JP6057883B2 - 圧電センサの製造方法 - Google Patents
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Description
Pb(Zrx,Ti1−x)O3・・・式(1)
(式1において、xは、0.30以上0.70以下を表す。)
熱処理工程では、第1の平均粒径を有する第1粉末、及び第1の平均粒径より相対的に平均粒径が大きい第2の平均粒径を有する第2粉末を含む圧電セラミックスの原料粉末を1000℃以上1200℃以下で熱処理する。本実施の形態に係る圧電セラミックスの製造方法により、従来の製造方法に対して基材からの圧電センサの剥離を防ぐことが可能となる作用効果の原理については、必ずしも明らかではないが以下のように推定される。
Pb(Zrx,Ti1−x)O3・・・式(1)
(式(1)中、xは、0.3以上0.7以下)
粉砕工程P2では、熱処理工程P1での熱処理によって塊状となった圧電セラミックスの原料粉末をボールミルなどによって粉砕して粉末状にする。ここでの粉末状の圧電セラミックスの原料粉末の粒径としては、例えば、約2μm程度から数10μm程度である。なお、粉砕工程の粉砕方法については、特に制限はなく、粉末状の原料粉末を得ることができるものであればよい。
スラリー化工程P3では、粉砕工程P2で得られた原料粉末と原料粉末のゾルとを混合して混錬物(スラリー)を得る。ここでは、必要に応じてエタノール、ブタノール、及び酢酸エチルなど溶剤を用いてもよい。なお、原料粉末のゾルとしては、例えば、下記一般式(2)で表される3種類の金属成分を含有する金属アルコキシドのPZTゾルである。このPZTゾルは、鉛アルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、及びチタンアルコキシドの各ゾルを溶剤などと混合することにより得られる。
M(OR)Y・・・式(2)
(式(2)中、Mは、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はジルコニウム(Zr)を表し、Rは、アルキル基を表す。Yは、任意の数を表す。)
成膜工程P4では、金属板などの基材上に、原料粉末と原料粉末ゾルとの混合スラリーを成膜して所定の厚みを有する焼結原料層を形成する。この基材は、第1の電極としての機能を有するだけではなく、焼結工程P5や圧電セラミックスの使用時における支持体としての機能を有する。基材としては、本発明の効果を奏する範囲で各種金属板を用いることができる。基材としては、金属配管などに圧電センサに沿って配置する際に、任意の形状に湾曲させることができる観点から、SUS板を用いることが好ましい。本実施の形態においては、原料粉末と原料粉末ゾルとの混合物を用いるので、後述する焼結工程P5では、600℃以上800℃以下の比較的低温で焼結することができる。このため、白金などの如く1200℃以上まで耐えうる高価な金属を用いる必要はなく、800℃程度までの耐酸化性を有する汎用の耐熱金属を使用することができるので、ステンレス鋼やその他の汎用の耐熱鋼を、金属板として使用することができる。
焼結工程P5では、焼結原料層を600℃〜800℃の温度範囲に加熱して圧電セラミックス前躯体とする。この焼結工程P5では、原料粉末の粒子の間に介在している原料ゾルに含まれるアルコキシドが分解し、超微粉末状の分解生成物が生成される。この分解生成物は、原料粉末の粒子を焼結結合させる焼結助剤として機能する。また、分解生成物は、原料粉末と同様の組成を有するので、得られる圧電セラミックスの圧電特性を損なうことがない。このため、原料粉末と共に原料ゾルを混合して加熱することにより、比較的低温でも焼結が進行し、かつ圧電特性も向上する。
分極処理工程P6では、圧電セラミックス前躯体を分極処理して圧電セラミックスを形成する。圧電セラミックス前躯体の分極処理方法としては、例えば、一対の第1電極と第2電極との間に圧電セラミックス前躯体を挟持して一対の電極間に高電圧の直流電圧(例えば、3000V/mm)を印加する方法が挙げられる。また、圧電セラミックス前躯体と所定間隔離れた位置に金メッキが施されたタングステン線を用いたコロナ放電線を設置し、このコロナ放電線に高電圧(例えば、8000V程度)を印加してコロナ放電を行う方法が挙げられる。タングステン線としては、例えば、直径100μmのものを用いることができる。コロナ放電の処理時間としては、例えば、5分〜10分である。
次に、圧電セラミックス前躯体上に第2電極としての金属板を設ける電極形成工程P7を実施する。この電極形成工程P7では、基材120との間で圧電セラミックス前躯体を挟むように圧電セラミックス前躯体上に第2電極としての金属板を設ける。この金属板は、第2電極として機能するだけでなく、超音波厚みセンサを支持する支持体とても機能する。この第2電極を形成することにより、圧電セラミックスが一対の基材120(第1電極)と第2電極との間に挟持されるので、超音波厚みセンサを配管に沿って配置する際の形状の安定性が向上する。第2電極としては、基材と同様の材質のものを用いることができる。また、第1電極及び第2電極は、超音波厚みセンサの超音波送受信のための電極としても機能する。なお、電極形成工程P7は、分極処理工程P6の前に実施してもよい。
最後に、第1電極に一端が超音波厚み測定計に接続されたリード線を電気的に接続すると共に、第2電極に一端が超音波厚み測定計に接続されたリード線を電気的に接続する配線接続工程P8を実施する。以上の工程により、図1及び図2に示した超音波厚みセンサを製造することができる。
第1粉末としては、平均粒径が1μmの原料粉末を用いた。第2粉末としては、第1粉末を1150℃にて5時間熱処理した塊状の原料粉末を粒径が20μm〜30μmとなるように粉砕した粉末を用いた。第1粉末100質量部に対して第2粉末を100質量部配合した原料粉末に対して、1000℃以上1200℃以下にて熱処理を実施し、熱処理後の原料粉末を粉砕した後、粉砕した原料粉末をスラリー化して基材120としての厚さ20μmのSUS板上に厚さが100μm程度となるように塗布して焼結原料層を形成した。その後、焼結原料層を焼結して圧電セラミックス前駆体とし、圧電セラミックス前躯体を分極処理して圧電セラミックス層122とした後、圧電セラミックス上に第2電極124としての銀電極を形成して圧電センサを作製した。以上のようにして合計10個の圧電センサを作製し、作製した10個の圧電センサを第1の試験サンプル〜第10の試験サンプルとして曲げ試験を実施した。
第2粉末を200質量部配合したこと以外は、実施例1と同様にして圧電センサを作製して曲げ試験を実施した。その結果、実施例2の圧電センサは、第1の試験サンプル〜第10の試験サンプルのいずれも基材120から圧電セラミックス層122が剥離することがなかった。
第2粉末を300質量部配合したこと以外は、実施例1と同様にして圧電センサを作製して曲げ試験を実施した。その結果、実施例3の圧電センサは、第1の試験サンプル〜第10の試験サンプルのいずれも基材120から圧電セラミックス層122が剥離することがなかった。
第2粉末を400質量部配合したこと以外は、実施例1と同様にして圧電センサを作製して曲げ試験を実施した。その結果、実施例4の圧電センサは、第1の試験サンプル〜第8の試験サンプルについては、基材120から圧電セラミックス層122が剥離することがなく、第9の試験サンプル〜第10の試験サンプルについては、基材120から圧電セラミックス層122が剥離していた。
第2粉末を500質量部配合したこと以外は、実施例1と同様にして圧電センサを作製して曲げ試験を実施した。その結果、実施例5の圧電センサは、第1の試験サンプル〜第6の試験サンプルについては、基材120から圧電セラミックス層122が剥離することがなく、第7の試験サンプル〜第10の試験サンプルについては、基材120から圧電セラミックス層122が剥離していた。
次に、平均粒径が1μmの原料粉末のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして圧電センサを作製して評価した。第2の試験サンプルの断面写真を図12A及び図12Bに示す。図12A及び図12Bに示すように、比較例1に係る圧電センサは、平均粒径が小さな粒子のみが存在しており、曲げ試験の2回目で基材120からの圧電セラミックス層122が剥離していた。また、比較例1の圧電センサは、第1の試験サンプルについては、基材120から圧電セラミックス層122が剥離することがなかったが、第2の試験サンプル〜第10の試験サンプルについては、基材120から圧電セラミックス層122が剥離していた。
21 固定台
23 電極台
23A 平坦面
25 昇降調整機構
27 ガイド軸
29 アース線
31 コロナ放電用電極
31A〜31C 線状電極
33 電極支持部材
33A,33B 支持部
35 電源
36 リード線
40 積層体
120 基材
122 圧電セラミックス層
124 第2電極
126,128 配線
Claims (5)
- レーザー回折法により測定した0.1μm以上5μm以下の第1の平均粒径を有する第1粉末100質量部に対して、レーザー回折法により測定した10μm以上50μm以下の第2の平均粒径を有する第2粉末100質量部以上500質量部以下を含む圧電セラミックスの原料粉末を1000℃以上1200℃以下で熱処理する熱処理工程と、
前記熱処理工程で熱処理した前記原料粉末を粉砕する粉砕工程と、
前記粉砕工程で粉砕した前記原料粉末をスラリー化するスラリー化工程と、
前記スラリー化工程で得られたスラリーを基材上に成膜して焼結原料層を形成する成膜工程と、
前記焼結原料層を焼結して圧電セラミックス前駆体とする焼結工程と、
前記圧電セラミックス前躯体を分極処理して圧電セラミックスを得る分極処理工程と、
を含むことを特徴とする圧電センサの製造方法。 - 前記第2粉末が、1000℃以上1200℃以下で前記第1粉末を所定時間熱処理して粉砕してなるものである、請求項1に記載の圧電センサの製造方法。
- 前記圧電セラミックスが、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)である、請求項1又は請求項2に記載の圧電センサの製造方法。
- 前記PZTの組成が、下記式(1)で表される、請求項3に記載の圧電センサの製造方法。
Pb(Zrx,Ti1−x)O3・・・式(1)
(式1において、xは、0.30以上0.70以下を表す。) - 前記基材がSUS板である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の圧電センサの製造方法。
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