JP2014224052A - アミジニウム塩の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高純度のアミジニウム塩を高収率で製造する方法の提供。【解決手段】式(1)で表わされるアミジン基を有する化合物(A)と、炭酸ジアルキルおよび硫酸ジアルキルからなる群から選ばれるアルキル化剤(B)を用い、(B)に(A)を滴下させながら反応させてアミジニウム塩(D)を得るアミジニウム塩の製造方法。[R1〜R4は、それぞれヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子を表す。R1、R2、R3およびR4の一部または全てが相互に結合して環を形成していてもよい。]【選択図】なし

Description

本発明は、アミジニウム塩の製造方法に関する。
アミジニウム塩は、例えばアルミニウム電解コンデンサ用電解液の電解質等、電子材料用途において有用な化合物であるが、有機不純物・イオン不純物を避けるため、高純度のものが望まれている。
アミジニウム塩の製造方法としては、イミダゾリンと炭酸ジエステルの反応から得る方法が開示されている。(特許文献1)
特開平8−67672
特許文献1に開示された製造方法では、アミジン基を有する化合物とアルキル化剤の反応速度を制御できないため系内の温度および圧力の制御が難しく、目的物以外のアミジニウム塩が副生する。また系内の圧力制御のために系内の気体を系外へ除去すると、原料が系外へ除去され、アミジニウム塩の収率が低く効率が悪いという欠点がある。
本発明の課題は、高純度のアミジニウム塩を高収率で製造する方法を提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、一般式(1)で表されるアミジン基を有する化合物(A)と、炭酸ジアルキルおよび硫酸ジアルキルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキル化剤(B)とを反応させてアミジニウム塩を製造する工程において、(B)に対して(A)を分割投入させながら反応させてアミジニウム塩(D)を得るアミジニウム塩の製造方法である。
Figure 2014224052
[R〜Rは、それぞれヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子を表す。R、R、RおよびRの一部または全てが相互に結合して環を形成していてもよい。]
本発明の製造方法によると、高純度のアミジニウム塩を高収率で製造することができる。
本発明の製造方法は、一般式(1)で表されるアミジン基を有する化合物(A)と炭酸ジエステル、硫酸ジアルキルから選ばれるアルキル化剤(B)とを反応させてアミジニウム塩を製造する工程において、(A)を分割投入させながら反応させてアミジニウム塩(D)を得るアミジニウム塩の製造方法である。
上記一般式(1)で表されるアミジン基を有する化合物(A)において、R〜Rは、それぞれヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子を表す。該炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜7である。
〜Rの具体例としては以下のものが挙げられる。
(1)飽和炭化水素基
アルキル基:メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルなどの直鎖アルキル基、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの分岐アルキル基等、
脂環式炭化水素基:シクロプロピル、シクロペンチル、シクロブチル等。
(2)不飽和炭化水素基
アルケニル基:ビニル、アリル、プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル等、
アルキニル基:エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル等、
芳香族炭化水素基:フェニル、トリル、ナフチル、アントラセニル、ベンジル、フラニル、チエニル等複素環芳香族化合物基等。
(3)R〜Rのうち2つ以上の基が互いに結合して環構造を形成してもよく、2つの基が互いに結合してなる基の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブチレンなどの直鎖アルキレン基、1−メチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレンなどの分岐アルキレン基、1,3−シクロペンチレン、1,4−シクロヘキシレン、1,2−シクロヘキシレンなどの環状アルキレン基等が挙げられる。
(A)のアミジン基は、鎖状の場合と環状の場合とがある。環状としては、たとえばイミダゾール環、2−イミダゾリン環およびテトラヒドロピリミジン環を有する化合物が挙げられる。これらの具体例は以下のとおりである。
(1)鎖状:N,N−ジメチル−N′−ベンジルフォルムアミジン、N−メチル−N,N′−ジベンジルフォルムアミジン、N,N−ジメチル−N′−ベンジルアセトアミジン、N,N−ジメチル−N′−フェニルアセトアミジン、N−メチル−N,N′−ジベンジルアセトアミジンなど。
(2)環状:
(2−1)イミダゾール環化合物:
・イミダゾール同族体:イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−フェニル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、1,5−ジメチルイミダゾール、1,2,4−トリメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾールなど。
・オキシアルキル誘導体:1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール、1−メチル−4−オキシメチルイミダゾール、1−(β−オキシエチル)−イミダゾール、1−メチル−2−エトキシメチルイミダゾール、1−エトキシメチル−2−メチルイミダゾールなど。
・ニトロおよびアミノ誘導体:1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5(4)−アミノイミダゾール、1−メチル−4(5)−(2−アミノエチル)イミダゾール、1−(β−アミノエチル)イミダゾールなど。
(2−2)ベンゾイミダゾール化合物:1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール、1−メチル−5(6)−ニトロベンゾイミダゾールなど。
(2−3)2−イミダゾリン環を有する化合物:2−イミダゾリン、1−メチル−2−イミダゾリン、1,2−ジメチル−2−イミダゾリン、1,2,4−トリメチル−2−イミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチル−2−イミダゾリン、1−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン、1−メチル−2−ベンジル−2−イミダゾリン、1−メチル−2−オキシエチル−2−イミダゾリン、1−メチル−2−ヘプチル−2−イミダゾリン、1−メチル−2−ウンデシル−2−イミダゾリン、1−メチル−2−ヘプタデシル−2−イミダゾリン、1−(β−オキシエチル)−2−メチル−2−イミダゾリン、1−メチル−2−エトキシメチル−2−イミダゾリン、1−エトキシメチル−2−メチル−2−イミダゾリンなど。
テトラヒドロピリミジン環を有する化合物:1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5など。
アミジン基を有する化合物(A)のうち、好ましくは一般式(2)で表される2−イミダゾリン環(A1)であり、さらに好ましくは2−メチル−2−イミダゾリン、2,4−ジメチル−2−イミダゾリン、2,4,5−トリメチル−2−イミダゾリン、2−エチル−2−イミダゾリン、2−エチル−4−メチル−2−イミダゾリン、2−イソプロピル−2−イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、2−ベンジル−2−イミダゾリンおよび2−メトキシ−2−イミダゾリンである。
Figure 2014224052
[R〜R10は、それぞれヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子を表す。]
アルキル化剤(B)は、一般式(3)で表される炭酸ジアルキル(B1)または一般式(4)で表される硫酸ジアルキル(B2)である。
Figure 2014224052
11〜R12は、それぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を表す。
Figure 2014224052
13〜R14は、それぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を表す。
一般式(3)で表される炭酸ジアルキル(B1)において、R11〜R12は炭素数1〜10の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜5である。
(B1)の好ましい具体例としては、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル等が挙げられる。
一般式(4)で表される硫酸ジアルキル(B2)において、R13〜R14は炭素数1〜10の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜5である。
(B2)の好ましい具体例としては、ジメチル硫酸、エチルメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジイソプロピル硫酸、ジブチル硫酸等が挙げられる。
本反応は、アミジン基を有する化合物(A)をアルキル化剤(B)に対して分割投入させることにより反応させる。(A)と(B)の反応は発熱反応であるため、温度および圧力制御の観点から冷却しながら行い、さらに温度および圧力制御を精密かつ容易に行うという観点から(B)に対して(A)を分割投入する。温度および圧力を制御することにより、副生物生成の抑制および原料の使用量を削減することができるため、高純度のアミジニウム塩を高収率で製造することができる。
(A)と(B)の反応温度は、30〜200℃が好ましく、50〜150℃がより好ましい。
(A)は、(A)の沸点以下の温度に温調したものを(B)に対して分割投入する。(A)の分割投入の速度は系内の温度より決定する。
反応は密閉系または開放系で反応させてもよいが、いずれの方法においても不活性気体(窒素など)の雰囲気下で行うことが好ましい。
反応圧力は0〜3MPaが好ましく、0.1〜0.9MPaが最も好ましく、圧力は系内の気体を系外へ除去する、反応槽を冷却することにより制御する。
(A)と(B)の仕込みモル比率はモル比で(A)/(B)=1/10〜1/1であり、好ましくは1/5〜1/1である。
(A)と(B)の反応において、反応率を上げる観点から、反応温度と同じ温度で熟成させることが好ましい。熟成は(A)の仕込み終了後、1〜30時間、好ましくは2〜20時間である。
(A)と(B)の反応において副生する化合物は必要に応じて除去する。副生する気体は系外へ除去、副生する液体や固体は沸点以上の温度で留出させて除去する方法などが挙げられる。
アミジン基を有する化合物(A)とアルキル化剤(B)の反応によりアミジニウム塩(D)を得る。(A)と炭酸ジアルキル(B1)の反応により一般式(5)で表されるアミジニウムアルキル炭酸塩(D1)を、(A)と(B2)の反応により一般式(6)で表されるアミジニウムアルキル硫酸塩(D2)を得る。
Figure 2014224052
15〜R17は、R11またはR12のいずれか1つの炭化水素基である。
Figure 2014224052
18〜R20は、R13またはR14のいずれか1つの炭化水素基である。
(A)と(B)との反応は、(A)の(D)への転化を向上させる観点から、溶媒(C)を使用することが好ましい。(B)と(C)の混合物に対して(A)を滴下する方法、(B)に対して(A)と(C)の混合物を滴下する方法、および(B)と(C)の混合物に対して(A)と(C)の混合物を滴下する方法などがある。
溶媒(C)の具体例は以下のとおりであり、2種以上併用することもできる。その使用量は(A)と(C)の仕込みモル比で(A)/(C)=1/0.1〜1/10であり、好ましくは1/1〜1/5である。
(1)極性溶媒
プロトン性溶媒:
・1価アルコール;炭素数1〜6の1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなど)、炭素数7以上の1価アルコール(ベンジルアルコール、オクタノールなど)、2価アルコール;炭素数2〜6の2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、炭素数7以上の2価アルコール(オクチレングリコールなど)、
3価アルコール;炭素数3〜6の3価アルコール(グリセリンなど)、
4価から6価またはそれ以上のアルコール;炭素数1〜6の4価から6価またはそれ以上のアルコール(ヘキシトールなど)
・アミド類;
ホルムアミド類(N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、など)、アセトアミド類(N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミドなど)
・水
非プロトン性溶媒:
・アミド類;
ホルムアミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド類(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミドなど)、オキサゾリジノン類(N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど
・ラクトン類;
α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど
・ケトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノンなど
・ニトリル類;
アセトニトリル、アクリロニトリルなど
・カーボネート類;
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど
・その他の有機極性溶剤;
ジメチルスルホキシド、スルホランなど
(2)無極性溶媒
・炭化水素類:ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等)
・エーテル類
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)
これらのなかで好ましくは極性溶媒であり、さらに好ましくはプロトン性溶媒であり、最も好ましくはアルコールである。
溶媒(C)としてアルコールを使用する場合、アルキル化剤(B)のアルキル基と同じアルキル基を有する1価アルコールを使用するのが好ましい。例えば、アルキル化剤(B)としてメチル化剤を使用する場合は溶媒(C)としてはメタノールが好適であり、エチル化剤を使用する場合は(C)はエタノールが好適である。
本発明の製造方法により得られたアミジニウム塩(D)を、さらに有機酸と反応させ、アミジニウム有機酸塩を製造してもよい。
有機酸の具体例は以下の通りであり、2種以上併用することもできる。
(1)カルボン酸たとえばモノカルボン酸{C1〜30の脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸など);不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸など)];C7〜34の脂環式モノカルボン酸[シクロヘキサンカルボン酸など];C7〜15の芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸など];C2〜31の脂肪族オキシモノカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒石酸など];C7〜15の芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸など];アルキル(C1〜20)エーテルモノカルボン酸}およびポリカルボン酸(2〜4価のポリカルボン酸){C2〜31の脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸など);不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸、フラン−2,3−ジカルボン酸、フラン−3,4−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5−ジエン−2,3−ジカルボン酸など)];C8〜16の芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など];S含有ポリカルボン酸[チオジプロピオン酸など];C7〜34の脂環式ポリカルボン酸[シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸など];カルボキシル基含有ポリマー(Mw:200〜5000)[ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と他のビニルモノマーとのコポリマー、カルボキシル基含有ポリウレタン、]など}
(2)フェノール類、たとえば1価フェノール(フェノールおよびナフトールを含む)[フェノール;モノおよびジアルキル(C1〜20)フェノール類(クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、n−およびイソ−プロピルフェノール、n−およびイソ−アミルフェノール、イソノニルフェノール、イソドデシルフェノールなど);メトキシフェノール類(オイゲノール、グアヤコールなど);ナフトールおよびシクロヘキシルフェノールなど]および多価(2〜4価)フェノール[カテコール、レゾルシン、ピロガロールおよびフロログリシンなど]
(3)モノ−およびジ−アルキル(C1〜20)リン酸エステル[モノ−およびジ−メチルリン酸エステル、モノ−およびジ−イソプロピルリン酸エステル、モノ−およびジ−ブチルリン酸エステル、モノ−およびジ−2−エチルヘキシルリン酸エステル、モノ−およびジ−イソデシルリン酸エステルなど]
本発明の製造方法により、アミジニウム塩(D)を高収率で製造することができる。また本発明の製造方法により得られたアミジニウム塩(D)は高純度なものであるので、有機不純物を嫌う電子材料用途に好適に使用される。例えば、アルミ電解コンデンサ、電気二重層キャパシター、Liイオン電池を始めとする各種電池に添加される電解質として用いることができる。
該アルミ電解コンデンサ用電解液は、本発明で得られるアミジニウム塩と有機酸を反応させ、得られたアミジニウム有機酸塩を有機溶媒に溶解させて製造される。必要に応じ従来アルミ電解コンデンサ用電解液に用いられる電解質を併用し、また種々の添加剤を添加することもできる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1
2,4−ジメチル−2−イミダゾリンの合成
SUS製オートクレーブに1,2−プロパンジアミン(BASFジャパン製)120部と酢酸ブチル(ダイセル製)140部を仕込み、反応温度170℃で5時間攪拌下反応させ、温度140℃、圧力0.6kPaで減圧蒸留により精製し、2,4−ジメチル−2−イミダゾリン100部を得た。2,4−ジメチル−2−イミダゾリンは常温で液状であった。
実施例1
1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジメチル(宇部興産製、以下の実施例、比較例も同社の製品を使用した。)234部とメタノール(信越化学工業製、以下の実施例、比較例も同社の製品を使用した。)64部を仕込み、温度120℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジメチルとメタノールに対して、製造例1で得た2,4−ジメチル−2−イミダゾリン98部を16時間かけて滴下させながら、反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.8MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度120℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応16時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩196部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例2
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジメチル225部を仕込み、温度60℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジメチルに対して、2−メチル−2−イミダゾリン(和光純薬工業製、以下の実施例、比較例も同社の製品を使用した。常温で固体である。)84部とメタノール64部の混合溶液を20時間かけて滴下させながら反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.3MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度60℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応16時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩182部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例3
1,3−ジメチルイミダゾリウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジメチル243部とメタノール96部を仕込み、温度130℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジメチルとメタノールに対して、温度110℃で溶融させたイミダゾール(和光純薬工業製、以下の実施例、比較例も同社の製品を使用した。常温で固体である。)68部を15時間かけて滴下させながら、反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.6MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度130℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応15時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチル炭酸塩167部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例4
1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジメチル360部を仕込み、温度80℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジメチルに対して、製造例1で得た2,4−ジメチル−2−イミダゾリン98部を22時間かけて滴下させながら、反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.5MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度80℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応18時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルを除去し、1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩189部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例5
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル硫酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、硫酸ジメチル(辻本化学工業製、以下の実施例、比較例も同社の製品を使用した。)277部を仕込み、温度150℃まで昇温した後、仕込んだ硫酸ジメチルに対して、2−メチル−2−イミダゾリン84部とメタノール96部の混合溶液を20時間かけて滴下させながら反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.9MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度150℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応10時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の硫酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル硫酸塩216部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例6
1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジメチル234部とエタノール(和光純薬工業製、以下の実施例、比較例も同社の製品を使用した。)92部を仕込み、温度130℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジメチルとエタノールに対して、製造例1で得た2,4−ジメチル−2−イミダゾリン98部を14時間かけて滴下させながら、反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.8MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度130℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応13時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度90℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびエタノールを除去し、1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩194部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例7
1,3−ジエチル−2,4−ジメチル−2−イミダゾリニウムエチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジエチル(キシダ化学製、以下の実施例、比較例も同社の製品を使用した。)319部とエタノール92部を仕込み、温度140℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジエチルとエタノールに対して、2,4−ジメチル−2−イミダゾリン98部を15時間かけて滴下させながら反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.8MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度150℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応15時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度90℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジエチルおよびエタノールを除去し、1,3−ジエチル−2,4−ジメチル−2−イミダゾリニウムエチル炭酸塩237部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例8
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジメチル243部とメタノール74部を仕込み、温度110℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジメチルとメタノールに対して、2−メチル−2−イミダゾリンの粉体84部を20時間かけて分割投入させながら反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.5MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度110℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応15時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩181部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例9
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジメチル225部とメタノール32部を仕込み、温度130℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジメチルとメタノールに対して、2−メチル−2−イミダゾリン84部とメタノール32部の混合溶液を15時間かけて滴下させながら反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.7MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度130℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応13時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩182部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例10
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジメチル270部とメタノール100部を仕込み、温度130℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジメチルとメタノールに対して、2−メチル−2−イミダゾリン84部とメタノール100部の混合溶液を14時間かけて滴下させながら反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.7MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度130℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応10時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩182部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例11
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジメチル225部とメタノール32部を仕込み、温度130℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジメチルとメタノールに対して、2−メチル−2−イミダゾリン84部とメタノール32部の混合溶液を14時間かけて滴下させながら反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.7MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度130℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応10時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩181部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例12
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、炭酸ジメチル270部を仕込み、温度130℃まで昇温した後、仕込んだ炭酸ジメチルに対して、温度110℃で溶融させた2−メチル−2−イミダゾリン84部を14時間かけて滴下させながら反応させた。生成した炭酸ガスを除去しながら、反応槽の圧力を0.7MPa以下に保持しながら反応させた。
滴下後温度130℃でさらに熟成反応を行い、熟成反応10時間後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩155部を得た。化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率は表1に示した。
実施例13
1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムフタル酸塩の合成
実施例1にて得られた1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩197部をメタノール130部に溶解させ、フタル酸(川崎化成工業製)162部を除々に添加しながら反応させた。生成した炭酸ガスおよびメタノールを除去して1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムフタル酸塩280部を得た。
比較例1
1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、製造例1で得た2,4−ジメチル−2−イミダゾリン98部、メタノール64部と炭酸ジメチル234部を仕込み、温度120℃まで昇温した後、反応槽の圧力を生成した炭酸ガスを除去しながら圧力を0.8MPa以下に保持し温度120℃で32時間反応させた。32時間反応後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩155部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例2
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、2−メチル−2−イミダゾリン84部とメタノール64部、炭酸ジメチル225部を仕込み、温度60℃まで昇温した後、圧力0.3MPaで36時間反応させた。36時間反応後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩147部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例3
1,3−ジメチルイミダゾリウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、イミダゾール68部、メタノール96部と炭酸ジメチル243部を仕込み、温度130℃まで昇温した後、圧力0.6MPaで30時間反応させた。30時間反応後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、
1,3−ジメチルイミダゾリウムメチル炭酸塩131部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例4
1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、製造例1で得た2,4−ジメチル−2−イミダゾリン98部、炭酸ジメチル360部を仕込み、温度80℃まで昇温した後、圧力0.5MPaで40時間反応させた。40時間反応後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行っ
た。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルを除去し、1,2,3,4−テトラメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩150部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例5
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル硫酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、2−メチル−2−イミダゾリン84部、メタノール96部、硫酸ジメチル277部を仕込み、温度150℃まで昇温した後、圧力0.9MPaで30時間反応させた。30時間反応後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の硫酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル硫酸塩208部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例6
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、製造例1で得た2,4−ジメチル−2−イミダゾリン98部、エタノール92部、炭酸ジメチル234部を仕込み、温度130℃まで昇温した後、圧力0.8MPaで27時間反応させた。27時間反応後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度90℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびエタノールを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩154部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例7
1,3−ジエチル−2,4−ジメチル−2−イミダゾリニウムエチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、2,4−ジメチル−2−イミダゾリン98部とエタノール92部、炭酸ジエチル319部を仕込み、温度140℃まで昇温した後、圧力0.8MPaで30時間反応させた。30時間反応後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度90℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジエチルおよびエタノールを除去し、1,3−ジエチル−2,4−ジメチル−2−イミダゾリニウムエチル炭酸塩184部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例8
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、2−メチル−2−イミダゾリン84部とメタノール74部、炭酸ジメチル243部を仕込み、温度110℃まで昇温した後、圧力0.7MPaで35時間反応させた。35時間反応後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩152部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例9
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
SUS製オートクレーブに、2−メチル−2−イミダゾリン84部とメタノール200部、炭酸ジメチル270部を仕込み、温度130℃まで昇温した後、圧力0.7MPaで28時間反応させた。28時間反応後、高速液体クロマトグラフィーで生成物の分析を行った。その後、温度80℃、圧力0.05MPa減圧下で未反応の炭酸ジメチルおよびメタノールを除去し、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩170部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例10
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
比較例8の反応時間を24時間にする以外は比較例8と同様にして、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩170部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例11
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
比較例9の炭酸ジメチル270部を225部、メタノール200部を64部に変更する以外は比較例9と同様にして、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩138部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
比較例12
1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩の合成
比較例9のメタノールを使用しない以外は比較例9と同様にして、1,2,3−トリメチル−2−イミダゾリニウムメチル炭酸塩128部を得た。化合物(A’)の転化率、アミジニウム塩(D’)の純度および収率は表1に示した。
化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率
化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度、およびアミジニウム塩(D)の収率は以下の方法で測定、計算した。その結果を表1に示した。
実施例1〜6および比較例1〜7で製造したアミジニウム塩を、以下の高速液体クロマトグラフィー測定条件で分析すると、化合物(A)(未反応物)のピーク(a)、アミジニウム塩(D)(目的物)のピーク(d)、および化合物(A)の反応物で(D)以外の化合物(E)(場合により複数個得られる)のピーク(e)群が得られた。
測定条件
機器名:高速液体クロマトグラフ、型番LC−10A 島津製作所製
移動相:10mMリン酸/100mM過塩素酸ナトリウム水溶液
カラム:ODSカラム、検出器:UV210nm
化合物(A)の転化率
(A)から転化した化合物のモル数を(A)の当初仕込みモル数で除した数値に100を乗じた数値であって、下記の式から求めた。
(A)の転化率=[(d)の面積+(e)群の面積の合計]/[(a)の面積+(d)の面積+(e)群の面積の合計]×100
アミジニウム塩(D)の純度(D)のモル数を(A)から転化した化合物のモル数で除した数値に100を乗じた数値であって、下記の式から求めた。
(A)の転化物における(D)の割合=[(d)の面積]/[(d)の面積+(e)群の面積の合計]×100
化合物(A)基準のアミジニウム塩(D)の収率
(D)のモル数を(A)の当初仕込みモル数で除した数値に100を乗じた数値であって、下記の式から求めた。
(A)基準の(D)の収率=[(d)の面積]/[(a)の面積+(d)の面積+(e)群の面積の合計]×100
アルキル化剤(B)基準の(D)の収率
=[(A)基準の(D)の収率]×[(A)が(D)へ転化するのに必要な(B)の理論量]/[(B)の仕込量]
Figure 2014224052
表1中、実施例では滴下時間と熟成時間を記載し、比較例では反応時間を記載した。
本発明である実施例1〜8の製造方法は、アミジン基を有する化合物(A)を分割投入しないで一括仕込みする比較例1〜8の製造方法と比較すると、化合物(A)の転化率、アミジニウム塩(D)の純度および収率が、いずれも高いことがわかった。
また、本発明である実施例9〜12の製造方法は、アミジン基を有する化合物(A)を分割投入しないで一括仕込みする比較例9〜12と比較すると、アミジニウム塩(D)の純度および収率が、いずれも高いことがわかった。
比較例9,10において、(A)に対して(B)や溶媒(C)を多量に使用すると、化合物(A)の転化率は実施例と同レベルに改善されるが、実施例11では(A)に対して(B)や(C)を多量に使用しなくとも、化合物(A)の転化率は高いことがわかる。また実施例12では溶媒(C)を使用しなくとも化合物(A)の転化率は高いことがわかる。
本発明の製造方法により得られるアミジニウム塩は高純度であり、また高収率で得ることができるので、電子材料用途等に使用することができ産業上極めて有用である。

Claims (15)

  1. 一般式(1)で表されるアミジン基を有する化合物(A)と、炭酸ジアルキルおよび硫酸ジアルキルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキル化剤(B)とを反応させてアミジニウム塩を製造する工程において、(B)に対して(A)を分割投入させながら反応させてアミジニウム塩(D)を得るアミジニウム塩の製造方法。
    Figure 2014224052
    [R〜Rは、それぞれヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子を表す。R、R、RおよびRの一部または全てが相互に結合して環を形成していてもよい。]
  2. 化合物(A)とアルキル化剤(B)との反応時の反応圧力が、0.1〜0.9MPaである請求項1に記載の製造方法。
  3. 化合物(A)とアルキル化剤(B)との反応時の反応温度が、50〜150℃である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 化合物(A)が常温で固体であって、アルキル化剤(B)に対して(A)の粉体を分割投入させながら反応させて、アミジニウム塩(D)を得る請求項1〜3のいずれか1項に記載のアミジニウム塩の製造方法。
  5. アルキル化剤(B)に対して、常温の液状の化合物(A)または加熱溶融された化合物(A)の溶融物を滴下させながら反応させて、アミジニウム塩(D)を得る請求項1〜3のいずれか1項に記載のアミジニウム塩の製造方法。
  6. 溶媒(C)存在下で、化合物(A)をアルキル化剤(B)に対して分割投入させながら反応させる請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 化合物(A)を溶媒(C)に溶解させた溶液を、アルキル化剤(B)に対して滴下させながら反応させる請求項6に記載の製造方法。
  8. 溶媒(C)が極性溶媒(C1)である請求項6または7に記載の製造方法。
  9. 極性溶媒(C1)がプロトン性溶媒(C11)である請求項8に記載の製造方法。
  10. プロトン性溶媒(C11)がアルコール(C111)である請求項9に記載の製造方法。
  11. 化合物(A)が、下記一般式(2)で示される2−イミダゾリン(A1)である請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure 2014224052
    [R〜R10は、それぞれヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子を表す。]
  12. 2−イミダゾリン(A1)が、2−メチル−2−イミダゾリン、2,4−ジメチル−2−イミダゾリン、2,4,5−トリメチル−2−イミダゾリン、2−エチル−2−イミダゾリン、2−エチル−4−メチル−2−イミダゾリン、2−イソプロピル−2−イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、および2−ベンジル−2−イミダゾリンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項11に記載の製造方法。
  13. 炭酸ジアルキルが、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 硫酸ジアルキルが、ジメチル硫酸、エチルメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジイソプロピル硫酸、ジブチル硫酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法により得られたアミジニウム塩と有機酸を反応させるアミジニウム有機酸塩の製造方法。
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