<第一実施形態>本発明の一実施形態を、図1ないし図7を参照して説明する。
この実施形態は、本発明にかかるシート2をクリアホルダ1に適用した場合のものである。
クリアホルダ1は、透明な合成樹脂、例えば、ポリプロピレン製のものであり、透明な第一の表紙11と、透明な第二の表紙12との間に用紙類を収容するためのものである。前記第一の表紙11と第二の表紙12とは、底辺13、15及び一側辺14、16において連続している。具体的には、前記第一の表紙11と第二の表紙12とは、底辺13、15において溶着されているとともに、一側辺14、16において一体に連続している。なお、図1では、前記溶着部分にパターンを付して示しており、図7では、第一の表紙11と第二の表紙12とが、底辺13、15において溶着される前の中間加工品を示している。前記第二の表紙12は、本発明にかかるシート2により構成されている。
シート2は、用紙類に添接させるためのシート本体3と、シート本体3の縁31に開口部41を位置させて該シート本体3に設けられたポケット4と、このポケット4内に常時収容される基部6から見出し部7を外方に延出させてなるインデックス5とを備えてなる。
シート本体3は、透明な合成樹脂、例えば、ポリプロピレン製のものであり、綴じるべき用紙の大きさ、例えばA4サイズの用紙に対応する矩形状をなしているもので、このシート本体3の開放されている側の縁31に、開口部41を位置させてポケット4が設けられている。
ポケット4は、シート本体3の縁31に一体に設けたポケット用延出片42を前記縁31に沿った折曲線部43を介して折り返し、その折り返した前記ポケット用延出片42の周縁45を前記シート本体3に溶着してなるものである。なお、図2ないし図4では、前記溶着部分にパターンを付して示している。ポケット用延出片42は、前記インデックス5を突出位置(U)と没入位置(C)との間でスライドさせるための操作用の窓46を有している。折曲線部43は、前記シート本体3とポケット用延出片42とを一体に繋ぐ連続部分47と、前記開口部41を形成する切り離し部分48とを備えている。具体的には、折曲線部43は、対をなす連続部分47と、これら連続部分47間に位置する切り離し部分48とからなるものである。
インデックス5は、両端部を前記両連続部分47に当接させ得る幅寸法を有した基部6と、前記切り離し部分48に形成された開口部41に対応する幅寸法を有した見出し部7とを具備したものである。このインデックス5は、前記見出し部7が前記開口部41を通してシート本体3の縁31よりも外に突出する突出位置(U)と、前記見出し部7が前記基部6とともにポケット4内に収容される没入位置(C)との間でスライドし得るように構成したものである。インデックス5は、凸片9を形成するスリット8を有したものであり、前記凸片9をインデックス5の弾性変形を利用して前記ポケット4の開口部41における開口縁44に係わり合わせることによって、このインデックス5を前記突出位置(U)に没入不能に保持するようにしている。詳述すれば、前記見出し部7は、書き込み可能なシルク印刷を施した見出し部本体71と、この見出し部本体71を前記基部6に連続させる接続部分72とを備えたもので、その接続部分72に前記スリット8を設けることにより前記凸片9が形成されている。なお、図1ないし図4では、見出し部本体71にパターンを付して示している。スリット8は、中央が基部6側に突出した屈曲部分81と、この屈曲部分81の両端から見出し部本体71と接続部分72との境界線まで延びる延出部分82とからなるもので、前記凸片9は、その先端縁91の中央部分92が、他の部分93よりも突出した形状をなしている。
このような構成のものであれば、インデックス5を使用しない場合には、図2に示すように、このインデックス5を没入位置(C)に移動させ、ポケット4内に収容しておけばよい。この状態からインデックス5を使用する場合には、図3及び図6に示すように、ポケット4の窓46を利用してインデックス5を指で突出位置(U)方向へスライド移動させる。しかる後、図6に二点鎖線で示すように、インデックス5を厚み方向に弾性変形させて、凸片9を切り起こし状態にし、図4及び図5に示すように、その凸片9をポケット4の開口部41における開口縁44に係わり合わせる。それによって、インデックス5は、突出位置(U)に保持される。
以上に述べたように、本実施形態にかかるインデックス5を有したシート2は、用紙類に添接させるためのシート本体3と、シート本体3の縁31に開口部41を位置させて該シート本体3に設けられたポケット4と、このポケット4内に収容される基部6から見出し部7を外方に延出させてなるインデックス5とを備えてなり、前記インデックス5を、前記見出し部7が前記開口部41を通してシート本体3の縁31よりも外に突出する突出位置(U)と、前記見出し部7が前記基部6とともにポケット4内に収容される没入位置(C)との間でスライドし得るように構成したものであって、前記インデックス5が、凸片9を形成するスリット8を有したものであり、前記凸片9をインデックス5の弾性変形を利用して前記ポケット4の開口部41における開口縁44に係わり合わせることによって、このインデックス5を前記突出位置(U)に没入不能に保持するようにしたものであるので、比較的簡単な構造で、インデックス5を無理なく確実に突出位置(U)に保持することができる。そして、インデックス5の厚み方向の弾性変形を利用してポケット4の開口縁44に係脱し得るようにしているので、従来のようなジレンマ、すなわち、前記凹部と開口部の両端との係合状態を緩めに設定すると使用中に係合状態が解除されて前記インデックスが没入してしまいやすくなり、一方、前記係合状態をきつめに設定すると前記開口部の両端が裂けやすくなるというジレンマを解消することができる。特に、本実施形態では、インデックス5をポリプロピレン製のシート状のものとしているので、厚み方向に弾性変形しやすく、繰り返しの使用にも耐え得る。
また、前記ポケット4が、シート本体3の縁31に一体に設けたポケット用延出片42を前記縁31に沿った折曲線部43を介して折り返し、その折り返した前記ポケット用延出片42の周縁45を前記シート本体3に止着してなるものであるので、図7に示すように、一枚のプラスチック板を打ち抜いてシート本体3、ポケット用延出片42、及び開口部41を形成することができる。さらに、前記折曲線部43が、前記シート本体3とポケット用延出片42とを一体に繋ぐ連続部分47と、前記開口部41を形成する切り離し部分48とを備えており、前記インデックス5を突出位置(U)へと引っ張り出した際に、該インデックス5の基部6が当たる部分が、溶着ではなく折曲げにより一体に成形されているので、前記連続部分47に強度を持たせることができる。換言すれば、前記インデックス5の基部6が当接することにより、開口部41の両端が裂けやすくなるという不具合を抑制することができる。
前記折曲線部43が、対をなす連続部分47と、これら連続部分47間に位置する切り離し部分48とからなるものであり、前記インデックス5が、両端部を前記両連続部分47に当接させ得る幅寸法を有した基部6と、前記切り離し部分48に形成された開口部41に対応する幅寸法を有した見出し部7とを具備したものであるので、インデックス5の両端側で、インデックス5の基部6と折曲線部43の連続部分47とを当接させることができる。したがって、ポケット4内でのインデックス5のぐらつきを抑制することができる。
前記ポケット用延出片42が、前記インデックス5を突出位置(U)と没入位置(C)との間でスライドさせるための操作用の窓46を有したものであるので、ポケット4内に収容された没入位置(C)にあるインデックス5に直接触れながら、突出位置(U)方向へと移動させることができる。特に、前記窓46は、インデックス5のスライド方向に長尺な楕円形状をなしているので、この窓46内に指等を入れて左右方向に操作しやすい。また、突出位置(U)から完全な没入位置(C)方向へ動かしたい場合にも、この窓46を利用してインデックス5に直接触れながら、没入位置(C)方向へと移動させることができる。なお、インデックス5は、没入位置(C)において、前記シート本体3の縁31及びポケット4の開口縁44よりも内側に収容される。したがって、インデックス5を使用しない没入位置(C)に設定した場合には、インデックス5を有しない通常のクリアホルダ1と同様に使用することができる。
前記凸片9の先端縁91は、中央部分92が他の部分93よりも突出した形状をなしているので、直線状をなす前記ポケット4の開口縁44に容易に係り合わせることができる。特に、この凸片9を形成するスリット8の両端が、見出し部本体71と接続部分72との境界線まで延びているので、スリット8の両端とポケット4の開口縁44とが一致するようにこれらを係わり合わせることによって、見出し部本体71だけをシート本体3の外部に表出させることができる。なお、この見出し部本体71にシール等を貼れば、前記スリット8の両端から裂けてスリット8が大きくなってしまうという不具合を抑制することができる。
本実施形態のクリアホルダ1は、透明な表紙11、12間に用紙類を収容するためのものであって、第二の表紙12を前記インデックス5を有したシート2により構成しているので、クリアホルダ1内に挟まれた用紙類についてインデックス5を付けることができる。特に、本実施形態では、ポケット4がクリアホルダ1の側縁上方に設けられているので、インデックス5が見やすく、また、スライド操作しやすいものとなっている。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
シート本体に対するポケットの位置は、上述したものに限られず、図8に示すようなものであってもよい。図8は、複数の見出し部7、A7、B7、C7が相互に重ならない位置に配置された4枚のクリアホルダを厚み方向に重ねた状態を示している。すなわち、本実施形態に示したように、インデックス5及びこのインデックス5を収容しておくためのポケット4がクリアホルダ1の側縁上方に設けられているものに限られず、インデックスA5、B5及びこれら各インデックスA5、B5に対応して設けられる図示しないポケットがクリアホルダの中間部に設けられているものや、インデックスC5及びこのインデックスC5に対応して設けられる図示しないポケットがクリアホルダの側縁下方に設けられているものであってもよい。なお、ここで「上方」、「下方」とは、シートの長尺方向を上下として便宜的に説明したものであり、シート及びクリアホルダを横向きに使用してよいのはもちろんである。
さらに、ポケットやインデックスの数及び形状は、上述したものには限られない。例えば、一枚のシートが、複数の開口部を有する単一のポケットと、各開口部に突没可能な単一または複数のインデックスとを備えたものや、一枚のシートが、開口部を有する複数のポケットと、これらの各ポケットに対応する複数のインデックスを備えたもの等が考えられる。シートが、複数の開口部を有する一つのポケットと、各開口部に突没可能な一のインデックスとを備えたものである場合の具体的な一例としては、前記ポケットが、インデックスをシート本体の縁に沿った方向に移動可能に構成されたものであり、前記インデックスを上下方向にスライド移動させて前記複数の開口部のうち一の開口部を選択するとともに、該インデックスを左右方向にスライド移動させてシート本体の縁から突没させればよい。このようなものであれば、突出位置に保持させるインデックスを任意に選択することができる。
また、上述した実施形態では、インデックスを突出位置方向にスライドさせてスリット全体が開口縁の外部に表出した後、弾性変形させるようにしていたが、インデックスを突出位置方向にスライドさせて、基部が折曲線部に当たる際に、凸片の基端部がシートの縁に一致する(この場合において、ポケットの折曲線部の連続部分は、突出位置へと引っ張り出したインデックスの基部に当接または近接してインデックスのそれ以上の外方へのスライド移動を阻む構造、いわばストッパとなる)ようにしてもよい。すなわち、スリット及びこのスリットにより形成される凸片が、インデックスの見出し部のみに形成されているものに限られず、少なくともその一部がインデックスの基部に形成されているものであってもよい。
さらに、本実施形態では、シートを備えた一例としてクリアホルダについて説明したが、これに限られず、ファイルに綴じられた用紙類を区分するための仕切り板や、用紙類を保持するための個別フォルダの表紙やハンギングフォルダの表紙等であってもよい。
上述した実施形態では、インデックスの凸片をポケット用延出片の縁に係わり合わせるようにしていたが、もう一方のポケットの開口縁、すなわち、シート本体の縁に係わり合わせるようにしてもよい。
ポケットは、ポケット用延出片を折り曲げして形成するものに限られず、例えば、別体のポケット用部材を溶着等により取り付けるようにしてもよいが、上述した実施形態のようなものであれば、ポケットの一縁を一体に成形することができるので、容易に作成できるとともに、この部分を溶着する場合に比べて強度を持たせることが可能となる。
また、ポケット用延出片の窓の大きさ、形状及び数は、図示したものに限られず種々変更可能であり、この窓はなくてもよい。
ポケット用延出片に窓を設けずに、あるいは、ポケット用延出片の窓とともに、シート本体におけるポケット用延出片に添う(ポケットの一部をなす)部位に窓を開設しても構わない。シート本体に開口するこの窓と、ポケット用延出片に開口する窓とが少なくとも一部において重なり合うならば、これらの窓をインデックスをスライドさせるための操作用の切り抜き部分として利用することが可能となる。すなわち、これらの窓はともにポケットの内部を外部に連通させるものであり、シート本体側及びポケット用延出片側の両方から窓に指を差し入れ、二本の指で(例えば、親指と人差し指とで)インデックスを摘んで、インデックスを突出位置と没入位置との間でスライド移動させる操作を可能にする。
スリット及びこのスリットにより形成される凸片の大きさ、形状及び数についても、図示したものに限られず種々変更可能である。例えば、前記スリットの屈曲部分がV字状をなしているものの代わりに、U字状をなしているものや、W字状をなしているもの等であってもよい。また、スリットが直線部分と、この直線部分の両端からそれぞれ延出する延出部分とからなる平面視コ字状をなしているもの等であってもよい。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
<第二実施形態>本発明の他の実施形態を、図9ないし図15を参照して説明する。本実施形態では、スリット8x及びこのスリット8xにより形成される凸片9xの少なくとも一部がインデックス5xの基部6xに形成されており、インデックス5xを突出位置(U)までスライドさせたときに凸片9xの基端部がシート2xの縁31xに一致し、この突出位置(U)までスライドさせたインデックス5xの凸片9xをシート本体3xの縁31x(ポケット4xのもう一方の開口縁48x)に係わり合わせるようにしている。並びに、ポケット4xを、シート本体3xとは別体のポケット用部材42xを溶着によりシート本体3xに取り付けることで形成している。
この実施形態もまた、本発明にかかるシート2xをクリアホルダ1に適用したものである。
クリアホルダ1の基本的な構造は、第一実施形態と同様とすることができるので、説明を割愛する。図9では、第一の表紙11の底辺13と第二の表紙12の底辺15とを溶着する溶着部分をパターンを付して示している。前記第二の表紙12は、本発明にかかるシート2xにより構成されている。
シート2xは、用紙類に添接させるためのシート本体3xと、シート本体3xの縁31xに開口部41xを位置させて該シート本体3xに設けられたポケット4xと、このポケット4x内に常時収容される基部6xから見出し部7xを外方に延出させてなるインデックス5xとを備えてなる。
シート本体3xは、透明な合成樹脂、例えば、ポリプロピレン製のものであり、綴じるべき用紙の大きさ、例えばA4サイズの用紙に対応する矩形状をなしている。
ポケット4xは、シート本体3xとは別体をなすポケット用部材42xを、シート本体3xの縁31xに臨む箇所に溶着してなる。なお、図10ないし図12では、溶着部分にパターンを付して示している。ポケット用部材42xは、例えば、シート本体3xと同様の、透明な合成樹脂性の薄膜または薄板状の部材である。本実施形態では、ポケット用部材42xにおける、インデックス5xの幅方向(図10ないし図12中、上下方向)に沿って伸びる内側縁、及び、インデックス5xの幅方向に対向しておりインデックス5xのスライド方向(図10ないし図12中、左右方向)に沿って伸びる一対の端縁の略全域を溶着することで、シート2xの外側方に開口するポケット4xを形成している。これらの溶着した止着部分43x、44xは、第一実施形態におけるポケット4の周縁45に相当する。
さらに、ポケット用部材42xにおける外側縁45xの一部を、シート本体3xに溶着している。具体的には、インデックス5xの幅方向に対向する一対の端縁の外側端部から、シート本体3xの縁31xに沿って、互いに相寄る方向に一定の範囲を溶着している。この溶着した止着部分46xは、第一実施形態におけるポケット4の折曲線部43の連続部分47に相当する。そして、止着部分46xは、突出位置(U)へと引っ張り出したインデックス5xの基部6xに当接または近接してインデックス5xのそれ以上の外方へのスライド移動を阻む構造、いわばストッパとなる。
ポケット用部材42xの外側縁45xは、ポケット4xの開口部41xの一方の開口縁を形作る縁である。もっとも、第一実施形態と異なり、このポケット用部材42xの外側縁45xは、開口部41xのもう一方の開口縁48xとなるシート本体3xの縁31xと重なるような直線状をなしてはいない。本実施形態では、前記止着部分46xを除く中間領域について、ポケット用部材42xの外側縁45xを、没入位置(C)に向かう内方に凹むように切り欠いた湾曲形状に成形している(すなわち、切り欠き47x)。
他方、ポケット用部材42xに添う(ポケット4xの一部をなす)シート本体3xの部位には、窓32xを開設している。窓32xは、一本の指を入れることができる程度の大きさの、周縁の閉じた開口である。この窓32xは、その略全体が、ポケット用部材42xの外側縁45xに設けた内方に凹む切り欠き47xと重なり合っている。シート本体3x側の窓32xと、ポケット用部材42x側の切り欠き47xとはともに、インデックス5xを突出位置(U)と没入位置(C)との間でスライドさせるための操作用の切り抜き部分として機能する。これら切り抜き部分32x、47xはそれぞれ、ポケット4xの内部を外部に連通させるものである。よって、シート本体3x側及びポケット用延出片42側の両方から切り抜き部分32x、47xに指を差し入れ、二本の指で(例えば、親指と人差し指とで)インデックス5xを摘んで、これをスライド移動させることができる。
インデックス5xは、両端部をポケット用部材42xの外側縁45xの止着部分46xに当接させ得る幅寸法を有した基部6xと、前記止着部分46x間に形成された開口部41xに対応する幅寸法を有した見出し部7xとを具備したものである。このインデックス5xは、前記見出し部7xが前記開口部41xを通してシート本体3xの縁31xよりも外に突出する突出位置(U)と、前記見出し部7xが前記基部6xとともにポケット4x内に収容される没入位置(C)との間でスライドし得る。ちなみに、インデックス5xの厚みは、ポケット4xを構成するシート本体3x及びポケット用部材42xの厚みよりも大きい。
インデックス5xは、凸片9xを形成するスリット8xを有したものである。この凸片9xを、インデックス5xの弾性変形を利用して、ポケット4xの開口部41xにおける開口縁48x、つまりはシート本体3xの縁31xに係わり合わせることで、インデックス5xを前記突出位置(U)に没入不能に保持することができる。詳述すれば、前記見出し部7xは、書き込み可能なシルク印刷を施した見出し部本体71xと、この見出し部本体71xを前記基部6xに連続させる接続部分72xとを備えたものである。本実施形態では、その接続部分72xと、インデックス5xの基部6xとにまたがるように前記スリット8xを設けることにより、前記凸片9xが形成されている。なお、図9ないし図12では、見出し部本体71xにパターンを付して示している。スリット8xは、基部6x内にあって中央が没入位置(C)に向かう内方に突出した屈曲部分81xと、この屈曲部分81xの両端から見出し部本体71xと接続部分72xとの境界線まで延びる延出部分82xとからなる。これにより、凸片9xは、その先端縁91xを含む部位が基部6xに形成される一方、その基端部が見出し部7x(の接続部分72x)に形成されることとなる。凸片9xの先端縁91xの中央部分92xは、第一実施形態と同様、他の部分93xよりも突出した形状をなしている。
このような構成のものであれば、インデックス5xを使用しない場合には、図10に示すように、このインデックス5xを没入位置(C)に移動させ、ポケット4x内に収容しておけばよい。この状態からインデックス5xを使用する場合には、図11、図12及び図14に示すように、ポケット4xの切り抜き部分32x、47xを利用してインデックス5xを指で突出位置(U)方向へスライド移動させる。インデックス5xを突出位置(U)に引っ張り出したとき、インデックス5xの両端側で、インデックス5xの基部6xが、ポケット用部材42xの外側縁45xの止着部分46xに当接または近接する。同時に、この基部6xの両端縁が、ポケット用部材42xの端縁の止着部分44xに近接する。いわば、基部6xの両端部を、止着部分44xと止着部分46xとがなす隅角(入隅)内に収めた様相を呈する。この隅角の箇所では、ポケット4xを構成するシート本体3xとポケット用部材42xとが基部6xを強く挟み付けるので、ポケット4x内でのインデックス5xのぐらつきが抑制される。
インデックスを突出位置(U)に位置づけた段階で、見出し部7xにおける見出し部本体71xと接続部分72xとの境界線が、ポケット4xの開口部41xにおける開口縁48xとなるシート本体3xの縁31xに略一致する。ひいては、スリット8xの延出部分82xの外方端、換言すれば凸片9xの基端部が、シート本体3xの縁31xに略一致する。しかる後、図14に二点鎖線で示すように、インデックス5x(特に、凸片9x及びその周囲)を厚み方向に弾性変形させて凸片9xを切り起こし状態にし、図12及び図15に示すように、その凸片9xを、ポケット用部材42xの外側縁45xではなく、シート本体3xの縁31xに係わり合わせる。それによって、インデックス5xは、突出位置(U)に保持される。
以上に述べたように、本実施形態にかかるインデックス5xを有したシート2xは、用紙類に添接させるためのシート本体3xと、シート本体3xの縁31xに開口部41xを位置させて該シート本体3xに設けられたポケット4xと、このポケット4x内に収容される基部6xから見出し部7xを外方に延出させてなるインデックス5xとを備えてなり、前記インデックス5xを、前記見出し部7xが前記開口部41xを通してシート本体3xの縁31xよりも外に突出する突出位置(U)と、前記見出し部7xが前記基部6xとともにポケット4x内に収容される没入位置(C)との間でスライドし得るように構成したものであって、前記インデックス5xが、凸片9xを形成するスリット8xを有したものであり、前記凸片9xをインデックス5xの弾性変形を利用して前記ポケット4xの開口部41xにおける開口縁48x(シート本体3xの縁31x)に係わり合わせることによって、このインデックス5xを前記突出位置(U)に没入不能に保持するようにしたものであるので、比較的簡単な構造で、インデックス5xを無理なく確実に突出位置(U)に保持することができる。そして、インデックス5xの厚み方向の弾性変形を利用してポケット4xの開口縁48xに係脱し得るようにしているので、従来のようなジレンマ、すなわち、前記凹部と開口部の両端との係合状態を緩めに設定すると使用中に係合状態が解除されて前記インデックスが没入してしまいやすくなり、一方、前記係合状態をきつめに設定すると前記開口部の両端が裂けやすくなるというジレンマを解消することができる。特に、本実施形態では、インデックス5xをポリプロピレン製のシート状のものとしているので、厚み方向に弾性変形しやすく、繰り返しの使用にも耐え得る。
前記ポケット4xが、前記インデックス5xを前記突出位置(U)へと引っ張り出した際にその基部6xが当接または近接してそれ以上のインデックス5xのスライド移動を阻む構造46xを備えており、前記凸片9xを前記ポケット4xの開口部41xにおける開口縁48xに係わり合わせた状態で、前記インデックス5xの基部6xが前記構造46xに当接または近接しているものとしているため、インデックス5xの突出位置(U)への保定をより確実ならしめることができる。すなわち、凸片9xをポケット4xの開口縁48xに係わり合わせた状態で、インデックス5xが突出位置(U)からさらに外方に変位すると凸片9xが開口縁48xから脱離するところ、突出位置(U)にあるインデックス5xはそれ以上外方に変位し難いため、インデックス5xに外力が作用したとしても凸片9xが開口縁48xから離脱するおそれが低減し、突出位置(U)に引き出したインデックス5xの不意の没入をより確実に抑止することが可能となる。
前記ポケット4xが、前記シート本体3xとは別体のポケット用部材42xをシート本体3xに止着してなるものであり、前記インデックス5xのスライド移動方向に対して略平行に拡がる止着部分44xと、その止着部分44xに対して交差する方向に拡がる止着部分46xとを有し、後者の止着部分46xが、前記インデックス5xを前記突出位置(U)へと引っ張り出した際にその基部6xが当接または近接してそれ以上のインデックス5xのスライド移動を阻む構造として機能するものとしているため、突出位置(U)に引き出したインデックス5xの基部6xとポケット4xの内面との摩擦、すなわち、ポケット4xを構成するシート本体3xとポケット用部材42xとによる基部6xの挟圧を強めることができ、凸片9xによる係止によらずとも突出位置(U)にあるインデックス5xのがたつきを抑制することが可能である。その上で、凸片9xをポケット4xの開口縁48xに係わり合わせれば、インデックス5xを突出位置(U)に強固に保定することができる。
前記ポケット4xの開口縁48xとなる前記ポケット用部材42xの縁すなわち外側縁45xと、前記シート本体3xの縁31xとのうち、前記インデックス5xの凸片9xが係わり合わないポケット用部材42xの外側縁45xを、内方に凹むように切り欠いてあるため、その切り欠き47xからインデックス5xの表面が大きく露出することとなり、指でインデックス5xに直接触れてこれを突出位置(U)に向けて引っ張り出したり、あるいは逆に没入位置(C)に向けて押し込んだりする操作が容易となる。
前記ポケット用部材42xと、これに添うシート本体3xの部位との双方に、少なくとも一部が重なり合い前記ポケット4xの内部を外部に連通させる、前記インデックス5xを突出位置(U)と没入位置(C)との間でスライドさせるための操作用の切り抜き部分47x、32xを設けているため、シート本体3x側及びポケット用部材42x側の両方から切り抜き部分32x、47xに指を差し入れ、二本の指でインデックス5xを摘んでスライド移動させる操作を行い得るようになる。特に、前記窓32xは、インデックス5xのスライド方向に長尺な楕円形状をなしているので、この窓32x内に指等を入れて左右方向に操作しやすい。また、突出位置(U)から完全な没入位置(C)方向へ動かしたい場合にも、この窓32xを利用してインデックス5xに直接触れながら、没入位置(C)方向へと移動させることができる。なお、インデックス5xは、没入位置(C)において、ポケット4xの一方の開口縁となるポケット用部材42xの外側縁45xよりは外側に突出するものの、もう一方の開口縁48xとなるシート本体3xの縁31xよりは内側に収容される。したがって、インデックス5xを使用しない没入位置(C)に設定した場合には、インデックス5xを有しない通常のクリアホルダ1と同様に使用することができる。
前記凸片9xの先端縁91xは、中央部分92xが他の部分93xよりも突出した形状をなしているので、直線状をなす前記ポケット4xの開口縁48xに容易に係り合わせることができる。特に、この凸片9xを形成するスリット8xの両端が、見出し部本体71xと接続部分72xとの境界線まで延びているので、スリット8xの両端とポケット4xの開口縁48xとが一致するようにこれらを係わり合わせることによって、見出し部本体71xだけをシート本体3xの外部に表出させることができる。なお、この見出し部本体71xにシール等を貼れば、前記スリット8xの両端から裂けてスリット8xが大きくなってしまうという不具合を抑制することができる。
本実施形態のクリアホルダ1は、透明な表紙11、12間に用紙類を収容するためのものであって、第二の表紙12を前記インデックス5xを有したシート2xにより構成しているので、クリアホルダ1内に挟まれた用紙類についてインデックス5xを付けることができる。特に、本実施形態では、ポケット4xがクリアホルダ1の側縁上方に設けられているので、インデックス5xが見やすく、また、スライド操作しやすいものとなっている。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
ポケット用部材をシート本体に止着する方法は、溶着には限られず、溶着以外の手段(例えば、接着剤を使用した接着等)を用いてもよいことは言うまでもない。
シート本体に対するポケットの位置は、上述したものに限られず、図8に示したようなものであってもよい。
さらに、ポケットやインデックスの数及び形状は、上述したものには限られない。例えば、一枚のシートが、複数の開口部を有する単一のポケットと、各開口部に突没可能な単一または複数のインデックスとを備えたものや、一枚のシートが、開口部を有する複数のポケットと、これらの各ポケットに対応する複数のインデックスを備えたもの等が考えられる。シートが、複数の開口部を有する一つのポケットと、各開口部に突没可能な一のインデックスとを備えたものである場合の具体的な一例としては、前記ポケットが、インデックスをシート本体の縁に沿った方向に移動可能に構成されたものであり、前記インデックスを上下方向にスライド移動させて前記複数の開口部のうち一の開口部を選択するとともに、該インデックスを左右方向にスライド移動させてシート本体の縁から突没させればよい。このようなものであれば、突出位置に保持させるインデックスを任意に選択することができる。
さらに、本実施形態では、シートを備えた一例としてクリアホルダについて説明したが、これに限られず、ファイルに綴じられた用紙類を区分するための仕切り板や、用紙類を保持するための個別フォルダの表紙やハンギングフォルダの表紙等であってもよい。
また、ポケット用部材の縁の切り欠きの大きさや形状、並びに、シート本体(のポケット用部材に添う部位)の窓の大きさ、形状及び数は、図示したものに限られず種々変更可能である。
上述した実施形態とは逆に、ポケットの開口部の一方の開口縁となるポケット用部材の外側縁を直線状とし、もう一方の開口縁となるシート本体の縁を内方に凹むように切り欠いてもよい。この場合、突出位置に引き出したインデックスの凸片は、シート本体の縁ではなく、ポケット用部材の外側縁に係わり合わせる。また、ポケット用部材に、シート本体の縁に形成した切り欠きと重なり合うような窓を開設し、それら切り欠き及び窓をインデックスをスライドさせるための操作用の切り抜き部分とする。
スリット及びこのスリットにより形成される凸片の大きさ、形状及び数についても、図示したものに限られず種々変更可能である。例えば、前記スリットの屈曲部分がV字状をなしているものの代わりに、U字状をなしているものや、W字状をなしているもの等であってもよい。また、スリットが直線部分と、この直線部分の両端からそれぞれ延出する延出部分とからなる平面視コ字状をなしているもの等であってもよい。
特に、上述した実施形態では、スリット8xの延出部分82xがインデックス5xのスライド方向と略平行に伸びていたが、図16に示すように、スリット8xの延出部分82xを、インデックス5xのスライド方向に対して傾斜させてもよい。インデックス5xの幅方向に対向する一対の延出部分82xを、没入位置(C)に向かうにつれて互いに相寄るような傾斜辺とすることで、凸片9xをインデックス5xから切り起こしてポケット4xの開口縁48xに係わり合わせる操作がより行いやすくなる。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。