JPH05117330A - スチレン−アクリル系樹脂およびその製法 - Google Patents
スチレン−アクリル系樹脂およびその製法Info
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- JPH05117330A JPH05117330A JP3308512A JP30851291A JPH05117330A JP H05117330 A JPH05117330 A JP H05117330A JP 3308512 A JP3308512 A JP 3308512A JP 30851291 A JP30851291 A JP 30851291A JP H05117330 A JPH05117330 A JP H05117330A
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- meth
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 スチレンとアクリロニトリルとを用いて溶液
重合し、アクリロニトリル単位の含有量が3〜20重量
%のスチレン−アクリル系樹脂を製造する際、重合系内
に残存するスチレンとアクリロニトリルとの重量比が目
的とする共重合組成比になるように制御しながら重合す
ることにより、光線透過率が85%以上の樹脂を得る。 【効果】 この方法により、アクリロニトリル含量が低
いにもかかわらず光透過性の高いスチレン−アクリル系
樹脂が得られるようになった。
重合し、アクリロニトリル単位の含有量が3〜20重量
%のスチレン−アクリル系樹脂を製造する際、重合系内
に残存するスチレンとアクリロニトリルとの重量比が目
的とする共重合組成比になるように制御しながら重合す
ることにより、光線透過率が85%以上の樹脂を得る。 【効果】 この方法により、アクリロニトリル含量が低
いにもかかわらず光透過性の高いスチレン−アクリル系
樹脂が得られるようになった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光線透過率が高いスチ
レン−アクリル系樹脂およびその製法に関する。更に詳
しくは、スチレン類と(メタ)アクリロニトリルとの共
重合体であり、(メタ)アクリロニトリル含量が低いに
もかかわらず光線透過率が高いスチレン−アクリル系樹
脂およびその製法に関する。
レン−アクリル系樹脂およびその製法に関する。更に詳
しくは、スチレン類と(メタ)アクリロニトリルとの共
重合体であり、(メタ)アクリロニトリル含量が低いに
もかかわらず光線透過率が高いスチレン−アクリル系樹
脂およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン類と(メタ)アクリロニトリル
との共重合により得られるスチレン−アクリル系樹脂
は、光透過性を有することから、透明なプラスチック成
形品などに用いられている。但し、スチレン/アクリロ
ニトリル共重合体でいえば、重量比で75/25がアゼ
オトロピック組成である。このことから、従来の技術で
は(メタ)アクリロニトリル含量が少なく、且つ、光線
透過率が高いスチレン−アクリル系樹脂を収率よく製造
することが困難なため、高い光線透過率が必要な場合
は、(メタ)アクリロニトリル含量を通常25〜35重
量%としていた。
との共重合により得られるスチレン−アクリル系樹脂
は、光透過性を有することから、透明なプラスチック成
形品などに用いられている。但し、スチレン/アクリロ
ニトリル共重合体でいえば、重量比で75/25がアゼ
オトロピック組成である。このことから、従来の技術で
は(メタ)アクリロニトリル含量が少なく、且つ、光線
透過率が高いスチレン−アクリル系樹脂を収率よく製造
することが困難なため、高い光線透過率が必要な場合
は、(メタ)アクリロニトリル含量を通常25〜35重
量%としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年光透過性
樹脂に対し多様化の要求が増加してきており、光透過性
樹脂はその使用目的に応じて相異なる様々な性能や物性
の向上を追求させる必要がある。光透過性樹脂として
は、スチレン−アクリル系樹脂の他にもポリカーボネー
ト樹脂、SMA樹脂、MS樹脂等があるが、これら光透
過性樹脂同士の複合化あるいは樹脂の改質により種々の
要求を満足させる検討が進められている。異種の樹脂を
複合化させる場合は相溶性および光線透過率を低下させ
ないことがポイントとなるため、複合化する光透過性樹
脂は光線透過率が高く、且つ相溶性を得るうえでの選択
の幅が広いほど望ましい。本発明は、このような背景の
もとでなされたものである。即ち本発明は、(メタ)ア
クリロニトリル含量が低いにもかかわらず光線透過率が
高いスチレン−アクリル系樹脂を新規に得ることを目的
とする。
樹脂に対し多様化の要求が増加してきており、光透過性
樹脂はその使用目的に応じて相異なる様々な性能や物性
の向上を追求させる必要がある。光透過性樹脂として
は、スチレン−アクリル系樹脂の他にもポリカーボネー
ト樹脂、SMA樹脂、MS樹脂等があるが、これら光透
過性樹脂同士の複合化あるいは樹脂の改質により種々の
要求を満足させる検討が進められている。異種の樹脂を
複合化させる場合は相溶性および光線透過率を低下させ
ないことがポイントとなるため、複合化する光透過性樹
脂は光線透過率が高く、且つ相溶性を得るうえでの選択
の幅が広いほど望ましい。本発明は、このような背景の
もとでなされたものである。即ち本発明は、(メタ)ア
クリロニトリル含量が低いにもかかわらず光線透過率が
高いスチレン−アクリル系樹脂を新規に得ることを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、重合系内に残存するモノ
マ−の構成割合を目的とする共重合組成比になるように
制御する重合法により、(メタ)アクリロニトリル含量
が低いにもかかわらず光線透過率が高いスチレン−アク
リル系樹脂が得られることを見いだし、本発明に到達し
た。
達成すべく鋭意検討した結果、重合系内に残存するモノ
マ−の構成割合を目的とする共重合組成比になるように
制御する重合法により、(メタ)アクリロニトリル含量
が低いにもかかわらず光線透過率が高いスチレン−アク
リル系樹脂が得られることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0005】すなわち本発明は、スチレン類(A)と
(メタ)アクリロニトリル(B)との共重合体であり、
(B)単位の含有量が3〜20重量%であり、且つ、光
線透過率が85%以上であることを特徴とするスチレン
−アクリル系樹脂;並びに、スチレン類(A)と(メ
タ)アクリロニトリル(B)とを用いて溶液重合し、
(B)単位の含有量が3〜20重量%のスチレン−アク
リル系樹脂を製造する方法において、重合系内に残存す
る(A)と(B)との重量比が目的とする共重合組成比
になるように制御しながら重合することにより、光線透
過率が85%以上の樹脂を得ることを特徴とするスチレ
ン−アクリル系樹脂の製法である。
(メタ)アクリロニトリル(B)との共重合体であり、
(B)単位の含有量が3〜20重量%であり、且つ、光
線透過率が85%以上であることを特徴とするスチレン
−アクリル系樹脂;並びに、スチレン類(A)と(メ
タ)アクリロニトリル(B)とを用いて溶液重合し、
(B)単位の含有量が3〜20重量%のスチレン−アク
リル系樹脂を製造する方法において、重合系内に残存す
る(A)と(B)との重量比が目的とする共重合組成比
になるように制御しながら重合することにより、光線透
過率が85%以上の樹脂を得ることを特徴とするスチレ
ン−アクリル系樹脂の製法である。
【0006】本発明において、スチレン類(A)として
は、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、アセトキシスチレン、ビニルト
ルエン等が挙げられる。また、(メタ)アクリロニトリ
ル(B)は、アクリロニトリルまたはメタアクリロニト
リルである。なお、(A)および(B)は、下記製法上
の都合により各々通常1種であるが、目的とする共重合
組成比になるように制御することが可能であれば、2種
以上用いてもよい。
は、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、アセトキシスチレン、ビニルト
ルエン等が挙げられる。また、(メタ)アクリロニトリ
ル(B)は、アクリロニトリルまたはメタアクリロニト
リルである。なお、(A)および(B)は、下記製法上
の都合により各々通常1種であるが、目的とする共重合
組成比になるように制御することが可能であれば、2種
以上用いてもよい。
【0007】本発明のスチレン−アクリル系樹脂中の
(B)単位の含有量は、通常3〜20重量%、好ましく
は3〜15重量%である。本発明のスチレン−アクリル
系樹脂の数平均分子量は、GPC測定よりポリスチレン
換算で通常800〜500,000、好ましくは1,0
00〜100,000である。
(B)単位の含有量は、通常3〜20重量%、好ましく
は3〜15重量%である。本発明のスチレン−アクリル
系樹脂の数平均分子量は、GPC測定よりポリスチレン
換算で通常800〜500,000、好ましくは1,0
00〜100,000である。
【0008】本発明のスチレン−アクリル系樹脂の光線
透過率は、通常85%以上、好ましくは90%以上であ
る。
透過率は、通常85%以上、好ましくは90%以上であ
る。
【0009】本発明のスチレン−アクリル系樹脂は、本
発明の製法により得ることが出来る。本発明の製法を更
に詳細に説明すると、スチレン類(A)と、(メタ)ア
クリロニトリル(B)とを用い、ラジカル開始剤の存在
下で溶液重合する。(A)、(B)各々は下記制御を行
う都合上、通常1種のモノマーを用いる。上記ラジカル
開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド
等が挙げられる。なお、これらのラジカル開始剤は通常
1種であるが、目的とする共重合組成比になるように制
御することが可能であれば、2種以上用いてもよい。ま
た、溶液重合用の溶媒としては、DMF、アセトニトリ
ル、EDC、クロロホルム、THF、四塩化炭素、DM
SO、ベンジルエーテル、N−メチルピロリドン、トル
エン、キシレン等の溶媒が挙げられる。これらのうち好
ましいものは、DMF、アセトニトリル、EDC、およ
びクロロホルムである。なお、これらの溶媒も、目的と
する共重合組成比になるように制御することが可能であ
れば、2種以上の混合溶媒として用いてもよい。この溶
液重合にあたり、重合系内に残存する、(A)と(B)
に対する(B)の重量比(B)/((A)+(B))の
値(X)が、製造しようとするスチレン−アクリル系樹
脂を構成する(B)の含有量(B)/((A)+
(B))の値に対して通常±2%、好ましくは±1%の
偏差の範囲となるように制御しながら重合する。(X)
は、重合系内の気相部分または液相部分からサンプリン
グして得られた試料のガスクロマトグラフィー分析によ
り求めることができる。また、(X)は、重合系内の気
相部分のガス成分をIR分析することにより求めてもよ
い。また、分子量は、モノマー((A)+(B))と開
始剤の重量比により調整することができる。なお、メル
カプトエタノール、ジエチルアミン、ジベンジルエーテ
ル等の連鎖移動剤を用いて分子量を調整してもよいが、
適用できる量は、スチレン−アクリル系樹脂の光透過性
を阻害しない量までである。重合反応終了後は、溶媒お
よび未反応モノマ−を系内より留去することにより本発
明のスチレン−アクリル系樹脂を製造することができ
る。
発明の製法により得ることが出来る。本発明の製法を更
に詳細に説明すると、スチレン類(A)と、(メタ)ア
クリロニトリル(B)とを用い、ラジカル開始剤の存在
下で溶液重合する。(A)、(B)各々は下記制御を行
う都合上、通常1種のモノマーを用いる。上記ラジカル
開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド
等が挙げられる。なお、これらのラジカル開始剤は通常
1種であるが、目的とする共重合組成比になるように制
御することが可能であれば、2種以上用いてもよい。ま
た、溶液重合用の溶媒としては、DMF、アセトニトリ
ル、EDC、クロロホルム、THF、四塩化炭素、DM
SO、ベンジルエーテル、N−メチルピロリドン、トル
エン、キシレン等の溶媒が挙げられる。これらのうち好
ましいものは、DMF、アセトニトリル、EDC、およ
びクロロホルムである。なお、これらの溶媒も、目的と
する共重合組成比になるように制御することが可能であ
れば、2種以上の混合溶媒として用いてもよい。この溶
液重合にあたり、重合系内に残存する、(A)と(B)
に対する(B)の重量比(B)/((A)+(B))の
値(X)が、製造しようとするスチレン−アクリル系樹
脂を構成する(B)の含有量(B)/((A)+
(B))の値に対して通常±2%、好ましくは±1%の
偏差の範囲となるように制御しながら重合する。(X)
は、重合系内の気相部分または液相部分からサンプリン
グして得られた試料のガスクロマトグラフィー分析によ
り求めることができる。また、(X)は、重合系内の気
相部分のガス成分をIR分析することにより求めてもよ
い。また、分子量は、モノマー((A)+(B))と開
始剤の重量比により調整することができる。なお、メル
カプトエタノール、ジエチルアミン、ジベンジルエーテ
ル等の連鎖移動剤を用いて分子量を調整してもよいが、
適用できる量は、スチレン−アクリル系樹脂の光透過性
を阻害しない量までである。重合反応終了後は、溶媒お
よび未反応モノマ−を系内より留去することにより本発
明のスチレン−アクリル系樹脂を製造することができ
る。
【0010】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて%は重量%を示す。
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて%は重量%を示す。
【0011】実施例1 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート3本、温度計および窒
素ガス吹き込み口を備えたフラスコにDMF80gを仕
込んだ。滴下ロート1にスチレン95g、滴下ロート2
にアクリロニトリル5gを仕込んだ。滴下ロート3には
アゾビスイソブチロニトリル0.4gとDMF20gを
仕込んだ。フラスコ内液温を80℃にし、窒素気流下、
液温を80℃に保ったまま、滴下ロート1、2より内容
物を重合系内に残存するスチレンとアクリロニトリルの
重量比が95:5になるように制御しながらそれぞれ滴
下し、滴下ロート3より内容物を5時間かけて滴下し
た。滴下ロート1の内容物を滴下するのに3時間、滴下
ロート2の内容物を滴下するのに5時間かかった。な
お、重合系内に残存するスチレンとアクリロニトリルの
重量比は、気相部分より10分ごとにサンプリングした
試料のガスクロマトグラフィー分析により求めた。全て
の内容物の滴下終了後、さらに1時間80℃を保持し
た。溶剤および未反応モノマーを溜去して97gの本発
明のスチレン−アクリロニトリル樹脂(以下AS樹脂−
Aと略記)を得た。この樹脂中のアクリロニトリル含量
は5.2%、数平均分子量は15,000であった。
素ガス吹き込み口を備えたフラスコにDMF80gを仕
込んだ。滴下ロート1にスチレン95g、滴下ロート2
にアクリロニトリル5gを仕込んだ。滴下ロート3には
アゾビスイソブチロニトリル0.4gとDMF20gを
仕込んだ。フラスコ内液温を80℃にし、窒素気流下、
液温を80℃に保ったまま、滴下ロート1、2より内容
物を重合系内に残存するスチレンとアクリロニトリルの
重量比が95:5になるように制御しながらそれぞれ滴
下し、滴下ロート3より内容物を5時間かけて滴下し
た。滴下ロート1の内容物を滴下するのに3時間、滴下
ロート2の内容物を滴下するのに5時間かかった。な
お、重合系内に残存するスチレンとアクリロニトリルの
重量比は、気相部分より10分ごとにサンプリングした
試料のガスクロマトグラフィー分析により求めた。全て
の内容物の滴下終了後、さらに1時間80℃を保持し
た。溶剤および未反応モノマーを溜去して97gの本発
明のスチレン−アクリロニトリル樹脂(以下AS樹脂−
Aと略記)を得た。この樹脂中のアクリロニトリル含量
は5.2%、数平均分子量は15,000であった。
【0012】実施例2 IRの検出器を備えた以外は実施例1と同じフラスコを
用意し、重合系内に残存するスチレンとアクリロニトリ
ルの重量比を、IRの検出器で連続的に測定(気相部分
のスチレンとアクリロニトリル濃度比)した以外は実施
例1と同じ操作をした。これより、98gの本発明のス
チレン−アクリロニトリル樹脂(以下AS樹脂−Bと略
記)を得た。この樹脂中のアクリロニトリル含量は5.
0%、数平均分子量は16,000であった。
用意し、重合系内に残存するスチレンとアクリロニトリ
ルの重量比を、IRの検出器で連続的に測定(気相部分
のスチレンとアクリロニトリル濃度比)した以外は実施
例1と同じ操作をした。これより、98gの本発明のス
チレン−アクリロニトリル樹脂(以下AS樹脂−Bと略
記)を得た。この樹脂中のアクリロニトリル含量は5.
0%、数平均分子量は16,000であった。
【0013】比較例1 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート2本、温度計および窒
素ガス吹き込み口を備えたフラスコにDMF80gを仕
込んだ。滴下ロート1にスチレン95g、アクリロニト
リル5gを仕込んだ。滴下ロート2にアゾビスイソブチ
ロニトリル0.4g、DMF20gを仕込んだ。フラス
コ内液温を80℃にし、窒素気流下、液温を80℃に保
ったまま、滴下ロート1より内容物を3時間、滴下ロー
ト2より内容物を3時間かけて滴下した。滴下終了後さ
らに3時間80℃を保持した。溶剤および未反応モノマ
ーを溜去して98gのスチレン−アクリロニトリル樹脂
(以下AS樹脂−Xと略記)を得た。この樹脂中のアク
リロニトリル含量は5.3%、数平均分子量は14,0
00であった。
素ガス吹き込み口を備えたフラスコにDMF80gを仕
込んだ。滴下ロート1にスチレン95g、アクリロニト
リル5gを仕込んだ。滴下ロート2にアゾビスイソブチ
ロニトリル0.4g、DMF20gを仕込んだ。フラス
コ内液温を80℃にし、窒素気流下、液温を80℃に保
ったまま、滴下ロート1より内容物を3時間、滴下ロー
ト2より内容物を3時間かけて滴下した。滴下終了後さ
らに3時間80℃を保持した。溶剤および未反応モノマ
ーを溜去して98gのスチレン−アクリロニトリル樹脂
(以下AS樹脂−Xと略記)を得た。この樹脂中のアク
リロニトリル含量は5.3%、数平均分子量は14,0
00であった。
【0014】比較例2 滴下ロート1および滴下ロート2より内容物を5時間か
けて滴下し、滴下終了後1時間80℃を保持した以外
は、比較例1と同様の操作を行なった。これより、94
gのスチレン−アクリロニトリル樹脂(以下AS樹脂−
Yと略記)を得た。この樹脂中のアクリロニトリル含量
は5.1%、数平均分子量は12,000であった。
けて滴下し、滴下終了後1時間80℃を保持した以外
は、比較例1と同様の操作を行なった。これより、94
gのスチレン−アクリロニトリル樹脂(以下AS樹脂−
Yと略記)を得た。この樹脂中のアクリロニトリル含量
は5.1%、数平均分子量は12,000であった。
【0015】実施例3 滴下ロート1にスチレン90g、滴下ロート2にアクリ
ロニトリル10gを仕込んだ以外は実施例1と同じ操作
をした。これより、95gの本発明のスチレン−アクリ
ロニトリル樹脂(以下AS樹脂−Cと略記)を得た。こ
の樹脂中のアクリロニトリル含量は10.3%、数平均
分子量は22,000であった。
ロニトリル10gを仕込んだ以外は実施例1と同じ操作
をした。これより、95gの本発明のスチレン−アクリ
ロニトリル樹脂(以下AS樹脂−Cと略記)を得た。こ
の樹脂中のアクリロニトリル含量は10.3%、数平均
分子量は22,000であった。
【0016】実施例4 フラスコにN−メチルピロリドン30gとトルエン50
gを仕込み、滴下ロート2にメタアクリロニトリルを仕
込んだ以外は実施例3と同じ操作をした。これより、9
8gの本発明のスチレン−アクリロニトリル樹脂(以下
AS樹脂−Dと略記)を得た。この樹脂中のアクリロニ
トリル含量は10.2%、数平均分子量は20,000
であった。
gを仕込み、滴下ロート2にメタアクリロニトリルを仕
込んだ以外は実施例3と同じ操作をした。これより、9
8gの本発明のスチレン−アクリロニトリル樹脂(以下
AS樹脂−Dと略記)を得た。この樹脂中のアクリロニ
トリル含量は10.2%、数平均分子量は20,000
であった。
【0017】比較例3 滴下ロート1にスチレン90g、アクリロニトリル10
gを仕込んだ以外は比較例1と同様の操作を行なった。
これより、99gのスチレン−アクリロニトリル樹脂
(以下AS樹脂−Zと略記)を得た。この樹脂中のアク
リロニトリル含量は10.2%、数平均分子量は18,
000であった。
gを仕込んだ以外は比較例1と同様の操作を行なった。
これより、99gのスチレン−アクリロニトリル樹脂
(以下AS樹脂−Zと略記)を得た。この樹脂中のアク
リロニトリル含量は10.2%、数平均分子量は18,
000であった。
【0018】実施例5〜8 AS樹脂−A、AS樹脂−B、AS樹脂−C、AS樹脂
−Dをそれぞれ3mmの厚さに成形し、JIS K71
05の試験法に準じて、積分球型光線透過率測定装置を
用いて樹脂の光線透過率を測定した。その評価結果を表
1に示す。
−Dをそれぞれ3mmの厚さに成形し、JIS K71
05の試験法に準じて、積分球型光線透過率測定装置を
用いて樹脂の光線透過率を測定した。その評価結果を表
1に示す。
【0019】比較例4〜6 AS樹脂−X、AS樹脂−Y、AS樹脂−Zをそれぞれ
3mmの厚さに成形し、JIS K7105の試験法に
準じて、積分球型光線透過率測定装置を用いて樹脂の光
線透過率を測定した。その評価結果を表1に示す。
3mmの厚さに成形し、JIS K7105の試験法に
準じて、積分球型光線透過率測定装置を用いて樹脂の光
線透過率を測定した。その評価結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明はスチレン類と(メタ)アクリロ
ニトリルとの共重合体であり、(メタ)アクリロニトリ
ル含量が低いにもかかわらず光透過性の高いスチレン−
アクリル系樹脂を新規に提供するものである。本発明の
スチレン−アクリル系樹脂は光透過性が高いため、眼鏡
レンズ、コンタクトレンズ、複写機およびファックスな
どの画像読み取り用レンズ、CD−ピックアップレン
ズ、光ファイバ光ディスク基板等の光学用材料として有
用である。また、本発明のスチレン−アクリル系樹脂
は、(メタ)アクリロニトリル含量を変化させることに
より、ポリカーボネート樹脂、SMA樹脂、MS樹脂
等、他の透明な樹脂と、その光透過性を損なうことなく
ブレンドすることができ、低複屈折率の光学用材料等、
新たな複合材料用の材料としても利用できる。
ニトリルとの共重合体であり、(メタ)アクリロニトリ
ル含量が低いにもかかわらず光透過性の高いスチレン−
アクリル系樹脂を新規に提供するものである。本発明の
スチレン−アクリル系樹脂は光透過性が高いため、眼鏡
レンズ、コンタクトレンズ、複写機およびファックスな
どの画像読み取り用レンズ、CD−ピックアップレン
ズ、光ファイバ光ディスク基板等の光学用材料として有
用である。また、本発明のスチレン−アクリル系樹脂
は、(メタ)アクリロニトリル含量を変化させることに
より、ポリカーボネート樹脂、SMA樹脂、MS樹脂
等、他の透明な樹脂と、その光透過性を損なうことなく
ブレンドすることができ、低複屈折率の光学用材料等、
新たな複合材料用の材料としても利用できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 スチレン類(A)と(メタ)アクリロニ
トリル(B)との共重合体であり、(B)単位の含有量
が3〜20重量%であり、且つ、光線透過率が85%以
上であることを特徴とするスチレン−アクリル系樹脂。 - 【請求項2】 スチレン類(A)と(メタ)アクリロニ
トリル(B)とを用いて溶液重合し、(B)単位の含有
量が3〜20重量%のスチレン−アクリル系樹脂を製造
する方法において、重合系内に残存する(A)と(B)
との重量比が目的とする共重合組成比になるように制御
しながら重合することにより、光線透過率が85%以上
の樹脂を得ることを特徴とするスチレン−アクリル系樹
脂の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3308512A JPH05117330A (ja) | 1991-10-28 | 1991-10-28 | スチレン−アクリル系樹脂およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3308512A JPH05117330A (ja) | 1991-10-28 | 1991-10-28 | スチレン−アクリル系樹脂およびその製法 |
Publications (1)
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JPH05117330A true JPH05117330A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=17981923
Family Applications (1)
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JP3308512A Pending JPH05117330A (ja) | 1991-10-28 | 1991-10-28 | スチレン−アクリル系樹脂およびその製法 |
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JP (1) | JPH05117330A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002099799A1 (fr) * | 2001-06-04 | 2002-12-12 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Substrat de disque optique |
WO2017138578A1 (ja) | 2016-02-08 | 2017-08-17 | 三洋化成工業株式会社 | 電解コンデンサ用電解液及び該電解液を用いた電解コンデンサ |
WO2018110593A1 (ja) | 2016-12-14 | 2018-06-21 | 三洋化成工業株式会社 | 電子写真用トナーバインダー及びトナー組成物 |
WO2019073731A1 (ja) | 2017-10-13 | 2019-04-18 | 三洋化成工業株式会社 | トナーバインダー及びトナー |
WO2019082904A1 (ja) | 2017-10-24 | 2019-05-02 | 三洋化成工業株式会社 | 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ |
WO2019225207A1 (ja) | 2018-05-22 | 2019-11-28 | 三洋化成工業株式会社 | トナーバインダー |
WO2022065222A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 | デンカ株式会社 | 樹脂組成物 |
-
1991
- 1991-10-28 JP JP3308512A patent/JPH05117330A/ja active Pending
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US11424078B2 (en) | 2017-10-24 | 2022-08-23 | Sanyo Chemical Industries, Ltd. | Electrolytic solution for electrolytic capacitor, and electrolytic capacitor |
WO2019225207A1 (ja) | 2018-05-22 | 2019-11-28 | 三洋化成工業株式会社 | トナーバインダー |
WO2022065222A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 | デンカ株式会社 | 樹脂組成物 |
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