JP2021084430A - 収納ポケット - Google Patents
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Abstract
【課題】冊子やファイルに設けた収納ポケットに於いて、収納ポケットに入れたカード、名刺、メモ用紙などの収納物が収納ポケットから滑り出るという問題があった。【解決手段】 冊子やファイルに設けた収納ポケット内に仕切りシートをいれて内ポケットを形成し、且つ、収納ポケットの表面に、内ポケットに入れた収納物の滑り出しを防止する舌片状のガード部材を設けたことを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、収納ポケットに係わり、特に冊子の表紙に設けた収納ポケット及び用紙をはさんで保持するファイルやホルダーなどの収納ポケットに関するものである。
表裏表紙の間に用紙を綴じた、いわゆる冊子の例としては本、手帳、日記帳、家計簿、住所録、ノートなどがある。これらは使用目的が異なるが、構造的にはほぼ同等である。冊子の一例として、手帳について説明する。従来公知の手帳として、手帳本体の表表紙と裏表紙を手帳カバーの左右端部に設けた、コの字型に3辺を閉じ、背表紙側の他の1辺を開口部とした一対の表紙ポケットに差し込んだ構造の物が広く使われている。この表紙ポケットは手帳の表表紙と裏表紙の内面に設けたシート類の収納ポケットとして機能し、キャッシュカード、ポイントカードなどのカード類や名刺、メモ用紙、切手、写真、領収書など、種々のシート類の収納に使用されている。
手帳に於いて、収納物のサイズが収納ポケットの開口部からはみ出るくらい大きい場合には、収納ポケットから完全に滑り出ることは困難であるが、サイズが小さいもの、表面が滑らかでつるつるしたもの例えばカード類などは、収納ポケットから滑り出て落下しやすいという問題がある。
手帳の収納ポケットからシート類が滑り出やすいという問題は、2枚のシートの間に用紙をはさんで保持する、いわゆるファイル、ホルダー、バインダーなどの収納ポケットにおいても同様に発生する。
上記、2枚のシートを冊子の表裏表紙とみなすと、いわゆる冊子、ファイル、ホルダー、バインダーは共に、表裏表紙の間に用紙をはさんで保持しているものとみなすことが出来る。このことから、一般にファイル、ホルダー、バインダーの定義があいまいで、市販品においても例えば同じ構造の物が、クリアファイル、クリアホルダーと表示されたり、穴あき用紙をリングに綴じる文具がリングファイル、リングホルダー、リングバインダーと表示されていたりする。
このことから、本発明においては、ファイル、冊子の言葉を次のように定義して使用する。ファイル[2枚のシートの間に用紙を挟んで保持するものにおいて、挟んだ用紙が容易に追加、削除できるもの]。冊子[表裏表紙の間に用紙を綴じたものに於いて、綴じた用紙が容易に追加、削除できないもの]。即ち、一般のファイル、ホルダー、バインダーを上記の意味においてファイルという言葉に統合して使用する。又、冊子は、いわゆる製本技術により例えば糸や糊などにより用紙を束ねて綴じたものをさしている。
収納ポケットから収納物が滑り出やすいという上記問題に対して、実用新案登録第3134092号広報には、カード用の専用ポケットを複数設けたり、収納ポケットの開口部にファスナーを備えたりした薬手帳カバーの収納ポケットの構成が示されている。又、実全昭54−136029号公報には、手帳の裏表紙全面に対応する収納ポケットを設け、開口部を蓋片で覆う構成が示されている。又、実全平03−029017号公報には、手帳などに取り付けて使用するカード類入れにおいて、ポケットを形成する一面にコ字状の切込みを入れて蓋片を作り、それをおもて面に引っ掛ける構成が示されている。又、実用新案登録第3140921号広報には、クリアホルダーにおいて、表面シートの半円弧状の切欠部に対面する裏面シートに半円形の鍔状の切り込みを入れて表面シートの半円弧状の切欠部や書類に引っ掛けて書類の脱落を防ぐ構成が示されている。
特許文献1のものでは、複数のカード専用のポケットを、本来ある収納ポケットとは別体で取り付けており、専用ポケットの数でカード収納数が限定されると同時に、カードのサイズが異なる場合には対応しづらくなるという問題がある。又、収納ポケットの開口部にファスナーを使用するので、ファスナーを開閉して収納物を出し入れするのが煩わしいという欠点を有する。更に、複数の専用ポケットやファスナーの使用は製造コストが高いという欠点もある。
特許文献2のものでは、収納ポケットの開口部を蓋片で覆う構成が示されている。この構成では、滑り出る恐れのないものも含め、すべての収納物を蓋片付きの収納ポケットに入れるため、蓋片を開閉して収納物を出し入れするのが煩わしいという欠点を有する。
特許文献3のものでは、カード類専用ポケットのおもて面に引っ掛ける蓋片をポケットの裏面の切込みにより形成しており、特許文献1、2のように専用のファスナーや蓋片を使用しないという長所を有する反面、カード類専用のポケットを別体で取り付けているという問題があり、他のサイズの収納物には対応できないという問題もある。
特許文献4のものでは、クリアホルダーにおいて、ポケットの裏面の切込みにより鍔状の蓋片を作って、それを書類やおもて面に引っ掛けており、基本的に特許文献3と同じで、より小さいサイズの収納物例えばカード類には全く対応できず容易に滑り落ちるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑み、表裏表紙の間に用紙をはさんで保持しているものに設けた収納ポケットにおいて、別体の専用のポケットを必要とせず、特定の種類やサイズ、枚数に収納物を限定することがなく、操作性が簡単で安価な、収納物が滑り出ない収納ポケットを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、冊子の表紙に形成した収納ポケットやファイルなどの収納ポケットにおいて、収納ポケットの内部に、仕切りシートを配置し、収納ポケットの内部空間を二分割し、収納ポケットのおもて面に近いほうの空間を滑り出し防止用の内ポケットとし、他方の空間即ち、収納ポケットのうら面に近いほうの空間は、そのまま既存の収納ポケットとして使用するものである。ここで、収納ポケットのおもて面の開口部近傍に切込みによって舌片状のガード部材を形成し、このガード部材を仕切りシートに引っ掛けることにより、内ポケットの開口部を塞いで、収納物の滑り出しを防止するものである。
本発明によれば、冊子の表紙に設けた収納ポケットやファイルなどの収納ポケットにおいて、収納ポケットとは別体の専用のポケットを必要とせず、既存の収納ポケットを利用するため、収納物の種類やサイズ、枚数を限定することなく収納できるという効果や安価に製造できるという効果がある。又、既存の収納ポケットの機能はそのまま保存されており、ファスナーやジッパーなどの全面的な開閉動作がないので、収納物の出し入れが煩わしくないという効果がある。更に、ガード部材の配置位置、形状、個数の最適化により、目的とする各種収納物の滑り出しを完全に防止できるという効果がある。
以下本発明の実施例を図面により説明する。図1は、本発明を適用する、手帳など標準的な冊子の斜視図である。図1に於いて、冊子1は冊子本体2と冊子カバー3よりなる。冊子カバー3の左右両端には、ポケットのおもて面を形成する透明または半透明のポケットシート31の上辺、側辺、下辺の三辺をコの字型に冊子カバー3と接合部32で熱圧着、融着、接着などの様々な方法により貼り合わせて閉じ、他の一辺が背表紙23側に開いてポケット開口部33となる収納ポケット34が形成されている。又、収納ポケット34の横幅分だけ長くした冊子カバーシートを用いて、収納ポケット34の側辺部で折り曲げて収納ポケット34を形成してもよい。このときは、ポケットシート31の上辺と下辺の二辺が接合部32で接合されることになる。
冊子1の左側の収納ポケット34には冊子本体2の表表紙21を、右側の収納ポケット34には冊子本体2の裏表紙22をポケット開口部33から挿入して保持する。このように本来、左右の収納ポケット34は、表表紙21と裏表紙22を挿入して保持し、冊子本体2と冊子カバー3を一体化して冊子1とするための物であるが、カード類や名刺、メモ用紙、切手、写真、領収書など種々のシート類の収納に使用されている。左右の収納ポケット34は実質的に同じ構成であり、本発明は両方の収納ポケット34に適用可能である。本発明実施例は、左側の収納ポケット34に本発明を適用した場合につい説明する。
収納ポケット34には、収納ポケット34内に収まっているカード41と収納ポケット34からはみ出しているメモ用紙42が入っている。メモ用紙42は、サイズが大きいので、収納ポケット34から完全に滑り出て落下することは困難であるが、カード41は材質が滑りやすく、ポケット開口部33から滑り落ちるという問題が発生する。本発明は、この問題に対応するものである。
本発明の第1の実施例を図2、図3において説明する。図2、図3は、図1における冊子1のうち、表表紙21に対応する部分、即ち、冊子1の背表紙23から左側の部分を示したものである。図2(a)、図3(a)の右側の二点鎖線24は、表表紙21と背表紙23の境界を示す。図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のAA断面図、同様に図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のAA断面図である。図2、図3は、収納ポケット34の空間を2分割する仕切りシート5と収納物の滑り出しを防止するガード部材6を有する本発明の収納ポケット34を示したもので、図2は、ガード部材6による収納物の滑り出し防止機能が動作していない状態、図3は、ガード部材6による収納物の滑り出し防止機能が動作している状態を示す。
本実施例では、説明の便宜上、冊子1のサイズをA5サイズとしている。表表紙21のサイズはタテ×ヨコが210mm×148mmである。収納ポケット34のサイズは任意であるが、ここでは接合部32を含めないタテ×ヨコが212mm×100mmとした。又、カード41のサイズは、規格で規定されているキャッシュカードと同じタテ85.60mm、ヨコ53.98mm、厚さ0.76mmとした。
図2(a)において、収納ポケット34は、透明なポリプロピレン製のポケットシート31の3辺を接合部32において幅2mm程度、冊子カバー3と貼り合わせて形成され、ポケット開口部33を有する。又、収納ポケット34には、収納ポケット34より若干小さいタテ200mm、ヨコ80mmの厚手用紙を仕切りシート5として挿入した。仕切りシート5は、収納ポケット34の空間を、表表紙21側とポケットシート31側に分割する。図2(b)、図3(b)に示したように、ポケットシート31側の空間を内ポケット7と呼ぶ。従って、内ポケット7のサイズはほぼ仕切りシート5のサイズと同じである。仕切りシート5と表表紙21側の空間にはメモ用紙42が、内ポケット7にはカード41が入っている。
ポケットシート31のポケット開口部33に近い所に、収納ポケット34の縦方向の中心線35に対称に、舌形状QPTの舌片状のガード部材6が、切り抜き60により形成されている。点Q、点Tをブロック点と呼ぶ。ここで舌片状とは、一辺が固定されて他辺が固定されていない薄片の意味で用いる。舌片状の中には、本実施例のように先端が丸みを帯びた舌形状のものや長方形のものなど様々なものがある。ガード部材6は、その先端部Pが、収納ポケット34の左側の側辺に押し付けた状態の仕切りシート5の右側の側辺と約3mm重なる位置に設定されている。
ポケット開口部33はいつも開いたままなので図2の状態から冊子カバー3が傾いて、ポケット開口部33が下向きになった場合には、内ポケット7に入っているカード41はポケット開口部33から滑り落ちる。この状態は、ガード部材6による抜け防止機能が動作していない状態である。
図3は、ガード部材6による滑り出し防止機能が動作している状態を示す。滑り出し防止機能が動作していない図2の状態の時に、右手の人差し指を仕切りシート5の下に入れ右手の親指でガード部材6の先端部Pの近傍を下側に押すとガード部材6の先端部Pは、簡単に仕切りシート5の右側の側辺を越えて移動して仕切りシート5に引っ掛かり仕切りシート5の右側の側辺をポケットシート31側に引き寄せる。こうして、図3のように内ポケット7の開口部は閉じられ、カード41は、内ポケット7に閉じ込められて収納ポケット34からの滑り出しが防止される。
逆に、図3の滑り出し防止機能が動作している状態から図2の滑り出し防止機能が動作していない状態にするには、右手の人差し指を仕切りシート5に引っ掛かっているガード部材6の先端部Pの下に入れ、ガード部材6をポケットシート31側にはね上げるとガード部材6の先端部Pは、仕切りシート5の右側の側辺を越えて移動し、仕切りシート5への引っ掛かりがとけて、図2の状態に戻る。
仕切りシート5の材質として、ガード部材6が仕切りシート5を引っ掛けたときに、仕切りシート5の側辺が全辺にわたってポケットシート31と隙間なく密着することが必要になる。そのためには紙、プラスチックなどのシート状材料の基本物性の一つである「こわさ」すなわち、シートが自重を支える性質(シートのこし)が強いことが求められる。本実施例では、仕切りシート5として紙を用いているが、厚みが連量単位で55kgの一般的なコピー用紙は、紙のこしが弱くて仕切りシート5としては不適切である。仕切りシート5としては、厚みが一般的なコピー用紙の約2.5倍の約0.2mm以上、連量としては約135kg以上の、名刺やハガキ程度の厚みがあるのが望ましい。又、仕切りシート5としてポリプロピレンや塩化ビニルなどのプラスチックを用いた場合にも紙の場合と同様なこしの強さが求められる。
舌片状のガード部材6として、滑り出し防止機能を動作状態とするためには、収納ポケット34のおもて面側からガード部材6を押すことが必要であるが、親指以外の、例えば人差し指や鉛筆のようなもので押すと操作性が大幅に低下する。親指で効率よくガード部材6を押すためには、ガード部材6の横幅(この場合はブロック点QT間の長さ)は、約10mm以上、望ましくは15mm以上が良い。又、ガード部材6の舌片の長さ(この場合は線QTと先端部Pとの距離)は、長いほど親指で押しやすく、かつ、先端部Pが撓みやすいので約8mm以上、望ましくは10mm以上が良い。更に、仕切りシート5の横幅を変えて試験した結果では、ガード部材6の先端部Pと仕切りシート5の側辺との重なりの長さは約2mm以上が望ましく、滑り出し防止機能の動作、非動作状態の切り替えを容易にするためには重なりの長さは、約8mm以下が望ましかった。
本実施例において、図2(a)のように表表紙21を開いた冊子1を机上に置いて、内ポケット7にキャッシュカードを含む種類、大きさの異なるカード類7枚と名刺、写真、切手シート、レシートなど8枚の合計15枚の収納物を任意に入れ、ガード部材6を仕切りシート5に引っ掛けてから、表表紙21を垂直に立ててポケット開口部33を下に向ける動作を繰り返し行ったが、収納物の滑り出しは発生しなかった。
このように本実施例によれば、収納ポケット34における、収納物の滑り出し防止機構は、1枚の仕切りシート5と切り抜き60により設けたガード部材6よりなり、例えばキャッシュカード専用のポケットやファスナーを必要としないので、収納ポケット34の製作が容易且つ安価であり、内ポケット7に入る物であれば、特にサイズ、種類を限定することなく収納物の滑り出しを防止できるという効果がある。
又、ポケット開口部33は常に開いたままで、従来のポケット機能はそのまま維持されているので、メモ用紙42のように完全には滑り落ちることのない大きめのサイズの物や滑り出し防止機能を必要としない物は、ポケット開口部33から従来通り何の操作もなくいつでも出し入れすることが出来、かつ、収納物の滑り出し防止機能の動作、非動作状態の切り替えは人差し指と親指で簡単に出来るので出し入れの煩わしさがなく、操作性に優れているという効果がある。又、貴重品や小さいサイズの物と大きいサイズの物を分離して整理しやすいという効果もある。
本発明の第2の実施例を図4において説明する。本実施例は、図2、図3に示した第1の実施例におけるガード部材6の数を2個に増やしたものである。前述のように、第1の実施例において、内ポケット7に収納物を15枚任意に入れた場合には収納物の滑り出しは発生しなかったが、故意に収納物を内ポケット7の下辺近くにまとめて入れると、収納物全体の厚みが増して内ポケット7の下辺部に近い開口部が押し広げられ、収納物がポケット開口部33から一部はみ出すことがあった。本実施例は、この点に対するもので、特異な条件の下でも、収納物の滑り出しを防止するものである。
図4において、収納ポケット34には第1のガード部材61、第2のガード部材62を設けた。上辺の接合部32と第1のガード部材61のブロック点Qの間隔Lをキャッシュカードのヨコの長さ53.98mm以下の52mmとした。同様に、第1のガード部材61のブロック点Tと第2のガード部材62のブロック点Qの間隔、第2のガード部材62のブロック点Tと下辺の接合部32との間隔もL=52mmとした。又、第1のガード部材61と第2のガード部材62は同じ形状で、横幅(QTの長さ)は28mm、線QTと先端部Pの距離は17mmとした。又、内ポケット7に入っているカード41はキャッシュカードと同じサイズとした。
本実施例において、内ポケット7の開口部の幅は、第1のガード部材61、第2のガード部材62により実質的な幅L=52mmの3ケ所に分割されたことになり、カード41のヨコの長さ53.98mm以下であるので、内ポケット7の中で移動するカード41は例えば下部の開口部から滑り出るように移動しても第2のガード部材62のブロック点Tに当たってそれ以上は進行できなくなり、滑り出しは確実に防止される。例え、仕切りシート5とポケットシート31の間に隙間が出来たとしてもガード部材の舌片が仕切りシート5から外れない限りはカード41は、その横幅が通る空間がないので滑り出ることはない。
このように本実施例によれば、長方形の収納物で、その短いほうの辺の長さがキャッシュカードの短辺よりも長いものは滑り出しが防止される。カード類は種類が多いが、例えばプリペイカード、クレジットカード、ポイントカード、運転免許証、学生証など、カード類の大部分がキャッシュカードのタテ、ヨコと同じサイズに統一されているので、本実施例により、カード類の大部分と、それより大きなサイズの収納物の滑り出しは完全に防止される。このように、滑り出しを防止したい収納物のサイズに応じて、ガード部材6の個数とガード部材6間の距離を調節することにより、内ポケット7の開口部の幅を必要な値に変えて、目的とするどのような収納物に対しても滑り出しを防止することが可能となる。
本発明の第3の実施例を図5において説明する。仕切りシート5は、収納ポケット34のポケットシート31と同じ透明なポリプロピレン製で、仕切りシート5の左側辺に長さ50mm、幅3mmの滑り止め樹脂や粘着性付与樹脂をコートされた仕切り固定部51を有し、サイズはタテ200mm、ヨコ81mmである。仕切りシート5は収納ポケット34の左側辺に押し付けた状態で、ポケットシート31に仕切り固定部51で接合されている。舌形状QPTのガード部材6のブロック点Q、Tは収納ポケット34の右側辺との距離は5mm、線QTとガード部材6の先端Pまでの距離は16mmとした。従って、ガード部材6の先端Pと仕切りシート5との重なりは2mmとなる。この仕切り固定部51では接合部32と同様な接合方法を用いることもできる。
このように本実施例によれば、仕切りシート5の左側辺が固定されているので、ガード部材6の先端Pと仕切りシート5との重なりは何時も一定値2mmとなる。これに対し、実施例1,2の場合では、仕切りシート5が固定されていないので動きやすく、ガード部材6と仕切りシート5との重なりは約2〜15mmほど変化する。滑り出し防止機能の動作、非動作状態の切り替えは、ガード部材6の仕切りシート5との重なり部分を仕切りシート5の側辺を越えて移動させる行為であるから、重なり部分の面積が少ないほうが切り替え動作が容易になる。本実施例では、重なりは何時も一定値2mmと小さいので、簡単に動作、非動作状態の切り替えをすることが出来るメリットがある。
本実施例においては、仕切りシート5の左側辺の一部がポケットシート31に仕切り固定部51において接合されているが、左側辺の全部が接合されてもよい。又、仕切りシート5は左側辺をポケットシート31と一緒に接合部32において冊子カバー3と接合してもよい。さらに、仕切りシート5の上辺や下辺を固定しても同様にガード部材6の先端部と仕切りシート5との重なりを一定に保つ効果がある。上辺や下辺を固定する場合は、固定時のずれの影響が出やすいので、側辺を固定する方が望ましい。又、仕切りシート5が透明なので、仕切りシート5の裏面側の空間に入っている収納物が見やすいという効果がある。
本発明の第4の実施例を図6において説明する。図6は、用紙を挟んで保持するファイルの斜視図である。図6においてファイル8はいわゆるクリアファイルで、ポリプロピレン等の透明又は、それを着色した1枚の長方形のシートを二つに折って重ね合わせ、折り返し辺と直交する下辺同士を接合部32で接合し、表裏2枚のシート即ち、表シート81、裏シート82でできた、折り返し辺と下辺がL字型に閉じられた収納ポケット34に用紙を挟むものである。収納ポケット34では、冊子1に対する第1〜第3の実施例と異なり、ファイル8の上辺と右側辺がポケット開口部33となる。本実施例では、説明の便宜上、ファイル8のサイズをA4サイズとしている。従って、表シート81、裏シート82のサイズは標準でタテ×ヨコが310mm×220mmである。
本実施例において、仕切りシート5はポリプロピレン製で接合部32において表シート81、裏シート82と一体で接合されている。従って、接本実施例では、整合部32が第3の実施例の仕切り固定部51を兼ねている。接合部32を含めて仕切りシート5のサイズは、表シート81の右側辺や上辺より各々40mm内側に入ったタテ×ヨコが270mm×180mmである。各ガード部材は舌形状QPTをしており、仕切りシート5の右側辺に沿って上下に第1のガード部材61、第2のガード部材62の2個、仕切りシート5の上辺に沿って第3のガード部材63の計3個のガード部材を設けている。
第1のガード部材61、第2のガード部材62のブロック点Q、Tと表シート81の右側辺との距離と、第3のガード部材63のブロック点Q、Tと表シート81の上辺との距離は共に25mm、各ガード部材の線QTと先端Pまでの距離は20mmとした。従って、各ガード部材の先端Pと仕切りシート5との重なりは5mmとなる。収納物の滑り出し防止機能の動作、非動作状態の切り替えは、親指と人差し指で表シート81を掴むようにしてガード部材の先端部Pを押すことにより簡単に行うことが出来る。収納物としてカード41が入っている。
第2のガード部材62のブロック点Tと下辺の接合部32との距離は50mm、第2のガード部材62のブロック点Qと、第1のガード部材61のブロック点Tとの距離は50mm、第3のガード部材63のブロック点Qと表シート81の左側辺との距離は50mmとした。又、各ガード部材のブロック点QT間の距離も50mmとした。従って、ヨコの長さ53.98mmのカード41がブロック点Q、Tでブロックされずに開口部から滑り出るとすれば、仕切りシート5の右上隅に限定される。仕切りシート5は、官製ハガキと同等の「こし」の強さを有し、開口部は強く閉じられており、通常の使い方ではカード41が滑り出ることはないが、仕切りシート5の右上隅に、ガード部材を1個増設することにより、どのような状況でも、カード41の滑り出しを防止することが可能となる。本実施例によれば、ファイルに於いて、収納物の滑り出し防止機能付きで収納量の大きい収納ポケットを実現できるという効果を有する。
本発明の第5の実施例を図7において説明する。第4の実施例においては、表シート81の右側辺や上辺より各々40mm内側に入ったタテ×ヨコが270mm×180mmの仕切りシート5を用いた。内ポケット7に入っているカードや名刺などのサイズの小さい物に対しては内ポケット7が小さいほうが取り出しやすくなる。内ポケット7を小さくするために仕切りシート5を小さくすると、表シート81の右側辺や上辺から仕切りシート5までの距離が長くなり、親指と人差し指で表シート81を掴むようにしてガード部材の先端部を押す動作ができなくなる。本実施例は、この問題に対応するものである。
図7において、仕切シート5のサイズは、接合部32を含めてタテ×ヨコが160mm×120mmである。仕切シート5の右上隅の角は丸みをつけている。表シート81は、辺の一部ab間が仕切シート5の曲線にほぼ沿う形で切り抜かれている。表シート81のab間の辺と仕切りシート5の対応する辺との幅はガード部材の操作性を考慮して30mmとした。表シート81には第1のガード部材61、第2のガード部材62、第3のガード部材63の計3個のガード部材が設けてある。これらのガード部材は標準サイズのカード41が内ポケット7の開口部から滑り出ないように配置と形状を設定してある。このように本実施例によれば、内ポケット7の形状にあわせて表シート81を切り抜くことにより、サイズの大きい収納ポケット34内部の内ポケット7を小さくでき、サイズの小さい収納物の取り出しが容易になるという効果がある。
本発明の第6の実施例を図8において説明する。本実施例は第5の実施例の目的と同じく、収納ポケット34内部の内ポケット7を小さくするために仕切りシート5を小さくしたときの問題に対応するものである。図8において、仕切りシート5とガード部材は、図7に示したものと同じである。仕切りシート5による内ポケット7の開口部周辺に沿って、ガード部材に対応する位置に切り抜き部64を設けた。切り抜き部64は、幅が10mmで、仕切りシート5の周辺からの距離は、30mmである。
図8において、切り抜き部64に右手の人差し指を入れて、親指と人差し指で表シート81を掴むようにして第1のガード部材61、第2のガード部材62、第3のガード部材63の先端部Pを押すことにより、滑り出し防止機能の動作、非動作状態を切り替える。内ポケット7への収納物の出し入れは切り抜き部64を通して行うことが出来る。本実施例によれば、表シート81の切り取り面積が小さいので、第5の実施例に比べて、ファイル8全体の強度や、収納ポケット34内の収納物の保持性がアップするという長所を有する。
本発明の第7の実施例を図9において説明する。本実施例は第5、第6の実施例の目的と同じく、収納ポケット34内部の内ポケット7を小さくするために仕切りシート5を小さくしたときの問題に対応するものである。本実施例の仕切りシート5は、第5、第6実施例の仕切りシート5と比べて、右上部の角に丸みをつけていない点と、タテ×ヨコが150mm×120mmで、タテの長さが10mm短い点が異なる。仕切りシート5の上辺は仕切り固定部51により表シート81に接合され、仕切りシート5の動きが抑えられている。下辺は、下の接合部32からは5mm離れている。又、仕切りシート5の右側辺の位置に第1のガード部材61、第2のガード部材62と、それらを操作するタテ×ヨコが110mm×45mmの楕円形の切り抜き部64を設けた。切り抜き部64のサイズと形状は、操作性とデザイン性を考慮して自由に決められる。
本実施例によれば、仕切りシート5の上辺に仕切り固定部51を設けたので、内ポケット7の上辺の開口部は完全に閉じられる、例えファイル8が上下にひっくり返ったとしても、どのようなサイズの収納物でも仕切りシート5の上辺から滑り落ちないという長所を有する。又、第6の実施例比べ、ガード部材が二つに減ったので、操作性が増し、更に、仕切りシート5の側辺の開口部の幅が狭くなり、標準的なサイズのカード41より小さい収納物に対する滑り出し防止効果が増加するという長所を有する。
本発明の第8の実施例を図10において説明する。本実施例が第7の実施例と異なる点は、本実施例の仕切りシート5の横幅が20mm長くなった点と、切り抜き部64が矩形になり表シート81の右側辺から直接切り取っている点にある。この切り抜き部64のサイズと形状は、第7の実施例と同じく、操作性とデザイン性を考慮して自由に決められる。
本実施例によれば、第7の実施例に比べ、仕切りシート5の横幅が伸びることにより、切り抜き部64のサイズをそれほど大きくしないで、表シート81の右側辺から直接、第1のガード部材61、第2のガード部材62にアクセスできるので、操作性が向上するという効果がある。
本発明の第9の実施例を図11において説明する。図11においてファイル8は、A4のクリアファイルの表面の左下にA5サイズの外部ポケットを付けたもので、いわゆる、市販されているポケット付きファイルの一つである。A4サイズのポケットは、図6と同じく表シート81と裏シート82よりなる。A5サイズの外部ポケットは、タテ×ヨコが210mm×148mmのポケットシート31を表シート81に左側辺と下辺でL字型に接合して収納ポケット34を形成している。
本実施例は、外部にある収納ポケット34に対して仕切シート5とガード部材を付与して、収納物の滑り出しを防止するものである。収納ポケット34には、ポリプロピレンのタテ×ヨコが200mm×123mmの仕切りシート5が入っている。仕切りシート5の上辺に仕切り固定部51を設け、仕切りシート5をポケットシート31に接合している。仕切シート5の右側辺に沿って第1のガード部材61、第2のガード部材62の2個のガード部材が設けてある。第1のガード部材61、第2のガード部材62のブロック点QT間の距離は30mmで、内ポケット7の開口部の幅を50mm以下に設定した。又、第1のガード部材61、第2のガード部材62の位置に丸印のマーク65が描かれている。
本実施例によれば、通常のクリアファイルの外部に設けた収納ポケット34に対しても容易に、収納物の滑り出し防止機能を付与でき、第5〜第8の実施例に比べて、表シート81の切り抜きを必要としないので、内ポケット7への収納物の出し入れの操作性が容易であるという長所を有する。又、ガード部材の位置にマーク、キャラクター、動植物、食物等々の画像を表示することにより、瞬時にガード部材の位置がわかり操作性が向上するという長所を有する。
本発明の第10の実施例を図12において説明する。図12においてファイル8は、タテ×ヨコが307mm×444mmのシートを中心で二つ折りしたものであり、折った状態でタテ×ヨコが307mm×222mmのA4のクリアファイルとなる。クリアファイルの内部の左右の面すなわち、表シート81と裏シート82の内面には内部ポケットがあり、いわゆる、ポケット付きファイルの一つである。左側の内部ポケットは、表シート81の左下隅を基準としてポケットシート31を左側辺と下辺でL字型に表シート81に接合部32により接合して収納ポケット34を形成している。右側の内部ポケットも同様にして収納ポケット34を形成している。ファイル8は、左右各々の収納ポケット34には、A4サイズの用紙が収納でき、又、左右の収納ポケット34を同時に使って、A3サイズの用紙も収納可能であるという特徴がある。
本実施例は、左側の収納ポケット34に仕切シート5と第1のガード部材61、第2のガード部材62を付与して、内ポケット7に入れた収納物の滑り出しを防止するものである。ポケットシート31は、長方形の右隅の角を大きく円形に近い形状に丸めており、ポケットシート31の右側辺の直線部の長さは150mmである。仕切シート5は、ポケットシート31の曲線にほぼ沿った形の物を用いた。
本実施例によれば、内部に2個のポケットを有する、ポケット付きファイルに於いて、収納ポケット34に対して、仕切シート5の上辺に沿った仕切り固定部51を用いることにより、内ポケット7の開口部の幅を45mm以下に設定でき、カード41より小さい収納物に対する滑り出し防止効果が増加している。又、内ポケット7の容量も大きくとれるという効果も有する。
本発明の第11の実施例を図13において説明する。図13は、冊子の背表紙に対応する部分に設けた2穴の綴じ具24で穴あき用紙を綴じるリングファイルに対し、本発明を適用したものである。表シート81の内側には、ポケットシート31を表シート81に左側辺と下辺でL字型に接合した収納ポケット34を形成している。又、裏シート82の内側には、コの字型の収納ポケット34を形成している。ポケットシート31は、タテ×ヨコが180mm×130mmの長方形の右上隅を直線的に切り落とした形をしている。仕切りシート6はタテ、ヨコ105mmの正方形をしている。仕切りシート6の上辺は仕切り固定部51にて固定されている。
本実施例では、ファイルの内部にある収納ポケット34の形にとらわれずに内ポケット7を設けており、一つのガード部材6にて内ポケット7の開口部の幅を40mm以下に設定して、操作性を容易にしている。
本発明の実施例では、冊子に形成されたコの字型の収納ポケットやファイルの内外に形成されたL字型の収納ポケットにおける収納物の滑り出しを防止する場合について説明しているが、ファイルに形成されたコの字型の収納ポケットや、冊子に形成されたL字型の収納ポケットに対しても適応できる。又、本実施例では、表シート、裏シートからなる単純なファイルについて説明しているが、表シート、裏シートの間に複数枚の補助頁や仕切りを設けたり、内外のポケットの上にポケットを重ねて設けたりした様々な構成のファイルが市販されているが、本発明は、ファイルの構成にとらわれずに適用できる。
1…冊子、2…冊子本体、3…冊子カバー、5…仕切りシート、6…ガード部材、7…内ポケット、8…ファイル、21…表表紙、22…裏表紙、23…背表紙、31…ポケットシート、32…接合部、33…ポケット開口部、34…収納ポケット、41…カード、42…メモ用紙、51…仕切り固定部、60…切り抜き、64…切り抜き部、81…表シート、82…裏シート
Claims (12)
- 冊子本体の表表紙と裏表紙を差し込んで保持し冊子を形成する冊子カバーの左右端部に設けたコの字型にとじた収納ポケットに於いて、前記収納ポケットの内部に前記収納ポケットと略相似形の仕切りシートを配置して、前記収納ポケットのおもて面を構成するポケットシートと前記仕切りシートの間に内ポケットを形成し、且つ、前記ポケットシートの前記内ポケットの開口部近くに、舌片状の一個または複数個のガード部材を切込みにより設け、前記ガード部材の先端部を前記仕切りシートの側辺に引っ掛けて、前記内ポケットの開口部の開閉動作を行うことを特徴とする収納ポケット。
- 二枚のシートの間に用紙を挟んで保持するファイルの内部や外部に設けたL字型にとじた収納ポケットに於いて、前記収納ポケットの内部に仕切りシートを配置して、前記収納ポケットのおもて面を構成するポケットシートと前記仕切りシートの間に内ポケットを形成し、且つ、前記ポケットシートの前記内ポケットの開口部近くに、舌片状の一個または複数個のガード部材を切込みにより設け、前記ガード部材の先端部を前記仕切りシートの側辺に引っ掛けて、前記内ポケットの開口部の開閉動作を行うことを特徴とする収納ポケット。
- 請求項1,2において、前記仕切りシートは、透明または半透明のプラスチックであることを特徴とする収納ポケット。
- 請求項1,2において、前記仕切りシートは、名刺やはがきと同等以上のシート物性のこわさを有することを特徴とする収納ポケット。
- 請求項1,2において、前記ガード部材により分割された、前記内ポケットの開口部の幅が、前記内ポケットからの滑り出しを防止したい収納物のサイズに応じて決定されることを特徴とする収納ポケット。
- 請求項5において、前記ガード部材により分割された、前記内ポケットの開口部の幅が、規格値によりサイズが決められているキャッシュカードの短辺の長さと同等以下であることを特徴とする収納ポケット。
- 請求項1において、前記仕切りシートの周辺の一部を前記ポケットシートと接合し、前記仕切りシートのずれを防止することを特徴とする収納ポケット。
- 請求項2において、前記仕切りシートの周辺の一部を前記ポケットシートと接合し、前記仕切りシートのずれを防止することを特徴とする収納ポケット。
- 請求項7において、前記仕切りシートの側辺を前記ポケットシートと接合することを特徴とする収納ポケット。
- 請求項8において、前記仕切りシートの上辺を前記ポケットシートと接合することを特徴とする収納ポケット。
- 請求項1、2において、前記ガード部材の横幅の長さは、約15mm以上、舌片の長さは、約10mm以上であることを特徴とする収納ポケット。
- 請求項1、2において、前記ガード部材の先端部と前記仕切りシートの側辺との重なりの長さは、約2mm以上、8mm以下であることを特徴とする収納ポケット。
Priority Applications (1)
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JP2019227747A JP2021084430A (ja) | 2019-11-29 | 2019-11-29 | 収納ポケット |
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JP2019227747A JP2021084430A (ja) | 2019-11-29 | 2019-11-29 | 収納ポケット |
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JP2021084430A true JP2021084430A (ja) | 2021-06-03 |
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ID=76086672
Family Applications (1)
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JP2019227747A Pending JP2021084430A (ja) | 2019-11-29 | 2019-11-29 | 収納ポケット |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2021084430A (ja) |
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2019
- 2019-11-29 JP JP2019227747A patent/JP2021084430A/ja active Pending
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