JP2002184654A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents
電解コンデンサ用電解液Info
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Abstract
解コンデンサ用電解液を提供する。 【解決手段】 エチレングリコールを主体とする溶媒中
に、硼酸と多価アルコールから得られる、硼酸の多価ア
ルコール錯化合物あるいはその塩を10〜30重量%溶
解した電解液に、1,6−デカンジカルボン酸等から選
ばれる、少なくとも1種以上の有機カルボン酸化合物あ
るいはその塩を前記硼酸の総量の1〜15重量%添加
し、さらにモノアルキルリン酸エステル化合物を添加し
かつ含水率を9〜30重量としているので、この電解コ
ンデンサ用電解液を用いることによって、高温寿命特性
が良好で、かつ難燃性の高い電解コンデンサを提供する
ことができる。
Description
電解液に関し、更に詳しくは中高圧用の電解液に関する
ものである。
ムまたはタンタルなどの表面に絶縁性の酸化皮膜が形成
された弁金属を陽極電極に使用し、前記酸化皮膜層を誘
電体とし、この酸化皮膜層の表面に電解質層となる電解
液を接触させ、さらに通常陰極と称する集電用の電極を
配置して構成されている。
誘電体層に直接に接触し、真の陰極として作用する。即
ち、電解液は電解コンデンサの誘電体と集電陰極との間
に介在して、電解液の抵抗分が電解コンデンサに直列に
挿入されていることになる。故に、その電解液の特性が
電解コンデンサ特性を左右する大きな要因となる。
高圧用の電解液として、火花電圧が比較的高く得られる
ことから、エチレングリコールを溶媒とし、セバシン
酸、やアゼライン酸等の有機カルボン酸が用いられるこ
ともあるが、これらは溶解性が低いため、低温において
結晶が析出しやすくコンデンサの低温特性を劣化させる
という欠点を免れ得なかった。さらに、特公昭60−1
3296号公報に示されているようにブチルオクタン二
酸を溶質として用いる例や特公昭63−15738号公
報に示されているように5,6−デカンジカルボン酸を
溶質として用いた例がある。これらの有機カルボン酸あ
るいはその塩を用いた電解液では、火花電圧および電導
度が高く、溶解性も高いので、低温特性も良好である。
スイッチング電源を使用した電子機器が一般家庭で汎用
されるようになり、アルミ電解コンデンサの安全性に対
する要求が高まっている。すなわち、電解コンデンサの
故障によって、電解液が外部に漏れ出た際の難燃性の高
い電解コンデンサ用電解液が求められており、前記の有
機カルボン酸あるいはその塩を用いた電解液は、この難
燃性が十分なものではないという問題があった。
命特性が良好で、かつ、難燃性の高い電解コンデンサ用
電解液を提供することを目的とする。
に、本発明の電解コンデンサ用電解液は、エチレングリ
コールを主体とする溶媒中に、硼酸と多価アルコールか
ら得られる、硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはそ
の塩を10〜30重量%溶解した電解液に、1,6−デ
カンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,
7−オクタンジカルボン酸、7−メチル−7−メトキシ
カルボニル−1,9−デカンジカルボン酸、7,9−ジ
メチル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ド
デカンジカルボン酸、7,8−ジメチル−7,8−ジメ
トキシカルボニル−1,14−テトラデカンジカルボン
酸、セバシン酸、アゼライン酸から選ばれる、少なくと
も1種以上の有機カルボン酸化合物あるいはその塩を、
前記硼酸の総量の1〜15重量%添加し、さらに(化
2)で示されるモノアルキルリン酸エステル化合物を添
加し、かつ含水率が9〜30重量%としたことを特徴と
する。
化合物のアルキル基が分枝鎖状であることを特徴とす
る。
ける多価アルコールが、エリトリット、アラビット、ア
ドニット、ソルビット、マンニット、ズルシット、タリ
ットのうちから選ばれるシス位の糖アルコールであるこ
とを特徴とする。
コールに酸化エチレン及び/または酸化プロピレンを重
合させてえられるポリオキシアルキレン多価アルコール
エーテル化合物を1種以上添加したことを特徴とする。
を一種以上を添加したことを特徴とする。
は、硼酸と多価アルコールから得られる、硼酸の多価ア
ルコール錯化合物あるいはその塩(以下、硼酸の多価ア
ルコール錯化合物類)を主たる溶質とし、電解液中に1
0〜30重量%含有している。そして、硼酸の多価アル
コール錯化合物における多価アルコールとしては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリッ
ト、ポリビニルアルコール等、さらには、トリット、テ
トリット、ペンチット、ヘキシット、へプチット、オク
チット、ノニット、デシット、ドデシット等の糖アルコ
ールがあげられる。
は、硼酸と多価アルコールとを合成して得るが、電解液
を混合、作成する際に、エチレングリコール中に硼酸及
び多価アルコールを所定量混合し、加熱溶解させて、電
解液中で合成して得ることもできる。合成の際に、硼酸
1モルに対して多価アルコールの4つの水酸基が反応し
て3モルの水と硼酸の多価アルコール錯化合物が生成さ
れる。
5,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカル
ボン酸、7−メチル−7−メトキシカルボニル−1,9
−デカンジカルボン酸、7,9−ジメチル−7,9−ジ
メトキシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボン
酸、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカルボニル
−1,14−テトラデカンジカルボン酸、セバシン酸、
アゼライン酸から選ばれる、少なくとも1種以上の有機
カルボン酸化合物あるいはその塩(以下、有機カルボン
酸類)を前記硼酸の総量の1〜15重量%添加する。こ
こで、前記硼酸の総量とは、前述したように、硼酸の多
価アルコール錯化合物類は硼酸と多価アルコールから作
成されるが、その時に用いる硼酸の総量を示す。
は、(化2)で示されるモノアルキルリン酸エステル化
合物を添加し、かつ含水率が9〜30重量%である。こ
こで、(化2)で示されるモノアルキルリン酸エステル
化合物はアルキル基が炭素数6〜12からなるものであ
るが、炭素数が6未満であると加水分解しやすくなって
効果の持続性が低下し、13以上であると疎水性が低下
して電解液に溶解しなくなる。
火花電圧が高く、高温寿命特性が良好で、かつ、高い難
燃性を有している。その理由は以下のようであると推察
される。
価アルコールから得られる、硼酸の多価アルコール錯化
合物類は、有機カルボン酸のようにエチレングリコール
とのエステル化反応によって電導度が低下するというよ
うなことがない。また、アルミニウムとの錯体を形成す
るということもないので、静電容量が低下するというこ
とがなく、したがって、高温での寿命特性は良好であ
る。ここで、硼酸のみであると、高温試験において、電
導度が低下し、漏れ電流が上昇するという問題がある
が、硼酸の多価アルコール錯化合物類は、このような欠
点を有することがない。それは、電解液中で硼酸陰イオ
ンとなった硼酸は、高温下では、陽極酸化皮膜中にとり
こまれて、電解液中の硼酸陰イオンの濃度が低下して、
電解液の電導度が低下し、さらには、酸化皮膜に取り込
まれた硼酸陰イオンが酸化皮膜と反応して、酸化皮膜が
溶解し、漏れ電流が上昇する。しかしながら、本発明の
硼酸の多価アルコール錯化合物類は、分子サイズが大き
いので、酸化皮膜中に取り込まれることがなく、したが
って、電導度が低下することもなく、また、漏れ電流が
上昇することもないということによるものであると考え
られる。
は、硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはその塩を1
0〜30重量%含有し、含水率が9〜30重量%である
ので、これらの相乗作用によって高い難燃性を有してい
る。さらに、含水率が高いにもかかわらず、(化2)に
示されるモノアルキルリン酸エステル化合物を添加して
いるので、電極箔の水和劣化が抑制されることによるも
のと思われるが、前述した良好な高寿命特性が低下する
ことがない。また、本発明の硼酸の多価アルコール錯化
合物類を主溶質とした電解液では、過電圧が印加される
と当初から陽極酸化反応が進行し電流が増大して発熱及
び水素ガスの発生がおこる。そして、この発熱と発生し
たガスによって、安全弁が作動し電解液が蒸発してオー
プン状態になるので、高い安全性を有することができ
る。そして、本発明の電解液において、理由は明らかで
はないが、有機カルボン酸類を前記硼酸の総量の1〜1
5重量%の範囲で添加することによってこの過電圧特性
が低下することはない。
合物あるいはその塩の含有率は10〜30重量%、好ま
しくは15〜30重量%、この範囲未満では難燃性が低
下し、この範囲を越えると電解液の粘性が上昇して含浸
性が低下する。また、含水率は9〜30重量%、好まし
くは10〜30重量%、この範囲未満では難燃性が低下
し、この範囲を越えると寿命特性が低下する。
リン酸エステル化合物の添加量は、0.01〜5.0重
量%、好適には0.1〜3.0重量%である。この範囲
未満では効果が低下し、この範囲を越えると火花電圧が
低下する。さらにモノアルキルリン酸エステルのアルキ
ル基が分枝鎖状であると、立体障害によって加水分解が
おこりにくくなり効果の持続性が向上するので好まし
い。なかでも、モノデシルホスフェートが好ましい。
酸の総量の1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%
添加している。したがって、電解液の酸化皮膜修復能力
すなわち化成性が向上して火花電圧及び漏れ電流特性が
向上し、また、長時間にわたって良好な化成性を維持す
るので寿命試験での漏れ電流特性はさらに向上する。こ
のように有機カルボン酸類がされてなるものであるが、
これまでに述べたような状況であるので、この範囲未満
では初期及び寿命試験中の漏れ電流特性向上の効果が小
さくなる。そして、この範囲を越えると火花電圧が低下
し、寿命試験中での有機カルボン酸類のエチレングリコ
ールとのエステル化反応による陰イオンの減少によって
電導度が低下するので寿命特性が悪化する。
化合物類と有機カルボン酸類からなる溶質の電解液中の
含有量は11〜35重量%、好ましくは16〜35重量
%である。この範囲未満ではイオン濃度が低いため、ま
たこの範囲を越えると電解液の粘性が高くなることによ
るイオンの移動度低下のため、電導度が著しく低下す
る。
液にアンモニアガスを注入、添加してpHを調整し、本
発明の電解液が形成される。
おける多価アルコールとしてエリトリット、アラビッ
ト、アドニット、ソルビット、マンニット、ズルシッ
ト、タリットのようなシス位の水酸基をもつ糖アルコー
ルを用いると、さらに高温下での電導度の低減を抑制す
ることができる。これはシス位の水酸基をもつ糖アルコ
ールを用いると、このシス位の二つの水酸基が硼酸と結
合して高温下においてより安定な硼酸錯化合物が形成さ
れるためと思われる。また、理由は明らかではないが、
火花電圧を上昇させることができる。ここで、これらの
シス位の水酸基をもつ糖アルコールのうち最も好ましい
のはマンニットである。そして、シス位の水酸基をもつ
糖アルコールの含有量は、重量比で硼酸1に対して0.
4〜3.0、好適には0.5〜2.0の範囲である。こ
の範囲未満では高温下での電導度が上昇し、またこの範
囲をこえると初期の電導度が低下する。
合物の塩、有機カルボン酸化合物の塩としては、アンモ
ニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩および環状ア
ミジン化合物の四級アンモニウム塩があげられる。アミ
ン塩を構成するアミンとしては、一級アミン(メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、
エチレンジアミン、モノエタノールアミン等)、二級ア
ミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルア
ミン、エチルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジエタ
ノールアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、トリエタノー
ルアミン等)があげられる。これらのうちで好ましいの
は、アンモニウム塩である。
含んでいるが、低温度特性の改善、比抵抗の低減等の目
的でプロトン性極性溶媒、非プロトン性溶媒、あるいは
水を添加することもできる。プロトン性極性溶媒として
は、一価アルコール(メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノー
ル、シクロペンタノール、ベンジルアルコール、等)、
多価アルコール及びオキシアルコール化合物類(プロピ
レングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、1,3−ブタンジオール、メトキシプロ
ピレングリコール等)などがあげられる。非プロトン性
溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセト
アミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクト
ン類、環状アミド類、カーボネート類(γ−ブチロラク
トン、N−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート等)、ニトリル類(アセ
トニトリル)オキシド類(ジメチルスルホキシド等)な
どが代表としてあげられる。
電解液は、火花電圧が高く、高温下での電解液の特性が
安定で、かつ、高い難燃性を有している。したがって、
本発明の電解コンデンサ用電解液を用いることによっ
て、耐電圧が高く、高温での寿命特性が良好で、かつ難
燃性の高い電解コンデンサを得ることができる。
剤、多価アルコールに酸化エチレン及び/または酸化プ
ロピレンを重合して得られるポリオキシアルキレン多価
アルコールエーテル化合物を添加することにより、電解
液の火花電圧を向上させることができる。このことによ
って、再化成時での、ショート率を低減することがで
き、高圧コンデンサ用電解液として、好適なものとな
る。また、非イオン性界面活性剤は含浸の際に発泡する
性質があるので、含浸時の作業性を考慮すると、多価ア
ルコールに酸化エチレン及び/または酸化プロピレンを
重合して得られるポリオキシアルキレン多価アルコール
エーテル化合物の方が好ましい。
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒ
ド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン
脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビ
タン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソ
ルビトール脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテ
ル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、親水性
シリコンオイル等があげられる。
は酸化プロピレンを重合して得られるポリオキシアルキ
レン多価アルコールエーテル化合物の多価アルコールと
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ポリ
グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロール
エタン等があげられる。これらのうちで、グリセリン、
ペンタエリスリトール、ソルビット、ポリグリセリン、
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンが好ま
しい。
レン多価アルコールエーテル化合物の添加量は、0.1
〜15重量%、好適には0.5〜10重量%である。こ
の範囲未満では、効果が低下し、この範囲を越えると、
電導度が低下する。ここで、ポリオキシアルキレン多価
アルコールエーテル化合物においては、平均分子量が1
000以上の場合は効果が高いので、添加量は少なくて
良い。これらの中でもポリオキシエチレングリセリンが
好ましい。
添加することにより、コンデンサ内部圧力の上昇を抑制
することができ、コンデンサの寿命特性の改善が図るこ
とができる。これは、コンデンサ内部に発生した水素ガ
スとの間でニトロ基の還元反応がおこることによるもの
と思われる。芳香族ニトロ化合物の添加量は、0.01
〜7.0重量%、好適には0.1〜5.0重量%であ
る。この範囲未満では、効果が低下し、この範囲を越え
ると電解液の電導度が低下する。
トロフェノール、ジニトロフェノール、ニトロ安息香
酸、ニトロトルエン、ジニトロトルエン、ニトロキシレ
ン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ニトロベンジ
ルアルコール、ニトロアセトフェノン、ニトロアニソー
ル、ジメトキシニトロベンゼン、ニトロアニリン、ニト
ロフェネトール、ニトロフタル酸、2−(ニトロフェノ
キシ)エタノール等をあげることができる。
例、比較例、及び、従来例について、電解コンデンサ用
電解液の組成と火花電圧および電導度を示したものであ
る。ここで、電解液の作成は(表1)示される組成物を
用いて常法により行い、アンモニアガスを注入してpH
を調整した。そして、この際に水を生成するので、調整
後の含水率を示した。また、火花電圧はコンデンサ素子
(定格:550V−120μF)を用い、室温において
10mAの定電流を流して測定した値である。なお、表
における脂肪族カルボン酸Aは、1,7−オクタンジカ
ルボン酸(51%)、7−メチル−7−メトキシカルボ
ニル−1,9−デカンジカルボン酸(14%)、7,9
−ジメチル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11
−ドデカンジカルボン酸(13%)、7,8−ジメチル
−7,8−ジメトキシカルボニル−1,14−テトラデ
カンジカルボン酸(22%)の混合物である。
2)における実施例、比較例、従来例の電解液を用い
た、450V−180μFの電解コンデンサの燃焼試験
の結果を示す。燃焼試験は電解コンデンサ用電解紙に電
解液を含浸し、これに着火し、消火にいたるまでの時間
を測定した。(表3)には3回試験を行ったその平均値
を示す。また、(表4)には、この電解コンデンサの初
期特性及び、95℃、2000時間の高温負荷試験の結
果を示す。
アルコール錯化合物の添加量の少ない、比較例1、2、
及び従来例は完全燃焼にいたっており、含水率の低い比
較例3においても消火に時間がかかっている。これに比
べて、本発明の電解コンデンサ用電解液を用いた電解コ
ンデンサの難燃性は良好で、自己消火性があることがわ
かる。
明らかなように、本発明の電解コンデンサ用電解液は火
花電圧が高く、電導度特性に優れており、これを用いた
電解コンデンサの特性も良好である。これに比べて(化
2)で示されるモノアルキルリン酸エステルを添加して
いない比較例4では試験後のtanδ及び漏れ電流が増
大している。
ルを用いた実施例を示す。(表5)に実施例の電解液の
組成と火花電圧、電導度を示した。電解液の作成はこれ
までと同様である。また、(表6)には(表5)におけ
る実施例の電解液を用いた450V−220μFの電解
コンデンサの初期特性及び、105℃、2000時間の
高温負荷試験の結果を示した。
実施例4、5の電解液を用いた電解コンデンサでは、シ
ス位の水酸基を有することのない糖アルコールであるエ
チレングリコールを用いた実施例6の電解液を用いた電
解コンデンサと比較して、火花電圧は高く、さらに寿命
試験後のtanδ変化が小さくより高温度下での寿命特
性に優れていることがわかる。
た実施例を示す。(表7)に、実施例の電解液組成を、
(表8)には400V−180μFの電解コンデンサの
95℃の2000時間後の寿命試験結果を、(表9)に
は製品高さ寸法の変化を示した。
本発明の芳香族ニトロ化合物を用いた実施例7はこれら
を用いない実施例8に比べて、2000時間後の製品高
さ寸法変化は小さくコンデンサの内圧上昇が抑制され、
その他の寿命特性も良好で寿命特性が向上している。
用電解液は、エチレングリコールを主体とする溶媒中
に、硼酸と多価アルコールから得られる、硼酸の多価ア
ルコール錯化合物あるいはその塩を10〜30重量%溶
解した電解液に、1,6−デカンジカルボン酸、5,6
−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン
酸、7−メチル−7−メトキシカルボニル−1,9−デ
カンジカルボン酸、7,9−ジメチル−7,9−ジメト
キシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボン酸、
7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカルボニル−
1,14−テトラデカンジカルボン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸から選ばれる、少なくとも1種以上の有機カ
ルボン酸化合物あるいはその塩を、前記硼酸の総量の1
〜15重量%添加し、さらに(化2)で示されるモノア
ルキルリン酸エステル化合物を添加し、かつ含水率が9
〜30重量%とした電解コンデンサ用電解液であり、火
花電圧が高く、高温長寿命特性が良好であり、かつ高い
難燃性を有している。したがって、本発明の電解液を用
いることによって、耐電圧が高く寿命特性が良好で、か
つ難燃性の高い電解コンデンサを得ることができる。
リン酸エステル化合物のアルキル基が分枝鎖状であると
効果の持続性が向上する。
錯化合物の多価アルコールとして、エリトリット、アラ
ビット、アドニット、ソルビット、マンニット、ズルシ
ット、タリットのうちから選ばれるシス位の水酸基を有
する糖アルコールを用いると、高温下での電導度の安定
性、及び火花電圧はより向上する。
剤、多価アルコールに酸化エチレン及び/または酸化プ
ロピレンを重合させて得られるポリオキシアルキレン多
価アルコールエーテル化合物を添加した場合は、電解液
の火花電圧をさらに上昇させることができ、電解コンデ
ンサの再化成性が向上して、高圧用電解コンデンサには
好適である。
添加した場合は、コンデンサ内部のガス発生が抑制され
るので、電解コンデンサの寿命特性は向上する。
Claims (5)
- 【請求項1】エチレングリコールを主体とする溶媒中
に、硼酸と多価アルコールから得られる、硼酸の多価ア
ルコール錯化合物あるいはその塩を10〜30重量%溶
解した電解液に、1,6−デカンジカルボン酸、5,6
−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン
酸、7−メチル−7−メトキシカルボニル−1,9−デ
カンジカルボン酸、7,9−ジメチル−7,9−ジメト
キシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボン酸、
7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカルボニル−
1,14−テトラデカンジカルボン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸から選ばれる、少なくとも1種以上の有機カ
ルボン酸化合物あるいはその塩を、前記硼酸の総量の1
〜15重量%添加し、さらに(化1)で示されるモノア
ルキルリン酸エステル化合物を添加し、かつ含水率が9
〜30重量%である電解コンデンサ用電解液。 【化1】 (式中、Rは、炭素数6〜12のアルキル基である。) - 【請求項2】(化1)で示されるモノアルキルリン酸の
アルキル基が分枝鎖状である請求項1記載の電解コンデ
ンサ用電解液。 - 【請求項3】硼酸の多価アルコール錯化合物における多
価アルコールが、エリトリット、アラビット、アドニッ
ト、ソルビット、マンニット、ズルシット、タリットの
うちから選ばれるシス位の糖アルコールである、請求項
1記載の電解コンデンサ用電解液。 - 【請求項4】非イオン性界面活性剤、多価アルコールに
酸化エチレン及び/または酸化プロピレンを重合させて
えられるポリオキシアルキレン多価アルコールエーテル
化合物を1種以上添加した、請求項1記載の電解コンデ
ンサ用電解液。 - 【請求項5】芳香族ニトロ化合物を一種以上添加した、
請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000384372A JP2002184654A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 電解コンデンサ用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000384372A JP2002184654A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 電解コンデンサ用電解液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002184654A true JP2002184654A (ja) | 2002-06-28 |
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JP2000384372A Pending JP2002184654A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 電解コンデンサ用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002184654A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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