JP6048389B2 - 自動車の前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の前部における吸気構造に関し、特に、プリクラッシュカンが設置されている車種に関する。
図1に、自動車の前部構造の一例を示す。自動車の前部100の前面には、外気を取り込む導風口(グリル)101が開口している。導風口101の後方には、導風空間101aがあり、その導風空間101aに面してラジエータ102が配置されている。
導風空間101aの上側には、衝突時に歩行者を保護する緩衝材103が設置されている。ラジエータ102の後側にはエンジンルーム104が拡がっている。
エンジンルーム104に設置されているエンジン105から、前方に吸気配管105aが延びている。吸気配管105aの前端は、導風空間101aに臨む吸気口105bとなっており、この吸気口105bを通じてエンジン105の吸気が行われる。吸気口105bは、冠水走行時での水の浸入を防ぐために、ラジエータ102の上方の、できる限り高い位置に配置されている。吸気配管105aの途中には、エアクリーナ105cが設置されている。
ラジエータ102の後方には、ラジエータファン106が設置されている。このラジエータファン106は、外気が十分に取り込める通常の走行時には停止しており、アイドリング時や微速走行時など、必要とされる量の外気が取り込めない時に作動する。
本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1〜3がある。
特許文献1には、車両の前端部において、車幅方向に延びるバックアップビームの前側における左右両側に、ハニカム形状の樹脂材(プリクラッシュカンに相当)を設置することが開示されている。
特許文献2には、冠水走行時に、吸気口への水の浸入を抑制できるようにした吸気通路構造が開示されている。
詳しくは、車体前部に設置されたラジエータの前方には、空気導入開口部(グリルに相当)が開口している。ラジエータの上方に配置された吸気口に連通するダクトが設けられていて、そのダクトの入口部が、空気導入開口部とは別にその上部に設けられている。
特許文献3には、バンパビーム(バンパレインフォースメントに相当)を前後方向に貫通するダクトを形成し、このダクトを通じてラジエータに外気を送り込むフロントバンパ構造が開示されている。
実開平1−81150号公報 特許第4730411号公報 実開昭63−102556号公報
ラジエータファンの作動によって外気の取り込みが行われる場合には、導風空間の圧力は、エンジンルームの圧力よりも低下する。そのため、図1に破線矢印で示すように、エンジンルームの内部の熱気が隙間から漏れ出して導風空間に流入するという問題がある。
吸気口は、導風口から離れて位置しているうえに、構造上、それ自体の空気抵抗も高いため、エンジンルームから導風空間に入り込む熱気を吸引し易い。熱気が吸気口に吸引されると、エンジンの燃料効率の低下やノッキングの発生などを招き、エンジンの出力が低下して燃費が悪化する。
特に、スポーツタイプの車種の場合、デザインや空気抵抗の低減、重心の低下等の要請から、一般的な車種と比べると、ボンネットの位置は低くなっている。それに伴って吸気口の位置も低くならざるを得ない。
吸気口と導風口との間の間隔も狭くなっており、そこにバンパレインフォースメントが位置している。そのため、導風口と吸気口との間での空気抵抗が高くなり、よりいっそう熱気が吸気口に吸引され易い。プリクラッシュカンが設置されている場合には、尚更である。
それに対し、特許文献2の吸気通路構造のように、空気導入開口部とは別に吸気口専用の外気取入口を設ければ、アイドリング時等にも、熱気を吸引せずに外気だけを吸気口に取り込むことができる。
しかし、特許文献2の吸気通路構造のように、別途ダクトを設けると部品点数が増加し、コストアップや構造の複雑化を招く。特許文献3のように、バンパレインフォースメントに開口を設けるのは、バンパレインフォースメントの剛性や防錆の観点から好ましくない。
また、外気取入口の位置が低いと、それだけ、冠水走行時に、吸気口に水を吸い込み易くなる。スポーツタイプの車種であれば、外気取入口は吸気口よりも更に低くなるため、よりいっそう吸気口に水が浸入し易い。
吸気口が水を吸い込むと、エアクリーナが詰まって吸気不足になり、エンジンの出力が低下する。ウォーターハンマーを招いてエンジンを損傷するおそれもある。
そこで、本発明の目的は、冠水走行時等には、吸気口への水の吸い込みを効果的に防ぐことができ、アイドリング時等には、吸気口への外気の取り込みを効果的に行うことができる自動車を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、短距離の吸気専用の導風路を、意図的にプリクラッシュカンの設置部位に設け、プリクラッシュカンを利用して、外気取入口から入り込んだ水と外気とを分離させるようにした(気液分離)。
具体的には、本発明に係る自動車の前部構造は、前記自動車の前部上側を覆うボンネットと、前記自動車の前部前側を覆うバンパ外装材と、前記ボンネットの下方且つ前記バンパ外装材の後方に配置され、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントと、前記バンパレインフォースメントの前側に設置されたプリクラッシュカンと、前記バンパレインフォースメントよりも上方に設置され、エンジンに供給する吸気を取り込む吸気口と、前記バンパ外装材に設けられ、前記吸気口の下側に離れて位置する外気取入口と、前記外気取入口から取り込まれる外気を前記吸気口へ導く外気導入路と、を備える。
そして、前記プリクラッシュカンが外気の流路の途中に横たわるようにして前記外気導入路が形成され、前記プリクラッシュカンの下面が、外気の流入方向に対向している。
すなわち、この自動車では、吸気口の下側に位置する外気取入口から、外気を取り込んで吸気口へ導くようになっているため、短い距離で外気を吸気口に効率よく導くことができる。
そして、外気の流路の途中に横たわるようにプリクラッシュカンが位置しており、そのプリクラッシュカンの下面が外気の流入方向に対向しているので、流入する外気は、その下面に衝突し、あるいはその下面によって偏向される。その結果、気液分離作用が生じて、外気中の水を分離させることができる。
所定位置に配置されたプリクラッシュカンを利用するので、プリクラッシュカン本来の機能は損なわれないし、新たに部材を設置せずに済む。
更に、前記プリクラッシュカンには、内部が隔壁で格子状に区画されることにより、車幅方向に延びて両端が前記外気導入路に開放されている複数の筒状空間が形成され、前記プリクラッシュカンの下面には、導風開口が開口し、前記複数の筒状空間が、前記導風開口を介して前記外気導入路とも連通しているようにするのが好ましい。
そうすれば、プリクラッシュカンを軽量で高剛性にすることができるので、優れた衝撃吸収性を実現できる。そして、導風開口を通じて各筒状空間に外気を導入し、これら筒状空間に外気を分流させることができるので、外気の流路を過度に狭めることなく気液分離も促進できる。
この場合、前記プリクラッシュカンは、押し出し成形品からなるのが好ましい。
そうすれば、複雑な断面のプリクラッシュカンでも、安価で量産できるため、生産性に優れる。なお、本実施形態における押し出し成形品の素材はアルミ合金であるが、他の金属や樹脂などの一般に知られた素材から、コストと耐久性や衝撃吸収性能を勘案して適切なものを選択することができる。
例えば、前記プリクラッシュカンは、車幅方向の一端が他端よりも高く位置するように、前記バンパレインフォースメントに傾斜して配置され、前記プリクラッシュカンの高位置側の端部に隣接して、外気の流れを偏向させるガイドプレートが設置されているようにすることができる。
そうすれば、外気は、プリクラッシュカンの下面や筒状空間に沿って高位置側の端部に向かって導かれた後、ガイドプレートに衝突して流れの向きが逆向きに偏向されるので、気液分離をよりいっそう促進できる。
また、前記プリクラッシュカンには、更に、前後方向に貫通するサービス用開口が形成され、前記複数の筒状空間が、前記サービス用開口を介して互いに連通しているようにしてもよい。
そうすれば、サービス用開口を、アンカボルト等を挿通する孔として利用でき、また、外気を複数の筒状空間に導入する開口としても利用できる。プリクラッシュカンの保護範囲が拡がる点でも有利である。
更に、前記外気導入路は、前記プリクラッシュカンの下側に位置して前記外気取入口と前後に対向し、当該外気取入口から流入する外気を受け止めるガイド部材を含み、前記吸気口が、前記バンパレインフォースメントの後方に離れて配置されているようにするとよい。
そうすれば、ガイド部材で外気を円滑に誘導することができる。歩行者がバンパレインフォースメントに当たる前にガイド部材によって歩行者が受け止められるため、歩行者の衝撃を緩和できる。ガイド部材が荷重を吸収、変形することで、軽微な衝突時に車両に及ぼす被害を最小限に抑制することができる点でも有利である。
さらに、吸気口がバンパレインフォースメントの後方に離れて配置されているので、バンパレインフォースメントの前側で上方に弾かれる外気中の水が吸気口に入り込み難くなり、気液分離をよりいっそう促進できる。
本発明の自動車によれば、冠水走行時等には、吸気口への水の吸い込みを効果的に防ぐことができ、アイドリング時等には、吸気口への外気の取り込みを効果的に行うことができるようになる。
従来の自動車の前部構造を示す概略断面図である。 本実施形態の自動車を正面から見た概略図である。 バンパ外装材を取り外して自動車の前部構造を正面から見た概略図である。 図2におけるX−X線での概略断面図である。 図2におけるY−Y線での概略断面図である。 プリクラッシュカンを示す概略斜視図である。 図2におけるZ−Z線での概略断面図である。 外気導入路の部分を正面から見た概略図である。 外気導入路の部分を示す概略斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
図2に、本実施形態の自動車1を正面から見た概略図を示す。同図中、符号2はフロントガラス、符号3はボンネット、符号4はヘッドライト、符号5はバンパフェイス、符号6はグリルカバー、そして、符号7はライセンスプレートである。
この自動車1は、いわゆるスポーツタイプに分類される車種であり、一般的な車種と比べると、全体的に低く、空気抵抗の少ないデザイン性に富んだ外観を有している。ボンネット3の前側は更に低くなっているため、バンパフェイス5の上下幅は非常に狭くなっている。
バンパフェイス5の前面部分は、平面視で、車幅方向の中央部が前方に僅かに膨らむように湾曲した曲面形状に形成されている。バンパフェイス5の車幅方向の中央部には、横長なグリル開口5aが開口しており、このグリル開口5aに、グリルカバー6が組み付けられている。グリルカバー6の下部には、自動車1の前部に外気を取り込む横長なグリル8が開口している。
グリルカバー6の上部における車幅方向の各端部には、グリル8とは別に、自動車1の前部に外気を取り込む外気取入口9が開口している。グリルカバー6におけるこれら外気取入口9,9の間の部分にプレート取付部10が設けられていて、そこにライセンスプレート7が取り付けられている。
外気取入口9,9の間の広い領域にライセンスプレート7を取り付けることで、様々なサイズのライセンスプレート7に対応でき、汎用性に優れる利点がある。
図3〜図5に、この自動車1の前部構造を示す。図3は、バンパフェイス5やグリルカバー6等で構成されたバンパ外装材11を取り外し、自動車1の前部構造を正面から見た概略図である。図4は、図2におけるX−X線での概略断面図であり、図5は、図2におけるY−Y線での概略断面図である。いずれの図も部材を簡略化して表してある。
図3等に示すように、自動車1の前部の上側はボンネット3によって覆われており、自動車1の前部の前側はバンパ外装材11によって覆われている。バンパ外装材11は、バンパフェイス5やグリルカバー6の他、後述する各部材で構成されている。
ボンネット3の下方かつバンパ外装材11の後方、更に詳しくは、グリル8の上部近傍かつボンネット3の前端部近傍に、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント12が配置されている。
バンパレインフォースメント12は、閉断面構造を有する剛性に優れた梁部材であり、その中央部が前方に膨らむように僅かに湾曲している。バンパレインフォースメント12は、その両端部で支持されている。具体的には、一対のフロントサイドフレーム13,13が、車幅方向に離れて前後方向に延びており、これらフロントサイドフレーム13,13の先端に、バンパレインフォースメント12の各端部が、クラッシュカン14を介して取り付けられている。
バンパレインフォースメント12の前側の各端部、詳しくは、各フロントサイドフレーム13の延長線上には、プリクラッシュカン40,40が左右対称状に設置されている(プリクラッシュカン40の詳細については後述)。
図3に示すように、バンパレインフォースメント12の左側の端部の前面には、アンカボルト等の締結に用いられる締結孔12aが設けられている。図2に示すように、バンパフェイス5には、締結孔12aと対向する位置に開口が形成されており、その開口が着脱可能なキャップ5bで封止されている。
図3及び図4に示すように、自動車1の前部における車幅方向の中央部には、横長なラジエータ15が設置されている。詳しくは、バンパレインフォースメント12の後方であって、車幅方向における左右のフロントサイドフレーム13の間の部分に、ラジエータ15が設置されている。
ラジエータ15は、空間を隔ててグリル8と前後に対向している。ラジエータ15の後側には、ラジエータファン16が配置されている。ラジエータファン16は、アイドリング時や微速走行時など、ラジエータ15への外気の供給量が不足する場合に作動する。ラジエータ15の後方は、エンジン(図示せず)が設置されたエンジンルーム17となっている。
図5にも示すように、自動車1の前部には、エンジンに供給する吸気を取り込むために、吸気配管18やエアクリーナ19が設置されている。吸気配管18は、この自動車1では車幅方向を右側に偏って配置されている。エアクリーナ19は、エンジンルーム17の内部に設置されており、吸気配管18は、このエアクリーナ19を介してエンジンの吸気系に接続されている。
吸気配管18は、エンジンルーム17から突き出して右側のフロントサイドフレーム13に沿って前方に延びており、その先端に開口する吸気口18aは、バンパレインフォースメント12の上方かつ後方に位置している。
図3に示すように、バンパレインフォースメント12の前面の下部近傍であって、吸気口18aの前方の下側に離れたところに、右側の外気取入口9が位置している。そして、この外気取入口9と吸気口18aとの間には、混入する水を効果的に分離しながら外気を効率よく吸気口18aに導く外気導入路20が形成されている(外気導入路20の詳細は後述)。
エンジンルーム17とその前側の部分との間は、シュラウドアッパー21等によって区画されていて、更に、グリル8とラジエータ15との間の空間(導風空間)は、ダクト構造22によって区画されている。
具体的には、壁状のシュラウドアッパー21が、バンパレインフォースメント12の下部からラジエータ15の上端の縁に向かって拡がるように設置されている。シュラウドアッパー21の上端部は、ボンネット3の内面とシール材を介して密着するようになっており、熱気がエンジンルーム17の上部から前方に漏れ出すのを防いでいる。
また、一対のサイドパネル23,23が、グリル8の左右両側からラジエータ15の左右両側の縁に向かって拡がるように設置されている。これらサイドパネル23,23とシュラウドアッパー21とにより、グリル8から取り込まれる外気をラジエータ15に導くダクト構造22が形成されている。
その結果、エンジンルーム17からラジエータ15への熱気の環流が抑制でき、冠水走行時に多量の水が導風空間に入り込んで湧昇しても、吸気口18aへの水の浸入が阻止できる。
(プリクラッシュカン)
図6に、プリクラッシュカン40の詳細を示す。
プリクラッシュカン40は、格子状の閉断面を有する筒状のアルミ合金製成形品であり、押し出し成形によって成形されている。押し出し成形によれば、成形金型から金属や樹脂を連続的に押し出して成形するので、断面形状が複雑なプリクラッシュカン40であっても、安価に量産できる。
プリクラッシュカン40は、格子状の断面が露出した両端部を車幅方向に向けた状態で、バンパレインフォースメント12に配置されている。本実施形態のプリクラッシュカン40は、車幅方向の内側の端部が外側の端部よりも高く位置するように、バンパレインフォースメント12に対して傾斜した状態で配置されている。
プリクラッシュカン40は、一体に形成される主部40a及び延出部40bからなる。主部40aは、斜辺が前斜め上方に向く略直角三角形の断面を有し、延出部40bは、略矩形の断面を有し、主部40aの下側に位置している。主部40a及び延出部40bの各後面は、互いに連なった平坦な取付面となっており、この取付面がバンパレインフォースメント12の前面に取り付けられている。
主部40aの下側の角縁部は、延出部40bの前面よりも前方に突出しており、それにより、プリクラッシュカン40の下部の前側には、車幅方向に延びる断面L字状の横長凹部41が設けられている。横長凹部41の後面及び上面は、延出部40bの前面及び主部40aの下面の前部とによって各々区画されている。
従って、プリクラッシュカン40に対して前方から加わる荷重は、最初に、主部40aの突出した前端部からなる、比較的低荷重で変形する部位(第1変形部位)で受け止められた後、主部40a及び延出部40bからなる、比較的高荷重で変形する部位(第2変形部位)で受け止められる。
このように、荷重を第1変形部位及び第2変形部位で段階的に受け止めることで、プリクラッシュカン40の変形特性が向上し、荷重を分散させて効果的に受け止めることができる。
プリクラッシュカン40の内部は、隔壁で格子状に区画されており、それによってプリクラッシュカン40の内部には車幅方向に延びる複数の筒状空間42が形成されている。筒状空間42の両端は開放されている。これら筒状空間42により、プリクラッシュカン40は、空間の占める割合が大きく軽量でありながら構造的にも強化されている。
プリクラッシュカン40の下面40cの前側、詳しくは主部40aの下面の前部には、導風開口43が開口している。各筒状空間42は、この導風開口43を介して互いに連通し、プリクラッシュカン40の外部とも連通している。導風開口43を主部40aの下面の前部に設けることで、第2変形部位の衝撃吸収力を維持しながら第1変形部位の衝撃吸収力の低下が図られている。
また、プリクラッシュカン40には、前後方向に貫通するサービス用開口44も形成されている。各筒状空間42は、このサービス用開口44を介しても互いに連通し、プリクラッシュカン40の外部とも連通している。より具体的には、導風開口43は、サービス用開口44の下側に位置し、サービス用開口44と交差して重なるように形成されている。
プリクラッシュカン40にこのようなサービス用開口44を設けると、プリクラッシュカン40の強度低下を招くが、その分、プリクラッシュカン40を車幅方向に拡大することができるので、プリクラッシュカン40の保護範囲が拡がる点で有利となる。
図3に示すように、プリクラッシュカン40がバンパレインフォースメント12に設置された時に、サービス用開口44は、締結孔12aと前後方向に重なるように設計されている。それにより、サービス用開口44は、アンカボルト等の挿通孔として機能する。
(外気導入路)
図7〜図9に、外気導入路20を詳細に示す。図7は、図2におけるZ−Z線での断面から見た概略図である。図8は、外気導入路20を正面から見た概略図であり、図9は、外気導入路20を斜め前方から見た概略斜視図である。
外気導入路20は、外気取入口9から取り込まれる外気を、混入する水を効果的に分離しながら効率よく吸気口18aへ導くように構成された流路である。外気導入路20は、ガイド部材35やガイドプレート50などで構成されており、その流路の途中にプリクラッシュカン40が位置するように形成されている。
ガイド部材35は、図5にも示すように、車幅方向に延びる断面L字状の部材からなり、帯板状の底壁部35aと、底壁部35aの後側の縁に沿って上方に張り出す後壁部35bとを有している。ガイド部材35は、バンパ外装材11の一部を構成しており、外気取入口9の直ぐ後に設置されている。
図8や図9に示すように、ガイド部材35は、プリクラッシュカン40の近傍の前方下側にあって、バンパレインフォースメント12の前方に離れて位置しており、プリクラッシュカン40と上下に並ぶように配置されている。後壁部35bは、外気取入口9の近傍に位置して前後に対向しており、外気取入口9から流入する外気を正面から受け止めるように構成されている。
このようにガイド部材35を配置することにより、外気取入口9の周辺部の剛性を高めることができる。また、ガイド部材35が、バンパレインフォースメント12の前方に離れて位置することにより、歩行者がバンパレインフォースメント12に当たる前に、ガイド部材35によって歩行者が受け止められるため、軽微な衝突時には歩行者への衝撃を緩和するができる。
更に、ガイド部材35が荷重を吸収、変形することで、軽微な衝突時に車両に及ぼす被害を最小限に抑制することができる点でも有利である。また、後壁部35bの存在によって外気取入口9を通じて内部が見えなくなるため、目隠しとしての効果も得られる。
図7に示すように、底壁部35aの上方には、バンパ外装材11の張出部11aが張り出しており、その張出部11aに、上下方向に向いた外気導入口36が開口している。この外気導入口36の上方にプリクラッシュカン40が位置している。
図8や図9に示すように、プリクラッシュカン40は、外気の流路の途中に横たわるように配置されており、プリクラッシュカン40の下面40cが外気の流入方向と対向している。
プリクラッシュカン40の車幅方向外側にある低位置の端部は、外気導入口36の車幅方向外側の端部よりも、車幅方向外側に位置するように構成されている。それにより、外気導入口36から流入する外気のほとんどが、プリクラッシュカン40の下面40cによって受け止められる。
プリクラッシュカン40の内部にある複数の筒状空間42は、各々の両端部、導風開口43、及びサービス用開口44を通じて外気導入路20と連通している。
プリクラッシュカン40の車幅方向内側にある高位置の端部に隣接して、ガイドプレート50が設置されている。
ガイドプレート50は、バンパレインフォースメント12の前面に取り付けられる板状の部材であり、バンパレインフォースメント12の前面と略直交して前方に張り出すように設置されている。ガイドプレート50は、プリクラッシュカン40の高位置側の端部と車幅方向に対向しており、外気の流れを偏向させる機能を有している。
そして、プリクラッシュカン40の高位置側の端部から後方に離れた位置に吸気口18aが位置している。吸気口18aに連なる吸気配管18の先端部分は、プリクラッシュカン40の傾斜方向に対して逆向きに屈曲するように、後方に向かって車幅方向外側に傾斜している。
このように、外気導入路20が短いと、アイドリング時や微速走行時も含め、吸気口18aに外気を取り込み易くなるが、冠水走行時や雨天の高速走行時などには、外気取入口9から外気とともに水が入り込み、吸気口18aに水が浸入し易くなる。
そこで、この自動車1の外気導入路20は、距離が短くても外気だけを効率よく吸気口18aに取り込めるように構造が工夫されている。
すなわち、図7に示すように、外気取入口9に入り込む外気は、後壁部35bに衝突する。衝突時の作用によって気液分離作用が得られるため、外気に混入した水を除去することができる(第1の気液分離)。
その後、図7に矢印で示すように、外気は、外気導入口36に流入するが、その際、外気のほとんどがプリクラッシュカン40の下面40cによって受け止められるため、バンパレインフォースメント12の防錆効果が得られる。
図8や図9に矢印で示すように、プリクラッシュカン40の下面40cで受け止められた外気の一部は、その下面40cの傾斜に誘導されて、車幅方向内側に流れる。その際にも気液分離作用が得られるため、外気に混入した水を除去することができる(第2の気液分離)。
また、外気の一部は、導風開口43やサービス用開口44を通じてプリクラッシュカン40の内部にも流入する。プリクラッシュカン40の内部に流入する外気は、更に複数の筒状空間42に分流して車幅方向内側に導かれる。その際にもまた気液分離作用が得られるため、外気に混入した水を除去することができる(第3の気液分離)。
車幅方向内側に流れが偏向された外気は、ガイドプレート50に衝突し(第4の気液分離)、車幅方向外側に屈曲するように更に流れが変更されて上方に向かい、吸気口18aに入り込む。
このように、外気の流れる方向を急に偏向させることにより、各所で気液分離作用が得られ、外気に混入した水を除去することができる。
しかも、ガイドプレート50に衝突する外気中の水は、その勢いによって上方に弾かれるため、バンパレインフォースメント12の後方に離れて位置している吸気口18aには入り込み難くなっている。
これらの気液分離作用により、外気取入口9から吸気口18aまでの距離が短くても外気だけを効率よく吸気口18aに取り込むことができる。
外気導入路20は、右側だけでも足りるが、この自動車1では、左側の外気取入口9を通じて外気を吸気口18aに導入できるようにもなっている。
すなわち、図3に示すように、左側にも右側と同様に、プリクラッシュカン40等が設けられている。図3や図4に示すように、左右のプリクラッシュカン40の間には、車幅方向に延びて吸気口18aに連通した空間(横断流路37)が形成されている。
左側の外気導入路20の場合、外気導入口36及びプリクラッシュカン40を経て流入した外気は、この横断流路37を通じて吸気口18aに入り込む。横断流路37を通過する間に、十分な気液分離作用を得ることができる。また、右側で分離される水や異物等を横断流路37に収容することができる点でも有利である。
正面に臨む外気取入口9を左右バランスよく配置して、デザイン性に優れるうえ、吸気口18aに導入する外気量を増やすことができる。
図3に示すように、この自動車では、締結孔12aは左側にだけ設けられている。そのため、右側のプリクラッシュカン40のサービス用開口44は、本来は不要であるが、ここでは気液分離を促進させる構造として機能している。
従って、サービス用開口44は、アンカボルト等の挿通孔としての機能と、気液分離を促進させる構造としての機能を合わせ持っている。また、このようにすることで、左右で同じプリクラッシュカン40を用いることができ、部材の共通化が図れる。
(その他)
本発明にかかる自動車の前部構造は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
吸気口18aの位置は左側であってもよい。吸気口18aと反対側の外気取入口9は無くてもよい。サービス用開口44は一方だけでもよい。締結孔12aの有る側にだけ貫通孔32を設けてもよい。プリクラッシュカンは、傾斜させずに、外気の流入方向と正対するように配置してもよい。
1 自動車
3 ボンネット
5 バンパフェイス
7 ライセンスプレート
8 グリル
9 外気取入口
11 バンパ外装材
12 バンパレインフォースメント
18a 吸気口
20 外気導入路
35 ガイド部材
35a 底壁部
35b 後壁部
36 外気導入口
40 プリクラッシュカン
40c 下面
43 導風開口
44 サービス用開口
50 ガイドプレート

Claims (6)

  1. 自動車の前部構造であって、
    前記自動車の前部上側を覆うボンネットと、
    前記自動車の前部前側を覆うバンパ外装材と、
    前記ボンネットの下方且つ前記バンパ外装材の後方に配置され、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントと、
    前記バンパレインフォースメントの前側に設置されたプリクラッシュカンと、
    前記バンパレインフォースメントよりも上方に設置され、エンジンに供給する吸気を取り込む吸気口と、
    前記バンパ外装材に設けられ、前前記吸気口の下側に離れて位置する外気取入口と、
    前記外気取入口から取り込まれる外気を前記吸気口へ導く外気導入路と、
    を備え、
    前記プリクラッシュカンが外気の流路の途中に横たわるようにして前記外気導入路が形成され、
    前記プリクラッシュカンの下面が、外気の流入方向に対向している自動車の前部構造。
  2. 請求項1に記載の自動車の前部構造において、
    前記プリクラッシュカンには、内部が隔壁で格子状に区画されることにより、車幅方向に延びて両端が前記外気導入路に開放されている複数の筒状空間が形成され、
    前記プリクラッシュカンの下面には、導風開口が開口し、
    前記複数の筒状空間が、前記導風開口を介して前記外気導入路とも連通している自動車の前部構造。
  3. 請求項2に記載の自動車の前部構造において、
    前記プリクラッシュカンが、押し出し成形品からなる自動車の前部構造。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の自動車の前部構造において、
    前記プリクラッシュカンは、車幅方向の一端が他端よりも高く位置するように、前記バンパレインフォースメントに傾斜して配置され、
    前記プリクラッシュカンの高位置側の端部に隣接して、外気の流れを偏向させるガイドプレートが設置されている自動車の前部構造。
  5. 請求項2に記載の自動車の前部構造において、
    前記プリクラッシュカンには、更に、前後方向に貫通するサービス用開口が形成され、
    前記複数の筒状空間が、前記サービス用開口を介して互いに連通している自動車の前部構造。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の自動車の前部構造において、
    前記外気導入路は、
    前記プリクラッシュカンの下側に位置して前記外気取入口と前後に対向し、当該外気取入口から流入する外気を受け止めるガイド部材を含み、
    前記吸気口が、前記バンパレインフォースメントの後方に離れて配置されている自動車の前部構造。
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