JP2005005336A - 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents
電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】電導度並びに高温での火花電圧が高く、長寿命でもある駆動用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサを提供する。
【解決手段】電解コンデンサ駆動用電解液を、(a)エチレングリコールを主体とした溶媒と、(b)一般式(I)
【化1】
(式中、R1およびR2は同一または異なるアルキル基を示し、mは0〜14の整数を示す)
で示される化合物またはその塩、および、一般式(II)
【化2】
(式中、R3はアルキル基を示し、R4は水素、メチル基、またはエチル基を示し、nは0〜14の整数を示す)
で示される化合物またはその塩の内の、少なくとも一般式(I)の化合物またはその塩と、(c)多価アルコール類とを含んだものとする。これにより、電解コンデンサにおいて、長時間の高温における電導度低下を低減し、火花発生電圧を飛躍的に向上させ、高耐圧、高耐熱性、長寿命、高信頼性を確保できる。
【選択図】 なし
【解決手段】電解コンデンサ駆動用電解液を、(a)エチレングリコールを主体とした溶媒と、(b)一般式(I)
【化1】
(式中、R1およびR2は同一または異なるアルキル基を示し、mは0〜14の整数を示す)
で示される化合物またはその塩、および、一般式(II)
【化2】
(式中、R3はアルキル基を示し、R4は水素、メチル基、またはエチル基を示し、nは0〜14の整数を示す)
で示される化合物またはその塩の内の、少なくとも一般式(I)の化合物またはその塩と、(c)多価アルコール類とを含んだものとする。これにより、電解コンデンサにおいて、長時間の高温における電導度低下を低減し、火花発生電圧を飛躍的に向上させ、高耐圧、高耐熱性、長寿命、高信頼性を確保できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な電解コンデンサの構成を図1に示す。この電解コンデンサでは、アルミニウム箔をエッチング処理して実効表面積を拡大し、その表面に陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔1と、アルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔2とを、セパレータ3を介在させて巻回することにより、コンデンサ素子4を形成している。そしてこのコンデンサ素子4を、陽極箔1および陰極箔2にそれぞれ引出し用の陽極リード5、陰極リード6を接続し、駆動用電解液7を含浸させたうえで、アルミニウム製の金属ケース8内に挿入し、ケース開口部を封口体9で封止している。
【0003】
駆動用電解液7としては、エチレングリコールを溶媒とし、硼酸もしくは硼酸アンモニウムを溶質としたものが知られており、このエチレングリコール−硼酸系の駆動用電解液は、誘電体酸化皮膜に欠陥が生じた時にそれを修復する皮膜修復能力(以下、化成性と称す)が比較的良好であることから、高圧用として長期にわたって使用されてきた。
【0004】
しかしながら、硼酸もしくは硼酸アンモニウムを溶質として用いた駆動用電解液は、分子内に縮合水を有するため、その縮合水により、100℃以上の高温で使用する電解コンデンサには使用できなかった。この対策として、アゼライン酸、ブチルオクタン二酸、5,6−デカンジカルボン酸等の側鎖を有する二塩基酸など、二塩基酸やその塩を溶質とした非水系の駆動用電解液が提案されている。これらの有機カルボン酸やその塩は駆動用電解液中の水分を低減できるため、100℃以上の環境下でも水分による内圧上昇、それによる電解コンデンサの開弁を抑制できるとされている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公昭63−15738号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平03−209810号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、高調波対策回路、車両用に用いられる電解コンデンサには、電導度が高く、高温での火花電圧、長寿命に優れ、かつ電極の誘電体酸化皮膜が破壊しにくく、また誘電体酸化皮膜に欠陥が生じた時の化成性に優れ、高温での化学反応を抑制できることが要求されている。
【0008】
しかしながら、上述したような、側鎖を有する二塩基酸やその塩を駆動用電解液の溶質とした場合もなお、長時間使用するに従って、溶質の持つカルボキシル基がエチレングリコール等のアルコールとエステル化反応を起こしやすく、高温での電導度低下が大きくなり、電解コンデンサの著しい性能劣化を引き起こすという問題があった。また、側鎖を有する二塩基酸やその塩だけでは、高温における火花発生電圧が充分でないという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題を解決するもので、電導度並びに高温での火花電圧が高く、長寿命でもある駆動用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、(a)エチレングリコールを主体とした溶媒と、(b)一般式(I)
【0011】
【化3】
(式中、R1およびR2は同一または異なるアルキル基を示し、mは0〜14の整数を示す)
で示される化合物またはその塩、および、一般式(II)
【0012】
【化4】
(式中、R3はアルキル基を示し、R4は水素、メチル基、またはエチル基を示し、nは0〜14の整数を示す)
で示される化合物またはその塩の内の、少なくとも一般式(I)の化合物またはその塩と、(c)多価アルコール類とを含んだことを特徴とするもので、長時間の高温における電導度低下を低減し、火花発生電圧を飛躍的に向上させ、高耐圧、高耐熱性、長寿命を確保できる。
【0013】
一般式(I)の化合物は二塩基酸であり、2つのカルボキシル基のそれぞれのα位の炭素にアルキル基R1,R2を有している。一般式(II)の化合物は一塩基酸であり、カルボキシル基のα位の炭素にアルキル基R3を有している。これらアルキル基R1,R2,R3はそれぞれ、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。アルキル基R1,R2,R3はそれぞれ、炭素数1〜7の低級アルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。炭素数1〜4の直鎖アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)がさらに好ましい。R4は上記したように水素、メチル基、またはエチル基である。
【0014】
一般式(I)、一般式(II)におけるm,nは、それぞれ独立して0〜14の整数を示し、好ましくは1〜12、より好ましくは2〜10である。
これら一般式(I)、一般式(II)の化合物は、例えば、マロン酸ジエステルを塩基の存在下でハロゲン化アルキルと反応させ、さらに、ジハロゲン化アルカンと反応させた後、ケン化および酸分解反応、脱炭酸反応して得られるものが好ましい。
【0015】
一般式(I)の化合物またはその塩と、一般式(II)の化合物またはその塩とは、モル比で100:0〜55:45で含まれることが好ましく、より好ましくは90:10〜55:45、さらに好ましくは80:20〜55:45、特に好ましくは80:20〜75:25のモル比である。
【0016】
好適に使用できる一般式(I)の化合物、一般式(II)の化合物の具体例を以下の表1に示す。ただし、表中に示したA4〜A9の組合せに限定されるものではない。
【0017】
【表1】
エチレングリコールを主体とした溶媒としては、エチレングリコール単独、あるいは、エチレングリコールに対して、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、水、アミド類、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類、カーボネート類、ラクトン類、イミダゾリジノン類、ピロリドン類の内の1種あるいは2種以上を併用して、極性溶媒として用いることができる。エチレングリコールに対する割合は通常、5〜30wt%の範囲である。
【0018】
アミド類としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等がある。アルコール類としては、メタノール、エタノール等がある。エーテル類としては、メチラール、1,2−ジメトキシタエン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等がある。ニトリル類としては、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等がある。フラン類としては、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン等がある。スルホラン類としては、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等がある。カーボネート類としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、スチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、またはメチルエチルカーボネート等がある。ラクトン類には、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサジリジン−2−オン、3−エチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン等がある。イミダゾリジノン類としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等がある。ピロリドン類としては、ポリビニルピロリドン等がある。
【0019】
上記した極性溶媒の内、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、水、ラクトン類、アルコール類、カーボネート類、エーテル類、ニトリル類、およびフラン類が好ましい。
【0020】
一般式(I)の化合物の塩、一般式(II)の化合物の塩としては、アンモニウム塩またはアミン塩を好適に使用できる。それにより、高い電導度を得ることができ、またエチレングリコールとのエステル化反応を抑制して、高温での電導度低下を維持することができる。
【0021】
アンモニウム塩としては、通常のアンモニウム塩のほか、4級アンモニウム塩が挙げられ、その具体例としては、テトラメチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩、ジメチルジエチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩などが挙げられる。アミン塩としては、1級アミン塩、2級アミン塩、3級アミン塩が挙げられる。1級アミン塩の具体例としては、メチルアミン塩、エチルアミン塩、エチレンジアミン塩などが挙げられる。2級アミン塩の具体例としては、ジメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、メチルエチルアミン塩、メチルプロピルアミン塩などが挙げられる。3級アミン塩の具体例としては、トリメチルアミン塩、ジメチルエチルアミン塩、ジメチルプロピルアミン塩、ジエチルメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジエチルプロピルアミン塩などが挙げられる。
【0022】
多価アルコール類としては、マンニット、ソルビット、ズルシット、キシリット、ペンタエリトリットを好適に使用できるが、これら以外に、グリセリン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリオキシエチレン・オキシプロピレングリコールなどを使用できる。これらを単独で使用してもよいし、2種以上併用等してもよい。これら多価アルコール類は陽極酸化皮膜の表面に吸着して、酸化皮膜に欠陥部があっても覆ってしまうため、火花電圧をさらに上昇させることができる。
【0023】
上記した本発明の電解コンデンサ駆動用電解液には、従来から電解液の溶質に用いられている、例えばアゼライン酸等の二塩基酸などを、本発明電解液の特徴を失わせない程度に含有させてもよい。
【0024】
上記した本発明の電解コンデンサ駆動用電解液を用いることで、高耐圧、高耐熱、長寿命で安定した電解コンデンサを実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的な実施例を挙げて説明する。
(実施例1〜7)
エチレングリコールである有機溶媒に、上記した一般式(I)の化合物またはその塩、一般式(II)の化合物またはその塩、多価アルコール類を下記の表2に示す組成で混合して、実施例1〜7の電解コンデンサ駆動用電解液を作製した。また表2に示す組成で、比較例1〜5の電解コンデンサ駆動用電解液を作製した。表2においては、一般式(I)の化合物、一般式(II)の化合物(以下、塩を包含して意味する)を表1(前掲)中の化合物番号で示した。
【0026】
各実施例および各比較例の駆動用電解液について、アンプル中で110℃、1000時間、加熱する加熱試験を行なった。加熱試験前および加熱試験後に電導度、火花電圧を測定し、加熱試験前後の電導度変化率を算出した。電導度、火花電圧、電導度変化率の結果を表2に示す。電導度変化率(%)は初期値を100%としての増加あるいは低下を示す。
【0027】
【表2】
表2から明らかなように、実施例1〜7の駆動用電解液、すなわちα位炭素の両方にアルキル基を有する二塩基酸、同じくα位炭素にアルキル基を有する一塩基酸を含んだ駆動用電解液は、各比較例の駆動用電解液よりも電導度の低下が極めて小さい。
【0028】
これは、上記二塩基酸,一塩基酸のα位のアルキル基が、コンデンサ内部でのカルボキシル基の無水物化とエチレングリコールによるエステル化を極力抑制するとともに、アンモニアによるアミド化を防止するためと考えられる。また、上記一塩基酸を有することにより、火花電圧を向上させる機能を有する。
【0029】
これに対して、比較例1の駆動用電解液、すなわちα位の炭素にアルキル基を有していないスベリン酸アンモニウムを含んだ駆動用電解液は、1000時間の時点で電導度の低下が激しく、電気的安定性が極めて悪いことを示している。
【0030】
比較例2の駆動用電解液、すなわち1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムを含んだ駆動用電解液の電導度劣化は、本発明の実施例1〜7の駆動用電解液よりも激しかったが、比較例1の駆動用電解液の電導度劣化ほどではなかった。これは、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムが構造上一つのカルボキシル基のα位の炭素にブチル基を一つ有しているためと思われる。
【0031】
比較例4の駆動用電解液、すなわち5,6−デカンジカルボン酸アンモニウムを含む駆動用電解液の電導度劣化も大きかったが、これは、ビシナル位のジカルボキシル基が、容易に無水物化され、かつエチレングリコールによるエステル化が容易に進行するためと考えられる。この5,6−デカンジカルボン酸アンモニウムは、α位炭素の両方にブチル基を有しているのであるが、所望の電気特性が得られない。
【0032】
比較例1〜4の駆動用電解液は、多価アルコール類を添加したものであるが、実施例1〜7の駆動用電解液に比べると、火花発生電圧は低く、高温安定性と高耐圧の両立はできないものである。
【0033】
次に、表2に記載の実施例1〜7の駆動用電解液および比較例1〜5の駆動用電解液を用いて、先に図1により説明した構成の電解コンデンサを各20個用意し、105℃リップル負荷試験を実施した。各電解コンデンサの定格はいずれも450V18μFとした。結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
表3から明らかなように、実施例1〜7の駆動用電解液を用いた電解コンデンサは、エージング中のショート発生もなく、寿命試験を通じてショート・パンク等の不具合も生じず、寿命試験後の容量変化率、tanδ変化、漏れ電流(LC)、外観変化のどの特性においても変化が少なく、信頼性の高い電解コンデンサと言える。
【0035】
これに対して、比較例1の駆動用電解液を用いた電解コンデンサはエージング中に全数ショートし、比較例2〜5の駆動用電解液を用いた電解コンデンサは寿命試験中にショート・パンクが多発した。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エチレングリコールを主体とした溶媒に、一般式(I)の化合物またはその塩、一般式(II)の化合物またはその塩と、多価アルコール類とを溶解させて電解コンデンサ駆動用電解液とすることにより、この駆動用電解液を用いた電解コンデンサにおいて、長時間の高温における電導度低下を低減し、火花発生電圧を飛躍的に向上させることができ、高耐圧、高耐熱性、長寿命における安定性を確保できる。よって、その工業的な価値は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来より使用されている電解コンデンサの構成を示す一部切り欠き斜視図
【符号の説明】
1 陽極箔
2 陰極箔
3 セパレータ
4 コンデンサ素子
5 陽極リード
6 陰極リード
7 駆動用電解液
8 金属ケース
9 封口体
【発明の属する技術分野】
本発明は電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な電解コンデンサの構成を図1に示す。この電解コンデンサでは、アルミニウム箔をエッチング処理して実効表面積を拡大し、その表面に陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔1と、アルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔2とを、セパレータ3を介在させて巻回することにより、コンデンサ素子4を形成している。そしてこのコンデンサ素子4を、陽極箔1および陰極箔2にそれぞれ引出し用の陽極リード5、陰極リード6を接続し、駆動用電解液7を含浸させたうえで、アルミニウム製の金属ケース8内に挿入し、ケース開口部を封口体9で封止している。
【0003】
駆動用電解液7としては、エチレングリコールを溶媒とし、硼酸もしくは硼酸アンモニウムを溶質としたものが知られており、このエチレングリコール−硼酸系の駆動用電解液は、誘電体酸化皮膜に欠陥が生じた時にそれを修復する皮膜修復能力(以下、化成性と称す)が比較的良好であることから、高圧用として長期にわたって使用されてきた。
【0004】
しかしながら、硼酸もしくは硼酸アンモニウムを溶質として用いた駆動用電解液は、分子内に縮合水を有するため、その縮合水により、100℃以上の高温で使用する電解コンデンサには使用できなかった。この対策として、アゼライン酸、ブチルオクタン二酸、5,6−デカンジカルボン酸等の側鎖を有する二塩基酸など、二塩基酸やその塩を溶質とした非水系の駆動用電解液が提案されている。これらの有機カルボン酸やその塩は駆動用電解液中の水分を低減できるため、100℃以上の環境下でも水分による内圧上昇、それによる電解コンデンサの開弁を抑制できるとされている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公昭63−15738号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平03−209810号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、高調波対策回路、車両用に用いられる電解コンデンサには、電導度が高く、高温での火花電圧、長寿命に優れ、かつ電極の誘電体酸化皮膜が破壊しにくく、また誘電体酸化皮膜に欠陥が生じた時の化成性に優れ、高温での化学反応を抑制できることが要求されている。
【0008】
しかしながら、上述したような、側鎖を有する二塩基酸やその塩を駆動用電解液の溶質とした場合もなお、長時間使用するに従って、溶質の持つカルボキシル基がエチレングリコール等のアルコールとエステル化反応を起こしやすく、高温での電導度低下が大きくなり、電解コンデンサの著しい性能劣化を引き起こすという問題があった。また、側鎖を有する二塩基酸やその塩だけでは、高温における火花発生電圧が充分でないという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題を解決するもので、電導度並びに高温での火花電圧が高く、長寿命でもある駆動用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、(a)エチレングリコールを主体とした溶媒と、(b)一般式(I)
【0011】
【化3】
(式中、R1およびR2は同一または異なるアルキル基を示し、mは0〜14の整数を示す)
で示される化合物またはその塩、および、一般式(II)
【0012】
【化4】
(式中、R3はアルキル基を示し、R4は水素、メチル基、またはエチル基を示し、nは0〜14の整数を示す)
で示される化合物またはその塩の内の、少なくとも一般式(I)の化合物またはその塩と、(c)多価アルコール類とを含んだことを特徴とするもので、長時間の高温における電導度低下を低減し、火花発生電圧を飛躍的に向上させ、高耐圧、高耐熱性、長寿命を確保できる。
【0013】
一般式(I)の化合物は二塩基酸であり、2つのカルボキシル基のそれぞれのα位の炭素にアルキル基R1,R2を有している。一般式(II)の化合物は一塩基酸であり、カルボキシル基のα位の炭素にアルキル基R3を有している。これらアルキル基R1,R2,R3はそれぞれ、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。アルキル基R1,R2,R3はそれぞれ、炭素数1〜7の低級アルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。炭素数1〜4の直鎖アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)がさらに好ましい。R4は上記したように水素、メチル基、またはエチル基である。
【0014】
一般式(I)、一般式(II)におけるm,nは、それぞれ独立して0〜14の整数を示し、好ましくは1〜12、より好ましくは2〜10である。
これら一般式(I)、一般式(II)の化合物は、例えば、マロン酸ジエステルを塩基の存在下でハロゲン化アルキルと反応させ、さらに、ジハロゲン化アルカンと反応させた後、ケン化および酸分解反応、脱炭酸反応して得られるものが好ましい。
【0015】
一般式(I)の化合物またはその塩と、一般式(II)の化合物またはその塩とは、モル比で100:0〜55:45で含まれることが好ましく、より好ましくは90:10〜55:45、さらに好ましくは80:20〜55:45、特に好ましくは80:20〜75:25のモル比である。
【0016】
好適に使用できる一般式(I)の化合物、一般式(II)の化合物の具体例を以下の表1に示す。ただし、表中に示したA4〜A9の組合せに限定されるものではない。
【0017】
【表1】
エチレングリコールを主体とした溶媒としては、エチレングリコール単独、あるいは、エチレングリコールに対して、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、水、アミド類、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類、カーボネート類、ラクトン類、イミダゾリジノン類、ピロリドン類の内の1種あるいは2種以上を併用して、極性溶媒として用いることができる。エチレングリコールに対する割合は通常、5〜30wt%の範囲である。
【0018】
アミド類としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等がある。アルコール類としては、メタノール、エタノール等がある。エーテル類としては、メチラール、1,2−ジメトキシタエン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等がある。ニトリル類としては、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等がある。フラン類としては、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン等がある。スルホラン類としては、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等がある。カーボネート類としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、スチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、またはメチルエチルカーボネート等がある。ラクトン類には、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサジリジン−2−オン、3−エチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン等がある。イミダゾリジノン類としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等がある。ピロリドン類としては、ポリビニルピロリドン等がある。
【0019】
上記した極性溶媒の内、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、水、ラクトン類、アルコール類、カーボネート類、エーテル類、ニトリル類、およびフラン類が好ましい。
【0020】
一般式(I)の化合物の塩、一般式(II)の化合物の塩としては、アンモニウム塩またはアミン塩を好適に使用できる。それにより、高い電導度を得ることができ、またエチレングリコールとのエステル化反応を抑制して、高温での電導度低下を維持することができる。
【0021】
アンモニウム塩としては、通常のアンモニウム塩のほか、4級アンモニウム塩が挙げられ、その具体例としては、テトラメチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩、ジメチルジエチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩などが挙げられる。アミン塩としては、1級アミン塩、2級アミン塩、3級アミン塩が挙げられる。1級アミン塩の具体例としては、メチルアミン塩、エチルアミン塩、エチレンジアミン塩などが挙げられる。2級アミン塩の具体例としては、ジメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、メチルエチルアミン塩、メチルプロピルアミン塩などが挙げられる。3級アミン塩の具体例としては、トリメチルアミン塩、ジメチルエチルアミン塩、ジメチルプロピルアミン塩、ジエチルメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジエチルプロピルアミン塩などが挙げられる。
【0022】
多価アルコール類としては、マンニット、ソルビット、ズルシット、キシリット、ペンタエリトリットを好適に使用できるが、これら以外に、グリセリン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリオキシエチレン・オキシプロピレングリコールなどを使用できる。これらを単独で使用してもよいし、2種以上併用等してもよい。これら多価アルコール類は陽極酸化皮膜の表面に吸着して、酸化皮膜に欠陥部があっても覆ってしまうため、火花電圧をさらに上昇させることができる。
【0023】
上記した本発明の電解コンデンサ駆動用電解液には、従来から電解液の溶質に用いられている、例えばアゼライン酸等の二塩基酸などを、本発明電解液の特徴を失わせない程度に含有させてもよい。
【0024】
上記した本発明の電解コンデンサ駆動用電解液を用いることで、高耐圧、高耐熱、長寿命で安定した電解コンデンサを実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的な実施例を挙げて説明する。
(実施例1〜7)
エチレングリコールである有機溶媒に、上記した一般式(I)の化合物またはその塩、一般式(II)の化合物またはその塩、多価アルコール類を下記の表2に示す組成で混合して、実施例1〜7の電解コンデンサ駆動用電解液を作製した。また表2に示す組成で、比較例1〜5の電解コンデンサ駆動用電解液を作製した。表2においては、一般式(I)の化合物、一般式(II)の化合物(以下、塩を包含して意味する)を表1(前掲)中の化合物番号で示した。
【0026】
各実施例および各比較例の駆動用電解液について、アンプル中で110℃、1000時間、加熱する加熱試験を行なった。加熱試験前および加熱試験後に電導度、火花電圧を測定し、加熱試験前後の電導度変化率を算出した。電導度、火花電圧、電導度変化率の結果を表2に示す。電導度変化率(%)は初期値を100%としての増加あるいは低下を示す。
【0027】
【表2】
表2から明らかなように、実施例1〜7の駆動用電解液、すなわちα位炭素の両方にアルキル基を有する二塩基酸、同じくα位炭素にアルキル基を有する一塩基酸を含んだ駆動用電解液は、各比較例の駆動用電解液よりも電導度の低下が極めて小さい。
【0028】
これは、上記二塩基酸,一塩基酸のα位のアルキル基が、コンデンサ内部でのカルボキシル基の無水物化とエチレングリコールによるエステル化を極力抑制するとともに、アンモニアによるアミド化を防止するためと考えられる。また、上記一塩基酸を有することにより、火花電圧を向上させる機能を有する。
【0029】
これに対して、比較例1の駆動用電解液、すなわちα位の炭素にアルキル基を有していないスベリン酸アンモニウムを含んだ駆動用電解液は、1000時間の時点で電導度の低下が激しく、電気的安定性が極めて悪いことを示している。
【0030】
比較例2の駆動用電解液、すなわち1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムを含んだ駆動用電解液の電導度劣化は、本発明の実施例1〜7の駆動用電解液よりも激しかったが、比較例1の駆動用電解液の電導度劣化ほどではなかった。これは、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムが構造上一つのカルボキシル基のα位の炭素にブチル基を一つ有しているためと思われる。
【0031】
比較例4の駆動用電解液、すなわち5,6−デカンジカルボン酸アンモニウムを含む駆動用電解液の電導度劣化も大きかったが、これは、ビシナル位のジカルボキシル基が、容易に無水物化され、かつエチレングリコールによるエステル化が容易に進行するためと考えられる。この5,6−デカンジカルボン酸アンモニウムは、α位炭素の両方にブチル基を有しているのであるが、所望の電気特性が得られない。
【0032】
比較例1〜4の駆動用電解液は、多価アルコール類を添加したものであるが、実施例1〜7の駆動用電解液に比べると、火花発生電圧は低く、高温安定性と高耐圧の両立はできないものである。
【0033】
次に、表2に記載の実施例1〜7の駆動用電解液および比較例1〜5の駆動用電解液を用いて、先に図1により説明した構成の電解コンデンサを各20個用意し、105℃リップル負荷試験を実施した。各電解コンデンサの定格はいずれも450V18μFとした。結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
表3から明らかなように、実施例1〜7の駆動用電解液を用いた電解コンデンサは、エージング中のショート発生もなく、寿命試験を通じてショート・パンク等の不具合も生じず、寿命試験後の容量変化率、tanδ変化、漏れ電流(LC)、外観変化のどの特性においても変化が少なく、信頼性の高い電解コンデンサと言える。
【0035】
これに対して、比較例1の駆動用電解液を用いた電解コンデンサはエージング中に全数ショートし、比較例2〜5の駆動用電解液を用いた電解コンデンサは寿命試験中にショート・パンクが多発した。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エチレングリコールを主体とした溶媒に、一般式(I)の化合物またはその塩、一般式(II)の化合物またはその塩と、多価アルコール類とを溶解させて電解コンデンサ駆動用電解液とすることにより、この駆動用電解液を用いた電解コンデンサにおいて、長時間の高温における電導度低下を低減し、火花発生電圧を飛躍的に向上させることができ、高耐圧、高耐熱性、長寿命における安定性を確保できる。よって、その工業的な価値は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来より使用されている電解コンデンサの構成を示す一部切り欠き斜視図
【符号の説明】
1 陽極箔
2 陰極箔
3 セパレータ
4 コンデンサ素子
5 陽極リード
6 陰極リード
7 駆動用電解液
8 金属ケース
9 封口体
Claims (4)
- 塩がアンモニウム塩またはアミン塩である請求項1記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
- 多価アルコール類がマンニット、ソルビット、ズルシット、キシリット、ペンタエリトリットである請求項1記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電解コンデンサ駆動用電解液を用いた電解コンデンサ。
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