JP5768930B2

JP5768930B2 - エアガイド構造

Info

Publication number: JP5768930B2
Application number: JP2014503785A
Authority: JP
Inventors: 武秀松原
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 2012-03-06
Filing date: 2013-02-27
Publication date: 2015-08-26
Anticipated expiration: 2033-02-27
Also published as: CN104159791B; EP2824001A1; US9475380B2; JPWO2013133097A1; US20150298540A1; CN104159791A; EP2824001B1; EP2824001A4; WO2013133097A1

Description

本発明は、車両の前部に設けたエアガイド構造に関する。

従来から、車両走行時に発生する走行風を取り入れ、吸気ダクトを介してエンジンに低温の走行風を供給する車体構造が公知である（例えば、特許文献１参照）。

この特許文献１に記載された車体構造は、フロントバンパーの前面に開口部を設け、フロントフェンダーの下方に閉空間部を設け、該閉空間部にエンジンの吸気ダクトを接続している。これによって、走行風をフロントバンパーの開口部から閉空間部に流入させたのち、吸気ダクトを介してエンジンに走行風を供給するようにしている。

特開平９−８８７５０号公報

しかしながら、前記従来技術においては、車両が冠水路を走行する場合、フロントバンパーの開口部から雨水等が閉空間部に流入して吸気ダクト内に入りこむおそれがある。

そこで、本発明は、冠水路を走行する時においても、雨水等がエンジンの吸気ダクトに入り込むことを抑制するエアガイド構造を提供することを目的とする。

本発明によるエアガイド構造は、
車両前端部に車幅方向に沿って延設されると共に、走行風が流入可能な開口部を有するバンパーフェイシアと、
該バンパーフェイシアの後方に設けられるラジエータと、
前記バンパーフェイシアと前記ラジエータとの間に設けられ、車幅方向に沿って空気流通部が形成されたバンパーレインフォースと、
後方側に設けられた後部遮蔽板と、該後部遮蔽板の左右両側から前方に延びる側部遮蔽板と、これらの後部遮蔽板および側部遮蔽板の下部に設けられる底部遮蔽板と、該底部遮蔽板と対向して上部に設けられる天井遮蔽板と、前記後部遮蔽板と間隔をおいて対向し、前記側部遮蔽板と前記底部遮蔽板と前記天井遮蔽板とに接続される前部遮蔽板と、から構成され、前記バンパーレインフォースの前記空気流通部と連通する閉空間部と、
前記バンパーレインフォースにおける前記ラジエータに対向する面に少なくとも１つ設けられ、前記空気流通部に連通する吸気口と、
を備え、
前記閉空間部とエンジンの吸気ダクトの一次側開口部とが連通している

図１は、本発明の実施形態による車両前端部の左側を示す平面図である。図２は、図１を側方から見た断面図である。図３は、図１を前方から見た正面図である。図４は、図１の閉空間部を左斜め前方から見た斜視図である。図５は、図１の閉空間部を左側から見た側面図である。図６は、本発明の実施形態による閉空間部を車幅方向内側（車両右側）から見た側面図である。図７は、本発明の実施形態による補強板を示す斜視図である。

以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。なお、図面において、ＦＲは車両前方側、ＲＲは車両後方側、ＵＰＲは車両上方側、ＬＷＲは車両下方側、ＬＨは車両左側、ＲＨは車両右側を示すものとする。

図１，２に示すように、車両前端には車幅方向に沿って延在するバンパーフェイシア１が配設され、該バンパーフェイシア１の後方には、車幅方向に沿って延在するバンパーレインフォース３が配設されている。前記バンパーフェイシア１の下部には、車両前方から後方に流れる走行風Ａが流入可能な開口部５が形成され、車両前端部の下端にはアンダーカバー７が配設されている。

前記バンパーレインフォース３には、上下方向に沿って３つの閉断面部が形成されている。具体的には、上側から第１閉断面部９、第２閉断面部１１および第３閉断面部１３が形成されている。そして、第１閉断面部９と第２閉断面部１１とは、上下方向に離間して配置されており、この離間による空間部が空気流通部１５に構成されている。この空気流通部１５は、バンパーレインフォース３の延設方向である車幅方向に沿って形成されており、走行風Ａが空気流通部１５に沿って流れるように構成されている。

また、図２に示すように、第１閉断面部９と第２閉断面部１１との間に設けられた空間部の一部の入り口部分を吸気口１６に設定している。即ち、吸気口１６は、前記バンパーレインフォース３における前記ラジエータ２１に対向する面（バンパーレインフォース３の後面３ｂ）に少なくとも１つ設けられ、前記空気流通部１５に連通している。具体的には、前記空気流通部１５は、前述したように、車幅方向に沿って延在しており、後側が開口している。そして、この空気流通部１５の一部の後側が前記吸気口１６に設定されている。

前記バンパーレインフォース３の前側には、断面略コ字状のバンパーアブソーバー１７が嵌合され、該バンパーアブソーバー１７の前側には衝撃吸収材１９が配設されている。また、バンパーレインフォース３の後方には、ラジエータ２１が離間して配設され、該ラジエータ２１の前側にはコンデンサ２３が配設されている。一方、ラジエータ２１の側部からバンパーレインフォース３の近傍に至るまで前後方向に沿ってラジエータエアガイドが延設されている。これらのラジエータ２１、バンパーレインフォース３、およびラジエータエアガイド２５によって囲まれた部位がラジエータ前方領域２７となる。なお、前後方向に沿ってサイドメンバ２９が延設されており、該サイドメンバ２９の前端がバンパーレインフォース３に結合されている。また、車両前端部の左側端には、平面視で略三角状の閉空間部３１が形成されており、前記バンパーレインフォース３の左側端３ａが閉空間部３１の内部に挿入されている。

図３〜図６に示すように、前記閉空間部３１は、後方側に設けられた後部遮蔽板３３と、該後部遮蔽板３３の左右両側から前方に延びる側部遮蔽板４１，７５と、これらの後部遮蔽板３３および側部遮蔽板４１，７５の下部に設けられる底部遮蔽板３５と、該底部遮蔽板３５と対向して上部に設けられる天井遮蔽板３７と、前記後部遮蔽板３３と間隔をおいて対向し、前記側部遮蔽板４１，７５と前記底部遮蔽板３５と前記天井遮蔽板３７とに接続される前部遮蔽板３８と、から構成されている。

前記後部遮蔽板３３は、図３〜図５に示すように、フェンダープロテクタ３９の前側に配置され、車幅方向および上下方向に沿って延在している。

前記側部遮蔽板のうち、車幅方向内側に配設された内側の側部遮蔽板４１は、図４〜図６に示すように、前記後部遮蔽板３３における車幅方向内側端３３ａから屈曲して前方に延在している。図６に詳細に示すように、内側の側部遮蔽板４１における上部の前端側には、切欠き４３が形成され、この切欠き４３に前記バンパーレインフォース３の左側端３ａが挿入される。これにより、バンパーレインフォース３の空気流通部１５が閉空間部３１の内部に挿通される。また、図４，５に示すように、内側の側部遮蔽板４１の裏側（車幅方向外側）には、補強板４５が接合されている。

この補強板４５は、図７に示すように、車幅方向に延びる後面４７と、該後面４７の左端から前方に屈曲して延びる突当て面４９と、該突当て面４９の下部に形成された下部面５１と、後面４７の上端から屈曲して延びる上側フランジ５３と、後面４７の右端から屈曲して後方に延びる側部フランジ５５と、下部面５１の下端から下方に延びる下側フランジ５７と、突当て面４９および下部面５１の前端から屈曲する前側フランジ５９とからなる。また、突当て面４９と後面４７との角部（交差部）に横長の挿通孔６１が形成されている。図６に示す側部遮蔽板４１の切欠き４３からバンパーレインフォース３の左側端３ａが挿入され、この左側端３ａが補強板４５の前記突当て面４９に当接する。ここで、バンパーレインフォース３には、空気流通部１５が形成されているため、この空気流通部１５が挿通孔６１に連通される。従って、バンパーレインフォース３の空気流通部１５を流れた走行風Ａは、補強板４５の挿通孔６１から閉空間部３１の内部に流入する。なお、上側フランジ５３は天井遮蔽板３７に締結され、側部フランジ５５および下側フランジ５７は側部遮蔽板４１に接合され、前側フランジ５９にはスポンジＳが接着される。

前記底部遮蔽板３５は、図１に示すように、フェンダープロテクタ３９の前部に形成したフランジ６３と、該フランジ６３に締結されたバンパーフェイシア１の底面６５とからなる。即ち、フェンダープロテクタ３９の前部の下端には、前方に向けてフランジ６３が延設されており、バンパーフェイシア１の底面６５は、後方に向けて延設されている。これらのフランジ６３と底面６５とが上下に重なった部位をボルトＢを介して締結することにより、前記底部遮蔽板３５が構成される。

前記天井遮蔽板３７は、図３〜図５に示すように、側面視が略ヘの字状に屈曲しており、前後方向の中央が最も高い頂部６７で、この頂部６７から前方および後方に向かうに従って斜め下方に傾斜して配置されている。また、天井遮蔽板３７の後部には接続口６９が斜め上方に突出して形成され、該接続口６９にエンジンの吸気ダクト７１の一次側開口部７３が接続されている。なお、図１，３，４，５に示すように、前記天井遮蔽板３７は、平面視で略三角状に形成されており、左側部（前部）には、スポンジＳが接着されている。

さらに、本実施形態では、前記側部遮蔽板のうち、車幅方向外側に配設された外側の側部遮蔽板７５は、図１に示すようにバンパーフェイシア１が兼用されている。即ち、前記天井遮蔽板３７の左側部に接着されたスポンジＳと、内側の側部遮蔽板４１に接合した補強板４５の前側に接着したスポンジＳと、後部遮蔽板３３の左側端と、底部遮蔽板３５の左側端とをバンパーフェイシア１が車幅方向外側から覆っており、これにより外側の側部遮蔽板７５が構成される。なお、前記スポンジＳは、外側の側部遮蔽板７５であるバンパーフェイシア１との密着性を高めて、閉空間部３１の気密性を向上させるために設けている。

さらに、前記前部遮蔽板３８も、図１に示すようにバンパーフェイシア１が兼用されている。具体的には、側部遮蔽板７５よりも車両前方側に配置されたバンパーフェイシア１の部位が前部遮蔽板３８に設定されている。

次いで、本実施形態による走行風Ａの流れを説明する。

図２の矢印に示すように、車両走行時には、バンパーフェイシア１の開口部５から走行風Ａがラジエータ前方領域２７に流入する。次に、走行風Ａは、バンパーレインフォース３の吸気口１６から空気流通部１５に入り、車幅方向に沿って流れたのち、左側端３ａから前記補強板４５の挿通孔６１（図６，７参照）を介して閉空間部３１内に流入する。こののち、図４，５に示すように、閉空間部３１の天井遮蔽板３７に接続されたエンジンの吸気ダクト７１の一次側開口部７３から走行風Ａが吸気ダクト７１に流入してエンジンに供給される。

以下に、本実施形態による作用効果を説明する。

（１）本実施形態によるエアガイド構造は、車両前端部に車幅方向に沿って延設されると共に、走行風Ａが流入可能な開口部５を有するバンパーフェイシア１と、該バンパーフェイシア１の後方に設けられるラジエータ２１と、前記バンパーフェイシア１と前記ラジエータ２１との間に設けられ、車幅方向に沿って空気流通部１５が形成されたバンパーレインフォース３と、閉空間部３１と、前記バンパーレインフォース３における前記ラジエータ２１に対向する面３ｂに少なくとも１つ設けられ、前記空気流通部１５に連通する吸気口１６と、を備えている。

前記閉空間部３１は、後方側に設けられた後部遮蔽板３３と、該後部遮蔽板３３の左右両側から前方に延びる側部遮蔽板４１，７５と、これらの後部遮蔽板３３および側部遮蔽板４１，７５の下部に設けられる底部遮蔽板３５と、該底部遮蔽板３５と対向して上部に設けられる天井遮蔽板３７と、前記後部遮蔽板３３と間隔をおいて対向し、前記側部遮蔽板４１，７５と前記底部遮蔽板３５と前記天井遮蔽板３７とに接続される前部遮蔽板３８と、から構成されている。また、前記閉空間部３１は、バンパーレインフォース３の前記空気流通部１５と連通すると共に、エンジンの吸気ダクト７１の一次側開口部７３に連通している。

従って、前記バンパーフェイシア１の開口部５から流入した走行風Ａが、前記バンパーレインフォース３の空気流通部１５を介して前記閉空間部３１に入ったのちに前記エンジンの吸気ダクト７１を介してエンジンに供給される。

これによって、車両が冠水路を走行する場合、前記閉空間部３１内に冠水路の雨水が入りにくくなるため、吸気ダクト７１に雨水等が流入することを効果的に抑制することができる。

また、バンパーレインフォース３に空気流通部１５を形成したため、バンパーフェイシア１の開口部５から流入した低温の走行風Ａを効率的に閉空間部３１に送給することができる。

（２）前記吸気ダクト７１の一次側開口部７３が前記天井遮蔽板３７に接続されて連通されている。

従って、仮に閉空間部３１内に雨水が流入した場合でも、この雨水が天井遮蔽板３７まで達する可能性は低いため、吸気ダクト７１に雨水等が流入することをさらに効果的に抑制することができる。

なお、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変更および変形が可能である。

例えば、前記閉空間部３１の外側の側部遮蔽板７５をバンパーフェイシア１によって構成したが、車幅方向内側の側部遮蔽板４１のように独立した遮蔽板としても良い。

また、本実施形態では、前部遮蔽板３８をバンパーフェイシア１によって構成したが、車幅方向内側の側部遮蔽板４１のように独立した別個の遮蔽板を前部遮蔽板としても良い。

また、前記実施形態では、空気流通部１５は、バンパーレインフォース３の後側に形成した空間部とした。しかし、バンパーレインフォース３の内部に閉断面部を設けて該閉断面部を空気流通部にしても良い。この場合、バンパーレインフォース３の後面に吸気口を形成し、ラジエータ前方領域２７に流入した走行風Ａを前記吸気口から前記閉断面部に取り入れて閉断面部内を流すようにしても良い。

さらに、閉空間部３１の底部遮蔽板３５をフェンダープロテクタ３９のフランジ６３のみで構成しても良い。この場合、閉空間部３１の底部全体を覆わないため、閉空間部３１内に流入した雨水が底部から排出され、吸気ダクト７１に雨水等が流入することをさらに効果的に抑制することができる。

なお、特願２０１２−０４９０５９号（出願日：２０１２年３月６日）の全内容は、ここに援用される。

以上、実施の形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。

本発明によれば、車両が冠水路を走行する場合、前記閉空間部内に冠水路の雨水等が入りにくくなるため、エンジンの吸気ダクトに雨水等が流入することを効果的に抑制することができる。

１バンパーフェイシア
３バンパーレインフォース
５開口部
１５空気流通部
１６吸気口
２１ラジエータ
３１閉空間部
３３後部遮蔽板
３５底部遮蔽板
３７天井遮蔽板
３８前部遮蔽板
４１，７５側部遮蔽板
７１吸気ダクト
７３一次側開口部

Claims

車両前端部に車幅方向に沿って延設されると共に、走向風が流入可能な開口部を有するバンパーフェイシアと、
該バンパーフェイシアの後方に設けられるラジエータと、
前記バンパーフェイシアと前記ラジエータとの間に設けられ、車幅方向に沿って空気流通部が形成されたバンパーレインフォースと、
後方側に設けられた後部遮蔽板と、
該後部遮蔽板の左右両側から前方に延びる側部遮蔽板と、
これらの後部遮蔽板および側部遮蔽板の下部に設けられる底部遮蔽板と、
該底部遮蔽板と対向して上部に設けられる天井遮蔽板と、
前記後部遮蔽板と間隔をおいて対向し、前記側部遮蔽板と前記底部遮蔽板と前記天井遮蔽板とに接続される前部遮蔽板と、
から構成され、前記バンパーレインフォースの前記空気流通部と連通する閉空間部と、
前記バンパーレインフォースにおける前記ラジエータに対向する面に少なくとも１つ設けられ、前記空気流通部に連通する吸気口と、
を備え、
前記閉空間部とエンジンの吸気ダクトの一次側開口部とが前記天井遮蔽板に接続されて連通していることを特徴とするエアガイド構造。