JP2011049262A - 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、高い電導度と高い火花電圧を両立した電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサを提供することを課題とする。
【解決手段】電解質(A)、有機溶媒(B)及びカチオン重合性モノマー(C)を含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液を用いる。(C)として炭素−炭素二重結合を有し側鎖に電子供与基を有するモノマー、具体的にはビニルエーテル類およびビニルベンゼン類からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。また、(B)としてγ−ブチロラクトン、スルホラン、およびエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電解コンデンサに使用する電解液、およびそれを用いた電解コンデンサに関するものである。
近年、コンデンサが使用される周辺環境の省スペース化・高温化に伴い、電導度が高く、火花電圧が高い、つまり電極のアルミ化成皮膜を破壊しにくく、アルミ化成皮膜に欠陥が生じたとき、これを修復する皮膜修復能に優れ、さらに高温での特性劣化が小さい電解液が要望されている。これに対し、第2級カルボン酸と第3級カルボン酸を併用して用いる電解液(例えば特許文献1)、第2級ポリカルボン酸と2級モノカルボン酸を併用して用いる電解液(例えば特許文献2)、第2級および/または第3級のカルボキシル基を合計で2個以上有する分子量260以上のポリカルボン酸を用いる電解液(例えば特許文献3)が知られている。
特開平06−275472 特開平06−290998 特開平01−103821
従来技術の上記第2級カルボン酸と第3級カルボン酸を併用して用いる電解液、第2級ポリカルボン酸と2級モノカルボン酸を併用して用いる電解液、第2級および/または第3級のカルボキシル基を合計で2個以上有する分子量260以上のポリカルボン酸を用いる電解液は、そのアニオンの分子量および構造を制御することで火花電圧を高くすることが可能であるが、同時に電導度の低下を起こし、電解コンデンサ用電解液の特性としては十分ではなかった。
すなわち、本発明の課題は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするもであって、高い電導度と高い火花電圧を両立した電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサを提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、電解質(A)、有機溶媒(B)及びカチオン重合性モノマー(C)を含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液である。
本発明の電解液を用いた電解コンデンサは、エージング時にアルミ化成皮膜の欠陥部で重合性モノマーが電解重合し、保護膜の役割を果たし、その結果、火花電圧が高くなる。また、アルミ化成皮膜の欠陥部でしか重合しないため、電導度は高く保持したまま火花電圧を高くすることができる。
カチオン重合性モノマー(C)の添加量は、電解質(A)と有機溶媒(B)の合計重量に基づいて、0.01〜10重量%(以下wt%と記載する。)であることが好ましい。添加量が10wt%以下であると電極表面にポリマーが多く付着し過ぎず、コンデンサの容量が低下しない。また、0.01wt%以上であると、耐電圧を上げる効果がある。
<カチオン重合性モノマー(C)>
本発明において、カチオン重合性モノマー(C)としては、炭素−炭素二重結合を有し側鎖に電子供与基を有するモノマーである。電子供与基としては、エーテル基、カルバゾール基、芳香族基、アルキル芳香族基、アルキル基などがある。
(C)の具体例としては、ビニルエーテル類、ビニルベンゼン類、ビニルカルバゾール類、インデン類等があげられ、これらの一種または、二種以上を併用しても良い。
(1)ビニルエーテル類
n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、4−ハイドロキシブチルビニルエーテル、2−ハイドロキシエチルビニルエーテル、9−ハイドロキシノニルビニルエーテル、4−ハイドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等。
(2)ビニルベンゼン類
スチレン、ジビニルベンゼン、4−メトキシスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン等。
(3)ビニルカルバゾール類
N−ビニルカルバゾール等。
(4)インデン類
インデン、シクロペンタフェナントレン等。
(5)ビニルピリジン類
2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等。
上記カチオン重合性モノマー(C)のうちで、ビニルエーテル類、およびビニルベンゼン類が好ましく、さらに好ましいのは、ビニル基を複数もつビニルエーテル類であり、その中で特に好ましいのは、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテルである。
<カチオン(D)>
電解質(A)は、カチオン(D)とアニオン(E)の塩からなる。
カチオン(D)としては、アミジニウムカチオン、第4級アンモニウムカチオン、第3級アンモニウムカチオン、アンモニウムカチオン、およびホスホニウムカチオン等が使用できる。上記カチオン(D)は、一種または二種以上を併用してもよい。
アミジニウムカチオンとしては、(1)イミダゾリニウムカチオンおよび(2)イミダゾリウムカチオン等が含まれる。
(1)イミダゾリニウムカチオン
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムなど。
(2)イミダゾリウムカチオン
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムなど。
第4級アンモニウムカチオンとしては、炭素数1〜4のアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウムカチオン{テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムおよびトリエチルメチルアンモニウム等}等が挙げられる。
第3級アンモニウムカチオンとしては、炭素数1〜4のアルキル基を有するトリアルキルアンモニウムカチオン{トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウムおよびトリメチルアンモニウム等}等が挙げられる。
ホスホニウムカチオンとしては、炭素数1〜4のアルキル基を有するテトラアルキルホスホニウムカチオン{テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウムおよびトリエチルメチルホスホニウム等}が挙げられる。
上記カチオン(D)のうち好ましいのは、アミジニウムカチオンであり、これらのうち、好ましいのは環状アミジニウムカチオン、より好ましいのは(1)イミダゾリニウムカチオンおよび(2)イミダゾリウムカチオン、さらに好ましくは1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオンである。
<アニオン(E)>
アニオン(E)としては、電解液に通常用いられる種々の有機酸および/または無機酸のアニオンを用いることができる。有機酸、無機酸としては、例えば下記の(1)〜(6)が挙げられる。上記アニオン(E)は、一種または二種以上を併用してもよい。
(1)カルボン酸類
・炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,6−デカンジカルボン酸など)、不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など)]、芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など]、S含有ポリカルボン酸[チオジブロピオン酸など]。
・炭素数2〜20のオキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒酪酸、ひまし油脂肪酸など];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸など]。
・炭素数1〜30のモノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸など)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸など)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸など]。
(2)炭素数1〜15のアルキル基のモノおよびジアルキルリン酸エステル
・モノおよびジメチルリン酸エステル、モノおよびジエチルリン酸エステル、モノおよびジイソプロピルリン酸エステル、モノおよびジブチルリン酸エステル、モノおよびジ−(2−エチルヘキシル)リン酸エステル、モノおよびジイソデシルリン酸エステルなど。
(3)フェノール類
・1価フェノール(フェノール類、ナフトール類を含む):フェノール、アルキル(炭素数1〜15)フェノール類(クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、n−もしくはイソプロピルフェノール、イソドデシルフェノールなど)、メトキシフェノール類(オイゲノール、グアヤコールなど)、α−ナフトール、β−ナフトール、シクロヘキシルフェノールなど;
・多価フェノール:カテコール、レゾルシン、ピロガロール、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど。
(4)スルホン酸
・アルキル(炭素数1〜15)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸など)、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホン酸など。
(5)無機酸
・リン酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化ヒソ酸など
(6)その他
・三フッ化メタンスルホニルイミドなどのイミドアニオン、三フッ化メタンスルホニルメチドなどのメチドアニオン。
上記アニオン(E)のうち好ましいのは、(1)カルボン酸類、(2)炭素数1〜15のアルキル基のモノおよびジアルキルリン酸エステルのアニオンであり、特に好ましいのは、フタル酸、ジエチルリン酸エステルのアニオンである。
電解質(A)の製造方法としては、例えば、国際公開番号WO95/15572号に記載の方法に準拠し、第3級アミンを炭酸ジアルキルで4級化し、アニオン交換する方法で製造することが出来る。
本発明の電解液のpHは通常3〜12、好ましくは6〜11であり、電解質(A)を製造する際は電解液のpHがこの範囲となるような条件が選択される。なお該電解液のpHは電解液原液の25℃の分析値である。
<有機溶媒(B)>
本発明における有機溶媒(B)とは、例えば以下に例示されるものであり、2種以上併用することもできる。またこれらの有機溶媒とともに必要により水を併用してもよい。
(1)アルコール類;
1価アルコール;炭素数1〜6の1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなど)、炭素数7以上の1価アルコール(ベンジルアルコール、オクタノールなど)
2価アルコール;炭素数1〜6の2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、炭素数7以上の2価アルコール(オクチレングリコールなど)
3価アルコール;炭素数1〜6の3価アルコール(グリセリンなど)、
4価から6価またはそれ以上のアルコール;炭素数1〜6の4価から6価またはそれ以上のアルコール(ヘキシトールなど)など。
(2)エーテル類;
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)など。
(3)アミド類;
ホルムアミド類(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド類(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど。
(4)オキサゾリジノン類;
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど。
(5)ラクトン類;
γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
(6)ニトリル類;
アセトニトリル、アクリロニトリルなど。
(7)カーボネート類;
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど。
(8)その他の有機溶媒;
ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、芳香族系溶剤(トルエン、キシレンなど)、パラフィン系溶剤(ノルマルパラフィン、イソパラフィン)など。
これらの有機溶媒の中で、γ−ブチロラクトン、スルホラン、およびエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく、特にγ−ブチロラクトンが最も好ましい。
有機溶媒(B)としてγ−ブチロラクトンを使用するときは、γ−ブチロラクトン、又はγ−ブチロラクトンとスルホラン及び/またはエチレングリコールとの混合溶媒として使用するのが好ましい。混合溶媒として使用する場合のγ−ブチロラクトンの混合比率は、比電導度の経時変化の観点から98wt%以下、低温での比電導度の観点から50wt%以上が好ましい。
本発明の電解液には、さらに水を含有することが好ましい。水を含有すると、コンデンサ部材{陽極箔である酸化アルミニウム箔など}の化成性{陽極箔表面に欠損部分があれば、酸化被膜を形成させてこれを修復する性質}を向上させることができる。一方、水の含有量が多いと、重合性モノマーの電解重合を阻害し、火花電圧が低くなる。したがって、水を含有する場合、水の含有量は、電解質(A)、および有機溶媒(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.01〜5wt%、更に好ましくは0.05〜1wt%、特に好ましくは0.1〜0.5wt%である。なお、水分は、JIS K0113:2005の「8.カールフィッシャー滴定方法、8.1容量滴定方法」{対応国際規格ISO760:1978;これに開示された開示内容を参照により本出願に取り込む。}に準拠して測定される。
電解質(A)および電解質(A)中のアニオン(D)とカチオン(E)とのモル比率(アニオン/カチオン)は、コンデンサ部材{電解コンデンサの封口ゴム、および酸化アルミニウム箔等}の腐食の観点から、好ましくは0.8〜1.2、更に好ましくは0.9〜1.1、特に好ましくは0.95〜1.05である。
モル比率が0.8〜1.2であると、電解液の液性がアルカリ性に偏らず、電解コンデンサの封口ゴムであるブチルゴムが劣化しにくく、この結果、電解液がコンデンサから漏れる等の不具合が生じにくい。また、電解液の液性が酸性に偏らず、陽極の酸化アルミニウム箔が腐食されにくく、この結果、ショート等の不具合が生じにくい。
本発明の電解液には必要により、電解液に通常用いられる種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、ホウ酸誘導体(例えば、ホウ酸、ホウ酸と多糖類〔マンニット、ソルビットなど〕との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール〔エチレングリコール、グリセリンなど〕との錯化合物など)、ニトロ化合物(例えば、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノールなど)などを挙げることができる。その添加量は、比電導度と電解液への溶解度の観点から、電解質(A)および有機溶媒(B)の重量に基づいて、好ましくは5wt%以下、特に好ましくは0.1〜2wt%がよい。
本発明の電解液は、電解コンデンサ用として好適である。電解コンデンサとしては、特に限定されず、例えば、捲き取り形の電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサが挙げられる。本発明の電解液を駆動用電解液としてセパレーターに含浸し、陽陰極と共に、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで密閉して電解コンデンサを構成することができる。
本発明の電解液を電解コンデンサに使用するときは、該電解コンデンサは該電解液を有し、陽極表面の少なくとも一部が電解液中に含有されるカチオン重合性モノマー(C)の重合膜で被覆された状態で使用する。電解コンデンサをこのような状態にするためには、電解液を電解コンデンサに含浸し、電解コンデンサをエージング(電解コンデンサを組み立て後、電圧印下を行うこと)することにより陽極近傍でカチオン重合性モノマー(C)を重合させて、陽極表面の少なくとも一部をカチオン重合性モノマー(C)の重合膜で被覆することができる。また、本発明の電解液を使用した電解コンデンサは、誘電体層に欠陥が生じた際には、電圧印下時に陽極近傍でカチオン重合性モノマー(C)を重合させて、陽極表面の少なくとも一部をカチオン重合性モノマー(C)の重合膜で被覆することができる。
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<製造例1>
ジメチルカーボネート(0.2mol)のメタノール溶液(74wt%)に、2,4−ジメチルイミダゾリン(0.1mol)を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチルカーボネート塩のメタノール溶液を得た。
リン酸トリエチル(TEP:大八化学工業社製)(0.1mol)を、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチルカーボネート塩(0.1mol)のメタノール溶液に加え、水(0.3mol)を添加し、100℃×20時間攪拌することで、リン酸トリエチルを加水分解すると共に、塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ジエチルリン酸エステルモノアニオンのメタノール溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度、50℃で、メタノールの留出がなくなるまで加熱してメタノールを蒸留した後、温度を50℃から100℃に上昇させて30分加熱してモノメチルカーボネート(HOCOCH)、メタノール及び二酸化炭素(メタノール及び二酸化炭素は、モノメチルカーボネートの熱分解により僅かに生成する。以下、これらを副生物と略する。)を蒸留することで、電解質(A−1){1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・ジエチルリン酸エステルモノアニオン}を得た。収率は99wt%{1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチルカーボネート塩(0.1mol)の重量に基づく収率、以下同様。}であった。
<製造例2>
フタル酸(0.1mol)を、製造例1と同様にして得た1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチルカーボネート塩(0.1mol)のメタノール溶液に加えることで塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩のメタノール溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度、50℃で、メタノールの留出がなくなるまで加熱してメタノールを蒸留した後、温度を50℃から100℃に上昇させて30分加熱して副生物を蒸留することで、電解質(A−2){1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・フタル酸塩}を得た。
<製造例3>
ジメチルカーボネート(0.1mol)のメタノール溶液(74wt%)に、1−エチルイミダゾール(0.1mol)を滴下して、130℃で70時間攪拌することで、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・メチルカーボネート塩のメタノール溶液を得た。これに、1,6−デカンジカルボン酸(0.1mol)を加えることで、塩交換反応を行い、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・1,6−デカンジカルボン酸のメタノール溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度、50℃で、メタノールの留出がなくなるまで加熱してメタノールを蒸留した後、温度を50℃から100℃に上昇させて30分加熱して副生物を蒸留することで、電解質(A−3){1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・1,6−デカンジカルボン酸塩}を得た。
<製造例4>
2,9−ジメチルセバシン酸(0.1mol)、2−エチルヘプタン酸(0.1mol)を、製造例3と同様にして得た、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・メチルカーボネート塩(0.2mol)のメタノール溶液に加えることで塩交換反応を行い、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・2,9−ジメチルセバシン酸/2−エチルヘプタン酸塩のメタノール溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度、50℃で、メタノールの留出がなくなるまで加熱してメタノールを蒸留した後、温度を50℃から100℃に上昇させて30分加熱して副生物を蒸留することで、第2級ポリカルボン酸と2級モノカルボン酸を併用した電解質(A−4){1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・2,9−ジメチルセバシン酸/2−エチルヘプタン酸塩}を得た。
<実施例1>
5.0gの電解質(A−2)をγ−ブチロラクトン(B−1)95.0gに溶解させた。さらに、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル(C−1)0.5g添加することで、本発明の電解液を得た。
<実施例2>
4.5gの電解質(A−1)と0.5gの電解質(A−2)をγ−ブチロラクトン(B−1)95.0gに溶解させた。さらに、トリエチレングリコールジビニルエーテル(C−2)0.3g添加することで、本発明の電解液を得た。
<実施例3>
5.0gの電解質(A−3)をγ−ブチロラクトン(B−1)76.0gとエチレングリコール(B−2)19.0gの混合溶媒に溶解させ、さらにジビニルベンゼン(C−3)0.3g添加することで、本発明の電解液を得た。
<比較例1>
5.0gの電解質(A−2)をγ−ブチロラクトン(B−1)95.0gに溶解させ、比較例1の電解液を得た。
<比較例2>
4.5gの電解質(A−1)と0.5gの電解質(A−2)をγ−ブチロラクトン(B−1)95.0gに溶解させ、比較例2の電解液を得た。
<比較例3>
5.0gの電解質(A−3)をγ−ブチロラクトン(B−1)76.0gとエチレングリコール(B−2)19.0gの混合溶媒に溶解させ、比較例4の電解液を得た。
<比較例4>
電解質(A−4)5.0gをγ−ブチロラクトン(B−1)76.0gとエチレングリコール(B−2)19.0gの混合溶媒に溶解させ、比較例4の電解液を得た。
実施例1〜3、比較例1〜4で得た電解液を用い、下記の方法で、火花電圧、比電導度を測定し表1に記載した。
火花電圧:陽極に10cmの高圧用化成エッチングアルミニウム箔、陰極に10cmのプレーンなアルミニウム箔を用い、25℃において、定電流法(2mA)を負荷したときの電解液の火花電圧を測定した。
比電導度:東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用い、30℃での比電導度を測定した。
表1から明らかなように、本発明(実施例1〜3)の電解液では30℃における電解液の比電導度をほとんど低下させずに、火花電圧を高めることができた。
本発明の電解液を使用することで、高い電導度と高い火花電圧を両立した電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサを提供することができる。したがって、市場における使用電源の高耐電圧化が進むなかで、この発明の電解液の市場価値は非常に大きい。

Claims (7)

  1. 電解質(A)、有機溶媒(B)及びカチオン重合性モノマー(C)を含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
  2. カチオン重合性モノマー(C)が、炭素−炭素二重結合を有し側鎖に電子供与基を有するモノマーである請求項1に記載の電解液。
  3. 重合性モノマー(C)が、ビニルエーテル類およびビニルベンゼン類からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1または2に記載の電解液。
  4. 電解質(A)がカチオン(D)とアニオン(E)とからなり、該カチオン(D)がアミジニウムカチオン(D1)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
  5. 有機溶媒(B)が、γ−ブチロラクトン、スルホラン、およびエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液を有し、陽極表面の少なくとも一部がカチオン重合性モノマー(C)の重合膜で被覆されたことを特徴とする電解コンデンサ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解液を電解コンデンサに含浸し、電解コンデンサのエージング時に陽極近傍でカチオン重合性モノマー(C)を重合させて、陽極表面の少なくとも一部をカチオン重合性モノマー(C)の重合膜で被覆することを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
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