JP2014054958A - 車両下部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】下壁部の下面に形成されたガイド部によって走行風を所定の方向へ整流する。
【解決手段】車両下部構造Sが適用された車両10では、下壁部16に第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32が形成されており、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32は車両下方へ開放されている。これにより、下壁部16の下面に沿って流れる走行風の一部が、第1フロント溝部26内及び第2フロント溝部34内に導入されて、第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36の後端部から車両幅方向外側へ排出される。したがって、下壁部16に形成された第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって走行風が所定の方向へ整流されて、フロントタイヤ12に直接当たる走行風を減少させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】車両下部構造Sが適用された車両10では、下壁部16に第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32が形成されており、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32は車両下方へ開放されている。これにより、下壁部16の下面に沿って流れる走行風の一部が、第1フロント溝部26内及び第2フロント溝部34内に導入されて、第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36の後端部から車両幅方向外側へ排出される。したがって、下壁部16に形成された第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって走行風が所定の方向へ整流されて、フロントタイヤ12に直接当たる走行風を減少させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両下部構造に関する。
下記の特許文献1に記載されたサイドアンダーカバー構造では、フロントバンパの下面とフロントタイヤ(車輪)の前部との間にサイドアンダーカバー(下壁部)が設けられている。このサイドアンダーカバーには、車両上方に突出された複数の山状部が形成されており、山状部には貫通孔が形成されている。そして、車両の走行時に貫通孔を介して下側へ流れる空気によって、フロントバンパの下端で一旦剥離した走行風が下方へ押し下げられる。これにより、フロントタイヤの前面に当たる流速の速い空気が減少される。
しかしながら、このサイドアンダーカバー構造では、貫通孔を通過する空気によって走行風を車両下側へ押し下げており、例えばサイドアンダーカバーに形成された山状部によって走行風を所定の方向へ整流することについては記載されていない。これにより、車輪の車両前方側における走行風の整流において未だ改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮し、下壁部の下面に形成されたガイド部によって走行風を所定の方向へ整流できる車両下部構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両下部構造は、車輪の車両前方側において車両の下部を構成する下壁部と、前記下壁部の下面に形成され、車両下方へ開放された溝状を成すと共に、車両前方からの走行風を車両幅方向へ整流するガイド部と、を備えている。
請求項1に記載の車両下部構造では、車輪の車両前方側において車両の下部が下壁部によって構成されており、下壁部の下面にガイド部が形成されている。このガイド部は、車両下方へ開放された溝状を成している。そして、車両の走行時には、下壁部の下面に沿って流れる走行風の一部がガイド部によって車両幅方向へ整流されるため、走行風の主流の一部が車輪へ向けて流れることが抑制される。これにより、下壁部の下面に形成されたガイド部によって走行風が所定の方向へ整流されて、車輪に直接当たる走行風を減少させることができる。
請求項2に記載の車両下部構造は、請求項1に記載された車両下部構造において、前記下壁部の一部を車両上方へ突出させることで前記ガイド部が形成されている。
請求項2に記載の車両下部構造では、下壁部の一部を車両上方へ突出させることで、ガイド部が形成されているため、例えば下壁部の一部を車両下方へ突出させることなく、車輪の車両前方側における走行風を整流できる。
また、例えば、下壁部の一部を車両下方へ突出させてガイド部を形成する場合に比べて、ガイド部によって整流される走行風の量を大きくできる。すなわち、下壁部を車両下方へ突出させてガイド部を形成する場合には、路面と下壁部との間の距離によって下壁部の突出高さが制限される。このため、この場合には、ガイド部によって整流される走行風の量が制限される。一方、下壁部の一部を車両上方へ突出させることでガイド部が形成されているため、ガイド部の溝深さを深く設定できる。これにより、ガイド部によって整流される走行風の量を大きくできる。
請求項3に記載の車両下部構造は、請求項1又は請求項2に記載の車両下部構造において、前記ガイド部は、車両前方からの走行風を車両幅方向外側へ整流する。
請求項3に記載の車両下部構造では、走行風が、ガイド部によって、車両幅方向内側ではなく車両幅方向外側へ整流される。このため、ガイド部によって整流された走行風が車両の床下における空気乱れの要因となることを抑制できる。すなわち、仮にガイド部によって整流された走行風が車両幅方向内側へ整流された場合には、ガイド部によって整流された走行風によって車両の床下における空気が乱れる可能性がある。一方、ガイド部によって走行風を車両幅方向外側へ整流することで、ガイド部によって整流された走行風が車両の床下における空気乱れの要因になることを抑制できる。
請求項4に記載の車両下部構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両下部構造において、前記ガイド部は、前記ガイド部の前部を構成し、平面視で車両前後方向に延びると共に、車両前方からの走行風が導入される導入溝部と、前記導入溝部の車両後方側において前記導入溝部と連通され、平面視で車両後方へ向かうに従い車両幅方向外側へ傾斜されて前記導入溝部に導入された走行風を前記車輪の車両幅方向外側へ排出させる排出溝部と、を含んで構成されている。
請求項4に記載の車両下部構造では、ガイド部が、ガイド部の前部を構成する導入溝部と、導入溝部の車両後方側において導入溝部と連通される排出溝部と、を含んで構成されている。また、導入溝部は平面視で車両前後方向に延びており、排出溝部は平面視で車両後方へ向かうに従い車両幅方向外側へ傾斜されている。そして、導入溝部に導入された走行風が排出溝部によって車輪の車両幅方向外側へ排出される。これにより、ガイド部から排出される走行風によって車輪の車両幅方向外側の領域における空気を整流できる。したがって、車輪の車両前方側における走行風をガイド部によって有効な方向に整流できる。
請求項5に記載の車両下部構造は、請求項4に記載の車両下部構造において、前記排出溝部が平面視で曲線状に傾斜されている。
請求項5に記載の車両下部構造では、排出溝部が、平面視で曲線状に傾斜されているため、ガイド部に導入された走行風を導入溝部から排出溝部へスムースに流すことができる。
請求項6に記載の車両下部構造は、請求項4又は請求項5に記載の車両下部構造において、前記導入溝部における前端壁が、側面視で車両後方へ向かうに従い車両上方へ傾斜して配置されている。
請求項6に記載の車両下部構造では、導入溝部における前端壁が、側面視で車両後方へ向かうに従い車両上方へ傾斜して配置されているため、ガイド部の走行風に対する整流効果を高くできる。すなわち、仮に、導入溝部における前端壁が車両前後方向に直交する方向(車両上下方向)に沿って配置された場合には、この前端壁の車両後方側に渦流が発生する。このため、走行風に対するガイド部の整流効果が減少する。一方、前端壁は側面視で車両後方へ向かうに従い車両上方へ傾斜されている。このため、前端壁の車両後方側に渦流が発生することが抑制されて、走行風に対するガイド部の整流効果を高くできる。
請求項1に記載の車両下部構造によれば、下壁部の下面に形成されたガイド部によって走行風を所定の方向へ整流できる。
請求項2に記載の車両下部構造によれば、例えば、下壁部の一部を車両下方へ突出させてガイド部を形成する場合に比べて、ガイド部によって整流される走行風の量を大きくできる。
請求項3に記載の車両下部構造によれば、ガイド部によって整流された走行風が床下の空気乱れの要因となることを抑制できる。
請求項4に記載の車両下部構造によれば、車輪の車両前方側における走行風を有効な方向に整流できる。
請求項5に記載の車両下部構造によれば、ガイド部に導入された走行風を導入溝部から排出溝部へスムースに流すことができる。
請求項6に記載の車両下部構造によれば、ガイド部の走行風に対する整流効果を高くできる。
図1には、本実施の形態に係る車両下部構造Sが適用された車両10の前部における車両左側部分が車両左斜め前方から見た一部破断された斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車両左方(車両幅方向一側)を矢印LHで示し、車両上方を矢印UPで示す。また、車両10の前部における車両下部構造Sでは、車両幅方向において左右対称に構成されているため、車両10の前部における車両左側の部分について説明して、車両10の前部における車両右側の部分についての説明は省略する。
この図に示されるように、車両10は、「車輪」としてのフロントタイヤ12を備えており、フロントタイヤ12の径方向外側にフェンダライナ14が配置されている。このフェンダライナ14は、側面視で車両下方へ開放された略アーチ形板状に形成されて、フロントタイヤ12の上部を車両上方側から覆っている。また、フェンダライナ14の前端部は、板厚方向を車両上下方向にして車両前方側へ屈曲されて、バンパカバー18の下端部に結合されている。これにより、フロントタイヤ12の車両前方側における車両10の下部が、フェンダライナ14の前端部によって構成されており、この部分が下壁部16とされている。そして、フェンダライナ14の下壁部16の後部には、エアスパッツ20が設けられている。このエアスパッツ20は、側面視で略逆L字形板状に形成されて、下壁部16から車両下方へ突出されている。
図2にも示されるように、フェンダライナ14の下壁部16には、ガイド部22が一体に形成されている。このガイド部22は、第1ガイド溝24と第2ガイド溝32とを含んで構成されており、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32は、車両幅方向に並んで配置されている。
第1ガイド溝24は、車両下方へ開放された溝状を成して、フェンダライナ14の下壁部16から車両上方へ突出されている。また、第1ガイド溝24は、第1ガイド溝24の前部を構成する「導入溝部」としての第1フロント溝部26と、第1ガイド溝24の後部を構成する「排出溝部」としての第1リヤ溝部28と、を含んで構成されている。
第1フロント溝部26は、平面視で車両前後方向に沿って配置されている。そして、第1フロント溝部26の内側の面が、第1フロントガイド面26A(広義には、「導入ガイド面」として把握される要素である)とされている。また、第1フロント溝部26における前端部の壁が、「前端壁」としての第1前端壁30とされており、第1前端壁30は側面視で車両後方へ向かうに従い車両上方へ傾斜して配置されている。これにより、フェンダライナ14の下壁部16と第1フロント溝部26の底壁とが、第1前端壁30によって連結されている。
第1リヤ溝部28は、第1フロント溝部26の車両後方側に配置されて、平面視で車両右斜め後方に凸となるように湾曲されると共に、第1フロント溝部26と連通されている。これにより、第1リヤ溝部28は、平面視で車両後方へ向かうに従い車両幅方向外側へ曲線状に傾斜されている。そして、第1リヤ溝部28の後端部に接する接線L1と車両前後方向に沿った基準線Wとの成す角度が傾斜角度θとされている。また、第1リヤ溝部28の内側の面が、第1リヤガイド面28A(広義には、「排出ガイド面」として把握される要素である)とされている。
第2ガイド溝32は、第1ガイド溝24の車両幅方向外側に配置されて、車両下方へ開放された溝状を成すと共に、フェンダライナ14の下壁部16から車両上方へ突出されている。そして、第2ガイド溝32は、平面視で第1ガイド溝24と略相似形を成している。すなわち、第2ガイド溝32の前部が、「導入溝部」としての第2フロント溝部34とされており、第2フロント溝部34は、平面視で車両前後方向に沿って配置されている。また、第2フロント溝部34の内側の面が、第2フロントガイド面34A(広義には、「導入ガイド面」として把握される要素である)とされている。さらに、第2ガイド溝32の車両後方側部分は、「排出溝部」としての第2リヤ溝部36とされており、第2リヤ溝部36は、平面視で車両後方へ向かうに従い車両幅方向外側へ曲線状に傾斜されている。また、第2リヤ溝部36の内側の面が、第2リヤガイド面36A(広義には、「排出ガイド面」として把握される要素である)とされている。そして、第2フロント溝部34における前端部の壁が、「前端壁」としての第2前端壁38とされており、第2前端壁38は側面視で車両後方へ向かうに従い車両上方へ傾斜して配置されている。これにより、フェンダライナ14の下壁部16と第2フロント溝部34の底壁とが、第2前端壁38によって連結されている。さらに、第2リヤ溝部36の後端部に接する接線L2と基準線W1との成す角度が傾斜角度θとされている。
なお、第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36の後端部は、車両幅方向外側へ開放されているが、第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36の後端部を第1前端壁30及び第2前端壁38と同様に車両幅方向外側へ向かうに従い車両下方へ傾斜する壁によって構成してもよい。
次に、本実施の形態における作用及び効果について説明する。
上記のように構成された車両下部構造Sが適用された車両10が走行すると、フェンダライナ14の下壁部16の車両下方側に走行風が生じる。
ここで、フェンダライナ14の下壁部16には、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32が形成されており、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32は車両下方へ開放されている。これにより、下壁部16の下面に沿って流れる走行風の一部が、第1前端壁30及び第2前端壁38に沿って第1フロント溝部26内及び第2フロント溝部34内に導入されて、第1フロントガイド面26A及び第2フロントガイド面34Aに沿って車両後方側へ整流される。そして、この走行風は、第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36へ導入されて、第1リヤガイド面28A及び第2リヤガイド面36Aに沿って車両幅方向外側へ整流される。さらに、第1リヤガイド面28A及び第2リヤガイド面36Aに沿って整流された走行風は、第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36の後端部から車両幅方向外側へ排出されると共に、フロントタイヤ12の車両幅方向外側の領域に排出される。これにより、車両10の走行時には、フェンダライナ14の下壁部16の下面に沿って流れる走行風の一部が第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって車両幅方向外側へ整流されるため、下壁部16の車両下側における走行風の主流の一部がフロントタイヤ12へ向けて流れることが抑制される。したがって、下壁部16に形成された第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって走行風が所定の方向へ整流されて、フロントタイヤ12に直接当たる走行風を減少させることができる。
また、下壁部16の一部を車両上方へ突出させることで、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32が形成されている。このため、例えば、下壁部16の一部を車両下方へ突出させることなく、フロントタイヤ12の車両前方側における走行風を整流できる。
さらに、例えば、下壁部16の一部を車両下方側へ突出させることでガイド部22(第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32)を形成する場合に比べて、ガイド部22によって整流される走行風の量を大きくできる。すなわち、下壁部16の一部を車両下方へ突出させてガイド部22を形成する場合には、フェンダライナ14の下壁部16と路面との間の距離によって下壁部16の突出高さが制限される。このため、この場合には、ガイド部22によって整流される走行風の量が制限される。一方、下壁部16の一部を車両上方へ突出させることでガイド部22(第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32)が形成されているため、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32の溝深さを深く設定できる。これにより、ガイド部22によって整流される走行風の量を大きくできる。
また、上述したように、フェンダライナ14の下壁部16の一部を車両上方へ突出させることでガイド部22(第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32)が形成されているため、フェンダライナ14の下壁部16に走行風を整流するための孔を設ける必要がなくなる。これにより、仮にフェンダライナ14の下壁部16に孔を設けた場合における異物等が当該孔から車両10の内部へ侵入することを抑制できる。
さらに、上述したように、フロントタイヤ12の車両前方側における走行風の一部が、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって、車両幅方向内側ではなく車両幅方向外側へ整流される。このため、例えば、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって整流された走行風が車両10の床下における空気乱れの要因となることを抑制できる。すなわち、仮に第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって整流された走行風が車両幅方向内側へ整流された場合には、この整流された走行風によって車両10の床下における空気が乱れる可能性がある。一方、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって走行風が車両幅方向外側へ整流されるため、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって整流された走行風が車両10の床下における空気乱れの要因となることを抑制できる。
また、第1ガイド溝24の後部(第1リヤ溝部28)及び第2ガイド溝32の後部(第2リヤ溝部36)が、平面視で車両後方へ向かうに従い車両幅方向外側へ傾斜されて、上述したように、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって整流された走行風が、フロントタイヤ12の車両幅方向外側の領域に排出される。これにより、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32から排出された走行風によってフロントタイヤ12の車両幅方向外側の領域における空気を整流できる。したがって、フロントタイヤ12の車両前方側の走行風を第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって有効な方向に整流できる。
しかも、第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36は、平面視で車両幅方向内側斜め後方に凸となるように湾曲されている。すなわち、第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36は、平面視で車両後方へ向かうに従い車両幅方向外側へ曲線状に傾斜されている。これにより、走行風を第1フロント溝部26及び第2フロント溝部34から第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36へスムースに流すことができる。
さらに、上述したように、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32はフェンダライナ14の下壁部16に形成されている。すなわち、フェンダライナ14を利用して第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32が形成されている。これにより、部品点数を増加させることなく簡易な構成で、フロントタイヤ12の車両前方側における走行風の一部を車両幅方向外側へ整流できる。しかも、各種の車両に対して第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36における傾斜角度θを適宜設定することで、フロントタイヤ12の車両幅方向外側の領域における空気の乱れを各種の車両に対応して抑制できる。
また、第1ガイド溝24の第1前端壁30及び第2ガイド溝32の第2前端壁38は、側面視で車両後方へ向かうに従い車両上方へ傾斜して配置されている。このため、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32の走行風に対する整流効果を高くできる。すなわち、仮に、第1前端壁30及び第2前端壁38が車両前後方向に直交する方向(車両上下方向)に沿って配置された場合には、第1前端壁30及び第2前端壁38の車両後方側に渦流が発生する。このため、走行風に対する第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32の整流効果が減少する。一方、第1前端壁30及び第2前端壁38は、側面視で車両後方へ向かうに従い車両上方へ傾斜されている。このため、第1前端壁30及び第2前端壁38の車両後方側に渦流が発生することが抑制されて、走行風に対する第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32の整流効果を高くできる。
なお、本実施の形態では、フェンダライナ14の下壁部16と第1ガイド溝24(第2ガイド溝32)の底壁とが、第1前端壁30(第2前端壁38)によって連結されている。これに替えて、図3(A)に示されるように、第1ガイド溝24(第2ガイド溝32)から第1前端壁30(第2前端壁38)を省略すると共に、第1ガイド溝24(第2ガイド溝32)の底壁を、車両後方へ向かうに従い車両上方へ傾斜させて、下壁部16に接続させてもよい。
また、本実施の形態では、ガイド部22が第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32の2本のガイド溝によって構成されているが、ガイド部22を1本のガイド溝で構成してもよいし、3本以上のガイド溝で構成してもよい。また、図3(B)に示されるように、第1ガイド溝24の第1フロント溝部26と第2ガイド溝32の第2フロント溝部34とを一体にすると共に、この一体にされたフロント溝部から第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36を分岐させるように構成してもよい。
さらに、本実施の形態では、車両下部構造Sが車両10におけるフロントタイヤ12の車両前方側の部分に適用されているが、車両下部構造Sを車両10における「車輪」としてのリヤタイヤ40の車両前方側の部分にも適用してもよい。この場合の一例として、図4に示されるように、リヤタイヤ40の車両前方側に配置されたロッカモール42の下部を構成する下壁部44にガイド部22を形成してもよい。なお図4に示される一例では、ガイド部22が1本の第1ガイド溝24で構成されており、この第1ガイド溝24の底壁が、車両後方へ向かうに従い車両上方へ傾斜されると共に、下壁部44に接続されている。
また、本実施の形態では、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32の前端部がバンパカバー18の車両後方側に配置されている。これに替えて、図5に示されるように、バンパカバー18に一対の略矩形状の開口部18Aを形成すると共に、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32の前端部を車両前方側へ延ばして開口部18Aに連通するように構成してもよい。これにより、開口部18Aの車両前方側の空気を開口部18Aから第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32へ導入して、例えば、フロントタイヤ12の車両幅方向外側の領域における空気乱れを抑制できる。
さらに、本実施の形態では、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって走行風が車両幅方向外側へ整流されるように構成されている。これに替えて、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32によって走行風を車両幅方向内側へ整流するように構成してもよい。この場合には、例えば、図2に示される第1フロント溝部26と第2フロント溝部34との間の車両前後方向に沿った基準線W2に対して、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32を反転させるように配置してもよい。さらに、この場合には、第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36の後端部を、第1前端壁30及び第2前端壁38と同様に、車両幅方向内側へ向かうに従い車両下方へ傾斜する壁によって構成してもよい。
さらに、本実施の形態では、フェンダライナ14の下壁部16の一部を車両上方へ突出させることでガイド部22(第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32)が形成されている。これに替えて、フェンダライナ14の下壁部16から車両下方へ突出する複数のフィンを設けて、このフィンの間の部分をガイド部22として構成してもよい。この場合には、下壁部16の一部を車両下方へ突出させて当該フィンを形成してもよいし、フィンをフェンダライナ14と別部材で構成して、この別部材で構成されたフィンを下壁部16に固定してもよい。
また、本実施の形態では、第1ガイド溝24の第1リヤ溝部28及び第2ガイド溝32の第2リヤ溝部36が平面視で曲線状に傾斜されているが、第1リヤ溝部28及び第2リヤ溝部36を平面視で直線状に傾斜させてもよい。
さらに、本実施の形態では、第1ガイド溝24(第2ガイド溝32)が、平面視で車両前後方向に沿って延びる第1フロント溝部26(第2フロント溝部34と、車両後方へ向かうに従い車両幅方向外側へ傾斜された第1リヤ溝部28(第2リヤ溝部36)と、を含んで構成されている。これに替えて、第1ガイド溝24(第2ガイド溝)の全体を平面視で車両後方へ向かうに従い車両幅方向外側へ直線状又は曲線状に傾斜させて配置させてもよい。
また、本実施の形態では、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32がフェンダライナ14の下壁部16に形成されているが、第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32を形成する部材はこれに限らない。例えば、フロントタイヤ12とバンパカバー18との間に配置されたアンダーカバーに第1ガイド溝24及び第2ガイド溝32を形成してもよい。
10 車両
12 フロントタイヤ(車輪)
16 下壁部
22 ガイド部
26 第1フロント溝部(導入溝部)
28 第1リヤ溝部(排出溝部)
30 第1前端壁(前端壁)
34 第2フロント溝部(導入溝部)
36 第2リヤ溝部(排出溝部)
38 第2前端壁(前端壁)
40 リヤタイヤ(車輪)
44 下壁部
S 車両下部構造
12 フロントタイヤ(車輪)
16 下壁部
22 ガイド部
26 第1フロント溝部(導入溝部)
28 第1リヤ溝部(排出溝部)
30 第1前端壁(前端壁)
34 第2フロント溝部(導入溝部)
36 第2リヤ溝部(排出溝部)
38 第2前端壁(前端壁)
40 リヤタイヤ(車輪)
44 下壁部
S 車両下部構造
Claims (6)
- 車輪の車両前方側において車両の下部を構成する下壁部と、
前記下壁部の下面に形成され、車両下方へ開放された溝状を成すと共に、車両前方からの走行風を車両幅方向へ整流するガイド部と、
を備えた車両下部構造。 - 前記下壁部の一部を車両上方へ突出させることで前記ガイド部が形成された請求項1に記載された車両下部構造。
- 前記ガイド部は、車両前方からの走行風を車両幅方向外側へ整流する請求項1又は請求項2に記載の車両下部構造。
- 前記ガイド部は、
前記ガイド部の前部を構成し、平面視で車両前後方向に延びると共に、車両前方からの走行風が導入される導入溝部と、
前記導入溝部の車両後方側において前記導入溝部と連通され、平面視で車両後方へ向かうに従い車両幅方向外側へ傾斜されて前記導入溝部に導入された走行風を前記車輪の車両幅方向外側へ排出させる排出溝部と、
を含んで構成された請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両下部構造。 - 前記排出溝部が平面視で曲線状に傾斜された請求項4に記載の車両下部構造。
- 前記導入溝部における前端壁が、側面視で車両後方へ向かうに従い車両上方へ傾斜して配置された請求項4又は請求項5に記載の車両下部構造。
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