JP6391326B2 - 電解コンデンサ用電解質、これを用いた電解液および電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解質、これを用いた電解液および電解コンデンサ Download PDF

Info

Publication number
JP6391326B2
JP6391326B2 JP2014135681A JP2014135681A JP6391326B2 JP 6391326 B2 JP6391326 B2 JP 6391326B2 JP 2014135681 A JP2014135681 A JP 2014135681A JP 2014135681 A JP2014135681 A JP 2014135681A JP 6391326 B2 JP6391326 B2 JP 6391326B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
electrolyte
group
electrolytic capacitor
electrolytic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014135681A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016015365A (ja
Inventor
拓馬 竹田
拓馬 竹田
森 宏一
宏一 森
清家 英雄
英雄 清家
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2014135681A priority Critical patent/JP6391326B2/ja
Publication of JP2016015365A publication Critical patent/JP2016015365A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6391326B2 publication Critical patent/JP6391326B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、電解コンデンサに使用する電解質、これを用いた電解液および電解コンデンサに関する。
情報通信機器の高速化、小型化に伴い、それに使用されるコンデンサの分野において、小型、大容量で高周波領域における等価直列抵抗(以下、ESRと略す)を低下することを目的として、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の酸化皮膜(誘電体被膜)をエッチングすることで多孔性皮膜とし、この表面にポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等のπ共役系高分子からなる層(導電性高分子層)を形成して陰極とした導電性高分子コンデンサが使用されている。
導電性高分子コンデンサの実用性を拡大するために、これら導電性高分子化合物の導電性及び加工性の更なる向上が図られている。また、導電性高分子コンデンサでは、コンデンサの使用電圧の上昇に伴う高い保障電圧の要望および高信頼性が要求される用途への製品展開に伴う漏れ電流抑制の要望が増してきている。
特許文献1では、導電性高分子モノマーの酸化重合にて導電性高分子層が形成されると共に、当該導電性高分子層の隙間に電解液が含浸された電解コンデンサが提案され、電解コンデンサのESRおよび漏れ電流が改善されている。しかしながら、特許文献1ではESRおよび漏れ電流が改善されているものの、電解質層の抵抗上昇抑制と電解液の揮発抑制との両立が不十分であるため、ESRと耐熱性との両立に改善の余地がある。
特許文献2では、ポリチオフェンおよび/またはポリチオフェンと溶媒とを含む分散体をコンデンサ素子に含浸し、乾燥することで導電性高分子層が形成されると共に、当該導電性高分子層の隙間にγ−ブチロラクトンおよび/またはスルホランを含む電解液が含浸された電解コンデンサが提案され、電解コンデンサのESR、漏れ電流および耐電圧が改善されている。しかしながら、特許文献2ではESR、漏れ電流および耐電圧が改善されているものの、電解質層の抵抗上昇抑制と電解液の揮発抑制との両立が不十分であるため、ESRと耐熱性との両立に改善の余地がある。
特許3851294号公報 特許5305569号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、コンデンサ素子内に固体電解質層が形成されると共に、当該固体電解質層の隙間に電解液が含浸された電解コンデンサにおいて、電解コンデンサのESR、漏れ電流および耐電圧を維持しつつ、電解コンデンサの耐熱性を向上させることが可能な電解コンデンサ用電解質、それを用いた電解液および電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、コンデンサ素子内に固体電解質層(J)が形成された電解コンデンサにおいて、前記固体電解質層(J)の隙間に含浸される電解コンデンサ用電解質(A)であって、前記電解質(A)が塩基性化合物(B)のカチオン(b)と酸性化合物(C)のアニオン(c)の塩であり、前記塩基性化合物(B)の共役酸のpKaが14.0以下であり、かつ、前記塩基性化合物(B)の沸点が90℃以上である電解コンデンサ用電解質(A);該電解コンデンサ用電解質(A)を含有する電解コンデンサ用電解液(E);該電解コンデンサ用電解質(A)または該電解液(E)が含浸されてなる電解コンデンサ用電解質層(K);該電解コンデンサ用電解質層(K)が形成された電解コンデンサである。
本発明の電解コンデンサ用電解質を使用した電解コンデンサは、従来の電解液を有する電解コンデンサのESR、漏れ電流および耐電圧を維持しつつ、耐熱性が高い電解コンデンサである。
耐熱性が高いことを特徴とする本発明の電解コンデンサは、コンデンサ素子に固体電解質層(J)が形成されると共に、当該固体電解質層(J)の隙間に本発明の電解コンデンサ用電解質(A)又は、これを用いた電解液(E)を含浸させることにより本特徴を発現する。該電解液(E)は、有機溶媒(D)に加えて本発明の電解コンデンサ用電解質(A)を含有することが特徴である。
本発明の電解コンデンサ用電解質(A)は、塩基性化合物(B)のカチオン(b)と酸性化合物(C)のアニオン(c)の塩であり、前記塩基性化合物(B)の共役酸、すなわちカチオン(b)のpKaが14.0以下であり、かつ、塩基性化合物(B)の沸点が90℃以上である。コンデンサ素子に固体電解質層(J)が形成されると共に、当該固体電解質層(J)の隙間に本発明の電解コンデンサ用電解質(A)を含浸し、電解質層(K)が形成された場合、電解質(A)による電解質層(K)の導電性低下が抑制され、かつ電解質(A)の揮発が抑制されるため、電解コンデンサのESR、漏れ電流および耐電圧を維持しつつ、かつ耐熱性を高くできる。
塩基性化合物(B)としては、塩基性化合物(B)の共役酸、すなわちカチオン(b)のpKaが14.0以下であり、かつ塩基性化合物(B)の沸点が90℃以上であり、下記一般式(1)で表され、アミンのアルキレンオキシド付加物であって活性水素を有する化合物(B1)、下記一般式(2)で表され、アミンのアルキレンオキシド付加物であって活性水素を有さない化合物(B2)、アルキル基置換アミン(B3)、モルホリン誘導体[モルホリンおよび置換されたモルホリン](B4)及びそれらの混合物が使用できる。また、各塩基性化合物は1種または2種以上を併用してもよい。
本発明においてアミンはアンモニアを含むアミノ化合物をさすものとする。
(B)の共役酸、すなわちカチオン(b)のpKaが14.0を超える場合は、電解質層(K)の導電性が低下し、電解コンデンサのESRが上昇する不具合が生じる。
(B)の沸点が90℃未満の場合は、コンデンサのリフロー条件下での(A)の揮発による膨れにより、電解コンデンサの耐熱性が低下する不具合が生じる。
Figure 0006391326
[式中、Aは炭素数2〜8のアルキレン基;mはAOの付加モル数を表し、1〜100の整数であり、mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。kは1または2である。kが2の場合はmは同一でも異なっていてもよい。Qはkが1の時は水素原子と炭素数1〜30である炭化水素基、または水素原子であり、kが2の時は水素原子である。]
Figure 0006391326
[式中、Lはr個の活性水素を持つアミンから水素を除いた残基;Aは炭素数2〜8のアルキレン基;nはAOの付加モル数を表し、1〜100の整数であり、nが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。rは1〜40の整数である。rが2以上の場合はnは同一でも異なっていてもよい。]
一般式(1)における炭素数2〜8のアルキレン基Aとしては、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,4−ブチレン基、1−フェニル−1,2−エチレン基等が挙げられ、好ましくはエチレン基および1,2−プロピレン基である。
mは1〜100の数であり、好ましくは1〜50の数であり、より好ましくは1〜30の数である。mが100を超えると粘度が高くなり、取扱いが困難になる。mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。kは1または2である。kが2の場合はmは同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)における炭素数2〜8のアルキレン基Aとしては、前記一般式(1)におけるAと同様のアルキレン基が挙げられ、好ましくはエチレン基および1,2−プロピレン基である。
nは1〜100の数であり、好ましくは1〜50の数であり、より好ましくは1〜30の数である。nが100を超えると粘度が高くなり、取扱いが困難になる。nが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
rは好ましくは1〜40であり、より好ましくは1〜6であり、特に好ましくは1〜2である。rが40を超えると粘度が高くなり、取扱いが困難になる。rが2以上の場合はnは同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)において、Lはr個の活性水素を持つアミンから水素を除いた残基を表す。アミンとしては分子中にアミノ基に由来する活性水素を有する化合物であれば特に限定されないが、好ましくは分子中にアミノ基に由来する活性水素を1〜6個有する化合物であり、より好ましくは1〜2個有する化合物である。
該アミンの具体例としては、例えば以下の(1)〜(10)が挙げられる。
(1)アンモニア、脂肪族アミン類
(i)脂肪族モノアミン(好ましくは炭素数1〜48、官能基数1);
モノメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン等の1級アミン;ジメチルアミン、メチルブチルアミン、メチルラウリルアミン、ジステアリルアミン等の2級アミン等;
(ii)脂肪族ポリアミン(好ましくは炭素数2〜18、官能基数2〜7);
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜6のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン等;
(iii)(ii)のアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体;
ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等;
(iv)脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン;
3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等;
(v)芳香環含有脂肪族アミン類(炭素数8〜15)
キシリレンジアミン等;
(2)脂環式アミン類
(i)脂環式モノアミン(好ましくは炭素数6〜48、官能基数1);
シクロヘキシルアミン等;
(ii)脂環式ポリアミン(炭素数6〜15、官能基数2〜3);
1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等;
(3)複素環式アミン類(好ましくは炭素数4〜15、官能基数1〜3);
ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等;
(4)芳香族アミン類(好ましくは炭素数6〜20、官能基数1〜3);
(i)非置換芳香族アミン
アニリン等のモノアミン;1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4´−及び4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチレンジアミン等のポリアミン等;
(ii)核置換基〔メチル,エチル,n−及びi−プロピル、ブチル等の炭素数C1〜C4アルキル基;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等〕を有する芳香族アミン;
2,4−及び2,6−トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル等、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物等;
(iii)2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記(i)〜(ii)の芳香族アミンの−NHの一部又は全部が−NH−R´(R´はアルキル基例えばメチル、エチル等の低級アルキル基)で置き換ったもの〕;
4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等;
(5)ポリアミドポリアミン;
ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(官能基数2〜7の上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られるポリアミドポリアミン等;
(6)ポリエーテルポリアミン;
ポリエーテルポリオールのシアノエチル化物の水素化物等;
(7)エポキシ付加ポリアミン;
エポキシ化合物並びにモノエポキシド1モルをポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)に1〜30モル付加させることによって得られるエポキシ付加ポリアミン等;
(8)シアノエチル化ポリアミン;
アクリロニトリルとポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との付加反応により得られるシアノエチル化ポリアミン、(ビスシアノエチルジエチレントリアミン等)等;
(9)マンニッヒ化ポリアミン;
フェノール類(フェノール、ノニルフェノール、トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール等)とポリアミン類(官能基数2〜7の上記脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン等)のホルムアルデヒド縮合物等;
(10)その他のポリアミノ化合物;
(i)ヒドラジン類(ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン等);
(ii)ジヒドラジッド類(コハク酸ジヒドラジッド,アジピン酸ジヒドラジッド,イソフタル酸ジヒドラジッド,テレフタル酸ジヒドラジッド等);
(iii)グアニジン類(ブチルグアニジン,1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等);
(iv)ジシアンジアミド等;
並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの中で好ましいのは(1)の脂肪族アミン類および脂環式アミン類であり、より好ましくは脂肪族モノアミンおよび脂環式モノアミンである。また、アルキル基部分は直鎖状でも分岐状でもよい。
アミンのアルキレンオキシド付加物(B1)またはアミンのアルキレンオキシド付加物(B2)は、無触媒もしくは触媒存在下、アンモニアまたはアミンにアルキレンオキシド[エチレンオキシド(以下、エチレンオキシドをEOと略称する。)、1,2−プロピレンオキシド(以下、1,2−プロピレンオキシドをPOと略称する。)、1,2−ブチレンオキシド(以下、1,2−ブチレンオキシドをBOと略称する。)、1,4−ブチレンオキシド、1−フェニル−1,2−エチレンオキシドまたはそれらの混合物等]を付加反応させることによって製造される。触媒を使用する場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、金属ナトリウム、金属カリウム等のアルカリ触媒、三フッ化硼素や四塩化錫等のルイス酸触媒等が挙げられる。これらの中で好ましくはアルカリ触媒であり、より好ましくは水酸化カリウムである。
アミンとしては、L−(H)として表現することができ、Lは前記一般式(2)におけるLと同じものが挙げられる。
反応系を60℃〜200℃で乾燥させ、触媒を投入し、系中を脱水(好ましくは水分500ppm以下)までしたのち、アルキレンオキシドを好ましくは80〜200℃、より好ましくは100〜180℃で反応させることができる。反応時間は好ましくは4〜48時間である。反応の終点は全アミン価で管理することができる。
(全アミン価測定方法)
全アミン価とは1g中のアミンを中和するのに要する過塩素酸と等量の水酸化カリウムのmg数であり、サンプル中に含まれるアミンの含有量を表わす。測定方法は次の通りである。
ガラス瓶にサンプルを精秤する。サンプリング量は、予想全アミン価が0.5未満のときは7g、0.5以上2未満のときは4.5g、2以上のときは、2g又はそれ以下である。サンプリング後、酢酸50mLを加えて試料を溶解する。N/100過塩素酸標準溶
液にて電位差滴定を行う。同時に空試験も行う。
全アミン価=(K‘−B‘)×Y’×0.5611/Z
K‘:本試験に要したN/100過塩素酸標準溶液の滴定ml数
B‘:空試験に要したNN/100過塩素酸標準溶液の滴定ml数
Y‘:N/100過塩素酸標準溶液の力価
Z‘:試料採取量(g)
一般式(1)または一般式(2)におけるアルキレンオキシドの平均付加モル数mまたはnは、一般式(1)で表されるアミンのアルキレンオキシド付加物(B1)または一般式(2)で表されるアミンのアルキレンオキシド付加物(B2)の全アミン価を測定することで求めることができる。
アミンのアルキレンオキシド付加物(B1)の具体例としては、アンモニアEO1モル付加物(エタノールアミン)、アンモニアEO2モル付加物(ジエタノールアミン等)、アンモニアPO2モル付加物、エチルアミンEO1モル付加物(N−エチルエタノールアミン)等が挙げられる。これらのうち2種以上を組み合わせてもよい。また、アンモニアのPOとEO、BOとEO、BOとPO、またはPOとEOとBO等の混合物のアルキレンオキシド付加物であってもよい。
アミンのアルキレンオキシド付加物(B2)の具体例としては、アンモニアEO3モル付加物、アンモニアEO10モル付加物、モノメチルアミンEO2モル付加物(N−メチルジエタノールアミン等)、エチルアミンPO2モル付加物、シクロヘキシルアミンEO2モル付加物、ラウリルアミンEO8モル付加物、ヘキサデシルアミンEO10モル付加物等が挙げられる。これらのうち2種以上を組み合わせてもよい。また、アンモニアのPOとEO、BOとEO、BOとPO、またはPOとEOとBO等の混合物のアルキレンオキシド付加物であってもよい。
アルキル基置換アミン(B3)の具体例としては、ペンチルアミン、ピペリジン、N−tert−ブチルエチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ラウリルアミン、ヘキサデシルアミン、トリオクチルアミン挙げられる。これらのうち2種以上を組み合わせてもよい。
モルホリン誘導体[モルホリンおよび置換されたモルホリン](B4)の具体例としては、モルホリン、4−メチルモルホリン、4−エチルモルホリン、cis−2,6−ジメチルモルホリン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン等が挙げられる。これらのうち2種以上を組み合わせてもよい。
上記カチオン(b)を構成する塩基性化合物(B)のうち、好ましいものは、アンモニアのアルキレンオキシド付加物(B1)、アミンのアルキレンオキシド付加物(B2)であり、より好ましいものは、アンモニアのアルキレンオキシド付加物(B1)、および前記アミンで例示したアミンのうち、(1)の脂肪族アミン類および(2)の脂環式アミン類のアルキレンオキシド付加物であり、更に好ましいものは、アンモニアのアルキレンオキシド付加物(B1)、および前記アミンで例示したアミンのうち、脂肪族モノアミンおよび脂環式モノアミンのアルキレンオキシド付加物である。
本発明において、電解質(A)を形成するアニオン(c)を構成する酸性化合物(C)としては、アルミニウム電解コンデンサ用電解液に通常用いられる種々の有機酸及び/又は無機酸を用いることができる。有機酸、無機酸としては、例えば下記の(C1)〜(C5)が挙げられる。
カルボン酸(C1)
炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、1,6−デカンジカルボン酸等)、不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等)]、芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等]、硫黄含有ポリカルボン酸[チオジプロピオン酸等]。
炭素数2〜20のオキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒酪酸、ひまし油脂肪酸等];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸等];
炭素数1〜30のモノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸等)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸等]
アルキルリン酸エステル(C2)
アルキルリン酸エステルとしては、モノアルキルリン酸エステル(C21)及びジアルキルリン酸エステル(C22)が含まれる 。
モノアルキルリン酸エステル(C21)
モノメチルリン酸エステル、モノエチルリン酸エステル、モノプロピルリン酸エステル[モノ(n−プロピル)リン酸エステル、モノ(iso−プロピル)リン酸エステル]、モノブチルリン酸エステル[モノ(n−ブチル)リン酸エステル、モノ(iso−ブチル)リン酸エステル、及びモノ(tert−ブチル)リン酸エステル]、モノペンチルリン酸エステル、モノヘキシルリン酸エステル、モノへプチルリン酸エステル、モノオクチルリン酸エステル[モノ(2−エチルヘキシル)リン酸エステル等]等。
ジアルキルリン酸エステル(C22)
ジメチルリン酸エステル、ジエチルリン酸エステル、ジプロピルリン酸エステル[ジ(n−プロピル)リン酸エステル、ジ(iso−プロピル)リン酸エステル]、ジブチルリン酸エステル[ジ(n−ブチル)リン酸エステル、ジ(iso−ブチル)リン酸エステル、及びジ(tert−ブチル)リン酸エステル]、ジペンチルリン酸エステル、ジヘキシルリン酸エステル、ジヘプチルリン酸エステル、ジオクチルリン酸エステル[ビス(2−エチルヘキシル)リン酸エステル等]等。
スルホン酸(C3)
アルキル(炭素数1〜15)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等)、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホン酸等。
無機酸(C4)
リン酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化ヒ素酸等
その他(C5)三フッ化メタンスルホニルイミド、三フッ化メタンスルホニルメチド等。
上記アニオン(c)を構成する酸性化合物(C)のうち、好ましいものは、飽和ポリカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸、芳香族オキシカルボン酸、脂肪族不飽和ポリカルボン酸およびジアルキルリン酸エステル、更に好ましいのは、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、マレイン酸、ジエチルリン酸エステルおよびジブチルリン酸エステルである。
カチオン(b)は、前記塩基性化合物(B)にプロトンが付加したもの、すなわち塩基性化合物(B)の共役酸が挙げられ、その具体例としては、前記(B)で例示した塩基性化合物にプロトンが付加したもの等が挙げられる。アニオン(c)は、前記酸性化合物(C)からプロトンが脱離したものが挙げられ、その具体例としては、前記(C)で例示した酸性化合物からプロトンが脱離したもの等が挙げられる。カチオン(b)のうち、好ましいものは前記(B)の好ましいものと同様の(B)にプロトンが付加したカチオンである。アニオン(c)のうち、好ましいものは前記(C)の好ましいものと同様の(C)からプロトンが脱離したアニオンである。
電解質(A)の具体例としては、フタル酸エタノールアミン塩、アゼライン酸ジエタノールアミン塩、マレイン酸N−メチルジエタノールアミン塩、フタル酸シクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩、アゼライン酸シクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩、フタル酸ラウリルアミンEO8モル付加物塩、ジブチルリン酸エステルシクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩、フタル酸ヘキサデシルアミンEO10モル付加物塩、フタル酸ピペリジン塩、アゼライン酸トリブチルアミン塩、マレイン酸4−メチルモルホリン塩等が挙げられる。これらのうち2種以上を組み合わせてもよい。
電解質(A)は、前記塩基性化合物(B)のカチオン(b)と前記酸性化合物(C)の塩であり、塩基性化合物(B)に酸性化合物(C)を溶解させることで得ることができる。または、(B)を有機溶媒(G)または水に溶解または分散させた液中に、(C)を溶解させ、有機溶媒(G)または水を除去することで得ることができる。溶解させる方法としては、例えば、通常の櫂型撹拌羽根を用いて、室温で撹拌する方法等が挙げられる。有機溶媒(G)または水を除去する方法としては、例えば、加熱減圧で除去する方法等が挙げられる。
有機溶媒(G)としては、アルミニウム電解コンデンサ用電解液に通常用いられる種々の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば下記の(G1)〜(G9)が挙げられる。
アルコール類(G1)
1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、モノエタノールアミン、フルフリルアルコールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエタノールアミンなど)、3価アルコール(グリセリン、トリエタノールアミンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)等。
エーテル類(G2)
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン等)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等)、トリエーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等)等。
アミド類(G3)
アセトアミド(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等)、プロピオンアミド(N,N−ジメチルプロピオンアミド等)、ピロリドン(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等)、ヘキサメチルホスホリルアミド等。
オキサゾリジノン類(G4)
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン等。
ラクトン類(G5)
γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等。
ニトリル類(G6)
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、ベンゾニトリル等。
カーボネート類(G7)
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等。
スルホン類(G8)
スルホラン、ジメチルスルホン等。
その他の有機溶剤(G9)
ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、芳香族溶媒(トルエン、キシレン等)、パラフィン溶媒(ノルマルパラフィン、イソパラフィン等)等。
上記有機溶媒(G)のうち、電解質の溶解性および溶媒除去の容易性の観点から、炭素数1〜10のものが好ましく、炭素数1〜10のアルコール類、エーテル類及びカーボネート類がより好ましい。
電解質(A)としては、取り扱いの観点から、電解質(A)の性状が25℃で液体であるか、電解質(A)に有機溶媒(G)を加えて得られる溶液が25℃で液体であることが好ましい。
本発明において、コンデンサ素子に固体電解質層(J)が形成されると共に、当該固体電解質層(J)の隙間に本発明の電解コンデンサ用電解質(A)が含浸されるが、必要により、更にアルミニウム電解コンデンサ用電解液に通常用いられる種々の電解質(F)を併用することができる。(F)のカチオンとしては、例えば下記のアミジニウムカチオン(b1)、第4級アンモニウムカチオン(b2)、第1級アンモニウムカチオン(b3)、第2級アンモニウムカチオン(b4)、第3級アンモニウムカチオン(b5)、ホスホニウムカチオン(b6)およびアンモニウムイオン(b7)等が挙げられる。
アミジニウムカチオン(b1)としては、イミダゾリニウムカチオン(b11)およびイミダゾリウムカチオン(b12)等が含まれる。
イミダゾリニウムカチオン(b11)
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム等。
イミダゾリウムカチオン(b12)
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、及び1−エチル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム等。
テトラアルキルアンモニウムカチオン(b2)
テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム及びスピロ−(1,1’)−ビピペリジニウム等。
第1級アンモニウムカチオン(b3)
メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、エチレンジアンモニウム、エチレンジアミンモノアンモニウム、1,2−ジアンモニウムプロパン及び1,2−ジアミノプロパンモノアンモニウム等。
第2級アンモニウムカチオン(b4)
ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウム、メチルプロピルアンモニウム、メチルイソプロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、メチルホルミルメチルアンモニウム及びメチルホルミルエチルアンモニウム等。
第3級アンモニウムカチオン(b5)
トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム、ジメチルイソプロピルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、メチルエチルプロピルアンモニウム、メチルエチルイソプロピルアンモニウム、ジプロピルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、ジメチルホルミルメチルアンモニウム、ジメチルホルミルエチルアンモニウム及びジエチルホルミルメチルアンモニウム等。
ホスホニウムカチオン(b6)
炭素数1〜4のアルキルを有するテトラアルキルホスホニウムカチオン{テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム及びトリエチルメチルホスホニウム等}等。
上記カチオン(b1)〜(b7)のうち、電解コンデンサのESR維持および耐熱性向上の観点から好ましいものは、アミジニウムカチオン(b1)および第3級アンモニウムカチオン(b6)、更に好ましいものは、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムおよび1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムである。
(F)のアニオンとしては、前記酸性化合物(C)で例示したものと同様の酸性化合物のアニオンが挙げられる。上記酸性化合物のうち、好ましいものは、飽和ポリカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸、芳香族オキシカルボン酸、脂肪族不飽和ポリカルボン酸およびジアルキルリン酸エステル、更に好ましいのは、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、マレイン酸、ジエチルリン酸エステルおよびジブチルリン酸エステルである。
電解液(E)は、有機溶媒(D)に電解質(A)を溶解させることで得ることができる。溶解させる方法としては、例えば、通常の櫂型撹拌羽根を用いて、室温で撹拌する方法等が挙げられる。
本発明において、電解質(A)を溶解する有機溶媒(D)としては、前記有機溶媒(G)で例示したものと同様の有機溶媒が挙げられる。上記有機溶媒(D)のうち、炭素数1〜20のものが好ましく、炭素数1〜10のものがより好ましい。更に好ましくは、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールおよびジエチレングリコールである。
電解質(A)の含有量は、電導度と有機溶媒(D)への溶解度の観点から、電解質(A)及び有機溶媒(D)の合計重量に基づいて、好ましくは2〜70重量%、更に好ましくは4〜40重量%である。
有機溶媒(D)の含有量は、電導度の観点から、電解質(A)及び有機溶媒(D)の合計重量に基づいて、好ましくは30〜98重量%、更に好ましくは60〜96重量%である。
本発明の電解液には必要により、更に適当量の水を含有させてもよい。水を含有すると、コンデンサ部材{陽極箔である酸化アルミニウム箔など}の化成性{陽極箔表面に欠損部分があれば、酸化被膜を形成させてこれを修復する性質}を向上させることができる。一方、水の含有量が多いと、高温使用時にコンデンサ内部の圧力が上昇し、コンデンサが膨れたり、破裂したりしてしまう。
したがって、水を含有する場合、水の含有量は、電解液の重量に基づいて、好ましくは0〜10重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%である。なお、水分は、JIS K0113:2005の「8.カールフィッシャー滴定方法、8.1容量滴定方法」に準拠して測定される。
本発明の電解液には必要により、他の成分(H)を添加することができる。他の成分(H)としてはアルミニウム電解コンデンサ用電解液に通常用いられる種々の添加剤を挙げることができる。該添加剤としては、リン酸誘導体[例えば、リン酸、リン酸エステル等]、ホウ酸誘導体(ホウ酸、ホウ酸と多糖類〔マンニット、ソルビット等〕との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール〔エチレングリコール、グリセリン等〕との錯化合物等)、ニトロ化合物(o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等)等を挙げることができる。その添加量は、比電導度と電解液への溶解度の観点から、電解液の重量に基づいて、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは2重量%以下がよい。
コンデンサ素子内に固体電解質層(J)が形成された電解コンデンサは、例えば、固体電解コンデンサ用固体電解質組成物をコンデンサ素子に塗布(またはコンデンサ素子を固体電解質組成物に浸漬)後、必要に応じて加熱処理を行うことにより溶剤を除去して作製することができる。
また、コンデンサ素子内に固体電解質層(J)が形成された電解コンデンサは、固体電解コンデンサ用固体電解質用前駆体組成物をコンデンサ素子に塗布(またはコンデンサ素子を固体電解質組成物に浸漬)してπ共役系高分子モノマーを重合(酸化重合)させ、必要に応じて加熱処理を行うことにより作製することができる。重合はアニオン重合や酸化重合等の公知の方法で行うことができる。さらに、固体電解質用前駆体組成物と酸化剤を混合した後、混合物をコンデンサ素子に塗布(またはコンデンサ素子を固体電解質組成物に浸漬)し、必要に応じて加熱処理を行うことにより作製してもよい。
固体電解コンデンサ用固体電解質用組成物は、π共役系高分子化合物および溶剤を含有する。π共役系高分子化合物としては、公知のπ共役系高分子化合物(例えば、ポリアニリン誘導体(ポリアニリンおよび置換されたポリアニリン)、ポリピロール誘導体(ポリピロールおよび置換されたポリピロール)、ポリチオフェン誘導体(ポリチオフェンおよび置換されたポリチオフェン)、ポリアセチレン誘導体(ポリアセチレンおよび置換されたポリアセチレン)およびポリイソチアナフテン誘導体(ポリイソチアナフテンおよび置換されたポリイソチアナフテン))等を用いることができる。溶剤溶解性の観点から、ポリチオフンエン誘導体、ポリアニリン誘導体およびポリピロール誘導体が好ましく、置換されたポッリチオフェン、置換されたポリアニリンおよび置換されたポリピロールがさらに好ましい。
置換基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基[例えば、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、iso−、sec−又はtert−ブチル基、n−又はiso−ペンチル基、n−又はiso−ヘキシル基、n−又はiso−ヘプチル基、n−又はiso−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−又はiso−ノニル基、n−又はiso−デシル基、n−又はiso−ウンデシル基、n−又はiso−ドデシル基、n−又はiso−トリデシル基、n−又はiso−テトラデシル基、n−又はiso−ペンタデシル基、n−又はiso−ヘキサデシル基、n−又はiso−ヘプタデシル基、n−又はiso−オクタデシル基、n−又はiso−ノナデシル基、n−又はiso−イコシル基等]、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基[例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−、iso−、sec−又はtert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、イコシルオキシ基、エチレンジオキシ基等]、炭素数1〜20のポリエーテル基[例えば、1,3−ジオキソペンチル基、2,5−ジオキサヘプチル基、2,5,8−トリオキサオクチル基、1,4,7,10−テトラオキサウンデシル基、1,4,7,10,13,16,19−ヘプタオキサイコシル基等]、酸性基[例えば、−SO−、−SOH、−RSO−、−RSOH、−COO−、−COOH、−RCOO−、−RCOOH等。(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアリーレン基または炭素数1〜20のアラルキレン基を表す。)]、アミノ基[例えば、−NH、−NHR、−N(R等。(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基または炭素数1〜20のアラルキル基を表す。)]、アミド基[例えば、−NHCOR等。(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基または炭素数1〜20のアラルキル基を表す。)]、エステル基[例えば、−COOR、−OCOR等。(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基または炭素数1〜20のアラルキル基を表す。)]、チオエーテル基[例えば、−SR等。(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアリール基または炭素数1〜20のアラルキル基を表す。)]、水酸基、ニトロ基、ニトリル基、アルデヒド基およびハロゲン基[−F、−Cl、−Br、−I等]等が挙げられる。これらの中で好ましいものは、溶剤溶解性の観点から、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基、炭素数1〜20のポリエーテル基および酸性基である。
上記π共役系高分子化合物は原料であるモノマーを重合することで得られる。重合は、アニオン重合や酸化重合等公知の方法で行なうことが可能である。
π共役系高分子化合物の原料モノマーとしては、チオフェン骨格、ピロール骨格およびアニリン骨格を有する化合物等が挙げられる。例えば、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン等の3−アルキル基置換チオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン等の3−アルコキシ基置換チオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン等の3,4−ジアルコキシ置換チオフェン、3−(1,3−ジオキソペンチル)チオフェン、3−(1,4,7,10−テトラオキサウンデシル)チオフェン等の3−ポリエーテル基置換チオフェン、3−(3−チエニル)−プロパン−1−スルホン酸、4−(3−チエニル)−ブタン−1−スルホン酸、6−(3−チエニル)−ヘキサン−1−スルホン酸等のアルキルスルホン酸基置換チオフェン、3−n−ヘキシルピロール、3−n−ドデシルピロール等の3−アルキル基置換ピロール、3−メトキシピロール、3−ヘプチルオキシピロール等の3−アルコキシ基置換ピロール、3−(1,3−ジオキソペンチル)ピロール、3−(1,4,7,10−テトラオキサウンデシル)ピロール等の3−ポリエーテル基置換ピロール、3−(3−ピロリル)−プロパン−1−スルホン酸、4−(3−ピロリル)−ブタン−1−スルホン酸、6−(3−ピロリル)−ヘキサン−1−スルホン酸等のアルキルスルホン酸基置換ピロール、o−、m−またはp−アミノベンゼンスルホン酸、アニリン−2,6−ジスルホン酸、メチルアミノベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基置換アニリンおよびo−、m−またはp−アミノベンゼンカルボン酸、アニリン−2,6−ジカルボン酸、メチルアミノベンゼンカルボン酸等のカルボキシ基置換アニリン等が挙げられる。これらは単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、π共役系高分子化合物が良好に溶解または分散する溶媒が望まれ、前記有機溶媒(G)で例示したものと同様の溶媒および水が挙げられる。これらの溶媒のうち、沸点が300℃以下のものおよびこれらの混合物が好ましい。沸点が300℃以下であると固体電解質層(J)形成工程で固体電解質層(J)中に溶媒がほとんど残存せず、固体電解質層(J)の特性に悪影響を及ぼすことがほとんどない。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水及びこれらの混合物等が挙げられる。
π共役系高分子化合物の含有量は、固体電解質層(J)の加工性および溶媒への溶解性または分散性の観点から、π共役系高分子化合物および溶媒の合計重量に対して、好ましくは0.1〜20重量%含有される。
本発明の固体電解コンデンサ用固体電解質組成物には必要により、更にドーパント添加することができる。
ドーパントとしては、例えば、無機酸(硫酸、硝酸、リン酸および縮合リン酸等)、ハロゲンイオン類(ヨウ素、臭素及び塩素等)、ハロゲン化物イオン類(テトラフロロホウ素及び過塩素酸等)、キノン化合物[クロラニル酸、p−クロラニル、p−ベンゾキノン、p−キノンジオキシム、ジクロロジシアノキノン(DDQ)、p−ナフトキノン、アントラキノン、クロロアントラキノン及びp−トルキノン等]、アルキル置換有機スルホン酸イオン類(メタンスルホン酸及びドデシルスルホン酸等)、環状スルホン酸イオン類(カンファースルホン酸イオン等)、アルキル置換又は無置換のベンゼンモノ又はジスルホン酸イオン類(ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸及びベンゼンジスルホン酸等)、スルホン酸基を1〜4個有するナフタレンスルホン酸のアルキル置換イオン類又は無置換イオン類(2−ナフタレンスルホン酸及び1,7−ナフタレンジスルホン酸等)、アントラセンスルホン酸イオン、アントラキノンスルホン酸イオン、アルキル置換又は無置換のビフェニルスルホン酸イオン類(アルキルビフェニルスルホン酸及びビフェニルジスルホン酸等)、置換又は無置換の芳香族高分子スルホン酸イオン類(ポリスチレンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合体等)及び三酸化硫黄錯体等が挙げられる。
三酸化硫黄錯体は、三酸化硫黄と、エーテル、アミド、アミン、スルフィドなどのルイス塩基との錯体である。エーテル・三酸化硫黄錯体としては三酸化硫黄ジオキサン錯体、三酸化硫黄ジオキソラン錯体、三酸化硫黄ジメチルエーテル錯体、三酸化硫黄エチルメチルエーテル錯体、三酸化硫黄ジエチルエーテル錯体等、アミド・三酸化硫黄錯体としては三酸化硫黄N,N−ジメチルホルムアミド錯体等、アミン・三酸化硫黄錯体としては三酸化硫黄ピリジン錯体、三酸化硫黄トリエチルアミン錯体、三酸化硫黄トリメチルアミン錯体、三酸化硫黄N−エチルジイソプロピルアミン錯体等、スルフィド・三酸化硫黄錯体としては三酸化硫黄ジメチルスルフィド錯体、三酸化硫黄エチルメチルスルフィド錯体、三酸化硫黄ジエチルスルフィド錯体等が挙げられる。これらの中で、導電性の観点からアミド・三酸化硫黄錯体およびアミン・三酸化硫黄錯体が好ましく、アミド・三酸化硫黄錯体の中では三酸化硫黄N,N−ジメチルホルムアミド錯体、アミン・三酸化硫黄錯体の中では三酸化硫黄ピリジン錯体が好ましい。上記の中でドーパントとしては、導電性の観点から、無機酸、アルキル置換有機スルホン酸イオン類、環状スルホン酸イオン類、アルキル置換又は無置換のベンゼンモノ又はジスルホン酸イオン類、スルホン酸基を1〜4個有するナフタレンスルホン酸のアルキル置換イオン類又は無置換イオン類、アルキル置換又は無置換のビフェニルスルホン酸イオン類、置換又は無置換の芳香族高分子スルホン酸イオン類または三酸化硫黄錯体が好ましく、これらの内、硫酸、リン酸、縮合リン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸及び三酸化硫黄N,N−ジメチルホルムアミド錯体が更に好ましい。
π共役系高分子化合物は、ドーパントに対して電子を供与して、ドーパントとともに電荷移動錯体を形成する。
この電荷移動錯体が電子のキャリヤとして導電性を発現するため、ドーパントの濃度は高い方がよいが、過剰だと導電性が低下する。従って、ドーパントの使用量は、π共役系高分子化合物に対して5〜1000重量%が好ましく、更に好ましくは10〜800重量%である。
固体電解コンデンサ用固体電解質用前駆体組成物は、π共役系高分子化合物の前駆体モノマーを含有する。π共役系高分子化合物の前駆体モノマーとしては、公知のπ共役系高分子化合物の前駆体モノマー、例えば、アニリン誘導体(アニリンおよび置換されたアニリン)、ピロール誘導体(ピロールおよび置換されたピロール)、チオフェン誘導体(チオフェンおよび置換されたチオフェン)、アセチレン誘導体(アセチレンおよび置換されたアセチレン)およびイソチアナフテン誘導体(イソチアナフテンおよび置換されたイソチアナフテン)等を用いることができる。導電性および溶剤溶解性の観点から、チオフェン誘導体、アニリン誘導体およびピロール誘導体が好ましい。
置換基としては、前記π共役系高分子化合物の置換基で例示したものと同様の置換基が挙げられる。これらの中で好ましいものは、溶剤溶解性の観点から、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基、炭素数1〜20のポリエーテル基および酸性基である。
π共役系高分子化合物の前駆体モノマーの具体例としては、チオフェン、アニリン、ピロールおよび前記π共役系高分子化合物の原料モノマーで例示したものと同様のモノマー等が挙げられる。これらは単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
固体電解コンデンサ用固体電解質用前駆体組成物には必要により、さらに溶剤を使用することができる。溶剤としては、π共役系高分子化合物の前駆体モノマー(b)が良好に溶解する溶媒が望まれ、前記有機溶媒(G)で例示したものと同様の溶媒および水が挙げられる。これら溶媒のうち、沸点が300℃以下のものおよびこれらの混合物が好ましい。沸点が300℃以下であると固体電解質層(J)形成工程で固体電解質層(J)中に溶媒がほとんど残存せず、固体電解質層(J)の特性に悪影響を及ぼすことがほとんどない。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水及びこれらの混合物等が挙げられる。
π共役系高分子化合物の前駆体モノマー(b)の含有量は、固体電解質層(J)の加工性および溶媒への溶解性の観点から、π共役系高分子化合物の前駆体モノマーおよび溶媒の合計重量に対して、好ましくは0.1〜80重量%、より好ましくは1〜60重量%含有される。
酸化剤としては、公知の酸化剤(例えば、ペルオキソ二硫酸類[ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等]、鉄塩類[塩化第二鉄、p−トルエンスルホン酸第二鉄等]、過酸化水素、二酸化鉛等)を用いることができる。導電性の観点から、ペルオキソ二硫酸類および鉄塩類が好ましい。これらは単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
酸化剤を溶解する溶媒としては、酸化剤が良好に溶解する溶媒が望まれ、前記溶媒(G)で例示したものと同様の溶媒および水が挙げられる。これら溶媒のうち、沸点が300℃以下のものおよびこれらの混合物が好ましい。沸点が300℃以下であると固体電解実層形成工程で固体電解質層(J)中に溶媒がほとんど残存せず、固体電解質層(J)の特性に悪影響を及ぼことがほとんどない。溶剤溶解性の観点から、これらの中でより好ましいものは、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、N−メチルピロリドンジメチルスルホキシド、水及びこれらの混合物等が挙げられる。
酸化剤の使用量は、モノマー1モルに対して1〜8モルが好ましく、1〜4モルがより好ましい。
さらに、必要に応じてドーパントを固体電解質用前駆体組成物および/または酸化剤溶液に添加することができる。ドーパントとしては、前記π共役系高分子化合物のドーパントで例示したものと同様のドーパントが挙げられる。これらの中で好ましいものは、導電性の観点から、無機酸、アルキル置換有機スルホン酸イオン類、環状スルホン酸イオン類、アルキル置換又は無置換のベンゼンモノ又はジスルホン酸イオン類、スルホン酸基を1〜4個有するナフタレンスルホン酸のアルキル置換イオン類又は無置換イオン類、アルキル置換又は無置換のビフェニルスルホン酸イオン類、置換又は無置換の芳香族高分子スルホン酸イオン類または三酸化硫黄錯体が好ましく、これらの内、硫酸、リン酸、縮合リン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸及び三酸化硫黄N,N−ジメチルホルムアミド錯体が更に好ましい。
重合後、得られた導電性高分子層には未反応のモノマーおよび/または酸化剤が残存する場合があり、固体電解質層(J)の特性に悪影響を及ぼすことがある。そのため、必要に応じて得られた固体電解質層(J)の精製を行ってもよい。精製は、洗浄溶剤を用いて実施でき、洗浄溶剤としては、メタノール、エタノール、iso−プロパノール、n−プロパノール、t−ブタノール等のアルコール類、水等が高純度のものが得られるため好ましい。
コンデンサ素子へ固体電解質用組成物または固体電解質用前駆体組成物を塗布して固体電解質層(J)を形成する方法としては、スピンコート法、ドロップキャスト法、ディップコート法等が挙げられる。
固体電解質組成物または固体電解質用前駆体組成物を用いて固体電解質層(J)を製造する際には、これらに溶媒が含有する場合は溶媒を除去する必要がある。沸点の低い溶媒の場合は、常温での自然乾燥、循風乾燥による加熱乾燥で溶媒を除去するが、沸点の高い溶媒の場合は、減圧乾燥機による加熱乾燥が好ましい。
十分な強度及び導電性の固体電解質層(J)を得るためには、加熱処理温度は50〜190℃であることが好ましく、高導電性の固体電解質層(J)を得るためには、更に好ましくは80〜170℃である。
加熱処理時間は、加熱処理温度、固体電解質組成物中のπ共役系高分子化合物の濃度または固体解質用前駆体組成物中のπ共役系高分子化合物の前駆体モノマーの濃度に応じて適宜選択されるが、通常は0.5〜8時間であり、好ましくは1〜4時間である。加熱時間を0.5時間以上とすることで、上記の固体電解質組成物または固体電解質用前駆体組成物から十分な導電性の固体電解質層(J)が得られる。
本発明の電解コンデンサ用電解質層(K)は、固体電解質組成物または固体電解質用前駆体組成物を乾燥固化して固体電解質層(J)を形成し、前記固体電解質層(J)の隙間に、本発明の電解コンデンサ用電解質(A)または電解液(E)を含浸させることで得ることができる。含浸させる方法としては、例えば、固体電解質層(J)が形成された基質を常圧下で電解コンデンサ用電解質(A)または電解液(E)に浸漬する方法等が挙げられる。(A)または(B)の粘度が高い場合は、減圧下で含浸させることが好ましい。
固体電解質層(J)を形成する固体電解質の重量に対する電解質(A)の重量は、1〜1000重量%が好ましく、更に好ましくは1〜100重量%である。
本発明の電解コンデンサは、コンデンサ素子内に前記電解コンデンサ用電解質層(K)が形成された電解コンデンサである。電解コンデンサとしては、特に限定されず、例えば、アルミニウム電解コンデンサ(巻回型アルミニウム電解コンデンサおよび積層型アルミニウム電解コンデンサ等)、タンタル電解コンデンサ、ニオブ電解コンデンサ等が挙げられる。
例えば、本発明の電解液(E)を用いるアルミニウム電解コンデンサを製造する場合について説明する。アルミニウム電解コンデンサとしては、特に限定されず、例えば、捲き取り形のアルミニウム電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサ素子を作製する。その後、固体電解質組成物にコンデンサ素子を浸漬させ、引き上げた後、所定の温度で乾燥を行うことにより、固体電解質層(J)を形成させる。その後、本発明の電解液(E)をコンデンサ素子に含浸し、電解質層(K)を形成した後、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで密閉してアルミニウム電解コンデンサを構成することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
[アミンのアルキレンオキシド付加物(B2)の合成]
<製造例1>:ラウリルアミンEO8モル付加物(B2−1)の合成
撹拌及び温度調節機能の付いた2リットルのステンレス製オートクレーブに、ラウリルアミン(商品名:ファーミン20D、花王社製)185部(1.0モル)、水酸化カリウム(ナトリウム含量:300ppm)2.0部を投入し、混合系内を窒素で置換した。その後、減圧下(1〜5mmHg)、100℃にて1時間脱水を行った。次いで130℃にてエチレンオキシド352部(8.0モル)をゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように導入し、ラウリルアミンEO8モル付加物(B2−1)を得た。エチレンオキシド吹き込み開始から反応終了までの反応時間は12時間であった。(B2−1)の全アミン価は106.0であった。
<製造例2>:シクロヘキシルアミンEO2モル付加物(B2−2)の合成
撹拌及び温度調節機能の付いた2リットルのステンレス製オートクレーブに、シクロヘキシルアミン(東京化成工業(株)社製)99部(1.0モル)、水酸化カリウム(ナトリウム含量:300ppm)2.0部を投入し、混合系内を窒素で置換した。その後、減圧下(1〜5mmHg)、100℃にて1時間脱水を行った。次いで130℃にてエチレンオキシド88部(8.0モル)をゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように導入し、シクロヘキシルアミンEO2モル付加物(B2−2)を得た。エチレンオキシド吹き込み開始から反応終了までの反応時間は12時間であった。(B2−2)の全アミン価は307.0であった。
[電解質(A)の合成]
<実施例1>:フタル酸ラウリルアミンEO8モル付加物塩(A−1)の合成
フタル酸(東京化成工業(株)社製)35.84部をメタノール150部に分散させた分散液に製造例1で得られたラウリルアミンEO8モル付加物(B2−1)114.17部を滴下して、室温で3時間攪拌することで、フタル酸ラウリルアミンEO8モル付加物塩(A−1)のメタノール溶液を得た。得られた溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、フタル酸ラウリルアミンEO8モル付加物塩(A−1)150.00部(収率100%)を得た。
<実施例2>:フタル酸シクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩(A−2)の合成
フタル酸14.29部をメタノール150部に分散させた分散液に製造例2で得られたシクロヘキシルアミンEO2モル付加物(B2−2)15.72部を滴下して、室温で3時間攪拌することで、フタル酸シクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩(A−2)のメタノール溶液を得た。得られた溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、フタル酸シクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩(A−2)30.00部(収率100%)を得た。
<実施例3>:フタル酸ピペリジン塩(A−3)の合成
フタル酸19.83部をメタノール150部に分散させた分散液にピペリジン(東京化成工業(株)社製)(B3−1)10.17部を滴下して、室温で3時間攪拌することで、フタル酸ピペリジン塩(A−3)のメタノール溶液を得た。得られた溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、フタル酸ピペリジン塩(A−3)30.00部(収率100%)を得た。
<実施例4>:アゼライン酸シクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩(A−4)の合成
アゼライン酸(東京化成工業(株)社製)10.28部をメタノール150部に分散させた分散液に製造例2で得られたシクロヘキシルアミンEO2モル付加物(B2−2)19.72部を滴下して、室温で3時間攪拌することで、アゼライン酸シクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩(A−4)のメタノール溶液を得た。得られた溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、アゼライン酸シクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩(A−4)30.00部(収率100%)を得た。
<実施例5>:ジブチルリン酸エステルシクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩(A−5)の合成
ジブチルリン酸エステル(商品名:DP−4、大八化学工業(株)社製)20.40部をメタノール150部に分散させた分散液に製造例2で得られたシクロヘキシルアミンEO2モル付加物(B2−2)19.60部を滴下して、室温で3時間攪拌することで、ジブチルリン酸エステルシクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩(A−5)のメタノール溶液を得た。得られた溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、ジブチルリン酸エステルシクロヘキシルアミンEO2モル付加物塩(A−5)40.00部(収率100%)を得た。
[電解質(F)の合成]
<比較例1>:フタル酸トリエチルアミン塩(F−1)の合成
フタル酸18.64部をメタノール150部に分散させた分散液にトリエチルアミン(東京化成工業(株)社製)11.36部を滴下して、室温で3時間攪拌することで、フタル酸トリエチルアミン塩(F−1)のメタノール溶液を得た。得られた溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、フタル酸トリエチルアミン塩(F−1)30.00部(収率100%)を得た。
<比較例2>:フタル酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(F−2)の合成:
ジメチルカーボネート18.02部をメタノール6.33部に溶解させた溶液に2,4−ジメチルイミダゾリン9.81部を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・メチルカーボネート塩のメタノール溶液を生成した。フタル酸16.61部を1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩のメタノール溶液に加えることで塩交換反応を行い、フタル酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(F−2)のメタノール溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃で加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、フタル酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(F−2)28.33部(収率100%)を得た。
実施例1〜5で得られた電解質(A−1)〜(A−5)および比較例1〜2で得られた電解質(F−1)〜(F−2)について、電解質の塩を構成する塩基性化合物の共役酸、すなわちカチオンの25℃でのpKa、および塩基性化合物の沸点を表1に示した。電解質(F−2)については、カチオンが塩基性化合物にプロトンが付加したものではないため、塩基性化合物およびその沸点は記載していない。
Figure 0006391326
[電解液(E)の調製]
<実施例6〜12>
実施例1〜5で得られた電解質(A−1)〜(A−5)および有機溶媒(D)であるγブチロラクトン[和光純薬工業(株)社製]を表2に記載の通りの配合比率となるように配合し、電解液(E−1)〜(E−7)を得た。
Figure 0006391326
[比較用電解液(E’)の調製]
<比較例3〜4>
比較例1〜2で得られた電解質(F−1)〜(F−2)および有機溶媒(D)であるγブチロラクトンを表2に記載の通りの配合比率となるように配合し、比較用電解液(E’−1)〜(E’−2)を得た。
[コンデンサ特性の評価]
<実施例13〜26、比較例5〜8>
実施例6〜12で得られた電解液(E−1)〜(E−7)および比較例3〜4で得られた比較用電解液(E’−1)〜(E’−2)を用いて、下記の方法でコンデンサ素子内に固体電解質層が形成されると共に、当該固体電解質層の隙間に電解液が含浸された電解コンデンサを作製して静電容量、ESR、耐電圧、漏れ電流および耐熱性を評価した。結果を表3〜4に示した。
Figure 0006391326
Figure 0006391326
(1)コンデンサ素子内への固体電解質層の形成
巻取り型のアルミニウム電解コンデンサ素子(陽極化成皮膜電圧;100V、静電容量;8μF、サイズ;φ6.3mm×H5.8mm)を作成した。固体電解質組成物として、ポリチオフェンの水分散体として知られている、PEDOT/PSS(3,4―エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)をポリスチレンスルホン酸(PSS)水溶液中で重合してなる導電性ポリマー)の1.2重量%水分散体[商品名:CLEVIOS PH500、Heraeus社製]にコンデンサ素子を浸漬させ、引き上げた後、170℃で30分乾燥を行った。当該分散体の浸漬および乾燥をトータル3回繰り返すことにより、コンデンサ素子内に固体電解質層を形成した。
または、固体電解質用前駆体組成物として、ピロール[東京化成工業(株)社製]にコンデンサ素子を浸漬させ、引き上げた後、酸化剤である過硫酸アンモニウム[和光純薬工業(株)社製]の30重量%水溶液にコンデンサ素子を浸漬させ、化学重合法によりπ共役系高分子化合物の前駆体モノマーを重合させて、引き上げて水洗した後、170℃で30分乾燥を行うことにより、コンデンサ素子内に固体電解質層を形成した。
(2)コンデンサ素子内に固体電解質層が形成されると共に、当該固体電解質層の隙間に電解液が含浸された電解コンデンサ用電解質層の作製
上記で得られた固体電解質層が形成されたコンデンサ素子を、実施例6〜12で得られた電解液および比較例3〜4の比較用電解液に室温で、5分間浸漬することにより、電解液が含浸された電解コンデンサ用電解質層を作製した。
(3)コンデンサ素子内に固体電解質層が形成されると共に、当該固体電解質層の隙間に電解液が含浸された電解コンデンサの作製
上記で得られた電解液が含浸されたコンデンサ素子をアルミニウム製ケースに収納し、その開口部を樹脂加硫のブチルゴムで封口することにより、コンデンサ素子内に固体電解質層が形成されると共に、当該固体電解質層の隙間に電解液が含浸された電解コンデンサを作製した。
(4)測定及び評価
<静電容量及びESRの評価>
上記で得られた電解コンデンサに、LCRハイテスタ[日置電機(株)製3532−50]を接続し、定電圧レベル0.4Vで周波数120Hzで静電容量を測定し、周波数100kHzでESRを測定した。結果を表3〜4に示す。
<耐電圧の評価>
上記で得られた電解コンデンサに、直流電源装置[菊水電子工業(株)製PMC18−1A]で0.2mAの定電流モードで電圧を印加、自動昇圧し、放電により電圧が急落する直前の電圧を耐電圧とした。結果を表3〜4に示す。
<漏れ電流の評価>
上記で得られた電解コンデンサに、直流電源装置[菊水電子工業(株)製PMC18−1A]で6.3Vの定電圧モードで電流を印加した30秒後の電流を漏れ電流とした。結果を表3〜4に示す。
<耐熱性の評価>
上記で得られた電解コンデンサを用いて、リフローTop温度255℃、230℃で30秒以上、200℃で70秒以上のリフロー条件下で耐熱評価を実施した。リフローは2回実施し、デジタルノギスでゴム膨れを測定しコンデンサの膨れとした。コンデンサの膨れが小さい程、電解コンデンサの耐熱性が良好であることを示す。結果を表3〜4に示す。
本発明の電解液を使用した電解コンデンサ(実施例13〜26)は、コンデンサとして必要な低いESRを維持したまま、理論静電容量(8μF)近くの値を示し、かつ耐電圧が高く、漏れ電流が低く、さらにリフロー条件下でのコンデンサの膨れが小さく高い耐熱性を示した。
表3の結果から、本発明の電解液を使用した電解コンデンサ(実施例13〜19)は、比較例5〜6に比べて、同等の静電容量およびESRを有し、かつ耐電圧が高く、漏れ電流が低く、さらにリフロー条件下でのコンデンサの膨れが小さく耐熱性が高いことがわかった。
表4の結果から、本発明の電解液を使用した電解コンデンサ(実施例20〜26)は、比較例7〜8に比べて、同等の静電容量およびESRを有し、かつ耐電圧が高く、漏れ電流が低く、さらにリフロー条件下でのコンデンサの膨れが小さく耐熱性が高いことがわかった。
これは実施例13〜26では比較例5〜8と比べ、電解質の塩を構成する塩基性化合物の沸点が高いため、リフロー条件下で電解質の塩が分解した際に生じる塩基性化合物の揮発が抑制された結果、コンデンサの膨れが抑制され耐熱性が向上すると考えられる。また、塩基性化合物の沸点は構成分子の分子間力と密接に関係しており、塩基性化合物の沸点が高いことから分子間力が大きいため、電解液中の抵抗が上昇した結果、耐電圧が向上し、漏れ電流が抑制されると考えられる。さらに、電解質の塩を構成する塩基性化合物の共役酸、すなわちカチオンのpKaが小さいため、導電性高分子の脱ドープが抑制された結果、低いESRが維持されると考えられる。
本発明の電解コンデンサ用電解質または電解液を用いれば、電解質層の抵抗の増大を極力抑え、かつ耐電圧を高くすることができ、さらにリフロー条件下でのコンデンサの膨れが小さいことにより耐熱性を高くすることができるため、電解コンデンサの小型化、高信頼性化が可能となり、車載用途等に適用でき工業的価値は大きい。

Claims (6)

  1. コンデンサ素子内に固体電解質層(J)が形成された電解コンデンサにおいて、前記固体電解質層(J)の隙間に含浸される電解コンデンサ用電解質(A)であって、前記電解質(A)が塩基性化合物(B)のカチオン(b)と酸性化合物(C)のアニオン(c)の塩であり、前記塩基性化合物(B)の共役酸のpKaが14.0以下であり、かつ前記塩基性化合物(B)の沸点が90℃以上であり、前記塩基性化合物(B)が下記一般式(1)で表されるアンモニアのアルキレンオキシド付加物(B1)又は下記一般式(2)で表されるアミンのアルキレンオキシド付加物(B2)である電解コンデンサ用電解質(A)。
    Figure 0006391326

    [式中、Aは炭素数2〜8のアルキレン基;mはAOの付加モル数を表し、1〜100の整数であり、mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)m部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。kは1または2である。kが2の場合はmは同一でも異なっていてもよい。Qはkが1の時は水素原子と炭素数1〜30である炭化水素基、または水素原子であり、kが2の時は水素原子である。]
    Figure 0006391326

    [式中、Lはr個の活性水素を持つアミンから水素を除いた残基;Aは炭素数2〜8のアルキレン基;nはAOの付加モル数を表し、1〜100の整数であり、nが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)n部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。rは1〜40の整数である。rが2以上の場合はnは同一でも異なっていてもよい。]
  2. 一般式(1)または一般式(2)において、AまたはAがエチレン基である請求項に記載の電解質(A)。
  3. 前記固体電解質層(J)がπ共役系高分子化合物を含有する請求項1または2に記載の電解質(A)。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解質(A)および有機溶媒(D)を含有する電解コンデンサ用電解液(E)。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用電解質(A)または請求項に記載の電解コンデンサ用電解液(E)が、前記固体電解質層(J)の隙間に含浸されてなる電解コンデンサ用電解質層(K)。
  6. コンデンサ素子内に、請求項に記載の電解コンデンサ用電解質層(K)が形成された電解コンデンサ。
JP2014135681A 2014-07-01 2014-07-01 電解コンデンサ用電解質、これを用いた電解液および電解コンデンサ Active JP6391326B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014135681A JP6391326B2 (ja) 2014-07-01 2014-07-01 電解コンデンサ用電解質、これを用いた電解液および電解コンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014135681A JP6391326B2 (ja) 2014-07-01 2014-07-01 電解コンデンサ用電解質、これを用いた電解液および電解コンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016015365A JP2016015365A (ja) 2016-01-28
JP6391326B2 true JP6391326B2 (ja) 2018-09-19

Family

ID=55231376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014135681A Active JP6391326B2 (ja) 2014-07-01 2014-07-01 電解コンデンサ用電解質、これを用いた電解液および電解コンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6391326B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4207225A4 (en) * 2020-08-27 2024-03-13 Panasonic Ip Man Co Ltd ELECTROLYTIC CAPACITOR

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6783914B1 (ja) * 2019-10-17 2020-11-11 冠坤電子企業股▲フン▼有限公司 導電性高分子ハイブリッド型電解コンデンサ
CN112837940B (zh) * 2020-10-21 2023-02-21 东莞冠坤电子有限公司 导电高分子混合型电解电容器
CN117355916A (zh) 2021-06-01 2024-01-05 路碧康株式会社 固体电解电容器及其制造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4885660A (en) * 1989-05-01 1989-12-05 North American Philips Corporation Electrolytic capacitor for use in a wide temperature range and high voltages
JP4699727B2 (ja) * 2004-09-15 2011-06-15 株式会社Adeka 外壁用洗浄剤
JP2012191178A (ja) * 2011-02-22 2012-10-04 Sanyo Electric Co Ltd 電解コンデンサおよび電解コンデンサの製造方法
JP5713738B2 (ja) * 2011-03-15 2015-05-07 ニッポン高度紙工業株式会社 電解コンデンサ
JP5988824B2 (ja) * 2012-10-22 2016-09-07 テイカ株式会社 電解コンデンサの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4207225A4 (en) * 2020-08-27 2024-03-13 Panasonic Ip Man Co Ltd ELECTROLYTIC CAPACITOR

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016015365A (ja) 2016-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI825130B (zh) 固體電解電容器
JP4536625B2 (ja) 電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ
JP6391326B2 (ja) 電解コンデンサ用電解質、これを用いた電解液および電解コンデンサ
JP2007080888A (ja) 電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ
KR20220121837A (ko) 고체 전해 콘덴서
WO2012053474A1 (ja) 導電性組成物及び導電性被膜の製造方法
JP2013247312A (ja) 固体電解コンデンサ用導電性高分子
US10607786B2 (en) Electrolytic solution for aluminum electrolytic capacitor and aluminum electrolytic capacitor using same
CN112424892B (zh) 固体电解电容器
JP7049127B2 (ja) キャパシタ及びその製造方法、並びに導電性高分子分散液
JP7071834B2 (ja) キャパシタ及びその製造方法、並びに導電性高分子分散液
JP6065258B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2019134142A (ja) キャパシタ及びその製造方法、並びに導電性高分子分散液
JP6655474B2 (ja) キャパシタ及びその製造方法
JP7241658B2 (ja) キャパシタ及びその製造方法、並びに導電性高分子分散液
JP7146620B2 (ja) キャパシタ及びその製造方法、並びに導電性高分子分散液
WO2023149357A1 (ja) 固体電解コンデンサ及び製造方法
JP7438079B2 (ja) キャパシタ及びその製造方法
JP6900329B2 (ja) キャパシタ及びその製造方法、並びに導電性高分子分散液
JP6948227B2 (ja) キャパシタ及びその製造方法
JP2017112389A (ja) 電解コンデンサの駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ
WO2014156105A1 (ja) アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ
JP2017004986A (ja) 固体電解コンデンサ用固体電解質用添加剤
CN117441219A (zh) 电解电容器用电解液、采用了该电解液的电解电容器及混合型电解电容器
JP2020100743A (ja) キャパシタ及びその製造方法、並びに導電性高分子分散液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180814

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6391326

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150