JP2017085092A - アルミニウム電解コンデンサ用電解液 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い比電導度を有し、かつ火花電圧が高く、電解コンデンサの製造時の泡立ちが少ないアルミ電解コンデンサ用のために好適な電解液を提供することを目的とする。【解決手段】 水もしくはアルコールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドによるアルキレンオキシド付加物(A)と、鉱物油(B)と、無機粒子(C)と、電解質(D)と溶媒(E)とを含有し、鉱物油(B)と前記アルキレンオキシド付加物(A)との重量比(B)/(A)が0.005〜0.3であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液を用いる。【選択図】 なし
Description
本発明はアルミニウム電解コンデンサ用電解液および、それを用いたアルミニウム電解コンデンサに関する。
従来より、アルミニウム電解コンデンサに代表される電解コンデンサは、(1)誘電体が設けられている陽極と、(2)集電用の陰極と陽極、陰極との間に配置された電解液を保持したセパレータとが密封ケース内に収納された構造を有しており、巻回型、積層型の形状のものが広く知られている。
ここで、用いられる電解液には、耐電圧を高める目的で、電解液中にポリエチレングリコールを添加したものが提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、ポリエチレングリコールは、低温で固化し易く、電解コンデンサの使用できる温度領域が狭く、寒冷地では使用できない。
しかし、ポリエチレングリコールは、低温で固化し易く、電解コンデンサの使用できる温度領域が狭く、寒冷地では使用できない。
また、同様の目的で、電解液中にアルキレンオキシド付加物を添加したものが提案されている(例えば、特許文献2および3)。
しかし、コンデンサの製造時における電解液の製造および充填工程中の泡立ちが問題となっている。
しかし、コンデンサの製造時における電解液の製造および充填工程中の泡立ちが問題となっている。
本発明は、高い比電導度を有し、かつ火花電圧が高く、電解コンデンサの製造時の泡立ちが少ないアルミ電解コンデンサ用のために好適な電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、水もしくはアルコールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドによるアルキレンオキシド付加物(A)と、鉱物油(B)と、無機粒子(C)と、電解質(D)と溶媒(E)とを含有し、鉱物油(B)と前記アルキレンオキシド付加物(A)との重量比(B)/(A)が0.005〜0.3であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液;およびこのアルミニウム電解コンデンサ用電解液を用いたアルミ電解コンデンサである。
すなわち、本発明は、水もしくはアルコールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドによるアルキレンオキシド付加物(A)と、鉱物油(B)と、無機粒子(C)と、電解質(D)と溶媒(E)とを含有し、鉱物油(B)と前記アルキレンオキシド付加物(A)との重量比(B)/(A)が0.005〜0.3であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液;およびこのアルミニウム電解コンデンサ用電解液を用いたアルミ電解コンデンサである。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、高い比電導度を有し、かつ火花電圧が高く、電解コンデンサの製造工程時の泡立ちが少ないという効果を奏する。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、アルキレンオキシド付加物(A)と、鉱物油(B)と、無機粒子(C)と、電解質(D)と溶媒(E)とを含有する電解液であって、このアルキレンオキシド付加物(A)は水もしくはアルコールに、エチレンオキシド単独、プロピレンオキシド単独、エチレンオキシドとプロピレンオキシド併用して付加させて得られる付加物であり、重量比(B)/(A)は0.005〜0.3である。
本発明のアルキレンオキシド付加物(A)は水もしくはアルコールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドによるアルキレンオキシド付加物であり、具体的には、水もしくはアルコールに、エチレンオキシド単独、プロピレンオキシド単独、エチレンオキシドとプロピレンオキシド併用して付加させて得られる付加物である。
さらに、泡立ち抑制の観点から、アルキレンオキシドとして少なくともプロピレンオキシドを含むことが好ましいため、プロピレンオキシド単独またはエチレンオキシドとプロピレンオキシド併用した付加物が好ましく、また、水への付加物がさらに好ましい。
さらに、泡立ち抑制の観点から、アルキレンオキシドとして少なくともプロピレンオキシドを含むことが好ましいため、プロピレンオキシド単独またはエチレンオキシドとプロピレンオキシド併用した付加物が好ましく、また、水への付加物がさらに好ましい。
ここで用いられるアルコールとしては、1価のアルコール、2価以上のアルコールが挙げられる。
1価のアルコールとしては、炭素数1〜20のアルコールが挙げられ、直鎖アルコールでも分岐アルコールでもよい。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、2−メチルプロパノール、2−メチルブタノール、2−メチルペンタノール、2−メチルヘキサノール、2−プロピルペンタノール、2−メチルオクタノール、2−エチルオクタノール、2−メチルデカノール、2−ペンチルヘキサノール、2−メチルウンデカノール、2−ヘキシルヘキサノール、2−メチルドデカノール、1−メチルエタノール、1−メチルプロパノール、1−メチルブタノール、1−メチルペンタノール、1−メチルヘキサノール、1−メチルヘプタノール、1−メチルオクタノール、1−メチルノナノール、1−メチルデカノール等が挙げられる。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、2−メチルプロパノール、2−メチルブタノール、2−メチルペンタノール、2−メチルヘキサノール、2−プロピルペンタノール、2−メチルオクタノール、2−エチルオクタノール、2−メチルデカノール、2−ペンチルヘキサノール、2−メチルウンデカノール、2−ヘキシルヘキサノール、2−メチルドデカノール、1−メチルエタノール、1−メチルプロパノール、1−メチルブタノール、1−メチルペンタノール、1−メチルヘキサノール、1−メチルヘプタノール、1−メチルオクタノール、1−メチルノナノール、1−メチルデカノール等が挙げられる。
2価以上のアルコールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのグリコール類;グリセリンなどのトリオールなどが挙げられる。
これらのアルコールのうち、1価のアルコールが好ましい。
本発明のアルキレンオキシド付加物(A)としては、水にアルキレンオキシドを付加したポリオキシエチレングリコール(A1)、ポリオキシプロピレングリコール(A2)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(A3);アルコールにアルキレンオキシドを付加したポリオキシエチレン付加物(A4)、ポリオキシプロピレン付加物(A5)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加物(A6)が挙げられる。
これらのアルコールのうち、1価のアルコールが好ましい。
本発明のアルキレンオキシド付加物(A)としては、水にアルキレンオキシドを付加したポリオキシエチレングリコール(A1)、ポリオキシプロピレングリコール(A2)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(A3);アルコールにアルキレンオキシドを付加したポリオキシエチレン付加物(A4)、ポリオキシプロピレン付加物(A5)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加物(A6)が挙げられる。
水にアルキレンオキシドを付加したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(A3)、およびアルコールにアルキレンオキシドを付加したポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加物(A6)としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加方法がランダム付加およびブロック付加でもよい。
(A3)と(A6)のブロック付加においては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加する順序はどちらが先でどちらが後でもよい。
また、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、さらにエチレンオキシドの順序で付加するいわゆるプルロニックタイプでもよいし、逆にプロピレンオキシド、エチレンオキシド、さらにプロピレンオキシドの順序で付加するいわゆるリバース(逆)プルロニックタイプでもよい。
また、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、さらにエチレンオキシドの順序で付加するいわゆるプルロニックタイプでもよいし、逆にプロピレンオキシド、エチレンオキシド、さらにプロピレンオキシドの順序で付加するいわゆるリバース(逆)プルロニックタイプでもよい。
ポリオキシエチレングリコール(A1)の具体例としては、ポリオキシエチレングリコール10モル付加物、ポリオキシエチレングリコール20モル付加物、ポリオキシエチレングリコール30モル付加物、ポリオキシエチレングリコール50モル付加物、ポリオキシエチレングリコール100モル付加物などが挙げられる。
ポリオキシプロピレングリコールの具体例(A2)としては、ポリオキシプロピレングリコール10モル付加物、ポリオキシプロピレングリコール20モル付加物、ポリオキシプロピレングリコール30モル付加物、ポリオキシプロピレングリコール50モル付加物、ポリオキシプロピレングリコール100モル付加物などが挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(A3)の具体例としては、ポリオキシエチレン10モルポリオキシプロピレン10モル加物、ポリオキシエチレン30モルポリオキシプロピレン30モル付加物、ポリオキシエチレン30モルポリオキシプロピレン10モ付加物、ポリオキシエチレン10モルポリオキシプロピレン30モル付加物、ポリオキシエチレン30モルポリオキシプロピレン30モルポリオキシエチレン30モル付加物、ポリオキシプロピレン30モルポリオキシエチレン30モルポリオキシプロピレン30モル付加物等が挙げられる。
アルコールのポリオキシエチレン付加物(A4)の具体例としては、デシルアルコールのポリオキシエチレン10モル付加物、トリデシルアルコールのポリオキシエチレン10モル付加物、デシルアルコールのポリオキシエチレン20モル付加物、デシルアルコールのポリオキシエチレン30モル付加物、デシルアルコールのポリオキシエチレン50モル付加物、デシルアルコールのポリオキシエチレン100モル付加物等が挙げられる。
アルコールのポリオキシプロピレン付加物(A5)の具体例としては、デシルアルコールのポリオキシプロピレン10モル付加物、トリデシルアルコールのポリオキシプロピレン10モル付加物、デシルアルコールのポリオキシプロピレン20モル付加物、デシルアルコールのポリオキシプロピレン30モル付加物、デシルアルコールのポリオキシプロピレン50モル付加物、デシルアルコールのポリオキシプロピレン100モル付加物等が挙げられる。
アルコールのポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加物(A6)の具体例としては、デシルアルコールのポリオキシエチレン10モルポリオキシプロピレン10モル付加物、トリデシルアルコールのポリオキシエチレン10モルポリオキシプロピレン10モル付加物、デシルアルコールのポリオキシエチレン30モルポリオキシプロピレン30モル付加物、デシルアルコールのポリオキシエチレン30モルポリオキシプロピレン10モル付加物、デシルアルコールのポリオキシエチレン10モルポリオキシプロピレン30モル付加物、デシルアルコールのポリオキシプロピレン30モルポリオキシエチレン30モル付加物、デシルアルコールのポリオキシエチレン30モルポリオキシプロピレン30モルポリオキシエチレン30モル付加物、デシルアルコールのポリオキシプロピレン30モルポリオキシエチレン30モルポリオキシプロピレン30モル付加物等が挙げられる。
これらのうち好ましいのはプロピレンオキシドを付加させたアルキレンオキシド付加物であり、より好ましくは、ポリオキシプロピレングリコール(A2)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(A3)、ポリオキシプロピレン付加物(A5)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加物(A6)である。
アルキレンオキシド付加物(A)の含有量は、アルキレンオキシド付加物(A)、鉱物油(B)、無機粒子(C)、電解質(D)および溶媒(E)の合計重量に対して、耐電圧向上効果の観点から好ましくは0.05重量%以上であり、比電導度低下抑制の観点から好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは0.05〜10重量%である。
本発明の電解液を構成する鉱物油(B)としては、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製および水素化精製等を適宜組み合わせて精製した鉱物油を用いることができる。
市販の鉱物油として、コスモピュアスピンG、コスモピュアスピンE、コスモSP−10、コスモSP−32およびコスモSC22(以上、コスモ石油株式会社、「コスモ」および「ピュアスピン」は同社の登録商標である。)、MCオイル P−22、S−10S(以上、出光興産株式会社)、並びにスタノール40(エクソンモービルコーポレーション)等が挙げられる。
鉱物油(B)の含有量は、アルキレンオキシド付加物(A)、鉱物油(B)、無機粒子(C)、電解質(D)および溶媒(E)の合計重量に対して、泡立ち抑制の観点から好ましくは0.01重量%以上であり、電解液への均一分散性の観点から好ましくは0.5重量%以下であり、より好ましくは0.05〜0.5重量%である。
鉱物油(B)とアルキレンオキシド付加物(A)との重量比(B)/(A)は泡立ち抑制の観点から、0.005〜0.3であり、好ましくは0.015〜0.15である。
重量比が0.005未満では泡立ち抑制が不十分であり、0.3を超えると比電導度の低下となる。
重量比が0.005未満では泡立ち抑制が不十分であり、0.3を超えると比電導度の低下となる。
本発明の電解液を構成する無機粒子(C)としては、シリカ粒子、ジルコニア粒子、アルミナ粒子などが使用できる。火花電圧の観点から、シリカが好ましい。
さらに、シリカとしては、ポリシロキサンやアミド樹脂などで表面改質した疎水性シリカが好ましい。
さらに、シリカとしては、ポリシロキサンやアミド樹脂などで表面改質した疎水性シリカが好ましい。
無機粒子(C)の含有量は、アルキレンオキシド付加物(A)、鉱物油(B)、無機粒子(C)、電解質(D)および溶媒(E)の合計重量に対して、泡立ち抑制の観点から好ましくは0.001重量%以上であり、電解液への均一分散性の観点から好ましくは0.05重量%以下であり、より好ましくは0.001〜0.03重量%である。
本発明の電解液を構成する電解質(D)としては、カチオン(D1)とアニオン(D2)との塩からなる。
電解質(D)を形成するカチオン(D1)としては、第4級アンモニウムカチオン、第1〜3級アンモニウムカチオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムカチオンおよびそれらの混合物等が使用できる。また、各カチオンは1種または2種以上を併用してもよい。
電解質(D)を形成するカチオン(D1)としては、第4級アンモニウムカチオン、第1〜3級アンモニウムカチオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムカチオンおよびそれらの混合物等が使用できる。また、各カチオンは1種または2種以上を併用してもよい。
第4級アンモニウムカチオンとしては、アミジニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン等が含まれる。
アミジニウムカチオンとしては、イミダゾリニウムカチオンおよびイミダゾリウムカチオン等が含まれる。
イミダゾリニウムカチオンの具体例としては、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、および1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。
イミダゾリウムカチオンの具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、および1−エチル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム等が挙げられる。
テトラアルキルアンモニウムカチオンの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムおよびスピロ−(1,1’)−ビピペリジニウム等が挙げられる。
第1級アンモニウムの具体例としては、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、エチレンジアンモニウム、エチレンジアミンモノアンモニウム、1,2−ジアンモニウムプロパンおよび1,2−ジアミノプロパンモノアンモニウム等が挙げられる。
第2級アンモニウムの具体例としては、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウム、メチルプロピルアンモニウム、メチルイソプロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、メチルホルミルメチルアンモニウムおよびメチルホルミルエチルアンモニウム等が挙げられる。
第3級アンモニウムの具体例としては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム、ジメチルイソプロピルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、メチルエチルプロピルアンモニウム、メチルエチルイソプロピルアンモニウム、ジプロピルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、ジメチルホルミルメチルアンモニウム、ジメチルホルミルエチルアンモニウムおよびジエチルホルミルメチルアンモニウム等が挙げられる。
ホスホニウムカチオンの具体例としては、炭素数1〜4のアルキルを有するテトラアルキルホスホニウムカチオン{テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウムおよびトリエチルメチルホスホニウム等}が挙げられる。
上記カチオン(D)のうち、中高圧級電解コンデンサ用電解液として、好ましいものは、第3級アンモニウムカチオンおよびアンモニウムイオンである。
低圧級電解コンデンサ用電解液として、好ましいものは、イミダゾリニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、更に好ましくは1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンおよび1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオンである。
低圧級電解コンデンサ用電解液として、好ましいものは、イミダゾリニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、更に好ましくは1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンおよび1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオンである。
本発明において、電解質(D)を形成するアニオン(D2)を構成する酸としては、アルミニウム電解コンデンサ用電解液に用いられる種々の有機酸と無機酸を用いることができる。
有機酸としては、例えばカルボン酸、アルキルリン酸エステル、スルホン酸、三フッ化有機化合物などが挙げられる。なお、各アニオンは1種または2種以上を併用してもよい。
有機酸としては、例えばカルボン酸、アルキルリン酸エステル、スルホン酸、三フッ化有機化合物などが挙げられる。なお、各アニオンは1種または2種以上を併用してもよい。
カルボン酸としては例えば、炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸、炭素数2〜20のオキシカルボン酸、炭素数1〜30のモノカルボン酸などが挙げられる。
炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、1,6−デカンジカルボン酸等の脂肪族飽和ポリカルボン酸;マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の脂肪族不飽和ポリカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸;チオジプロピオン酸等の硫黄含有ポリカルボン酸等が挙げられる。
炭素数2〜20のオキシカルボン酸の具体例としては、グリコール酸、乳酸、酒酪酸、ひまし油脂肪酸等の脂肪族オキシカルボン酸;サリチル酸、マンデル酸等の芳香族オキシカルボン酸等が挙げられる。
炭素数1〜30のモノカルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪族飽和モノカルボン酸;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸等の脂肪族不飽和モノカルボン酸;安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸等の芳香族モノカルボン酸等が挙げられる。
アルキルリン酸エステルとしては、モノアルキルリン酸エステルおよびジアルキルリン酸エステルが含まれる 。
モノアルキルリン酸エステルの具体例としては、モノメチルリン酸エステル、モノエチルリン酸エステル、モノプロピルリン酸エステル[モノ(n−プロピル)リン酸エステル、モノ(イソプロピル)リン酸エステル]、モノブチルリン酸エステル[モノ(n−ブチル)リン酸エステル、モノ(イソブチル)リン酸エステル、およびモノ(tert−ブチル)リン酸エステル]、モノペンチルリン酸エステル、モノヘキシルリン酸エステル、モノへプチルリン酸エステル、モノオクチルリン酸エステル[モノ(2−エチルヘキシル)リン酸エステル等]等が挙げられる。
ジアルキルリン酸エステルの具体例としては、ジメチルリン酸エステル、ジエチルリン酸エステル、ジプロピルリン酸エステル[ジ(n−プロピル)リン酸エステル、ジ(イソプロピル)リン酸エステル]、ジブチルリン酸エステル[ジ(n−ブチル)リン酸エステル、ジ(イソブチル)リン酸エステル、およびジ(tert−ブチル)リン酸エステル]、ジペンチルリン酸エステル、ジヘキシルリン酸エステル、ジヘプチルリン酸エステル、ジオクチルリン酸エステル[ビス(2−エチルヘキシル)リン酸エステル等]等が挙げられる。
スルホン酸の具体例としては、アルキル(炭素数1〜15)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等)、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。
三フッ化有機化合物の具体例としては、三フッ化メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホニルイミド、三フッ化メタンスルホニルメチド等が挙げられる。
アニオン(D2)を構成する酸としての無機酸の具体例としては、リン酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化ヒ素酸等が挙げられる。
上記アニオン(D2)を構成する酸のうち、中高圧級電解コンデンサ用電解液として、好ましいものは、飽和ポリカルボン酸および芳香族モノカルボン酸、更に好ましいのは、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸および安息香酸である。低圧級電解コンデンサ用電解液として、好ましいものは、芳香族モノカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸、芳香族オキシカルボン酸、脂肪族不飽和ポリカルボン酸およびジアルキルリン酸エステル、更に好ましいのは、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、マレイン酸およびジエチルリン酸エステルである。
電解質(D)としては、取り扱いの観点から、電解質(D)の性状が25℃で液体であるか、電解質(D)に溶媒(E)を加えて得られる溶液が25℃で液体であることが好ましい。
電解質(D)の含有量は、比電導度と溶媒(E)への溶解度の観点から、電解質(D)および溶媒(E)の合計重量に基づいて、好ましくは2〜70重量%、更に好ましくは4〜40重量%である。
本発明において用いる溶媒(E)としては、電解質(D)を溶解する極性溶媒が好ましく、アルミニウム電解コンデンサ用電解液に用いられる種々の有機溶媒および水を用いることができる。
このような有機溶媒としては、例えばアルコール類、エーテル類、アミド類、オキサゾリジノン類、ラクトン類、ニトリル類、カーボネート類、スルホン類およびその他の有機溶剤等が挙げられる。また、溶媒は1種または2種以上を併用してもよい。
このような有機溶媒としては、例えばアルコール類、エーテル類、アミド類、オキサゾリジノン類、ラクトン類、ニトリル類、カーボネート類、スルホン類およびその他の有機溶剤等が挙げられる。また、溶媒は1種または2種以上を併用してもよい。
アルコール類の具体例としては、1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、モノエタノールアミン、フルフリルアルコールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエタノールアミンなど)、3価アルコール(グリセリン、トリエタノールアミンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)等が挙げられる。
エーテル類の具体例としては、モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン等)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等)、トリエーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等)等が挙げられる。
アミド類の具体例としては、アセトアミド(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等)、プロピオンアミド(N,N−ジメチルプロピオンアミド等)、ピロリドン(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等)、ヘキサメチルホスホリルアミド等が挙げられる。
オキサゾリジノン類の具体例としては、N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン等が挙げられる。
ラクトン類の具体例としては、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
ニトリル類の具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。
カーボネート類の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。
スルホン類の具体例としてはスルホラン、ジメチルスルホン等が挙げられる。
その他の有機溶剤の具体例としては、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、芳香族溶媒(トルエン、キシレン等)、パラフィン溶媒(ノルマルパラフィン、イソパラフィン等)等が挙げられる。
上記溶媒(E)のうち、炭素数1〜20のものが好ましく、炭素数1〜10のものがより好ましい。更に好ましくは、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールおよびジエチレングリコールである。
溶媒(E)の含有量は、比電導度の観点から、電解質(D)および溶媒(E)の合計重量に基づいて、好ましくは30〜98重量%、更に好ましくは60〜96重量%である。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、アルキレンオキシド付加物(A)、鉱物油(B)、無機粒子(C)、電解質(D)および溶媒(E)を含有するが、他の成分(F)を含有することもできる。他の成分(F)としてはアルミニウム電解コンデンサ用電解液に用いられる種々の添加剤を挙げることができる。該添加剤としては、ホウ酸誘導体(ホウ酸、ホウ酸と多糖類〔マンニット、ソルビット等〕との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール〔エチレングリコール、グリセリン等〕との錯化合物等)、ニトロ化合物(o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等)等を挙げることができる。その添加量は電解液の重量に基づいて、5重量%以下であることが好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例1
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1) [商品名;ニューポールPE−68(三洋化成工業株式会社製):ポリオキシエチレン160モルポリオキシプロピレン30モル] 3.0重量部と、鉱物油(B−1)[商品名;コスモピュアスピンG(コスモ石油株式会社製)]0.076重量部と、シリカ(C−1)[商品名;ニップシール G−300(東ソー・シリカ株式会社製)]0.006重量部を、エチレングリコール(E−1)86.9重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、実施例1の電解液を得た。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1) [商品名;ニューポールPE−68(三洋化成工業株式会社製):ポリオキシエチレン160モルポリオキシプロピレン30モル] 3.0重量部と、鉱物油(B−1)[商品名;コスモピュアスピンG(コスモ石油株式会社製)]0.076重量部と、シリカ(C−1)[商品名;ニップシール G−300(東ソー・シリカ株式会社製)]0.006重量部を、エチレングリコール(E−1)86.9重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、実施例1の電解液を得た。
実施例2
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1)3.0重量部と、鉱物油(B−1)0.38重量部と、シリカ(C−1)0.03重量部を、エチレングリコール(E−1)86.6重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、実施例2の電解液を得た。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1)3.0重量部と、鉱物油(B−1)0.38重量部と、シリカ(C−1)0.03重量部を、エチレングリコール(E−1)86.6重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、実施例2の電解液を得た。
実施例3
ポリオキシプロピレングリコール(A−2) [商品名;ニューポールPP−200(三洋化成工業株式会社製):分子量約200] 3.0重量部と、鉱物油(B−1)0.05重量部と、シリカ(C−1)0.004重量部を、エチレングリコール(E−1)86.9重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、トリメチルアミン(D1−2)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、実施例3の電解液を得た。
ポリオキシプロピレングリコール(A−2) [商品名;ニューポールPP−200(三洋化成工業株式会社製):分子量約200] 3.0重量部と、鉱物油(B−1)0.05重量部と、シリカ(C−1)0.004重量部を、エチレングリコール(E−1)86.9重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、トリメチルアミン(D1−2)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、実施例3の電解液を得た。
比較例1
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1)3.0重量部と、シリカ(C−1)0.006重量部を、エチレングリコール(E−1)87.0重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例1の電解液を得た。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1)3.0重量部と、シリカ(C−1)0.006重量部を、エチレングリコール(E−1)87.0重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例1の電解液を得た。
比較例2
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1)3.0重量部と、鉱物油(B−1)0.076重量部を、エチレングリコール(E−1)86.9重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例2の電解液を得た。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1)3.0重量部と、鉱物油(B−1)0.076重量部を、エチレングリコール(E−1)86.9重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例2の電解液を得た。
比較例3
鉱物油(B−1)0.076重量部と、シリカ(C−1)0.006重量部を、エチレングリコール(E−1)89.9重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例3の電解液を得た。
鉱物油(B−1)0.076重量部と、シリカ(C−1)0.006重量部を、エチレングリコール(E−1)89.9重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例3の電解液を得た。
比較例4
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1)3.0重量部と、鉱物油(B−1)0.006重量部と、シリカ(C−1)0.006重量部を、エチレングリコール(E−1)87.0重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例4の電解液を得た。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1)3.0重量部と、鉱物油(B−1)0.006重量部と、シリカ(C−1)0.006重量部を、エチレングリコール(E−1)87.0重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例4の電解液を得た。
比較例5
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1)3.0重量部と、鉱物油(B−1)1.5重量部と、シリカ(C−1)0.03重量部を、エチレングリコール(E−1)85.5重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例5の電解液を得た。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(A−1)3.0重量部と、鉱物油(B−1)1.5重量部と、シリカ(C−1)0.03重量部を、エチレングリコール(E−1)85.5重量部に添加した。さらに1,6−デカンジカルボン酸(D2−1)9.0重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.0重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例5の電解液を得た。
比較例6
ポリオキシエチレン付加物[2−トリデシルアルコールEO8モル付加物](A−3)3.0重量部を、エチレングリコール(E−1)87.0重量部に添加した。さらにアゼライン酸(D2−2)8.5重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.5重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例6の電解液を得た。
ポリオキシエチレン付加物[2−トリデシルアルコールEO8モル付加物](A−3)3.0重量部を、エチレングリコール(E−1)87.0重量部に添加した。さらにアゼライン酸(D2−2)8.5重量部を溶解させた後、アンモニアガス(D1−1)を1.5重量部吹き込み中和しながら溶解させ、比較例6の電解液を得た。
実施例1〜3、および比較例1〜6で得た電解液について、(1)火花電圧、(2)比電導度、(3)泡の高さを以下の方法で測定した。その結果を表1に示す。
<火花電圧>
陽極に10cm2の高圧用化成エッチングアルミニウム箔(30CB、JCC製)、陰極に10cm2の化成アルミニウム箔(110HD8−665Vf、JCC製)を用い、25℃において、定電流法(2mA)を負荷したときの電解液の火花電圧(V)を測定した。
なお、この測定条件では、一般には500V以上が好ましい。
陽極に10cm2の高圧用化成エッチングアルミニウム箔(30CB、JCC製)、陰極に10cm2の化成アルミニウム箔(110HD8−665Vf、JCC製)を用い、25℃において、定電流法(2mA)を負荷したときの電解液の火花電圧(V)を測定した。
なお、この測定条件では、一般には500V以上が好ましい。
<比電導度>
東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用い、30℃での電解液の比電導度(mS/cm)を測定した。
なお、この測定条件では、一般には1.5mS/cm以上が好ましい。
東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用い、30℃での電解液の比電導度(mS/cm)を測定した。
なお、この測定条件では、一般には1.5mS/cm以上が好ましい。
<抑泡性(泡の高さ)>
150mLのビーカーに電解液を深さが5mmになるように入れて、長さ4cmのマグネティックスターラーピースを用いて1500rpmで1分間攪拌し、攪拌を止めて3分間静置後の泡の高さ(mm)を測定した。
なお、この攪拌条件で5mmを超えると、製造現場では支障が生じる可能性が高い。
150mLのビーカーに電解液を深さが5mmになるように入れて、長さ4cmのマグネティックスターラーピースを用いて1500rpmで1分間攪拌し、攪拌を止めて3分間静置後の泡の高さ(mm)を測定した。
なお、この攪拌条件で5mmを超えると、製造現場では支障が生じる可能性が高い。
本発明の実施例1〜3の電解液は比電導度が高く、火花電圧も高く、泡立ちが少ない。
一方、鉱物油(B)を含まない比較例1の電解液と、無機粒子(C)を含まない比較例2の電解液と、鉱物油(B)も無機粒子(C)を含まない従来技術の範囲の比較例6の電解液とは、泡立ちが多く不良である。また、アルキレンオキシド付加物(A)を含まない比較例3の電解液は火花電圧が不良である。さらに、鉱物油(B)とアルキレンオキシド付加物(A)との重量比(B)/(A)が0.005未満である比較例4の電解液は、泡立ちが多く不良であり、鉱物油(B)とアルキレンオキシド付加物(A)との重量比(B)/(A)が0.3を超える比較例5の電解液は、比電導度が低く不良である。
一方、鉱物油(B)を含まない比較例1の電解液と、無機粒子(C)を含まない比較例2の電解液と、鉱物油(B)も無機粒子(C)を含まない従来技術の範囲の比較例6の電解液とは、泡立ちが多く不良である。また、アルキレンオキシド付加物(A)を含まない比較例3の電解液は火花電圧が不良である。さらに、鉱物油(B)とアルキレンオキシド付加物(A)との重量比(B)/(A)が0.005未満である比較例4の電解液は、泡立ちが多く不良であり、鉱物油(B)とアルキレンオキシド付加物(A)との重量比(B)/(A)が0.3を超える比較例5の電解液は、比電導度が低く不良である。
本発明の電解液を使用することで、高い比電導度を有し、かつ火花電圧が高く、電解コンデンサの製造時の泡立ちの少ないアルミニウム電解コンデンサを実現できる。本発明の電解液は、車載電装用電源用やデジタル家電用のアルミニウム電解コンデンサに特に有用である。
Claims (7)
- 水もしくはアルコールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドによるアルキレンオキシド付加物(A)と、鉱物油(B)と、無機粒子(C)と、電解質(D)と溶媒(E)とを含有し、鉱物油(B)と前記アルキレンオキシド付加物(A)との重量比(B)/(A)が0.005〜0.3であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- 無機粒子(C)がシリカである請求項1に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- アルキレンオキシド付加物(A)のアルキレンオキシドが少なくともプロピレンオキシドを含む請求項1または2に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- 無機粒子(C)の含有量が、(A)〜(E)の合計重量に基づいて0.001〜0.05重量%である請求項1〜3いずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- 鉱物油(B)の含有量が、(A)〜(E)の合計重量に基づいて0.01〜0.5重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- アルキレンオキシド付加物(A)の含有量が、(A)〜(E)の合計重量に基づいて0.05〜20重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液を用いたアルミ電解コンデンサ。
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