JP6090264B2 - 自動車の前部構造 - Google Patents

自動車の前部構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6090264B2
JP6090264B2 JP2014172996A JP2014172996A JP6090264B2 JP 6090264 B2 JP6090264 B2 JP 6090264B2 JP 2014172996 A JP2014172996 A JP 2014172996A JP 2014172996 A JP2014172996 A JP 2014172996A JP 6090264 B2 JP6090264 B2 JP 6090264B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bumper
outside air
automobile
grill
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014172996A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016047684A (ja
Inventor
敏男 坂本
敏男 坂本
博之 西
博之 西
庸介 吉原
庸介 吉原
長谷川 裕一
裕一 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2014172996A priority Critical patent/JP6090264B2/ja
Publication of JP2016047684A publication Critical patent/JP2016047684A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6090264B2 publication Critical patent/JP6090264B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、自動車の前部の構造に関する。
自動車の前部の構造は、エンジンや熱交換器に向けて外気を効率よく取り込むことができる性能(外気取込性能)に加え、歩行者と衝突した際に、歩行者を安全に保護する機能(歩行者保護性能)も求められる。
自動車の前部の構造に関する先行技術文献としては、特許文献1〜3がある。
特許文献1には、エンジンルームからの熱風の回り込み防止や衝撃吸収性能の低下抑制を目的としたフロントバンパが開示されている。
そこでのフロントバンパは、アルミ合金等のバンパレインフォースと、その前面に取り付けられる発泡スチロール製のバンパアブソーバと、これらの前方を覆うバンパカバーとで構成されている。バンパレインフォースの後方には、コンデンサが設置されている。
バンパアブソーバの左右両端部に、板状のサイドディフレクタ及び仕切り板部が上下に並ぶように設けられていて、これらでバンパカバーの内側にある空間の両端を遮断することにより、その空間を通ってコンデンサの前面側に熱風が回り込むのを防いでいる。
仕切り板部は、前方からの衝撃によって折れ易い構造となっている。
特許文献2には、バンパフェイシャの空気導入開口部から、エンジンの吸気通路に外気を導くダクトが設けられている。ダクトを形成すると剛性が上がるため、ダクトの下側は低剛性材を用いて形成されている。
特許文献3には、ポップアップフードを備えた自動車が開示されている。ポップアップフードは、自動車の前部に歩行者が衝突した場合に、エンジンフード(フロントガラスの前方に拡がるカバー材、ボンネット)の後側を跳ね上げて歩行者への衝撃を緩和する。
特開2010−042783号公報 特許第4730411号公報 2011−230644号公報
特許文献1や特許文献2のように、ダクトや仕切りを設ければ、外気を効率よく取り込むことができるので、外気取込性能が向上する。ところが、ダクトや仕切りは、剛性が高まる構造であるため、これらを設けるとフロントバンパの剛性が高まって、歩行者保護性能の面では不利になる。
特許文献1のフロントバンパでは、仕切り板部を折れ易くして工夫してはいるが、その上側のサイドディフレクタは、そのようになっていないため、本来の衝撃吸収性能の低下抑制効果が得られないおそれがある。
特許文献2のように、低剛性材を用いれば、剛性の高まりを抑制できるが、それにも限度がある。
特に近年では、従来よりもフロントバンパの剛性を低下させたい場合が増加しており、このような剛性が高まる構造を設けることは難しくなってきている。
例えば、ポップアップフードを採用した車種では、衝突を検知するセンサがフロントバンパに設置されるのが一般的である。そのような車種の場合、フロントバンパの剛性が高いと、衝突時の衝撃をセンサが検知できずに、ポップアップフードが適切に作動しないおそれがある。
更に、スポーツタイプの車種の場合には、一般的な車種と比べてボンネットの位置が低いため、ボンネットを短時間で高く跳ね上げなければならない。そのためには、早期に衝突を検知する必要があり、小さい衝撃でセンサが反応できるように、よりいっそうフロントバンパの剛性低下が求められる。
そこで、本発明の目的は、コンパクトな構成で良好な外気取込性能を確保しながら、フロントバンパの剛性の高まりを抑制することで、良好な歩行者保護性能も実現できる自動車の前部構造を提供することにある。
開示する自動車の前部構造は、前記自動車の前部上側を覆うボンネットと、前記自動車の前部前側を覆うフロントバンパと、前記ボンネットの下方且つ前記フロントバンパの後方に配置され、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントと、前記バンパレインフォースメントよりも上方に設置され、エンジンに供給する吸気を取り込む吸気口と、前記フロントバンパに設けられ、前記吸気口に導く外気を取り込む外気取入口と、を備える。
前記外気取入口は、前記フロントバンパの前面から後側に膨出し、前向きに開口する前方開口と、上向きに開口する上方開口と、を有する箱形状に形成されている。そして、前記上方開口の上方に隣接して、前記フロントバンパに脆弱部が設けられている。
この自動車の前部構造によれば、まず、前面及び上面が開口した箱形状の外気取入口が、フロントバンパに設けられていて、この外気取入口から取り込まれた外気が吸気口に導かれるようになっている。
前方開口から外気取入口に入り込んだ外気は、外気取入口の内壁に衝突して流れが偏向され、上方開口を通じて後方の吸気口に入り込む。外気取入口は、前方開口と上方開口以外は壁面で区画されているため、前方開口から取り込んだ外気を漏れなく上方開口から所定方向に導くことができる。そして、流れの偏向による気液分離作用により、外気取入口で外気中の水分を分離して前方開口を通じて排出させることができる。
その結果、外気だけを効率よく吸気口に取り込むことができ、コンパクトな構成で良好な外気取込性能を確保することができる。
一方、このような形状の外気取入口をフロントバンパに形成すると、外気取入口が形成されている部分の剛性が高くなり、歩行者保護性能の低下を招く。
それに対し、上方開口の上方に隣接してフロントバンパに脆弱部を設けることにより、歩行者が衝突した際に、脚部に作用する総負荷を低下させることができるので、フロントバンパの剛性の高まりを抑制することができる。
また、開示する自動車の前部構造では、前記フロントバンパの後側に、1個以上の歩行者衝突検知センサが取り付けられたブラケットが車幅方向に延びるように設置され、前記歩行者衝突検知センサが所定の衝撃を検知した場合に、前記自動車の前部に設けられた歩行者保護装置が作動するように構成されている。
衝突時の衝撃を検知する歩行者衝突検知センサがブラケットに取り付けられていて、そのブラケットが、フロントバンパの後側に、車幅方向に延びるように設置されているため、前方の広範囲の衝突を検知できる。
この場合、前記外気取入口の下方に隣接して、前記フロントバンパに、前記ブラケットを固定する固定部が設けられているようにするとよい。
そうすれば、外気取入口の下方は、剛性が高くなっているため、その近傍にブラケットを固定することで、フロントバンパに作用した衝撃がブラケットに伝わり易くなる。その結果、小さい衝撃を精度高く検出できるので、衝突を早期に検知することが可能になる。
また、開示する自動車の前部構造では、前記脆弱部が、左右方向では、前記外気取入口の左右両端間にわたって拡がり、前後方向では、当該外気取入口の前後両端間にわたって拡がるように、前記フロントバンパに形成されている。
すなわち、外気取入口によって構造的に剛性が高まった部位に対応して脆弱部が形成されているため、フロントバンパ全体の剛性をバランスよく低下させることができる。
また、開示する自動車の前部構造では、前記脆弱部に、前記上方開口に向かって突出する易屈曲部が設けられている。
この場合、外気取入口の周辺部位に衝突した場合でも、易屈曲部を基点に、小さい負荷で屈曲が始まって効率よく変形するので、衝撃吸収性能を効果的に発揮させることができる。
また、開示する自動車の前部構造では、前記フロントバンパは、上部が車体側に組み付けられて、下部にグリルが形成されたグリルカバーと、前記グリルカバーの前面に被せ付けられて、前記グリルを前方に臨ませる開口が形成されたバンパフェイシャと、を有している。
前記グリルカバーは、前方に向かって下り傾斜した上側傾斜面部と、前記上側傾斜面部の前端から下方に拡がって下部に前記グリルが形成されている下側面部と、を有している。そして、前記脆弱部が、前記グリルカバーの前記上側傾斜面部と前記下側面部との境界部分を含む範囲に形成されている。
この場合、上側傾斜面部と下側面部との境界部分もまた、構造的に剛性が高くなるが、その部分を含む範囲に脆弱部を形成することで、その影響が抑制され、外気取入口の周辺の剛性をよりいっそう低下させることができる。
また、脆弱部の前面はバンパフェイシャによって覆われるため、外観デザインに有利であるし、フロントバンパの下方は、グリルカバーのグリルとバンパフェイシャの開口とによって剛性が低下するため、歩行者保護性能の面で有利である。
本発明を適用した自動車によれば、コンパクトな構成で良好な外気取込性能が確保できるうえに、フロントバンパの剛性の高まりも抑制できるため、良好な歩行者保護性能も実現できる。
本実施形態の自動車を正面から見た概略図である。 フロントバンパを取り外して自動車の前部構造を正面から見た概略図である。 図1におけるX−X線での概略断面図である。 図1におけるY−Y線での概略断面図である。 緩衝材の要部を示す概略斜視図である。 フロントバンパを示す概略図である。(a)はフロントバンパの前面側を、(b)はフロントバンパの後面側を、それぞれ示している。 グリルカバーを斜め前方から見た概略斜視図である。 グリルカバーを斜め後方から見た概略斜視図である。 外気導入路を説明するための図である。 図6の(b)の要部の概略拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
図1に、本実施形態の自動車1を正面から見た概略図を示す。符号2はフロントガラス、符号3はボンネット、符号4はヘッドライト、符号5はフロントバンパ、符号6はバンパフェイシャ、符号7はグリルカバー、符号8は外気取入口、符号9はライセンスプレートである。
自動車1の前部の上側は、ボンネット3によって覆われている。自動車1の前部の前側は、フロントバンパ5によって覆われている。フロントバンパ5は、車幅方向の中央部が前方に僅かに膨らむように湾曲している。
この自動車1は、いわゆるスポーツタイプに分類される車種であり、一般的な車種と比べると、全体的に低く、空気抵抗の少ないデザイン性に富んだ外観を有している。ボンネット3の前側は更に低くなっており、フロントバンパ5の上部が標準的な歩行者の脚Fで膝の高さに位置する状態となっている。
この自動車1では、いわゆるポップアップフードが採用されている。すなわち、ボンネット3の下方に、ボンネット3を跳ね上げる跳ね上げ機構10(歩行者保護装置の一例)が装備されており、自動車1の前部に歩行者等が衝突した場合に、ボンネット3は、その前端部を支点に揺動して、その後側が跳ね上るように構成されている。
(前部構造の内部)
図2〜図4に、この自動車1の前部構造の内部を示す。図2は、フロントバンパ5を取り外し、自動車1の前部の内部を正面から見た概略図である。図3は、図1におけるX−X線での概略断面図であり、図4は、図1におけるY−Y線での概略断面図である。いずれの図も部材を簡略化して表してある。
ボンネット3の下方かつフロントバンパ5の後方に、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント12が配置されている。バンパレインフォースメント12は、閉断面構造を有する剛性に優れた梁部材であり、その中央部が前方に膨らむように僅かに湾曲している。バンパレインフォースメント12は、その両端部で支持されている。
具体的には、一対のフロントサイドフレーム13,13が、車幅方向に離れて前後方向に延びており、これらフロントサイドフレーム13,13の先端に、バンパレインフォースメント12の各端部が、クラッシュカン14を介して取り付けられている。
図2に示すように、バンパレインフォースメント12の左側の端部の前面には、アンカボルト等の締結に用いられる締結孔12aが設けられている。
図2及び図3に示すように、自動車1の前部における車幅方向の中央部には、横長なラジエータ15が設置されている。詳しくは、バンパレインフォースメント12の後方であって、車幅方向における左右のフロントサイドフレーム13の間の部分に、ラジエータ15が設置されている。
ラジエータ15の後側には、ラジエータファン16が配置されている。ラジエータファン16は、アイドリング時や微速走行時など、ラジエータ15への外気の供給量が不足する場合に作動する。ラジエータ15の後方は、エンジン(図示せず)が設置されたエンジンルーム17となっている。
図4に示すように、自動車1の前部の右側には、エンジンに供給する吸気を取り込む吸気配管18が設置されている。吸気配管18は、エアクリーナ19を介してエンジンの吸気系に接続されている。
吸気配管18は、エンジンルーム17から突き出して右側のフロントサイドフレーム13に沿って前方に延びており、その先端に開口する吸気口18aは、バンパレインフォースメント12の上方かつ後方に位置している。
エンジンルーム17とその前側の部分との間は、壁状のシュラウドアッパー21等によって区画されている。フロントバンパ5とラジエータ15との間の空間(導風空間)は、ダクト構造22によって区画されている。シュラウドアッパー21の上端部は、ボンネット3の内面とシール材を介して密着し、熱気がエンジンルーム17の上部から前方に漏れ出すのを防いでいる。
バンパレインフォースメント12の前側には、バンパレインフォースメント12に沿って車幅方向に延びるように、緩衝材30が設置されている。緩衝材30は、細長い樹脂成形品からなり、弾性を有する発泡樹脂等を用いて形成されている。
図2や図5に示すように、緩衝材30は、バンパレインフォースメント12の前面に取り付けられる帯板状の基部30aや、基部30aの両端部に位置する一対の脚用突出部30b,30b、これら脚用突出部30b,30bの間に位置する膝下用突出部30c、緩衝材30の取り付けに用いられるフランジ部30dなどで構成されている。
膝下用突出部30cは、基部30aの下側の縁部に沿って断面略L字状に突出する細長い壁状の部位からなる。膝下用突出部30cは、前方に突出するように車幅方向の中央部に配置され、衝突時には、正面からぶつかる歩行者の膝下を受け止めて、歩行者の脚Fを上方に逸らし、衝撃を緩和するように設計されている。
各脚用突出部30bは、フロントバンパ5の湾曲部位に対応するように車幅方向の両側に配置され、衝突時には、非正面からぶつかる歩行者の脚Fを受け止めて、歩行者の脚Fを側方あるいは上方に逸らし、衝撃を緩和するように設計されている。
そして、脚用突出部30bと膝下用突出部30cとの間には、外気取入口8から取り込まれる外気を吸気口18aへと導くために、緩衝材30を上下方向に横断するガイド溝31が形成されている。脚用突出部30bとガイド溝31との境界部分には、締結孔12aと前後方向に重なる貫通孔32が形成されている。
この自動車1の場合、ガイド溝31は右側に、貫通孔32は左側に、各々有ればよいが、成形コストやバランス等の観点から左右対称状に形成されている。
(フロントバンパ)
図6に、フロントバンパ5を示す。フロントバンパ5は、バンパフェイシャ6、グリルカバー7等で構成されている。
バンパフェイシャ6は、樹脂製の横長な外装パネルである。バンパフェイシャ6の車幅方向の中央部には、横長なグリル開口6aが形成されている。バンパフェイシャ6の左上部には、締結孔12aと対向する位置に開口が形成されており、その開口が着脱可能なキャップ6bで封止されている。バンパフェイシャ6は、グリルカバー7の前面に被せ付けられる。
図7、図8に詳しく示すように、グリルカバー7は、樹脂の射出成形品であり、フレーム状のメインパーツ71と、ライセンスプレート9が取り付けられるサブパーツ72とで一体に構成されている。
メインパーツ71は、横梁部71a、上側傾斜面部71b、下側面部71cなどで構成されている。横梁部71aは、グリルカバー7の上端縁を車幅方向に延びる部分であり、この横梁部71aに、図6に示すように、車体側に組み付けられる支持部材73が取り付けられる。グリルカバー7は、この支持部材73を介して車体側に片持ち状に支持される。
上側傾斜面部71bは、横梁部71aの下側から前方に拡がる部分であり、前方に向かって下り傾斜している。下側面部71cは、上側傾斜面部71bの前端から下方に拡がる部分であり、その下部にはフィンで格子状に区画された横長なグリル74が形成されている。グリル74は、後方のラジエータ15と対向した状態で、グリル開口6aを通じて前方に臨むように構成されている。
下側面部71cの上部前面には、グリル74の上縁に沿って横長なサブパーツ72が組み付けられている。サブパーツ72の両端が位置する部位に、外気を取り込む2つの外気取入口8が形成されている。サブパーツ72や外気取入口8は、グリル開口6aを通じて前方に臨むように構成されている。
これら外気取入口8は、グリル74と上側傾斜面部71bとの間の部位に、左右に離れて対称状に配置されている。この自動車1の場合、吸気口18aの前方に位置する右側の外気取入口8が主体的に機能し、左側の外気取入口8は補助的に機能している(詳細は後述)。
これら外気取入口8は、グリルカバー7の前面から後側に膨出し、前向きに開口する前方開口8aと、上向きに開口する上方開口8eと、を有する箱形状に形成されている。
具体的には、図9にも示すように、各外気取入口8は、横長な前方開口8a、下壁部8b、一対の側壁部8c,8c、後壁部8d、及び上方開口8eを有し、前面と上面とが開口した箱形状に形成されている。
前方開口8aは、グリルカバー7の前面に開口している。下壁部8bは、前方開口8aの下縁から後方に拡がっており、一対の側壁部8c,8cは、前方開口8aの左右の各側縁から後方に拡がるとともに下壁部8bの左右の各側縁から立ち上がっている。
後壁部8dは、下壁部8b及び一対の側壁部8c,8cの各後縁に連なって前方開口8aと対向している。上方開口8eは、下壁部8bの上方に開口している。そして、この上方開口8eが、ガイド溝31の前方下側に位置し、そのガイド溝31の上端の後方に、吸気口18aが位置している。
外気取入口8をこのような形状に形成して、特定の位置に配置することにより、短距離でありながら外気に混入する水分を除去して、効率よく吸気口18aに外気を導くことができる外気導入路20が構成されている。
図9に、外気導入路20を詳細に示す。外気導入路20は、外気取入口8やガイド溝31などによって構成されている。
前方開口8aを通じて外気取入口8に入り込む外気は、後壁部8dに衝突して上方に流れが偏向され、上方開口8eを通じて外気取入口8から流出し、ガイド溝31を通って吸気口18aに入り込む。
外気の流れの偏向によって得られる気液分離作用により、外気取入口8で外気中の水分が分離される。分離された水分は、前方開口8aを通じて排出されるため、前部構造の内部への水の浸入を抑制できる。
ガイド溝31の上端から流出する勢いによっても水分が飛ばされるので、更に吸気口18aに水が入り込み難くなっている。従って、外気取入口8から吸気口18aまでの距離が短くても外気だけを効率よく吸気口18aに取り込むことができる。
左側の外気取入口8からも、吸気口18aに外気が導入できるようになっている。すなわち、図2に示すように、膝下用突出部30cの上側には、車幅方向に延びて吸気口18aに連通した空間(横断流路37)が形成されている。
左側の外気取入口8から取り込まれた外気は、この横断流路37を通じて吸気口18aに入り込む。横断流路37は長いので、外気中の水分は、横断流路37を通過する間に除去される。
このような形状の外気取入口8をフロントバンパ5に形成した場合、外気取入口8が形成されている部分の剛性が高くなり、歩行者保護性能の低下を招く。そこで、この自動車1では、グリルカバー7に脆弱部75を設けて、フロントバンパ5の剛性の高まりを抑制している。
(脆弱部)
脆弱部75は、上方開口8eの上方に隣接するように設けられている。
歩行者が衝突する場合には、脚Fがフロントバンパ5に衝突することになるため、フロントバンパ5の縦方向に沿って力が作用する。従って、フロントバンパ5の幅方向における外気取入口8が形成されている部分(高剛性部位ともいう)の上方に脆弱部75を設けることで、脚Fに作用する総負荷を低下させることができる。
箱形状の外気取入口8のうち、上方開口8eの部分が前方から加わる衝撃に対して変形し易くなっているため、その上方開口8eに隣接して脆弱部75を設けることで、高剛性部位の剛性を効率よく低下させることができる。脆弱部75が膝と同等の高さに位置することで、損傷し易い膝の保護を強化できる点でも有利である。
本実施形態の脆弱部75は、グリルカバー7を貫通する大きな開口からなる。脆弱部75は、前下方向に向かって窄まる略三角形状をしており、上方開口8eと上下に重なる部位に形成されている。
具体的には、左右方向では、図7や図8に示すように、外気取入口8の左右両端間にわたって拡がり、前後方向では、図4に示すように、外気取入口8の前後両端間にわたって拡がるように、グリルカバー7に形成されている。
高剛性部位に対応した範囲に脆弱部75が形成されているため、高剛性部位の全域の剛性を低下させることができる。それにより、フロントバンパ5の全体の剛性をバランスよく低下させることができる。
更に、脆弱部75は、前下方向に向かって窄まる略三角形状に形成されていて、その先端が、上方開口8eの幅方向の中間部位に向かって突出している。
すなわち、脆弱部75の幅方向の中間部位が、最も前後方向に大きく開口し、その先端が上方開口8eに最も近接していることから、屈曲し易くなっている(易屈曲部75a)。従って、高剛性部位に衝突した場合であっても、弱い力で屈曲が始まって効率よく変形するので、衝撃吸収性能を効果的に発揮させることができる。
更に、脆弱部75は、上側傾斜面部71bと下側面部71cとの境界部分を含む範囲に形成されている。すなわち、図7に示すように、前方に向かって突出したグリルカバー7の屈曲部位である、車幅方向に延びる稜線76の上側と下側の両範囲にわたって脆弱部75が形成されている。
この屈曲部位もまた、構造的に剛性が高い構造となっているため、その部分を含む範囲に脆弱部75を形成することで、高剛性部位の剛性をよりいっそう低下させることができる。
図4に示すように、脆弱部75の上にはバンパフェイシャ6が被さるため、外観のデザインが損なわれることはない。なお、左側の脆弱部75は、締結孔12aを前方に臨ませる開口としても利用されている。
(ブラケット、歩行者衝突検知センサ)
自動車1の前部に歩行者が衝突した場合に、適切なタイミングでボンネット3の後側を跳ね上げるため、図6の(b)及び図10に示すように、フロントバンパ5の後側に、ブラケット80及び歩行者衝突検知センサ90が設置されている。
なお、これら図では、ブラケット80はドット模様により、歩行者衝突検知センサ90は黒塗りにより明示してある。歩行者衝突検知センサ90の具体例は、例えば、加速度センサや圧力センサなどである。
ブラケット80は、いずれも金属製の横長なプレートである、一対のサイドブラケット82,82と、ミドルブラケット81とで構成されていて、車幅方向に延びるように設置されている。
ミドルブラケット81は、グリルカバー7の裏側における、グリル74と上側傾斜面部71bとの間の部位に設置されている。
具体的には、図8に示すように、グリルカバー7の裏側の、グリル74と上側傾斜面部71bとの間の部位に、後方に突出した複数のブラケット固定部83が、車幅方向に間隔を隔てて配置されている。ミドルブラケット81は、これらブラケット固定部83に固定されている。
各サイドブラケット82は、ミドルブラケット81の各端部と隙間を隔てて左右に延びるように配置され、グリルカバー7及びバンパフェイシャ6に固定されている。そして、このようなブラケット80に、複数(本実施形態では6個)の歩行者衝突検知センサ90が、車幅向に間隔を隔てて取り付けられている。
各歩行者衝突検知センサ90は、衝撃を検知して跳ね上げ機構10に出力する機能を有し、いずれかの歩行者衝突検知センサ90が所定の衝撃を検知した場合に、跳ね上げ機構10が作動するように構成されている。
各歩行者衝突検知センサ90は、剛性の高い金属製のブラケット80に取り付けられるため、ブラケット80と一体化でき、ブラケット80に伝わる衝撃を精度高く検知することができる。そのブラケット80が、フロントバンパ5の幅方向の略全域にわたって設置されているため、前方の広範囲の衝突を検知できる。
更に、外気取入口8の下方に隣接して、1つのブラケット固定部83’が設けられている。
外気取入口8の下方は、剛性が高くなっているため、その近傍でブラケット80を固定することで、グリルカバー7に作用した衝撃がブラケット80に伝わり易くなる。その結果、小さい衝撃を精度高く検出できるので、衝突を早期に検知することが可能になる。
なお、ブラケット80は、ブラケット固定部83’に締結して固定され、他のブラケット固定部83には嵌合によって固定される。
(その他)
本発明にかかる自動車の前部構造は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、実施形態では、脆弱部75として大きな開口を示したが、それに限らない。要は、剛性が相対的に弱くなればよいため、例えば、該当領域に複数のスリットや孔を形成したり、該当領域の厚みを薄くしたりして脆弱部75を形成してもよい。
歩行者保護装置は、ポップアップフードに限らず、ボンネット上に展開するように装備されたエアバック等であってもよい。
1 自動車
3 ボンネット
5 フロントバンパ
6 バンパフェイシャ
7 グリルカバー
8 外気取入口
8a 前方開口
8e 上方開口
12 バンパレインフォースメント
18a 吸気口
30 緩衝材
71b 上側傾斜面部
71c 下側面部
73 支持部材
74 グリル
75 脆弱部
75a 易屈曲部
80 ブラケット
90 歩行者衝突検知センサ
F 脚

Claims (6)

  1. 自動車の前部構造であって、
    前記自動車の前部上側を覆うボンネットと、
    前記自動車の前部前側を覆うフロントバンパと、
    前記ボンネットの下方且つ前記フロントバンパの後方に配置され、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントと、
    前記バンパレインフォースメントよりも上方に設置され、エンジンに供給する吸気を取り込む吸気口と、
    前記フロントバンパに設けられ、前記吸気口に導く外気を取り込む外気取入口と、
    を備え、
    前記外気取入口は、前記フロントバンパの前面から後側に膨出し、前向きに開口する前方開口と、上向きに開口する上方開口と、を有する箱形状に形成され、
    前記上方開口の上方に隣接して、前記フロントバンパに脆弱部が設けられている自動車の前部構造。
  2. 請求項1に記載の自動車の前部構造において、
    前記フロントバンパの後側に、1個以上の歩行者衝突検知センサが取り付けられたブラケットが車幅方向に延びるように設置され、
    前記歩行者衝突検知センサが所定の衝撃を検知した場合に、前記自動車の前部に設けられた歩行者保護装置が作動する自動車の前部構造。
  3. 請求項2に記載の自動車の前部構造において、
    前記外気取入口の下方に隣接して、前記フロントバンパに、前記ブラケットを固定する固定部が設けられている自動車の前部構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の自動車の前部構造において、
    前記脆弱部が、左右方向では、前記外気取入口の左右両端間にわたって拡がり、前後方向では、当該外気取入口の前後両端間にわたって拡がるように、前記フロントバンパに形成されている自動車の前部構造。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の自動車の前部構造において、
    前記脆弱部に、前記上方開口に向かって突出する易屈曲部が設けられている自動車の前部構造。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の自動車の前部構造において、
    前記フロントバンパは、
    上部が車体側に組み付けられ、下部にグリルが形成されたグリルカバーと、
    前記グリルカバーの前面に被せ付けられ、前記グリルを前方に臨ませる開口が形成されたバンパフェイシャと、
    を有し、
    前記グリルカバーは、
    前方に向かって下り傾斜した上側傾斜面部と、
    前記上側傾斜面部の前端から下方に拡がって下部に前記グリルが形成されている下側面部と、
    を有し、
    前記脆弱部が、前記グリルカバーの前記上側傾斜面部と前記下側面部との境界部分を含む範囲に形成されている自動車の前部構造。
JP2014172996A 2014-08-27 2014-08-27 自動車の前部構造 Active JP6090264B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014172996A JP6090264B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 自動車の前部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014172996A JP6090264B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 自動車の前部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016047684A JP2016047684A (ja) 2016-04-07
JP6090264B2 true JP6090264B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=55648849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014172996A Active JP6090264B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 自動車の前部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6090264B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7102947B2 (ja) * 2018-05-29 2022-07-20 トヨタ自動車株式会社 センサ用プロテクタ及びこれを備えた車両

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4730387B2 (ja) * 2008-03-31 2011-07-20 マツダ株式会社 自動車の前部構造
JP2010158921A (ja) * 2009-01-06 2010-07-22 Mazda Motor Corp 車両の前部構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016047684A (ja) 2016-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5227063B2 (ja) 車両用吸気ダクト
US8651552B2 (en) Support structure of windshield
US10596994B2 (en) Front structure of vehicle
JP4890113B2 (ja) 車両用歩行者保護装置
JP4908239B2 (ja) 車両用歩行者保護装置
JP6212376B2 (ja) 車体前部構造
JP5474151B2 (ja) 車両用吸気ダクト
JP6048389B2 (ja) 自動車の前部構造
JP4935240B2 (ja) 車体前部構造
JP2010006313A (ja) 車両用カウルルーバの衝撃力吸収構造
JP7131374B2 (ja) フロントデフレクタ
JP2014104805A (ja) 歩行者衝突検出装置を備えた車両用バンパ
US20170057554A1 (en) Cowl structure
JP6090264B2 (ja) 自動車の前部構造
JP6484433B2 (ja) 自動車のカウル構造
JP2010042783A (ja) 乗用車のフロントバンパ
US9676354B2 (en) Bumper absorber structure
JP7127532B2 (ja) 車両の前部構造
JP6056674B2 (ja) 車体前部構造
JP6048388B2 (ja) 自動車の前部構造
JP2007137141A (ja) 自動車用フェンダ構造
JP2009045996A (ja) 四輪車両のカウル構造
JP2015174591A (ja) 導風板一体型ロアアブソーバ
JP6304279B2 (ja) 車両のバンパ支持構造
JP2007008302A (ja) 外気導入ダクト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160323

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6090264

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150