JP7081161B2 - 電解コンデンサ用重合液、この重合液を用いた電解コンデンサ用陰極及び電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Description
導電性基体と該導電性基体の表面に設けられた導電性高分子層とを有する陰極と、
弁金属からなる基体と該基体の表面に設けられた上記弁金属の酸化物からなる誘電体層とを有し、該誘電体層と上記陰極の導電性高分子層とが空間を開けて対向するように配置されている陽極と、
上記空間に充填されているイオン伝導性電解質と
を備え、上記陽極と上記陰極との間に電圧を印加することにより、上記イオン伝導性電解質と接触している導電性高分子層がレドックス容量を発現する電解コンデンサを開示している。上記導電性高分子層は電解重合により形成されるのが好ましく、特許文献1又は特許文献2に開示された重合液を電解重合のために好適に使用することができる。電解コンデンサは、プラスチックコンデンサ、マイカコンデンサ等と比較して、小型で大容量を有するという利点を有するが、PCT/JP2017/013331において開示された電解コンデンサによると、上記レドックス容量の発現のため、導電性高分子層を有していない陰極を備えた電解コンデンサと比較して、電解コンデンサの単位体積当たりの容量が大幅に増大し、電解コンデンサのさらなる小型化高容量化の要請に答えることが可能になる。
導電性基体と、該導電性基体の表面に設けられた導電性高分子層とを有する陰極と、
弁金属からなる基体と、該基体の表面に設けられた上記弁金属の酸化物からなる誘電体層とを有し、該誘電体層と上記陰極の導電性高分子層とが空間を開けて対向するように配置されている陽極と、
上記空間に充填されているイオン伝導性電解質と、
を備え、上記陽極と上記陰極との間に電圧を印加することにより、上記陰極の導電性基体から導電性高分子層に電子が供給されて、上記イオン伝導性電解質と接触している導電性高分子層がレドックス容量を発現する電解コンデンサにおける上記導電性高分子層を製造するための電解重合用重合液であって、
水リッチ溶媒と、
ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩からなる群から選択された少なくとも一種の支持電解質と、
少なくとも一種の陰イオン界面活性剤と、
該界面活性剤により上記溶媒に可溶化或いは乳化させた、π-共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーと、
を含むことを特徴とする電解重合用重合液に関する。
導電性基体と、該導電性基体の表面に設けられた導電性高分子層とを有する陰極と、
弁金属からなる基体と、該基体の表面に設けられた上記弁金属の酸化物からなる誘電体層とを有し、該誘電体層と上記陰極の導電性高分子層とが空間を開けて対向するように配置されている陽極と、
上記空間に充填されているイオン伝導性電解質と、
を備え、上記陽極と上記陰極との間に電圧を印加することにより、上記陰極の導電性基体から導電性高分子層に電子が供給されて、上記イオン伝導性電解質と接触している導電性高分子層がレドックス容量を発現する電解コンデンサにおける陰極の製造方法であって、
上述した本発明の電解重合用重合液に導電性基体を導入して電解重合を行うことにより、上記導電性基体の表面に導電性高分子層を形成することを特徴とする陰極の製造方法に関する。
導電性基体と、該導電性基体の表面に設けられた導電性高分子層とを有する陰極と、
弁金属からなる基体と、該基体の表面に設けられた上記弁金属の酸化物からなる誘電体層とを有し、該誘電体層と上記陰極の導電性高分子層とが空間を開けて対向するように配置されている陽極と、
上記空間に充填されているイオン伝導性電解質と、
を備え、上記陽極と上記陰極との間に電圧を印加することにより、上記陰極の導電性基体から導電性高分子層に電子が供給されて、上記イオン伝導性電解質と接触している導電性高分子層がレドックス容量を発現する電解コンデンサの製造方法であって、
上述した本発明の陰極の製造方法により上記電解コンデンサのための陰極を得る、陰極形成工程、
弁金属からなる基体の表面を酸化して上記弁金属の酸化物からなる誘電体層を形成し、上記電解コンデンサのための陽極を得る、陽極形成工程、及び
上記陰極の導電性高分子層と上記陽極の誘電体層とを空間を開けて対向させ、上記空間にイオン伝導性電解質を充填する、電解質充填工程
を含むことを特徴とする電解コンデンサの製造方法に関する。なお、レドックス容量の発現のために、陰極の導電性高分子層はイオン伝導性電解質と直接接触している必要があるが、陽極の誘電体層はイオン伝導性電解質と直接接触していてもよく、他の導電性材料を介してイオン伝導性電解質と間接的に接続していても良い。
導電性基体と該導電性基体の表面に設けられたレドックス容量を発現する導電性高分子層とを有する陰極を備えた電解コンデンサにおける上記導電性高分子層を製造するための本発明の電解重合用重合液は、
水リッチ溶媒と、
ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩からなる群から選択された少なくとも一種の支持電解質と、
少なくとも一種の陰イオン界面活性剤と、
該界面活性剤により上記溶媒に可溶化或いは乳化させた、π-共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーと、
を含む。
本発明の電解重合用重合液は、
導電性基体と、該導電性基体の表面に設けられた導電性高分子層とを有する陰極と、
弁金属からなる基体と、該基体の表面に設けられた上記弁金属の酸化物からなる誘電体層とを有し、該誘電体層と上記陰極の導電性高分子層とが空間を開けて対向するように配置されている陽極と、
上記空間に充填されているイオン伝導性電解質と
を備え、上記陽極と上記陰極との間に電圧を印加することにより、上記陰極の導電性基体から導電性高分子層に電子が供給されて、上記イオン伝導性電解質と接触している導電性高分子層がレドックス容量を発現する電解コンデンサを製造するために使用される。レドックス容量の発現により、電解コンデンサの単位体積当たりの容量が顕著に増加する。このコンデンサは、以下に示す、陰極形成工程、陽極形成工程、及び電解質充填工程により製造することができる。以下、各工程について詳細に説明する。本発明の電解重合用重合液は、陰極形成工程において使用される。
本発明により製造される電解コンデンサの陰極は、導電性基体と、該導電性基体の表面に設けられた導電性高分子層とを有する。導電性基体としては、導電性高分子層にレドックス容量を発現させるために十分な量の電子の供給が可能であれば、集電体として機能する基体を特に限定なく使用することができる。陰極形成工程では、導電性基体の抵抗が25Ωcm2以下、好ましくは6Ωcm2以下、特に好ましくは0.25Ωcm2以下である導電性基体を好ましく使用することができる。このような導電性基体は、1層の導電層から成っていても良く、複数層の異なる導電層から成っていても良い。複数層から成っている場合には、導電層間に絶縁層が存在していても、絶縁層の一部が破壊されて導電層間が導通していれば、導電性基体として使用することができる。例えば、従来の電解コンデンサにおいて陰極のために使用されている、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム等の弁金属の箔、或いは、これらの弁金属箔に化学的或いは電気化学的なエッチング処理を施すことにより表面積を増大させた箔を、導電性基体として使用することができ、アルミニウム-銅合金等の合金を導電性基体とすることもできる。弁金属箔の表面には、一般に自然酸化皮膜が存在しているが、これに加えて、ホウ酸アンモニウム水溶液、アジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液等の化成液を使用した化成処理により形成した化成酸化皮膜が存在していても、酸化皮膜の表面に無機導電性材料を含む無機導電層を設ける過程で、酸化皮膜の一部を破壊し、導電層と弁金属箔とを導通させることにより、導電性基体として使用することができる。上記無機導電層を形成する無機導電性材料の種類及び無機導電層の形成方法には、導電性高分子層にレドックス容量を発現させるために十分な量の電子の供給がなされるのであれば特別な限定がない。例えば、炭素、チタン、白金、金、銀、コバルト、ニッケル、鉄等の無機導電性材料を真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、塗布、電解めっき、無電解めっき等の手段により酸化皮膜上に積層することにより無機導電層を設ける過程で、酸化皮膜の一部を破壊し、無機導電層と弁金属箔とを導通させることができる。
本発明により製造される電解コンデンサの陽極は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム等の弁金属からなる基体と、該基体の表面に設けられた上記弁金属の酸化物からなる誘電体層とを有する。陽極のための基体としては、弁金属の箔に公知の方法により化学的或いは電気化学的なエッチング処理を施すことにより表面積を増大させたものが好ましく、エッチング処理を施したアルミニウム箔が特に好ましい。基体の表面の誘電体層は、基体にホウ酸アンモニウム水溶液、アジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液等の化成液を使用した化成処理を施す公知の方法により形成することができる。
この工程では、上記陰極形成工程において得られた陰極と、上記陽極形成工程において得られた陽極とを、陰極の導電性高分子層と陽極の誘電体層とが空間を開けて対向するように配置して組み合わせた後、上記空間にイオン伝導性電解質を充填する。
実施例1
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、40℃に加熱した。この液に、0.030MのEDOTと0.04Mのボロジサリチル酸アンモニウムと0.04Mのブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムとを添加して撹拌し、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムによりEDOTを水に可溶化させた電解重合用重合液を得た。
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、40℃に加熱した。この液に、0.021MのEDOTと0.08Mのボロジサリチル酸アンモニウムとを添加して撹拌し、すべてのEDOTが溶解した電解重合用重合液を得た。
エッチング処理を施して表面積を増大させたアルミニウム箔の表面に化成処理により酸化アルミニウム皮膜を形成した後、投影面積2cm2に打ち抜き、陽極(容量:360μF/cm2)を得た。次いで、この陽極と実施例1において得られた陰極とをセルロース系セパレータを介して積層したコンデンサ素子を作成し、この素子にフタル酸のアミジニウム塩をγ-ブチロラクトンに15質量%の濃度で溶解させた電解液を含浸させ、ラミネートパックした。次いで、105℃の温度で3.35Vの電圧を60分印加するエージング処理を行い、平板型の電解コンデンサを得た。得られたコンデンサについて、120Hz及び10kHzの条件下で容量を測定した。
実施例2において得られた陽極と比較例1において得られた陰極とを用いて、実施例2と同様の手順で電解コンデンサを作成し、120Hz及び10kHzの条件下で容量を測定した。
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、40℃に加熱した。この液に、0.030MのEDOTと0.08Mのブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムとを添加して撹拌し、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムによりEDOTを水に可溶化させた電解重合用重合液を得た。実施例1において得られた導電性基体(作用極)と、10cm2の面積を有するSUSメッシュの対極とを、得られた電解重合用重合液に導入し、100μA/cm2の条件で定電流電解重合を10分間行った。重合後の作用極を水で洗浄した後、100℃で30分間乾燥し、炭化チタン蒸着膜上のPEDOT層の厚みが350nmである陰極を得た。この陰極のPEDOT層の表面にカーボンペースト及び銀ペーストを介して銅箔を固定し、銅箔とアルミニウム箔との間について交流インピーダンス測定を行ったところ、導電性基体とPEDOT層との接触抵抗は5.9×10-2Ωcm2であった。得られた陰極と実施例2において得られた陽極とを用いて、実施例2と同様の手順で電解コンデンサを作成し、120Hz及び10kHzの条件下で容量を測定した。
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、40℃に加熱した。この液に、0.030MのEDOTと0.07Mのボロジサリチル酸アンモニウムと0.01Mのブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムとを添加して撹拌し、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムによりEDOTを水に可溶化させた電解重合用重合液を得た。実施例1において得られた導電性基体(作用極)と、10cm2の面積を有するSUSメッシュの対極とを、得られた電解重合用重合液に導入し、100μA/cm2の条件で定電流電解重合を10分間行った。重合後の作用極を水で洗浄した後、100℃で30分間乾燥し、炭化チタン蒸着膜上のPEDOT層の厚みが350nmである陰極を得た。この陰極のPEDOT層の表面にカーボンペースト及び銀ペーストを介して銅箔を固定し、銅箔とアルミニウム箔との間について交流インピーダンス測定を行ったところ、導電性基体とPEDOT層との接触抵抗は4.3×10-2Ωcm2であった。得られた陰極と実施例2において得られた陽極とを用いて、実施例2と同様の手順で電解コンデンサを作成し、120Hz及び10kHzの条件下で容量を測定した。
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、40℃に加熱した。この液に、0.030MのEDOTと0.01Mのボロジサリチル酸アンモニウムと0.07Mのブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムとを添加して撹拌し、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムによりEDOTを水に可溶化させた電解重合用重合液を得た。実施例1において得られた導電性基体(作用極)と、10cm2の面積を有するSUSメッシュの対極とを、得られた電解重合用重合液に導入し、100μA/cm2の条件で定電流電解重合を10分間行った。重合後の作用極を水で洗浄した後、100℃で30分間乾燥し、炭化チタン蒸着膜上のPEDOT層の厚みが350nmである陰極を得た。この陰極のPEDOT層の表面にカーボンペースト及び銀ペーストを介して銅箔を固定し、銅箔とアルミニウム箔との間について交流インピーダンス測定を行ったところ、導電性基体とPEDOT層との接触抵抗は5.0×10-2Ωcm2であった。得られた陰極と実施例2において得られた陽極とを用いて、実施例2と同様の手順で電解コンデンサを作成し、120Hz及び10kHzの条件下で容量を測定した。
実施例5
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、40℃に加熱した。この液に、0.030MのEDOTと0.04Mのボロジサリチル酸アンモニウムと0.04Mの陰イオン界面活性剤としてのドデシル硫酸ナトリウムとを添加して撹拌し、この陰イオン界面活性剤によりEDOTを水に可溶化させた電解重合用重合液を得た。実施例1において得られた導電性基体(作用極)と、10cm2の面積を有するSUSメッシュの対極とを、得られた電解重合用重合液に導入し、100μA/cm2の条件で定電流電解重合を10分間行った。重合後の作用極を水で洗浄した後、100℃で30分間乾燥し、炭化チタン蒸着膜上のPEDOT層の厚みが350nmである陰極を得た。この陰極のPEDOT層の表面にカーボンペースト及び銀ペーストを介して銅箔を固定し、銅箔とアルミニウム箔との間について交流インピーダンス測定を行ったところ、導電性基体とPEDOT層との接触抵抗は5.6×10-2Ωcm2であった。得られた陰極と実施例2において得られた陽極とを用いて、実施例2と同様の手順で電解コンデンサを作成し、120Hz及び10kHzの条件下で容量を測定した。
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、40℃に加熱した。この液に、0.030MのEDOTと0.04Mのボロジサリチル酸アンモニウムと0.04Mの陰イオン界面活性剤としてのポリスチレンスルホン酸ナトリウムとを添加して撹拌し、この陰イオン界面活性剤によりEDOTを水に可溶化させた電解重合用重合液を得た。実施例1において得られた導電性基体(作用極)と、10cm2の面積を有するSUSメッシュの対極とを、得られた電解重合用重合液に導入し、100μA/cm2の条件で定電流電解重合を10分間行った。重合後の作用極を水で洗浄した後、100℃で30分間乾燥し、炭化チタン蒸着膜上のPEDOT層の厚みが350nmである陰極を得た。この陰極のPEDOT層の表面にカーボンペースト及び銀ペーストを介して銅箔を固定し、銅箔とアルミニウム箔との間について交流インピーダンス測定を行ったところ、導電性基体とPEDOT層との接触抵抗は6.8×10-2Ωcm2であった。得られた陰極と実施例2において得られた陽極とを用いて、実施例2と同様の手順で電解コンデンサを作成し、120Hz及び10kHzの条件下で容量を測定した。
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、40℃に加熱した。この液に、0.030MのEDOTと0.04Mのボロジサリチル酸アンモニウムと0.04Mの陰イオン界面活性剤としてのブチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩とを添加して撹拌し、この陰イオン界面活性剤によりEDOTを水に可溶化させた電解重合用重合液を得た。実施例1において得られた導電性基体(作用極)と、10cm2の面積を有するSUSメッシュの対極とを、得られた電解重合用重合液に導入し、100μA/cm2の条件で定電流電解重合を10分間行った。重合後の作用極を水で洗浄した後、100℃で30分間乾燥し、炭化チタン蒸着膜上のPEDOT層の厚みが350nmである陰極を得た。この陰極のPEDOT層の表面にカーボンペースト及び銀ペーストを介して銅箔を固定し、銅箔とアルミニウム箔との間について交流インピーダンス測定を行ったところ、導電性基体とPEDOT層との接触抵抗は4.4×10-2Ωcm2であった。得られた陰極と実施例2において得られた陽極とを用いて、実施例2と同様の手順で電解コンデンサを作成し、120Hz及び10kHzの条件下で容量を測定した。
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、40℃に加熱した。この液に、0.030MのEDOTと0.04Mのボロジサリチル酸アンモニウムと0.04Mの陰イオン界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとを添加して撹拌し、この陰イオン界面活性剤によりEDOTを水に可溶化させた電解重合用重合液を得た。実施例1において得られた導電性基体(作用極)と、10cm2の面積を有するSUSメッシュの対極とを、得られた電解重合用重合液に導入し、100μA/cm2の条件で定電流電解重合を10分間行った。重合後の作用極を水で洗浄した後、100℃で30分間乾燥し、炭化チタン蒸着膜上のPEDOT層の厚みが350nmである陰極を得た。この陰極のPEDOT層の表面にカーボンペースト及び銀ペーストを介して銅箔を固定し、銅箔とアルミニウム箔との間について交流インピーダンス測定を行ったところ、導電性基体とPEDOT層との接触抵抗は7.1×10-2Ωcm2であった。得られた陰極と実施例2において得られた陽極とを用いて、実施例2と同様の手順で電解コンデンサを作成し、120Hz及び10kHzの条件下で容量を測定した。
Claims (9)
- 導電性基体と、該導電性基体の表面に設けられた導電性高分子層とを有する陰極と、
弁金属からなる基体と、該基体の表面に設けられた前記弁金属の酸化物からなる誘電体層とを有し、該誘電体層と前記陰極の導電性高分子層とが空間を開けて対向するように配置されている陽極と、
前記空間に充填されているイオン伝導性電解質と、
を備え、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することにより、前記陰極の導電性基体から導電性高分子層に電子が供給されて、前記イオン伝導性電解質と接触している導電性高分子層がレドックス容量を発現する電解コンデンサにおける前記導電性高分子層を製造するための電解重合用重合液であって、
100~80質量%の水と0~20質量%の有機溶媒とからなる溶媒と、
ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩からなる群から選択された少なくとも一種の支持電解質と、
少なくとも一種の陰イオン界面活性剤と、
該界面活性剤により前記溶媒に可溶化或いは乳化させた、π-共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーと、
を含むことを特徴とする電解重合用重合液。 - 前記陰イオン界面活性剤が、スルホン酸型界面活性剤及び硫酸エステル型界面活性剤からなる群から選択されている、請求項1に記載の電解重合用重合液。
- 前記モノマーが3,4-エチレンジオキシチオフェンである、請求項1又は2に記載の電解重合用重合液。
- 前記溶媒が水のみから成る、請求項1~3のいずれか1項に記載の電解重合用重合液。
- 導電性基体と、該導電性基体の表面に設けられた導電性高分子層とを有する陰極と、
弁金属からなる基体と、該基体の表面に設けられた前記弁金属の酸化物からなる誘電体層とを有し、該誘電体層と前記陰極の導電性高分子層とが空間を開けて対向するように配置されている陽極と、
前記空間に充填されているイオン伝導性電解質と、
を備え、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することにより、前記陰極の導電性基体から導電性高分子層に電子が供給されて、前記イオン伝導性電解質と接触している導電性高分子層がレドックス容量を発現する電解コンデンサにおける陰極の製造方法であって、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電解重合用重合液に導電性基体を導入して電解重合を行うことにより、前記導電性基体の表面に導電性高分子層を形成することを特徴とする陰極の製造方法。 - 前記導電性基体が、酸化アルミニウム皮膜を備えたアルミニウム箔と、前記酸化アルミニウム皮膜の表面に設けられた無機導電性材料を含む無機導電層と、を含み、
前記無機導電層と前記アルミニウム箔とが導通しており、
前記導電性高分子層が、前記無機導電層の表面に設けられている、請求項5に記載の陰極の製造方法。 - 前記無機導電性材料が、カーボン、チタン、窒化チタン、炭化チタン及びニッケルから成る群から選択された少なくとも1種の材料である、請求項6に記載の陰極の製造方法。
- 前記導電性基体と前記導電性高分子層との接触抵抗が1Ωcm2以下である、請求項5~7のいずれか1項に記載の陰極の製造方法。
- 導電性基体と、該導電性基体の表面に設けられた導電性高分子層とを有する陰極と、
弁金属からなる基体と、該基体の表面に設けられた前記弁金属の酸化物からなる誘電体層とを有し、該誘電体層と前記陰極の導電性高分子層とが空間を開けて対向するように配置されている陽極と、
前記空間に充填されているイオン伝導性電解質と、
を備え、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することにより、前記陰極の導電性基体から導電性高分子層に電子が供給されて、前記イオン伝導性電解質と接触している導電性高分子層がレドックス容量を発現する電解コンデンサの製造方法であって、
請求項5~8のいずれか1項に記載の陰極の製造方法により、前記電解コンデンサのための陰極を得る、陰極形成工程、
弁金属からなる基体の表面を酸化して前記弁金属の酸化物からなる誘電体層を形成し、前記電解コンデンサのための陽極を得る、陽極形成工程、及び
前記陰極の導電性高分子層と前記陽極の誘電体層とを空間を開けて対向させ、前記空間にイオン伝導性電解質を充填する、電解質充填工程
を含むことを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
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