JP6934502B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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本発明は、車両前部構造に関する。
従来から、車両の前面に配置されたフロントバンパーの後方に冷却装置を配置し、走行風をフロントバンパーの後方に取り込んで冷却装置に供給する車両前部構造が知られている。例えば、特許文献1には、フロントバンパーの車幅方向端部に設けられた空気導入口から走行風を導入し、冷却装置に走行風を供給する車両前部構造が開示されている。特許文献1の車両前部構造は、空気導入口と冷却装置との間に、走行風を冷却装置に導く導風部材が設けられている。
この種の車両前部構造では、冷却装置の冷却性能を向上するためには、冷却装置により多くの走行風を供給することが望ましい。
特開2018−202980号公報
しかしながら、特許文献1の車両前部構造は、フロントバンパーの車幅方向中央に、ラジエータに供給する走行風を導入するためのフロントグリルが配置されている。フロントバンパーの車幅方向端部に設けられた空気導入口は、フロントグリルの車幅方向外側の限られたスペースに形成されるため、大きくすることが難しい。そのため、冷却装置により多くの走行風を供給することが難しい、という課題があった。
本発明は、冷却装置により多くの走行風を供給することができ、冷却装置の冷却性能が向上した車両前部構造を提供する。
本発明は、
車両の前面に取り付けられたフロントバンパーと、
前記フロントバンパーの後方に配置され、前面に開口した前面開口部と、後面に開口した後面開口部と、前記前面開口部から前記後面開口部へと延びる走行風通路と、が形成された導風部材と、
前記導風部材の前記後面開口部と対向する位置に配置された冷却装置と、を備えた車両前部構造であって、
前記フロントバンパーは、
車幅方向中央に設けられた主開口部と、
前記主開口部の少なくとも一方の車幅方向外側に設けられ、前記主開口部と繋がっており、前記主開口部から車幅方向外側に延び、前記主開口部よりも上下方向の開口長さが短いスリット開口部と、を有するフロントグリル開口部を備え、
前記導風部材は、
前記車両の前方から見て、車幅方向及び上下方向において、前記前面開口部が、前記フロントグリル開口部の前記主開口部と一部がオーバーラップし、かつ前記スリット開口部と重なる位置となるように配置されている。
本発明によれば、フロントグリル開口部のスリット開口部は、主開口部と繋がって、主開口部から車幅方向外側に延びており、導風部材は、車両の前方から見て、車幅方向及び上下方向において、前面開口部が、フロントグリル開口部の主開口部と一部がオーバーラップし、かつスリット開口部と重なる位置となるように配置されているので、フロントグリル開口部から導入される走行風のうち、主開口部から導入された走行風の一部と、スリット開口部から導入された走行風とが前面開口部から導風部材の走行風通路に導かれる。このとき、スリット開口部は、主開口部よりも上下方向の開口長さが短くなっているので、スリット開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風は、主開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風よりも直進性が高い。よって、スリット開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風は、主開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風を整流しながら走行風通路を通って後面開口部へと流れる。これにより、主開口部からより多くの走行風を導風部材の前面開口部に導入することができるので、後面開口部と対向する位置に配置された冷却装置により多くの走行風を供給することができ、冷却装置の冷却性能が向上する。
本発明の一実施形態の車両前部構造を有する車両を前方から見た図である。 図1の車両前部構造の導風部材及び冷却装置を左上前方から見た斜視図である。 図1の車両前部構造の導風部材及び冷却装置を上方から見た図である。 図1の車両前部構造の導風部材及び冷却装置を前方から見た図である。 図1の車両前部構造の要部拡大図である。 図1の車両前部構造の要部を左上前方から見た斜視図である。
以下、本発明の車両前部構造の一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両前部構造を有する車両1は、前面に左右一対のヘッドライト2を有し、ヘッドライト2の下方にフロントバンパー10が取り付けられている。フロントバンパー10の後方には、導風部材20が配置されている。導風部材20は、車幅方向左側に配置されている。
なお、以下の説明において、前後、左右、上下は、車両1の操縦者から見た方向に従って記載し、図面には、前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。また、左右方向は、車幅方向とも言う。
<フロントバンパー>
フロントバンパー10は、車両1の前面に取り付けられており、車幅方向の全域に亘って延びている。フロントバンパー10の車幅方向中央部は、前面が車幅方向に略直線状に延びている。フロントバンパー10の車幅方向両端部は、前面が、車幅方向外側に向かって後方に湾曲している(図6参照)。フロントバンパー10は、車幅方向中央部に設けられたフロントグリル開口部11と、フロントグリル開口部11の車幅方向両外側に設けられた左右一対の部品取付部12と、を備える。
フロントグリル開口部11は、車幅方向中央において、フロントバンパー10を前後方向に貫通した開口である。フロントグリル開口部11は、車幅方向に長い形状を有する。フロントグリル開口部11には、格子状の板部材であるフロントグリル3が取り付けられている。
フロントグリル開口部11は、車幅方向中央に設けられた主開口部111と、主開口部111の車幅方向左外側に設けられたスリット開口部112と、を有する。
主開口部111は、前方から見て、車幅方向に長い略台形状であり、上端面111U、下端面111D、左端面111L、及び右端面111Rを有する。上端面111U及び下端面111Dは、前方から見て、車幅方向に略直線状に延びている。上端面111Uは、下端面111Dよりも短い。左端面111Lは、上端面111Uの左端部から下端面111Dの左端部へと延び、下方に向かうにしたがって、車幅方向左外側に延びている。右端面111Rは、上端面111Uの右端部から下端面111Dの右端部へと延び、下方に向かうにしたがって、車幅方向右外側に延びている。
スリット開口部112は、車幅方向内側端部が主開口部111と繋がっており、主開口部111から車幅方向左外側に延びている。スリット開口部112は、前方から見て、車幅方向に長い略矩形状であり、上端面112U、下端面112D、及び左端面112Lを有する。上端面112U及び下端面112Dは、前方から見て、車幅方向に略直線状に延びている。本実施形態では、スリット開口部112の下端面112Dは、主開口部111の下端面111Dと繋がっている。主開口部111の下端面111D及びスリット開口部112の下端面112Dは、前方から見て、1本の略直線状に延びている。スリット開口部112の上端面112Uは、主開口部111の左端面111Lの下端部と繋がっており、前方から見て、主開口部111の上端面111Uよりも下方で車幅方向に略直線状に延びている。したがって、主開口部111の上端面111Uと下端面111Dとの距離である主開口部111の上下方向の開口長さW1と、スリット開口部112の上端面112Uと下端面112Dとの距離であるスリット開口部112の上下方向の開口長さW2と、を比較すると、スリット開口部112の上下方向の開口長さW2は、主開口部111の上下方向の開口長さW1よりも短くなっている。
左右一対の部品取付部12は、それぞれ左右一対のヘッドライト2の下方に配置されている。左右一対の部品取付部12は、それぞれ後方に窪んだ窪み形状を有し、フォグランプ等の電装品が取り付けられる。車幅方向左側の部品取付部12と、車幅方向右側の部品取付部12とは、左右対称な形状となっている。本実施形態では、左右一対の部品取付部12には、正面視で円形のフォグランプ4がそれぞれ取り付けられている。
フロントバンパー10の後方には、導風部材20が配置されている。導風部材20は、車幅方向左側に配置されており、フロントグリル開口部11の主開口部111と一部がオーバーラップし、かつスリット開口部112と重なる位置に配置されている。
したがって、フロントグリル開口部11の主開口部111を通過した走行風の一部と、スリット開口部112を通過した走行風は、導風部材20に導入される。
<導風部材>
図2に示すように、導風部材20は、上壁部20U、底壁部20D、左壁部20L、及び右壁部20Rを有する。導風部材20には、前面に開口した前面開口部21と、後面に開口した後面開口部22と、前面開口部21から後面開口部22へと延びる走行風通路23と、が形成されている。走行風通路23は、上壁部20U、底壁部20D、左壁部20L、及び右壁部20Rによって囲まれて形成されている。
フロントグリル開口部11の主開口部111を通過した走行風の一部と、スリット開口部112を通過した走行風は、前面開口部21から導風部材20に導入される。前面開口部21から導風部材20に導入された走行風は、走行風通路23を通って、後面開口部22から後方に排出される。
図3に示すように、前面開口部21は、フロントバンパー10の車幅方向左外側端部に沿って、車幅方向左外側に向かって後方に滑らかに湾曲している。前面開口部21は、上方から見て、車幅方向内側端部から、後方にわずかに傾斜して車幅方向左側に略直線状に延びる内側部21aと、内側部21aから車幅方向左外側に向かって後方に湾曲する湾曲部21bと、湾曲部21bから後方に傾斜して車幅方向左外側に向かって略直線状に延びる外側部21cと、を有する。外側部21cは、内側部21aよりも車幅方向左外側に向かって後方により傾斜して延びている。
後面開口部22は、上方から見て、車幅方向左外側に向かって前方に傾斜して、略直線状に車幅方向に延びている。後面開口部22の車幅方向左外側端部は、前面開口部21の車幅方向左外側端部よりも車幅方向左外側に位置している。後面開口部22の車幅方向内側端部は、車幅方向において、前面開口部21と重なる位置となっている。本実施形態では、後面開口部22の車幅方向内側端部は、車幅方向において、導風部材20の略中央に位置している。
右壁部20Rは、前面開口部21の車幅方向内側端部と後面開口部22の車幅方向内側端部とを接続する。右壁部20Rは、上方から見て、前面開口部21の車幅方向内側端面から後方へ延びる導入壁部201Rと、導入壁部201Rから車幅方向左外側に湾曲する第1湾曲部202Rと、第1湾曲部202Rから後方に傾斜して車幅方向左外側へ略直線状に延びる右前壁部203Rと、右前壁部203Rから後方に湾曲する第2湾曲部204Rと、第2湾曲部204Rから後方へ略直線状に延びる右後壁部205Rと、を有する。したがって、右後壁部205Rの後端は、後面開口部22の車幅方向内側端部に接続し、右前壁部203Rは、右後壁部205Rの前方、かつ右後壁部205Rの前端よりも車幅方向内側で、車幅方向に延びている。
これにより、導風部材20の前面開口部21の開口面積を大きくすることができるので、より多くの走行風を前面開口部21から導風部材20に導入することができる。
右後壁部205Rは、後方に向かうにしたがって車幅方向内側にわずかに傾斜している。右後壁部205Rは、後方に向かうにしたがって車幅方向内側にわずかに湾曲していてもよい。
左壁部20Lは、前面開口部21の車幅方向左外側端部と後面開口部22の車幅方向左外側端部とを接続する。左壁部20Lは、上方から見て、前面開口部21の車幅方向左外側端部から後面開口部22の車幅方向左外側端部へと、後方に向かって車幅方向左外側に傾斜して略直線状に延びている。本実施形態では、左壁部20Lは、上方から見て、前面開口部21の外側部21cと略平行に延びている。左壁部20Lの前端部は、前面開口部21の車幅方向左外側端部に接続し、左壁部20Lの後端部は、後面開口部22の車幅方向左外側端部に接続する。
図2〜図4に示すように、上壁部20Uは、右壁部20Rの上端部と左壁部20Lの上端部とを接続する。上壁部20Uは、上下方向に対して略垂直方向に延びる第1上壁部201Uと、第1上壁部201Uの端部から下方に略直線状に延びる段差壁部203Uと、段差壁部203Uの下端から上下方向に対して略垂直方向に延び、第1上壁部201Uよりも下方に位置する第2上壁部202Uと、を有する。
段差壁部203Uは、車幅方向において、右壁部20Rの右後壁部205Rよりも車幅方向左外側で、前面開口部21から後方に延び、湾曲して左壁部20Lへと延びている。段差壁部203Uは、前面開口部21から後方に略直線状に延びる前後壁部203Uaと、前後壁部203Uaの後端から車幅方向左外側に向かって湾曲する湾曲壁部203Ubと、湾曲壁部203Ubから車幅方向左外側に向かってわずかに前方に傾斜して略直線状に左壁部20Lへ延びる左右壁部203Ucと、を有する。
第1上壁部201Uは、上方から見て、前面開口部21、段差壁部203U、右壁部20R、左壁部20L、及び後面開口部22によって囲まれた領域を形成している。
第2上壁部202Uは、前面開口部21及び左壁部20Lそれぞれの上端と、段差壁部203Uの下端とによって囲まれた領域を形成している。第2上壁部202Uは、上壁部20Uの前端から延び、段差壁部203Uの車幅方向左外側及び前方に延びている。
底壁部20Dは、右壁部20Rの下端部と左壁部20Lの下端部とを接続する。底壁部20Dは、上壁部20Uと上下方向で対向し、前面開口部21、左壁部20L、右壁部20R及び後面開口部22それぞれの下端によって囲まれた領域を形成している。
したがって、前面開口部21は、上壁部20Uの段差壁部203Uよりも車幅方向内側に形成され、上下端が第1上壁部201U及び底壁部20Dによって形成されている大開口部211と、上壁部20Uの段差壁部203Uよりも車幅方向左外側に形成され、上下端が第2上壁部202U及び底壁部20Dによって形成されている小開口部212と、を有する(図4参照)。
走行風通路23は、上壁部20U、底壁部20D、左壁部20L、及び右壁部20Rによって囲まれて形成されており、内側導入部通路231、外側導入部通路232、中央導入部通路233、及び導出部通路234を有する。
図3に示すように、内側導入部通路231は、走行風通路23のうち、上方から見て、右壁部20Rの導入壁部201R、第1湾曲部202R、右前壁部203R、及び第2湾曲部204Rと、右壁部20Rの右後壁部205Rの前端を通り前後方向と平行な第1仮想直線L1と、前面開口部21の第1仮想直線L1よりも車幅方向内側の部分と、第1上壁部201U及び底壁部20Dによって囲まれた領域を形成する。すなわち、内側導入部通路231は、走行風通路23における、右壁部20Rの右後壁部205Rの前端よりも車幅方向内側の領域を形成する。
外側導入部通路232は、走行風通路23のうち、上方から見て、段差壁部203Uによって囲まれた領域を形成する。すなわち、外側導入部通路232は、走行風通路23のうち、上面が第2上壁部202Uによって形成されている領域である。
中央導入部通路233は、走行風通路23のうち、上方から見て、段差壁部203Uの前後壁部203Uaと、右壁部20Rの右後壁部205Rにおける、前後方向において段差壁部203Uの前後壁部203Uaの後端から前方の部分と、第1仮想直線L1における右壁部20Rの右後壁部205Rの前端から前方の部分と、前面開口部21の車幅方向において第1仮想直線L1よりも車幅方向左外側かつ段差壁部203Uの前後壁部203Uaよりも車幅方向内側の部分と、第1上壁部201U及び底壁部20Dによって囲まれた領域を形成する。したがって、中央導入部通路233は、内側導入部通路231と外側導入部通路232との間に形成され、上面が第1上壁部201Uによって形成されており、右壁部20Rの右後壁部205Rと段差壁部203Uの前後壁部203Uaによって挟まれた領域を有する。
導出部通路234は、走行風通路23のうち、上方から見て、段差壁部203Uの湾曲壁部203Ub及び左右壁部203Ucと、段差壁部203Uの左右壁部203Ucの車幅方向左外端よりも後方の左壁部20Lと、右壁部20Rの右後壁部205Rにおける、段差壁部203Uの前後壁部203Uaの後端よりも後方の部分と、後面開口部22と、第1上壁部201U及び底壁部20Dによって囲まれた領域を形成する。したがって、導出部通路234は、上面が第1上壁部201Uによって形成されており、車幅方向において、右壁部20Rと段差壁部203Uの左右壁部203Ucによって挟まれた領域を有し、後端が後面開口部22となっている。
導出部通路234は、段差壁部203Uの湾曲壁部203Ub及び左右壁部203Ucに沿って、中央導入部通路233の後端から後面開口部22に向かって、後面開口部22に平行な方向の長さが長くなっている。
したがって、前面開口部21から内側導入部通路231に導入された走行風は、内側導入部通路231から中央導入部通路233に導風されて、中央導入部通路233を通って、導出部通路234から後面開口部22に導風される。前面開口部21から中央導入部通路233に導入された走行風は、中央導入部通路233を通って、導出部通路234から後面開口部22に導風される。前面開口部21から外側導入部通路232に導入された走行風は、多くが中央導入部通路233に導風されて、中央導入部通路233を通って、導出部通路234から後面開口部22に導風され、一部が外側導入部通路232から段差壁部203Uの左右壁部203Ucの下方を通って、導出部通路234から後面開口部22に導風される。
図4に示すように、内側導入部通路231及び中央導入部通路233は、上端部が上壁部20Uの第1上壁部201Uによって形成されているのに対して、外側導入部通路232は、上端部が上壁部20Uの第2上壁部202Uによって形成されている。したがって、外側導入部通路232は、内側導入部通路231及び中央導入部通路233よりも前後方向の長さが短くなっている。
<ATFクーラ>
図2〜図4に示すように、導風部材20の後面開口部22と対向する位置にATFクーラ30が配置されている。ATFクーラ30は、略矩形の平板状であり、導風部材20の後面開口部22を覆うように配置されている。
本実施形態では、導風部材20の右壁部20Rの右後壁部205Rは、後方に向かうにしたがって車幅方向内側にわずかに傾斜している。右後壁部205Rは、後方に向かうにしたがって車幅方向内側にわずかに湾曲していてもよい。これにより、ATFクーラ30を車幅方向内側に配置できる。
ATFクーラ30は、車両1に搭載された自動変速機(不図示)に接続される。ATFクーラ30は、自動変速機の作動油や潤滑油であるATF(Automatic Transmission Fluid)を冷却する。車両1が電動車両やハイブリッド車両である場合、ATFクーラ30は、自動変速機(不図示)及び車両1の駆動源である回転電機(不図示)に接続されていてもよい。この場合、ATFは、車両1の駆動源である回転電機の冷却及び潤滑も行う。
したがって、導風部材20の後面開口部22から排出された走行風は、ATFクーラ30に供給される。ATFクーラ30は、導風部材20の後面開口部22から排出された走行風によって、ATFを冷却する。
<導風部材の配置>
図5及び図6に示すように、導風部材20は、フロントバンパー10の車幅方向左側の後方に配置されている。導風部材20は、車両1の前方から見て、車幅方向及び上下方向において、前面開口部21が、フロントグリル開口部11の主開口部111と一部がオーバーラップし、かつスリット開口部112と重なる位置となるように配置されている。
したがって、フロントグリル開口部11から導入される走行風のうち、主開口部111から導入された走行風の一部と、スリット開口部112から導入された走行風とが前面開口部21から導風部材20の走行風通路23に導かれる。このとき、スリット開口部112の上下方向の開口長さW2は、主開口部111の上下方向の開口長さW1よりも短くなっているので、スリット開口部112から導風部材20の前面開口部21に導入された走行風の流路は、主開口部111から導風部材20の前面開口部21に導入された走行風の流路よりも、上下方向の流路幅が急激に増える。そのため、スリット開口部112から導風部材20の前面開口部21に導入された走行風は、主開口部111から導風部材20の前面開口部21に導入された走行風よりも直進性が高い。よって、スリット開口部112から導風部材20の前面開口部21に導入された走行風は、主開口部111から導風部材20の前面開口部21に導入された走行風を整流しながら走行風通路23を通って後面開口部22へと流れる。これにより、主開口部111からより多くの走行風を導風部材20の前面開口部21に導入することができ、後面開口部22と対向する位置に配置されたATFクーラ30により多くの走行風を供給することができるので、ATFクーラ30の冷却性能が向上する。
スリット開口部112は、車幅方向において、左端面112Lが、導風部材20の前面開口部21の車幅方向左外側端部と略一致する位置、または、前面開口部21の車幅方向左外側端部よりも車幅方向内側の位置となるように配置されている。
これにより、スリット開口部112から導入された走行風を、確実に導風部材20の前面開口部21から走行風通路23に導入することができる。
スリット開口部112は、車幅方向において、車幅方向内側端部が、導風部材20の右前壁部203Rの車幅方向左外側端部と略一致する位置、または、右前壁部203Rの車幅方向左外側端部よりも車幅方向左外側の位置となるように配置されている。
これにより、スリット開口部112から導入された走行風が右前壁部203Rに当たることを抑制できるので、スリット開口部112から導入された直進性の高い走行風が、右前壁部203Rに当たって直進性が低下することを抑制できる。よって、より多くの走行風を導風部材20の前面開口部21から走行風通路23に導入することができる。
本実施形態では、スリット開口部112は、車幅方向において、車幅方向内側端部が、導風部材20の右前壁部203Rの車幅方向左外側端部と略一致する位置となるように配置されている。
これにより、スリット開口部112から導入された直進性の高い走行風が右前壁部203Rに当たって直進性が低下することを抑制しつつ、さらに多くの走行風をスリット開口部112から導入することができる。
本実施形態では、導風部材20の走行風通路23は、右壁部20Rの右後壁部205Rの前端よりも車幅方向内側の内側導入部通路231と、車幅方向において段差壁部203Uの前後壁部203Uaと右壁部20Rの右後壁部205Rとの間の中央導入部通路233と、中央導入部通路233の車幅方向左外側で上面が第2上壁部202Uによって形成されている外側導入部通路232と、を有する。そして、内側導入部通路231及び中央導入部通路233は、前端部が前面開口部21の大開口部211であるのに対して、外側導入部通路232は、前端部が前面開口部21の小開口部212となっている。
導風部材20の前面開口部21の大開口部211の上下方向の開口長さは、導風部材20の前面開口部21の小開口部212の上下方向の開口長さよりも長くなっているので、フロントグリル開口部11のスリット開口部112から導風部材20の前面開口部21の大開口部211に導入された走行風の流路は、フロントグリル開口部11のスリット開口部112から導風部材20の前面開口部21の小開口部212に導入された走行風の流路よりも、上下方向の流路幅が急激に増える。そのため、フロントグリル開口部11のスリット開口部112から導風部材20の前面開口部21の大開口部211に導入された走行風は、フロントグリル開口部11のスリット開口部112から導風部材20の前面開口部21の小開口部212に導入された走行風よりも直進性が高い。したがって、フロントグリル開口部11から導風部材20の前面開口部21に導入された走行風のうち、導風部材20の中央導入部通路233に導入された走行風が、最も直進性が高い。よって、導風部材20の中央導入部通路233に導入された走行風は、導風部材20の前面開口部21の内側導入部通路231に導入された走行風に加えて、外側導入部通路232に導入された走行風も整流しながら導出部通路234へと流れる。
これにより、より多くの走行風を前面開口部21から導入することができるので、後面開口部22と対向する位置に配置されたATFクーラ30により多くの走行風を供給することができる。
本実施形態では、スリット開口部112は、車幅方向において、左端面112Lが、導風部材20の前面開口部21の車幅方向左外側端部よりも車幅方向内側であって、導風部材20の前面開口部21の大開口部211よりも車幅方向左外側の位置となるように配置されている。
したがって、フロントグリル開口部11から導風部材20の前面開口部21に導入された走行風のうち、最も直進性が高い、導風部材20の中央導入部通路233に導入される走行風をより多くすることができる。これにより、主開口部111から導風部材20の前面開口部21に導入された走行風、及び導風部材20の前面開口部21の小開口部212に導入された走行風を、より多く整流することができるので、より多くの走行風を導風部材20の前面開口部21から導入することができる。
また、導出部通路234は、中央導入部通路233の後端から後面開口部22に向かって、後面開口部22に平行な方向の長さが長くなっている。そのため、導出部通路234は、中央導入部通路233よりも断面積が大きくなっているので、中央導入部通路233を流れる走行風は、導出部通路234へと勢い良く吸い出される。これにより、中央導入部通路233を流れる走行風は、直進性がより高くなるので、主開口部111から導風部材20の前面開口部21に導入された走行風、及び導風部材20の前面開口部21の小開口部212に導入された走行風を、より多く整流することができ、より多くの走行風を導風部材20の前面開口部21から導入することができる。
図3に戻って、導風部材20を上面から見て、後面開口部22と直交し、上壁部20Uの段差壁部203Uと接する第2仮想直線L2は、右壁部20Rとは交わらず、導風部材20の前面において、第1仮想直線L1よりも車幅方向内側を通る。すなわち、第2仮想直線L2は、右壁部20Rとは交わらず、車両1の前面において、フロントグリル開口部11の主開口部111を通る。
したがって、導風部材20の走行風通路23は、フロントグリル開口部11の主開口部111から導風部材20の後面開口部22まで、後面開口部22から垂直に延びる通路を確保できる。これにより、走行風通路23において、走行風がよりスムーズに流れることができるので、より多くの走行風をATFクーラ30に供給することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、本実施形態では、導風部材20及びATFクーラ30は、車両1の車幅方向左側に配置するものとしたが、車幅方向右側に配置するものとしてもよいし、車幅方向両側に配置するものとしてもよい。
また、例えば、本実施形態では、導風部材20の後面開口部22と対向する位置にATFクーラ30を配置するものとしたが、ATFクーラ30に限らず、走行風によって冷却可能な任意の冷却装置を配置してもよい。
また、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 車両(車両1)の前面に取り付けられたフロントバンパー(フロントバンパー10)と、
前記フロントバンパーの後方に配置され、前面に開口した前面開口部(前面開口部21)と、後面に開口した後面開口部(後面開口部22)と、前記前面開口部から前記後面開口部へと延びる走行風通路(走行風通路23)と、が形成された導風部材(導風部材20)と、
前記導風部材の前記後面開口部と対向する位置に配置された冷却装置(ATFクーラ30)と、を備えた車両前部構造であって、
前記フロントバンパーは、
車幅方向中央に設けられた主開口部(主開口部111)と、
前記主開口部の少なくとも一方の車幅方向外側(車幅方向左外側)に設けられ、前記主開口部と繋がっており、前記主開口部から車幅方向外側に延び、前記主開口部よりも上下方向の開口長さが短いスリット開口部(スリット開口部112)と、を有するフロントグリル開口部(フロントグリル開口部11)を備え、
前記導風部材は、
前記車両の前方から見て、車幅方向及び上下方向において、前記前面開口部が、前記フロントグリル開口部の前記主開口部と一部がオーバーラップし、かつ前記スリット開口部と重なる位置となるように配置されている、車両前部構造。
(1)によれば、フロントグリル開口部のスリット開口部は、主開口部と繋がって、主開口部から車幅方向外側に延びており、導風部材は、車両の前方から見て、車幅方向及び上下方向において、前面開口部が、フロントグリル開口部の主開口部と一部がオーバーラップし、かつスリット開口部と重なる位置となるように配置されているので、フロントグリル開口部から導入される走行風のうち、主開口部から導入された走行風の一部と、スリット開口部から導入された走行風とが前面開口部から導風部材の走行風通路に導かれる。このとき、スリット開口部は、主開口部よりも上下方向の開口長さが短くなっているので、スリット開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風は、主開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風よりも直進性が高い。よって、スリット開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風は、主開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風を整流しながら走行風通路を通って後面開口部へと流れる。これにより、主開口部からより多くの走行風を導風部材の前面開口部に導入することができ、後面開口部と対向する位置に配置された冷却装置により多くの走行風を供給することができるので、冷却装置の冷却性能が向上する。
(2) (1)に記載の車両前部構造であって、
前記スリット開口部は、車幅方向において、車幅方向外側端部が、前記前面開口部の車幅方向外側端部と略一致する位置、または、前記前面開口部の車幅方向外側端部よりも車幅方向内側の位置となるように配置されている、車両前部構造。
(2)によれば、スリット開口部は、車幅方向において、車幅方向外側端部が、前面開口部の車幅方向外側端部と略一致する位置、または、前面開口部の車幅方向外側端部よりも車幅方向内側の位置となるように配置されているスリット開口部から導入された走行風を、確実に導風部材の前面開口部から走行風通路に導入することができる。
(3) (1)または(2)に記載の車両前部構造であって、
前記導風部材は、前記前面開口部の車幅方向内側端部と前記後面開口部の車幅方向内側端部とを接続する内側壁部(右壁部20R)と、前記前面開口部の車幅方向外側端部と前記後面開口部の車幅方向外側端部とを接続する外側壁部(左壁部20L)と、前記内側壁部の上端部と前記外側壁部の上端部とを接続する上壁部(上壁部20U)と、前記内側壁部の下端部と前記外側壁部の下端部とを接続する底壁部(底壁部20D)と、を有し、
前記導風部材の前記走行風通路は、前記上壁部、前記底壁部、前記内側壁部及び前記外側壁部によって囲まれて形成されており、
前記導風部材の前記内側壁部は、上方から見て、
前記後面開口部の車幅方向内側端部に接続し、前後方向に延びる内側後壁部(右後壁部205R)と、
前記内側後壁部の前方、かつ前記内側後壁部の前端よりも車幅方向内側で、車幅方向に延びる内側前壁部(右前壁部203R)と、を有する、車両前部構造。
(3)によれば、導風部材の内側壁部は、上方から見て、内側後壁部の前方、かつ内側後壁部の前端よりも車幅方向内側で、車幅方向に延びる内側前壁部を有するので、導風部材の前面開口部の開口面積を大きくすることができ、より多くの走行風を前面開口部から導風部材に導入することができる。
(4) (3)に記載の車両前部構造であって、
前記スリット開口部は、車幅方向において、車幅方向内側端部が、前記内側前壁部の車幅方向外側端部と略一致する位置、または、前記内側前壁部の車幅方向外側端部よりも車幅方向外側の位置となるように配置されている、車両前部構造。
(4)によれば、スリット開口部は、車幅方向において、車幅方向内側端部が、内側前壁部の車幅方向外側端部と略一致する位置、または、内側前壁部の車幅方向外側端部よりも車幅方向外側の位置となるように配置されているので、スリット開口部から導入された走行風が内側前壁部に当たることを抑制できる。したがって、スリット開口部から導入され直進性の高い走行風が、内側前壁部に当たって直進性が低下することを抑制できる。これにより、より多くの走行風を導風部材の前面開口部から走行風通路に導入することができる。
(5) (4)に記載の車両前部構造であって、
前記スリット開口部は、車幅方向内側端部が、車幅方向において、前記内側前壁部の車幅方向外側端部と略一致する位置となるように配置されている、車両前部構造。
(5)によれば、スリット開口部は、車幅方向内側端部が、車幅方向において、内側前壁部の車幅方向外側端部と略一致する位置となるように配置されているので、スリット開口部から導入された直進性の高い走行風が内側前壁部に当たって直進性が低下することを抑制しつつ、さらに多くの走行風をスリット開口部から導入することができる。
(6) (3)〜(5)のいずれかに記載の車両前部構造であって、
前記導風部材の前記上壁部は、
上下方向に対して略垂直方向に延びる第1上壁部(第1上壁部201U)と、前記第1上壁部の端部から下方に延びる段差壁部(段差壁部203U)と、前記段差壁部の下端から上下方向に対して略垂直方向に延び、前記第1上壁部よりも下方に位置する第2上壁部(第2上壁部202U)と、を有し、
前記段差壁部は、前記内側壁部よりも車幅方向外側に位置し、前記前面開口部から後方に延びる前後壁部(前後壁部203Ua)を有し、
前記導風部材の前記前面開口部は、
上端が前記第1上壁部によって形成されている大開口部(大開口部211)と、
前記上壁部の前記段差壁部の前記前後壁部の車幅方向外側に形成され、上端が前記第2上壁部によって形成されており、上下方向の開口長さが前記大開口部よりも小さい小開口部(小開口部212)と、を有し、
前記導風部材の前記走行風通路は、上方から見て、
車幅方向において、前記内側壁部の前記内側後壁部の前端よりも車幅方向内側の領域を形成し、前端が前記大開口部である内側導入部通路(内側導入部通路231)と、
上面が前記第2上壁部である領域を形成し、前端が前記小開口部である外側導入部通路(外側導入部通路232)と、
車幅方向において、前記内側導入部通路と前記外側導入部通路との間に形成され、上面が前記第1上壁部によって形成されており、前記内側壁部の前記内側後壁部と前記段差壁部の前記前後壁部によって挟まれた領域を有し、前端が前記大開口部である中央導入部通路(中央導入部通路233)と、を有する、車両前部構造。
(6)によれば、導風部材の前面開口部の大開口部の上下方向の開口長さは、小開口部の上下方向の開口長さよりも長くなっているので、フロントグリル開口部のスリット開口部から導風部材の前面開口部の大開口部に導入された走行風は、フロントグリル開口部のスリット開口部から導風部材の前面開口部の小開口部に導入された走行風よりも直進性が高い。よって、フロントグリル開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風のうち、導風部材の中央導入部通路に導入された走行風が最も直進性が高い。したがって、導風部材の中央導入部通路に導入された走行風は、導風部材の前面開口部の内側導入部通路に導入された走行風に加えて、外側導入部通路に導入された走行風も整流しながら走行風通路を流れる。これにより、より多くの走行風を前面開口部から導入することができるので、冷却装置により多くの走行風を供給することができる。
(7) (6)に記載の車両前部構造であって、
前記スリット開口部は、車幅方向において、車幅方向外側端部が、前記前面開口部の車幅方向外側端部よりも車幅方向内側であって、前記前面開口部の前記大開口部よりも車幅方向外側の位置となるように配置されている、車両前部構造。
(7)によれば、スリット開口部は、車幅方向において、車幅方向外側端部が、前面開口部の車幅方向外側端部よりも車幅方向内側であって、前面開口部の大開口部よりも車幅方向外側の位置となるように配置されているので、フロントグリル開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風のうち、最も直進性が高い、導風部材の中央導入部通路に導入される走行風をより多くすることができる。これにより、主開口部から導風部材の前面開口部21に導入された走行風、及び導風部材の前面開口部の小開口部に導入された走行風を、より多く整流することができるので、より多くの走行風を導風部材の前面開口部から導入することができる。
(8) (6)または(7)に記載の車両前部構造であって、
前記導風部材の前記後面開口部は、上方から見て、略直線状に車幅方向に延びており、
前記段差壁部は、前記前後壁部の後端から車幅方向外側に向かって湾曲する湾曲壁部(湾曲壁部203Ub)と、前記湾曲壁部から前記外側壁部へと車幅方向に延びる左右壁部(左右壁部203Uc)と、を有し、
前記走行風通路は、後端が前記後面開口部である導出部通路(導出部通路234)を有し、
前記導出部通路は、上面が前記第1上壁部によって形成されており、上方から見て、車幅方向において、前記内側壁部と前記段差壁部の前記左右壁部によって挟まれた領域を有し、前記後面開口部に向かって前記後面開口部に平行な方向の長さが長くなっている、車両前部構造。
(8)によれば、導出部通路は、上方から見て、車幅方向において、内側壁部と段差壁部の左右壁部によって挟まれた領域を有し、後面開口部に向かって後面開口部に平行な方向の長さが長くなっているので、導出部通路は、内側壁部と段差壁部の前後壁部によって挟まれた中央導入部通路よりも断面積が大きくなっている。そのため、中央導入部通路を流れる走行風は、導出部通路へと勢い良く吸い出される。これにより、中央導入部通路を流れる走行風は、直進性がより高くなるので、主開口部から導風部材の前面開口部に導入された走行風、及び導風部材の前面開口部の小開口部に導入された走行風を、より多く整流することができ、より多くの走行風を導風部材の前面開口部から導入することができる。
(9) (6)〜(8)のいずれかに記載の車両前部構造であって、
上方から見て、
前記導風部材の前記後面開口部は、上方から見て、車幅方向外側に向かって前方に傾斜して、略直線状に車幅方向に延びており、
前記後面開口部と直交し、前記上壁部の前記段差壁部と接する仮想直線(第2仮想直線L2)は、前記内側壁部とは交わらず、前記車両の前面において、前記フロントグリル開口部の前記主開口部を通る、車両前部構造。
(9)によれば、導風部材の後面開口部は、上方から見て、車幅方向外側に向かって前方に傾斜して、略直線状に車幅方向に延びており、後面開口部と直交し、上壁部の段差壁部と接する仮想直線は、内側壁部とは交わらず、車両の前面において、フロントグリル開口部の主開口部を通るので、導風部材の走行風通路は、フロントグリル開口部の主開口部から導風部材の後面開口部まで、後面開口部から垂直に延びる通路を確保できる。これにより、走行風通路において、走行風がよりスムーズに流れることができるので、より多くの走行風を冷却装置に供給することができる。
(10) (3)〜(9)のいずれかに記載の車両前部構造であって、
前記内側壁部の前記内側後壁部は、後方に向かうにしたがって車幅方向内側に傾斜または湾曲して前後方向に延びている、車両前部構造。
(10)によれば、内側壁部の内側後壁部は、後方に向かうにしたがって車幅方向内側に傾斜または湾曲して前後方向に延びているので、冷却装置を車幅方向内側に配置できる。
1 車両
10 フロントバンパー
11 フロントグリル開口部
111 主開口部
112 スリット開口部
20 導風部材
20D 底壁部
20L 左壁部(外側壁部)
20R 右壁部(内側壁部)
203R 右前壁部(内側前壁部)
205R 右後壁部(内側後壁部)
20U 上壁部
201U 第1上壁部
202U 第2上壁部
203U 段差壁部
203Ua 前後壁部
203Ub 湾曲壁部
203Uc 左右壁部
21 前面開口部
22 後面開口部
23 走行風通路
231 内側導入部通路
232 外側導入部通路
233 中央導入部通路
234 導出部通路
30 ATFクーラ(冷却装置)
211 大開口部
212 小開口部
L2 第2仮想直線(仮想直線)

Claims (10)

  1. 車両の前面に取り付けられたフロントバンパーと、
    前記フロントバンパーの後方に配置され、前面に開口した前面開口部と、後面に開口した後面開口部と、前記前面開口部から前記後面開口部へと延びる走行風通路と、が形成された導風部材と、
    前記導風部材の前記後面開口部と対向する位置に配置された冷却装置と、を備えた車両前部構造であって、
    前記フロントバンパーは、
    車幅方向中央に設けられた主開口部と、
    前記主開口部の少なくとも一方の車幅方向外側に設けられ、前記主開口部と繋がっており、前記主開口部から車幅方向外側に延び、前記主開口部よりも上下方向の開口長さが短いスリット開口部と、を有するフロントグリル開口部を備え、
    前記導風部材は、
    前記車両の前方から見て、車幅方向及び上下方向において、前記前面開口部が、前記フロントグリル開口部の前記主開口部と一部がオーバーラップし、かつ前記スリット開口部と重なる位置となるように配置されている、車両前部構造。
  2. 請求項1に記載の車両前部構造であって、
    前記スリット開口部は、車幅方向において、車幅方向外側端部が、前記前面開口部の車幅方向外側端部と略一致する位置、または、前記前面開口部の車幅方向外側端部よりも車幅方向内側の位置となるように配置されている、車両前部構造。
  3. 請求項1または2に記載の車両前部構造であって、
    前記導風部材は、前記前面開口部の車幅方向内側端部と前記後面開口部の車幅方向内側端部とを接続する内側壁部と、前記前面開口部の車幅方向外側端部と前記後面開口部の車幅方向外側端部とを接続する外側壁部と、前記内側壁部の上端部と前記外側壁部の上端部とを接続する上壁部と、前記内側壁部の下端部と前記外側壁部の下端部とを接続する底壁部と、を有し、
    前記導風部材の前記走行風通路は、前記上壁部、前記底壁部、前記内側壁部及び前記外側壁部によって囲まれて形成されており、
    前記導風部材の前記内側壁部は、上方から見て、
    前記後面開口部の車幅方向内側端部に接続し、前後方向に延びる内側後壁部と、
    前記内側後壁部の前方、かつ前記内側後壁部の前端よりも車幅方向内側で、車幅方向に延びる内側前壁部と、を有する、車両前部構造。
  4. 請求項3に記載の車両前部構造であって、
    前記スリット開口部は、車幅方向において、車幅方向内側端部が、前記内側前壁部の車幅方向外側端部と略一致する位置、または、前記内側前壁部の車幅方向外側端部よりも車幅方向外側の位置となるように配置されている、車両前部構造。
  5. 請求項4に記載の車両前部構造であって、
    前記スリット開口部は、車幅方向内側端部が、車幅方向において、前記内側前壁部の車幅方向外側端部と略一致する位置となるように配置されている、車両前部構造。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の車両前部構造であって、
    前記導風部材の前記上壁部は、
    上下方向に対して略垂直方向に延びる第1上壁部と、前記第1上壁部の端部から下方に延びる段差壁部と、前記段差壁部の下端から上下方向に対して略垂直方向に延び、前記第1上壁部よりも下方に位置する第2上壁部と、を有し、
    前記段差壁部は、前記内側壁部よりも車幅方向外側に位置し、前記前面開口部から後方に延びる前後壁部を有し、
    前記導風部材の前記前面開口部は、
    上端が前記第1上壁部によって形成されている大開口部と、
    前記上壁部の前記段差壁部の前記前後壁部の車幅方向外側に形成され、上端が前記第2上壁部によって形成されており、上下方向の開口長さが前記大開口部よりも小さい小開口部と、を有し、
    前記導風部材の前記走行風通路は、上方から見て、
    車幅方向において、前記内側壁部の前記内側後壁部の前端よりも車幅方向内側の領域を形成し、前端が前記大開口部である内側導入部通路と、
    上面が前記第2上壁部である領域を形成し、前端が前記小開口部である外側導入部通路と、
    車幅方向において、前記内側導入部通路と前記外側導入部通路との間に形成され、上面が前記第1上壁部によって形成されており、前記内側壁部の前記内側後壁部と前記段差壁部の前記前後壁部によって挟まれた領域を有し、前端が前記大開口部である中央導入部通路と、を有する、車両前部構造。
  7. 請求項6に記載の車両前部構造であって、
    前記スリット開口部は、車幅方向において、車幅方向外側端部が、前記前面開口部の車幅方向外側端部よりも車幅方向内側であって、前記前面開口部の前記大開口部よりも車幅方向外側の位置となるように配置されている、車両前部構造。
  8. 請求項6または7に記載の車両前部構造であって、
    前記導風部材の前記後面開口部は、上方から見て、略直線状に車幅方向に延びており、
    前記段差壁部は、前記前後壁部の後端から車幅方向外側に向かって湾曲する湾曲壁部と、前記湾曲壁部から前記外側壁部へと車幅方向に延びる左右壁部と、を有し、
    前記走行風通路は、後端が前記後面開口部である導出部通路を有し、
    前記導出部通路は、上面が前記第1上壁部によって形成されており、上方から見て、車幅方向において、前記内側壁部と前記段差壁部の前記左右壁部によって挟まれた領域を有し、前記後面開口部に向かって前記後面開口部に平行な方向の長さが長くなっている、車両前部構造。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の車両前部構造であって、
    上方から見て、
    前記導風部材の前記後面開口部は、上方から見て、車幅方向外側に向かって前方に傾斜して、略直線状に車幅方向に延びており、
    前記後面開口部と直交し、前記上壁部の前記段差壁部と接する仮想直線は、前記内側壁部とは交わらず、前記車両の前面において、前記フロントグリル開口部の前記主開口部を通る、車両前部構造。
  10. 請求項3〜9のいずれか一項に記載の車両前部構造であって、
    前記内側壁部の前記内側後壁部は、後方に向かうにしたがって車幅方向内側に傾斜または湾曲して前後方向に延びている、車両前部構造。
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