JP2015088502A - コロナ分極処理装置、コロナ分極処理方法、電気−機械変換素子、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに具体的には圧電素子に対して駆動パルス電圧を超える高電圧を印加するような手法が行われている。また電極と電荷供給手段との間に電圧を印加してコロナ放電を生じさせることにより、電荷を供給し、圧電体内に電界を発生させる工夫が行われている(特許文献6参照)。
また、特許文献6のように、コロナワイヤ電極を用いて処理する場合、コロナワイヤ直下の複数の列に配置された圧電体を同時に処理するとき、コロナワイヤ電極と圧電体列の水平方向の距離によって分極処理状態にバラツキが生じてしまう。具体的には、コロナワイヤ電極と圧電体列の水平方向の距離が小さい箇所は分極処理が進み、水平方向の距離が大きい箇所は分極処理が進みにくいという問題があった。
本発明に係るコロナ分極処理装置及びコロナ分極処理方法について図面を参照しながら説明する。
これに対し、電気−機械変換素子を分極処理することで、変位量の変化を早期に収束させ、電気−機械変換素子の駆動力の経時的変化を減らすことができる。
なお、分極処理は、ポーリング処理やエージング処理などとも称されることがある。
図3では、コロナ放電を発生させるコロナ電極41、被分極材料45(図示せず)を設置するためのサンプルステージ44、グリッド電極42が図示されており、グリッド電極42は、コロナ電極41と被分極材料45の間に備えられている。
分極処理の状態については、P−Eヒステリシスループから判断することができる。図6(A)に示すように電界強度をかけてヒステリシスループを測定し、最初の0kV/cm時の初期状態の分極量をPini、電圧印加後に0kV/cmまで戻したときの0kV/cm時の分極量を残留分極Prとする。Pr−Piniの値を分極量差として定義し、この分極量差が小さいほど分極が進んでいると判断される。通常、分極処理を行わない状態のヒステリシスは図6(A)のようにPiniは0に近い値であるが、分極処理を行うことで図6(B)のようにPiniが大きくなり、分極処理が進むことで分極量差Pr−Piniの値が小さくなる。ここで、分極量差は、10μC/cm2以下である場合、さらには5μC/cm2以下である場合、分極処理が十分になされているといえる。
グリッド電極42の形状は、図3に示されるように、コロナ電極41の方向に対して凹形状となっている。また、図4(A)に従来のグリッド電極42を示し、図4(B)に本実施形態のグリッド電極42の模式図を示す。なお、図4において、左図はグリッド電極42の斜視図であり、右図は断面図及びグリッド電極42とサンプルステージ44との間の電界を図中矢印として模式的に示したものである。従来のグリッド電極42は、図4(A)左に示されるように平面状であったため、図4(A)右に示されるように中央で電界が大きくなるものの、それ以外の箇所でも電界が大きくなっており、被分極材料45の狭小なエリアでの分極処理ができなかった。
そこで、本実施形態ではグリッド電極42を図4(B)右のように凹形状とすることで、凹部で電界が最も強くなり、それ以外の箇所の電界が従来のものに比べて抑えられる。このため、被分極材料45の狭小なエリア、例えば、圧電体列ごとに分極処理を行うことができる。
例えば、図6(B)に示されるP−Eヒステリシスループの分極処理後のPini(ヒステリシスループの0kV時のP)は、分極工程において電気−機械変換素子に供給する電荷が正帯電している場合には正側に、負帯電している場合には負側に位置することになる。そして、電気−機械変換素子を実際に駆動させる際に正電圧を印加する場合には、Piniは正側に位置することが好ましく、負電圧を印加する場合には、負側に位置することが好ましい。このため、電気−機械変換素子の使用環境に応じて、分極処理で供給する電荷を正または負に帯電させることができる。
次に、本発明の電気−機械変換素子について説明する。
本発明の電気−機械変換素子の構成例を図7に示す。図7では、基板13、振動板14、第1の電極15、電気−機械変換膜16、第2の電極17により構成されている例が示されている。また、図7に示されるような電気−機械変換素子にエッチング等を行い、パターン形成した電気−機械変換素子の構成例を図8(A)及び図8(B)に断面図及び平面図として示す。
図7に示される電気−機械変換素子の基板13としては、特に制限されるものではないが、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、厚みが100〜600μmであることが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)と3種を用いることができ、一般的に(100)、(111)が用いられており、本発明においては、(100)の面方位を持つ単結晶基板が好ましい。
振動板14は、電気−機械変換膜16によって発生した力を受けて、変形変位して圧力室18のインク滴を吐出させる。そのため、振動板14としては所定の強度を有したものであることが好ましい。
振動板14の材料としては、例えばSi、SiO2、Si3N4をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により作製したものが挙げられる。
さらに、第1の電極15、電気−機械変換膜16の線膨張係数に近い材料を選択することが好ましい。特に、電気−機械変換膜16は、一般的な材料としてPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が使用されることから、振動板14の材料は線膨張係数8×10−6(1/K)に近い線膨張係数として、5×10−6〜10×10−6の線膨張係数を有した材料が好ましく、さらには7×10−6〜9×10−6の線膨張係数を有した材料がより好ましい。
膜厚としては0.1μm〜10μmが好ましく、0.5μm〜3μmがさらに好ましい。0.1μm未満の場合、圧力室18の加工が難しくなり、10μmより大きい場合、振動板14が変形変位しにくくなり、インク滴の吐出が不安定になることがある。
第1の電極15としては、金属もしくは金属と酸化物からなっていることが好ましい。振動板14と金属膜の間に密着層を積層させることで、剥がれ等を抑制することができる。以下、密着層含めて金属電極膜、酸化物電極膜の詳細について記載する。
密着層の作製の例としては、Tiをスパッタ成膜後、RTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて、650〜800℃、1〜30分、O2雰囲気でチタン膜を熱酸化させ、チタン膜を酸化チタン膜にする方法が挙げられる。
酸化チタン膜を作成するには反応性スパッタでもよいが、チタン膜の高温による熱酸化法が好ましい。反応性スパッタによる作製では、シリコン基板を高温で加熱する必要があるため、特別なスパッタチャンバ構成が必要となることに留意する。
密着層の膜厚としては、10nm〜50nmが好ましく、15nm〜30nmがより好ましい。10nm未満の場合、密着性に懸念があり、50nmよりも大きい場合、密着層上の膜において良好な結晶性が得られない場合がある。
第1の電極15における金属電極膜の金属材料としては、例えば白金、イリジウム、白金−ロジウムなどの白金族元素、これらの合金膜などが挙げられる。
また、白金を使用する場合には振動板14(特にSiO2)との密着性を考慮し、密着層を先に積層した後、金属電極膜を作製することが好ましい。
金属電極膜の作製方法の例としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が挙げられる。
第1の電極15における酸化物電極膜の材料としては、SrRuO3を用いることができ、これ以外にも、Srx(A)(1−x)Ruy(B)(1−y)、A=Ba、Ca、B=Co、Ni、x、y=0〜0.5で記述されるような材料についても用いることができる。SrとRuの組成比については、Sr/Ruが0.82〜1.22であることが好ましい。この範囲から外れると酸化物電極膜の比抵抗が大きくなり、電極として十分な導電性が得られなくなることがある。
例えばPt(111)上に作製したSRO膜の結晶性については、PtとSROで格子定数が近いため、通常のX線回折測定におけるθ−2θ測定では、SRO(111)とPt(111)の2θ位置が重なってしまい判別が難しい。Ptについては消滅則の関係からPsi=35°傾けた2θが約32°付近の位置には回折線が打ち消し合い、回折強度が見られない。
Psi=0°ではSRO(110)においてほとんど回折強度が見られず、Psi=35°付近において、回折強度が見られることから本成膜条件にて作製したものについては、SROが(111)配向していることが確認できた。また、上記した室温で成膜した後にRTA処理を行い作製したSRO膜については、Psi=0°のときにSRO(110)の回折強度が見られる。
これらのことから、表面粗さとしては、フラットではあるが結晶性が十分でなく、その後成膜したPZTの圧電アクチュエータとしての初期変位や連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないことから、SRO膜の結晶性や表面粗さを考慮する必要がある。
上記の結晶性や表面粗さを得るためには、成膜温度を500℃〜700℃、より好ましくは520℃〜600℃として成膜をすることが好ましい。
酸化物電極膜の比抵抗としては、5×10−3Ω・cm以下が好ましく、1×10−3Ω・cm以下がより好ましい。5×10−3Ω・cmよりも大きい場合、十分な電流を供給することができなくなり、インク吐出をする際に不具合が発生することがある。
電気−機械変換膜16の材料としては、PZTが好適に用いられる。PZTはジルコン酸鉛(PbZrO3)とチタン酸鉛(PbTiO3)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrO3とPbTiO3の比率が53:47の割合であり、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O3、一般的にはPZT(53/47)と示されることがある。
これら材料を一般式として表した場合、ABO3で記述され、A=Pb、Ba、Sr B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする複合酸化物が挙げられる。
これらの例としては、(Pb1−x,Bax)(Zr,Ti)O3、(Pb1−x,Srx)(Zr,Ti)O3等が挙げられ、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合の例である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
第2の電極17としては、酸化物電極膜、金属電極膜を有していることが好ましい。
積層の順としては、酸化物電極膜、金属電極膜の順に積層される。第2の電極17における酸化物電極膜、金属電極膜は、第1の電極15における酸化物電極膜、金属電極膜と同じ態様とすることができるため、相違点について以下に説明する。
第2の電極17における酸化物電極膜の膜厚としては、20nm〜80nmが好ましく、40nm〜60nmがより好ましい。20nm未満の場合、初期変位や変位劣化特性について十分な特性が得られないことがあり、80nmより大きい場合、その後成膜するPZTの絶縁耐圧が悪くなり、リークしやすくなることがある。
第2の電極17における金属電極膜の膜厚としては30nm〜200nmが好ましく50nm〜120nmがより好ましい。30nm未満の場合、十分な電流を供給することができなくなり、インク吐出をする際に不具合が発生することがある。200nmより大きい場合、白金族元素などの高価な材料を用いると、コスト増につながることがある。また200nmより大きい場合において、白金を用いて膜厚を厚くすると表面粗さが大きくなり、さらに積層する場合、膜剥がれ等が発生することがある。
次に、第1の電極15上に積層される第1の絶縁保護膜21について説明する。
第1の絶縁保護膜21は成膜・エッチングの工程による圧電素子へのダメージを防ぐとともに、大気中の水分が透過しづらい材料を選定する必要があるため、緻密な無機材料が好ましい。有機材料では十分な保護性能を得るためには膜厚を厚くする必要があるため、好ましくないことがある。
第1の絶縁保護膜21の膜厚を抑えつつ、高い保護性能を得るには、酸化物、窒化物、炭化物を用いるのが好ましく、第1の絶縁保護膜21の下地となる、電極材料、圧電体材料、振動板材料と密着性が高い材料を選定する必要がある。
第1の絶縁保護膜21に用いられる好ましい材料としては、Al2O3,ZrO2,Y2O3,Ta2O3,TiO2などのセラミクス材料に用いられる酸化膜が例として挙げられる。ALD法を用いることで、膜密度の非常に高い薄膜を作製し、プロセス中でのダメージを抑制することができる。
このとき2層目の絶縁保護膜としては、酸化物、窒化物、炭化物またはこれらの複合化合物を用いることができ、また半導体デバイスで一般的に用いられるSiO2なども用いることができる。
2層目の絶縁保護膜の成膜方法は公知の手法を用いることができ、CVD法、スパッタリング法なとが挙げられ、電極形成部等のパターン形成部の段差被覆を考慮すると等方的に成膜できるCVD法を用いることが好ましい。
2層目の絶縁保護膜の膜厚は共通電極と個別電極配線に印加される電圧で絶縁破壊されない膜厚とする必要がある。すなわち絶縁膜に印加される電界強度を、絶縁破壊しない範囲に設定する必要がある。さらに、絶縁膜の下地の表面性やピンホール等を考慮すると膜厚は200nm以上が好ましく、500nm以上がより好ましい。
配線27、28及び電極パッド23、24の材料は、Ag合金、Cu、Al、Au、Pt、Irのいずれかから成る金属電極材料であることが好ましい。これらの電極の作製方法としては、スパッタ法、スピンコート法を用いて作製し、その後フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。膜厚としては、0.1〜20μmが好ましく、0.2〜10μmがさらに好ましい。0.1μm未満の場合、抵抗が大きくなり電極に十分な電流を流すことができなくなり、ヘッド吐出が不安定になることがある。一方、20μmより大きい場合、プロセス時間が長くなることがある。
また、共通電極および個別電極に接続されるコンタクトホール25、26(例えば10μm×10μm)での接触抵抗としては、共通電極としは10Ω以下、個別電極としては1Ω以下が好ましい。さらに好ましくは、共通電極としては5Ω以下、個別電極としては0.5Ω以下である。この範囲を超えると十分な電流を供給することができなくなり、液滴を吐出する際に不具合が発生することがある。
第2の絶縁保護膜22としての機能は、個別電極配線や共通電極配線の保護層の機能を有するパッシベーション層である。図9に示されるように、第2の絶縁保護膜22は個別電極引き出し部と共通電極引き出し部を除き、個別電極と共通電極上を被覆する。これにより電極材料に安価なAlもしくはAlを主成分とする合金材料を用いることができる。その結果、低コストかつ信頼性の高いインクジェット記録ヘッドとすることができる。
ただし有機材料の場合には膜厚を大きくする必要があるため、パターニングに適さない。そのため、薄膜で配線保護機能を発揮できる無機材料とすることが好ましい。特に、Al配線上にSi3N4を用いることが、半導体デバイスで実績のある技術であり、好ましい。
開口部分の形成においては、第1及び第2の絶縁保護膜で圧電素子が保護されているため、フォトリソグラフィ法、ドライエッチングを用いることができる。
次に本発明に係るインクジェット記録ヘッドについて説明する。
図11(A)に示されるように、ノズル11、ノズル板12、圧力室18を備えるインクジェット記録ヘッドが挙げられる。また、図11(B)に示されるように複数個配置させる構成としてもよい。
本発明によれば、電気−機械変換素子が簡便な製造工程で(かつバルクセラミックスと同等の性能を持つ)形成でき、その後の圧力室形成のための裏面からのエッチング除去、ノズル孔を有するノズル板を接合することでインクジェット記録ヘッドが得られる。なお、図中には液体供給手段、流路、流体抵抗についての記述は省かれている。
次に、本発明のインクジェット記録ヘッドが備えられたインクジェット記録装置について説明する。本発明のインクジェット記録装置の一例を図12、図13に示す。図12はインクジェット記録装置の斜視図であり、図13はインクジェット記録装置の気孔部の側面図である。
印字機構部82には、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93が主走査方向に摺動自在に保持されている。
キャリッジ93は印字待機中にはこの回復装置117側に移動されてキャッピング手段でヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止することができる。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持することができる。
<電気−機械変換素子の作製>
6インチシリコンウェハ(膜厚625μm)上に、熱酸化膜(膜厚1μm)を形成し、第1の電極15の密着層として、チタン膜(膜厚30nm)をスパッタ装置にて成膜した後にRTAを用いて750℃にて、熱酸化させた。
続いてチタン膜上に金属電極膜として白金膜(膜厚100nm)、酸化物電極膜としてSrRuO3膜(膜厚60nm)をスパッタ成膜した。スパッタ成膜時の基板加熱温度については550℃にて成膜を実施した。
出発材料として酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用い、酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水した。なお、化学両論組成に対し鉛量を過剰にしてあるが、これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。
次に、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、前述の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体溶液を合成した。このPZT前駆体溶液におけるPZT濃度は0.5mol/lであった。
分極処理装置については、図15に示される分極処理装置を用いた。本実施例では、コロナ電極41としてφ50μmのタングステンのワイヤを用い、グリッド電極42としてステンレス製の開口率60%のグリッドを用いた。
実施例1において、グリッド電極42の形状を図4(B)に示されるような平面形状にすること以外は、実施例1と同様にして分極処理を行った。
<分極状態の評価>
実施例1及び比較例1において、分極処理状態を示すPr−Piniを測定した。結果を図16に示す。図16(A)は実施例1についての結果であり、図16(B)は比較例1についての結果を示す。
一方、図16(A)によると、実施例1ではコロナワイヤ直下のB列のみの分極処理が進んでおり、隣のA列、C列を含めて、他の3列では分極処理が進まないことが分かる。すなわち、実施例1によれば、コロナワイヤ直下の列を選択的に、かつ確実に分極処理することができる。
実施例1及び比較例1で作製した電気−機械変換素子を用いて、図11(B)に示されるインクジェット記録ヘッドを作製し、液滴の吐出評価を行った。粘度を5cpに調整したインクを用いて、単純Pull波形により−10〜−30Vの印加電圧を加えたときの吐出状況を確認したところ、すべてのノズル孔からも吐出できていることを確認した。
11 ノズル
12 ノズル板
13 基板
14 振動板
15 第1の電極
16 電気−機械変換膜
17 第2の電極
21 第1の絶縁保護膜
22 第2の絶縁保護膜
23 共通電極パッド
24 個別電極パッド
25、26 コンタクトホール
27、28 配線
30 エリア(チップ)
41 コロナ電極
42 グリッド電極
44 サンプルステージ
50 ドメイン
51 ドメインの分極方向
53、54 電極
55 被処理物
Claims (10)
- グリッド電極を介してサンプルステージとコロナ電極との間のコロナ放電を利用し、サンプルステージ上の被分極材料の分極処理を行うコロナ分極処理装置であって、
前記グリッド電極が、前記コロナ電極の方向に対して凹形状であることを特徴とするコロナ分極処理装置。 - 前記コロナ電極がワイヤ状の電極であることを特徴とする請求項1に記載のコロナ分極処理装置。
- 前記グリッド電極が、前記コロナ電極と前記グリッド電極との間の電界の強さに対応して形状を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載のコロナ分極処理装置。
- 前記サンプルステージが、前記被分極材料を移動させる移動手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコロナ分極処理装置。
- 前記サンプルステージが、前記被分極材料を加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコロナ分極処理装置。
- グリッド電極を介してサンプルステージとコロナ電極との間のコロナ放電を利用し、サンプルステージ上の被分極材料の分極処理を行うコロナ分極処理方法であって、
前記グリッド電極を前記コロナ電極の方向に対して凹形状にすることにより分極処理を行うことを特徴とするコロナ分極処理方法。 - 前記被分極材料が、複数の電気−機械変換素子が列状に配置されてなり、
前記列ごとに分極処理を行うことを特徴とする請求項6に記載のコロナ分極処理方法。 - 請求項6または7に記載のコロナ分極処理方法により分極処理されたことを特徴とする電気−機械変換素子。
- 請求項8に記載の電気−機械変換素子を備えることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
- 請求項9に記載のインクジェット記録ヘッドを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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