JP6146152B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
上記の吸気ダクトは、一般にラジエータファンシュラウドの上方に設けられ、車両の前方から後方に流れる空気は、ラジエータファンシュラウドの上方に流れた後、ボンネット下面とラジエータファンシュラウド上方との間の規定された通路を通って、上述の吸気ダクトの開口部に導かれるものである。
また、上述の吸気ダクトには、車両走行時に雨水や雪が吸込まれないようにするため、これら雨水や雪(特に、雪)を吸気通路の途中で分離すべく、ラジエータファンシュラウドと一体または別体のラビリンス構造が形成されている(特許文献1参照)。
ラビリンス構造がない場合には、雨天時や降雪時の走行において、水や雪を充分に分離することができない。また、ボンネット下面とラジエータファンシュラウドとの間の空間が狭いことに起因して、当該空間に雪が堆積すると、この堆積した雪が塊となって上述の吸気ダクト内に吸入されるという課題が発生する。
上述の防雪手段は、メッシュ構造体や格子状部材または櫛状部材で形成してもよい。
また、上述の防雪手段は雪の通過を妨げる一方で、空気を通過させるように形成されており、この結果、車両走行時に適切にラジエータの冷却を行なうことができる。
因に、空力性能上、ラジエータ内、エンジンルーム内には走行風を入れない方が空力性能がよくなり、上記セットプレートはそのために設けられた部材である。
上述の車載機器としては、前方監視用のレーダを採用してもよい。
また、上述の防雪手段は雪の通過を妨げる一方で、空気を通過させるように形成されており、この結果、車両走行時に適切にラジエータの冷却を行なうことができるものである。
図面は車体前部構造を示し、図1は当該車体前部構造を示す全体斜視図、図2は図1からボンネットを取外した状態の要部斜視図、図3は図2の正面図、図4は図3のA−A線矢視断面図である。
図1〜図4において、エンジンルーム1(図4参照)にはエンジン(図示せず)を配設する一方、該エンジンルーム1の上方を開閉可能に覆うボンネット2を設けている。このボンネット2はボンネットアウタパネル3とボンネットインナパネル4とをヘミング加工により接合一体化したもので、ボンネットインナパネル4の前部下面には、図2,図4に示すようにシール部材としての前部ウエザストリップ5および後部ウエザストリップ6を一体的に接着固定している。
これら前後の各ウエザストリップ5,6は、図2に示すように、その車幅方向中間部はボンネット2の前部形状に対応して車幅方向に延びており、車幅方向の端部からボンネット2前部の側面形状に対応して斜め後方に延びるように形成されている。
また、バンパフェース7の前面開口部8の直下部には、車幅方向に延びる下部開口部9(いわゆる走行風取入れ口)を形成し、この下部開口部9からもフレッシュエアを取込むように形成している。
さらに、バンパフェース7の車幅方向左右両側上部には、ヘッドランプ(図示せず)を配置するために下方へ湾曲形成された凹部10,10が設けられている。
図4,図5に示すように、エンジンルーム1内のエンジン前方にはラジエータ11を立設配置している。このラジエータ11はエンジン冷却水(クーラントを含む)の放熱器であって、該ラジエータ11は、図7に示すように、ラジエータシュラウド12で保持されている。また、上述のラジエータ11は後述するシュラウドアッパパネル13の下方に搭載されたものである。
そして、エンジンへの吸気が上述のパネル開口部15a,14aを通過するように構成されている。
これらの各シールプレート17,17は、上下方向に延びる縦壁17aと、車幅方向に延びる下壁17bとを車両正面視でL字状または逆L字状に組合せたもので、走行風をラジエータ11側へ案内すべく構成したものである。
この整流部材25は、図1,図2,図3にも示すように、ラジエータ11の車幅方向の略全幅と等しい車幅方向長さを有し、その取付け部25aはラジエータシュラウド12のシュラウドサイド12Sに取付けられている。
このカバー部材26は複数のクリップ26d…(図12参照)を有し、これら複数のクリップ26dにより該カバー部材26がシュラウドアッパパネル13に対して上方から取付けられている。
なお、上述の切欠き26aに代えて、カバー部材26にプレート開口部を有する構造を採用してもよい。
上述のパネル開口部14a,15aおよび切欠き26aは上下方向に対応する位置に設けられており、これらパネル開口部14a,15aおよび切欠き26aに対して車幅方向にオフセットした位置には、図5,図6に示すように、エンジンへ空気を導く吸気ダクト27のダクト開口部27aが設けられている。
上述のダクト開口部27aへの空気は、パネル開口部14a,15a、切欠き26aおよび空間部30を通過するように構成されている。ここで、上述のパネル開口部14a,15aおよび切欠き26aは、ボンネットインナパネル4の下部に設けられ車体側のラッチに対してアンロック可能に係合されるストライカ(図示せず)の貫通孔を兼ねるものである。
すなわち、ラジエータ11内、エンジンルーム1内には走行風を入れない方が空力性能がよくなることが知られており、このセットプレート31はそのためにラジエータ11での冷却に比較的寄与しない箇所を塞ぎ、空力性能を向上させるためのプレートである。
図9,図10,図11に示すように、該セットプレート31は、プレート本体31aと、このプレート本体31aの車幅方向両端部から後方に平面視で略L字状に延びる支持脚31b,31bと、プレート本体31aの車幅方向中央から前方に向けてボックス状に突出する突出部31cと、プレート本体31aの上端部から上方に延びる上辺部31dと、を合成樹脂にて一体形成したものである。
また、プレート本体31aと上辺部31dとに跨がって傾斜状に延びる偏向手段としてのフィン33を一体形成している。このフィン33はパネル開口部14a,15aの下方に位置しており、該パネル開口部14a,15aを通過する空気を車幅方向で吸気ダクト27のダクト開口部27aが無い側(図7の左側)に偏向させるための偏向手段である。
上述のフィン33をパネル開口部14a,15aの下方、すなわち、上流側に設けることで、このフィン33でダクト開口部27aが無い側に吸入空気を導き、これにより、降雪時においてダクト開口部27a、吸気ダクト27、エアクリーナ、吸気マニホルドを介してエンジンに雪が吸込まれるのを防止すべく構成したものである。
上述のフィン33の反ダクト側およびダクト側の各端部33a,33bの位置を、上述の如く設定すると共に、当該フィン33を内高外低状にスラントする傾斜構造と成して、より一層多くの気流を、確実に反ダクト側に導き、以て、降雪時にエンジンに雪が吸込まれるのを、より一層確実に防止すべく構成したものである。
ここで、上述のフィン33は図示の直線状のものに代えて、曲率中心を斜め下方に有し、斜め上方へ突出するように湾曲する円弧状のフィンであってもよい。
そして、車両と歩行者との衝突時に、車両前方からの衝突荷重により脆弱部としてのスリット34にて上記フィン33の倒れを促進し、これにより、歩行者に対する安全性を高めるように構成したものである。
なお、上述のスリット34に代えて、フィン33に薄肉部、V字状のノッチまたは凹溝部を形成する脆弱部と成してもよい。
上述のシュラウドアッパパネル13におけるパネル開口部14a,15aの前縁近傍の下方、つまり、上流側に上記メッシュ35を設け、このメッシュ35によりそれよりも下流側(特に、ダクト開口部27a側)へ雪が通過するのを防止し、よって、降雪時にエンジンに雪が吸込まれるのを防止すべく構成したものである。
また、上述のメッシュ35をラジエータ11前方側に位置する既存のセットプレート31に形成された複数の孔部とその孔縁部に設定し、空力性能向上のためのセットプレート31を有効利用して雪害対策を行ない、かつ、部品点数の増加を招かないように構成したものである。
ここで、図9,図10に示す角孔の縦横配列構造のメッシュ35に代えて、複数の丸孔や多角形状の孔によるメッシュ構造を採用してもよい。
なお、上述の突出部31cに代えて、セットプレート31のプレート本体31aに前方へ突出する車載機器としての前方監視用のレーダを取付け、この前方監視用のレーダを防雪手段として用いる構造を採用してもよい。
車両走行時に前面開口部8から導入された空気のうちセットプレート31よりも車幅方向外側を流れる空気は、直接ラジエータ11を冷却するが、セットプレート11に対向する空気は、図4に矢印aで示すようにセットプレート31のメッシュ35を通ってその下流側へ流れた後に、同図に矢印bで示すように、シュラウドアッパパネル13の下側部材15のパネル開口部15aから上方へ流れる。ここで、降雪時には上記メッシュ35により雪がそれよりも下流側へ通過するのを防止する。
この結果、吸気ダクト27のダクト開口部27aが無い側に吸入空気が導かれ、降雪時にダクト開口部27a、吸気ダクト27、エアクリーナ、吸気マニホルドを介してエンジンに雪が吸込まれるのを防止するものである。
上述の壁部36は、スリット26cの後縁部に沿って車幅方向に延びる後壁部36aと、スリット26cの車幅方向内端部に沿って車両前後方向に延びる側壁部36bと、スリット26cの車幅方向外端部に沿って車両前後方向に延びる側壁部36cと、を平面視で略コの字状に連設したものである。
上述の壁部36により、ラジエータ11に向かう空気がスリット26cを通過するように上方に偏向し、空気を確実に上記スリット26cを通過させるように構成したものである。
そして、車幅方向中央部に位置する前側縦壁部15bと、該前側縦壁部15bに対して車幅方向の外側に位置するダクト側および反ダクト側の各後側縦壁部15c,15dを、なだらかに連設形成している。
上述の反ダクト側の後側縦壁部15dは、空気通過部を形成するスリット26cの後方に位置するように形成されており、当該後側縦壁部15dにより、ラジエータ11に向かう空気がスリット26cを通過するように上方に偏向させ、カバー部材26の壁部36の作用と相俟って、空気をより一層確実に上記スリット26cを通過させ、これにより、車幅方向外側で反ダクト側に流れる気流をさらに増強し、以て、降雪時にエンジンに雪が吸込まれるのを防止すべく構成している。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
また、上述の防雪手段(メッシュ35)は雪の通過を妨げる一方で、空気を通過させるように形成されており、この結果、車両走行時に適切にラジエータ11の冷却を行なうことができる。
さらに、上記防雪手段(メッシュ35参照)は、上記ラジエータ11の前面に位置するセットプレート31に形成された複数の孔部および、その孔縁部であることを特徴とする(図9,図10参照)。
因に、空力性能上、ラジエータ11内、エンジンルーム1内には走行風を入れない方が空力性能がよくなり、上記セットプレート31はそのために設けられた部材である。
加えて、上記セットプレート31の前面において、上記防雪手段(メッシュ35参照)に隣接して、前方へ突出する突出部または前方へ突出する車載機器(この実施例では突出部31c)が設けられたものである(図4,図10参照)。
この発明の防雪手段は、実施例のメッシュ35に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上述の防雪手段としては、メッシュ構造体に代えて、格子状部材や櫛状部材を採用してもよい。
11…ラジエータ
13…シュラウドアッパパネル
14a,15a…パネル開口部
31…セットプレート
31c…突出部
35…メッシュ(防雪手段)
Claims (3)
- 車両前面に形成された前面開口部と、
該前面開口部後方に略水平方向に延びるシュラウドアッパパネルと、
該シュラウドアッパパネル下方に搭載されたラジエータと、
上記シュラウドアッパパネルに設けられたパネル開口部とを有し、
エンジンへの吸気が上記パネル開口部を通過するよう構成された車体前部構造であって、
上記パネル開口部の前縁近傍の下方に、空気を通過させかつ雪の通過を妨げる防雪手段を設け、
上記防雪手段は、上記ラジエータの前面に位置するセットプレートに形成された複数の孔部および、その孔縁部であり、
上記セットプレートの前面において、上記防雪手段に隣接して、前方へ突出する突出部または前方へ突出する車載機器が設けられた
車体前部構造。 - 上記セットプレートに、上記パネル開口部の下方に位置し、該パネル開口部を通過する空気を偏向させるための偏向手段を備えた
請求項1記載の車体前部構造。 - 上記偏向手段は上記セットプレートに一体形成されたフィンであり、
該フィンの根元部分またはその近傍には荷重を受けた際に該フィンの倒れを促進する脆弱部を備えた
請求項2記載の車体前部構造。
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