JP7137134B2 - 車両の前部構造 - Google Patents
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Description
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明が適用される車両1の前部10の斜視図である。車両1は、例えばガソリン又はディーゼルエンジンを搭載した、四輪の自動車である。図1には、車両1の前方、後方、上方、下方を各々示す「前」、「後」、「上」、「下」の方向表示の矢印、運転席から見た右手、左手を各々示す「右」、「左」の矢印を付記している。他の図に付記している方向表示は、この図1の方向表示にマッチングさせている。
続いて、上述した前部10の各構成部材について、さらに図4~図10を参照して詳述する。図4は、前部10を上方から見た斜視図、図5は、図4の分解斜視図、図6は、グリルブラケット2の開口部2H付近の拡大斜視図である。図7は、ボンネット11を下面側から見た斜視図である。図8は、図2のVIII-VIII線断面図、図9は、図3のIX-IX線断面図、図10は、図3のX-X線断面図である。
フェイスアッパー13は、上面視(図3)で緩くU字型に湾曲した形状を有している。フェイスアッパー13は、車幅方向中央領域において略直線的に左右に延びる中央部131と、この中央部131の左右端から各々斜め後方に延びる左側部132及び右側部133とを備える。フェイスアッパー13の後縁側には、短尺ではあるが前後方向に水平に延びるフランジ部13Fが付設されている。フランジ部13Fは、後ろ上がりに傾斜するフェイスアッパー13の後端に対して下方に没した位置にあり、フェイスアッパー13の左右幅のほぼ全長に亘って形成されている。フェイスアッパー13の後端とフランジ部13Fの前端とは、後下がりの傾斜壁であるフランジエッジ13Eによって一体的に繋がれている。
ラジエータシュラウド14は、正面視(図2)で矩形形状を有する本体部の上面に、シュラウドアッパパネル142(ラジエータシュラウドの上面部)を有している(図5)。シュラウドアッパパネル142は、ボンネット11の前端付近と上下方向に対向する位置に配置されている。シュラウドアッパパネル142に対して、フェイスアッパー13(バンパーフェイスの上端部)は高い位置に存在している(図4、図8)。
主に図7及び図8を参照して、ボンネット11の前端付近の下面には、下方に向けて膨らむ膨出部11Aが備えられている。この膨出部11Aの左右方向中央位置の膨出下面11B(膨出部の下端面)に、ボンネットストライカ5を備えたストライカユニット50と、第2シール部材4とが取り付けられている。膨出部11Aは、ボンネットインナ111とボンネットアウタ112とによって構成されている。
グリルブラケット2は、後方側のパネル部21と、前方側のアッパー支持部22と、両者を繋ぐ垂直壁23とを含む(図8、図9)。パネル部21は、ラジエータシュラウド14の上方を覆う略水平板状のパネル部分であり、シュラウドアッパパネル142に重ね合わされる部分である。アッパー支持部22は、フェイスアッパー13の下方に配置され、当該フェイスアッパー13を下方から支持する部分である。既述の通り、シュラウドアッパパネル142とフェイスアッパー13とには高低差が存在することから、各々上述の機能を果たすパネル部21とアッパー支持部22との間には段差が生じる。垂直壁23は、このような高低段差が有る両者を繋ぐ部分である。すなわち、垂直壁23は、アッパー支持部22の後端縁から鉛直下方へ向かいパネル部21の前端縁に至るパネル部分である。
パネル部21は、開口部2Hの左側方にダクト迎え部26を備えている。ダクト迎え部26は、パネル部21を部分的に上方へ膨らませた部分であって、左右方向に幅広であって前後方向に延びる凸条部分である。図4に示すように、図略のエンジンの吸気ポートにフレッシュエアを供給する吸気ダクト7のダクト入口部71が、ダクト迎え部26の後端に嵌め込まれている。ダクト迎え部26の前端は、フェイスアッパー13の下方において前方に開口する吸気取り入れ口15(図2)とされている。つまり、ダクト迎え部26は、ダクト入口部71をフロントグリル123付近まで前方へ延長する役目を果たしている。吸気取り入れ口15に流入するフレッシュエア(走行風)は、前面開口部121からダクト迎え部26を通して、吸気ダクト7へ取り入れられる。
図8に示されているように、ストライカユニット50は、補強板113を介してボンネット11の膨出部11Aに取り付けられ、U字型の金具からなるボンネットストライカ5は膨出部11Aから鉛直下方に突出している。ボンネット11が閉止された状態において、ボンネットストライカ5は、その下半分程度がグリルブラケット2の開口部2Hと、シュラウドアッパパネル142の開口部143とを貫通し、ラジエータシュラウド14の配置領域まで進入する。
既述の通り、第1、第2シール部材3、4は、帯状の弾性体からなるシール部材であって、第1シール部材3は、フェイスアッパー13の後縁に備えられたフランジ部13Fに沿って取り付けられ、第2シール部材4は、グリルブラケット2の開口部2Hの後縁部と側縁部とを囲む突出部24に接面するように、ボンネット11の膨出部11Aに取り付けられている。
以上説明した本実施形態に係る車両の前部構造によれば、次のような作用効果を奏する。第1シール部材3によりボンネット11の前端縁11Tとバンパーフェイスの上端部であるフェイスアッパー13との間が封止されるだけでなく、第2シール部材4によりグリルブラケット2の開口部2Hの後縁部及び側縁部が取り囲まれるように封止される。つまり、開口部2Hを通したエンジンルームERと外部との通気経路、すなわち、外部からエンジンルームER内への空気進入経路(空気流F1)及びエンジンルームER側からの空気還流経路(空気流F2)を、最小限のサイズの第2シール部材4にて封止することができる。従って、第2シール部材4によるシール構造を簡素化できると共に、空気流F1、F2を効果的に遮断することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに次のような変形実施形態を取ることができる。
10 車両の前部
11 ボンネット
11A 膨出部
11B 膨出下面(膨出部の下端面)
11T 前端縁
114 傾斜部
12 バンパーフェイス
13 フェイスアッパー(バンパーフェイスの上端部)
13F フランジ部(バンパーフェイスの上端部)
14 ラジエータシュラウド
142 シュラウドアッパパネル(ラジエータシュラウドの上面部)
2 グリルブラケット(パネル部材)
2H 開口部
23 垂直壁
24 突出部
25R 右縦壁部(一対の縦壁部)
25L 左縦壁部(一対の縦壁部)
251 裾野部(一対の縦壁部の裾野)
253 傾斜面
26 ダクト迎え部
3 第1シール部材
4 第2シール部材
5 ボンネットストライカ
6 ボンネットラッチ
7 吸気ダクト
71 ダクト入口部
Claims (7)
- ボンネットストライカが前端付近の下面に取り付けられたボンネットと、
前記ボンネットの前端縁に連なる上端部を備えたバンパーフェイスと、
前記ボンネットの前端付近と対向する上面部を備えたラジエータシュラウドと、
前記ラジエータシュラウドの上面部よりも下方に配置され、前記ボンネットストライカと係合するボンネットラッチと、
前記バンパーフェイスの上端部から後方に延び、前記ラジエータシュラウドの上面部に固定され、前記ボンネットストライカの挿通用の開口部を備えたパネル部材と、
前記ボンネットの前端縁と前記バンパーフェイスの上端部との間に介在される第1シール部材と、
前記開口部の周縁のうち、少なくとも後縁部と側縁部の一部とを囲むように、前記パネル部材と前記ボンネットとの間に介在される第2シール部材と、を備え、
前記ボンネットの前端付近の下面には、下方に向けて膨らむ膨出部が備えられ、当該膨出部の下端面に前記ボンネットストライカが取り付けられ、
前記膨出部は、前記下端面から前方上方に傾斜して延びる傾斜部を含み、
前記車両の前部構造は、前記パネル部材上において前記開口部の両側部前方に配置され、前記傾斜部と近接して対向する一対の縦壁部をさらに備え、
前記第2シール部材は帯状のシール部材であって、その両端部が前記一対の縦壁部にそれぞれ至る位置に延びている、車両の前部構造。 - ボンネットストライカが前端付近の下面に取り付けられたボンネットと、
前記ボンネットの前端縁に連なる上端部を備えたバンパーフェイスと、
前記ボンネットの前端付近と対向する上面部を備えたラジエータシュラウドと、
前記ラジエータシュラウドの上面部よりも下方に配置され、前記ボンネットストライカと係合するボンネットラッチと、
前記バンパーフェイスの上端部から後方に延び、前記ラジエータシュラウドの上面部に固定され、前記ボンネットストライカの挿通用の開口部を備えたパネル部材と、
前記ボンネットの前端縁と前記バンパーフェイスの上端部との間に介在される第1シール部材と、
前記開口部の周縁のうち、少なくとも後縁部と側縁部の一部とを囲むように、前記パネル部材と前記ボンネットとの間に介在される第2シール部材と、を備え、
前記ラジエータシュラウドの上面部に対して前記バンパーフェイスの上端部は高い位置に存在しており、
前記車両の前部構造は、前記パネル部材の開口部の周縁の近傍において上方に向けて突出した部分を形成する突出部をさらに備え、
前記第2シール部材は、前記突出部と前記ボンネットとの間に介在される、車両の前部構造。 - 請求項1に記載の車両の前部構造において、
前記一対の縦壁部は、前記開口部の両側部前方位置において、前記パネル部材に一体成形されている、車両の前部構造。 - 請求項3に記載の車両の前部構造において、
前記ラジエータシュラウドの上面部に対して前記バンパーフェイスの上端部は高い位置に存在しており、
前記パネル部材は、前記ラジエータシュラウドの上面部と前記バンパーフェイスの上端部との高低差に応じた、前記バンパーフェイスの上端部から下方へ向かう垂直壁を備え、
前記一対の縦壁部は、前記傾斜部の傾斜に応じた傾斜面を有する壁部であって、前記垂直壁を部分的に後方へ突出させた部分からなる、車両の前部構造。 - 請求項2に記載の車両の前部構造において、
前記突出部は、開口部の周縁の近傍位置において、前記パネル部材に一体成形されている、車両の前部構造。 - 請求項1に記載の車両の前部構造において、
前記ラジエータシュラウドの上面部に対して前記バンパーフェイスの上端部は高い位置に存在しており、
前記車両の前部構造は、前記パネル部材の開口部の周縁の近傍において上方に向けて突出した部分を形成する突出部をさらに備え、
前記第2シール部材は、前記突出部と前記ボンネットとの間に介在され、
前記一対の縦壁部は、前記開口部の両側部前方位置において、前記突出部は、前記開口
部の周縁の近傍位置において、各々前記パネル部材に一体成形されており、
前記突出部は、前記開口部の後縁部及び側縁部を囲むように帯状に延びており、その両端部が前記一対の縦壁部の裾野に繋がっている、車両の前部構造。 - ボンネットストライカが前端付近の下面に取り付けられたボンネットと、
前記ボンネットの前端縁に連なる上端部を備えたバンパーフェイスと、
前記ボンネットの前端付近と対向する上面部を備えたラジエータシュラウドと、
前記ラジエータシュラウドの上面部よりも下方に配置され、前記ボンネットストライカと係合するボンネットラッチと、
前記バンパーフェイスの上端部から後方に延び、前記ラジエータシュラウドの上面部に固定され、前記ボンネットストライカの挿通用の開口部を備えたパネル部材と、
前記ボンネットの前端縁と前記バンパーフェイスの上端部との間に介在される第1シール部材と、
前記開口部の周縁のうち、少なくとも後縁部と側縁部の一部とを囲むように、前記パネル部材と前記ボンネットとの間に介在される第2シール部材と、を備え、
前記パネル部材は、前記開口部の側方に、吸気ダクトの入口部が接続され、吸気経路の一部を構成するダクト迎え部を備えている、車両の前部構造。
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