JP5954824B2 - 製麺用切刃ロール - Google Patents
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しかしながら、近年は麺業界においても企業間の競争がますます激化しており、例えばお祝い事用や菓子用等の新たな市場を開拓し得るような斬新な断面形状の麺線を切出し可能とすることが要請されるところ、従来の如く製麺用切刃ロールが単純な断面形状の麺線のみを切出すべく構成されていたのでは新たな市場を開拓することは難しく、企業の収益力にも重大な影響を及ぼしてしまう。
また、切り出された麺線は、茹でる、蒸す等の調理(茹で麺や蒸し麺等の製品を製造する際の茹で工程や蒸し工程等の製造工程等も含まれる)が行われた際に、麺線が水分を吸収して膨潤することまで考慮されていない。そのため、従来の製麺用切刃ロールでは、切り出された麺線の材料や麺線の太さ等にもよるが、調理されたあとの麺線が丸く膨らむ傾向にあるので、麺帯から切り出されたあとの麺線の断面形状を調理されたあとまで、その形を維持することができない場合がある。したがって、従来の製麺用切刃ロールでは、麺体から所定の断面形状の麺線を切り出しても、最終的に調理された麺線が膨潤して、麺線の断面形状が丸形に変化するようであれば、麺線の見た目、食感、そして、スープや調味料のからみ具合等が、一般的に普及している断面形状が丸形の麺線となんら変わらなくなってしまう。なお、特許文献3には、切り出す麺線の断面形状を、三角形をなす3辺のうちの2辺を内側に凹ませた断面形状にする製麺用切刃ロールが開示されているが、切り出された麺線が調理されることによって膨潤することで、少なくとも凹ませていない一辺の部分が丸く膨らむことで、その麺線の断面形状の形を維持できないことは明らかである。
前記麺線切出し溝の断面形状を、星形の形状に形成する。
第2切刃11bは、ロール軸10aの軸方向を左右方向として、第1切刃11aの左右を反転させた形状に形成されている。
第1切刃11aと第2切刃11bは、ロール軸10aの軸方向に交互に並べて備えられており、一方で高さ寸法が大きい方(高さ寸法h1の方)の略円錐台が、その底面に平行な反対の面同士で当接するように配置され、他方で高さ寸法が小さい方の(高さ寸法h2)略円錐台が、その底面に平行な反対の面同士の間に所定の隙間を設けるように配置されている。また、第1切刃11aと第2切刃11bは、それらの刃先11ap、11bpの間を一定の間隔Lに設定しつつロール軸10aの軸方向に交互に並べて備えられている。
第1切刃11aと第2切刃11bの刃面は、それぞれ刃先を挟んで一方の刃面が、高さ寸法が大きい方の略円錐台の側面で形成され、他方の刃面が、高さ寸法が小さい方の略円錐台の側面とその略円錐台の底面に平行な反対の面におけるロール軸10aが接触していない面とで形成されている。
第4切刃21bは、ロール軸20aの軸方向を左右方向として、第3切刃21aの左右を反転させた形状に形成されている。
第3切刃21aと第4切刃21bは、ロール軸20aの軸方向に交互に並べて備えられており、一方で高さ寸法が大きい方(高さ寸法h1の方)の略円錐台が、その底面に平行な反対の面同士で当接するように配置され、他方で高さ寸法が小さい方(高さ寸法h2の方)の略円錐台が、その底面に平行な反対の面同士の間に所定の隙間を設けるように配置されている。また、第3切刃21aと第4切刃21bは、それらの刃先21ap、21bpの間を一定の間隔Lに設定しつつロール軸20aの軸方向に交互に並べて備えられている。ここでの間隔Lは、ロール軸10aに有する第1切刃11aの刃先11apと第2切刃11bの刃先11bpの間の距離と略同じに形成されている。
第3切刃21aと第4切刃21bの刃面は、それぞれ刃先を挟んで一方の刃面が、高さ寸法が大きい方の略円錐台の側面で形成され、他方の刃面が、高さ寸法が小さい方の略円錐台の側面とその略円錐台の底面に平行な反対の面におけるロール軸20aが接触していない面とで形成されている。
略V字型の刃溝13a、23a側に面する刃面(すなわち、前記辺13am、23am)は、第1切刃11aの刃先11apと第2切刃の刃先11bpから刃溝13aの底部(すなわち頂点13aa)に向かう中で、また、第3切刃の刃先21apと第4切刃の刃先21bpから刃溝23aの底部(すなわち頂点23aa)に向かう中で、ロール軸10a、20aの軸心に対する傾斜が途中から大きくなる。
略W字型の刃溝13b、23b側に面する刃面(すなわち、前記辺13bm、23bm)は、第1切刃11aの刃先11apから刃溝13bの底部(すなわち、頂点13ba)に向かう中で、また、第2切刃の刃先11bpから刃溝13bの底部(すなわち、頂点13bb)に向かう中で、また、第3切刃21aの刃先21apから刃溝23bの底部(すなわち、頂点23ba)に向かう中で、また、第4切刃21bの刃先21bpから刃溝23bの底部(すなわち、頂点23bb)に向かう中で、その途中までロール軸10a、20aに対して傾斜していて、その途中からロール軸10a、20aの径方向に対して平行になっている。なお、略W字型の刃溝13b、23b側に面する刃面は、刃溝の底部に向かって、途中から傾斜の勾配が大きくなるようにしても良い。
また、図8に示すように、参考例としては、麺線切出し溝40a、40bの断面形状を、六角形の頂点間がその六角形の内側に括れた曲線からなる辺13af、13bf、23af、23bfで接続された形状、すなわち略星形の形状に形成したものがある。この場合には、第1切刃ロール10と第2切刃ロール20は、同一の形状であって、各切刃11a、11b、21a、21bが同一形状であり、各辺13af、13bf、23af、23bfが同一であり、刃溝13a、13b、23a、23bが同じ形状であり、そして、麺線切り出し溝40a、40bが同じ形状に形成されている。また、各切刃ロールは、ロール軸に複数の切刃を刻設して形成しても良い。
同図に示すように、麺線切出し機50は、麺帯Tの供給経路Yに沿って、圧延ロール51と、上述した本発明の製麺用切刃ロール1と、回転刃52とを一対の側板53a、53bに組み込んで備えており、製麺用切刃ロール1は一対の側板53a、53bの上下方向における中間部の前部側にそれぞれ設けられた凹部50a、50bに着脱自在に備えられている。
すなわち、まず、圧延ロール51のロール間ギャップIをギャップ調整機構により製麺用切刃ロール1に供給する麺帯Tの厚みに応じて所要に調整する(図10)。なお、製麺用切刃ロール1に丸刃の切刃ロールを採用している場合には、例えば角刃方式で行われるような厳密な麺厚の調整までは必要とされない。
2 一対の切刃ロール
10 第1切刃ロール
10a 第1切刃ロールのロール軸
11a 第1切刃
11ap 第1切刃の刃先
11b 第2切刃
11bp 第2切刃の刃先
13 第1切刃ロールに有する刃溝
13a 第1切刃ロールに有する略V字型の刃溝
13am 第1切刃ロールに有する略V字型の刃溝の断面形状を示す辺
13b 第1切刃ロールに有する略W字型の刃溝
13bm 第1切刃ロールに有する略W字型の刃溝の断面形状を示す辺
14a 第1切刃ロールに有する略V字型の刃溝を形成する刃面の突出部
14b 第1切刃ロールに有する略W字型の刃溝を形成する刃面の突出部
14c 第1切刃ロールに有する略W字型の刃溝を形成するロール軸の周面の突出部
20 第2切刃ロール
20a 第2切刃ロールのロール軸
21a 第3切刃
21ap 第3切刃の刃先
21b 第4切刃
21bp 第4切刃の刃先
23 第2切刃ロールに有する刃溝
23a 第2切刃ロールに有する略V字型の刃溝
23am 第2切刃ロールに有する略V字型の刃溝の断面形状を示す辺
23b 第2切刃ロールに有する略W字型の刃溝
23bm 第2切刃ロールに有する略W字型の刃溝の断面形状を示す辺
24a 第2切刃ロールに有する略V字型の刃溝を形成する刃面の突出部
24b 第2切刃ロールに有する略W字型の刃溝を形成する刃面の突出部
24c 第2切刃ロールに有する略W字型の刃溝を形成するロール軸の周面の突出部
40 麺線切り出し溝
T 麺帯
S 麺線
Claims (1)
- ロール軸に切刃を備えた第1切刃ロールと第2切刃ロールとの一対の切刃ロールを有するとともに、前記一対の切刃ロール間に麺線切出し溝を形成して麺帯から麺線を切出す製麺用切刃ロールであって、
前記第1切刃ロールは、第1刃面が1つのテーパ面を有し第2刃面が角度が異なる連続した2つのテーパ面を有し前記ロール軸を中心に回転する円板形状の第1切刃と、前記第1切刃が反転された円板形状の第2切刃と、を複数備え、
前記第2切刃ロールは、前記第1刃面と前記第2刃面を有し前記ロール軸を中心に回転する第3切刃と、前記第3切刃を反転された円板形状の第4の切刃と、を複数備え、
前記第1切刃ロールにおいて、前記第1切刃の前記第2刃面と前記第2切刃の第2刃面が対向するように前記第1切刃と前記第2切刃が接触して設けられ、
前記第2切刃の第1刃面と他の前記第1の切刃の前記第1刃面とが対向するように間に山形の突出部を有する前記ロール軸の周面を配置して前記第2切刃と前記他の前記第1切刃が設けられるように、複数の前記第1切刃と複数の前記第2切刃が交互に並べて配置され、
前記第2切刃ロールにおいて、前記第3切刃の第1刃面と前記第4切刃の第1刃面とが対向するように間に山形の突出部を有する前記ロール軸の周面を配置して前記第3切刃と前記第4切刃が設けられ、前記第4切刃の第2刃面と他の前記第3切刃の第2刃面が対向するように前記第4切刃と前記他の前記第3切刃が設けられるように、複数の前記第3切刃と複数の前記第4切刃が交互に並べて配置され、
前記第1切刃と前記第3切刃の各刃先が接触し前記第2切刃と前記第4切刃の各刃先が接触して前記麺帯を切断するように構成され、
前記麺線切出し溝の断面形状を、星形の形状に形成することを特徴とする製麺用切刃ロール。
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