JP6012213B2 - 超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法、および分極処理装置 - Google Patents
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Description
このような超音波送受信用の圧電素子の材料としては、PZTと称されるチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)で代表されるペロブスカイト結晶構造を有する酸化物系圧電材料(圧電セラミックス)が最も代表的である。
具体的には、例えばPZT圧電素子の場合、先ずPbO、ZrO2、TiO2などのPZT用の原料粉末を所定の割合で配合し、その配合粉末に純水を加えてボールミルで混合粉砕し、乾燥して仮焼成し、再度粉砕して粉末とし、更に仮焼成してから再度粉砕して、ペロブスカイト型結晶構造を有するPZT粉末を得る。そしてそのPZT粉末に、PVA(ポリビニルアルコール)などのバインダを加えて混合し、適度の大きさの造粒粉とする。その後、造粒粉に圧力を加えて成形し、肉厚な円盤状あるいは立方体形状などの所定のバルク形状の成形体とする。更にその成形体を加熱してバインダを除去してから、高温に加熱して焼成(焼結)して、セラミック焼結体とし、その後、所定の製品形状(圧電素子形状)に加工した後、銀電極などの電極を焼付けなどにより取り付け、分極処理を行なって、圧電特性を付与するのが通常である。
一般に、高い圧電特性を有する圧電素子ほど、高品質の圧電素子であると評価される。すなわち、分極処理後の圧電特性が高いほど、効率的に超音波を発振することが可能となり、超音波出力の高出力化が容易に図ることが可能となる。一方、酸化物系無機圧電材料からなる焼結体を用いた圧電素子では、焼結体が高密度となるほど、分極処理後の圧電特性が向上する。そこで、一般に使用される圧電素子では、焼結体の密度が90%程度以上、95%程度の高密度となるように製造するのが通常である。
なお、圧電素子を高出力化すれば、それに伴って反射波のエネルギも大きくなる。そして反射波のエネルギが過大であれば、反射波の受信信号中のノイズが大きくなってしまう。そこで従来、過大な反射波が予想される場合には、反射波を減衰させるためのダンパを組み込んでおくことも行なわれている。
しかるに、各種設備の配管は、金属管の外表面が保護材や断熱材などの外被によって覆われていることが多い。このような場合に超音波厚みセンサによって配管の厚み測定を行なう際には、測定個所の外被を除去して金属管の外表面に媒体を塗布もしくは供給する準備作業が必要となり、また厚み測定後には、媒体を拭き取り、更に外被を修復する修復作業を必要とする。したがって1回の厚み測定作業に多くの手間と時間を要さざるを得なかったのが実情である。
また同様の理由から、厚みの経時的な測定データを連続して得ることは困難であった。
すなわち、配管のうちでもその管径が小さい配管、すなわち外面の曲率半径が小さい配管の管壁や、配管におけるL字状に屈曲した部あるいはL字状に溶接した部分、すなわちエルボー部分、さらにはT字状に溶接した部分の隅部の如く、湾曲した部分(凸状もしくは凹状に湾曲した部分)の厚みを測定しようとした場合、その湾曲部分に探触子の前面を均一に当てることは困難であり、そのため測定誤差が大きくなったり、厚み測定が困難となったりする問題もあった。
その結果、配管や容器などの厚み測定の場合、対象となる管壁や容器外壁の厚み(超音波を透過/反射させるべき距離)は数百μmからせいぜい十数mm程度と小さく、しかも反射面は一様な定形面となっており、更には、超音波探傷の場合のように2種以上の反射波の受信信号を峻別する必要もないため、他の用途よりも超音波出力が小さくても、確実に厚みを測定し得ることを知見した。言い換えれば、厚みセンサの場合は、他の用途よりも圧電効率が低くても、厚みセンサとして充分に機能させることができることを知見した。
このように従来一般に使用されている高密度の緻密な酸化物系無機圧電材料からなる焼結体では、その分極処理にコロナ放電を適用しても、一般的な用途で目標とされる程度までは充分に分極されず、そのため酸化物系無機圧電材料からなる焼結体については、その分極処理方法としてコロナ放電は実際上適用されていなかったのが実情である。
このような量産方法を実施する場合、各焼結体に対する分極処理は、薄板状支持体を切り分ける前の段階で一括して行う(一括分極)か、または薄板状支持体を切り分けた後に、個別に行なうこと(切り分け後の個別分極)が考えられる。
超音波厚みセンサの圧電体として使用される酸化物系無機圧電材料からなる層状焼結体に分極処理を施すにあたり、
前記層状焼結体としてその密度が70〜80%の範囲内のものを用い、
平板上のベース電極の板面に対向するようにコロナ放電用電極を配設しておき、
前記ベース電極上に前記層状焼結体を配した状態で、コロナ放電用電極とベース電極との間に電圧を印加してその間でコロナ放電を生起させ、そのコロナ放電によって形成される電界領域内に前記層状焼結体を曝すことにより、層状焼結体に分極処理を施すことを特徴とするものである。
なお本明細書において焼結体の密度とは、空隙率の逆数、すなわち相対密度を意味するものとする。
すなわち、70〜80%という低密度の焼結体では、コロナ放電により分極処理を行なった場合、他の用途、例えば超音波ソナーや超音波探傷装置、超音波診断装置などにおいて必要とされるような高い圧電特性は期待できないが、超音波厚みセンサ、特に厚みが数百μmから数十mm程度の比較的薄い配管完璧や容器外壁などの測定対象物の厚みを測定するに当たっては、他の用途ほどの高い圧電特性を必要とせず、コロナ放電による分極処理によって、超音波厚みセンサとしては充分な程度の圧電特性を確保することができる。
ここで、焼結原料層の焼成時においては、その焼結原料層が支持体によって支持されているため、焼結原料層の厚みを薄くしても、焼成工程において支障なく焼成することが可能であり、またその支持体は、分極処理時のベース電極および超音波厚みセンサにおける第1の電極として機能するのみならず、焼成および分極処理後の層状焼結体(圧電セラミック層)の支持体としても機能するから、その層状焼結体の密度が70〜80%と低くかつその厚みが薄くても、層状焼結体が剥落したり割れたりすることを防止できる。
図1〜図3には、本発明の一実施形態の分極処理装置を用いて、本発明の分極処理方法を実施している状況を概略的に示す。なおこの実施形態は、分極対象の酸化物系圧電材料からなる焼結原料が、薄板状支持体としての金属薄板の板面上において焼結されて、その金属薄板上に層状焼結体が形成された積層体の状態とされており、その積層体の金属薄板(薄板状支持体)を、コロナ放電時における平板上のベース電極として利用して分極処理を行う場合の例である。
前記電極台3は、その上面が水平な平坦面3Aとされており、またその電極台3は、基本的には少なくともその上面(平坦面)3Aが導電性を有する構成とされていればよいが、本実施形態の場合は、電極台3の全体がアルミニウムやアルミニウム合金、銅や銅合金、ステンレス鋼などの導電性材料からなる構成とされている。そしてこの電極台3は、接地電位を保つように、アース線9によって電気的に接地されている。なお電極台3には、必要に応じて、電熱ヒータや温水ヒータ、オイルヒータなどの図示しない加熱手段が組み込まれていても良い。
但し、場合によっては、電極台3の上下方向位置は固定しておく一方、電極支持部材13を昇降可能として、その電極支持部材13に昇降調整機構を設けておき、必要に応じて電極支持部材13を昇降させることによって線状電極11A〜11Cを上下動させ、これによって電極台3の上面3Aと線状電極11A〜11Cの間の距離Gを調整することも可能である。したがって、要は、電極台3の上面3Aと線状電極11A〜11Cの間の距離Gを調整する間隔調整手段として、電極台3と電極支持部材13のいずれかに昇降調整機構が設けられていれば良い。
この状態で分極電圧印用電源15を駆動させれば、線状電極11A〜11Cと金属薄板19との間に高電圧が加えられ、これによって各線状電極11A〜11Cから金属薄板19に向けてコロナ放電が発生して、電界領域(放電域;電位差領域)が形成される。層状焼結体17は、金属薄板19に対して線状電極11A〜11Cの側に形成されているから、その層状焼結体17は、コロナ放電による電界に曝され、その結果、焼結体17が分極されることになる。
本発明者等の実験によれば、密度が70〜80%と低密度でかつ厚みが数百μmオーダー以下の薄質な層状焼結体であれば、コロナ放電によって、超音波厚みセンサとして必要な程度の分極特性、圧電特性が得られることが判明している。
なお、層状焼結体を構成している酸化物系圧電材料が、常温では比較的分極されにくい材料である場合には、既に述べたように分極処理装置として電極台3に予め加熱手段を組み込んだ構成を適用しておき、分極処理時に加熱手段を作動させて、電極台3および金属薄板19を介して層状焼結体19を、例えば80〜200℃程度に加熱し、その状態でコロナ放電を生起させて、分極を促進しても良い。
例えば図1〜図3に示す例では、間隔を置いて平行に配列された3本の線状電極11A、11B、11Cのそれぞれと平板状ベース電極に相当する金属薄板19との間には、それぞれコロナ放電によって電界領域(放電域)21A、21B、21Cが形成される。これらの電界領域21A、21B、21Cは、それぞれ線状電極11A、11B、11Cの長さ方向に沿う帯状の領域として、最大幅(金属薄板表面付近での幅)Wで形成される。そして各電界領域21A、21B、21Cの幅方向の端部付近が互いに重なり合うように、線状電極11A、11B、11Cの相互間の間隔S、および線状電極11A、11B、11Cと電極台3との間の距離Gを設定しておけば、金属薄板19上に形成されている層状焼結体17の全体が電界領域中に曝されることになり、その層状焼結体17の全体を同時に分極させることが可能となる。なおここで、コロナ放電には、本来は線状電極11A、11B、11Cと、ベース電極を兼ねる金属薄板19の表面との間の距離G0の影響を受けるが、金属薄板19は通常は150μm程度以下と薄質であり、一方距離Gは数mmから十数mm程度であり、したがって距離G0は距離Gと大きな差はなく、実質的に同じとみなすことができる。
また、図示していないが、間隔調整手段としての昇降調整機構が、線状電極11を支持する電極支持部材13に設けられている場合には、その電極支持部材13を昇降させることによって、線状電極11の上下方向位置を変化させ、これによって上記の距離G、G0を調整すれば良い。
図5、図6に示しているように、第1の電極(金属薄板)19の片面が厚さ測定対象物(金属管の管壁、容器の外壁など)29の表面に接するように、接着剤31などを用いて超音波厚みセンサ27を貼り付けることによって、測定対象物29の厚みを随時測定することができる。なおこの際の接着剤31としては、銀ペースト、ガラスペースト、白金ペースト、金ペーストなどを使用すればよい。
また上記の超音波厚みセンサは、全体として薄質で可撓性を有しているため、特に図6に示しているように、測定対象物29の表面が湾曲している場合であっても、その湾曲面に沿って超音波厚みセンサ27を接着して、湾曲部位における厚み測定を行なうことができる。
この場合、図7、図8に示しているように、分極処理時には、線状電極11(11A〜11C)と層状焼結体17との間(実際には層状焼結体17の表面)に第2の電極23が介在している状態で、線状電極11と金属薄板(第1の電極;ベース電極)19との間に高電圧を印加することになるが、本発明者等の実験によれば、このように第2の電極23が介在している状態でも、上記の高電圧によってコロナ放電が生じ、かつそのコロナ放電によって層状焼結体17が分極されることが判明している。
分極のためのコロナ放電時におけるコロナ放電用電極としての線状電極11(11A〜11C)と、それに対向する平板状のベース電極(金属薄板19)との間の間隔G0は、0.5〜2cm程度が好ましい。間隔G0が0.5mm未満では、対向電極間の距離が小さすぎて、絶縁破壊による火花放電(全路放電)が生じてしまうおそれがあり、一方間隔G0が2cmを越えれば、コロナ放電が生じにくくなってしまう。
また分極のためのコロナ放電時において印加する印加電圧は、間隔G0によっても異なるが、通常は5000〜15000V程度が好ましい。5000V未満ではコロナ放電が生じにくくなり、一方15000Vを越えれば、細い線状電極が焼切れてしまうおそれがある。なお本発明者等の実験によれば、層状層状焼結体の密度が70〜80%で、かつ厚みが30〜150μm程度と薄質であれば、上記の電極間距離条件、印加電圧条件の範囲内でのコロナ放電によって、超音波厚みセンサとして必要な程度の分極特性(圧電特性)が得られることが確認されている。
さらに、高電圧を印加する時間、すなわちコロナ放電によって分極処理を行う時間は、1〜5分程度とすることが望ましい。分極処理時間が1分未満では、70〜80%の低密度の焼結体について、超音波厚みセンサとして必要な程度まで分極させることができなくなってしまうおそれがあり、一方、5分を越えて分極処理を行っても、70〜80%の低密度の焼結体ではそれ以上分極が進行せず、生産性を損なうだけである。但し、分極しにくい圧電材料の場合には、5分を越える長時間の分極処理を行うことも許容される。
なおこれらのコロナ放電による分極処理の条件は、層状焼結体の表面に予め第2の電極が形成されている状態で分極処理を行う場合と、第2の電極が形成されていない状態で分極処理を行なう場合とのいずれの場合にも共通して望ましい条件である。
層状焼結体を構成する酸化物系圧電材料(セラミック圧電材料)の種類、組成は、基本的には限定されないが、ペロブスカイト型結晶構造を有する強誘電体からなる酸化物系圧電材料であることが好ましく、そのうちでも、PZTと称されるチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、より具体的には、Pb(ZrxTi1−x)O3〔但し0.5≦x≦0.7〕が好ましく、更に上記のxの値が0.52前後の組成のPZTが最も好ましい。その他、上記のPZT組成を基本として、それに微量添加元素として、Mn、Mg、Ca、Sr、Ba、V、Nb、Ta、La、Nd、Sc、Gdなどの1種又は2種以上を、それぞれ10重量%程度以下添加したものであってもよく、要は、PZT系(チタン酸ジルコン酸鉛系)の圧電セラミック材料と称される材料はすべて対象となる。さらに、PZT系圧電セラミック材料に限らず、その他のペロブスカイト型結晶構造を有する圧電セラミック材料、例えばLiNbO3(ニオブ酸リチウム)など、またペロブスカイト結晶構造を持たないその他の圧電セラミック材料、例えばBi4Ti3O12(チタン酸ビスマス:BIT)なども適用することができる。
層状焼結体の密度は、70〜80%の範囲内とする。
層状焼結体の密度が80%と越える高密度となれば、焼結体の剛性が高くなって、可撓性が劣る状態となり、その結果、厚みセンサとしての使用時においてセンサを湾曲させれば、焼結体が金属薄膜(第1の電極)から剥離したり、クラックが発生したりするおそれがあり、したがって厚さ測定対象の配管などの湾曲部分に適用することが困難となる。また、超音波厚みセンサの製造工程中、焼結原料を焼成する際に、密度が80%と越えるように加熱・焼成した場合、焼成時の収縮が大きくなって、金属薄膜(第1の電極)から剥離してしまうおそれが強く、その結果、第1の電極としての金属薄膜上に密着した層状焼結体を得ることが困難となる。
一方、層状焼結体の密度が70%未満の低密度では、焼結体内の空隙率が高すぎて、焼結体内部の粒子が充分に結合されていない状態となり、そのため、圧電センサ製造工程中の焼成後の工程におけるハンドリング時やセンサとしての使用時に層状焼結体が粉体状に剥落してしまうおそれがあり、また同時に、焼結体内部の空隙率が高くなって、厚さ測定のため超音波センサとして充分な圧電特性が得られなくなるおそれがある。
したがって層状焼結体の密度は、70〜80%の範囲内とする。
酸化物系圧電材料からなる層状焼結体の厚みは、平均で30〜150μmの範囲内とする。
層状焼結体の平均厚みが30μm未満では、その厚みが薄すぎてセンサーとしての能力が低くなる。一方、層状焼結体の平均厚みが150μmを越えれば、層状焼結体の剛性が大きくなって可撓性を損ない、超音波厚みセンサを湾曲させた時に、焼結体に割れが生じたり、第1の電極(金属薄板)から剥離してしまうおそれがある。
コロナ放電時におけるベース電極を兼ね、かつ超音波厚みセンサにおける第1の電極となる金属薄板の厚みは、15μm〜100μmとすることが好ましい。この金属薄板は、前述のように超音波厚みセンサ製造時において焼結原料、層状焼結体の支持体として機能し、かつ超音波センサ製品としての使用時においても層状焼結体(圧電セラミック層)の支持体、さらにセンサ製品の一方の電極としても機能するものであるが、その厚みが15μm未満では、強度が不充分で、センサ製造工程中のハンドリングに支障をきたすおそれがあるとともに、厚みセンサとしての使用時において変形あるいは破損してしまうおそれがある。一方、その厚みが100μmを越えれば、金属薄板の可撓性が失われて、厚みセンサ全体としてもその可撓性が劣ることとなり、そのため使用時において厚み測定対象の配管の湾曲部分に貼着することが困難となるおそれがある。
第2の電極は、超音波厚みセンサ製品における一つの電極として、既に述べたように、コロナ放電による分極処理を行った後、あるいはそれ以前に層状焼結体の表面に形成されるものである。
この第2の電極の厚みは、平均で10〜100μmの範囲内のものとすることが好ましい。第2の電極の厚みが100μmを越えれば、厚みセンサの可撓性を損なうおそれがあり、一方10μm未満に薄く第2の電極を形成した場合、層状焼結体の表面の凹凸によって局部的に第2の電極が不連続となってしまうおそれがある。
第2の電極の材質は、導電性材料であれば特に限定されないが、例えば銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)、その他、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などのうちの1種または2種以上を適宜選択すれば良い。またその第2の電極を形成するための手段も特に限定されず、銀ペーストや金ペースト、白金ペーストなどの導電性ペーストを層状焼結体の表面に塗布して焼き付けたり、あるいはこれらの導電性金属を層状焼結体の表面に溶射したり、さらにはこれらの導電性金属からなる薄膜を層状焼結体の表面に接合する、などの手段を適用すれば良い。
その場合の分極処理実施状況の例を、図9、図10に示す。
このような大面積積層体20を、前記同様に電極台3上に載置し、コロナ放電時において各線状電極11A〜11Cにより形成される電界領域(放電域)21A、21B、21Cが、すべての層状焼結体17を同時にカバーするように各線状電極11A〜11Cの長さおよび間隔、線状電極11A〜11Cと電極台3との距離を適切に設定しておけば、多数の層状焼結体17を同時に分極させることができる。
なお図9、図10では、各層状焼結体17の表面に第2の電極23が予め形成されている場合についてコロナ放電による分極処理を行う例として示しているが、第2の電極が形成されていない層状焼結体に対してコロナ放電による分極処理を行い、その後に第2の電極を焼結体表面に形成してもよいことはもちろんである。
このような方式に用いる連続分極処理装置の構成の一例を図11〜図13に示し、併せてその場合の分極処理方法について次に説明する。
これによって、長板状積層体20の多数の層状焼結体17が、順次コロナ放電によって形成される電界領域(放電域)21A、21B、21C内に送り込まれ(図12参照)、その電界領域内に位置するいくつかの焼結体が同時に分極されながら、長板状積層体20の連続移動に伴って、順次多数の焼結体が分極されていくことになる。
なお図14の例では、分極処理に先立って層状焼結体の上面に第2の電極を形成しておき、その第2の電極が形成された状態の焼結体に分極処理を施す状況を示しているが、図1〜図3に示した第1の実施例と同様に、未だ第2の電極を形成していない状態で分極処理を施し、その後に第2の電極を層状焼結体の表面に形成しても良いことはもちろんである。
すなわち、
P1:酸化物系圧電材料、例えばPZTなどの粉末を含む焼結原料として、スラリーもしくはペースト(ここではこれらを総称して粘性液状物と称する)を準備する(焼結原料調製工程)、
P2:前記金属薄板(分極処理時のベース電極兼製品センサの第1の電極)上に前記粘性液状物を塗布することによって、金属薄板上に焼結原料層を形成する焼結原料層形成工程、
P3:前記焼結原料層を加熱することにより焼結原料を焼成し、これによって酸化物系圧電材料の層状焼結体を形成する焼成工程、
以上のP1〜P3の各工程からなるプロセスによって、金属薄板上に層状焼結体を形成した積層体を得ることができる。
また、分極処理前の段階で、予め層状焼結体の表面に第2の電極を形成してく場合は、上記の焼成工程P3の後に、第2電極形成工程P4を実施する。
以下にこれらの各工程P1〜P4について、具体的に説明する。
この工程では、強誘電体からなる酸化物系圧電材料、例えばPZTなどの粉末を含むペーストあるいはスラリーなどの粘性液状物を調製(準備)する。
ここで、酸化物系圧電材料用の粉末としては、例えばPZT粉末などが、セラミック粉末製造メーカなどから市販されており、したがってこの種の市販のセラミック圧電素子用粉末を購入し、それを用いてペーストあるいはスラリーなどの粘性液状物を調製すれば良い。但し、原料粉末の調製から出発してもよいことはもちろんであり、そこで、原料粉末調製のための工程を、次に簡単に説明する。
A;平均粒径が1〜10μmの範囲内の酸化物系圧電材料粉末と、その酸化物系圧電材料の金属成分のアルコキシドゾルとを混合したもの。
B:平均粒径1〜10μmの酸化物系圧電材料粉末と、酸化物圧電材料の金属成分のアルコキシドの分解による平均粒径0.1〜1.0μmの微粉末とを分散媒に分散させたスラリーもしくはペースト。
C;酸化物系圧電材料からなる平均粒径が0.15〜0.25μmの超微粉末を分散媒に分散させたスラリーもしくはペースト。
D;酸化物系圧電材料粉末および低融点ガラス粉末(代表的にはビスマス系ガラス粉末)を分散媒に分散させたスラリーもしくはペースト。
E;酸化物系圧電材料粉末を珪酸ソーダ溶液に分散させたペースト。
本発明の方法では、焼結原料として上記A〜Eのいずれの粘性液状物を調製しても良い。これらのA〜Eの粘性液状物のそれぞれの調製方法や望ましい条件については、後に改めて詳細に説明する。
この焼結原料層形成工程P2では、前述のようなステンレス鋼などからなる金属薄板の表面に、焼結原料としての粘性液状物(スラリーもしくはペースト)を塗布し、乾燥させて、焼結原料層を金属薄板上に形成する。
液状液状物を金属薄板上に塗布するための塗布手段は特に限定されないが、スプレーによって噴射塗布したり、あるいはロールコーターやスキージ、あるいは刷毛を用いて塗布するなど、一般の塗布・印刷において適用されている手段を任意に適用することができる。
そしてこのように乾燥後の厚みを確保するためには、粘性液状物の塗布・乾燥を複数回繰り返しても良い。
なお、金属薄板上に粘性液状物を塗布した後の乾燥は、次の焼成工程における焼結のための加熱の初期段階で行なっても良い。
続いて、前述のようにして分極処理時のベース電極兼製品センサの第1の電極となるべき金属薄板の表面に焼結原料層を形成した後、その焼結原料層を加熱して焼成し、平均厚みが30〜150μmで、密度が70〜80%の範囲内の層状焼結体を形成する。
このような焼成工程によって、支持体およびベース電極、第1の電極を兼ねた金属薄板の表面に、所定の厚み、所定の密度の層状焼結体が形成された積層体が得られる。
この第2電極形成工程は、分極処理対象の積層体を、層状焼結体の上面に予め第2の電極が形成されているものとする場合に、焼成工程の後、分極処理の前に施す工程である。すなわちこの第2電極形成工程においては、超音波厚みセンサにおいて第1の電極(金属薄板)の対極となる第2の電極を、層状焼結体の上面(第1の電極となる金属薄板に対し反対側の面)に、望ましくは平均厚み10〜100μmで形成する。
これらの手法のうち、銀ペーストなどの導電性ペーストを塗布、焼き付ける方法によって第2の電極を形成する場合、厚み方向に貫通する開口部が形成されてなる薄板状もしくはシート状のマスク部材を予め用意しておき、そのマスク部材を、開口部が層状焼結体の表面の少なくとも一部において開口するように、層状焼結体の表面側に重ねて配置し、導電性ペーストをマスク部材の表面側から塗布して、焼き付けることが望ましい。
ここで、酸化物系圧電材料粉末の粒径は平均粒径1〜10μmとしているが、これは、従来の一般的な手法、すなわち酸化物系圧電材料を構成する金属成分の酸化物の粉末を混合して焼成し、これを機械的に粉砕して得られる原料粉末は、通常平均粒径1〜10μm程度であるからである。ここで、原料粉末の平均粒径を1μm未満とすることは、粉砕効率の観点から困難であり、一方原料粉末の平均粒径を10μm超とすることは、燒結性の観点から問題となる。
但し、Pb(ZrxTi1−x)O3〔但し0.5≦x≦0.7〕のPZT組成を基本として、それに微量添加元素として、Mn、Mg、Ca、Sr、Ba、V、Nb、Ta、La、Nd、Sc、Gdなどの1種又は2種以上を添加したPZT系圧電セラミック材料を対象とする場合、アルコキシドゾルとしては、必ずしもこれらの微量元素金属のアルコシシドまで含んでいなくても良く、主成分であるPb、Zr、Tiのアルコキシドを含んでいればで充分である。もちろん場合によっては、これらの微量添加元素の金属アルコキシドを含むゾルであってもよい。
なお、上記の酸化物系圧電材料粉末とアルコキシドゾルの混合比は特に限定しないが、通常は、同じ金属成分で比較して、原料粉末中の金属成分に対するアルコキシドゾル中の金属成分のモル比が、0.2〜1.0の範囲内となるように混合することが望ましい。上記のモル比が0.2未満では、アルコキシドゾルが少なすぎて、焼成工程においてゾルの分解生成物が焼結助剤として充分に機能せず、そのため低温での焼結が困難となり、一方上記のモル比が1.0を越えれば、アルコキシドゾルが多すぎて、金属薄板上で焼成したときに、比較的粗大な原料粉末の粒子が充分に結合されず、層状焼結体が粉っぽくなり、飛散または剥落してしまうおそれが大きくなる。
なおこの場合の焼成工程では、既に述べたように加熱温度を600〜800℃の範囲内とすることが好ましい。
PZTなどの酸化物系圧電材料の微粉末をアルコキシド分解法によって生成するための具体的方法は、従来知られているアルコキシド分解法と同様であればよく、特に限定されるものではないが、通常は、PZTなどの酸化物系圧電材料の金属成分のアルコキシドの混合ゾルを、例えば水を加えて加水分解すれば良い。なおここで言うアルコキシドゾルは、前述のAの粘性液状物を調製する際に用いたアルコキシドゾルと同様なものであれば良く、そこでその詳細は省略する。
湿式ビーズミルは、粉砕対象の原料粉末と粉砕媒体のビーズを、水などの液体からなる分散媒とともに粉砕室に装入し、アジテータ(撹拌用ロータ)を数千rpmで高速回転させることによりビーズを撹拌して運動エネルギを与え、その運動するビーズにより原料粉末に対する摩擦、せん断、衝突などにより、粉末を超微粒子化するものである。ここで、粉砕媒体のビーズとしては、直径0.1mm〜1mm程度、一般には0.5mm程度の硬質物質からなる球体粒子が用いられる。またその硬質物質としては、セラミックス、ガラス、金属などがあるが、通常はジルコニア、ジルコニア強化型アルミナなどが好ましい。
なお湿式ビーズミルにおける分散媒としては、水のほか、エタノールなどのアルコール、その他ヘキサン等を用いることができる。
このようにして得られた超微粉末は、分散媒に分散したスラリー状となっており、分散媒の種類によっては、そのスラリーをそのまま金属薄板上に塗布する粘性液状物Cとして用いても良いが、通常は、一旦乾燥させて乾燥超微粉末とした後、改めてペースト化することが好ましい。
具体的には、微粉末用の公知の分散・混錬機を使用して分散媒とともに混錬すれば良いが、例えば3本ロールミル、すなわち3本のロールの回転差を利用した分散・混錬機を用いることが好ましい。なおこの際に用いる分散媒の種類は特に限定されず、エタノール、あるいはブチルカルビトール、PVBエタノールなどを用いることができる。またこのペースト化工程で生成するペーストは、その粘度が1000〜10000mPa・sであることが好ましい。ペーストの粘度が1000mPa・s未満では、その塗布時において、ペーストを金属薄板上に均一な厚みで形成することが困難となり、一方10000mPa・sを越えれば、粘度が高すぎてレベリングなどの平滑化などにおいて問題が生じるおそれがある。
ここで、低融点ガラスとしては、軟化点(軟化開始温度)が450℃より低いガラスを選択すればよく、上記のビスマス系ガラスのほか、リン酸系ガラス、ホウリン酸系ガラス、バナジウムホウ酸系ガラス、アルカリ珪酸系ガラスなど、さらにはPbO−SiO2―B2O3系などの鉛系ガラスも使用可能であるが、ビスマス系ガラスが最も望ましい。
上記のBi2O3―SiO2系ガラスは、
xBi2O3・(100−x)SiO2
但し、x=35〜65mol%、
と表せ、またBi2O3―Li2O系ガラスは、
xLi2O・(100−x)Bi2O3
但し、x=20〜40mol%または70〜80mol%、
と表せ、さらにBi2O3―B2O3系ガラスは、
xBi2O3・(100−x)B2O3
但し、x=30〜80mol%、
と表せる。これらのビスマス系ガラスは、いずれも軟化点が450℃よりも低く、本発明においてPZTなどの酸化物系圧電材料粉末と混合する低融点ガラスとして好適に使用することができる。
なお、いずれのビスマス系ガラスにおいても、必要に応じ、さらにその他の酸化物として、PbO、ZnO、SrO、BaO、CuO、Al2O3、Fe2O3、MgO、CeOのうちの1種又は2種以上を含有していても良い。
この焼成工程では、加熱温度を450〜550℃の範囲内とすることが好ましい。この場合、焼結原料中の酸化物系圧電材料粉末の粒子間にビスマス系ガラスなどの低融点ガラスの粉末粒子が介在しており、この低融点ガラスの粉末粒子が、450〜550℃の温度域での加熱時において溶融もしくは軟化を開始し、それが酸化物系圧電材料粉末粒子間のバインダとして機能して、酸化物系圧電材料粉末粒子の相互間を物理的に結合させることができる。したがって、450〜550℃の温度域で焼成することによって、密度はさほど増大させることなく酸化物系圧電材料粉末粒子間がある程度強固に結合された層状焼結体を得ることができるのである。
ここで、PZTなどの酸化物系圧電材料粉末を分散させる珪酸ソーダ溶液に使用する珪酸ナトリウムは、モル比nが0.5〜1.5程度のもの、とりわけモル比nが1のメタ珪酸ナトリウムを使用することが望まれるが、それに限定されるものではない。
またこのペーストは、その粘度が1000〜10000mPa・sであることが好ましい。ペーストの粘度が1000mPa・s未満では、ペーストをメタライズ層上に均一な厚みで形成することが困難となり、一方20000mPa・sを越えれば、粘度が高すぎてレベリングなどの平滑化などにおいて問題が生じるおそれがある。
一方メタライズ層を。ジルコニア系セラミックスからなる基板の上面のみならず、下面にも形成しておき、かつ上面のメタライズ層と下面のメタライズ層とが電気的に導通するように、例えば基板の端面にもメタライズ層を形成しておけば、図1〜図3に示されるような分極処理装置の導電性を有する電極台の上面に載置するだけで、メタライズ層をベース電極として機能させることが可能である。
ここで、層状焼結体は、その大きさ、形状(上面側から見た大きさ、形状)は、10mm×10mmの方形とした。また線状電極としては、外径が100μm、長さが150mmの3本のタングステン線材を用い、その3本の線状電極を、相互の間隔が30mmとなるように平行に配列しておいた。そして中央の線状電極の中心の下方に層状焼結体の中心が位置するように、層状焼結体を金属薄板ごと、SUS316からなる電極台の上面に載置し、線状電極と電極台との間に電圧を印加して、コロナ放電による分極処理を実施した。
すなわち、電極台を昇降調整機構によって昇降させることによって、電極台の上面から線状電極までの距離Gを変化させることにより、ベース電極を兼ねる金属薄板表面と針状電極との間隔G0を、5〜25mmに変化させた。また線状電極と電極台との間の印加電圧も5000〜9000Vに変化させた。さらに分極処理時間(電圧印加時間)は、1分または5分とした。
なおd33メータによる測定値(d33値)は、超音波圧電振動が生じない場合は0(ゼロ)であり、95%以上の高密度のPZT焼結体(従来の圧電素子用PZT焼結体)では300〜400の値となるが、数mmから十数mm程度の薄い測定対象物の厚み測定を行なう場合には、10〜30程度の値で充分である。
すなわち、PZT用の原料粉末として、酸化鉛(PbO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)の粉末を用意し、これらを、PbO:1モル、ZrO2:0.5モル、TiO2:0.5モルの割合で配合し、溶媒をエタノール、分散剤をポリエチレンイミンとして、ボールミルにより24時間湿式混練し、スラリーとした。そのスラリーを乾燥させて混合粉末塊とした後、アルミナるつぼに入れて、アルミナの蓋をし、850℃、10時間の熱処理(仮焼成)を行い、ペロブスカイト型結晶構造を有するPZT粉末塊を得た。そのPZT粉末塊を粉砕し、300ミクロンの篩いを通過させたものをボールミルに入れ、エタノール中で、ジルコニアボールを粉砕媒体として24時間粉砕することにより、平均粒径2μmのPZT粉末とし、乾燥させた。
塗布後、乾燥させてから、700℃で熱処理を行うことにより、PZTを焼き付けた。具体的には、電気炉に入れ、大気雰囲気にて昇温速度2℃/minで700℃まで加熱し、700℃において1時間保持したのち、炉令した。これにより、焼成されたPZTからなる厚み50μm、密度約75%の圧電材料層状焼結体が、金属薄板の上に焼き付けられた積層体を得た。
こで、層状焼結体の大きさ、形状は実施例1と同様とし、第2の電極は、層状焼結体の表面に、7mm丸の大きさで銀ペーストを塗布し、500℃で焼き付けて、平均厚み30μmで形成した。また線状電極としては、実施例1と同様に3本のタングステン線材を用い、線状電極の中心の下方に第2電極の中心(層状焼結体の中心に対応)が位置するように、層状焼結体を金属薄板ごと、SUS316からなる電極台の上面に載置し、線状電極と電極台との間に電圧を印加して、コロナ放電による分極処理を実施した。
ここで、分極処理は、実施例1における実験番号1、4〜7のそれぞれと同じ条件で行ない、分極処理後の層状焼結体について、d33メータを用いてその分極状況を調べたところ、実施例1と同様に、d33値として15〜20の値が得られた。
なお、分極処理後の各サンプルを用いた超音波厚みセンサについて、可撓性を調べたところ、実施例1と同様に良好な可撓性を有することが確認された。また実際に厚み測定に供したところ、実施例1と同様に、良好に作動しかつ正しく厚みが測定されることが確認された。
10mm角の方形状に厚さ100μmで塗布した。塗布後、乾燥させてから、700℃で熱処理を行うことにより、PZTを焼き付けた。具体的には、電気炉に入れ、大気雰囲気にて昇温速度2℃/minで700℃まで加熱し、700℃において30分保持したのち、炉令した。これにより、焼成されたPZTからなる厚み60μm、密度約73%の層状焼結体が、金属薄板上に焼き付けられた積層体が得られた。
分極処理後の層状焼結体について、d33メータを用いてその分極状況を調べたところ、第2の電極を形成していないサンプル、および第2の電極(銀電極)を形成したサンプルのいずれにおいても、d33値として20〜25の値が得られた。
そのPZT粉末を粗粉砕したのち、ボールミルを用いて、平均粒径2.2μmの粉末を得た。次に、その粉末を、湿式ビーズミルを用いて、平均粒径0.2μmとなるまで粉砕した。なお湿式ビーズミルにおけるビーズ(粉砕媒体)としては、粒径0.5mmのジルコニアを用い、また分散媒としては水を用いた。
得られた超微粉スラリーを乾燥して、平均粒径0.2μmのPZT超微粉末を得た。
このPZT超微粉末に、分散媒としてブチルカルビトールを添加して、3本ロールミルで混練することにより、超微粉末のペースト(粘性液状物C)を得た。
塗布後、乾燥させてから、700℃で熱処理を行うことにより、PZTを焼き付けた。具体的には、電気炉に入れ、大気雰囲気にて昇温速度2℃/minで700℃まで加熱し、700℃において30分保持したのち、炉令した。これにより、焼成されたPZTからなる厚み60μm、密度約75%の層状焼結体が、金属薄板上に焼き付けられた積層体が得られた。
そして、実施例1と同様に第2の電極を層状焼結体の上面に形成していないサンプル、および実施例2と同様にして層状焼結体の上面に第2の電極(銀電極)を形成したサンプルとを用意した。これらを実施例1もしくは実施例2と同様に電極台状に載置して、実施例1、実施例2と同様に分極処理を行った。なおこの場合の電極台と線状電極との間の距離Gは8mm、印加電圧は8000V、電圧印加時間は5分とした。
分極処理後の層状焼結体について、d33メータを用いてその分極状況を調べたところ、第2の電極を形成していないサンプル、および第2の電極(銀電極)を形成したサンプルのいずれにおいても、d33値として18〜25の値が得られた。
塗布後、乾燥させてから、700℃で熱処理を行うことにより、PZTを焼き付けた。具体的には、電気炉に入れ、大気雰囲気にて昇温速度2℃/minで700℃まで加熱し、700℃において30分保持したのち、炉令した。これにより、焼成されたPZTからなる平均厚み60μm、密度約75%の層状焼結体が金属薄板上に焼き付けられた積層体が得られた。
分極処理後の層状焼結体について、d33メータを用いてその分極状況を調べたところ、第2の電極を形成していないサンプル、および第2の電極(銀電極)を形成したサンプルのいずれにおいても、d33値として20〜25の値が得られた。
塗布後、乾燥させてから、700℃で熱処理を行うことにより、PZTを焼き付けた。具体的には、電気炉に入れ、大気雰囲気にて昇温速度2℃/minで700℃まで加熱し、700℃において30分保持したのち、炉令した。これにより、焼成されたPZTからなる厚み60μm、密度約73%の層状焼結体が、金属薄板上に焼き付けられた積層体が得られた。
分極処理後の層状焼結体について、d33メータを用いてその分極状況を調べたところ、第2の電極を形成していないサンプル、および第2の電極(銀電極)を形成したサンプルのいずれにおいても、d33値として15〜25の値が得られた。
そして上記のBi−Tiゾルと、平均粒径2μmのBIT粉末とを重量比で2:1の割合で混合して、焼結原料のスラリー(粘性液状物A)とした。
分極処理後の層状焼結体について、d33メータを用いてその分極状況を調べたところ、第2の電極を形成していないサンプル、および第2の電極(銀電極)を形成したサンプルのいずれにおいても、d33値として10〜15の値が得られた。
分極処理後の層状焼結体について、d33メータを用いてその分極状況を調べたところ、第2の電極を形成していないサンプル、および第2の電極(銀電極)を形成したサンプルのいずれにおいても、d33値として10〜15の値が得られた。
分極処理後の層状焼結体について、d33メータを用いてその分極状況を調べたところ、第2の電極を形成していないサンプル、および第2の電極(銀電極)を形成したサンプルのいずれにおいても、d33値として10〜15の値が得られた。
また、ニオブアルコキシドとしてのニオブエトキシドのエタノール溶液と酢酸リチウムとの混合液(ニオブとリチウムのモル比は1:1)をLi−Nbゾルとした。
そして上記のLi−Nbゾルと、平均粒径2μmのLiNbO3粉末とを重量比で2:1の割合で混合して、焼結原料のスラリー(粘性液状物A)とした。
分極処理後の層状焼結体について、d33メータを用いてその分極状況を調べたところ、第2の電極を形成していないサンプル、および第2の電極(銀電極)を形成したサンプルのいずれにおいても、d33値として10〜15の値が得られた。
この比較例1は、従来の一般的な分極処理方法、すなわち一対の分極処理用電極によって焼結体を直接挟み、シリコンオイル中で高電圧を印加して分極させる方法を、実施例2と同様な低密度(密度約75%)のPZTからなる層状焼結体に適用した例である。
すなわち、実施例2と同様にして、PZTからなる層状焼結体をSUS304からなる金属薄板上に形成し、さらに層状焼結体の表面に第2の電極(銀電極)を形成して、超音波厚みセンサ用積層体を得た。その積層体を、一対の分極処理用電極によって挟むとともに、シリコンオイル中に浸漬して、450Vの電圧を150℃で2分間印加し、分極処理を行った。
分極処理後、前記各実施例と同様にd33メータによって分極状況を調べたところ、d33値は、実施例2の場合とほぼ同等の20となることが確認された。
この結果からは、各実施例に示すような低密度の焼結体では、コロナ放電による分極処理でも、従来の一般的な分極処理方法を適用した場合と同程度(超音波厚みセンサとして使用可能な程度)の圧電特性が得られることが分かる。
但し、比較例1のように従来の一般的な分極処理方法を適用した場合には、火花放電防止のためにシリコンオイルに浸漬して分極処理する必要があり、その点に問題がある。
この比較例2は、PZTからなる層状焼結体を、白金からなる金属薄板の板面に、約90%の高密度で形成した場合に、コロナ放電による分極処理を施した例である。
すなわち、焼成条件以外は実施例1と同様にして、白金からなる金属薄板の板面に、平均厚みが80μmで密度が約90%のPZTからなる層状焼結体を形成して積層体とし、その積層体について、実施例1と同様に、コロナ放電による分極処理を施した。なお焼成条件は、従来の一般的なPZT圧電材料の焼成条件に倣って、1200℃×1時間とした。
分極処理後の積層体サンプルの層状焼結体について、実施例1と同様に第2の電極を形成してから、d33メータを用いてその分極状況を調べたところ、d33値は、実施例1の場合とほぼ同等の25程度となることが判明した。この値は、高密度のPZT焼結体について従来の一般的な分極方法(シリコンオイル中において一対の電極で挟んでの分極処理)で分極させた場合の1/10程度に過ぎない。このd33値からは、本発明で対象としている超音波厚みセンサとして必要な程度の圧電特性は有していると言うことができる。しかしながら、可撓性は実質的に有しておらず、実施例1と同様に曲率半径30mmで全体的に湾曲させる試験を行なったところ、層状焼結体に直ちに割れが生じて、剥離してしまうことが判明した。したがって、可撓性を有することが必要とされる用途、すなわち配管や屈曲部位の如く湾曲した測定対象の厚み測定には不適当である。
したがってこの結果から、多数の層状焼結体について同時にコロナ穂電による分極処理を施した場合でも、それぞれ超音波厚みセンサとして必要な程度の圧電特性を有する焼結体が得られることが確認された。
すなわち、焼結原料としては、実施例1と同様に、前記粘性液状物Aとして、酸化物系圧電材料粉末としてのPZT粉末と、PZTの金属成分のアルコキシドゾルとの混合物のスラリーを調製した。
その第1のマスク部材を、SUS304からなる厚み50μmの金属薄板(10cm×10cm角の方形状)の一方の板面に重ね合わせた。そいて前述のアルコキシドゾルーPZT混合分散液(スラリー)を、エアースプレーによって第1のマスク部材の板面上に塗布して、各開口部内にスラリーを充填して、自然乾燥により乾燥させた。なお実際にはこの操作を複数回繰り返して、乾燥後の厚みが100μmとなるようにした。
その後、第1のマスク部材を除去して、第1の電極となるべき金属薄板上に、5mmの間隔を置いてマトリックス状に合計100個所に焼結原料層が分散形成されている状態とした。
すなわち、第2のマスク部材として、SUS304からなる厚み50μmの10cm×10cm角の方形状薄板を用意した。この第2のマスク部材薄板には、予めそれぞれ前記各層状焼結体の中央に対応する位置に、5mm丸の開口部を、合計100個形成しておき、それを各層状焼結体の上面側に重ね合わせた。そして、スキージを用いて第2のマスク部材の表面に第2の電極用の銀ペーストを塗布し、各開口部内に銀ペーストを充填した後、500℃で焼き付け、各層状焼結体の表面に平均厚み20μmの第2の電極(銀電極)を形成した。
したがってこの結果から、酸化物系圧電材料としてBITを用い、多数の層状焼結体について同時にコロナ穂電による分極処理を施した場合でも、それぞれ超音波厚みセンサとして必要な程度の圧電特性を有する焼結体が得られることが確認された。
なお第2の電極に関しては、実施例1と同様に第2の電極が各層状焼結体の上面に予め形成されていないサンプルと、実施例2と同様に予め第2の電極(銀電極)が各層状焼結体の上面に予め形成されているサンプルとを用意し、両者についてコロナ放電による分極処理を行なった。
したがってこの結果から、酸化物系圧電材料としてLiNbO3を用い、多数の層状焼結体について同時にコロナ穂電による分極処理を施した場合でも、それぞれ超音波厚みセンサとして必要な程度の圧電特性を有する焼結体が得られることが確認された。
このような長板状積層体サンプルを、図11〜図13に示すような連続分極処理装置における可動電極台(ステンレス製無端環状ベルト)上に、その長さ方向が可動電極台の移動方向に沿うように載置し、可動電極台を連続的に移動させながら、コロナ放電による連続分極処理を行った。ここで線状電極としては、外径100mmのタングステン(W)からなる3本のものを用い、線状電極の長さは200mm、各線状電極間の間隔は35mmとした。
なお分極処理条件は、印加電圧9000V、線状電極と電極台との間の距離Gは0.5cm、移動速度は10mm/min.とした。
したがってこの結果から、多数の層状焼結体について連続的にコロナ穂電による分極処理を施した場合でも、それぞれ超音波厚みセンサとして必要な程度の圧電特性を有する焼結体が得られることが確認された。
このような長板状積層体サンプルを、図11〜図13に示すような連続分極処理装置における可動電極台(ステンレス製無端環状ベルト)上に、その長さ方向が可動電極台の移動方向に沿うように載置し、可動電極台を連続的に移動させながら、コロナ放電による連続分極処理を行った。ここで線状電極としては、外径100μmのタングステンからなる3本のものを用い、線状電極の長さは200mm、各線状電極間の間隔は35mmとした。
なお分極処理条件は、印加電圧9000V、線状電極と電極台との間の距離は0.5cm、移動速度は10mm/min.とした。
したがってこの結果から、酸化物系圧電材料としてBITを用い、多数の層状焼結体について連続的にコロナ穂電による分極処理を施した場合でも、それぞれ超音波厚みセンサとして必要な程度の圧電特性を有する焼結体が得られることが確認された。
このような長板状積層体サンプルを、図11〜図13に示すような連続分極処理装置における可動電極台(ステンレス製無端環状ベルト)上に、その長さ方向が可動電極台の移動方向に沿うように載置し、可動電極台を連続的に移動させながら、コロナ放電による連続分極処理を行った。ここで線状電極としては、外径100μmのタングステンからなる3本のものを用い、線状電極の長さは200mm、各線状電極間の間隔は35mmとした。
なお分極処理条件は、印加電圧9000V、線状電極と電極台との間の距離は0.5cm、移動速度は10mm/min.とした。
したがってこの結果から、酸化物系圧電材料としてLiNbO3を用い、多数の層状焼結体について連続的にコロナ穂電による分極処理を施した場合でも、それぞれ超音波厚みセンサとして必要な程度の圧電特性を有する焼結体が得られることが確認された。
11、11A〜11C 線状電極(コロナ放電用電極)
17 層状焼結体
19 薄板状支持体としての金属薄板(ベース電極および第1の電極を兼ねる)
21A〜21C 電界領域(放電域)
23 第2の電極
27 超音波厚みセンサ
29 厚さ測定対象物
Claims (20)
- 超音波厚みセンサの圧電体として使用される酸化物系無機圧電材料からなる層状焼結体に分極処理を施すにあたり、
前記層状焼結体としてその密度が70〜80%の範囲内のものを用い、
平板上のベース電極の板面に対向するようにコロナ放電用電極を配設しておき、
ベース電極上に前記層状焼結体を配した状態で、コロナ放電用電極とベース電極との間に電圧を印加してその間でコロナ放電を生起させ、そのコロナ放電によって形成される電界領域内に前記層状焼結体を曝すことにより、焼結体に分極処理を施すことを特徴とする超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。 - 前記コロナ放電用電極として、前記ベース電極の板面と平行な面に沿って延びる線状の電極を用いることを特徴とする請求項1に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記線状の電極の複数本を、前記ベース電極の板面と平行な面内において間隔を置いて平行に配列しておき、これらの複数の線状電極とベース電極との間に同時に電圧を印加して、複数の線状電極とベース電極との間で同時にコロナ放電を生起させ、これらの線状電極とベース電極との間に形成される電界領域内に層状焼結体を曝すことを特徴とする請求項2に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記線状電極を、前記ベース電極の板面と平行な面内において線状電極の長さ方向に対して直交する方向に、ベース電極に対して相対的に移動させながら線状電極とベース電極との間に電圧を印加して、線状電極とベース電極との間でコロナ放電を生起させることを特徴とする請求項2、請求項3のいずれかの請求項に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 少なくとも表面層が導電性を有しかつ超音波厚みセンサにおける第1の電極となるべき薄板状の支持体の板面に、前記層状焼結体が予め積層された状態で形成されており、前記支持体を前記ベース電極として用いて、その支持体表面と前記コロナ放電用電極との間でコロナ放電を生起させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記薄板状の支持体の板面に、複数の層状焼結体が間隔を置いて配列形成されており、その複数の層状焼結体を同時にコロナ放電による電界中に曝し、これによって複数の層状焼結体を同時に分極させることを特徴とする請求項5に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記薄板状の支持体の板面に、複数の層状焼結体が間隔を置いて配列形成されており、前記支持体を、その板面と平行な方向に、コロナ放電用電極に対して相対的に移動させながら、前記複数の層状焼結体のうちの1または2以上の層状焼結体を順次コロナ放電による電界中に曝し、これによって前記複数の層状焼結体を順次分極させることを特徴とする請求項5に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記層状焼結体の表面に、超音波厚みセンサにおける第2の電極となる導電層が予め形成されており、その状態でコロナ放電用電極とベース電極との間に電圧を印加してその間の層状焼結体に分極処理を施すことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかの請求項に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記酸化物系無機圧電材料として、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ビスマス、ニオブ酸リチウムのいずれかが用いられていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかの請求項に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記層状焼結体が、前記支持体の表面に酸化物系圧電材料を含む粘性液状物を塗布して焼結原料層を形成した後、その焼結原料層を加熱して焼成することにより形成されたものであることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれかの請求項に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記層状焼結体が、前記粘性液状物として、平均粒径が1〜10μmの範囲内の酸化物系圧電材料粉末と、その酸化物系圧電材料の金属成分のアルコキシドゾルとを混合したものを用いて形成されたものであることを特徴とする請求項10に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記層状焼結体が、前記粘性液状物として、平均粒径1〜10μmの酸化物系圧電材料粉末と、酸化物圧電材料の金属成分のアルコキシドの分解による平均粒径0.1〜1.0μmの微粉末とを分散媒に分散させたスラリーもしくはペーストを用いて形成されたものであることを特徴とする請求項10に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記層状焼結体が、前記粘性液状物として、酸化物系圧電材料からなる平均粒径が0.15〜0.25μmの超微粉末を分散媒に分散させたスラリーもしくはペーストを用いて形成されたものであることを特徴とする請求項10に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記層状焼結体が、前記粘性液状物として、酸化物系圧電材料粉末および低融点ガラス粉末を分散媒に分散させたスラリーもしくはペーストを用いて形成されたものであることを特徴とする請求項10に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記低融点ガラス粉末として、ビスマス系ガラス粉末が用いられることを特徴とする請求項14に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 前記層状焼結体が、前記粘性液状物として、酸化物系圧電材料粉末を珪酸ソーダ溶液に分散させたペーストを用いて形成されたものであることを特徴とする請求項10に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理方法。
- 少なくとも表面が平坦でかつ導電性を有する電極台と、その電極台の表面から所定間隔だけ離れて電極台表面と平行に配設された導電性線材からなるコロナ放電用線状電極と、前記電極台と線状電極との間に電圧を印加するための分極用電源とを有し、金属薄板からなる支持体の一方の板面に酸化物系無機圧電材料からなる層状焼結体を積層形成してなる積層体を、前記電極台の表面に支持体の他方の板面が接するように載置して、前記線状電極と、それに対向するベース電極としての支持体との間に形成されるコロナ放電による電界領域内に、前記層状焼結体を曝すようにしたことを特徴とする超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理装置。
- 前記線状電極として複数のものが、前記電極台の表面に対して平行な面内において平行に配列されていることを特徴とする請求項17に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理装置。
- 前記電極台と線状電極との間の間隔を調整するための間隔調整手段を備えていることを特徴とする請求項17、請求項18のいずれかの請求項に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理装置。
- 前記電極台と前記線状電極とのうちの一方を、電極台の表面に平行でかつ線状電極の長さ方向に対して直交する方向に、電極台と線状電極とのうちの他方に対して相対的に移動させる移動手段を備えていることを特徴とする請求項17〜請求項19のいずれかの請求項に記載の超音波厚みセンサ用酸化物系無機圧電材料焼結体の分極処理装置。
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