JP2010042783A - 乗用車のフロントバンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、エンジンルームからの熱風がフロントバンパの空間を通ってコンデンサ等の前面側に回り込まないようにするとともに、熱風回り込み対策により衝撃吸収性能の低下やコストアップにならないようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る乗用車のフロントバンパは、バンパリインフォース22と、そのバンパリインフォース22の前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバ24と、バンパアブソーバ24を前方から覆うバンパカバー26とから構成されており、バンパアブソーバ24の左右両端部には、そのバンパアブソーバ24の外周面から張出してバンパカバー26の内側に形成された空間を車幅方向に仕切る仕切り板部245が設けられており、仕切り板部245は、バンパアブソーバ24と同一材料で、前方からの衝突荷重を受けてバンパアブソーバ24に対して折れるように構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る乗用車のフロントバンパは、バンパリインフォース22と、そのバンパリインフォース22の前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバ24と、バンパアブソーバ24を前方から覆うバンパカバー26とから構成されており、バンパアブソーバ24の左右両端部には、そのバンパアブソーバ24の外周面から張出してバンパカバー26の内側に形成された空間を車幅方向に仕切る仕切り板部245が設けられており、仕切り板部245は、バンパアブソーバ24と同一材料で、前方からの衝突荷重を受けてバンパアブソーバ24に対して折れるように構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、車幅方向に延びる梁状部材であり、車体の前部に取付けられるバンパリインフォースと、そのバンパリインフォースの前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバと、前記バンパアブソーバを前方から覆うバンパカバーとから構成されている乗用車のフロントバンパに関する。
これに関連する乗用車のフロントバンパが特許文献1に記載されている。
前記フロントバンパ100は、図7の縦断面図に示すように、車体のサイドメンバ110に取付けられるバンパリインフォース102と、バンパリインフォース102の前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバ104と、バンパアブソーバ104を前方から覆うバンパカバー105とから構成されている。そして、バンパアブソーバ104の外周面とバンパカバー105の内壁面との間には、衝撃荷重に対するバンパの衝撃吸収性能が低下しないように空間Sが形成されている。
前記フロントバンパ100は、図7の縦断面図に示すように、車体のサイドメンバ110に取付けられるバンパリインフォース102と、バンパリインフォース102の前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバ104と、バンパアブソーバ104を前方から覆うバンパカバー105とから構成されている。そして、バンパアブソーバ104の外周面とバンパカバー105の内壁面との間には、衝撃荷重に対するバンパの衝撃吸収性能が低下しないように空間Sが形成されている。
しかし、フロントバンパ100のバンパアブソーバ104とバンパカバー105間に空間Sが形成される構成では、エンジンルームからの熱風がフロントバンパ100の左右両端部から空間Sを通ってコンデンサ112及びラジエータ113の前面側に回りこみ易くなる。このため、前記コンデンサ112等の冷却効率が低下する。
上記問題を解決するため、フロントバンパ100の空間Sを板状リブで車幅方向に仕切ることも考えられるが、前記板状リブを設ける構成ではフロントバンパ100の強度が高くなり、衝撃荷重に対するバンパの衝撃吸収性能が低下する。
また、フロントバンパ100の衝撃吸収性能の低下を抑えるために、前記板状リブをウレタン等の軟らかい部材で形成する方法も考えられるが、この場合、製造コストがアップするという問題がある。
上記問題を解決するため、フロントバンパ100の空間Sを板状リブで車幅方向に仕切ることも考えられるが、前記板状リブを設ける構成ではフロントバンパ100の強度が高くなり、衝撃荷重に対するバンパの衝撃吸収性能が低下する。
また、フロントバンパ100の衝撃吸収性能の低下を抑えるために、前記板状リブをウレタン等の軟らかい部材で形成する方法も考えられるが、この場合、製造コストがアップするという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、エンジンルームからの熱風がフロントバンパの空間を通ってコンデンサ等の前面側に回り込まないようにするとともに、熱風回り込み対策によりフロントバンパの衝撃吸収性能の低下やコストアップにならないようにすることである。
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、車幅方向に延びる梁状部材であり、車体の前部に取付けられるバンパリインフォースと、そのバンパリインフォースの前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバと、前記バンパアブソーバを前方から覆うバンパカバーとから構成されている乗用車のフロントバンパであって、前記バンパアブソーバの左右両端部には、そのバンパアブソーバの外周面から張出して前記バンパカバーの内側に形成された空間を車幅方向に仕切る仕切り板部が設けられており、前記仕切り板部は、前記バンパアブソーバと同一材料で、前方からの衝突荷重を受けて前記バンパアブソーバに対して折れるように構成されていることを特徴とする。
請求項1の発明は、車幅方向に延びる梁状部材であり、車体の前部に取付けられるバンパリインフォースと、そのバンパリインフォースの前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバと、前記バンパアブソーバを前方から覆うバンパカバーとから構成されている乗用車のフロントバンパであって、前記バンパアブソーバの左右両端部には、そのバンパアブソーバの外周面から張出して前記バンパカバーの内側に形成された空間を車幅方向に仕切る仕切り板部が設けられており、前記仕切り板部は、前記バンパアブソーバと同一材料で、前方からの衝突荷重を受けて前記バンパアブソーバに対して折れるように構成されていることを特徴とする。
本発明によると、バンパアブソーバの左右両端部には、そのバンパアブソーバの外周面から張出して前記バンパカバーの内側に形成された空間を車幅方向に仕切る仕切り板部が設けられている。このため、エンジンルームからの熱風がフロントバンパの幅方向両側からバンパカバーの内側に入り込み、空間を通って中央方向に流れようとしても、前記仕切り板部によって遮られる。これにより、前記熱風がコンデンサ、ラジエータの前面側に回り込み難くなり、前記コンデンサ等の冷却効率が低下しない。
また、仕切り板部はバンパアブソーバと同一材料であるため、バンパアブソーバと一体成形が可能であり、コストアップにならない。さらに、仕切り板部は、前方からの衝突荷重を受けてバンパアブソーバに対して折れるように構成されているため、仕切り板部があることでフロントバンパの衝撃吸収性能がほとんど低下しない。
また、仕切り板部はバンパアブソーバと同一材料であるため、バンパアブソーバと一体成形が可能であり、コストアップにならない。さらに、仕切り板部は、前方からの衝突荷重を受けてバンパアブソーバに対して折れるように構成されているため、仕切り板部があることでフロントバンパの衝撃吸収性能がほとんど低下しない。
請求項2の発明によると、仕切り板部は、バンパアブソーバの上面から上方に張出す構成で、車体前後方向に延びる仮想縦壁面に対して傾斜した状態で形成されており、前記仕切り板部の下端と前記バンパアブソーバの上面との間に切欠きが形成されていることを特徴とする。
このように、仕切り板部の下端とバンパアブソーバの上面との間に切欠きが形成されているため、切欠きの部分で仕切り板部がバンパアブソーバに対して折れ易くなる。また、仕切り板部は車体前後方向に延びる仮想縦壁面に対して傾斜した状態で形成されているため、フロントバンパに対して車両前方から加わる衝撃荷重を受けて後方に倒れ易くなる。
請求項3の発明によると、仕切り板部は、バンパアブソーバに対して折れ易いように薄肉に形成されていることを特徴とする。
このように、仕切り板部の下端とバンパアブソーバの上面との間に切欠きが形成されているため、切欠きの部分で仕切り板部がバンパアブソーバに対して折れ易くなる。また、仕切り板部は車体前後方向に延びる仮想縦壁面に対して傾斜した状態で形成されているため、フロントバンパに対して車両前方から加わる衝撃荷重を受けて後方に倒れ易くなる。
請求項3の発明によると、仕切り板部は、バンパアブソーバに対して折れ易いように薄肉に形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、車幅方向に延びる梁状部材であり、車体の前部に取付けられるバンパリインフォースと、そのバンパリインフォースの前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバと、前記バンパアブソーバを前方から覆うバンパカバーとから構成されている乗用車のフロントバンパであって、前記バンパアブソーバは、車幅方向に延びるアブソーバ本体部と、そのアブソーバ本体部の上面から前記バンパリインフォースの前面に沿って上方に延びる張出し部とから構成されており、前記バンパアブソーバのアブソーバ本体部の上面、及び前記張出し部の前面とバンパカバーの内壁面との間には車幅方向に延びる空間が形成されており、前記バンパアブソーバの張出し部は、前記バンパリインフォースよりも上側に位置する上端部が後方に突出して、前記バンパカバーの上側に配置されるラジエータグリルの下端面に沿う形状に形成されていることを特徴とする。
本発明によると、バンパアブソーバの張出し部の上端部は、後方に突出してバンパカバーの上側に配置されたラジエータグリルの下端面に沿う形状に形成されている。即ち、バンパアブソーバの張出し部の上端部とラジエータグリルの下端面との間の隙間を小さくできる。このため、エンジンルームからの熱風がフロントバンパの幅方向両側から前記空間内に入り込み、中央部分まで移動しても、その熱風がバンパアブソーバの上端部とラジエータグリルの下端面との間からコンデンサ等の前面側に排出され難くなる。これにより、コンデンサ等の冷却効率が低下しない。
また、バンパアブソーバとバンパカバーとの間には、車幅方向に延びる空間が形成されているため、衝撃荷重に対するバンパの衝撃吸収性能が低下することがない。
また、バンパアブソーバとバンパカバーとの間には、車幅方向に延びる空間が形成されているため、衝撃荷重に対するバンパの衝撃吸収性能が低下することがない。
本発明によると、エンジンルームからの熱風がフロントバンパの空間を通ってコンデンサ等の前面側に回り込み難く、コンデンサ等の冷却効率が低下しない。さらに、熱風回り込み対策により衝撃吸収性能の低下やコストアップになることがない。
[実施形態1]
以下、図1から図4に基づいて本発明の実施形態1に係る乗用車のフロントバンパについて説明する。ここで、図1は本実施形態に係るフロントバンパのバンパアブソーバ、バンパカバー等を表す斜視図、図2はフロントバンパを備える乗用車の前部縦断面図(図1(A)のII-II矢視断面図)である。図3は図1(A)のIII矢視拡大図、図4は図3の各部断面図である。
なお、図中の前後左右、及び上下は乗用車の前後左右、及び上下に対応している。
以下、図1から図4に基づいて本発明の実施形態1に係る乗用車のフロントバンパについて説明する。ここで、図1は本実施形態に係るフロントバンパのバンパアブソーバ、バンパカバー等を表す斜視図、図2はフロントバンパを備える乗用車の前部縦断面図(図1(A)のII-II矢視断面図)である。図3は図1(A)のIII矢視拡大図、図4は図3の各部断面図である。
なお、図中の前後左右、及び上下は乗用車の前後左右、及び上下に対応している。
<乗用車の前部構造の概要について>
乗用車の前部には、エンジンルーム(図示省略)の前側に、図1(A)に示すように、エアコン用冷媒を冷却するためのコンデンサ10と、エンジンの冷却水を冷却するためのラジエータ12(図2参照)とが前後に重ねられた状態で設置されている。コンデンサ10とラジエータ12とは、角形の板状に形成されており、乗用車のボディに設けられたラジエータサポート(図示省略)等の部材により支持されている。
コンデンサ10とラジエータ12の車幅方向両側には、図1(A)に示すように、板状のサイドディフレクタ15が設けられている。サイドディフレクタ15は、エンジンルーム内の熱風(図1(A)の白矢印参照)が左右のフェンダエプロン(図示省略)及びフード11(図2参照)等の下面に沿ってコンデンサ10の前側に回り込むのを防止する働きをする。
また、乗用車のボディのフロントサイドメンバ(図示省略)の先端には、フロントバンパ20のバンパリインフォース22が取付けられている。さらに、フロントバンパ20の上側中央には、図1(B)、図2に示すように、空気取入れ口として働くラジエータグリル30が取付けられている。
乗用車の前部には、エンジンルーム(図示省略)の前側に、図1(A)に示すように、エアコン用冷媒を冷却するためのコンデンサ10と、エンジンの冷却水を冷却するためのラジエータ12(図2参照)とが前後に重ねられた状態で設置されている。コンデンサ10とラジエータ12とは、角形の板状に形成されており、乗用車のボディに設けられたラジエータサポート(図示省略)等の部材により支持されている。
コンデンサ10とラジエータ12の車幅方向両側には、図1(A)に示すように、板状のサイドディフレクタ15が設けられている。サイドディフレクタ15は、エンジンルーム内の熱風(図1(A)の白矢印参照)が左右のフェンダエプロン(図示省略)及びフード11(図2参照)等の下面に沿ってコンデンサ10の前側に回り込むのを防止する働きをする。
また、乗用車のボディのフロントサイドメンバ(図示省略)の先端には、フロントバンパ20のバンパリインフォース22が取付けられている。さらに、フロントバンパ20の上側中央には、図1(B)、図2に示すように、空気取入れ口として働くラジエータグリル30が取付けられている。
<フロントバンパ20の構成について>
フロントバンパ20は、図1、図2に示すように、車幅方向に延びる梁状部材であるバンパリインフォース22と、そのバンパリインフォース22の前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバ24と、前記バンパアブソーバ24及びバンパリインフォース22を前方から覆うバンパカバー26とから構成されている。
バンパリインフォース22は、例えば、アルミ合金製で、図2、図4(A)(B)に示すように、縦幅が前後幅よりも広い角筒状に形成されている。そして、前記バンパリインフォース22の内部空間が車幅方向に延びる隔壁22sによって上下に仕切られている。
ここで、図4(A)は図3のIVA-IVA矢視断面図、図4(B)は図3のIVB-IVB矢視断面図、図4(C)は図3のIVC-IVC矢視断面図を表しており、図3は図1(A)のIII矢視拡大図である。
フロントバンパ20は、図1、図2に示すように、車幅方向に延びる梁状部材であるバンパリインフォース22と、そのバンパリインフォース22の前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバ24と、前記バンパアブソーバ24及びバンパリインフォース22を前方から覆うバンパカバー26とから構成されている。
バンパリインフォース22は、例えば、アルミ合金製で、図2、図4(A)(B)に示すように、縦幅が前後幅よりも広い角筒状に形成されている。そして、前記バンパリインフォース22の内部空間が車幅方向に延びる隔壁22sによって上下に仕切られている。
ここで、図4(A)は図3のIVA-IVA矢視断面図、図4(B)は図3のIVB-IVB矢視断面図、図4(C)は図3のIVC-IVC矢視断面図を表しており、図3は図1(A)のIII矢視拡大図である。
バンパアブソーバ24は、例えば、発泡スチロール製で金型により所定形状に成形される。バンパアブソーバ24は、図1(A)等に示すように、車幅方向に延びるアブソーバ本体部241と、そのアブソーバ本体部241の上面241uに形成された突条部243、及び仕切り板部245とから構成されている。アブソーバ本体部241は、図2、図4等に示すように、縦断面形状が横向き台形状に形成されており、バンパリインフォース22の前面22fの下半分を覆った状態で、そのバンパリインフォース22に接合されている。
アブソーバ本体部241の上面241uには、図1(A)等に示すように、中央部分を挟んで右側と左側とにバンパリインフォース22の前面22fに沿って延びる断面角形の突条部243が形成されている。さらに、アブソーバ本体部241の上面241uには、左右の突条部243よりも車幅方向外側の位置に左右の仕切り板部245が設けられている。
アブソーバ本体部241の上面241uには、図1(A)等に示すように、中央部分を挟んで右側と左側とにバンパリインフォース22の前面22fに沿って延びる断面角形の突条部243が形成されている。さらに、アブソーバ本体部241の上面241uには、左右の突条部243よりも車幅方向外側の位置に左右の仕切り板部245が設けられている。
左右の仕切り板部245は、バンパカバー26のカバー本体部26m(後記する)の内側に形成された空間Sを車幅方向に仕切る板状部材である。左右の仕切り板部245は、図3に示すように、コンデンサ10等の車幅方向両端に設けられたサイドディフレクタ15と車幅方向においてほぼ同位置に形成されている。仕切り板部245は、図4(B)に示すように、アブソーバ本体部241の上面241uから上方に張出しており、カバー本体部26mの内側に形成された空間Sを横断するように略角形に形成されている。また、仕切り板部245とアブソーバ本体部241の上面241uとの間には、側面略楔形をした切欠き246が形成されている。これにより、仕切り板部245とアブソーバ本体部241との連結部分245cの幅寸法を小さくでき、その仕切り板部245が連結部分245cの位置でアブソーバ本体部241に対して折れ易くなる。さらに、仕切り板部245は、図4(C)の平面図に示すように、車体前後方向に延びる仮想縦壁面Wに対して傾斜した状態で形成されている。
バンパカバー26は、図1(B)に示すように、フロントバンパ20の外形意匠を構成する部材であり、中央位置に空気取入れ口として働くバンパグリル26hが形成されている。さらに、バンパグリル26hの左右両側にはライト用の開口部26zが形成されている。バンパカバー26は、バンパグリル26hの上側に前述のカバー本体部26mを備えており、そのカバー本体部26mが、図4(A)(B)等に示すように、バンパアブソーバ24及びバンパリインフォース22の前面22fを前方から覆えるように縦断面形状略C字形に形成されている。
<フロントバンパ20の働きについて>
エンジンルーム内の熱風はサイドディフレクタ15によってコンデンサ10等の前面側に回り込まないように構成されている。しかし、前記熱風の一部はフロントバンパ20の左右両端部からカバー本体部26mの内側に入り込み、空間Sを通ってコンデンサ10等の前面側に回り込もうとする。
前述のように、フロントバンパ20のバンパアブソーバ24には、左右両端部に仕切り板部245が形成されており、それらの仕切り板部245がカバー本体部26mの内側に形成された空間Sを横断するように略角形に形成されている。このため、フロントバンパ20の左右両端部から空間Sを通ってコンデンサ10等の前面側に回り込もうとする熱風は、左右の仕切り板部245によって遮られる。これにより、熱風がコンデンサ10等の前面側に回り込み難くなり、前記コンデンサ10等の冷却効率が低下することがなくなる。
エンジンルーム内の熱風はサイドディフレクタ15によってコンデンサ10等の前面側に回り込まないように構成されている。しかし、前記熱風の一部はフロントバンパ20の左右両端部からカバー本体部26mの内側に入り込み、空間Sを通ってコンデンサ10等の前面側に回り込もうとする。
前述のように、フロントバンパ20のバンパアブソーバ24には、左右両端部に仕切り板部245が形成されており、それらの仕切り板部245がカバー本体部26mの内側に形成された空間Sを横断するように略角形に形成されている。このため、フロントバンパ20の左右両端部から空間Sを通ってコンデンサ10等の前面側に回り込もうとする熱風は、左右の仕切り板部245によって遮られる。これにより、熱風がコンデンサ10等の前面側に回り込み難くなり、前記コンデンサ10等の冷却効率が低下することがなくなる。
また、仕切り板部245はバンパアブソーバ24と同一材料であるため、一体成形が可能で、コストアップにならない。
さらに、仕切り板部245とアブソーバ本体部241の上面241uとの間に切欠き246が形成されているため、切欠き246の部分(連結部分245c)で仕切り板部245がアブソーバ本体部241に対して折れ易くなる。また、仕切り板部245は車体前後方向に延びる仮想縦壁面Wに対して傾斜した状態で形成されている。このため、フロントバンパ20に対して車両前方から衝撃荷重が加わると、仕切り板部245は切欠き246の部分(連結部分245c)で折れ、後方に倒れるようになる。即ち、仕切り板部245があることでフロントバンパ20の衝撃吸収性能がほとんど低下することがない。
さらに、仕切り板部245とアブソーバ本体部241の上面241uとの間に切欠き246が形成されているため、切欠き246の部分(連結部分245c)で仕切り板部245がアブソーバ本体部241に対して折れ易くなる。また、仕切り板部245は車体前後方向に延びる仮想縦壁面Wに対して傾斜した状態で形成されている。このため、フロントバンパ20に対して車両前方から衝撃荷重が加わると、仕切り板部245は切欠き246の部分(連結部分245c)で折れ、後方に倒れるようになる。即ち、仕切り板部245があることでフロントバンパ20の衝撃吸収性能がほとんど低下することがない。
[実施形態2]
以下、図5、図6に基づいて本発明の実施形態2に係る乗用車のフロントバンパについて説明する。本実施形態に係るフロントバンパは、実施形態1で説明したバンパアブソーバ24の構成を変更したもので、バンパリインフォース22とバンパカバー26の構成は実施形態1と同様である。このため、バンパリインフォース22とバンパカバー26については同一符号を付して説明を省略する。
ここで、図5(A)はバンパアブソーバの斜視図、図5(B)はバンパアブソーバの平面図、図6(A)は図5(A)のVIA-VIA矢視断面図、図6(B)は図5(A)のVIB-VIB矢視断面図である。
以下、図5、図6に基づいて本発明の実施形態2に係る乗用車のフロントバンパについて説明する。本実施形態に係るフロントバンパは、実施形態1で説明したバンパアブソーバ24の構成を変更したもので、バンパリインフォース22とバンパカバー26の構成は実施形態1と同様である。このため、バンパリインフォース22とバンパカバー26については同一符号を付して説明を省略する。
ここで、図5(A)はバンパアブソーバの斜視図、図5(B)はバンパアブソーバの平面図、図6(A)は図5(A)のVIA-VIA矢視断面図、図6(B)は図5(A)のVIB-VIB矢視断面図である。
本実施形態に係るフロントバンパのバンパアブソーバ50は、図5(A)、図6(A)等に示すように、車幅方向に延びるアブソーバ本体部52と、そのアブソーバ本体部52の上面52uからバンパリインフォース22の前面22fに沿って上方に延びる張出し部54とから構成されている。アブソーバ本体部52は、図6(A)等に示すように、縦断面形状が横向き台形状に形成されており、そのアブソーバ本体部52とバンパリインフォース22間に前記アブソーバ本体部52の肉厚寸法を減少させる後部空間Sbが形成されている。
張出し部54は、図6(A)等に示すように、バンパリインフォース22の前面22fを覆う薄肉の縦壁部54tと、その縦壁部54tの上側にあってバンパリインフォース22に対して上方に張出す厚肉の上端部54uとから構成されている。張出し部54の上端部54uは、バンパリインフォース22の前面22fに対して後方に突出しており、図5(B)に示すように、ラジエータグリル30の下端面32に沿う形状に形成されている。
張出し部54は、図6(A)等に示すように、バンパリインフォース22の前面22fを覆う薄肉の縦壁部54tと、その縦壁部54tの上側にあってバンパリインフォース22に対して上方に張出す厚肉の上端部54uとから構成されている。張出し部54の上端部54uは、バンパリインフォース22の前面22fに対して後方に突出しており、図5(B)に示すように、ラジエータグリル30の下端面32に沿う形状に形成されている。
上記したバンパアブソーバ50が、図6(A)に示すように、バンパカバー26のカバー本体部26mによって覆われると、そのカバー本体部26mの内部には車幅方向に延びる空間Sが形成される。即ち、アブソーバ本体部52の上面52u、及び張出し部54の前面とカバー本体部26mの内壁面との間に車幅方向に延びる空間Sが形成される。
前記バンパアブソーバ50の左右両端部には、図5(A)、図6(B)に示すように、カバー本体部26mの内部に形成された空間Sを車幅方向に仕切る薄肉の仕切り板部58が鍔状に形成されている。ここで、仕切り板部58はバンパアブソーバ50と同一材料により形成されている。
前記バンパアブソーバ50の左右両端部には、図5(A)、図6(B)に示すように、カバー本体部26mの内部に形成された空間Sを車幅方向に仕切る薄肉の仕切り板部58が鍔状に形成されている。ここで、仕切り板部58はバンパアブソーバ50と同一材料により形成されている。
このため、フロントバンパの左右両端部から空間Sを通ってコンデンサ10等の前面側に回り込もうと熱風は、左右の仕切り板部58によって遮られる。これにより、熱風がコンデンサ10等の前面側に回り込み難くなる。
また、バンパアブソーバ50の張出し部54の上端部54uは、後方に突出してバンパカバー26の上側に配置されたラジエータグリル30の下端面32に沿う形状に形成されている。このため、バンパアブソーバ50の張出し部54の上端部54uとラジエータグリル30の下端面32との間の隙間を小さくできる。これにより、エンジンルームからの熱風がフロントバンパの幅方向両側から空間S内に入り込み、中央部分まで移動したとしても、その熱風がバンパアブソーバ50の上端部54uとラジエータグリル30の下端面32との間からコンデンサ10等の前面側に排出され難くなる。これにより、コンデンサ等の冷却効率が低下することがなくなる。
また、バンパアブソーバ50とバンパカバー26との間には、車幅方向に延びる空間Sが形成されているため、衝撃荷重に対するバンパの衝撃吸収性能が低下しない。
また、バンパアブソーバ50の張出し部54の上端部54uは、後方に突出してバンパカバー26の上側に配置されたラジエータグリル30の下端面32に沿う形状に形成されている。このため、バンパアブソーバ50の張出し部54の上端部54uとラジエータグリル30の下端面32との間の隙間を小さくできる。これにより、エンジンルームからの熱風がフロントバンパの幅方向両側から空間S内に入り込み、中央部分まで移動したとしても、その熱風がバンパアブソーバ50の上端部54uとラジエータグリル30の下端面32との間からコンデンサ10等の前面側に排出され難くなる。これにより、コンデンサ等の冷却効率が低下することがなくなる。
また、バンパアブソーバ50とバンパカバー26との間には、車幅方向に延びる空間Sが形成されているため、衝撃荷重に対するバンパの衝撃吸収性能が低下しない。
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態に係る乗用車のフロントバンパ20では、バンパアブソーバ24,50の左右両側に一組の仕切り板部245,58を形成する例を示したが、仕切り板部245,58を複数組設ける構成でも可能である。
また、仕切り板部245とアブソーバ本体部241の上面241uとの間に切欠き246を形成して、仕切り板部245をアブソーバ本体部241に対して折れ易くする例を示したが、切欠き246の代わりに薄肉部等を設ける構成でも可能である。
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態に係る乗用車のフロントバンパ20では、バンパアブソーバ24,50の左右両側に一組の仕切り板部245,58を形成する例を示したが、仕切り板部245,58を複数組設ける構成でも可能である。
また、仕切り板部245とアブソーバ本体部241の上面241uとの間に切欠き246を形成して、仕切り板部245をアブソーバ本体部241に対して折れ易くする例を示したが、切欠き246の代わりに薄肉部等を設ける構成でも可能である。
20・・・・フロントバンパ
22・・・・バンパリインフォース
24・・・・バンパアブソーバ
241・・・アブソーバ本体部
241u・・・上面
245・・・・仕切り板部
246・・・・切欠き
26・・・・・バンパカバー
26m・・・・カバー本体部
30・・・・・ラジエータグリル
32・・・・・下端面
50・・・・・バンパアブソーバ
52・・・・・アブソーバ本体部
52u・・・・上面
54・・・・・張出し部
54u・・・・上端部
54t・・・・縦壁部
58・・・・・仕切り板部
S・・・・・・空間
W・・・・・・仮想縦壁面
22・・・・バンパリインフォース
24・・・・バンパアブソーバ
241・・・アブソーバ本体部
241u・・・上面
245・・・・仕切り板部
246・・・・切欠き
26・・・・・バンパカバー
26m・・・・カバー本体部
30・・・・・ラジエータグリル
32・・・・・下端面
50・・・・・バンパアブソーバ
52・・・・・アブソーバ本体部
52u・・・・上面
54・・・・・張出し部
54u・・・・上端部
54t・・・・縦壁部
58・・・・・仕切り板部
S・・・・・・空間
W・・・・・・仮想縦壁面
Claims (4)
- 車幅方向に延びる梁状部材であり、車体の前部に取付けられるバンパリインフォースと、そのバンパリインフォースの前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバと、前記バンパアブソーバを前方から覆うバンパカバーとから構成されている乗用車のフロントバンパであって、
前記バンパアブソーバの左右両端部には、そのバンパアブソーバの外周面から張出して前記バンパカバーの内側に形成された空間を車幅方向に仕切る仕切り板部が設けられており、
前記仕切り板部は、前記バンパアブソーバと同一材料で、前方からの衝突荷重を受けて前記バンパアブソーバに対して折れるように構成されていることを特徴とする乗用車のフロントバンパ。 - 請求項1に記載の乗用車のフロントバンパであって、
前記仕切り板部は、前記バンパアブソーバの上面から上方に張出す構成で、車体前後方向に延びる仮想縦壁面に対して傾斜した状態で形成されており、
前記仕切り板部の下端と前記バンパアブソーバの上面との間に切欠きが形成されていることを特徴とする乗用車のフロントバンパ。 - 請求項1に記載の乗用車のフロントバンパであって、
前記仕切り板部は、前記バンパアブソーバに対して折れ易いように薄肉に形成されていることを特徴とする乗用車のフロントバンパ。 - 車幅方向に延びる梁状部材であり、車体の前部に取付けられるバンパリインフォースと、そのバンパリインフォースの前面に取付けられる緩衝部材であるバンパアブソーバと、前記バンパアブソーバを前方から覆うバンパカバーとから構成されている乗用車のフロントバンパであって、
前記バンパアブソーバは、車幅方向に延びるアブソーバ本体部と、そのアブソーバ本体部の上面から前記バンパリインフォースの前面に沿って上方に延びる張出し部とから構成されており、
前記バンパアブソーバのアブソーバ本体部の上面、及び前記張出し部の前面とバンパカバーの内壁面との間には車幅方向に延びる空間が形成されており、
前記バンパアブソーバの張出し部は、前記バンパリインフォースよりも上側に位置する上端部が後方に突出して、前記バンパカバーの上側に配置されるラジエータグリルの下端面に沿う形状に形成されていることを特徴とする乗用車のフロントバンパ。
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- 2008-08-18 JP JP2008209705A patent/JP2010042783A/ja active Pending
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