JP2002184655A - 偏平型電解コンデンサ - Google Patents
偏平型電解コンデンサInfo
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- JP2002184655A JP2002184655A JP2000384371A JP2000384371A JP2002184655A JP 2002184655 A JP2002184655 A JP 2002184655A JP 2000384371 A JP2000384371 A JP 2000384371A JP 2000384371 A JP2000384371 A JP 2000384371A JP 2002184655 A JP2002184655 A JP 2002184655A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 難燃性の高い偏平型電解コンデンサを提供す
る。 【解決手段】 本発明の偏平型電解コンデンサは、電解
コンデンサ用電解液がエチレングリコール、硼酸の多価
アルコール錯化合物またはその塩、有機酸またはその
塩、モノアルキルリン酸エステル及び水を含み、金属ケ
ースがアルミニウム−マンガン合金からなっているの
で、高い難燃性を有し、さらに高温寿命特性も良好であ
る。
る。 【解決手段】 本発明の偏平型電解コンデンサは、電解
コンデンサ用電解液がエチレングリコール、硼酸の多価
アルコール錯化合物またはその塩、有機酸またはその
塩、モノアルキルリン酸エステル及び水を含み、金属ケ
ースがアルミニウム−マンガン合金からなっているの
で、高い難燃性を有し、さらに高温寿命特性も良好であ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、偏平型の電解コ
ンデンサに関する。
ンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】偏平型の電解コンデンサは、通常の円筒
型の電解コンデンサに比べて実装した際の占有容積が小
さいことから、車載等の実装容積の低減が求められる回
路での要求が大きい。また、コンデンサ素子の中心部か
ら平面部までの距離が円筒型に比べて小さく、さらに金
属ケースの平面部からの放熱が大きいので放熱特性が良
好であるので、特に発熱の大きい大型の電解コンデンサ
での要求が高まっている。
型の電解コンデンサに比べて実装した際の占有容積が小
さいことから、車載等の実装容積の低減が求められる回
路での要求が大きい。また、コンデンサ素子の中心部か
ら平面部までの距離が円筒型に比べて小さく、さらに金
属ケースの平面部からの放熱が大きいので放熱特性が良
好であるので、特に発熱の大きい大型の電解コンデンサ
での要求が高まっている。
【0003】このような偏平形電解コンデンサは図1〜
図3に示すように構成されている。すなわち、電解コン
デンサ用電解液が含浸された偏平型のコンデンサ素子2
が偏平型の有底筒状の金属ケース1に封入される。この
際にコンデンサ素子2から引き出された電極タブ3は封
口板4に取り付けた外部端子5に接続され、このように
コンデンサ素子2と封口板4を接続した状態で、コンデ
ンサ素子2を偏平型の金属ケース1内に収納し、封口板
4をケース1の開口部に配設してケース1の開口縁部6
を加締め加工することにより、ケース1の開口部の封止
を行うようにしている。
図3に示すように構成されている。すなわち、電解コン
デンサ用電解液が含浸された偏平型のコンデンサ素子2
が偏平型の有底筒状の金属ケース1に封入される。この
際にコンデンサ素子2から引き出された電極タブ3は封
口板4に取り付けた外部端子5に接続され、このように
コンデンサ素子2と封口板4を接続した状態で、コンデ
ンサ素子2を偏平型の金属ケース1内に収納し、封口板
4をケース1の開口部に配設してケース1の開口縁部6
を加締め加工することにより、ケース1の開口部の封止
を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の偏平型電解コンデンサにおいては、金属ケースの開口
縁部6が直線部61と半円部62からなっており加締め
加工が困難で、さらに加締め封口後の封口部の直線部1
1が内圧の上昇によって膨らみやすいという問題があっ
た。すなわち、使用状況によっては定格電圧以上の過電
圧が印加されることがありこの際にショートが発生し、
コンデンサ内部のガス発生による内圧の上昇によってこ
の封口部の直線部11から開口してしまう。このような
状況になると、この開口部分から空気が流入して結果と
して酸素が供給されることになり、この酸素とショート
の火花によって電解液が発火するという問題を引き起こ
す。
の偏平型電解コンデンサにおいては、金属ケースの開口
縁部6が直線部61と半円部62からなっており加締め
加工が困難で、さらに加締め封口後の封口部の直線部1
1が内圧の上昇によって膨らみやすいという問題があっ
た。すなわち、使用状況によっては定格電圧以上の過電
圧が印加されることがありこの際にショートが発生し、
コンデンサ内部のガス発生による内圧の上昇によってこ
の封口部の直線部11から開口してしまう。このような
状況になると、この開口部分から空気が流入して結果と
して酸素が供給されることになり、この酸素とショート
の火花によって電解液が発火するという問題を引き起こ
す。
【0005】そこでこの発明は、上記のような過電圧が
印加されるような状況でも封口体の安全弁が作動し、か
つ発火がおこることのない難燃性の高い偏平型電解コン
デンサを提供するものである。
印加されるような状況でも封口体の安全弁が作動し、か
つ発火がおこることのない難燃性の高い偏平型電解コン
デンサを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の偏平型電解コン
デンサは、陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回し
かつ電解コンデンサ用電解液を含浸した偏平型のコンデ
ンサ素子と、このコンデンサ素子を収納する偏平型の金
属ケースと、この金属ケースの開口端部を封口する封口
体とを備え、前記電解コンデンサ用電解液がエチレング
リコール、硼酸の多価アルコール錯化合物またはその
塩、有機酸またはその塩、(化2)で示されるモノアル
キルリン酸エステル及び水を含み、前記金属ケースがア
ルミニウム−マンガン合金からなることを特徴とする。
デンサは、陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回し
かつ電解コンデンサ用電解液を含浸した偏平型のコンデ
ンサ素子と、このコンデンサ素子を収納する偏平型の金
属ケースと、この金属ケースの開口端部を封口する封口
体とを備え、前記電解コンデンサ用電解液がエチレング
リコール、硼酸の多価アルコール錯化合物またはその
塩、有機酸またはその塩、(化2)で示されるモノアル
キルリン酸エステル及び水を含み、前記金属ケースがア
ルミニウム−マンガン合金からなることを特徴とする。
【0007】そして、前記の偏平型電解コンデンサにお
いて、前記電解コンデンサ用電解液が、エチレングリコ
ールを主体とする溶媒中に、硼酸と多価アルコールから
得られる硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはその塩
を10〜30重量%溶解した電解液に、1,6−デカン
ジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,7−
オクタンジカルボン酸、7−メチル−7−メトキシカル
ボニル−1,9−デカンジカルボン酸、7,9−ジメチ
ル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカ
ンジカルボン酸、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキ
シカルボニル−1,14−テトラデカンジカルボン酸、
セバシン酸、アゼライン酸から選ばれる少なくとも1種
以上の有機カルボン酸化合物あるいはその塩を前記硼酸
の総量の1〜15重量%添加し、さらに(化2)で示さ
れるモノアルキルリン酸エステル化合物を添加し、かつ
含水率が9〜30重量%であることを特徴とする。
いて、前記電解コンデンサ用電解液が、エチレングリコ
ールを主体とする溶媒中に、硼酸と多価アルコールから
得られる硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはその塩
を10〜30重量%溶解した電解液に、1,6−デカン
ジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,7−
オクタンジカルボン酸、7−メチル−7−メトキシカル
ボニル−1,9−デカンジカルボン酸、7,9−ジメチ
ル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカ
ンジカルボン酸、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキ
シカルボニル−1,14−テトラデカンジカルボン酸、
セバシン酸、アゼライン酸から選ばれる少なくとも1種
以上の有機カルボン酸化合物あるいはその塩を前記硼酸
の総量の1〜15重量%添加し、さらに(化2)で示さ
れるモノアルキルリン酸エステル化合物を添加し、かつ
含水率が9〜30重量%であることを特徴とする。
【0008】さらに、前記偏平型電解コンデンサにおい
て、前記偏平型の金属ケースの開口縁部の直線部の長さ
と直線部同士の間隔との比が0.8:1以上であること
を特徴とする。
て、前記偏平型の金属ケースの開口縁部の直線部の長さ
と直線部同士の間隔との比が0.8:1以上であること
を特徴とする。
【化2】 (式中、Rは、炭素数6〜12のアルキル基である。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の偏平型電解コンデンサは
以下のような構成をとっている。すなわち図1〜3に示
すように、陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回し
かつ電解コンデンサ用電解液を含浸した偏平型のコンデ
ンサ素子2が、偏平型の金属ケース1に収納され、金属
ケースの開口端部6が封口体4によって加締め加工され
封口されている。そして、本発明においては前記電解コ
ンデンサ用電解液がエチレングリコール、硼酸の多価ア
ルコール錯化合物またはその塩、有機酸またはその塩、
(化2)で示されるモノアルキルリン酸エステル及び水
を含んでいる。さらに前記金属ケースがアルミニウム−
マンガン合金からなっている。
以下のような構成をとっている。すなわち図1〜3に示
すように、陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回し
かつ電解コンデンサ用電解液を含浸した偏平型のコンデ
ンサ素子2が、偏平型の金属ケース1に収納され、金属
ケースの開口端部6が封口体4によって加締め加工され
封口されている。そして、本発明においては前記電解コ
ンデンサ用電解液がエチレングリコール、硼酸の多価ア
ルコール錯化合物またはその塩、有機酸またはその塩、
(化2)で示されるモノアルキルリン酸エステル及び水
を含んでいる。さらに前記金属ケースがアルミニウム−
マンガン合金からなっている。
【0010】以上のように本発明においては、アルミニ
ウム−マンガン合金からなる偏平型の金属ケースを用い
ているので封口部の加締め強度が向上し、過電圧の印加
による内圧の上昇がおこっても直線部が開口するという
ことがなく、封口体の安全弁が作動し発火が発生するこ
とがない。
ウム−マンガン合金からなる偏平型の金属ケースを用い
ているので封口部の加締め強度が向上し、過電圧の印加
による内圧の上昇がおこっても直線部が開口するという
ことがなく、封口体の安全弁が作動し発火が発生するこ
とがない。
【0011】さらに、封口体の安全弁の上部に回路基板
等の障害物があると、安全弁が作動した際に安全弁から
噴出した電解液の蒸気が障害物にあたって噴霧状態にな
って発火するというおそれがある。しかしながら、本発
明の電解コンデンサ用電解液はエチレングリコール、硼
酸の多価アルコール錯化合物またはその塩、有機酸また
はその塩、(化2)で示されるモノアルキルリン酸エス
テル及び水を含んでいるので高い難燃性を有しており、
このような場合にも発火することがない。
等の障害物があると、安全弁が作動した際に安全弁から
噴出した電解液の蒸気が障害物にあたって噴霧状態にな
って発火するというおそれがある。しかしながら、本発
明の電解コンデンサ用電解液はエチレングリコール、硼
酸の多価アルコール錯化合物またはその塩、有機酸また
はその塩、(化2)で示されるモノアルキルリン酸エス
テル及び水を含んでいるので高い難燃性を有しており、
このような場合にも発火することがない。
【0012】金属ケースのアルミニウム−マンガン合金
のマンガンの含有率は0.8〜1.7重量%、好ましく
は1.0〜1.5重量%である。この範囲未満では強度
が不足し、この範囲を越えると加工性が低下する。
のマンガンの含有率は0.8〜1.7重量%、好ましく
は1.0〜1.5重量%である。この範囲未満では強度
が不足し、この範囲を越えると加工性が低下する。
【0013】また、特に開口縁部の直線部の長さと直線
部同士の間隔との比が0.8:1以上、さらには1.
5:1以上になると、通常の偏平型の金属ケースでは内
圧上昇による膨れが大きくなり封口体の直線部が開口し
やすくなるが、本発明においてはこのような場合にも加
締め強度が低下することはない。
部同士の間隔との比が0.8:1以上、さらには1.
5:1以上になると、通常の偏平型の金属ケースでは内
圧上昇による膨れが大きくなり封口体の直線部が開口し
やすくなるが、本発明においてはこのような場合にも加
締め強度が低下することはない。
【0014】前記の本発明に用いる電解コンデンサ用電
解液は、硼酸と多価アルコールから得られる硼酸の多価
アルコール錯化合物あるいはその塩(以下、硼酸の多価
アルコール錯化合物類)を主たる溶質としている。そし
て、硼酸の多価アルコール錯化合物における多価アルコ
ールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、ペンタエリトリット、ポリビニルアルコール等、さ
らには、トリット、テトリット、ペンチット、ヘキシッ
ト、へプチット、オクチット、ノニット、デシット、ド
デシット等の糖アルコールがあげられる。この硼酸と多
価アルコールから得られる硼酸の多価アルコール錯化合
物類は、有機カルボン酸のようにエチレングリコールと
のエステル化反応によって電導度が低下するというよう
なことがない。また、アルミニウムとの錯体を形成する
ということもないので静電容量が低下するということが
なく、したがって高温での寿命特性は良好である。
解液は、硼酸と多価アルコールから得られる硼酸の多価
アルコール錯化合物あるいはその塩(以下、硼酸の多価
アルコール錯化合物類)を主たる溶質としている。そし
て、硼酸の多価アルコール錯化合物における多価アルコ
ールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、ペンタエリトリット、ポリビニルアルコール等、さ
らには、トリット、テトリット、ペンチット、ヘキシッ
ト、へプチット、オクチット、ノニット、デシット、ド
デシット等の糖アルコールがあげられる。この硼酸と多
価アルコールから得られる硼酸の多価アルコール錯化合
物類は、有機カルボン酸のようにエチレングリコールと
のエステル化反応によって電導度が低下するというよう
なことがない。また、アルミニウムとの錯体を形成する
ということもないので静電容量が低下するということが
なく、したがって高温での寿命特性は良好である。
【0015】ここで、硼酸の多価アルコール錯化合物類
は硼酸と多価アルコールとを合成して得るが、電解液を
混合、作成する際にエチレングリコール中に硼酸及び多
価アルコールを所定量混合し加熱溶解させて、電解液中
で合成して得ることもできる。合成の際に、硼酸1モル
に対して多価アルコール4モルが反応して1モルの硼酸
の多価アルコール錯化合物と3モルの水が生成される。
は硼酸と多価アルコールとを合成して得るが、電解液を
混合、作成する際にエチレングリコール中に硼酸及び多
価アルコールを所定量混合し加熱溶解させて、電解液中
で合成して得ることもできる。合成の際に、硼酸1モル
に対して多価アルコール4モルが反応して1モルの硼酸
の多価アルコール錯化合物と3モルの水が生成される。
【0016】そして、1,6−デカンジカルボン酸、
5,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカル
ボン酸、7−メチル−7−メトキシカルボニル−1,9
−デカンジカルボン酸、7,9−ジメチル−7,9−ジ
メトキシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボン
酸、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカルボニル
−1,14−テトラデカンジカルボン酸、セバシン酸、
アゼライン酸から選ばれる、少なくとも1種以上の有機
カルボン酸化合物あるいはその塩(以下、有機カルボン
酸類)を含有している。このことによって、電解液の酸
化皮膜修復能力、すなわち化成性が向上して、火花電圧
及び、漏れ電流特性が向上し、また、長時間にわたって
良好な化成性を維持するので、寿命試験での漏れ電流特
性はさらに向上する。この有機カルボン酸類の添加量は
前記硼酸の総量の1〜15重量%、好ましくは3〜10
重量%添加されてなるものである。これまでに述べたよ
うな状況であるので、この範囲未満では初期及び寿命試
験中の漏れ電流特性向上の効果が小さくなる。そして、
この範囲を越えると火花電圧が低下し、寿命試験中での
有機カルボン酸類のエチレングリコールとのエステル化
反応による陰イオンの減少によって電導度が低下するの
で寿命特性が悪化する。なお、前記硼酸の総量とは、前
述したように硼酸の多価アルコール錯化合物類は硼酸と
多価アルコールから作成されるが、その時に用いる硼酸
の総量を示す。
5,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカル
ボン酸、7−メチル−7−メトキシカルボニル−1,9
−デカンジカルボン酸、7,9−ジメチル−7,9−ジ
メトキシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボン
酸、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカルボニル
−1,14−テトラデカンジカルボン酸、セバシン酸、
アゼライン酸から選ばれる、少なくとも1種以上の有機
カルボン酸化合物あるいはその塩(以下、有機カルボン
酸類)を含有している。このことによって、電解液の酸
化皮膜修復能力、すなわち化成性が向上して、火花電圧
及び、漏れ電流特性が向上し、また、長時間にわたって
良好な化成性を維持するので、寿命試験での漏れ電流特
性はさらに向上する。この有機カルボン酸類の添加量は
前記硼酸の総量の1〜15重量%、好ましくは3〜10
重量%添加されてなるものである。これまでに述べたよ
うな状況であるので、この範囲未満では初期及び寿命試
験中の漏れ電流特性向上の効果が小さくなる。そして、
この範囲を越えると火花電圧が低下し、寿命試験中での
有機カルボン酸類のエチレングリコールとのエステル化
反応による陰イオンの減少によって電導度が低下するの
で寿命特性が悪化する。なお、前記硼酸の総量とは、前
述したように硼酸の多価アルコール錯化合物類は硼酸と
多価アルコールから作成されるが、その時に用いる硼酸
の総量を示す。
【0017】さらに、本発明の電解コンデンサ用電解液
は(化2)で示されるモノアルキルリン酸エステル化合
物を添加し、かつ水を含んでいる。ここで、(化2)で
示されるモノアルキルリン酸エステル化合物はアルキル
基が炭素数6〜12からなるものであるが、炭素数が6
未満であると加水分解しやすくなって効果の持続性が低
下し、13以上であると疎水性が低下して電解液に溶解
しなくなる。
は(化2)で示されるモノアルキルリン酸エステル化合
物を添加し、かつ水を含んでいる。ここで、(化2)で
示されるモノアルキルリン酸エステル化合物はアルキル
基が炭素数6〜12からなるものであるが、炭素数が6
未満であると加水分解しやすくなって効果の持続性が低
下し、13以上であると疎水性が低下して電解液に溶解
しなくなる。
【0018】このように、本発明の電解コンデンサ用電
解液は硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはその塩と
水を含んでいるので、これらの相乗作用によって高い難
燃性を有している。さらに、水を含んでいるにもかかわ
らず、(化2)に示されるモノアルキルリン酸エステル
化合物を添加しているので、電極箔の水和劣化が抑制さ
れることによるものと思われるが、前述した良好な高寿
命特性が低下することがない。ここで、硼酸の多価アル
コール錯化合物あるいはその塩の含有率は好ましくは1
0〜30重量%、さらに好ましくは15〜30重量%、
この範囲未満では難燃性が低下し、この範囲を越えると
電解液の粘性が上昇して含浸性が低下する。また、含水
率は好ましくは9〜30重量%、さらに好ましくは10
〜30重量%、この範囲未満では難燃性が低下し、この
範囲を越えると寿命特性が低下する。
解液は硼酸の多価アルコール錯化合物あるいはその塩と
水を含んでいるので、これらの相乗作用によって高い難
燃性を有している。さらに、水を含んでいるにもかかわ
らず、(化2)に示されるモノアルキルリン酸エステル
化合物を添加しているので、電極箔の水和劣化が抑制さ
れることによるものと思われるが、前述した良好な高寿
命特性が低下することがない。ここで、硼酸の多価アル
コール錯化合物あるいはその塩の含有率は好ましくは1
0〜30重量%、さらに好ましくは15〜30重量%、
この範囲未満では難燃性が低下し、この範囲を越えると
電解液の粘性が上昇して含浸性が低下する。また、含水
率は好ましくは9〜30重量%、さらに好ましくは10
〜30重量%、この範囲未満では難燃性が低下し、この
範囲を越えると寿命特性が低下する。
【0019】そして、(化2)で示されるモノアルキル
リン酸エステルの添加量は0.01〜5.0重量%、好
適には0.1〜3.0重量%である。この範囲未満では
効果が低下し、この範囲を越えると火花電圧が低下す
る。さらにこのモノアルキルリン酸エステルのアルキル
基が分枝鎖状であると、立体障害によって加水分解がお
こりにくくなり効果の持続性が向上するので好ましい。
なかでも、モノイソデシルフォスフェートが好ましい。
リン酸エステルの添加量は0.01〜5.0重量%、好
適には0.1〜3.0重量%である。この範囲未満では
効果が低下し、この範囲を越えると火花電圧が低下す
る。さらにこのモノアルキルリン酸エステルのアルキル
基が分枝鎖状であると、立体障害によって加水分解がお
こりにくくなり効果の持続性が向上するので好ましい。
なかでも、モノイソデシルフォスフェートが好ましい。
【0020】そして、これらの硼酸の多価アルコール錯
化合物類と有機カルボン酸類からなる溶質の電解液中の
含有量は11〜35重量%、好ましくは16〜35重量
%である。この範囲未満ではイオン濃度が低いため、ま
たこの範囲を越えると電解液の粘性が高くなることによ
るイオンの移動度低下のため、電導度が著しく低下す
る。
化合物類と有機カルボン酸類からなる溶質の電解液中の
含有量は11〜35重量%、好ましくは16〜35重量
%である。この範囲未満ではイオン濃度が低いため、ま
たこの範囲を越えると電解液の粘性が高くなることによ
るイオンの移動度低下のため、電導度が著しく低下す
る。
【0021】ここで、硼酸の多価アルコール錯化合物に
おける多価アルコールとしてエリトリット、アラビッ
ト、アドニット、ソルビット、マンニット、ズルシッ
ト、タリットのようなシス位の水酸基をもつ糖アルコー
ルを用いると、さらに高温下での電導度の低減を抑制す
ることができる。これはシス位の水酸基をもつ糖アルコ
ールを用いると、このシス位の二つの水酸基が硼酸と結
合して高温下においてより安定な硼酸錯化合物が形成さ
れるためと思われる。また、理由は明らかではないが、
火花電圧を上昇させることができる。ここで、これらの
シス位の水酸基をもつ糖アルコールのうち最も好ましい
のはマンニットである。そして、シス位の水酸基をもつ
糖アルコールの含有量は重量比で硼酸1に対して0.4
〜3.0、好適には1.0〜2.0の範囲である。この
範囲未満では高温下での電導度が上昇し、またこの範囲
をこえると初期の電導度が低下する。
おける多価アルコールとしてエリトリット、アラビッ
ト、アドニット、ソルビット、マンニット、ズルシッ
ト、タリットのようなシス位の水酸基をもつ糖アルコー
ルを用いると、さらに高温下での電導度の低減を抑制す
ることができる。これはシス位の水酸基をもつ糖アルコ
ールを用いると、このシス位の二つの水酸基が硼酸と結
合して高温下においてより安定な硼酸錯化合物が形成さ
れるためと思われる。また、理由は明らかではないが、
火花電圧を上昇させることができる。ここで、これらの
シス位の水酸基をもつ糖アルコールのうち最も好ましい
のはマンニットである。そして、シス位の水酸基をもつ
糖アルコールの含有量は重量比で硼酸1に対して0.4
〜3.0、好適には1.0〜2.0の範囲である。この
範囲未満では高温下での電導度が上昇し、またこの範囲
をこえると初期の電導度が低下する。
【0022】本発明における硼酸の多価アルコール錯化
合物の塩、有機カルボン酸化合物の塩としては、アンモ
ニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩および環状ア
ミジン化合物の四級アンモニウム塩があげられる。アミ
ン塩を構成するアミンとしては、一級アミン(メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、
エチレンジアミン、モノエタノールアミン等)、二級ア
ミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルア
ミン、エチルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジエタ
ノールアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、トリエタノー
ルアミン等)があげられる。これらのうちで好ましいの
は、アンモニウム塩である。
合物の塩、有機カルボン酸化合物の塩としては、アンモ
ニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩および環状ア
ミジン化合物の四級アンモニウム塩があげられる。アミ
ン塩を構成するアミンとしては、一級アミン(メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、
エチレンジアミン、モノエタノールアミン等)、二級ア
ミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルア
ミン、エチルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジエタ
ノールアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、トリエタノー
ルアミン等)があげられる。これらのうちで好ましいの
は、アンモニウム塩である。
【0023】溶媒はエチレングリコールと水を用いてい
るが、低温度特性の改善、比抵抗の低減等の目的でプロ
トン性極性溶媒、非プロトン性溶媒を添加することもで
きる。プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール
(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロペンタ
ノール、ベンジルアルコール、等)、多価アルコール及
びオキシアルコール化合物類(プロピレングリコール、
グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
1,3−ブタンジオール、メトキシプロピレングリコー
ル等)などがあげられる。非プロトン性溶媒としては、
アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ヘキサメ
チルホスホリックアミド等)、ラクトン類、環状アミド
類、カーボネート類(γ−ブチロラクトン、N−メチル
−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート等)、ニトリル類(アセトニトリル)オキ
シド類(ジメチルスルホキシド等)などが代表としてあ
げられる。
るが、低温度特性の改善、比抵抗の低減等の目的でプロ
トン性極性溶媒、非プロトン性溶媒を添加することもで
きる。プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール
(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロペンタ
ノール、ベンジルアルコール、等)、多価アルコール及
びオキシアルコール化合物類(プロピレングリコール、
グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
1,3−ブタンジオール、メトキシプロピレングリコー
ル等)などがあげられる。非プロトン性溶媒としては、
アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ヘキサメ
チルホスホリックアミド等)、ラクトン類、環状アミド
類、カーボネート類(γ−ブチロラクトン、N−メチル
−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート等)、ニトリル類(アセトニトリル)オキ
シド類(ジメチルスルホキシド等)などが代表としてあ
げられる。
【0024】そして、このようにして形成した電解質溶
液にアンモニアガスを注入、添加してpHを調整し、本
発明の電解コンデンサ用電解液が形成される。
液にアンモニアガスを注入、添加してpHを調整し、本
発明の電解コンデンサ用電解液が形成される。
【0025】さらに、前記電解液に非イオン性界面活性
剤、多価アルコールに酸化エチレン及び/または酸化プ
ロピレンを重合して得られるポリオキシアルキレン多価
アルコールエーテル化合物を添加することにより、電解
液の火花電圧を向上させることができる。このことによ
って、再化成時でのショート率を低減することができ、
高圧コンデンサ用電解液として好適なものとなる。ま
た、非イオン性界面活性剤は含浸の際に発泡する性質が
あるので、含浸時の作業性を考慮すると、多価アルコー
ルに酸化エチレン及び/または酸化プロピレンを重合し
て得られるポリオキシアルキレン多価アルコールエーテ
ル化合物の方が好ましい。
剤、多価アルコールに酸化エチレン及び/または酸化プ
ロピレンを重合して得られるポリオキシアルキレン多価
アルコールエーテル化合物を添加することにより、電解
液の火花電圧を向上させることができる。このことによ
って、再化成時でのショート率を低減することができ、
高圧コンデンサ用電解液として好適なものとなる。ま
た、非イオン性界面活性剤は含浸の際に発泡する性質が
あるので、含浸時の作業性を考慮すると、多価アルコー
ルに酸化エチレン及び/または酸化プロピレンを重合し
て得られるポリオキシアルキレン多価アルコールエーテ
ル化合物の方が好ましい。
【0026】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒ
ド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン
脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビ
タン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソ
ルビトール脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテ
ル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、親水性
シリコンオイル等があげられる。
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒ
ド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン
脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビ
タン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソ
ルビトール脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテ
ル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、親水性
シリコンオイル等があげられる。
【0027】多価アルコールに酸化エチレン及び/また
は酸化プロピレンを重合して得られるポリオキシアルキ
レン多価アルコールエーテル化合物の多価アルコールと
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ポリ
グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロール
エタン等があげられる。これらのうちで、グリセリン、
ペンタエリスリトール、ソルビット、ポリグリセリン、
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンが好ま
しい。
は酸化プロピレンを重合して得られるポリオキシアルキ
レン多価アルコールエーテル化合物の多価アルコールと
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ポリ
グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロール
エタン等があげられる。これらのうちで、グリセリン、
ペンタエリスリトール、ソルビット、ポリグリセリン、
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンが好ま
しい。
【0028】非イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキ
レン多価アルコールエーテル化合物の添加量は0.1〜
15重量%、好適には0.5〜10重量%である。この
範囲未満では効果が低下し、この範囲を越えると電導度
が低下する。ここで、ポリオキシアルキレン多価アルコ
ールエーテル化合物においては、平均分子量が1000
以上の場合は効果が高いので添加量は少なくて良い。こ
れらの中でもポリオキシエチレングリセリンが好まし
い。
レン多価アルコールエーテル化合物の添加量は0.1〜
15重量%、好適には0.5〜10重量%である。この
範囲未満では効果が低下し、この範囲を越えると電導度
が低下する。ここで、ポリオキシアルキレン多価アルコ
ールエーテル化合物においては、平均分子量が1000
以上の場合は効果が高いので添加量は少なくて良い。こ
れらの中でもポリオキシエチレングリセリンが好まし
い。
【0029】また、前記電解液に芳香族ニトロ化合物を
添加することにより、コンデンサ内部圧力の上昇を抑制
することができコンデンサの寿命特性の改善が図ること
ができる。これは、コンデンサ内部に発生した水素ガス
との間でニトロ基の還元反応がおこることによるものと
思われる。芳香族ニトロ化合物の添加量は、0.01〜
7.0重量%、好適には0.1〜5.0重量%である。
この範囲未満では、効果が低下し、この範囲を越えると
電解液の電導度が低下する。
添加することにより、コンデンサ内部圧力の上昇を抑制
することができコンデンサの寿命特性の改善が図ること
ができる。これは、コンデンサ内部に発生した水素ガス
との間でニトロ基の還元反応がおこることによるものと
思われる。芳香族ニトロ化合物の添加量は、0.01〜
7.0重量%、好適には0.1〜5.0重量%である。
この範囲未満では、効果が低下し、この範囲を越えると
電解液の電導度が低下する。
【0030】芳香族ニトロ化合物の具体例としては、ニ
トロフェノール、ジニトロフェノール、ニトロ安息香
酸、ニトロトルエン、ジニトロトルエン、ニトロキシレ
ン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ニトロベンジ
ルアルコール、ニトロアセトフェノン、ニトロアニソー
ル、ジメトキシニトロベンゼン、ニトロアニリン、ニト
ロフェネトール、ニトロフタル酸、2−(ニトロフェノ
キシ)エタノール等をあげることができる。
トロフェノール、ジニトロフェノール、ニトロ安息香
酸、ニトロトルエン、ジニトロトルエン、ニトロキシレ
ン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ニトロベンジ
ルアルコール、ニトロアセトフェノン、ニトロアニソー
ル、ジメトキシニトロベンゼン、ニトロアニリン、ニト
ロフェネトール、ニトロフタル酸、2−(ニトロフェノ
キシ)エタノール等をあげることができる。
【0031】以上のように、本発明の金属ケースと電解
コンデンサ用電解液を用いた偏平型電解コンデンサは高
い難燃性を有している。さらに、高温寿命特性も良好で
ある。
コンデンサ用電解液を用いた偏平型電解コンデンサは高
い難燃性を有している。さらに、高温寿命特性も良好で
ある。
【0032】
【実施例】(実施例)エチレングリコール64.5部、
硼酸16部、マンニット13部、1,7−オクタンジカ
ルボン酸(51%)、7−メチル−7−メトキシカルボ
ニル−1,9−デカンジカルボン酸(14%)、7,9
−ジメチル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11
−ドデカンジカルボン酸(13%)、7,8−ジメチル
−7,8−ジメトキシカルボニル−1,14−テトラデ
カンジカルボン酸(22%)の混合物を1.3部、モノ
イソデシルイスフェート0.7部、ポリオキシエチレン
グリセリン4部を混合加熱、アンモニアガスの注入をお
こなってpHを調整し、含水率10.5重量%の電解コ
ンデンサ用電解液を作成した。この電解コンデンサ用電
解液を偏平型のコンデンサ素子に含浸した。そしてこの
コンデンサ素子を、開口縁部の直線部が40mm、半円
部が24φ、長さが90mm、1.2重量%のマンガン
−アルミニウム合金からなる偏平型金属ケースに収納
し、開口部を加締め加工によって封口して、偏平型電解
コンデンサを作成した。定格は450WV、180μF
であった。 (比較例1)アルミニウムからなる金属ケースを用いた
ほかは、実施例と同様にして、偏平型電解コンデンサを
作成した。 (比較例2)電解コンデンサ用電解液として、エチレン
グリコール65.2部、硼酸16部、マンニット13
部、1,7−オクタンジカルボン酸(51%)、7−メ
チル−7−メトキシカルボニル−1,9−デカンジカル
ボン酸(14%)、7,9−ジメチル−7,9−ジメト
キシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボン酸(1
3%)、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカルボ
ニル−1,14−テトラデカンジカルボン酸(22%)
の混合物を1.3部、ポリオキシエチレングリセリン4
部を用い、含水率10.5重量%のものを用いたほかは
実施例と同様にして偏平型電解コンデンサを作成した。
硼酸16部、マンニット13部、1,7−オクタンジカ
ルボン酸(51%)、7−メチル−7−メトキシカルボ
ニル−1,9−デカンジカルボン酸(14%)、7,9
−ジメチル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11
−ドデカンジカルボン酸(13%)、7,8−ジメチル
−7,8−ジメトキシカルボニル−1,14−テトラデ
カンジカルボン酸(22%)の混合物を1.3部、モノ
イソデシルイスフェート0.7部、ポリオキシエチレン
グリセリン4部を混合加熱、アンモニアガスの注入をお
こなってpHを調整し、含水率10.5重量%の電解コ
ンデンサ用電解液を作成した。この電解コンデンサ用電
解液を偏平型のコンデンサ素子に含浸した。そしてこの
コンデンサ素子を、開口縁部の直線部が40mm、半円
部が24φ、長さが90mm、1.2重量%のマンガン
−アルミニウム合金からなる偏平型金属ケースに収納
し、開口部を加締め加工によって封口して、偏平型電解
コンデンサを作成した。定格は450WV、180μF
であった。 (比較例1)アルミニウムからなる金属ケースを用いた
ほかは、実施例と同様にして、偏平型電解コンデンサを
作成した。 (比較例2)電解コンデンサ用電解液として、エチレン
グリコール65.2部、硼酸16部、マンニット13
部、1,7−オクタンジカルボン酸(51%)、7−メ
チル−7−メトキシカルボニル−1,9−デカンジカル
ボン酸(14%)、7,9−ジメチル−7,9−ジメト
キシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボン酸(1
3%)、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカルボ
ニル−1,14−テトラデカンジカルボン酸(22%)
の混合物を1.3部、ポリオキシエチレングリセリン4
部を用い、含水率10.5重量%のものを用いたほかは
実施例と同様にして偏平型電解コンデンサを作成した。
【0033】実施例、比較例1の電解コンデンサを用
い、これらの電解コンデンサの上部に板状の障害物を設
置し、650WVを印加して過電圧試験をおこなった。
結果は、比較例1では電解コンデンサの封口部の直線部
が開口し内部の電解コンデンサ用電解液が漏出した。ま
た、実施例では安全弁が作動し内部の電解コンデンサ用
電解液が吹き出して板状の障害物に当たって噴霧状態に
なったが、発火することはなかった。
い、これらの電解コンデンサの上部に板状の障害物を設
置し、650WVを印加して過電圧試験をおこなった。
結果は、比較例1では電解コンデンサの封口部の直線部
が開口し内部の電解コンデンサ用電解液が漏出した。ま
た、実施例では安全弁が作動し内部の電解コンデンサ用
電解液が吹き出して板状の障害物に当たって噴霧状態に
なったが、発火することはなかった。
【0034】ついで、実施例、比較例2の電解コンデン
サを用いて高温寿命試験を行った。試験条件は、95
℃、2000時間の高温負荷である。結果を(表1)に
示す。
サを用いて高温寿命試験を行った。試験条件は、95
℃、2000時間の高温負荷である。結果を(表1)に
示す。
【0035】
【表1】
【0036】以上のように比較例2においては高温寿命
試験後にtanδおよび漏れ電流が増加しているのに対
して、実施例では良好な値を示しており、高温寿命特性
が良好であることが分かる。
試験後にtanδおよび漏れ電流が増加しているのに対
して、実施例では良好な値を示しており、高温寿命特性
が良好であることが分かる。
【0037】
【発明の効果】本発明の偏平型電解コンデンサは、電解
コンデンサ用電解液としてエチレングリコール、硼酸の
多価アルコール錯化合物またはその塩、有機酸またはそ
の塩、(化2)で示されるモノアルキルリン酸エステル
及び水を含み、金属ケースがアルミニウム−マンガン合
金からなっているので、高い難燃性を有することができ
る。さらに高温寿命特性も良好である。
コンデンサ用電解液としてエチレングリコール、硼酸の
多価アルコール錯化合物またはその塩、有機酸またはそ
の塩、(化2)で示されるモノアルキルリン酸エステル
及び水を含み、金属ケースがアルミニウム−マンガン合
金からなっているので、高い難燃性を有することができ
る。さらに高温寿命特性も良好である。
【図1】従来例、実施例を示す偏平型電解コンデンサの
斜視図。
斜視図。
【図2】従来例、実施例を示す偏平型電解コンデンサの
断面図。
断面図。
【図3】従来例、実施例を示す偏平型電解コンデンサ素
子の金属ケースへの封入の様子を示す図。
子の金属ケースへの封入の様子を示す図。
1 金属ケース 11封口部の直線部 2 コンデンサ素子 3 電極タブ 4 封口板 5 外部端子 6 金属ケースの開口縁部 61金属ケースの開口縁部の直線部 62金属ケースの開口縁部の半円部
Claims (3)
- 【請求項1】陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回
しかつ電解コンデンサ用電解液を含浸した偏平型のコン
デンサ素子と、このコンデンサ素子を収納する偏平型の
金属ケースと、この金属ケースの開口端部を封口する封
口体とを備え、前記電解コンデンサ用電解液がエチレン
グリコール、硼酸の多価アルコール錯化合物またはその
塩、有機酸またはその塩、(化1)で示されるモノアル
キルリン酸エステル及び水を含み、前記金属ケースがア
ルミニウム−マンガン合金からなる偏平型電解コンデン
サ。 - 【請求項2】前記電解コンデンサ用電解液が、エチレン
グリコールを主体とする溶媒中に、硼酸と多価アルコー
ルから得られる、硼酸の多価アルコール錯化合物あるい
はその塩を10〜30重量%溶解した電解液に、1,6
−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、
1,7−オクタンジカルボン酸、7−メチル−7−メト
キシカルボニル−1,9−デカンジカルボン酸、7,9
−ジメチル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11
−ドデカンジカルボン酸、7,8−ジメチル−7,8−
ジメトキシカルボニル−1,14−テトラデカンジカル
ボン酸、セバシン酸、アゼライン酸から選ばれる少なく
とも1種以上の有機カルボン酸化合物あるいはその塩を
前記硼酸の総量の1〜15重量%添加し、さらに(化
1)で示されるモノアルキルリン酸エステル化合物を添
加し、かつ含水率が9〜30重量%である請求項1記載
の偏平型電解コンデンサ。 - 【請求項3】前記偏平型の金属ケースの開口縁部の直線
部の長さと直線部同士の間隔との比が0.8:1以上で
ある請求項1記載の偏平型電解コンデンサ。 【化1】 (式中、Rは、炭素数6〜12のアルキル基である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000384371A JP2002184655A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 偏平型電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000384371A JP2002184655A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 偏平型電解コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002184655A true JP2002184655A (ja) | 2002-06-28 |
Family
ID=18851844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000384371A Pending JP2002184655A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 偏平型電解コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002184655A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005101433A1 (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Rubycon Corporation | 電解コンデンサ駆動用電解液及び電解コンデンサ |
JP2006108158A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-20 | Nippon Chemicon Corp | 電解コンデンサ |
JP2011129773A (ja) * | 2009-12-18 | 2011-06-30 | Rubycon Corp | 電解コンデンサ |
JP2015050237A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | サン電子工業株式会社 | 電解コンデンサ及びその製造方法 |
CN114284071A (zh) * | 2021-12-29 | 2022-04-05 | 深圳奥凯普电容器有限公司 | 一种延长使用寿命的电容器用电解液及其制备方法 |
-
2000
- 2000-12-18 JP JP2000384371A patent/JP2002184655A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005101433A1 (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Rubycon Corporation | 電解コンデンサ駆動用電解液及び電解コンデンサ |
US7667953B2 (en) | 2004-04-13 | 2010-02-23 | Rubycon Corporation | Electrolytic capacitor |
JP2006108158A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-20 | Nippon Chemicon Corp | 電解コンデンサ |
JP2011129773A (ja) * | 2009-12-18 | 2011-06-30 | Rubycon Corp | 電解コンデンサ |
JP2015050237A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | サン電子工業株式会社 | 電解コンデンサ及びその製造方法 |
CN114284071A (zh) * | 2021-12-29 | 2022-04-05 | 深圳奥凯普电容器有限公司 | 一种延长使用寿命的电容器用电解液及其制备方法 |
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