JP2014033183A - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

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Abstract

【課題】電導性、火花発生電圧を高め、製品耐電圧を向上でき、且つ、優れた高温寿命特性を有する電解コンデンサ駆動用電解液を提供する。
【解決手段】下記式(I)で表される、α位にベンゼン環を含む置換基を有するジカルボン酸若しくはその塩が有機溶媒中に溶解されていることを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。
【化1】
Figure 2014033183

式(I)において、R、Rのうち1つ以上、及びR、Rのうち1つ以上はベンゼン環を含む置換基であり、それ以外については、水素、又は炭素数1〜10のアルキル基であり、該アルキル基は分岐を有していても良く、該アルキル基を2つ以上有する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。nは1〜20の自然数を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に中高圧用アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液に関する。
従来、中高圧用アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液としては、一般に、エチレングリコールを主溶媒に、ほう酸又はその塩類を溶質に用いる電解液が使用されている(非特許文献1参照)。しかしながら、ほう酸は高温に於いて、主溶媒であるエチレングリコールと容易にエステル化反応を起こし、多量の水を生じる。この為、誘電体であるアルミニウム酸化皮膜を著しく水和劣化させ、また、その蒸気圧の高さから、防爆弁の開弁又は外装ケースの変形等を引き起こし、使用環境が高温条件下での中高圧用電解コンデンサの寿命を短くする原因となっている。
また、中高圧用アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液として、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸若しくはその塩、又は2-ブチルオクタン二酸、2-メチルアゼライン酸等の側鎖にアルキル基を有するジカルボン酸若しくはその塩を含む電解液が従来より使用されている(特許文献1〜3参照)。
アゼライン酸、セバシン酸等の側鎖を有しないジカルボン酸は主溶媒であるエチレングリコールに対する溶解性に乏しいため、電解液への添加量を低く抑えなければならない。その結果、比抵抗が増大し、満足するコンデンサ特性が得られない。また、これらの電解液は高圧用コンデンサ駆動用電解としては耐電圧性が十分とは言えず、ポリビニルアルコール等の高分子化合物を添加して使用されている。その結果、電解液の粘性が増大し、電解液のコンデンサ素子への含浸工程に要する時間が長くなるため、コンデンサの生産性が低下する問題がある。
また、2-ブチルオクタン二酸等の側鎖にアルキル基を有するジカルボン酸は、主溶媒であるエチレングリコールに対する溶解性こそ高いものの、耐電圧性は未だ十分とは言えず、前述のように高分子化合物を添加しなければ耐電圧性が確保できない問題がある。
特開2003−163139号公報 特開2005−039246号公報 特開2004−047595号公報
電解液陰極アルミニウム電解コンデンサ(日本蓄電器工業社発行、1973)392-393頁
上記のように、これまでに種々の検討がなされているが、耐電圧性、高温長寿命特性、及びコンデンサの生産性において、全てを満足する中高圧用アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液は得られていない。そこで、本発明は、耐電圧性及び高温長寿命特性に優れ、かつコンデンサの生産性の高い、特に、中高圧用アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を続けたところ、下記の構成を要旨とする本発明に到達したものである。
(1)下記式(I)で表される、α位にベンゼン環を含む置換基を有するジカルボン酸若しくはその塩が有機溶媒中に溶解されていることを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。
Figure 2014033183
式(I)において、R、Rのうち1つ以上、及びR、Rのうち1つ以上はベンゼン環を含む置換基であり、それ以外については水素又は炭素数1〜10のアルキル基であり、該アルキル基は分岐を有していても良く、該アルキル基を2つ以上有する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。nは1〜20の自然数を示す。
(2)前記その塩が、アンモニウム塩、第1級〜第4級アンモニウム塩、又はアルカリ金属塩である上記(I)に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
(3)前記式(I)で表されるジカルボン酸若しくはその塩の含有量が0.1〜20重量%である上記(1)又は(2)に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
(4)前記式(I)のnが3〜10である、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
(5)前記ベンゼン環を含む置換基が、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、トリル基又はベンゾイル基である、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
(6)前記ジカルボン酸が、2,7-ジフェニルオクタン二酸、2,8-ジフェニルノナン二酸、2,9-ジフェニルデカン二酸、2,10-ジフェニルウンデカン二酸、2,11-ジフェニルドデカン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジメチルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジエチルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジプロピルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジブチルオクタン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジメチルノナン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジエチルオクタン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジプロピルオクタン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジブチルオクタン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジメチルデカン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジエチルオクタン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジプロピルオクタン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジブチルオクタン二酸、2,7-ジベンジルオクタン二酸、2,8-ジベンジルノナン二酸、2,9-ジベンジルデカン二酸、2,7-ジナフチルオクタン二酸、2,8-ジナフチルノナン二酸、2,9-ジナフチルデカン二酸、2,7-ジトリルオクタン二酸、2,8-ジトリルノナン二酸、2,9-ジトリルデカン二酸である、上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液を用いたコンデンサ。
本発明によれば、火花発生電圧が高く、耐電圧性及び高温長寿命特性に優れ、かつコンデンサの生産性の高い、特に、中高圧用の優れた電解コンデンサ駆動用電解液が提供される。
本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、上記式(I)で示されるジカルボン酸若しくはその塩を溶質として有機溶媒に溶解してなるものである。式(I)におけるR、R、R、Rは、上記で定義したとおりであり、nは1〜20の自然数を示す。nは3〜10が電解液用途を考慮すると好ましく、6〜8が特に好ましい。R、R、R、又はRがアルキル基である場合、アルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、式(I)における塩については上記に定義したとおりである。第1級、第2級、及び第3級アンモニウム塩の好ましい例としては、モノエチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、ジメチルエチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリブチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩などが挙げられる。また第4級アンモニウム塩の好ましい例としては、テトラメチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩、エチルメチルイミダゾリウム塩などが挙げられる。
アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が例示される。
式(I)におけるベンゼン環を含む置換基としては、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、又はベンゾイル基が例示されるが、なかでもフェニル基又はベンジル基が好ましい。
また、ベンゼン環上の水素原子の一部は、アルキル基、ハロゲン基等で置換されていてもよいが、無置換であるのが好ましい。
上記した式(I)で示されるジカルボン酸の好ましい具体例としては、2,7-ジフェニルオクタン二酸、2,8-ジフェニルノナン二酸、2,9-ジフェニルデカン二酸、2,10-ジフェニルウンデカン二酸、2,11-ジフェニルドデカン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジメチルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジエチルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジプロピルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジブチルオクタン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジメチルノナン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジエチルオクタン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジプロピルオクタン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジブチルオクタン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジメチルデカン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジエチルオクタン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジプロピルオクタン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジブチルオクタン二酸、2,7-ジベンジルオクタン二酸、2,8-ジベンジルノナン二酸、2,9-ジベンジルデカン二酸、2,7-ジナフチルオクタン二酸、2,8-ジナフチルノナン二酸、2,9-ジナフチルデカン二酸、2,7-ジトリルオクタン二酸、2,8-ジトリルノナン二酸、2,9-ジトリルデカン二酸が挙げられる。なかでも、2,8-ジフェニルノナン二酸、2,9-ジフェニルデカン二酸、2,7-ジベンジルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジメチルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジエチルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジプロピルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジブチルオクタン二酸、2,7-ジナフチルオクタン二酸、又は2,9-ジトリルデカン二酸が特に好ましい。
また、式(I)で示されるジカルボン酸の塩の好ましい具体例としては、上記した好ましい具体例のジカルボン酸の、アンモニウム塩、又は第1級、第2級、第3級若しくは第4級アンモニウム塩、又はアルカリ金属塩である。なかでも、アンモニウム塩、又は第1級、第2級、若しくは第3級アンモニウム塩が好ましく、アンモニウム塩が特に好ましい。
本発明のコンデンサ駆動用電解液の有機溶媒としては、上記式(I)で表されるジカルボン酸若しくはその塩を溶解するものが使用できる。
上記有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコールのモノ若しくはジアルキルエーテル類;N-メチルホルムアミド、NN-ジメチルホルムアミド等のアミド類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホン類;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、スチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート類;フラン類などが挙げられる。有機溶媒としては、これらを1種又は2種以上使用することができる。
本発明で使用される有機溶媒としては、なかでも、多価アルコール又は多価アルコールのモノ若しくはジアルキルエーテルが好ましく、これらを50重量%以上、特には70重量%以上含有する有機溶媒が好適であり、100重量%であってもよい。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、又はポリエチレングリコールが好ましい。また、多価アルコールのモノ若しくはジアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、又はジエチレングリコールジメチルエーテルが好ましい。
本発明のコンデンサ駆動用電解液は、前記式(I)で表されるジカルボン酸若しくはその塩を予め調製し、該ジカルボン酸若しくはその塩を上記有機溶媒に溶解することにより得られるが、上記の有機溶媒中で式(I)で表されるジカルボン酸若しくはその塩を形成する原材料又は前駆体成分を有機溶媒中へ同時に又は順次添加することにより得ることもできる。
例えば、式(I)で表される遊離酸型のジカルボン酸とアンモニア又はアミン化合物を有機溶媒中に添加して目的とする本発明の電解液を得ることができる。また、本発明のコンデンサ駆動用電解液を得るに際しては、必要に応じて、加温、攪拌などの溶解を促進し、また均一な溶液を得るための手段を施すことができる。本発明のコンデンサ駆動用電解液には、少量の水が含まれていてもよい。
本発明のコンデンサ駆動用電解液は、式(I)で表されるジカルボン酸と、塩基であるアンモニア、第1級〜第3級アミン、水酸化第4級アンモニウム、又は水酸化アルカリとの配合比率によりコンデンサ駆動用電解液中の、遊離カルボン酸とカルボン酸塩の存在比率を制御するのが好ましい。本発明のコンデンサ駆動用電解液は、ジカルボン酸の当量とジカルボン酸に加える塩基の当量がほぼ等しいのが好ましい。すなわち、本発明コンデンサ駆動用電解液は、式(I)で表されるジカルボン酸が全て塩であり、遊離カルボン酸を含まないのが特に好ましい。遊離カルボン酸とカルボン酸塩の存在比率の制御は、ジカルボン酸に塩基を添加して得られるコンデンサ駆動用電解液のpHを制御することでおこなってもよい。本発明のコンデンサ駆動用電解液のpHは2〜10が好ましく、3〜8がさらに好ましい。
本発明のコンデンサ駆動用電解液における式(I)で表されるジカルボン酸若しくはその塩の含有量は、好ましくは0.1〜20重量%である。含有量が0.1重量%未満では、電導性を損なうことなく、使用耐電圧を高め、しかも広範囲の使用温度に耐え、高温での長寿命を有するアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液を提供し難い。一方、含有量が20重量%を越えると溶解性等の問題から本発明の目的を達成し難い。なかでも、式(I)で表されるジカルボン酸若しくはその塩のより好ましい含有量は1〜15重量%である。
本発明のコンデンサ駆動用電解液には、式(I)で表されるジカルボン酸若しくはその塩に加えて、通常のコンデンサ駆動用電解液に使用されている既知の電解質が併用できる。かかる電解質の例としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の直鎖ジカルボン酸若しくはその塩;2-ブチルオクタン二酸、3-メチルアジピン酸、2-メチルアゼライン酸等の側鎖ジカルボン酸若しくはその塩;ギ酸、酢酸、ノナン酸、ヘプタン酸等のモノカルボン酸若しくはその塩、安息香酸、フタル酸等の芳香族モノ若しくはジカルボン酸、又はその塩類が挙げられる。
また、本発明のコンデンサ駆動用電解液には、必要に応じて種々の添加剤を添加して、更なる特性向上を図ることができる。かかる添加剤の例として、ほう酸、無水ほう酸、メタほう酸等の含ホウ素化合物若しくはその塩類;正リン酸、亜リン酸、ジ亜リン酸等の含リン化合物若しくはその塩類;o-ニトロアニソール、m-ニトロアセトフェノン等のニトロ化合物;タングステン酸、リンタングステン酸等の金属酸化物等が挙げられる。
本発明のコンデンサ駆動用電解液は、種々の電解コンデンサに使用できるが、なかでも中高圧用アルミニウム電解コンデンサの駆動液として有用である。本発明において、中高圧用アルミニウム電解コンデンサとは、定格電圧が160〜500Vのアルミニウム電解コンデンサを意味する。本発明のコンデンサ駆動用電解液は、定格電圧が350〜500Vの電解コンデンサの駆動液として好適であり、なかでも定格電圧400〜500Vの高圧用電解コンデンサの駆動液として有用である。
本発明のコンデンサ駆動用電解液を用いる電解コンデンサの形状には特に制限がなく、ネジ端子形、基板自立形及びリード形いずれでもよい。電解コンデンサの定格静電容量範囲にも特に制限はなく、0.1〜47,000μFの範囲が例示される。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明の解釈はかかる実施例に限定されるものではない。
本発明のジカルボン酸の塩を用いた電解液と従来のカルボン酸の塩を用いた電解液の仕込み化合物の組み合わせを表1に示した。実施例には、2,9-ジフェニルデカン二酸、2,7-ジフェニル2,7ジメチルオクタン二酸、又は2,7-ジベンジルオクタン二酸が用いられ、また、比較例には、2-ブチルオクタン二酸、セバシン酸、又は2,9-ジメチルデカン二酸を用いた。濃度は塩として0.2 mol/kgに調整した(例:2-ブチルオクタン二酸アンモニウム塩として5重量%である。)。
Figure 2014033183
実施例1〜3及び比較例1〜3の電解液を用いて、初期特性評価及び105℃にて経時変化試験を実施し、一定時間毎にサンプリングして、導電率の測定を行った。結果を表2に示す。測定温度は火花発生電圧が105℃、導電率が30℃である。
Figure 2014033183
※1-(1000時間後導電率/初期導電率)
表2から明らかなように、実施例の電解液は、長時間の高温雰囲気中における熱安定性試験において、導電率の変化率が小さいため、高温長寿命品として非常に優れていた。
また、表1に示した電解液をベースに電解液を調合し、定格450V 470μFのアルミニウム電解コンデンサを試作した。試作アルミニウム電解コンデンサを用いて125℃ 3000時間の高温負荷試験及び高温貯蔵試験を行った結果及び初期特性を表3に示す。
表3において、負荷L.C.とは、定格電圧印加時の漏れ電流値である。無負荷L.C.とは、電圧印加をせずに3000時間貯蔵した時の漏れ電流値である。また、D.F.とは、誘電損失(Dissipation Factor)を表す。負荷ΔD.F.とは、125℃で定格電圧を3000時間印加する前後での変化率を表す。無負荷ΔD.F.とは、125℃で電圧印加をせずに3000時間貯蔵する前後での変化率を表す。
Figure 2014033183
表3から明らかなように、実施例1〜3の電解液をベース電解液として試作した電解コンデンサは、負荷、無負荷ともにΔD.F.が小さく、電気特性で良好な結果を示した。
以上のことから、本発明の実施例の電解コンデンサ駆動用電解液は、比較例のいずれの電解液に比較しても高温下における経時変化が小さく、安定性に優れる。
本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、中高圧用のアルミニウム電解コンデンサに適しており、電子機器に広く利用され、産業上有用である。

Claims (7)

  1. 下記式(I)で表される、α位にベンゼン環を含む置換基を有するジカルボン酸若しくはその塩が有機溶媒中に溶解されていることを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。
    Figure 2014033183
    式(I)において、R、Rのうち1つ以上、及びR、Rのうち1つ以上はベンゼン環を含む置換基であり、それ以外については水素又は炭素数1〜10のアルキル基であり、該アルキル基は分岐を有していても良く、該アルキル基を2つ以上有する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。nは1〜20の自然数を示す。
  2. 前記その塩が、アンモニウム塩、第1級〜第4級アンモニウム塩、又はアルカリ金属塩である請求項1に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  3. 前記式(I)で表されるジカルボン酸若しくはその塩の含有量が0.1〜20重量%である請求項1又は2に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  4. 前記式(I)のnが3〜10である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  5. 前記ベンゼン環を含む置換基が、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、トリル基、又はベンゾイル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  6. 前記ジカルボン酸が、2,7-ジフェニルオクタン二酸、2,8-ジフェニルノナン二酸、2,9-ジフェニルデカン二酸、2,10-ジフェニルウンデカン二酸、2,11-ジフェニルドデカン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジメチルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジエチルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジプロピルオクタン二酸、2,7-ジフェニル2,7-ジブチルオクタン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジメチルノナン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジエチルオクタン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジプロピルオクタン二酸、2,8-ジフェニル2,8-ジブチルオクタン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジメチルデカン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジエチルオクタン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジプロピルオクタン二酸、2,9-ジフェニル2,9-ジブチルオクタン二酸、2,7-ジベンジルオクタン二酸、2,8-ジベンジルノナン二酸、2,9-ジベンジルデカン二酸、2,7-ジナフチルオクタン二酸、2,8-ジナフチルノナン二酸、2,9-ジナフチルデカン二酸、2,7-ジトリルオクタン二酸、2,8-ジトリルノナン二酸、又は2,9-ジトリルデカン二酸である、上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液を用いたコンデンサ。
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CN107256799A (zh) * 2017-07-05 2017-10-17 东莞市东阳光电容器有限公司 一种铝电解电容器用电解液

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