JP7127532B2 - 車両の前部構造 - Google Patents

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Description

ここに開示された技術は、車両の前部構造に関する技術分野に属する。
従来より、走行中の車両は、空気(走行風)との衝突や摩擦などによる空気抵抗を受けることが知られている。この空気抵抗の一つに、車両前部の床下から前輪ホイールハウスに流入した走行風が、前輪によりかき乱されて、前輪の車幅方向外側に排出されることで生じる空気抵抗がある。このような前輪周りに生じる空気抵抗は、車両の走行性能に影響を与えるため、種々の対策が検討されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の車両は、自動車の車両前部における前輪ホイールハウスより車両前方の下面開口を覆うカバー部材と、該カバー部材に装着されたデフレクタとを備え、デフレクタを、係合部材を介して、カバー部材に装着されたデフレクタ基部と、該デフレクタ基部の後端から車両下方に延設するとともに、車両前後方向に可撓性、及び厚みを有する略平板状のデフレクタ本体とで一体形成した構成となっている。
また、特許文献2に記載の車両は、フロントバンパーにおいて車両前側に向けて開口し、走行時に走行風が導入される第1開口部と、車両において乗降用ステップを形成する窪み領域及び/又は、窪み領域の車幅方向外側にある側方領域に第1開口部から導入される走行風が吹き出されるように開口する第2開口部と、第1開口部及び第2開口部間を連通する連結経路とを備えている。特許文献2に記載の車両では、第2開口部から排出された空気により、車両側方にエアカーテンが形成されるようになっている。
特開2017-77846号公報 特開2017-197124号公報
ところで、車両の走行性能を向上させるために、特許文献1に記載のようなデフレクタと、特許文献2に記載のようなエアカーテンを形成する機構とを併用することが考えられる。しかしながら、これらを単純に併用すると、前輪の車幅方向外側で、エアカーテンとデフレクタにより偏向された走行風とが干渉して、前輪の車幅方向外側に渦が発生するおそれがある。前輪の車幅方向外側に渦が発生すると、前輪近傍の気流が乱されるため、高い空気抵抗が生じてしまう。したがって、走行風を前輪の車幅方向外側に排出する機構を複数併用する場合には、それらの構成及び配置を工夫する必要がある。
ここに開示された技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の前進走行時における前輪近傍の気流の乱れを出来る限り抑制することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、車両の前部構造を対象として、車幅方向の延びるフロントバンパーと、前記フロントバンパーの車両内側に設けられ、前記車両の前輪の車幅方向外側にカーテン状の気流を生成するエアカーテン機構と、前記前輪を収容する前輪ホイールハウスよりも車両前側の下面に設けられるフロントデフレクタとを備え、前記エアカーテン機構は、前記フロントバンパーの車幅方向外側の部分において車両前側に向けて開口し、前記車両の前進走行時に空気を取り入れるための第1の空気取入口と、前輪ホイールハウスよりも前側に設けられ、前記第1の空気取入口から取り入れた空気を車両後側に案内する第1のダクトと、前記前輪よりも前側でかつ前記車両の正面視で該前輪と重複する位置において車両後側に向けて開口し、前記第1のダクトを通過した空気を車幅方向外側に向けて排出する第1の空気排出口と、を有し、前記フロントデフレクタは、前記フロントデフレクタの車両前側の部分において車両前側に向けて開口し、前記車両の前進走行時に空気を取り入れるための第2の空気取入口と、前記第2の空気取入口から取り入れた空気を車両後側に案内する第2のダクトと、前記車両の正面視で該前輪と重複する位置において車両後側に向けて開口し、前記第2のダクトを通過した空気を車幅方向外側に向けて斜めに排出する第2の空気排出口と、を有し、前記第1の空気取入口と前記第2の空気取入口とは、前記車両の正面視で車幅方向に並んでおり、前記第1の空気排出口と前記第2の空気排出口とは、前記前輪ホイールハウス側から見て上下方向に並んでいる、という構成とした。
この構成によると、第1の空気排出口と第2の空気排出口とが上下方向に並んでいるため、第1の空気排出口から車幅方向外側に排出された走行風と、第2の空気排出口から車幅方向外側に排出された走行風とが干渉しにくい。これにより、空気の渦が前輪の車幅方向外側に発生することを抑制することができる。また、第1の空気排出口と第2の空気排出口とが上下方向に並んでいることにより、前輪の車幅方向外側を流れる走行風を上下方向に出来る限り広い範囲で整流することができる。さらに、第1の空気取入口と第2の空気取入口とが車幅方向に並んでいるため、車幅方向に出来る限り広い範囲で空気(走行風)を取り込むことができる。これにより、車両前部の下面やフロントバンパーの側面に沿って流れる走行風の量を抑えることができる。したがって、車両の前進走行時における前輪近傍の気流の乱れを出来る限り抑制することができる。
前記車両の前部構造において、前記第1の空気排出口は、前記前輪ホイールハウスを構成するマットガードの車幅方向外側の端部に設けられている、という構成でもよい。
この構成によると、第1の空気排出口から排出される走行風と前輪との干渉を出来る限り抑制することができ、車両の前輪近傍における気流の乱れをより効果的に抑制することができる。
第1の空気排出口がマッドガードに設けられた車両の前部構造において、前記第2の空気排出口は、前記フロントバンパーの下端よりも下側に位置する、という構成でもよい。
この構成によると、第1の空気排出口から排出される走行風で整流しにくい、フロントバンパーよりも下側の走行風を、第2の空気排出口から排出される走行風により整流することができる。これにより、車両の前進走行時における前輪近傍の気流の乱れを一層効果的に抑制することができる。
前記車両の前部構造において、前記第2の空気取入口は、前記第1の空気取入口よりも車幅方向内側に位置し、前記第2の空気排出口は、前記第1の空気排出口よりも車幅方向内側に位置する、という構成でもよい。
この構成によると、第1のダクトの長さ及び第2のダクトの長さをできる限り短くすることができる。これにより、第1及び第2の空気取入口から導入された走行風を、第1及び第2の空気排出口からスムーズに排出することができる。この結果、車両の前進走行時における前輪近傍の気流の乱れを更に効果的に抑制することができる。
前記第1の空気取入口が前記第2の空気取入口よりも車幅方向外側に位置する車両の前部構造において、前記第1の空気取入口及び前記第2の空気取入口は、前記車両の正面視で車幅方向に延びており、車幅方向において、前記第2の空気取入口の車幅方向外側の端部は、前記第1の空気取入口の車幅方向内側の端部と略同じ位置に位置している、という構成でもよい。
この構成によると、第1及び第2の空気取入口により、車幅方向により広い範囲で走行風を取り込むことができる。これにより、車両の前進走行時における前輪近傍の気流の乱れをより効果的に抑制することができる。
以上説明したように、本開示の技術に係る車両の前部構造によると、第1及び第2の空気取入口により、車幅方向に出来る限り広い範囲で走行風を取り込むことができる。また、第1及び第2の空気排出口により、前輪の車幅方向外側を流れる走行風を上下方向に出来る限り広い範囲で整流することができる。これらの結果、車両の前進走行時における前輪近傍の気流の乱れを出来る限り抑制することができる。
例示的な実施形態に係る前部構造を有する車両の一部を前側かつ左側から見た斜視図である。 前記車両の左前側部分の正面図である。 前記車両の左前側部分の底面図である。 フロントデフレクタ及びマットガードの車両前側部分の下部を車両後側から見た図である。 図3におけるV-V線の断面図である。 フロントバンパー及びフロントデフレクタを車両後側かつ上側から見た斜視図である。 フロントバンパーにアウターダクトパネルを取り付けた状態を、車両後側かつ上側から見た斜視図である。 アウターダクトパネルにインナーダクトを取り付けた状態を、車両後側かつ上側から見た斜視図である。 フロントデフレクタにおける上側部材、下側部材及びクリップを示す分解斜視図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1~図3は、本実施形態に係る車両1(本実施形態では、自動車)の前部2の一部(左前側部分)を示す。以下、車両1についての前、後、左、右、上及び下を、それぞれ単に前、後、左、右、上及び下という。また、以下の説明で左右一対あるもの(例えば前輪3)は、左側のものしか図示していない。尚、図1中、矢印Frは、車両1の前方を示す(図3、図6~図9においても同様)。
車両1の前部2は、車両1の運転者が乗り込む客室部分よりも前側の部分であって、エンジン、トランスミッション、冷却装置、懸架装置、舵取り装置、左右一対の前輪3等のような、車両1の走行に関わる構成部品を搭載する搭載空間(エンジンルームを含む)と、前照灯4や霧灯等のような、車両1の前方又は側方に対する灯火類とを有している。
また、車両1の前部2は、前部2の左右両側の側面をそれぞれ形成する左右一対のフロントフェンダー5と、左右一対のフロントフェンダー5の前端(車両1の前端)に配設され、車幅方向に延びるフロントバンパー6と、左右一対のフロントフェンダー5及びフロントバンパー6で囲まれた上記搭載空間(エンジンルーム)の上方開口を覆うボンネット7とを有している。
フロントバンパー6は、車幅方向に延びるバンパー本体6aを有する。バンパー本体6aの車幅方向(左右方向)の両端部は、車両1の前端から左右両側の側方にそれぞれ回り込むコーナ部6bとされている。これら左右のコーナ部6bは、車両1の底面視において、車幅方向外側ほど後側に位置するように湾曲したラウンド形状に形成されている(図3参照)。バンパー本体6aの下端部からは、車両内側に向かって下面部6cが水平に延びている。
各コーナ部6bにおける後側の部分(以下、コーナ後部6dという)は、左右一対のオーバーフェンダー10に車幅方向外側からそれぞれ覆われている。各オーバーフェンダー10は、後述する前輪ホイールハウス8の形状に対応して、上側に向かって後側に湾曲する略円弧状をなしている。図5及び図6に示すように、各オーバーフェンダー10は、該オーバーフェンダー10の車幅方向内側の面から車幅方向内側に向かって延びる爪部12及び複数のボルト13によって、各コーナ後部6dの車幅方向外側にそれぞれ取付固定されている。各オーバーフェンダー10の下部、詳しくは、各オーバーフェンダー10におけるコーナ後部6dを覆う部分(以下、フェンダー下部10aという)は、フロントバンパー6の一部を構成する。各フェンダー下部10aは、車両1の底面視において、各コーナ部6bのラウンド形状に連続する形状を有している(図3参照)。
各オーバーフェンダー10のおける、後述の前輪ホイールハウス側の縁部(以下、ホイール側縁部10bという)は、車幅方向内側に折れ曲がっている(図6~図8参照)。ホイール側縁部10bは、複数箇所でボルト11により、各マットガード9の車幅方向外側の端部における前側の部分にそれぞれ取付固定されている。
図1~図3に示すように、左右のフロントフェンダー5の下側に、左右の前輪3をそれぞれ収容する左右一対の前輪ホイールハウス8がそれぞれ設けられている。各前輪ホイールハウス8は、マットガード9で覆われている。このマットガード9によって、前輪3が跳ね上げる汚泥、小石、水滴が上記搭載空間に進入するのが防止される。マットガード9は、例えば、ポリプロピレン等の硬質合成樹脂製であって、車両1の側面視で、前輪3の上側部分に沿うように略円弧状に形成されている。
車両1の前部2における下面(底面)には、前側アンダーカバー21と、その後側に位置する後側アンダーカバー22とが設けられている。後側アンダーカバー22は、車幅方向に延びる不図示のサスペンションクロスメンバの前側に位置していて、前記エンジンの下側を覆っている。
図1~図4に示すように、車両1の前部2における下面には、左右一対のフロントデフレクタ30が設けられている。各フロントデフレクタ30は、前輪ホイールハウス8の前端(マットガード9の前端)と、フロントバンパー6と、前側アンダーカバー21とで囲まれた部分に設けられている。すなわち、各フロントデフレクタ30は、車両1における前輪ホイールハウス8よりも前方の下面に、前輪3の前方に間隔を隔てて設けられている。各フロントデフレクタ30は、車両1の前進走行時に生じる走行風が前輪3に当たらないようにして、車両1の空気抵抗を低減するものである。フロントデフレクタ30の詳細な構成については後述する。
図1~図8に示すように、本実施形態に係る車両1の前部2は、前輪3の車幅方向外側にカーテン状の気流を生成するためのエアカーテン機構60を左右のそれぞれに有する。左右のエアカーテン機構60は、車両1の車幅方向中央に対して対称の位置に取り付けられているとともに、車両1の車幅方向中央に対して対称の形状に形成されている。以下、エアカーテン機構60の構成について詳細に説明する。左右のエアカーテン機構60の構成は、基本的に同じであるので、以下では、左側のエアカーテン機構60について詳細に説明する。また、以下に説明する左側のエアカーテン機構60についての前、後、左、右、上及び下は、それぞれ、左側のエアカーテン機構60が車両1に設けられた状態での前、後、左、右、上及び下のことであり、車両1についての前、後、左、右、上及び下と同じである。尚、図6~図8では、図面の簡略化のために、マットガード9や前側アンダーカバー21等は図示を省略している。
本実施形態では、左側のエアカーテン機構60(以下、エアカーテン機構60という)は、図6~図8に示すように、フロントバンパー6の車両内側に設けられている。エアカーテン機構60は、車両1の前進走行時に空気(走行風)を取り入れるための第1の空気取入口61と、第1の空気取入口61から取り入れた空気を後側に案内する第1のダクト62と、第1のダクト62を通過した空気を車幅方向外側に向けて排出する第1の空気排出口65とを有する。
第1の空気取入口61は、フロントバンパー6の車幅方向外側の部分、具体的には、バンパー本体6aのコーナ部6bに設けられている。第1の空気取入口61は、前側に向けて開口している。図2に示すように、第1の空気取入口61は、車両1の正面視で、車幅方向に延びる細長い矩形状をなしている。より具体的には、図3に示すように、第1の空気取入口61は、車幅方向に延びるとともに、コーナ部6bの形状に沿って延びるラウンド形状をなしている。
第1のダクト62は、図8に示すように、前輪ホイールハウス8よりも前側に設けられている。第1のダクト62は、コーナ部6bの車両内側の面に取り付けられている。第1のダクト62は、コーナ部6bに沿って、車幅方向外側ほど後側に位置するように湾曲して延びている。特に、第1のダクト62の後側の部分(後述の拡大部62c)は、後側に向かって車幅方向外側に傾斜している。第1のダクト62は、第1の空気取入口61から第1のダクト62内に取り入れられた空気を受ける空気受け部62aと、空気受け部62aで受けた空気を後側かつ車幅方向外側に向かって斜め上側に案内する上方ガイド部62bと、上方ガイド部62bから後側に向かって上下方向に流路断面積を拡大する拡大部62cとを有する。空気受け部62aと上方ガイド部62bとの境界及び上方ガイド部62bと拡大部62cとの境界は、滑らかな湾曲形状をなしている。
第1のダクト62は、相対的に車両外側に位置するアウターダクトパネル63と、該アウターダクトパネル63の車両内側に取り付けられるインナーダクトパネル64との2つのパネル材で構成されている。アウターダクトパネル63及びインナーダクトパネル64は、どちらも金属の板材で形成されている。
アウターダクトパネル63は、図5及び図7に示すように、車両内側に向かって開口する断面U字状のアウター通路部63aを有する。アウター通路部63aは、上方ガイド部62b及び拡大部62cの一部を構成する。アウター通路部63aの車両内側の端縁からは、アウターフランジ63bが上側及び下側に向かってそれぞれ延びている。アウターフランジ63bには、インナーダクトパネル64をアウターダクトパネル63に取り付けるための複数の爪部63cが設けられている。
アウターフランジ63bは、後側の部分において、複数箇所でボルト13によりコーナ後部6dに固定されている。具体的には、図5に示すように、オーバーフェンダー10の車幅方向内側の面には、車幅方向内側に向かって延びる複数のブラケット14が設けられている。ボルト13は、アウターフランジ63b及びコーナ後部6dを車幅方向に貫通して、ブラケット14に締結されている。アウターフランジ63bが、コーナ後部6dに固定されることにより、アウターダクトパネル63が、コーナ後部6d(つまり、バンパー本体6a)に支持される。つまり、ボルト13は、オーバーフェンダー10をコーナ後部6dに取付固定すると共に、アウターダクトパネル63をコーナ後部6dに取付固定する。また、図7に示すように、上側のアウターフランジ63bの上側かつ後側の端部には、車幅方向内側に向かって突出する内側突出部63dが設けられている。内側突出部63dは、マットガード9に、クリップにより固定される。アウターダクトパネル63が、後側の部分で、バンパー本体6a及びオーバーフェンダー10に支持されることにより、アウターダクトパネル63の後端部を第1の空気排出口65に対してずれにくくすることができる。
インナーダクトパネル64は、図5及び図8に示すように、アウター通路部63aと閉断面をなすインナー通路部64aを有する。インナー通路部64aは、上方ガイド部62b及び拡大部62cの残部を構成する。インナー通路部64aの前側かつ下側の端部からは、第1の空気取入口61に沿って、車幅方向内側に延びる内側延設部64bがもうけられている。内側延設部64bは、前後方向において、第1空気取入口61と重複するように設けられている。内側延設部64bは、空気受け部62aを構成する。
インナー通路部64aの車両外側の端縁からは、インナーフランジ64cが上側及び下側に向かってそれぞれ延びている。インナーフランジ64cにおいて、アウターダクトパネル63の爪部63cに対応する部分には、該爪部63cと係合する複数の係合孔が設けられている。アウターフランジ63bとインナーフランジ64cとが重ね合わされて、各爪部63cが各係合孔に係合することにより、インナーダクトパネル64がアウターダクトパネル63に対して取付支持される。これにより、上方ガイド部62b及び拡大部62cが形成される。内側延設部64bは、ボルト68を介してバンパー本体6aに固定されている。インナー通路部64b及びインナーフランジ64cの後端部には、車幅方向内側に向かって延びる後側フランジ64dが設けられている。後側フランジ64dは、クリップ69を介して、マットガード9に取付固定されている(図4参照)。つまり、インナーダクトパネル64は、フロントバンパー6に加えて、マットガード9に対しても支持されている。これにより、インナーダクトパネル64の後端部を、第1の空気排出口65に対してずれにくくすることができる。
第1の空気排出口65は、前輪3よりも前側でかつ車両1の正面視で該前輪3と重複する位置において後側に向けて開口している。具体的には、図4に示すように、第1の空気排出口65は、マットガード9の車幅方向外側の端部に設けられている。第1の空気排出口65は、前輪ホイールハウス8側から見て、上下方向に延びる細長い矩形状をなしている。より具体的には、第1の空気排出口65は、上下方向に延びるとともに、マットガード9の形状に沿って、上側ほどに後側に位置するように湾曲している。
前記のエアカーテン機構60の構成により、車両1の前進走行時において、第1の空気取入口61から第1のダクト62内に取り入れられた空気(走行風)は、空気受け部62aにより上方ガイド部62bに向かって指向される。上方ガイド部62bに到達した走行風は、上方ガイド部62bに沿って、後側かつ車幅方向外側に案内されると共に、上側に案内される。そして、上方ガイド部62bを通った走行風は、拡大部62cを通った後、第1の空気排出口65から排出される。拡大部62cは、後側に向かって車幅方向外側に傾斜しているため、第1のダクト62内の走行風は、拡大部62cを通るときに車幅方向外側に指向される。これにより、第1の空気排出口65から排出される走行風は、後側に向かって車幅方向外側に斜めに排出される(図3に示す、エアカーテン機構60を通過する走行風の流れF1を参照)。この結果、第1の空気排出口65から排出された走行風は、第1の空気排出口65から排出された後、前輪3に当接せずに、前輪3の車幅方向外側を通って後側に流れる。このとき、第1の空気排出口65は上下方向に延びていることにより、第1の空気排出口65から排出される走行風は、前輪3に上下方向に広がるエアカーテンを形成する。このように、エアカーテンが形成されることで、前輪3の車幅方向外側を流れる走行風を整流することができる。
図6に示すように、バンパー本体6aにおけるコーナ後部6dは、車幅方向内側に凹んでいる。また、コーナ後部6dの上下方向の中間部、具体的には、第1のダクト62が通る部分は、車幅方向外側にU字状に凹んだ凹部となっている。また、コーナ後部6dは、オーバーフェンダー10及びアウターダクトパネル63の各取付部分において、平面を形成している。これらのことから、コーナ後部6dは、上下方向及び前後方向に複数の稜線を有しており、剛性が比較的高くなっている。
次に、フロントデフレクタ30の構成について説明する。左右のフロントデフレクタ30は、車両1の車幅方向中央に対して対称の位置に取り付けられているとともに、車両1の車幅方向中央に対して対称の形状に形成されている。左右のフロントデフレクタ30の構成は、基本的に同じであるので、以下では、左側のフロントデフレクタ30について詳細に説明する。また、以下に説明する左側のフロントデフレクタ30についての前、後、左、右、上及び下は、それぞれ、左側のフロントデフレクタ30が車両1に設けられた状態での前、後、左、右、上及び下のことであり、車両1についての前、後、左、右、上及び下と同じである。
本実施形態では、左側のフロントデフレクタ30(以下、フロントデフレクタ30という)は、図5及び図9に示すように、上側部材31と下側部材32との上下2部材で構成されている。上側部材31は、金属の板材で形成され、下側部材32は、可撓性を有する合成ゴム等の軟質合成樹脂で形成されている。
上側部材31は、車両1の底面視においてフロントバンパー6のコーナ部6bと同様の形状(ラウンド形状)に形成された、前端から車幅方向外側の端にかけての曲線状縁部31aを有している(図3参照)。この曲線状縁部31aが、コーナ部6bの下面部6c(図3参照)に複数箇所でボルト37により取付固定されている。上側部材31の後端縁部は、上側に折り曲げられた折曲部31bとされている。
下側部材32は、上側部材31の曲線状縁部31aの車両内側に位置する、曲線状縁部31aと同様のラウンド形状に形成された曲線状縁部32aを有する。この曲線状縁部32aは、複数箇所でクリップ38により上側部材31に取付固定されている。
曲線状縁部32aの後端部は、車幅方向外側に突出する突出縁部32kとなっている。突出縁部32kは、曲線状縁部31aの後端部と上下に重ねられて、ボルト41によりコーナ部6bから延びる下面部6cに取付固定されている。
下側部材32の車幅方向内側の端縁部は、上側部材31の車幅方向内側の端縁部と上下に重ねられて、上側部材31に複数箇所でボルト39により取付固定されている。上側部材31及び下側部材32の車幅方向内側の端縁部は、前側アンダーカバー21及び後側アンダーカバー22上に支持されている。
下側部材32の後端縁部は、上側に立ち上がる縦壁部32bとされ、この縦壁部32bが、複数箇所でクリップ40により上側部材31の折曲部31bに取付固定されている。複数のクリップ40の一部は、下側部材32の縦壁部32bを上側部材31の折曲部31bのみに取付固定する(図6~図8参照)。一方で、複数のクリップ40の残部は、マットガード9の前端部と共に、縦壁部32bを折曲部31bに取付固定する(図4参照)。
このように下側部材32は、クリップ38,40及びボルト39,41により、その周縁部の複数箇所で上側部材31に固定されていることになる。また、下側部材32は、上記周縁部以外の部分に、上側部材31に引っ掛けられる引掛部32cを有している。本実施形態では、引掛部32cは、後述の立壁部32hの上端面から上側に延びるように設けられている。引掛部32cには、クリップ34が挿通されるクリップ挿通孔32dが形成されている。
下側部材32が上側部材31に固定される際、引掛部32cが、上側部材31に形成された貫通孔31cを通って上側部材31の上側に露出する。上側部材31の上面において貫通孔31cの側方には、クリップ挿通孔31dが形成された突出部31eが設けられている。上側部材31の上側に露出した引掛部32cのクリップ挿通孔32dは、突出部31eのクリップ挿通孔31dと対向する。これらクリップ挿通孔32d,31dにクリップ34を挿通することで、クリップ34がクリップ挿通孔32d,31dに係合される。これにより、引掛部32cが上側部材31に引っ掛けられることになる。
下側部材32における周縁部以外の部分は、該周縁部よりも下側に凹む凹部とされ、下側部材32が上側部材31に取付固定された状態にあるとき、凹部の上側の開口が上側部材31により塞がれることで、凹部が、上側部材31と下側部材32との間に形成される内部空間とされる。
フロントデフレクタ30の下面(下側部材32の下面)における後端部でかつ車幅方向外側の部分には、下側に突出しかつ車両1の前進走行時に生じる走行風を前側の端面により車幅方向外側へガイドするフィン部32fが設けられている。このフィン部32fの前側端面に、走行風が当たる。フィン部32fの前側端面は、車幅方向外側の端部を除いて、車幅方向外側に向かって後側に傾斜し、フィン部32fの前側端面における車幅方向外側の端部は、車幅方向外側に略真っ直ぐに延びている。フィン部32fの車幅方向外側の端は、前輪3(ここでは、左側の前輪3)の車幅方向外側の端面よりも車幅方向内側に位置する(図2及び図3参照)。
下側部材32の凹部において、フィン部32fに対応する部分の凹み量は、他の部分の凹み量よりも大きくなっている。フィン部32fの後側の端面は、縦壁部32bで構成される。
フロントデフレクタ30(詳細には、下側部材32)は、前方に向けて開口しかつ車両1の前進走行時にフロントデフレクタ30の内部空間に空気を取り入れるための第2の空気取入口32g(図1~図3、図5及び図6参照)と、第2の空気取入口32gから内部空間に取り入れた空気を、後側に案内する第2のダクト32e(図5及び図9参照)と、該第2のダクト32eを通過した空気を車幅方向外側に向けて斜めに排出する第2の空気排出口32i(図4及び図9参照)とを備えている。
第2の空気取入口32gは、フロントデフレクタ30における前側かつ車幅方向内側の部分に設けられている。第2の空気取入口32gは、前輪3よりも車幅方向内側に位置している。第2の空気取入口32gは、車両1の正面視で、第1の空気取入口61と車幅方向に並んでいる。具体的には、図2に示すように、第2の空気取入口32gは、第1の空気取入口61よりも車幅方向内側に位置する。第2の空気取入口32gは、車両1の正面視で、車幅方向に延びる細長い矩形状をなしている。また、車幅方向において、第2の空気取入口32gの車幅方向外側の端部は、第1の空気取入口61の車幅方向内側の端部と略同じ位置に位置する。尚、ここでいう「略同じ位置」とは、第2の空気取入口32gの車幅方向外側の端部と第1の空気取入口61の車幅方向内側の端部とが、車幅方向において完全に同じ位置にある場合を含む。
尚、ここでいう「車幅方向に並んでいる」とは、一方の空気取入口(例えば、第2の空気取入口32g)の全体が他方の空気取入口(例えば、第1の空気取入口61)に対して上下方向に重複していないという意味である。すなわち、必ずしも2つの空気取入口が車幅方向に重複している必要はない。また、ここでいう「車幅方向に並んでいる」とは、一方の空気取入口と他方の空気取入口とが上下方向に部分的に重複している場合も含む。より具体的には、一方の空気取入口の車幅方向外側の端部が他方の空気取入口の車幅方向外側の端部よりも車幅方向内側に位置するとともに、一方の空気取入口の車幅方向内側の端部が他方の空気取入口の車幅方向内側の端部よりも車幅方向内側に位置していればよい。
第2の空気排出口32iは、第2の空気取入口32gよりも車幅方向外側に位置しているとともに、車両1の正面視で前輪3と重複する位置に位置している。第2の空気排出口32iは、フロントダンパー6の下端(詳細には、フェンダー下部10aの下端)よりも下側に位置する。第2の空気排出口32iは、前輪ホイールハウス8側から見て、第1の空気排出口65と上下方向に並んでいる。具体的には、図4に示すように、第2の空気排出口32iは、第1の空気排出口65と上下方向に離間しかつ、第1の空気排出口65よりも車幅方向内側に位置する。第2の第2の空気排出口32iの開口面積(特に上下方向の長さ)は、第2の空気取入口32gの開口面積(特に上下方向の長さ)よりも大きくされている。この構成は、第2の空気排出口32iがフィン部32fの後側の端面に開口していることで、可能になる。
尚、ここでいう「上下方向に並んでいる」とは、一方の空気排出口(例えば、第2の空気排出口32i)の全体が他方の空気排出口(例えば、第1の空気排出口62)に対して車幅方向に重複していないという意味である。すなわち、必ずしも2つの空気排出口が上下方向に重複している必要はない。また、ここでいう「上下方向に並んでいる」とは、一方の空気排出口と他方の空気排出口とが車幅方向に部分的に重複している場合も含む。より具体的には、一方の空気排出口の下端部が他方の空気排出口の下端部よりも下側に位置するとともに、一方の空気排出口の上端部が他方の空気排出口の上端部よりも下側に位置していればよい。
第2のダクト32eは、下側部材32の凹部により構成されている。第2のダクト32eは、該ダクト内で走行風を後側かつ車幅方向外側に指向させるガイド部としての立壁部32h(図5及び図9参照)を有する。立壁部32hによって、フロントデフレクタ30の内部空間は、車幅方向において内側空間部と外側空間部とに区画され、外側空間部が第2のダクト32eとされる。第2の空気取入口32g及び第2の空気排出口32iは、外側空間部に連通することになる。
図5に示すように、立壁部32hは、第2のダクト32eの底部に立設されていて、第2の空気取入口32gに対して車幅方向内側の近傍部分から、第2の空気排出口32iに対して車幅方向内側の近傍部分に向かって、後側に向かって車幅方向外側に傾斜して延びている。立壁部32hの、前後方向に対する車幅方向外側への傾斜角は、立壁部32hにより指向される空気(走行風)が、第2の空気排出口32iから排出された後に前輪3に当たらないように設定されている。
第2のダクト32eの底部における立壁部32hの内側空間部側には、立壁部32hが風圧によって内側空間部側に変位しないように、立壁部32hに対して垂直な方向に延びる複数のリブ32jが立設されている。また、上記のように、下側部材32における周縁部以外の部分に、上側部材31に引っ掛けられる引掛部32cが設けられていることで、下側部材32における周縁部以外の部分(特に中央部及びその近傍部分)の下側への変位が防止される。さらに、引掛部32cが立壁部32hの上端面に設けられていることで、下側部材32における周縁部以外の部分の下側への変位が防止されることに加えて、立壁部32hの変形も防止される。尚、引掛部32cは、立壁部32hの長手方向の中央部又はその近傍部分に設けることが好ましい。
前記のフロントデフレクタ30の構成により、車両1の前進走行時において、第2の空気取入口32gから第2のダクト32eに空気(走行風)が取り入れられ、第2のダクト32eで立壁部32hにより空気が後側かつ車幅方向外側に指向される。指向された走行風は、第2の空気排出口32iから後側に向かって車幅方向外側に斜めに排出される(図3に示す、フロントデフレクタ30の内部空間を通過する走行風の流れF2を参照)。立壁部32hにより走行風が指向されることによって、その走行風は、第2の空気排出口32iから排出された後に前輪3には当たらない。また、フィン部32fの後側の空間の気圧は、その空間の前のフィン部32fによって負圧になり易い。さらに、第2の空気排出口32iがフィン部32fの後側の端面に開口しているとともに、第2の空気取入口32gよりも車幅方向外側に位置しているので、フロントデフレクタ30の内部空間を通過しながら立壁部32hにより指向された走行風は、第2の空気排出口32iから後側に向かって車幅方向外側に斜めにスムーズにかつ勢い良く排出される。尚、図3において、走行風の流れF2は、走行風の流れF1の車幅方向内側を流れるような記載になっているが、実際には、走行風の流れF1とF2とは、車幅方向における略同じ位置を流れる。
一方、フィン部32fによって、フィン部32fの前側の端面に当たった走行風は、車幅方向外側に偏向される。本実施形態では、第2の空気排出口32iから排出された走行風によって、フィン部32fにより偏向された走行風が、前輪3に当たらないように車幅方向外側へ押し出される。これにより、フィン部32fにより偏向された走行風も、前輪3に当たらなくなる。
以上のように、本実施形態に係る車両1の前部2は、前輪3の車幅方向外側にエアカーテンを形成するエアカーテン機構60と、前輪3の車幅方向外側に向かって走行風を排出するダクトを有するフロントデフレクタ30とを備える。エアカーテン機構60とフロントデフレクタ30とを併用する場合、前輪3の車幅方向外側で、エアカーテン機構60により形成されたエアカーテンとフロントデフレクタ30により偏向された走行風とが干渉して、前輪3の車幅方向外側に渦が発生するおそれがある。これに対して、本実施形態では、エアカーテン機構60の第1の空気排出口65とフロントデフレクタ30の第2の空気排出口32iとが上下方向に並んでいるため、第1の空気排出口65から車幅方向外側に排出された走行風と、第2の空気排出口32iから車幅方向外側に排出された走行風とが干渉しにくい。これにより、空気の渦が前輪3の車幅方向外側に発生することを抑制することができる。また、第1の空気排出口65と第2の空気排出口32iとが上下方向に並んでいることにより、前輪3の車幅方向外側を流れる走行風を上下方向に出来る限り広い範囲で整流することができる。
さらに、本実施形態では、エアカーテン機構60の第1の空気取込口61とフロントデフレクタ30の第2の空気取入口32gとが車幅方向に並んでいるため、車幅方向に出来る限り広い範囲で空気(走行風)を取り込むことができる。これにより、車両1の前部2の下面やフロントバンパー6の側面に沿って流れる走行風の量を抑えることができる。
したがって、車両1の前進走行時における前輪3近傍の気流の乱れを出来る限り抑制することができる。
特に、本実施形態において、第1の空気取入口61及び第2の空気取入口32gは、車幅方向に延びており、車幅方向において、第2の空気取入口32gの車幅方向外側の端部は、第1の空気取入口61の車幅方向内側の端部と略同じ位置に位置している。これにより、車幅方向により広い範囲で走行風を取り込むことができる。この結果、車両1の前進走行時における前輪2近傍の気流の乱れを更に効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、第1の空気排出口65は、前輪ホイールハウス8を構成するマットガード9の車幅方向外側の端部に設けられている。これにより、第1の空気排出口65から排出される走行風と前輪3との干渉を効果的に抑制することができる。この結果、車両1の前進走行時における前輪3近傍の気流の乱れをより効果的に抑制することができる。
特に、本実施形態おいて、第1のダクト62の拡大部62cは、後側に向かって車幅方向外側に傾斜している。これにより、第1のダクト62内の走行風は、拡大部62cを通るときに車幅方向外側に指向されて、第1の空気排出口65から、後側に向かって車幅方向外側に斜めに排出される。この結果、第1の空気排出口65から排出される走行風と前輪3との干渉をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、第2の空気排出口32iは、フロントバンパー6の下端よりも下側に位置する。これにより、第1の空気排出口65から排出される走行風で整流しにくい、フロントバンパー6よりも下側の走行風を、第2の空気排出口32iから排出される走行風により整流することができる。この結果、車両1の前進走行時における前輪3近傍の気流の乱れを一層効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、第1の空気排出口65は、上下方向に延びている。これにより、前輪3の車幅方向外側において、第1の空気排出口65から排出される走行風により整流される範囲を広くすることができる。この結果、車両1の前進走行時における前輪3近傍の気流の乱れをより一層効果的に抑制することができる。
特に、本実施形態において、第1の空気排出口65は、前輪ホイールハウス8側から見て、上下方向に細長く延びる矩形状をなしている。これにより、第1の空気排出口65から排出される走行風と前輪3との干渉を一層効果的に抑制することができる。また、第1の空気排出口65が細長くなっていることにより、当該走行風にある程度の勢いを付けることができる。このため、前輪3の車幅方向外側にエアカーテンを効果的に形成することができる。これらの結果、車両1の前進走行時における前輪3近傍の気流の乱れをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、第2の空気取入口32gは、第1の空気取入口61よりも車幅方向内側に位置し、第2の空気排出口32iは、第1の空気排出口65よりも車幅方向内側に位置している。これにより、第1のダクト62の長さ及び第2のダクト32eの長さをできる限り短くすることができ、第1及び第2の空気取入口61,32gから導入された走行風を、第1及び第2の空気排出口65,32iからスムーズに排出することができる。この結果、車両1の前進走行時における前輪3近傍の気流の乱れを一層効果的に抑制することができる。
本開示に係る技術は、前記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、前述の実施形態において、第1の空気排出口65と第2の空気排出口32iとは、上下方向に離間していたが、例えば、第1の空気排出口65の下端部と、第2の空気排出口32iの上端部とが、同じ高さに位置していてもよい。この構成でも、前輪3の車幅方向外側を流れる走行風を、上下方向に出来る限り広い範囲で整流することができる。
また、前述の実施形態において、第2の空気取入口32gの車幅方向外側の端部は、第1の空気取入口61の車幅方向内側の端部と略同じ位置に位置していた。これに限らず、第1の空気取入口61と第2の空気取入口32gとが車幅方向に離間していてもよい。
また、前述の実施形態において、第1の空気排出口65は、前輪ホイールハウス8を構成するマットガード9の車幅方向外側の端部に設けられていた。これに限らず、第1の空気排出口65から排出される走行風が前輪3と干渉しない位置であれば、第1の空気排出口65は、マットガード9の車幅方向外側の端部に設けられていなくてもよい。
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示に係る技術の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示に係る技術の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示に係る技術の範囲内のものである。
ここに開示された技術は、車両の前部構造に有用である。
1 車両
3 前輪
6 フロントバンパー
8 前輪ホイールハウス
9 マットガード
30 フロントデフレクタ
32e 第2のダクト
32g 第2の空気取入口
32i 第2の空気排出口
61 第1の空気取込口
62 第1のダクト
65 第1の空気排出口

Claims (5)

  1. 車両の前部構造であって、
    車幅方向の延びるフロントバンパーと、
    前記フロントバンパーの車両内側に設けられ、前記車両の前輪の車幅方向外側にカーテン状の気流を生成するエアカーテン機構と、
    前記前輪を収容する前輪ホイールハウスよりも車両前側の下面に設けられるフロントデフレクタとを備え、
    前記エアカーテン機構は、
    前記フロントバンパーの車幅方向外側の部分において車両前側に向けて開口し、前記車両の前進走行時に空気を取り入れるための第1の空気取入口と、
    前輪ホイールハウスよりも前側に設けられ、前記第1の空気取入口から取り入れた空気を車両後側に案内する第1のダクトと、
    前記前輪よりも前側でかつ前記車両の正面視で該前輪と重複する位置において車両後側に向けて開口し、前記第1のダクトを通過した空気を車幅方向外側に向けて排出する第1の空気排出口と、
    を有し、
    前記フロントデフレクタは、
    前記フロントデフレクタの車両前側の部分において車両前側に向けて開口し、前記車両の前進走行時に空気を取り入れるための第2の空気取入口と、
    前記第2の空気取入口から取り入れた空気を車両後側に案内する第2のダクトと、
    前記車両の正面視で該前輪と重複する位置において車両後側に向けて開口し、前記第2のダクトを通過した空気を車幅方向外側に向けて斜めに排出する第2の空気排出口と、
    を有し、
    前記第1の空気取入口と前記第2の空気取入口とは、前記車両の正面視で車幅方向に並んでおり、
    前記第1の空気排出口と前記第2の空気排出口とは、前記前輪ホイールハウス側から見て上下方向に並んでいることを特徴とする車両の前部構造。
  2. 請求項1に記載の車両の前部構造において、
    前記第1の空気排出口は、前記前輪ホイールハウスを構成するマットガードの車幅方向外側の端部に設けられていることを特徴とする車両の前部構造。
  3. 請求項2に記載の車両の前部構造において、
    前記第2の空気排出口は、前記フロントバンパーの下端よりも下側に位置することを特徴とする車両の前部構造。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の車両の前部構造において、
    前記第2の空気取入口は、前記第1の空気取入口よりも車幅方向内側に位置し、
    前記第2の空気排出口は、前記第1の空気排出口よりも車幅方向内側に位置することを特徴とする車両の前部構造。
  5. 請求項4に記載の車両の前部構造において、
    前記第1の空気取入口及び前記第2の空気取入口は、前記車両の正面視で車幅方向に延びており、
    車幅方向において、前記第2の空気取入口の車幅方向外側の端部は、前記第1の空気取入口の車幅方向内側の端部と略同じ位置に位置していることを特徴とする車両の前部構造。
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