)、2,4,7,9−テトラメチル−
7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカンジ
カルボン酸(13%)、2,4,7,8,11,13−
ヘキサメチル−7,8−ジメトキシカルボニル−1,1
4−テトラデカンジカルボン酸(18%)の混合物を、
脂肪族カルボン酸Cは3−メチル−1,7−オクタンジ
カルボン酸(41%)、3,7−ジメチル−7−メチコ
シカルボニル−1,9−デカンジカルボン酸(16
%)、3,7,9−トリメチル−7,9−ジメトキシカ
ルボニル−1,11−ドデカンジカルボン酸(18
%)、3,7,8,12―テトラメチル−7,8−ジメ
トキシカルボニル−1,14−テトラデカンジカルボン
酸(23%)の混合物を、脂肪族カルボン酸化合物Dは
3,9−デカンジカルボン酸(42%)、9−メチル−
9−メトキシカルボニル−3,12−ドデカンジカルボ
ン酸(13%)、9,11−ジメチル−9,11−ジメ
トキシカルボニル−3,13−テトラデカンジカルボン
酸(11%)、9,10−ジメチル−9,10−ジメト
キシカルボニル−3,16−オクタデカンジカルボン酸
(21%)の混合物を示す。
【0047】そして、(表4)には、(表1)〜(表
3)における実施例、従来例、比較例の電解液を用い
た、450V−180μFの電解コンデンサの初期特性
及び、105℃で定格電圧を印加した、2000時間後
の特性を示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】 (注)Cap:静電容量(μF)、tanδ:誘電損失の正接、 LC:漏れ電流(μA)、ΔCap:静電容量変化率(%)
【0052】(表1)〜(表3)から明らかなように、
本発明の実施例の電解液は、従来例の電解液と比較し
て、火花電圧が高く、電導度特性に優れた電解液であ
る。さらに、(化6)ないし(化9)の脂肪族カルボン
酸の混合物を用いた、実施例2〜実施例4は、(化6)
の脂肪族カルボン酸単独で用いた、実施例1より、さら
に火花電圧が高い。
【0053】また、(表4)から明らかなように、本発
明の電解液を用いた、実施例1〜7の電解コンデンサ
は、2000時間後のtanδ変化、静電容量変化共に
小さく、優れた寿命特性を示している。さらに、(化
6)ないし(化9)で示される脂肪族カルボン酸におい
て、R1 が水素原子である、実施例1〜実施例5、実施
例7は、R1 がエチル基である、実施例6よりも、初期
の漏れ電流が低減しており、化成性が向上していること
がわかる。
【0054】これらに比べて、有機酸を主体とした電解
液を用いた、従来例2、比較例2〜4の電解コンデンサ
では、2000時間後のtanδ変化、静電容量変化共
に大きく、本発明の硼酸の多価アルコール錯化合物の添
加の効果がわかる。また、脂肪族カルボン酸化合物を添
加していない硼酸主体の電解液を用いた、比較例1の電
解コンデンサでは、初期の漏れ電流が大きく、寿命試験
中においても漏れ電流による水素ガス発生で、安全弁動
作(開弁)が認められており、本発明の脂肪族カルボン
酸の添加によって、電解液の化成性が大きく改善される
ことがわかる。
【0055】以上のように、本発明の硼酸の多価アルコ
ール錯化合物あるいはその塩と(化6)ないし(化9)
の脂肪族カルボン酸との相乗効果により、火花電圧が高
く、かつ、高温寿命試験中のtanδならびに静電容量
の変化の少ない電解コンデンサを得ることができる、電
解液を実現している。
【0056】次に、シス位の水酸基を有する糖アルコー
ルを用いた実施例を示す。(表5)、 (表6)には、実
施例の電解液の組成と火花電圧、電導度を示した。電解
液の作成方法はこれまでと同様である。また、(表7)
には、(表5)、(表6)における実施例及び従来例2
の電解液を用いた450V−220μFの電解コンデン
サの初期特性及び、105℃で定格電圧を印加した20
00時間後の特性を示した。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】 (注)Cap:静電容量(μF)、tanδ:誘電損失の正接、 LC:漏れ電流(μA)、ΔCap:静電容量変化率(%)
【0060】(表5)〜(表7)から明らかなように、
シス位の水酸基を有する糖アルコールを用いた、実施例
8〜12の電解液は、シス位の水酸基を有する糖アルコ
ールではない多価アルコールであるエチレングリコール
を用いた、実施例13より火花電圧は高い。さらに、実
施例8〜12の電解コンデンサは、実施例13、及び従
来例2の電解液の電解コンデンサと比較して、tanδ
変化が小さく、また静電容量変化も小さく、より高温で
の寿命特性に優れていることがわかる。
【0061】次に、本発明の芳香族ニトロ化合物を用い
た実施例を示す。(表8)〜(表9)には、実施例の電
解液組成を示した。また、(表10)には、これらの電
解液と従来例2の電解液を用いた400V−220μF
の電解コンデンサの105℃の2000時間後の製品高
さ寸法の変化を示した。
【0062】
【表8】
【0063】
【表9】
【0064】
【表10】
【0065】(表8)〜(表10)から明らかなよう
に、本発明の芳香族ニトロ化合物を用いた、実施例14
〜18は、これらを用いない、実施例19、20、及び
従来例2に比べて、2000時間後の製品高さ寸法変化
は小さく、コンデンサの内圧上昇が抑制され、寿命特性
が向上している。
【0066】次に、本発明の(化4)で示される酸性ア
ルキル燐酸エステル化合物、燐酸、亜燐酸を用いた実施
例を示す。(表11)、(表12)には、実施例の電解
液組成を示し、(表13)には、これらの電解液と従来
例2の電解液を用いた、400V−220μFの電解コ
ンデンサの105℃の1000時間放置後の特性を示し
た。
【0067】
【表11】
【0068】
【表12】
【0069】
【表13】 (注)Cap:静電容量(μF)、tanδ:誘電損失の正接、 LC:漏れ電流(μA)、ΔCap:静電容量変化率(%)
【0070】(表10)〜(表13)からわかるよう
に、本発明の燐酸等を用いた、実施例21〜24では、
これらを用いない、実施例25、26、及び従来例2に
比べて、高温放置後の漏れ電流は低く保たれ、寿命特性
が向上している。
【0071】次に、本発明の非イオン性界面活性剤、ポ
リオキシ多価アルコールエーテル化合物を用いた電解液
の実施例を示す。(表14)、(表15)には、実施例
の電解液組成、火花電圧及び電導度特性を示した。
【0072】
【表14】
【0073】
【表15】
【0074】(表14)、(表15)から明らかなよう
に、本発明の界面活性剤等を用いた、実施例27〜31
の電解液では、これらを用いない、実施例32、33に
比べて、火花電圧の向上が認められ、これらの電解液を
用いることによって、さらに過電圧特性に優れた電解コ
ンデンサを得ることができる。
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明の電解液は、エチ
レングリコールを主体とする溶媒中に、硼酸の多価アル
コール錯化合物あるいはその塩を一種又は二種以上を溶
解した電解液に、(化6)で示される脂肪族カルボン酸
化合物あるいはその塩を0.1〜10重量%添加した電
解液であり、火花電圧が高く、高温寿命特性が良好であ
る。また、(化7)ないし(化9)で示される脂肪族カ
ルボン酸化合物あるいはその塩のうち、一種又は二種以
上と、(化6)で示される脂肪族カルボン酸化合物ある
いはその塩を、0.1〜10重量%添加した電解液は、
さらに、火花電圧が高い。また、(化6)ないし(化
9)で示される脂肪族カルボン酸化合物のR1 が水素原
子である場合は、より化成性の良好な電解液を得ること
ができる。したがって、本発明の電解液を用いることに
よって、耐電圧及び過電圧特性が良好で、さらに、寿命
試験後の容量変化、tanδ変化の低い、寿命特性の良
好な電解コンデンサを得ることができる。
【0076】さらに、前記電解液の硼酸の多価アルコー
ル錯化合物あるいはその塩の、多価アルコールとして、
エリトリット、アラビット、アドニット、ソルビット、
マンニット、ズルシット、タリットのうちから選ばれる
糖アルコールを用いると、高温寿命特性はより向上す
る。
【0077】また、前記電解液に、芳香族ニトロ化合物
を添加した場合は、コンデンサ内部のガス発生が抑制さ
れるので、電解コンデンサの寿命特性は向上する。
【0078】そして、前記電解液に、(化10)で示さ
れる、酸性アルキル燐酸エステルあるいは、燐酸、亜燐
酸を添加した場合は、陽極酸化皮膜の劣化を抑制できる
ので、電解コンデンサの高温放置後の漏れ電流の上昇を
抑制でき、さらに電解コンデンサの寿命特性は向上す
る。
【0079】さらに、前記電解液に、非イオン性界面活
性剤、多価アルコールに酸化エチレン及び/または酸化
プロピレンを重合させて得られるポリオキシアルキレン
多価アルコールエーテル化合物を添加した場合は、電解
液の火花電圧をさらに上昇させることができ、電解コン
デンサの過電圧特性が向上する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレングリコールを主体とする溶媒中
    に、硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはその塩を一
    種又は二種以上を溶解した電解液に、一般式(化1)で
    示される総炭素数11〜18の脂肪族カルボン酸化合物
    あるいはその塩を0.1〜10重量%添加したことを特
    徴とする電解コンデンサ用電解液。
  2. 【請求項2】エチレングリコールを主体とする溶媒中
    に、硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはその塩を一
    種又は二種以上を溶解した電解液に、一般式(化2)で
    示される総炭素数15〜23の脂肪族カルボン酸化合物
    あるいはその塩、一般式(化3)で示される総炭素数1
    9〜28の脂肪族カルボン酸化合物あるいはその塩、一
    般式(化4)で示される総炭素数22〜39の脂肪族カ
    ルボン酸化合物あるいはその塩のうち、一種または二種
    以上と、一般式(化1)で示される総炭素数11〜18
    の脂肪族カルボン酸化合物あるいはその塩を0.1〜1
    0重量%添加したことを特徴とする電解コンデンサ用電
    解液。
  3. 【請求項3】脂肪族カルボン酸化合物(化1)ないし
    (化4)のR1 が、水素原子である、請求項1または2
    記載の電解コンデンサ用電解液。
  4. 【請求項4】硼酸の多価アルコール錯化合物における多
    価アルコールが、エリトリット、アラビット、アドニッ
    ト、ソルビット、マンニット、ズルシット、タリットの
    うちから選ばれる糖アルコールである、請求項1または
    2記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. 【請求項5】芳香族ニトロ化合物を一種または二種以上
    添加した、請求項1または2記載の電解コンデンサ用電
    解液。
  6. 【請求項6】一般式(化5)で示される酸性アルキル燐
    酸エステルあるいは、燐酸、亜燐酸の1種または二種以
    上を添加した、請求項1または2記載の電解コンデンサ
    用電解液。
  7. 【請求項7】非イオン性界面活性剤、多価アルコールに
    酸化エチレン及び/または酸化プロピレンを重合させて
    えられるポリオキシアルキレン多価アルコールエーテル
    化合物を1種以上添加した、請求項1または2記載の電
    解コンデンサ用電解液。 【化1】 (式中、R1 は炭素数2〜4のアルキル基または水素原
    子であり、R2 ないしR4 は炭素数1〜4のアルキル基
    または水素原子であり、R2 ないしR4 のうち少なくと
    も一つはアルキル基である。) 【化2】 (式中、R1 は炭素数2〜4のアルキル基または水素原
    子であり、R2 ないしR4 は炭素数1〜4のアルキル基
    または水素原子であり、R2 ないしR4 のうち少なくと
    も一つはアルキル基であり、R5 は炭素数1〜5のアル
    キル基または水素原子である。) 【化3】 (式中、R1 は炭素数2〜4のアルキル基または水素原
    子であり、R2 ないしR4 は炭素数1〜4のアルキル基
    または水素原子であり、R2 ないしR4 のうち少なくと
    も一つはアルキル基であり、R5 、R6 は炭素数1〜5
    のアルキル基または水素原子である。) 【化4】 (式中、R1 、R8 は炭素数2〜4のアルキル基または
    水素原子であり、R2 ないしR7 は炭素数1〜4のアル
    キル基または水素原子であり、R2 ないしR4 のうち少
    なくとも一つはアルキル基、R5 ないしR7 のうち少な
    くとも一つはアルキル基であり、R9 、R10は炭素数1
    〜5のアルキル基または水素原子である。) 【化5】 (式中、R1 、R2 は、炭素数1〜18のアルキル基ま
    たは水素原子であり、少なくとも一つはアルキル基であ
    る。)
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JP2002184654A (ja) * 2000-12-18 2002-06-28 Nippon Chemicon Corp 電解コンデンサ用電解液
CN102969161A (zh) * 2012-12-18 2013-03-13 南通新三能电子有限公司 铝电解电容器驱动用电解液及其主溶质的制备方法
CN103337366A (zh) * 2013-06-06 2013-10-02 上海洪微电子科技有限公司 用于电容器工作电解液的闪火电压提升剂及其制备方法

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