JP6048388B2 - 自動車の前部構造 - Google Patents

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本発明は、自動車の前部に設けられる吸気系の構造に関する。
図1に、自動車の前部構造の一例を示す。自動車の前部100の前面には、外気を取り込む導風口(グリル)101が開口している。導風口101の後方には、導風空間101aがあり、その導風空間101aに面してラジエータ102が配置されている。
導風空間101aの上側には、衝突時に歩行者を保護する緩衝材103が設置されている。ラジエータ102の後側にはエンジンルーム104が拡がっている。
エンジンルーム104に設置されているエンジン105から、前方に吸気配管105aが延びている。吸気配管105aの前端は、導風空間101aに臨む吸気口105bとなっており、この吸気口105bを通じてエンジン105の吸気が行われる。吸気口105bは、冠水走行時での水の浸入を防ぐために、ラジエータ102の上方の、できる限り高い位置に配置されている。吸気配管105aの途中には、エアクリーナ105cが設置されている。
ラジエータ102の後方には、ラジエータファン106が設置されている。このラジエータファン106は、外気が十分に取り込める通常の走行時には停止しており、アイドリング時や微速走行時など、必要とされる量の外気が取り込めない時に作動する。
本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1〜3がある。
特許文献1には、エンジンルームからの熱風の回り込み防止等を目的としたフロントバンパが開示されている。
そこでのフロントバンパは、バンパレインフォースと、その前面に取り付けられる緩衝材であるバンパアブソーバと、これらの前方を覆うバンパカバーで構成されている。バンパリインフォースの後方には、前後に重なったコンデンサ及びラジエータが設置されている。
バンパアブソーバの左右両端部に仕切り板部が設けられていて、これら仕切り板部でバンパカバーの内側にある空間の両端を遮断することにより、その空間を通ってコンデンサ等の前面側に熱風が回り込むのを防いでいる。
特許文献2には、冠水走行時に、吸気口への水の浸入を抑制できるようにした吸気通路構造が開示されている。
詳しくは、車体前部に設置されたラジエータの前方には、空気導入開口部(グリルに相当)が開口している。ラジエータの上方に配置された吸気口に連通するダクトが設けられていて、そのダクトの入口部が、空気導入開口部とは別にその上部に設けられている。
特許文献3には、バンパビーム(バンパレインフォースメントに相当)を前後方向に貫通するダクトを形成し、このダクトを通じてラジエータに外気を送り込むフロントバンパ構造が開示されている。
特開2010−042783号公報 特許第4730411号公報 実開昭63−102556号公報
特許文献1のフロントバンパであれば、コンデンサ等の前面側への熱風の回り込みを防止することができるが、エンジンの吸気と熱気との関係についてまでは考慮されていない。特に、アイドリング時等には、熱気が吸気口に吸引され易くなるが、それに対する効果が不十分であるため、改善の余地がある。
すなわち、アイドリング時等、ラジエータファンの作動によって外気の取り込みが行われる場合には、導風空間の圧力は、エンジンルームの圧力よりも低下する。そのため、図1に破線矢印で示すように、エンジンルームの内部の熱気が隙間から漏れ出して導風空間に流入するという問題がある。
吸気口は、導風口から離れて位置しているうえに、構造上、それ自体の空気抵抗も高いため、エンジンルームから導風空間に入り込む熱気を吸引し易い。熱気が吸気口に吸引されると、エンジンの燃料効率の低下やノッキングの発生などを招き、エンジンの出力が低下して燃費が悪化する。
特に、スポーツタイプの車種の場合、デザインや空気抵抗の低減、重心の低下等の要請から、一般的な車種と比べると、ボンネットの位置は低くなっている。それに伴って吸気口の位置も低くならざるを得ない。
吸気口と導風口との間の間隔も狭くなっており、そこにバンパレインフォースメントが位置している。そのため、導風口と吸気口との間での空気抵抗が高くなり、よりいっそう熱気が吸気口に吸引され易い。バンパレインフォースメントに緩衝材が設置されている場合には、尚更である。
それに対し、特許文献2の吸気通路構造のように、空気導入開口部とは別に吸気口専用の外気取入口を設ければ、アイドリング時等にも、熱気を吸引せずに外気だけを吸気口に取り込むことができる。
しかし、特許文献2の吸気通路構造のように、別途ダクトを設けると部品点数が増加し、コストアップや構造の複雑化を招く。特許文献3のように、バンパレインフォースメントに開口を設けるのは、バンパレインフォースメントの剛性や防錆の観点から好ましくない。
また、外気取入口の位置が低いと、それだけ、冠水走行時に、吸気口に水を吸い込み易くなる。スポーツタイプの車種であれば、よりいっそう吸気口に水が浸入し易い。
吸気口が水を吸い込むと、エアクリーナが詰まって吸気不足になり、エンジンの出力が低下する。ウォーターハンマーを招いてエンジンを損傷するおそれもある。
そこで、本発明の目的は、冠水走行時等には、吸気口への水の吸い込みを効果的に防ぐことができ、アイドリング時等には、吸気口への外気の取り込みを効果的に行うことができる自動車を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、バンパレインフォースメントに設置されている緩衝材を利用して吸気専用の外気導入路を設け、その外気導入路の構造を工夫することにより、外気取入口から入り込む水と外気とを分離(気液分離)しながら、効率よく吸気口に外気が取り込めるようにした。
具体的には、本発明に係る自動車の前部構造は、前記自動車の前部上側を覆うボンネットと、前記自動車の前部前側を覆うバンパ外装材と、前記ボンネットの下方且つ前記バンパ外装材の後方に配置され、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントと、前記バンパレインフォースメントの前側に、当該バンパレインフォースメントに沿って設置された緩衝材と、前記バンパレインフォースメントよりも上方に設置され、エンジンに供給する吸気を取り込む吸気口と、前記バンパ外装材に設けられ、前記吸気口の下側に離れて位置する外気取入口と、前記外気取入口から取り込まれる外気を前記吸気口へ導く外気導入路と、を備える。
前記外気導入路は、前記緩衝材を上下方向に横断するガイド溝と、前記ガイド溝の下端の近傍に位置して前記外気取入口と前後に対向し、当該外気取入口から流入する外気を受け止める障壁部と、を含む。そして、前記吸気口が、前記ガイド溝の上端の後方に離れて配置されている。
すなわち、この自動車では、バンパレインフォースメントの前側に設置された緩衝材に、上下方向に横断するガイド溝が形成されていて、そのガイド溝を介して吸気口の下側に位置する外気取入口から、外気を取り込んで吸気口へ導くようになっているため、短い距離で外気を吸気口に効率よく導くことができる。
外気取入口から吸気口までの距離が短いと、それだけ吸気口に水が浸入し易くなるが、この自動車では、吸気口が、ガイド溝の上端の後方に離れて配置されているので、ガイド溝の上端から流れ出る外気に含まれる水は、その勢いによってガイド溝を延長した方向に飛ばされ、ガイド溝の上端から後方に離れて位置している吸気口に入り込み難くなっている(気液分離作用)。自動車の速度が高くなるほどその効果も高くなる。
従って、短い距離で外気を吸気口に効率よく導きながら、吸気口への水の吸い込みを効果的に防ぐことができる。
更に、前記ガイド溝の上端と下端とが車幅方向に互い違いにずれて位置しているようにするのが好ましい。
通常、緩衝材にガイド溝を構成すると、そのガイド溝の部分だけ、歩行者の保護範囲が狭くなる。それに対し、ガイド溝の上端と下端とを車幅方向に互い違いに形成すると、歩行者の脚とガイド溝とが交差して、脚がガイド溝の両側の緩衝材に接し易くなるため、ガイド溝を形成しても歩行者の保護範囲が狭くなるのを防ぐことができる。
また、ガイド溝の上流側に位置する外気取入口と、ガイド溝の下流側に位置する吸気口との配置の制約がなくなって、周辺機器のレイアウトの自由度が高まる利点もある。
その場合、前記ガイド溝が傾斜しながら上下方向に延びているようにするとよい。
そうすれば、ガイド溝を流れる外気の向きを車幅方向に偏向させることができるので、外気に含まれる水の分離を促進させることができる。
具体的には、前記緩衝材は、車幅方向の各端部に位置し、上側の縁部から下側の縁部にわたって突出する一対の脚用突出部と、前記一対の脚用突出部の間に位置し、下側の縁部に沿って前方に突出する膝下用突出部と、を有し、前記脚用突出部と前記膝下用突出部との間で前記ガイド溝が構成されているようにすることができる。
そうすれば、歩行者の保護と気液分離とを効果的に両立することができる。
より具体的には、前記バンパレインフォースメントは、前記ガイド溝と前後方向に少なくとも一部が重なる締結孔を有し、前記締結孔を露出させる貫通孔が前記緩衝材に形成されることにより、前記ガイド溝に凸凹が形成されているようにしてもよい。
そうすれば、貫通孔を形成することによる歩行者の保護範囲の減少を少なくすることができる。また、ガイド溝を流れる外気の一部を貫通孔に引き込んで、気液分離を促進させることもできる。
より具体的には、前記外気導入路における前記外気取入口の近傍に、ガイド部材が配置され、前記ガイド部材が、前記ガイド溝の前方下側に位置し、車幅方向に当該ガイド溝を横断して延びる底壁部と、前記底壁部の後側の縁に沿って上方に張り出し、前記障壁部として機能する後壁部と、を有しているようにすることもできる。
そうすれば、ガイド部材で外気を円滑に誘導することができる。歩行者がガイド溝に当たる前にガイド部材によって歩行者が受け止められるため、歩行者の荷重を緩衝材におけるガイド溝の左右に分散させることができる点でも有利である。また、後壁部の存在によって外気取入口を通じて内部が見えなくなるため、目隠しとしての効果も得られる。
本発明を適用した自動車によれば、冠水走行時等には、吸気口への水の吸い込みを効果的に防ぐことができ、アイドリング時等には、吸気口への外気の取り込みを効果的に行うことができるようになる。
従来の自動車の前部構造を示す概略断面図である。 本実施形態の自動車を正面から見た概略図である。 バンパ外装材を取り外して自動車の前部構造を正面から見た概略図である。 図2におけるX−X線での概略断面図である。 図2におけるY−Y線での概略断面図である。 緩衝材の要部を示す概略斜視図である。 図2におけるZ−Z線での概略断面図である。 外気導入路の部分を正面から見た概略図である。 外気導入路の部分を示す概略斜視図である。 ガイド溝の変形例を示す図8相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
図2に、本実施形態の自動車1を正面から見た概略図を示す。同図中、符号2はフロントガラス、符号3はボンネット、符号4はヘッドライト、符号5はバンパフェイス、符号6はグリルカバー、そして、符号7はライセンスプレートである。
この自動車1は、いわゆるスポーツタイプに分類される車種であり、一般的な車種と比べると、全体的に低く、空気抵抗の少ないデザイン性に富んだ外観を有している。ボンネット3の前側は更に低くなっているため、バンパフェイス5の上下幅は非常に狭くなっている。その結果、図2に示すように、バンパフェイス5の上部が標準的な歩行者の脚Fで膝の高さに位置する状態となっている。
バンパフェイス5の前面部分は、平面視で、車幅方向の中央部が前方に僅かに膨らむように湾曲した曲面形状に形成されている。バンパフェイス5の車幅方向の中央部には、横長なグリル開口5aが開口しており、このグリル開口5aに、グリルカバー6が組み付けられている。グリルカバー6の下部には、自動車1の前部に外気を取り込む横長なグリル8が開口している。
グリルカバー6の上部における車幅方向の各端部には、グリル8とは別に、自動車1の前部に外気を取り込む外気取入口9が開口している。グリルカバー6におけるこれら外気取入口9,9の間の部分にプレート取付部10が設けられていて、そこにライセンスプレート7が取り付けられている。
図3〜図5に、この自動車1の前部構造を示す。図3は、バンパフェイス5やグリルカバー6等で構成されたバンパ外装材11を取り外し、自動車1の前部構造を正面から見た概略図である。図4は、図2におけるX−X線での概略断面図であり、図5は、図2におけるY−Y線での概略断面図である。いずれの図も部材を簡略化して表してある。
図3等に示すように、自動車1の前部の上側はボンネット3によって覆われており、自動車1の前部の前側はバンパ外装材11によって覆われている。バンパ外装材11は、バンパフェイス5やグリルカバー6の他、後述する各部材で構成されている。
ボンネット3の下方かつバンパ外装材11の後方、更に詳しくは、グリル8の上部近傍かつボンネット3の前端部近傍に、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント12が配置されている。
バンパレインフォースメント12は、閉断面構造を有する剛性に優れた梁部材であり、その中央部が前方に膨らむように僅かに湾曲している。バンパレインフォースメント12は、その両端部で支持されている。具体的には、一対のフロントサイドフレーム13,13が、車幅方向に離れて前後方向に延びており、これらフロントサイドフレーム13,13の先端に、バンパレインフォースメント12の各端部が、クラッシュカン14を介して取り付けられている。
図3に示すように、バンパレインフォースメント12の左側の端部の前面には、アンカボルト等の締結に用いられる締結孔12aが設けられている。図2に示すように、バンパフェイス5には、締結孔12aと対向する位置に開口が形成されており、その開口が着脱可能なキャップ5bで封止されている。
図3及び図4に示すように、自動車1の前部における車幅方向の中央部には、横長なラジエータ15が設置されている。詳しくは、バンパレインフォースメント12の後方であって、車幅方向における左右のフロントサイドフレーム13の間の部分に、ラジエータ15が設置されている。
ラジエータ15は、空間を隔ててグリルと前後に対向している。ラジエータ15の後側には、ラジエータファン16が配置されている。ラジエータファン16は、アイドリング時や微速走行時など、ラジエータ15への外気の供給量が不足する場合に作動する。ラジエータ15の後方は、エンジン(図示せず)が設置されたエンジンルーム17となっている。
図5にも示すように、自動車1の前部には、エンジンに供給する吸気を取り込むために、吸気配管18やエアクリーナ19が設置されている。吸気配管18は、この自動車1では車幅方向を右側に偏って配置されている。エアクリーナ19は、エンジンルーム17の内部に設置されており、吸気配管18は、このエアクリーナ19を介してエンジンの吸気系に接続されている。
吸気配管18は、エンジンルーム17から突き出して右側のフロントサイドフレーム13に沿って前方に延びており、その先端に開口する吸気口18aは、バンパレインフォースメント12の上方かつ後方に位置している。
図3に示すように、バンパレインフォースメント12の前面の下部近傍であって、吸気口18aの前方の下側に離れたところに、右側の外気取入口9が位置している。そして、この外気取入口9と吸気口18aとの間には、混入する水を効果的に分離しながら外気を効率よく吸気口18aに導く外気導入路20が形成されている(外気導入路20の詳細は後述)。
エンジンルーム17とその前側の部分との間は、シュラウドアッパー21等によって区画されていて、更に、グリル8とラジエータ15との間の空間(導風空間)は、ダクト構造22によって区画されている。
具体的には、壁状のシュラウドアッパー21が、バンパレインフォースメント12の下部からラジエータ15の上端の縁に向かって拡がるように設置されている。シュラウドアッパー21の上端部は、ボンネット3の内面とシール材を介して密着するようになっており、熱気がエンジンルーム17の上部から前方に漏れ出すのを防いでいる。
また、一対のサイドパネル23,23が、グリル8の左右両側からラジエータ15の左右両側の縁に向かって拡がるように設置されている。これらサイドパネル23,23とシュラウドアッパー21とにより、グリル8から取り込まれる外気をラジエータ15に導くダクト構造22が形成されている。
その結果、エンジンルーム17からラジエータ15への熱気の環流が抑制でき、冠水走行時に多量の水が導風空間に入り込んで湧昇しても、吸気口18aへの水の浸入が阻止できる。
(緩衝材)
バンパレインフォースメント12の前側には、衝突時に歩行者を保護する観点から、緩衝材30が設置されている。
緩衝材30は、細長い樹脂成形品からなり、弾性を有する発泡樹脂等を用いて形成されている。緩衝材30は、バンパレインフォースメント12に沿って車幅方向に延びるように、バンパレインフォースメント12の前面に取り付けられている。
図3や図6に示すように、緩衝材30は、バンパレインフォースメント12の前面に取り付けられる帯板状の基部30aや、基部30aの両端部に位置する一対の脚用突出部30b,30b、これら脚用突出部30b,30bの間に位置する膝下用突出部30c、緩衝材30の取り付けに用いられるフランジ部30dなどで構成されている。
膝下用突出部30cは、基部30aの下側の縁部に沿って断面略L字状に突出する細長い壁状の部位からなる。膝下用突出部30cは、前方に突出するように車幅方向の中央部に配置され、衝突時には、正面からぶつかる歩行者の膝下を受け止めて、歩行者の脚Fを上方に逸らし、衝撃を緩和するように設計されている。
各脚用突出部30bは、バンパ外装材11の湾曲部位に対応するように車幅方向の両側に配置され、衝突時には、非正面からぶつかる歩行者の脚Fを受け止めて、歩行者の脚Fを側方あるいは上方に逸らし、衝撃を緩和するように設計されている。
具体的には、各脚用突出部30bは、基部30aの上側の縁部から下側の縁部にわたって突出しており、図5にも示すように、側方から見て、上側から下側に向かって突出量が次第に大きくなるように、前方に向かって下り傾斜している。更に、図7に示すように、上下方向から見て、車幅方向の外側から内側に向かって突出量が次第に大きくなるように、車幅方向外側に向かって後方に傾斜している。
図7に示すように、各脚用突出部30bは、クラッシュカン14の前側に位置するように設計されている。肉厚で反発力の高い脚用突出部30bを、剛性が強いクラッシュカン14の前側に位置させることで、歩行者保護を向上させることができる。
そして、脚用突出部30bと膝下用突出部30cとの間には、外気取入口9から取り込まれる外気を吸気口18aへと導くために、緩衝材30を上下方向に横断するガイド溝31が形成されている。この自動車1の場合、ガイド溝31は右側に有ればよいが、成形コストやバランス等の観点から、左側にも左右対称状に形成されている。
ガイド溝31の車幅方向の両側は、脚用突出部30bや膝下用突出部30cによって区画されており、ガイド溝31の前側は開放されている。ガイド溝31の上端と下端は、車幅方向に互い違いにずれて位置するように形成されている。本実施形態のガイド溝31は、上端が下端に対して車幅方向を内側に偏る方向に傾斜しながら上下方向に延びるように形成されている。
通常、緩衝材30にこのようなガイド溝31を構成すると、そのガイド溝31の部分だけ、歩行者の保護範囲が狭くなる。それに対し、このガイド溝31のように、上端と下端とを車幅方向に互い違いに形成すると、歩行者の脚Fとガイド溝31とが交差して、脚Fがガイド溝31の両側の緩衝材30に接し易くなるため、ガイド溝31を形成しても歩行者の保護範囲が狭くなるのを防ぐことができる。
また、ガイド溝31の上端と下端とを互い違いにすることで、ガイド溝31の上流側に位置する外気取入口9と、ガイド溝31の下流側に位置する吸気口18aとの配置の制約がなくなって、周辺機器のレイアウトの自由度が高まる利点もある。
また、ガイド溝31を流れる外気の向きを車幅方向に偏向させることができるので、それによって、外気に含まれる水の分離を促進させることができる(気液分離)。
更に、ガイド溝31を、脚用突出部30bと膝下用突出部30cとの間に設けることで、歩行者の保護と気液分離とを効果的に両立することができる。
更に、このガイド溝31には、気液分離をより促進させるために、凹凸が形成されている。
具体的には、脚用突出部30bとガイド溝31との境界部分に、これら双方にわたって前後方向に貫通する貫通孔32が形成されている。この貫通孔32は、緩衝材30をバンパレインフォースメント12に取り付けたときに、締結孔12aと前後方向に重なってアンカボルト等が挿通できるように設計されている。
このように、貫通孔32をガイド溝31と重ねて配置することにより、貫通孔32を形成することによる歩行者の保護範囲の減少を少なくすることができる。また、ガイド溝31を流れる外気の一部を貫通孔32に引き込んで、気液分離を促進させることもできる。
(外気導入路)
図7〜図9に、外気導入路20を詳細に示す。図7は、図2におけるZ−Z線での断面から見た概略図である。図8は、外気導入路20を正面から見た概略図であり、図9は、外気導入路20を斜め前方から見た概略斜視図である。
外気導入路20は、ガイド部材35やガイド溝31などによって構成されている。
ガイド部材35は、図5にも示すように、車幅方向に延びる断面L字状の部材からなり、帯板状の底壁部35aと、底壁部35aの後側の縁に沿って上方に張り出す後壁部35bとを有している。ガイド部材35は、バンパ外装材11の一部を構成しており、外気取入口9の直ぐ後に設置されている。
図8や図9に示すように、底壁部35aは、ガイド溝31の前方下側に位置し、車幅方向にガイド溝31を横断して延びるように配置されている。
ガイド部材35をこのように配置することは、歩行者がガイド溝31に当たる前に、ガイド部材35によって歩行者が受け止められて、歩行者の荷重を緩衝材30におけるガイド溝31の左右に分散させることができる点で有利である。各脚用突出部30bと前後に対向するバンパ外装材11の部位が、衝突する歩行者を側方に逸らすように湾曲しているため、より有利となっている。
また、後壁部35bの存在によって外気取入口9を通じて内部が見えなくなるため、目隠しとしての効果も得られる。
図7に示すように、底壁部35aの上方には、バンパ外装材11の張出部11aが張り出しており、その張出部11aにおけるガイド溝31の下側部位には、外気導入口36が上下方向に向いて開口している。
外気導入口36の直ぐ後上方には、ガイド溝31の下端が位置している。そして、そのガイド溝31の上端から後方に離れた位置に吸気口18aが位置している。吸気口18aに連なる吸気配管18の先端部分は、ガイド溝31の傾斜方向に対して逆向きに屈曲するように、後方に向かって車幅方向外側に傾斜している。
後壁部35bは、外気取入口9の近傍に位置して前後に対向しており、外気取入口9から流入する外気を正面から受け止めるように構成されている(障壁部)。
このように、外気導入路20を短くすると、アイドリング時や微速走行時も含め、吸気口18aに外気を取り込み易くなるが、冠水走行時や雨天の高速走行時などには、外気取入口9から外気とともに水が入り込み、吸気口18aに水が浸入し易くなる。
そこで、この自動車1の外気導入路20は、距離が短くても外気だけを効率よく吸気口18aに取り込めるように構造が工夫されている。
すなわち、図7に示すように、外気取入口9に入り込む外気は、後壁部35bに衝突する。衝突時の作用によって気液分離作用が得られるため、外気に混入した水を除去することができる(第1の気液分離)。
その後、図7や図9に矢印で示すように、上方に流れが偏向された外気は外気導入口36を通じてガイド溝31に入り込む。ガイド溝31に入り込んだ外気は、ガイド溝31に沿って更に向きが斜め上方に偏向される。ガイド溝31を通った外気は、更に向きを変えて後方に向かい、吸気口18aに入り込む。
このように、外気の流れる方向を急に偏向させることにより、各所で気液分離作用が得られ、外気に混入した水を除去することができる(第2の気液分離)。また、貫通孔32に外気の一部が入り込むことによっても更に気液分離が促進される。
ガイド溝31の上端から流れ出る外気に含まれる水は、その勢いによってガイド溝31を延長した斜め方向に飛ばされ易いため、ガイド溝31の上端から後方に離れて位置している吸気口18aに入り込み難くなっている(第3の気液分離)。
これらの気液分離作用により、外気取入口9から吸気口18aまでの距離が短くても外気だけを効率よく吸気口18aに取り込むことができる。
外気導入路は、右側だけでも足りるが、この自動車1では、左側の外気取入口9を通じて外気を吸気口18aに導入できるようにもなっている。
すなわち、図3に示すように、左側にも右側と同様に、ガイド溝31等が設けられている。図3や図4に示すように、膝下用突出部30cの上側には、車幅方向に延びて吸気口18aに連通した空間(横断流路37)が形成されている。
左側の外気導入路20の場合、外気導入口36を経てガイド溝31に流入した外気は、この横断流路37を通じて吸気口18aに入り込む。横断流路37を通過する間に、十分な気液分離作用を得ることができる。また、右側で分離される水や異物等を横断流路37に収容することができる点でも有利である。
正面に臨む外気取入口9を左右バランスよく配置して、デザイン性に優れるうえ、吸気口18aに導入する外気量を増やすことができる。
(その他)
本発明にかかる自動車の前部構造は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
ガイド溝31の形状は、仕様に応じて適宜変更できる。例えば、図10に示すように、階段状に形成してもよい。
吸気口18aの位置は左側であってもよい。吸気口18aとは反対側の外気取入口9は無くてもよい。その場合、緩衝材30における吸気口18aと反対側の部位にはガイド溝31を設けなくてもよい。貫通孔32も必須ではない。締結孔12aの有る側にだけ貫通孔32を設けてもよい。
1 自動車
3 ボンネット
5 バンパフェイス
7 ライセンスプレート
8 グリル
9 外気取入口
11 バンパ外装材
12 バンパレインフォースメント
18a 吸気口
20 外気導入路
30 緩衝材
31 ガイド溝
32 貫通孔
35 ガイド部材
35a 底壁部
35b 後壁部(障壁部)
36 外気導入口

Claims (6)

  1. 自動車の前部構造であって、
    前記自動車の前部上側を覆うボンネットと、
    前記自動車の前部前側を覆うバンパ外装材と、
    前記ボンネットの下方且つ前記バンパ外装材の後方に配置され、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントと、
    前記バンパレインフォースメントの前側に、当該バンパレインフォースメントに沿って設置された緩衝材と、
    前記バンパレインフォースメントよりも上方に設置され、エンジンに供給する吸気を取り込む吸気口と、
    前記バンパ外装材に設けられ、前記吸気口の下側に離れて位置する外気取入口と、
    前記外気取入口から取り込まれる外気を前記吸気口へ導く外気導入路と、
    を備え、
    前記外気導入路は、
    前記緩衝材を上下方向に横断するガイド溝と、
    前記ガイド溝の下端の近傍に位置して前記外気取入口と前後に対向し、当該外気取入口から流入する外気を受け止める障壁部と、
    を含み、
    前記吸気口が、前記ガイド溝の上端の後方に離れて配置されている自動車の前部構造。
  2. 請求項1に記載の自動車の前部構造において、
    前記ガイド溝の上端と下端とが車幅方向に互い違いにずれて位置している自動車の前部構造。
  3. 請求項2に記載の自動車の前部構造において、
    前記ガイド溝が傾斜しながら上下方向に延びている自動車の前部構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の自動車の前部構造において、
    前記緩衝材は、
    車幅方向の各端部に位置し、上側の縁部から下側の縁部にわたって突出する一対の脚用突出部と、
    前記一対の脚用突出部の間に位置し、下側の縁部に沿って前方に突出する膝下用突出部と、
    を有し、
    前記脚用突出部と前記膝下用突出部との間で前記ガイド溝が構成されている自動車の前部構造。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の自動車の前部構造において、
    前記バンパレインフォースメントは、前記ガイド溝と前後方向に少なくとも一部が重なる締結孔を有し、
    前記締結孔を露出させる貫通孔が前記緩衝材に形成されることにより、前記ガイド溝に凸凹が形成されている自動車の前部構造。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の自動車の前部構造において、
    前記外気導入路における前記外気取入口の近傍に、ガイド部材が配置され、
    前記ガイド部材が、
    前記ガイド溝の前方下側に位置し、車幅方向に当該ガイド溝を横断して延びる底壁部と、
    前記底壁部の後側の縁に沿って上方に張り出し、前記障壁部として機能する後壁部と、
    を有している自動車の前部構造。
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