JP6065258B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム層と該アルミニウム層の表面に設けられた酸化アルミニウム皮膜とを有する陽極と、該陽極の酸化アルミニウム皮膜上に設けられた導電性ポリマー層と、を備えた固体電解コンデンサの製造方法に係り、特に、耐熱性に優れた固体電解コンデンサを簡便且つ迅速に製造する方法に関する。
固体電解コンデンサは、弁金属箔の表面に誘電体としての酸化皮膜が設けられている陽極と、上記酸化皮膜と接しており、真の陰極として作用する導電性ポリマー層とを含んでいる。この導電性ポリマー層は、π−共役二重結合を有するモノマー(以下、π−共役二重結合を有するモノマーをしばしば単に「モノマー」と表す。)の化学重合又は電解重合により形成することができるが、電解重合によると、少量のモノマーから機械的強度に優れた導電性ポリマー層が短時間で陽極上に形成される。
この電解重合工程において、重合液として水を溶媒としたものと有機溶媒を用いたものとが適宜選択されて使用されてきた。しかしながら、有機溶媒の使用は、水溶媒の使用に比較して、一般に環境負荷を増大させ、経済的にも不利である。さらに、有機溶媒の中には人体に有害なものも多く、可燃性溶媒を使用した電解重合の場合には電気火花による火災を防止する措置をとる必要がある。このような観点から、水を主溶媒とした重合液の使用が好ましい。また、出願人が本出願時には未公開であるPCT/JP2012/55284において示したが、水を主溶媒とした重合液において有機溶媒量を増加させていくと、電解重合により得られる導電性ポリマー層のポリマー粒子が粗大化し、層の緻密性が低下して耐熱性が低下することがわかっている。さらに、出願人は、特許文献1(WO2011/108254A1)、特許文献2(WO2011/108255A1)、本出願時には未公開であるPCT/JP2012/55284及びPCT/JP2012/55285において、支持電解質としてボロジサリチル酸塩、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド酸塩を含む水性重合液を用いた電解重合が、嵩が大きく脱ドープしにくいドーパントを発生するアルキルナフタレンスルホン酸塩やポリスチレンスルホン酸塩を含む重合液を用いた電解重合に比較して、耐熱性に優れた導電性ポリマーを与えることを報告している。
ところで、この水を主溶媒とした重合液を用いた電解重合によって導電性ポリマー層を形成する場合には、陽極の酸化皮膜上に予め化学重合膜を形成し、化学重合膜にリード端子を取り付けた後、陽極と対極とを重合液に導入し、化学重合膜と対極とに電荷を印加して電解重合を行うのが一般的である。陽極の酸化皮膜の電導性が低いため、化学重合膜が存在しないと電解重合が円滑に進行しにくいからである。しかし、化学重合膜にリード端子を取り付ける工程が煩雑である。また、リード端子を取り付ける際に陽極の酸化皮膜を損傷する可能性もある。酸化皮膜が損傷を受けると、コンデンサの漏れ電流が大きくなり、コンデンサの耐久性が劣化する。この悪影響を防止するために、酸化皮膜の一部を耐熱性絶縁体で保護した後に化学重合膜を設け、化学重合膜へのリード端子の取り付けは耐熱性絶縁体に対向する位置で行う(特許文献3(特開平3−163816号公報)参照)などの対策が提案されているものの、この対策がコンデンサの製造工程をさらに複雑化する。
工程の複雑化を回避するために、陽極の弁金属層と対極とに電荷を印加して電解重合を行う方法も提案されている。特許文献4(特開2000−188239号公報)は、陽極体(弁金属層)を化成し、化成皮膜上に化学重合膜を形成した後に、陽極体に直流静電荷を印加することにより生じる化成済み陽極体の漏れ電流を利用して電解重合を行うことにより、固体電解コンデンサの導電性ポリマー層を形成する方法を提案している。また、特許文献5(WO2004/070749A1)は、表面に酸化皮膜を形成した弁金属層から成る陽極を一方の電極とし、導電性ポリマー層を他方の電極としたコンデンサの製造方法において、酸化皮膜に電気的な微小欠陥部分を弁金属層の表面積あたりの漏れ電流値が500μA/m以下となるように作製した後に、通電手法により導電性ポリマー層を酸化皮膜上に形成するコンデンサの製造方法を提案している。
WO2011/108254A1 WO2011/108255A1 特開平3−163816号公報 特開2000−188239号公報 WO2004/070749A1
特許文献4に具体的に開示されているのは、タンタル焼結体を陽極体とし、タンタル焼結体の表面に化成皮膜としての酸化タンタル皮膜が設けられているコンデンサだけである。そして、高電導度を示す化学重合膜の形成により化成皮膜を部分的に損傷させて化成済み陽極体の漏れ電流を増大させた後、電圧に対する漏れ電流の傾きが大きくなる重合開始電圧(9V)以上化成電圧(18V)以下の電圧(14V)でMIS接合によるトンネル電流を流すことにより、定電圧電解重合を10時間程度行っている。しかし、MIS接合によるトンネル電流を利用する方法は、酸化皮膜が半導性を有する酸化タンタルで構成されている場合には可能であるが、酸化皮膜が絶縁性の酸化アルミニウムで構成されている場合には実質的に不可能である。また、水を主溶媒とした重合液にアルミニウム層とその表面に設けられた酸化アルミニウム皮膜とを有する陽極と対極とを導入し、アルミニウム層と対極とに電荷を印加して定電圧電解重合を行うと、重合初期に大電流が流れ、アルミニウムの酸化、すなわち酸化アルミニウム皮膜の形成が重合より優先して起こるため、重合を進行させることが難しい。
特許文献5には、ニオブ又はアルミニウムで構成された導電体の表面にそれぞれ酸化ニオブ又は酸化アルミニウムの酸化皮膜を設けた後、酸化皮膜を腐食性気体と接触させる方法又は酸化皮膜上に化学重合膜を設ける方法により酸化皮膜に微小欠陥部分を作成し、この導電体と対極とに電荷を印加して定電圧電解重合を行うことにより、酸化皮膜上に導電性ポリマー層を形成する方法が具体的に示されている。アルミニウム層とその表面に設けられた酸化アルミニウム皮膜とを有する陽極を用いた例(この文献の実施例9参照)について具体的に示すと、酸化アルミニウム皮膜の漏れ電流が9μA/mに調整された陽極と対極としての白金電極とを0.2%エチレンジオキシチオフェンと0.1Mアンソラキノンスルホン酸とが入った水溶液に付け、アルミニウム層と白金電極とに電荷を印加して、7Vの定電圧電解重合を24時間行ってポリ(エチレンジオキシチオフェン)層を酸化アルミニウム皮膜上に形成し、次いで酸化アルミニウム皮膜の修復を行っている。そして、この24時間の定電圧電解重合と酸化アルミニウム皮膜の修復とを4回繰り返すことにより固体電解コンデンサを得ている。この24時間×4回の導電性ポリマー層の製造時間は、極めて長時間であり、固体電解コンデンサの製造効率を著しく低下させる。また、長時間に及ぶ導電性ポリマー層の製造は、導電性ポリマー層を劣化させ、固体電解コンデンサの耐熱性を低下させる。
そこで、本発明の目的は、アルミニウム層と該アルミニウム層の表面に設けられた酸化アルミニウム皮膜とを有する陽極と、該陽極の酸化アルミニウム皮膜上に設けられた導電性ポリマー層と、を備えている固体電解コンデンサの製造において、耐熱性に優れた固体電解コンデンサを簡便且つ迅速に製造する方法を提供することである。
発明者らは、鋭意検討した結果、水を主溶媒とした重合液におけるモノマー濃度を溶媒1リットルに対して0.03モル以上の高濃度にし、さらに、陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり0.2〜15μAの範囲の電流密度で定電流電解重合を行うことにより、上記目的が解決されることを発見した。
したがって、本発明は、アルミニウム層と該アルミニウム層の表面に設けられた酸化アルミニウム皮膜とを有する陽極と、該陽極の酸化アルミニウム皮膜上に設けられた導電性ポリマー層と、を備えた固体電解コンデンサの製造方法であって、
100〜80質量%の水と0〜20質量%の有機溶媒とから成る溶媒と、少なくとも一種の支持電解質と、上記溶媒1リットルに対して0.03モル以上のπ−共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーと、を含む重合液を調製する調製工程、及び、
上記重合液に上記陽極と対極とを導入し、上記陽極のアルミニウム層と上記対極とに電荷を印加して、上記アルミニウム層の表面積1cmあたり0.2〜15μAの範囲の電流密度で定電流電解重合を行うことにより、上記陽極の酸化アルミニウム皮膜上に導電性ポリマー層を形成する重合工程、
を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法に関する。
100〜80質量%の水と0〜20質量%の有機溶媒とから成る溶媒を、以下「水リッチ溶媒」と表わす。また、アルミニウム層の表面積は、アルミニウム層の投影面積を意味するものではない。水リッチ溶媒において、水と有機溶媒との合計量は100質量%である。水リッチ溶媒中の水の含有量は、80質量%以上であればよいが、90質量%以上であるのが好ましく、95質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であるのが特に好ましい。水リッチ溶媒における有機溶媒の含有量が増加すると、ポリマー粒子が緻密に充填された導電性ポリマー層が電解重合により電極上に形成されにくくなり、有機溶媒の含有量が溶媒全体の20質量%を超えると、得られた導電性ポリマー層及び固体電解コンデンサの耐熱性が顕著に低下する。したがって、上記調製工程で得られる重合液の使用により、耐熱性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明の調製工程では、水リッチ溶媒1リットルに対して0.03モル以上のモノマーを含有する重合液を調製する。重合液中のモノマー含有量が水リッチ溶媒1リットルに対して0.03モル未満であると、重合工程における導電性ポリマー層の生成速度が低下する。さらに、重合工程では、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して定電流電解重合を行うことにより、陽極の酸化アルミニウム皮膜上に導電性ポリマー層を形成するが、この定電流電解重合は陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり0.2〜15μA、好ましくは0.5〜8μA、特に好ましくは0.7〜5.5μAの範囲の電流密度で行う。定電圧電解重合によると、重合の初期に大電流が流れ、アルミニウムの酸化、すなわち酸化アルミニウムの生成が重合より優先して生じるため、重合を進行させることが困難である。また、電流密度が陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり0.2μA未満であると、導電性ポリマー層の生成速度が低下し、電流密度が陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり15μAを超えると、酸化アルミニウムの生成速度が大きくなるため、やはり導電性ポリマー層の生成速度が低下する。
したがって、水リッチ溶媒1リットルに対して0.03モル以上のモノマーを含有する重合液を用いた上で、陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり0.2〜15μAの範囲の電流密度で定電流電解重合を行うことにより、陽極の酸化アルミニウム皮膜上に迅速に導電性ポリマー層を形成することができる。一般には8時間以内、好適には1時間以内で、固体電解コンデンサの導電性ポリマー層の形成を終了することができる。導電性ポリマー層の生成を短時間で行うことができるため、導電性ポリマー層の劣化を抑制することができ、したがって固体電解コンデンサの耐熱性を低下させることもない。また、特許文献3に示されているような電解重合のためのリードを化学重合膜に取り付ける必要がない。したがって、本発明により、耐熱性に優れた固体電解コンデンサの製造を簡便且つ迅速に行うことができる。
陽極によっては、この電流密度で電流を流せない場合があるが、この場合には、酸化アルミニウム皮膜に部分的な損傷を与えることにより、上述した範囲の電流密度での定電流電解重合が可能になる。部分的な損傷を与える方法には特に限定がなく、例えば、酸化アルミニウム皮膜を腐食性気体又は腐食性液体で処理する方法を使用することができる。
導電性ポリマー層は、陽極の酸化アルミニウム皮膜の表面に直接形成することができる。また、陽極の酸化皮膜上に導電層を設けた後に、この導電層上に導電性ポリマー層を形成してもよい。導電層が電解重合時の電流を陽極の全体に分散させる効果を有するため、重合工程において得られる導電性ポリマー層が均一になる。導電層の形成方法には特に限定がない。例えば、必要に応じて酸化アルミニウム皮膜を腐食性気体で処理して酸化アルミニウム皮膜に損傷を与えた後、酸化アルミニウム皮膜上に導電性ポリマー粒子を含む分散液を塗布し、乾燥することにより導電層を得ても良い。また、酸化アルミニウム皮膜上にπ−共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーの化学重合膜を形成することにより、導電層を形成しても良い。化学重合膜の形成の過程で使用する酸化剤が酸化アルミニウム皮膜に部分的な損傷を与え、また化学重合膜が電解重合時の電流を陽極の全体に分散させる効果を有する。
重合液中のモノマー濃度が高いほど、定電流電解重合により均一で緻密な導電性ポリマー層を迅速に形成することができ、その結果、高い電導度と高い耐熱性とを有する導電性ポリマー層を形成することができ、低い等価直列抵抗(ESR)と高い耐熱性とを有する固体電解コンデンサを得ることができる。そのため、本発明の重合液には、界面活性剤をさらに含むのが好ましい。界面活性剤の作用により水リッチ溶媒中にモノマーが可溶化又は乳化するため、重合液中のモノマー濃度を増加させることができるからである。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤又はノニオン界面活性剤を使用することができる。アニオン界面活性剤から発生したアニオンは、導電性ポリマー層中に取り込まれてドーパントとして作用しうる。
アニオン界面活性剤から発生したアニオン以外のアニオンを導電性ポリマーのドーパントとしたい場合には、ノニオン界面活性剤を使用するのが好ましい。例えば、特許文献1,2等に示されている耐熱性に優れた導電性ポリマーを与える支持電解質とアニオン界面活性剤とを併用すると、支持電解質のアニオンが導電性ポリマー層にドーパントとして取り込まれにくくなるため、導電性ポリマー層の耐熱性が低下してしまう。一方、ノニオン界面活性剤はイオン化しないため、支持電解質とノニオン界面活性剤とを含む重合液を用いて電解重合を行っても、ノニオン界面活性剤がドーパントとして導電性ポリマー層に取り込まれることがなく、また、支持電解質のアニオンが導電性ポリマー中にドーパントとして取り込まれるのがノニオン界面活性剤によって阻害されることがない。
ノニオン界面活性剤としては、少なくとも一種の、式(I)
(式中、aは0又は1を表し、
bは0又は1以上の整数を表し、
cは0又は1以上の整数を表し、
dは0又は1以上の整数を表し、
eは0又は1以上の整数を表し、
ただし、0≦b+e≦100、0≦c+d≦100であり、
は、水素又はメチル基を表し、
、R及びRは、同一であっても異なっていても良く、互いに独立に、炭素原子数が1〜8個の直鎖状又は分枝状のアルキル基又はアルケニル基を表し、
は、炭素原子数が1〜4個の直鎖状又は分枝状のアルキレン基又はアルケニレン基を表し、
は、水素、メチル基又はエチル基を表わす。)
で表されるアセチレンオール系界面活性剤と、
少なくとも一種の、上記アセチレンオール系界面活性剤以外の水溶性ノニオン界面活性剤と、
から成る、複合化ノニオン界面活性剤を使用するのが好ましい。この複合化ノニオン界面活性剤は、重合液中のモノマー濃度を顕著に増加させることがわかっている。
上記アセチレンオール系ノニオン界面活性剤には、式(I)のaが0であるアセチレンジオールと式(I)のaが1であるジアセチレンテトラオールとが含まれるが、aが0であるアセチレンジオールを使用するのが好ましい。また、アセチレンジオールの中でも、Rがメチル基を表し、R及びRがイソブチル基を表し、Rが水素を表す化合物が好ましく、b+eの値は、好ましくは0≦b+e≦30、より好ましくは0≦b+e≦10、特に好ましくはb+e=0である。a=0及びb+e=0であるアセチレンジオールは、炭素炭素三重結合に隣接する炭素原子と結合しているヒドロキシ基とアルキル基又はアルケニル基により、炭素炭素三重結合の周辺の電子密度が特に高くなるため、重合液におけるモノマーの乳化限界量を特に大幅に増加させる。中でも、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールが特に好ましい。
上記複合化ノニオン界面活性剤において、式(I)で表されるアセチレンオール系ノニオン界面活性剤と組み合わせるノニオン界面活性剤としては、水溶性であれば特に限定なく使用することができるが、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルから成る群から選択すると、重合液におけるモノマーの乳化限界量を大幅に増加させることができるようになるため好ましい。
上記式(I)で表されるアセチレンオール系界面活性剤と、該アセチレンオール系界面活性剤以外の水溶性ノニオン界面活性剤と、のいずれか一方のノニオン界面活性剤のみでは、重合液におけるモノマーの乳化限界量を大幅に増加させることができない。上記アセチレンオール系ノニオン界面活性剤は、炭素炭素三重結合の周辺の高い電子密度のために高い極性を有する点で特徴的であるが、この特徴的なアセチレンオール系ノニオン界面活性剤と他の水溶性ノニオン界面活性剤とを組み合わせることにより、重合液におけるモノマーの乳化限界量を大幅に増加させることができるようになる。
上記調製工程において重合液中に含ませるモノマーとしては、π−共役二重結合を有しているものであれば、特に限定なく使用することができる。アニリン誘導体又は無置換ピロールのような水に対する溶解性が比較的高いモノマーであっても、上述した複合化ノニオン界面活性剤の使用により、さらに多くのモノマーを溶媒に乳化させることができる。また、水不溶性又は水難溶性のモノマーであっても、上述した複合化ノニオン界面活性剤により重合液中のモノマー含有量を大幅に増加させることができるため、電解重合を迅速に進行させることができ、均一で緻密なポリマー層を得ることができる。なかでも、3位と4位に置換基を有するチオフェンから選択された化合物、特に3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、3,4−エチレンジオキシチオフェンを「EDOT」と表し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)をPEDOTと表す)をモノマーとして使用すると、環境安定性が高い導電性ポリマー層及び固体電解コンデンサが得られるため好ましい。
上記調製工程において重合液中に含ませる支持電解質としては、公知の支持電解質を特に限定なく使用することができる。しかしながら、支持電解質が、非スルホン酸系有機支持電解質であって該支持電解質のアニオンの分子量が200以上である支持電解質から成る群から選択された化合物であると、特に耐熱性に優れた導電性ポリマー層及び固体電解コンデンサが得られるため好ましい。ここで、「非スルホン酸系有機支持電解質」とは、スルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を有していない有機物の支持電解質を意味する。非スルホン酸系有機支持電解質であってそのアニオンの分子量が200以上である支持電解質のなかでも、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩は、安価で経済的に有利である上に、特に優れた耐熱性を有する導電性ポリマー層を与えるため好ましい。
但し、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩に含まれるボロジサリチル酸イオンが水中で水への溶解度が極めて小さいサリチル酸とホウ酸とに加水分解することがわかっている。そのため、ボロジサリチル酸及び/又はボロジサリチル酸塩を支持電解質として使用すると、徐々に重合液中に沈殿が生じて使用に耐えなくなる。このことを回避するため、ボロジサリチル酸及び/又はボロジサリチル酸塩を支持電解質として使用する場合には、この支持電解質を液に添加した後沈殿生成前に電解重合を行うか、或いは、ボロジサリチル酸イオンの加水分解を抑制する作用を有するニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から成る群から選択された安定化剤と併用する。この安定化剤としては、水易溶性の安定化剤が好ましく、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、及びp−ニトロフェノールから成る群から選択された少なくとも一種の化合物が特に好ましい。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法では、水リッチ溶媒と、支持電解質と、水リッチ溶媒1リットルに対して0.03モル以上のモノマーと、を含む重合液を使用し、この重合液に、アルミニウム層と該アルミニウム層の表面に設けられた酸化アルミニウム皮膜とを有する陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層の表面積1cmあたり0.2〜15μAの範囲の電流密度で定電流電解重合を行うことにより、上記陽極の酸化アルミニウム皮膜上に導電性ポリマー層を形成するため、耐熱性に優れた固体電解コンデンサを簡便且つ迅速に製造することができる。
定電流電解重合により得られたPEDOT膜を撮影した写真であり、(a)は実施例の写真であり、(b)は比較例の写真である。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、調製工程及び重合工程を含む。以下、各工程について説明する。
(1)調製工程
本発明において調製される重合液には、水リッチ溶媒と、支持電解質と、水リッチ溶媒1リットルに対して0.03モル以上のモノマーとが必須成分として含まれる。重合液の調製には、環境負荷が小さく、経済的にも優れる水が主溶媒として使用される。本発明の重合液には、水に加えて、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸メチルなどの有機溶媒が含まれていてもよいが、溶媒全体の80質量%以上は水である。水は溶媒全体の90質量%以上であるのが好ましく、溶媒全体の95質量%以上であるのがより好ましく、溶媒が水のみから成るのが特に好ましい。水リッチ溶媒における有機溶媒の含有量が増加すると、ポリマー粒子が緻密に充填された導電性ポリマー層が電解重合により電極上に形成されにくくなり、有機溶媒の含有量が溶媒全体の20質量%を超えると、得られた導電性ポリマー層及び固体電解コンデンサの耐熱性が顕著に低下する。
重合液には、モノマーとして、π−共役二重結合を有するモノマーが含まれる。モノマーとしては、水リッチ溶媒に安定であれば、従来導電性ポリマーの製造のために用いられているπ−共役二重結合を有するモノマーを特に限定なく使用することができる。以下に代表的なモノマーを例示する。
まず、チオフェン及びチオフェン誘導体、例えば、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェンなどの3−アルキルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェンなどの3,4−ジアルキルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェンなどの3−アルコキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェンなどの3,4−ジアルコキシチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、EDOT、3,4−(1,2−プロピレンジオキシ)チオフェンなどの3,4−アルキレンジオキシチオフェン、3,4−メチレンオキシチアチオフェン、3,4−エチレンオキシチアチオフェン、3,4−(1,2−プロピレンオキシチア)チオフェンなどの3,4−アルキレンオキシチアチオフェン、3,4−メチレンジチアチオフェン、3,4−エチレンジチアチオフェン、3,4−(1,2−プロピレンジチア)チオフェンなどの3,4−アルキレンジチアチオフェン、チエノ[3,4−b]チオフェン、イソプロピルチエノ[3,4−b]チオフェン、t−ブチル−チエノ[3,4−b]チオフェンなどのアルキルチエノ[3,4−b]チオフェン、を挙げることができる。
また、ピロール及びピロール誘導体、例えば、N−メチルピロール、N−エチルピロールなどのN−アルキルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロールなどの3−アルキルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロールなどの3−アルコキシピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロールなどの3,4−ジアルキルピロール、3,4−ジメトキシピロール、3,4−ジエトキシピロールなどの3,4−ジアルコキシピロールを使用することができる。
また、アニリン及びアニリン誘導体、例えば、2,5−ジメチルアニリン、2−メチル−5−エチルアニリンなどの2,5−ジアルキルアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、2−メトキシ−5−エトキシアニリンなどの2,5−ジアルコキシアニリン、2,3,5−トリメトキシアニリン、2,3,5−トリエトキシアニリンなどの2,3,5−トリアルコキシアニリン、2,3,5,6−テトラメトキシアニリン、2,3,5,6−テトラエトキシアニリンなどの2,3,5,6−テトラアルコキシアニリンを使用することができる。
また、フラン及びフラン誘導体、例えば、3−メチルフラン、3−エチルフランなどの3−アルキルフラン、3,4−ジメチルフラン、3,4−ジエチルフランなどの3,4−ジアルキルフラン、3−メトキシフラン、3−エトキシフランなどの3−アルコキシフラン、3,4−ジメトキシフラン、3,4−ジエトキシフランなどの3,4−ジアルコキシフランを使用することができる。
モノマーとしては、3位と4位に置換基を有するチオフェンから選択されたモノマーを使用すると、環境安定性が高い導電性ポリマー層及び固体電解コンデンサが得られるため好ましい。チオフェン環の3位と4位の置換基は、3位と4位の炭素と共に環を形成していても良い。特に、EDOTを使用するのが好ましい。
モノマーは、単独の化合物であっても良く、2種以上の化合物の組み合わせであっても良いが、水リッチ溶媒1リットルに対して0.03モル以上、好ましくは0.05モル以上の濃度で使用される。重合液中のモノマー含有量が水リッチ溶媒1リットルに対して0.03モル未満であると、以下の重合工程における導電性ポリマー層の生成速度が低下する。水リッチ溶媒に対する飽和溶解量を超える量のモノマーが使用されてもよく、この場合には、アニオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤を併用する。界面活性剤の作用により、モノマーが重合液中に可溶化又は乳化する。重合液中のモノマー濃度が高いほど、以下の重合工程における定電流電解重合により、均一で緻密な導電性ポリマー層を迅速に形成することができ、その結果、高い電導度と高い耐熱性とを有する導電性ポリマー層を形成することができ、低いESRと高い耐熱性とを有する固体電解コンデンサを得ることができる。モノマーの使用量は、重合液における乳化限界量、すなわち、油滴として分離しない限界量であるのが好ましい。乳化限界量は簡単な予備実験により知ることができる。アニオン界面活性剤は、支持電解質としても作用し、そのアニオンが生成した導電性ポリマー中にドーパントとして取り込まれうるため、本明細書ではアニオン界面活性剤を支持電解質に含めて説明する。
この工程で調製される重合液には、重合液中でドーパントを発生する支持電解質が含まれる。支持電解質のアニオンが、以下に示す定電流電解重合の過程でドーパントとして導電性ポリマー層に取り込まれる。支持電解質としては、従来導電性ポリマーの製造のために用いられている支持電解質を特に限定なく使用することができる。以下に代表的な支持電解質を例示するが、固体電解コンデンサの導電性ポリマー層を形成するためには、ハロゲン原子を含まない支持電解質が好ましく使用される。
まず、ヨウ化水素、臭化水素等のハロゲン化水素;ホウ酸、硝酸、硫酸、リン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロ砒酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、モリブドリン酸、タングストリン酸、タングストモリブドリン酸等の無機酸;酢酸、シュウ酸、アスコット酸、カプリル酸、ラウリン酸等のカルボン酸;スクアリン酸、ロジゾン酸、クロコン酸等のオキソカーボン酸;乳酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸等のヒドロキシカルボン酸;モノプロピルリン酸エステル、ジプロピルリン酸エステル、モノヘキシルリン酸エステル、ジヘキシルリン酸エステル、モノドデシルリン酸エステル、ジドデシルリン酸エステル等の有機リン酸エステル;メチル硫酸エステル、ドデシル硫酸エステル等の有機硫酸エステル;ボロジ蓚酸、ボロジ酒石酸、ボロジクエン酸、ボロジサリチル酸、オキサラトサリチラトホウ酸、ボロジピロカテコール等のホウ素錯体;及びこれらの塩が挙げられる。
また、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ベンゼンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,7−ナフタレンジスルホン酸、ナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、アントラキノン−1,5−ジスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、ビフェニルジスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合体等のスルホン酸;スルホ安息香酸、スルホイソフタル酸、スルホコハク酸、ジオクチルスルホコハク酸等のスルホカルボン酸;ビス(トルフルオロメタンスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド酸、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド酸、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−ジスルホニルイミド酸等のスルホニルイミド酸;及びこれらの塩が挙げられる。
塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩などのアルキルアンモニウム塩;ジエチルアンモニウム塩、ジブチルアンモニウム塩などのジアルキルアンモニウム塩;トリエチルアンモニウム塩、トリブチルアンモニウム塩などのトリアルキルアンモニウム塩;テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩などのテトラアルキルアンモニウム塩;テトラメチルホスホニウム塩、トリエチルメチルホスホニウム塩、テトラエチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウム塩等のテトラアルキルホスホニウム塩;を挙げることができる。
支持電解質は、単独の化合物であっても良く、2種以上の化合物の組み合わせであっても良い。支持電解質は、重合液に対する飽和溶解量以下の濃度で且つ電解重合のために充分な電流が得られる量で使用され、好ましくは10mM以上、特に好ましくは30mM以上の濃度で使用される。
本発明の重合液では、非スルホン酸系有機支持電解質であって該支持電解質のアニオンの分子量が200以上である支持電解質を使用するのが好ましく、特に、ボロジサリチル酸、ボロジサリチル酸塩、式(II)又は式(III)
(式中、mが1〜8の整数、好ましくは1〜4の整数、特に好ましくは2を意味し、nが1〜8の整数、好ましくは1〜4の整数、特に好ましくは2を意味し、oが2又は3を意味する)で表わされるスルホニルイミド酸及びこれらの塩を好ましく使用することができる。これらの支持電解質は、特に耐熱性に優れた導電性ポリマーを与える。中でも、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド酸の塩、例えばカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩は、極めて高い耐熱性を有する導電性ポリマーを与える。また、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩は、安価で経済的に有利である上に、耐熱性に優れた導電性ポリマー層を与えるため好ましい。
但し、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩に含まれるボロジサリチル酸イオンが水中で水への溶解度が極めて小さいサリチル酸とホウ酸とに加水分解することがわかっている。そのため、ボロジサリチル酸及び/又はボロジサリチル酸塩を支持電解質として使用すると、徐々に重合液中に沈殿が生じて使用に耐えなくなる。このことを回避するため、ボロジサリチル酸及び/又はボロジサリチル酸塩を支持電解質として使用する場合には、この支持電解質を液に添加した後沈殿生成前に電解重合を行うか、或いは、ニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から成る群から選択された安定化剤と併用する。この安定化剤がボロジサリチル酸イオンと複合体を形成するため、ボロジサリチル酸イオンの加水分解が抑制される。
上記安定化剤は、単独の化合物であっても良く、2種以上の化合物の組み合わせであっても良い。ニトロベンゼン誘導体としては、ニトロフェノール、ニトロベンジルアルコール、ニトロ安息香酸、ジニトロ安息香酸、ジニトロベンゼン、ニトロアニソール、ニトロアセトフェノンを例示することができる。上記安定化剤は、水易溶性の化合物であるのが好ましく、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、及びこれらの混合物が特に好ましい。
上記安定化剤は、重合液に対する飽和溶解量以下の濃度で使用され、一般に、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された支持電解質の1モルに対して1/8モルを超える量で使用される。重合液における飽和溶解量が上記支持電解質1モルに対して1/8モル以下である化合物は、他の化合物と混合して使用される。上記安定化剤の量が上記支持電解質1モルに対して1/8モル以下であると、沈殿生成抑制効果が十分でない場合がある。上記安定化剤の含有量は、上記支持電解質1モルに対して1/4以上であるのが好ましく、1/2モル以上であるのがより好ましく、1モル以上であるのが特に好ましい。
この工程で調製される重合液には、特にノニオン界面活性剤が含まれているのが好ましい。ノニオン界面活性剤はイオン化しないため、支持電解質とノニオン界面活性剤とを含む重合液を用いて電解重合を行っても、ノニオン界面活性剤がドーパントとして導電性ポリマー層に取り込まれることがなく、また、支持電解質のアニオンが導電性ポリマー中にドーパントとして取り込まれるのがノニオン界面活性剤によって阻害されることがない。また、ノニオン界面活性剤が上記安定化剤とボロジサリチル酸イオンとの複合体形成を阻害することもない。そのため、高い耐熱性を有する導電性ポリマー層へと導く上記非スルホン酸系有機支持電解質とノニオン界面活性剤とを併用しても、電解重合により得られる導電性ポリマーの耐熱性が低下することがない。
ノニオン界面活性剤としては、公知の水溶性のノニオン界面活性剤を特に限定なく使用することができる。例としては、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン付加アルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレン付加スチリルフェノールホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレン付加ベンジルフェノールホルムアルデヒド縮合物、アルキンジオール、ポリオキシアルキレン付加アルキンジオール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンひまし油、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
特に、少なくとも一種の、式(I)
(式中、aは0又は1を表し、
bは0又は1以上の整数を表し、
cは0又は1以上の整数を表し、
dは0又は1以上の整数を表し、
eは0又は1以上の整数を表し、
ただし、0≦b+e≦100、0≦c+d≦100であり、
は、水素又はメチル基を表し、
、R及びRは、同一であっても異なっていても良く、互いに独立に、炭素原子数が1〜8個の直鎖状又は分枝状のアルキル基又はアルケニル基を表し、
は、炭素原子数が1〜4個の直鎖状又は分枝状のアルキレン基又はアルケニレン基を表し、
は、水素、メチル基又はエチル基を表わす。)
で表されるアセチレンオール系界面活性剤と、
少なくとも一種の、上記アセチレンオール系界面活性剤以外の水溶性ノニオン界面活性剤と、
から成る、複合化ノニオン界面活性剤を使用するのが好ましい。この複合化ノニオン界面活性剤により大幅に増加した量のモノマーがノニオン界面活性剤のミセル中に濃縮されるため、速やかに電解重合が進行し、均一で緻密な、したがって高い電導度と高い耐熱性とを有する導電性ポリマー層が得られる。
上記式(I)で表されるアセチレンオール系界面活性剤及び該アセチレンオール系界面活性剤以外の水溶性ノニオン界面活性剤は、それぞれ、単独の化合物であっても良く、2種以上の化合物であっても良い。
上記式(I)で表されるアセチレンオール系界面活性剤と、該アセチレンオール系界面活性剤以外の水溶性ノニオン界面活性剤と、のいずれか一方のノニオン界面活性剤のみでは、重合液におけるモノマーの乳化限界量を大幅に増加させることができない。上記アセチレンオール系ノニオン界面活性剤と上記水溶性ノニオン界面活性剤との相乗効果により、重合液におけるモノマーの乳化限界量を大幅に増加させることができる。
式(I)において、Rとしてはメチル基が好ましい。R、R及びRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−エチルヘキシル基、オクチル基、2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基が例示されるが、炭素原子数が4〜6個の分枝状のアルキル基、特にイソブチル基が好ましい。Rとしては、メチレン基、エチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、エテニレン基が例示されるが、エチレン基が好ましい。また、b,c,d,eが2以上である場合には、一本の鎖中に含まれる複数のRは、同一であっても異なっていても良く、水素、メチル基、及びエチル基から選択された2つ以上の基が一本の鎖中に含まれていても良い。一本の鎖中に含まれる全てのRが水素であるのが好ましい。
アセチレンオール系ノニオン界面活性剤には、式(I)のaが0であるアセチレンジオールと、式(I)のaが1であるジアセチレンテトラオールと、が含まれるが、aが0であるアセチレンジオールが好ましく使用される。b+eの値は、好ましくは0≦b+e≦30、より好ましくは0≦b+e≦10、特に好ましくはb+e=0である。a=1の場合には、c+dの値は、好ましくは0≦c+d≦30、より好ましくは0≦c+d≦10、特に好ましくはc+d=0である。a=0及びb+e=0である化合物は、炭素炭素三重結合に隣接する炭素原子と結合しているヒドロキシ基とアルキル基又はアルケニル基により、炭素炭素三重結合の周辺の電子密度が特に高くなるため好ましい。
上記アセチレンオール系界面活性剤の例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオール、5−デシン−4,7−ジオール、2,5,8,11−テトラメチル−3,9−ドデカジイン−2,5,8,11−テトラオール、2,3,6,7−テトラメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、7−テトラデシン−6,9−ジオール、8−ヘキサデシン−7,10−ジオール、7,10−ジメチル−8−ヘキサデシン−7,10−ジオール、2,6,9,13−テトラメチル−2,12−テトラデカジエン−7−イン−6,9−ジオール、2,6,9−トリメチル−2−デセン−7−イン−6,9−ジオール、5,10−ジエチル−7−テトラデシン−6,9−ジオール、及びこれらのエトキシル化物、プロポキシル化物、ブトキシル化物が挙げられる。
式(I)で表されるアセチレンオール系界面活性剤のうちの非アルコキシル化物(b,c,d,e=0である化合物)は、所定のケトン又はアルデヒドを塩基性触媒の存在下でアセチレンと反応させることによって得ることができる。アルコキシル化物は、非アルコキシル化物に所定のモル数のアルキレンオキサイドを塩基性触媒下で反応させることにより得ることができる。また、これらはAir Products and Chemicals Inc.によりSurfynol(登録商標)界面活性剤として市販されている。
複合化ノニオン界面活性剤において、式(I)で表されるアセチレンオール系ノニオン界面活性剤は、該アセチレンオール系ノニオン界面活性剤以外のノニオン界面活性剤と併用される。併用されるノニオン界面活性剤としては、水溶性であれば特に限定なく使用することができる。例としては、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン付加アルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレン付加スチリルフェノールホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレン付加ベンジルフェノールホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンひまし油、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらを単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。ポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル分岐型のようなポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを上記式(I)で表されるアセチレンオール系ノニオン界面活性剤と併用するのが好ましい。
上記式(I)で表されるアセチレンオール系ノニオン界面活性剤は、水リッチ溶媒に対して0.05〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%の量で使用される。また、水溶性ノニオン界面活性剤は、質量比で、上記アセチレンオール系ノニオン界面活性剤の1〜5倍、好ましくは2〜5倍の量で使用される。
重合液の調製は、以下のような方法により行う。ノニオン界面活性剤を含まない重合液の調製の場合には、重合液製造用の容器に、水リッチ溶媒、モノマー、及び支持電解質を導入し、手作業により或いは機械的な攪拌手段を使用して或いは超音波を使用して各成分を水リッチ溶媒に溶解させることにより、重合液を調製する。ノニオン界面活性剤を含む重合液の場合には、重合液製造用の容器に、水リッチ溶媒、モノマー、支持電解質、及びノニオン界面活性剤を導入し、手作業により或いは機械的な攪拌手段を使用して或いは超音波を照射して、支持電解質及びノニオン界面活性剤を水リッチ溶媒に溶解させ、同時にモノマーを乳化させることにより、重合液を調製する。また、重合液製造用の容器に、水リッチ溶媒、π−共役結合を有するモノマー、ノニオン界面活性剤を導入して、ノニオン界面活性剤を水リッチ溶媒に溶解させ、同時にモノマーを乳化させた液を調製した後、電解重合直前に、この液に支持電解質を添加して溶解させても良い。これらの方法において、上記複合化ノニオン界面活性剤における式(I)で表されるアセチレンオール系界面活性剤と、該アセチレンオール系界面活性剤以外の水溶性ノニオン界面活性剤とは、別々に液に添加しても良く、同時に液に添加しても良い。別々に液に添加する場合には、いずれを先に液に添加しても良い。重合液における各成分が安定であれば、調製時の温度に制限は無い。
支持電解質としてボロジサリチル酸及び/又はその塩を使用する場合には、好ましくは安定化剤としてのニトロベンゼン及び/又はその誘導体がさらに重合液に添加される。上記安定化剤は、ボロジサリチル酸イオンとの複合体を形成させてボロジサリチル酸イオンの加水分解による沈殿生成を抑制するために使用されるものであるから、少なくともボロジサリチル酸及び/又はその塩とほぼ同時に水リッチ溶媒に添加され、好ましくはボロジサリチル酸及び/又はその塩よりも前に水リッチ溶媒に添加される。
この工程で調製される重合液には、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限り、他の成分が含まれていても良い。このような成分の例としてはpH調整剤が挙げられる。
(2)重合工程
重合工程では、上記調製工程において得られた重合液に、導電性ポリマー層の基体となるアルミニウム層とその表面に設けられた酸化アルミニウム皮膜とを有する陽極と、電解重合のために必要な対極と、を導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり0.2〜15μAの範囲の電流密度で定電流電解重合を行い、陽極の酸化アルミニウム皮膜上に導電性ポリマー層を形成する。
陽極として、アルミニウム箔に化学的或いは電気化学的な手法によりエッチング処理を施して拡面し、さらに、アジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液等を用いて化成処理し、アルミニウム箔(アルミニウム層)の表面に酸化アルミニウム皮膜を形成したものが通常使用されるが、自然酸化による酸化アルミニウム皮膜がアルミニウム層の表面に形成されている陽極も使用することができる。
陽極としては、以下に示す定電流電解重合において陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり0.2μA以上の電流が流れるものが使用される。陽極によっては、この電流密度で電流を流せない場合があるが、この場合には、酸化アルミニウム皮膜に部分的な損傷を与えることにより、上述した範囲の電流密度での定電流電解重合が可能になる。部分的な損傷を与える方法には特に限定がなく、例えば、酸化アルミニウム皮膜を腐食性気体又は腐食性液体で処理する方法を使用することができる。
導電性ポリマー層は、陽極の酸化アルミニウム皮膜の表面に直接形成することができる。また、陽極の酸化皮膜上に導電層を設けた後に、この導電層上に導電性ポリマー層を形成してもよい。導電層が電解重合時の電流を陽極の全体に分散させる効果を有するため、重合工程において得られる導電性ポリマー層が均一になる。導電層の形成方法には特に限定がない。例えば、必要に応じて酸化アルミニウム皮膜を腐食性気体で処理して酸化アルミニウム皮膜に損傷を与えた後、酸化アルミニウム皮膜上に導電性ポリマー粒子を含む分散液(例えば、商品名バイトロンP、スタルク社製)を塗布し、乾燥することにより導電層を得ても良い。また、酸化アルミニウム皮膜上に、調製工程で調製する重合液のために例示したπ−共役二重結合を有するモノマーの化学重合膜を形成することにより、導電層を形成しても良い。化学重合膜の形成の過程で使用する酸化剤が酸化アルミニウム皮膜に部分的な損傷を与え、また化学重合膜が電解重合時の電流を陽極の全体に分散させる効果を有する。
化学重合膜の形成は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトニトリル等の溶媒にモノマーと酸化剤の両方を溶解させた液を用意し、この液を刷毛塗り、滴下塗布、浸漬塗布、スプレー塗布等により陽極の酸化皮膜上に適用し、乾燥する方法、又は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトニトリル等の溶媒にモノマーを溶解させた液と、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトニトリル等の溶媒に酸化剤を溶解させた液とを用意し、これらの液を交互に刷毛塗り、滴下塗布、浸漬塗布、スプレー塗布等により陽極の酸化皮膜上に適用し、乾燥する方法により行うことができる。酸化剤としては、パラトルエンスルホン酸鉄(III)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)、アントラキノンスルホン酸鉄(III)等の三価の鉄塩、若しくは、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、などを使用することができ、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を使用しても良い。
次いで、陽極を対極と共に調製工程で得られた重合液に導入し、電解重合を行う。電解重合のための対極としては、白金板、ニッケル板等を用いることができる。
重合工程では、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して定電流電解重合を行うことにより、陽極の酸化アルミニウム皮膜上に導電性ポリマー層を形成する。陽極の酸化アルミニウム皮膜上に化学重合膜等の導電層が設けられている場合にも、導電層に電解重合のためのリードは取り付けない。
この定電流電解重合は陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり0.2〜15μA、好ましくは0.5〜8μA、特に好ましくは0.7〜5.5μAの範囲の電流密度で行う。この電流密度の条件下では、陽極のアルミニウム層と対極との間の電圧は、対極の材質にも依存するが、約0.8〜約1.8Vの範囲で変化する。すなわち、陽極の酸化アルミニウム皮膜にほとんど電位がかかっていない。定電圧電解重合によると、重合の初期に大電流が流れ、アルミニウムの酸化、すなわち酸化アルミニウムの生成が重合より優先して生じるため、重合を進行させることが困難である。また、電流密度が陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり0.2μA未満であると、導電性ポリマー層の生成速度が低下し、電流密度が陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり15μAを超えると、酸化アルミニウムの生成速度が大きくなるため、やはり導電性ポリマー層の生成速度が低下する。重合温度には厳密な制限がないが、一般的には10〜60℃の範囲である。この方法により、一般には8時間以内、好適には1時間以内で、固体電解コンデンサの導電性ポリマー層の形成を終了することができる。導電性ポリマー層の生成を短時間で行うことができるため、導電性ポリマー層の劣化を抑制することができる。
定電流電解重合により得られた導電性ポリマー層を、水、エタノール等で洗浄し、乾燥した後、カーボンペースト、銀ペースト等により導電性ポリマー層上に導電層(見かけの陰極)を形成することにより、耐熱性に優れた積層型の固体電解コンデンサを得ることができる。
この重合工程は、アルミニウム層とその表面に設けられた酸化アルミニウム皮膜とを有する陽極と、アルミニウム層を有する陰極と、陽極と陰極との間に配置された導電性ポリマー層を保持したセパレータとを含む、巻回型又は積層型の固体電解コンデンサを製造するために行うこともできる。これらの型の固体電解コンデンサの製造では、定電流電解重合に先立って、陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に配置されたセパレータとを含むコンデンサ素子を得る。
陽極としては、上述したものを使用することができる。陰極としては、アルミニウム箔に化学的或いは電気化学的な手法によりエッチング処理を施して拡面したものが使用される。セパレータとしては、マニラ紙、クラフト紙、合成繊維紙、ガラスペーパー、ガラスペーパーとマニラ紙、クラフト紙との混抄紙等を使用することができる。
陽極及び陰極を、セパレータを介して巻回或いは積層し、コンデンサ素子を得る。そして、必要に応じて、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトニトリル等の溶媒にモノマーと酸化剤の両方を溶解させた液を用意し、この液にコンデンサ素子を浸漬し、加熱乾燥することにより、陽極表面及び陰極表面に化学重合膜を形成する。モノマー及び酸化剤としては、上述したものを使用することができる。
この素子を水、エタノール等で洗浄し、乾燥した後、調製工程で得られた重合液に導入し、陽極のアルミニウム層と陰極(対極)とに電荷を印加して、陽極のアルミニウム層の表面積1cmあたり0.2〜15μA、好ましくは0.5〜8μA、特に好ましくは0.7〜5.5μAの範囲の電流密度で定電流電解重合を行う。電解重合後、セパレータに保持された導電性ポリマー層を水、エタノール等で洗浄し、乾燥することにより、耐熱性に優れた巻回型又は積層型の固体電解コンデンサを得ることができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(1)モノマー濃度の影響
実施例1
エッチングを施したアルミニウム箔(アルミニウム層)を皮膜耐圧3Vに化成した後、投影面積1×1cmに打ち抜き、陽極とした。この陽極を、20質量%のEDOTを含むエタノール溶液に浸漬した後、室温で乾燥した。次いで、酸化剤であるパラトルエンスルホン酸鉄(III)を20質量%の濃度で含むエタノール溶液に浸漬し、室温での10分間の乾燥の後、高温処理した。この化学酸化重合工程を繰り返し、陽極の酸化皮膜上にPEDOTの化学重合膜を形成した。
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、この液にアセチレンオール系ノニオン界面活性剤である2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールを0.4質量%と水溶性ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル分岐型を1.0質量%の量で添加し、さらにEDOT0.57g(濃度0.08M)、p−ニトロフェノール0.35g(濃度0.05M)、及びボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を添加し、均一に攪拌して重合液を得た。上記モノマー量は、上記界面活性剤を含む水溶液と乳化させることができるモノマー量のほぼ最大量に相当する。
次いで、得られた重合液に、PEDOTの化学重合膜を備えた陽極と、対極としての面積4cm×4cmのPt箔とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり2.5μAの電流密度で、45分間定電流電解重合を行った。通電電荷量は、2.7C/cmである。化学重合膜の表面にPEDOTの電解重合膜が生成していた。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
実施例2
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、この液にポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル分岐型を1.0質量%の量で添加し、さらにEDOT0.21g(濃度0.03M)、p−ニトロフェノール0.35g(濃度0.05M)、及びボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を添加し、均一に攪拌して重合液を得た。上記モノマー量は、上記界面活性剤を含む水溶液と乳化させることができるモノマー量のほぼ最大量に相当する。
得られた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり2.5μAの電流密度で、45分間定電流電解重合を行った。化学重合膜の表面にPEDOTの電解重合膜が生成していた。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
比較例1
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、この液に2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールを0.4質量%の量で添加し、さらにEDOT0.18g(濃度0.025M)、p−ニトロフェノール0.35g(濃度0.05M)、及びボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を添加し、均一に攪拌して重合液を得た。上記モノマー量は、上記界面活性剤を含む水溶液と乳化させることができるモノマー量のほぼ最大量に相当する。
得られた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり2.5μAの電流密度で、45分間定電流電解重合を行った。化学重合膜の表面にわずかなPEDOTの電解重合膜しか認められなかった。
比較例2
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、この液にEDOTを0.14g(濃度0.02M)添加し、この液に20kHzの超音波を5分間照射し、EDOTの全量が油滴として水に分散した液を得た。この液に、p−ニトロフェノール0.35g(濃度0.05M)、及び、ボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を、この順番で添加し、均一に攪拌して重合液を得た。
得られた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり2.5μAの電流密度で45分間定電流電解重合を行ったが、電解重合膜の生成がほとんど認められなかった。そこで、電流条件を変更し、アルミニウム層1cmあたり8μAの電流密度で45分間定電流電解重合を行ったが、化学重合膜の表面にわずかなPEDOTの電解重合膜しか認められなかった。
比較例3
実施例1で用いた陽極の化学重合膜にリード端子を取り付けた後、この陽極と実施例1で用いた対極とを比較例2で用いた重合液に導入し、陽極の化学重合膜と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり1.25μAの電流密度で90分間定電流電解重合を行った。通電電荷量は、2.7C/cmである。化学重合膜の表面にPEDOTの電解重合膜が生成していた。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
比較例4
実施例1で用いた陽極に対して、化学酸化重合工程をさらに繰り返し実施し、陽極の酸化皮膜上に厚いPEDOTの化学重合膜を形成した。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの化学重合膜の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
図1には、実施例1と比較例2において定電流電解重合後に得られたPEDOT膜を撮影した写真を示す。比較例2では、陽極表面に白く反射している部分が存在するが、これは化学重合膜である。これに対し、実施例1では、陽極表面に白く反射している部分が存在せず、陽極表面が電解重合膜により被覆されていた。
実施例1,2及び比較例3,4の固体電解コンデンサについて、120Hzにおける容量出現率及び100kHzにおけるESRの値を測定した。化学重合膜形成前の陽極の酸化アルミニウム皮膜を基準として算出した容量出現率を「Virtual−容量出現率」、PEDOT膜を形成した後の酸化アルミニウム皮膜の容量を基準として算出した容量出現率を「Real−容量出現率」とする。表1には、Real−容量出現率、Virtual−容量出現率に対するReal−容量出現率の比(R/V)、及びESRの値を示す。
重合の過程で酸化アルミニウム皮膜が損傷を受けて皮膜の厚みが薄くなっていれば、R/Vが1より小さくなる。そして、1からの減少の度合いが大きいほど、皮膜が薄くなっているということができる。また、重合の過程で酸化アルミニウム皮膜が形成されて皮膜の厚みが厚くなっていれば、R/Vが1より大きくなる。そして、1からの増加の度合いが大きいほど、皮膜が厚くなっているということができる。比較例3,4のコンデンサは、1より小さいR/V値を示した。これは、化学重合工程における酸化剤の作用により、酸化アルミニウム皮膜が損傷を受けたことを示している。これに対し、実施例1,2のコンデンサは、1より大きなR/V値を示した。これは、定電流電解重合の工程で電解重合と同時に酸化アルミニウム皮膜が形成されたことを示している。
表1のESR値を比較すると、実施例1,2及び比較例3のコンデンサは、比較例4のコンデンサより著しく小さいESR値を有していた。これは、化学重合に比較して電解重合が緻密で導電性の高い導電性ポリマー層を与えることを反映したものである。
表1のReal−容量出現率の値を比較すると、実施例1,2のコンデンサは、比較例3のコンデンサより高いReal−容量出現率を有していた。比較例3では、陽極の化学重合膜と対極とに電荷が印加されているため、化学重合膜の外面(酸化アルミニウム皮膜に接していない方の面)上にしか電解重合膜が形成されないのに対し、実施例1,2では、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷が印加されているため、酸化アルミニウム皮膜の外面上における電解重合膜の形成に加えて、アルミニウム層と化学重合膜との間にも電解重合膜が形成される。そのため、実施例1,2のコンデンサにおける酸化アルミニウム皮膜の導電性ポリマーによる被覆率が、比較例3のコンデンサにおける被覆率より大きくなり、実施例1,2のコンデンサにおいて高いReal−容量出現率が得られたと判断された。実施例1のコンデンサが実施例2のコンデンサより高いReal−容量出現率を示したのは、実施例1における重合液のモノマー濃度が実施例2における重合液のモノマー濃度より高いため、電解重合がより迅速に進行したためであると考えられた。
したがって、本発明の方法により、45分間という短い電解重合時間で、高い容量出現率と低いESRとを有する固体電解コンデンサを得ることができた。
(2)電流密度の影響
実施例3
実施例1で用いた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり0.25μAの電流密度で、450分間定電流電解重合を行った。化学重合膜の表面にPEDOTの電解重合膜が生成していた。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
実施例4
実施例1で用いた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり7.8μAの電流密度で、15分間定電流電解重合を行った。化学重合膜の表面にPEDOTの電解重合膜が生成していた。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
実施例5
実施例1で用いた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり13μAの電流密度で、9分間定電流電解重合を行った。化学重合膜の表面にPEDOTの電解重合膜が生成していた。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
比較例5
実施例1で用いた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり0.13μAの電流密度で、600分間定電流電解重合を行った。化学重合膜の表面にわずかなPEDOTの電解重合膜しか認められなかった。
比較例6
実施例1で用いた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり18μAの電流密度で、6.5分間定電流電解重合を行った。
表2には、実施例1,3〜5及び比較例6の固体電解コンデンサについて、120Hzにおける容量出現率及び100kHzにおけるESRの値を測定した。表1には、Real−容量出現率、Virtual−容量出現率に対するReal−容量出現率の比(R/V)、及びESRの値を示す。
定電流電解重合における電流密度が2.5μA/cm以上の範囲では、電流密度が増加するにつれて、R/V値及びESR値が上昇する傾向が認められた。R/Vの上昇は、電解重合と同時に発生する酸化アルミニウム皮膜の形成の速度が、電流密度の増加に伴って加速されることを反映したものである。ESRの上昇は、電流密度が増加するにつれて電流が酸化アルミニウム皮膜の形成のために専ら用いられるようになるため、導電性ポリマーの緻密性が低下したためであると考えられる。
しかしながら、表2から把握されるように、実施例1,3〜5の固体電解コンデンサは、いずれも、80%を超える高いReal−容量出現率と低いESRとを示した。また、8時間以内の短い電解重合時間で、高い容量出現率と低いESRとを有する固体電解コンデンサを得ることができた。
(3)水リッチ溶媒における水含有量の影響
実施例6
ガラス容器に、蒸留水:エタノールを質量比で95:5の割合で混合した混合溶媒50mLを導入し、この液にアセチレンオール系ノニオン界面活性剤である2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールを0.4質量%と水溶性ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル分岐型を1.0質量%の量で添加し、さらにEDOT0.57g(濃度0.08M)、p−ニトロフェノール0.35g(濃度0.05M)、及びボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を添加し、均一に攪拌して重合液を得た。
得られた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり2.5μAの電流密度で、45分間定電流電解重合を行った。化学重合膜の表面にPEDOTの電解重合膜が生成していた。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
実施例7
ガラス容器に、蒸留水:エタノールを質量比で80:20の割合で混合した混合溶媒50mLを導入し、この液にアセチレンオール系ノニオン界面活性剤である2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールを0.4質量%と水溶性ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル分岐型を1.0質量%の量で添加し、さらにEDOT0.57g(濃度0.08M)、p−ニトロフェノール0.35g(濃度0.05M)、及びボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を添加し、均一に攪拌して重合液を得た。
得られた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、アルミニウム層1cmあたり2.5μAの電流密度で、45分間定電流電解重合を行った。化学重合膜の表面にPEDOTの電解重合膜が生成していた。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
実施例1,6,7のコンデンサについて、100kHzにおけるESR(ESR)を測定した後、空気中、150℃で150時間熱エージングを行い、熱エージング後に再び100kHzにおけるESR(ESR150)を測定した。熱エージング前後におけるESRの値を表3に示す。なお、「熱エージング」とは、予め定められた温度で所定時間加熱することを意味する。
水リッチ溶媒中の水含有量が増加するほど、耐熱性に優れたコンデンサが得られることがわかる。
(3)定電圧電解重合
比較例7
実施例1で用いた重合液に、実施例1で用いた陽極と対極とを導入し、陽極のアルミニウム層と対極とに電荷を印加して、7Vで10時間定電圧電解重合を行った。化学重合膜の表面にわずかなPEDOTの電解重合膜しか認められなかった。
本発明の製造方法は、短時間で高い容量出現率と低いESRとを有する固体電解コンデンサを与える。

Claims (10)

  1. アルミニウム層と該アルミニウム層の表面に設けられた酸化アルミニウム皮膜とを有する陽極と、該陽極の酸化アルミニウム皮膜上に設けられた導電性ポリマー層と、を備えた固体電解コンデンサの製造方法であって、
    100〜80質量%の水と0〜20質量%の有機溶媒とから成る溶媒と、少なくとも一種の支持電解質と、前記溶媒1リットルに対して0.03モル以上のπ−共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーと、を含む重合液を調製する調製工程、及び、
    前記重合液に前記陽極と対極とを導入し、前記陽極のアルミニウム層と前記対極とに電荷を印加して、前記アルミニウム層の表面積1cmあたり0.2〜15μAの範囲の電流密度で定電流電解重合を行うことにより、前記陽極の酸化アルミニウム皮膜上に導電性ポリマー層を形成する重合工程、
    を含み、
    前記重合液がさらに界面活性剤を含み、該界面活性剤が、
    少なくとも一種の、式(I)
    (式中、aは0又は1を表し、
    bは0又は1以上の整数を表し、
    cは0又は1以上の整数を表し、
    dは0又は1以上の整数を表し、
    eは0又は1以上の整数を表し、
    ただし、0≦b+e≦100、0≦c+d≦100であり、
    は、水素又はメチル基を表し、
    、R 及びR は、同一であっても異なっていても良く、互いに独立に、炭素原子数が1〜8個の直鎖状又は分枝状のアルキル基又はアルケニル基を表し、
    は、炭素原子数が1〜4個の直鎖状又は分枝状のアルキレン基又はアルケニレン基を表し、
    は、水素、メチル基又はエチル基を表わす。)
    で表されるアセチレンオール系界面活性剤と、
    少なくとも一種の、前記アセチレンオール系界面活性剤以外の水溶性ノニオン界面活性剤と、
    から成る複合化ノニオン界面活性剤であることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記モノマーが3位と4位に置換基を有するチオフェンから選択された少なくとも一種の化合物である、請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記式(I)で表されるアセチレンオール系界面活性剤が、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールである、請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記アセチレンオール系ノニオン界面活性剤以外の水溶性ノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルから成る群から選択された少なくとも一種の化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記溶媒が水のみから成る、請求項1〜のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記支持電解質が、非スルホン酸系有機支持電解質であって該支持電解質のアニオンの分子量が200以上である支持電解質から成る群から選択された少なくとも一種の化合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記支持電解質が、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された少なくとも一種の化合物である、請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. ニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から成る群から選択された少なくとも一種の安定化剤をさらに含む、請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 前記陽極が酸化アルミニウム皮膜上に導電層を有しており、該導電層上に導電性ポリマー層を形成する、請求項1〜のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 前記導電層が、π−共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーの化学重合膜である、請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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