JP5949080B2 - リンスオフコンディショナー - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪のコンディショニング効果を高める効果に非常に優れた共重合体と、この共重合体を含む化粧料組成物及び毛髪化粧料に関する。
近年、高級シャンプー、リンスやアウトバストリートメントなどのダメージケア商品市場の活況に表されるように、消費者の頭髪に対するダメージ意識が高まっている。毛髪のダメージ感を低減(手触り感の向上)させるために、頭髪をシャンプーで洗浄したあとにリンス(コンディショナー)が使用される。それでもダメージ感が残る場合には、浴室内で使用するトリートメントや、浴室外で使用する洗い流さないトリートメントなどが使用される。
毛髪のダメージ感は、主に毛髪間あるいは毛髪と手の間の摩擦や、水分の不足などによるパサつき感や硬さなどの官能評価によって表現される。このダメージ感を抑えるために、リンスやトリートメントには、摩擦を低減させ、毛髪を柔軟化させる成分(柔軟剤成分)として、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなどのカチオン界面活性剤を配合している。リンスやトリートメントなどの洗い流しを必要とする剤は、毛髪に塗布した後に濯ぐ必要のあるものであるが、本発明者らの検討によれば、配合した柔軟剤成分の多くが濯ぎ時に流れ去ってしまうという問題点が見出された。
一方、毛髪のダメージ感を低減させるために、これまでに界面活性剤の構造の工夫、シリコーン油分の配合、あるいは樹脂の配合などが試みられている。樹脂の添加の場合、例えば、アニオン性基を有するユニットと珪素原子を有するユニットを含む共重合体又は1分子中にアニオン性基と珪素原子を有する樹脂化合物を配合した化粧料が、毛髪にコシを与え、柔軟性や滑らかさ等の優れたコンディショニング効果を付与できることが示されている(例えば、特許文献1)。さらに、アニオン性ビニル系モノマーとヒドロキシル基を含むノニオン性ビニル系モノマーを含有する樹脂化合物を配合した化粧料が、コンディショニング性能を高めることも示されている(例えば、特許文献2、3)。
しかしながら、近年、更に高いコンディショニング効果が求められるようになっている。例えば、いくつものトリートメントを使用するのではなく、シャンプー及びリンスの処理で高いトリートメント効果を得ることができれば、消費者の費用面での負担も軽減させることができることから、このような毛髪化粧料の改良に対する要望が高まっている。
特開2004−018414号公報 特開2007−161986号公報 特開2007−137830号公報
本発明は上記に挙げた課題を解決し、使用時のなめらかさなどの感触を損なうことなく、水ですすいだ後であってもカチオン界面活性剤のような柔軟剤成分を毛髪に残留させることができ、使用時のなめらかさなどの感触を損なうことなく、コンディショニング効果に優れた毛髪化粧料を実現し得る共重合体と、この共重合体を含む化粧料組成物及び毛髪化粧料を提供することも目的とするものである。
前述の通り、リンスは毛髪に塗布した後に水で濯ぐ必要があり、濯ぎ時に柔軟剤成分の多くが流れ去ってしまうという問題が見出された。本発明者らは濯いだ後にも、カチオン界面活性剤のような柔軟剤成分を多く毛髪に残存させることができれば、コンディショニング性の向上が期待できるであろうとの着眼点から鋭意検討した結果、カルボキシル基を含有するビニル系モノマーに相当する構成単位と、特定構造の親水性ノニオン性ビニル系モノマーに相当する構成単位と、さらに疎水性ビニル系モノマーに相当する構成単位とを有し、かつカルボキシル基を含有するビニル系モノマーに相当する構成単位を特定割合で含む共重合体が、柔軟剤成分の毛髪残留性を示し、使用時のなめらかさなどの感触を損なうことなく、高いコンディショニング効果を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、以下の[1]〜[]に存する。
[1] 共重合体0.1〜5質量%と、カチオン界面活性剤0.1〜20質量%と、高級アルコール0.1〜20質量%と、水55〜99.6質量%とを含む化粧料組成物よりなるリンスオフコンディショナーであって、該共重合体が、カルボキシル基を構造内に有するビニル系モノマー(A)に相当する構成単位、下記式(1)〜(3)で表されるビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種のビニル系モノマー(B)に相当する構成単位、及び下記式(4)〜(5)で表されるビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種の疎水性ビニル系モノマー(C)に相当する構成単位を有する共重合体であって、共重合体の全質量に対して前記ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の割合が15〜80質量%であり、前記ビニル系モノマー(B)に相当する構成単位の割合が、共重合体の全質量に対して1〜85質量%であり、前記ビニル系モノマー(A)が、下記式(6)又は下記式(7)で表される共重合体であるリンスオフコンディショナー。
CH=C(R)−CO−NR …(1)
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)
CH=C(R)−CO(O)−X−H …(2)
(式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは1個以上のヒドロキシル基を含む2価の連結基を表す。)
CH=C(R)−CO−Z−(Q−O)−R …(3)
(式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Qは置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、rは2〜15の整数を表し、Zは酸素原子又はNHを表す。)
CH=C(R)−CO−M−Y …(4)
(式(4)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Yは炭素数4〜22のアルキル基(分岐、環構造を含む)を表し、Mは酸素原子またはNHを表す。)
CH=C(R)−CO−L−(C−O)−(C−O)
(C−O)−R …(5)
(式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Lは酸素原子またはNHを表し、s≧0、t+u≧1、1≦(s+t+u)≦100の整数を表す。ただし、式(3)におけるQが炭素数3のアルキレン基のとき、uはu≠0であり、式(3)におけるQが炭素数4のアルキレン基のとき、tはt≠0である。
CH =C(R 10 )−CO−(O−(CH ) −CO) −OH …(6)
(式(6)中、R 10 は水素原子又はメチル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。)
CH =C(R 11 )−COO−(CH ) −OOC−(CH ) −COOH
…(7)
(式(7)中、R 11 は水素原子又はメチル基を表し、p、qはそれぞれ独立して2〜6の整数を表す。)
前記共重合体の重量平均分子量が3,000〜2,000,000である、[1]に記載のリンスオフコンディショナー
前記化粧料組成物が更に、シリコーン油0.1〜10質量%を含む、[又は2]に記載のリンスオフコンディショナー
本発明の共重合体は、化粧料組成物として用いた場合の粘度、塗布時のなめらかさ、およびカチオン界面活性剤の吸着促進効果に優れたものである。そのため、本発明の共重合体をリンスなどに配合した場合、使用時のなめらかさなどの感触を損なうことなく、水で濯いだあとであってもカチオン界面活性剤の柔軟剤としての役割を長時間持続させることができ、コンディショニング効果に優れた毛髪化粧料とすることができる。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。
尚、本明細書において「(メタ)アクリル酸」というような表現を用いる場合、「アクリル酸」と「メタクリル酸」の両方を含む表現として用いることとする。また、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後に記載される数値あるいは物理値を含む意味で用いることとする。
また、本明細書において「塗布時のなめらかさ」とは、後掲の実施例において示される評価をさすものであり、カチオン界面活性剤の吸着量や化粧料組成物の粘度が優れていたとしても、塗布時のなめらかさが「比較標準品」よりも悪い場合にはその効果が劣るものとみなすこととする。
1.共重合体
本発明の共重合体は、カルボキシル基を構造内に有するビニル系モノマー(A)に相当する構成単位、下記式(1)〜(3)で表されるビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種のビニル系モノマー(B)に相当する構成単位、及び下記式(4)〜(5)で表されるビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種の疎水性ビニル系モノマー(C)に相当する構成単位を有する共重合体であって、共重合体の全質量に対して前記ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の割合が15〜80質量%であることを特徴とするものである。
CH=C(R)−CO−NR …(1)
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)
CH=C(R)−CO(O)−X−H …(2)
(式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは1個以上のヒドロキシル基を含む2価の連結基を表す。)
CH=C(R)−CO−Z−(Q−O)−R …(3)
(式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Qは置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、rは2〜15の整数を表し、Zは酸素原子又はNHを表す。)
CH=C(R)−CO−M−Y …(4)
(式(4)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Yは炭素数4〜22のアルキル基(分岐、環構造を含む)を表し、Mは酸素原子またはNHを表す。)
CH=C(R)−CO−L−(C−O)−(C−O)
(C−O)−R …(5)
(式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Lは酸素原子またはNHを表し、s≧0、t+u≧1、1≦(s+t+u)≦100の整数を表す。)
なお、本発明において、「ビニル系モノマー」とは、(メタ)アクリル酸誘導体などのビニル基、ビニレン基、ビニリデン基などのエチレン水素を置換した構造を持つ化合物の総称である。
<ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位>
本発明の共重合体は、カルボキシル基を構造内に有するビニル系モノマー(A)に相当する構成単位を有し、かつこのビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の割合は共重合体の全質量に対して15〜80質量%である。
本発明の共重合体がカルボキシル基を構造内に有するビニル系モノマー(A)に相当する構成単位を特定割合で含むことを必要とするのは、以下の理由によるものである。
本発明における課題の一つとして、共重合体をカチオン界面活性剤と共に用いたときのカチオン界面活性剤の毛髪、特にダメージを受けた毛髪への吸着量を高めることが挙げられる。本発明の共重合体はカチオン界面活性剤との吸着量を高めるための設計を行っており、その推定機構の要点として以下の2点が挙げられる。
1) 共重合体とカチオン界面活性剤との強い相互作用:共重合体中のカルボキシル基の−OHの酸素の分極により、共重合体とカチオン界面活性剤との相互作用が高められる。
2) 共重合体とカチオン界面活性剤との複合体と毛髪との強い相互作用:カチオン界面活性剤のカチオン基及び共重合体のカルボキシル基の分極した水素と毛髪表面(アニオン)の相互作用が高められる。
本発明者らの検討によれば、前記ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の割合を共重合体の全質量に対して15〜80質量%としたときに、上記1)及び2)の推定機構による効果が最適となることが見出された。前記ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の共重合体の全質量に対する割合は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上であり、一方、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。共重合体中の前記ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の割合が多いとカチオン界面活性剤の吸着性が向上するが、過度に多いと塗布時のなめらかさや粘度が損なわれる場合がある。
本発明の共重合体は、1種類の前記ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位のみを含有していてもよく、2種以上のビニル系モノマー(A)に相当する構成単位を含有していてもよい。
上述したように、本発明の共重合体において、ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の技術的な意義は、ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位が、カチオン界面活性剤及び毛髪表面と相互作用するためのカルボキシル基を有していることにある。従って、ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位は、カルボキシル基を有しているものであれば、その種類は特に限定されるものではないが、具体例として、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリル酸2−カルボキシエチルアクリレートオリゴマーといった後掲の式(6)又は式(7)で表される化合物に代表される炭素数3〜22の不飽和カルボン酸モノマーが挙げられる。不飽和カルボン酸モノマーとしては、炭素数20以下のものが好ましく、炭素数18以下のものがより好ましく、炭素数10以下のものが更に好ましく、炭素数6以下のものが特に好ましい。また、ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位のカルボキシル基の数は1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1〜2であることが更に好ましく、1であるものが最も好ましい。
カチオン界面活性剤との吸着効果を高めるために、前記ビニル系モノマー(A)は以下の式(6)又は式(7)で表されるものであることが好ましい。
CH=C(R10)−CO−(O−(CH)−CO)−OH …(6)
(式(6)中、R10は水素原子又はメチル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。)
CH=C(R11)−COO−(CH)−OOC−(CH)−COOH
…(7)
(式(7)中、R11は水素原子又はメチル基を表し、p、qはそれぞれ独立して2〜6の整数を表す。)
上記式(6)において、R10は水素原子が好ましい。mは2〜3が好ましい。nは0〜2が好ましく、0が最も好ましい。
上式(6)で表されるものの具体例を挙げると、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、2−カルボキシエチルアクリレートオリゴマーなどが挙げられ、これらの中でも好ましいのはアクリル酸、メタアクリル酸であり、最も好ましいのはアクリル酸である。
また、上記式(7)において、R11は水素原子が好ましい。pは2〜3が好ましく、qは2〜3が好ましい。
上式(7)で表されるものの具体例としてはアクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート等が挙げられる。
なお、本発明の共重合体は、前記ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位として上記式(6)で表されるビニル系モノマーに相当する構成単位のみを含むものであってもよく、上記式(7)で表されるビニル系モノマーに相当する構成単位のみを含むものであってもよく、上記式(6)で表されるビニル系モノマーに相当する構成単位と上記式(7)で表されるビニル系モノマーに相当する構成単位とを含むものであってもよい。
<ビニル系モノマー(B)に相当する構成単位>
本発明の共重合体は、下記式(1)〜(3)で表されるビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種のビニル系モノマー(B)に相当する構成単位を有する。
CH=C(R)−CO−NR …(1)
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)
CH=C(R)−CO(O)−X−H …(2)
(式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは1個以上のヒドロキシル基を含む2価の連結基を表す。)
CH=C(R)−CO−Z−(Q−O)−R …(3)
(式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Qは置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、rは2〜15の整数を表し、Zは酸素原子又はNHを表す。)
上記式(1)において、Rは水素原子が好ましい。R及びRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基が好ましい。炭素数1〜3のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。RとRの炭素数の和は2以上4以下が好ましく、最も好ましくは2である。
上記式(1)で表されるビニル系モノマーとしては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアルキルアクリルアミド類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキルアクリルアミド類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド類;が挙げられる。
なかでも乾燥後のサラサラ感が高いことやゴワツキ感の無さ、及び肌や毛髪への親和性が高いことから、好ましくはN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドである。
前述の如く、式(1)において、RとRの炭素数の和が2以上4以下であるものが好ましく、そのようなビニル系モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、又はN−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。なかでも好ましくはRとRの炭素数の和は2であり、そのようなビニル系モノマーとしては、例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド又はN−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドが挙げられ、最も好ましくは、水酸基を有しているため親水性が高くダメージ毛との親和性に優れていることからN−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドである。
前記式(2)において、Xは炭素数2〜9の、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてもよい2個以上のヒドロキシル基を含む2価の連結基であることが好ましく、より好ましくはXは、下記式(2x)で表される連続基である。
−(CH−(CR1213−(CHOH)−(CHO)
…(2x)
(式(2x)中、R12及びR13はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し、aは1〜4の整数、bは0又は1、cは1〜6の整数、dは0〜2の整数で表す。)
なお、上記式(2x)において、−(CH)−、−(CR1213)−、−(CHOH)−及び−(CHO)−の4種の連結基の順序は任意であり、ランダムに存在していても良い。例えばaが2、bが0、cが1、dが0の場合には、式(2x)で表される連続基の構造は{−(CH)−(CH)−(CHOH)−}であっても、{−(CH)−(CHOH)−(CH)−}であってもよい。
特に好ましくはXは、下記式(2x−1)、(2x−2)、又は(2x−3)のいずれかで表される2個以上のヒドロキシル基を含む2価の連結基である。
−(CH−(CHOH)− …(2x−1)
−(CH−(CR1213)−(CHOH)− …(2x−2)
−[(CH)−(CHOH)−(CHO)]− …(2x−3)
(式(2x−1)〜(2x−3)中、R12、R13、及びa,cは上記式(2x)におけると同義であり、eは1〜3の整数を表す。)
式(2)で表されるビニル系モノマーとしては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3,4−トリヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジグリセリン(メタ)アクリレート、トリグリセリン(メタ)アクリレート等が挙げられ、最も好ましくは2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。
上記式(3)において、Rは水素原子又はメチル基である。
は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。式(3)で表されるビニル系モノマーは親水性のあるものが好ましいため、Rは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基であることがより好ましい。
Zは酸素原子又はNHである。Zは好ましくは酸素原子である。
Qは、置換基を有していてもよい炭素数2〜4、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。Qのアルキレン基が置換基を有する場合、その置換基とは本発明の共重合体において他の部分と反応しないものを指し、また、その置換基が占める体積が大きすぎると、式(3)で表されるビニル系モノマーのZ−(Q−O)−Rの構造部分に対して置換基の占める体積が大きくなることによってリンスラメラを形成したときのリンスラメラとビニル系モノマー(A)のカルボキシル基との相互作用が弱くなり、カチオン界面活性剤の吸着性が低下してしまう可能性があるため、この置換基は分子量で50以下のものであり、具体例としてはヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。ただし、Qは置換基を有さないものがより好ましい。また、Qのアルキレン基の置換基は−(Q−O)−の構造部分よりも分子量が小さいものが好ましい。
rは2〜15の整数である。rは好ましくは3以上であり、一方好ましくは12以下である。
ただし、本発明の共重合体においては、式(3)で表されるビニル系モノマーに相当する構成単位の側鎖部分(式(3)中のZ−(Q−O)−Rの構造部分)の長さが、共重合体を化粧料組成物として使用したときの塗布時のなめらかさやカチオン界面活性剤の吸着量の効果に大きく影響するため、前記式(3)中の−(Q−O)−Rの構造において直鎖で結合している原子の数は70以下であることが好ましい。例えば、Qがn−ブチレン基、r=15、Rがn−ペンチル基の場合には、−(Q−O)−Rの構造において直鎖で結合している原子の数が80となるため、前記式(3)で表されるビニル系モノマーとしては好ましくないものとなる。前記式(3)中の−(Q−O)−Rの構造において直鎖で結合している原子の数は、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは28以下、特に好ましくは20以下である。
ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の説明において記載したように、共重合体中にCOOH基を一定量以上入れると、カチオン界面活性剤の吸着性は向上するものの、水への溶解性が低下したり、リンスやトリートメントなどの毛髪化粧料へ配合したときに、塗布したときのなめらかさや粘度が損なわれるという問題点が生じる。塗布時のなめらかさや、リンスやトリートメントに配合した時に粘度が低下するのは、リンスやトリートメントなどの毛髪化粧料中で構成されているカチオン界面活性剤−高級アルコール会合体(リンスラメラ)の親水層中に存在する共重合体が、カチオン基を含む層と強く相互作用して親水層を圧縮し(相互作用が特に強い場合は崩壊に至る)、ラメラの柔軟性の低減・ラメラの連続性の低下を生じさせることによって引き起こされる現象であるものと推定される。
本発明者らが鋭意検討した結果、一定以上の長さを側鎖に持った親水性ノニオンビニル系モノマーに相当する構成単位を共重合体中に含有させること、あるいは後述するように、一定の大きさを有する疎水性ビニル系モノマーに相当する構成単位を共重合体に含有させることによって、このリンスラメラ層の圧縮・崩壊を防ぐことができることがわかった。親水性ノニオンビニル系モノマーに相当する構成単位を導入する場合、その側鎖の長さが長すぎると、塗布時のなめらかさは維持できるが、カチオン界面活性剤の吸着量の低下が生じることが明らかになり、塗布時のなめらかな感触と高いカチオン界面活性剤の吸着性を達成するためには、親水性モノマーの側鎖として特定の長さが必要であることがわかった。本発明者らの検討によれば、前記式(3)で表されるビニル系モノマーに相当する構成単位の側鎖の長さを決める前記式(3)におけるrを2〜15とした場合、上記の塗布時のなめらかさとカチオン界面活性剤の吸着性が両立できることが見出された。このため、前記式(3)におけるrは、2〜15で、好ましくは3以上、一方、好ましくは12以下である。
式(3)で表されるビニル系モノマーを例示すると、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は2〜15)、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は2〜15)、メトキシポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は2〜15)、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は2〜15)、メトキシポリエチレングリコール/ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール/ポリブチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は2〜15)、ポリエチレングリコール/ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール/ポリブチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は2〜15)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリルアミド(ポリエチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は2〜15)、ポリエチレングリコール(メタ)アクリルアミド(ポリエチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は2〜15)、好ましくは、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は3〜12)、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は3〜12)、メトキシポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は3〜12)、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は3〜12)、メトキシポリエチレングリコール/ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール/ポリブチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は3〜12)、ポリエチレングリコール/ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコール/ポリブチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は3〜12)、より好ましくは、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は3〜12)、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールの繰り返し数(式(3)のr)は3〜12)である。
また、一定の大きさを有する疎水性ビニル系モノマー(C)に相当する構成単位を共重合体に含有させてリンスラメラ層の圧縮・崩壊を防ぐ場合、共重合体の親水性が損なわれて水への溶解性が低下し、リンスへの配合が困難になるという問題点が生じる。これに対して、前記式(1)〜(3)で表される親水性ノニオンビニル系モノマーに相当する構成単位を含有させることによって、共重合体の溶解性を向上させることができる。
本発明の共重合体は、ビニル系モノマー(B)に相当する構成単位として、前記式(1)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位のみを含有していてもよく、前記式(2)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位のみを含有していてもよく、前記式(3)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位のみを含有していてもよく、式(1)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位と式(2)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位とを含有していてもよく、式(1)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位と式(3)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位とを含有していてもよく、式(2)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位と式(3)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位とを含有していてもよく、式(1)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位と式(2)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位と式(3)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位とを含有していてもよい。
本発明の共重合体において、前記ビニル系モノマー(B)に相当する構成単位の割合は、共重合体の全質量に対して1〜85質量%であることが好ましい。前記ビニル系モノマー(B)に相当する構成単位の割合が、1質量%以上であることにより、このビニル系モノマー(B)に相当する構成単位を共重合体中に存在させることによる塗布時のなめらかさや感触の向上効果を十分に得ることができ、85質量%以下であることにより、共重合体中の前記ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位と後述のビニル系モノマー(C)に相当する構成単位の割合を確保して、カチオン界面活性剤の吸着性を高めると共に、水への溶解性を高めることができる。共重合体中の前記ビニル系モノマー(B)に相当する構成単位の割合は、より好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上であり、一方、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは75質量%以下である。
<ビニル系モノマー(C)に相当する構成単位>
本発明の共重合体は、下記式(4)〜(5)で表されるビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種の疎水性ビニル系モノマー(C)に相当する構成単位を有する。
CH=C(R)−CO−M−Y …(4)
(式(4)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Yは炭素数4〜22のアルキル基(分岐、環構造を含む)を表し、Mは酸素原子またはNHを表す。)
CH=C(R)−CO−L−(C−O)−(C−O)
(C−O)−R …(5)
(式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Lは酸素原子またはNHを表し、s≧0、t+u≧1、1≦(s+t+u)≦100の整数を表す。)
上記式(4)において、Yは好ましくは炭素数5〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、より好ましくは炭素数6〜18の直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。
式(4)で表されるビニル系モノマーとしては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えばn−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、合成ラウリル(メタ)アクリレート(ここで、「合成ラウリル(メタ)アクリレート」とは炭素数12のアルキル基と炭素数13のアルキル基が混合したアルキル(メタ)アクリレートを意味する)が挙げられる。これらのうち、好ましくはシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、合成ラウリル(メタ)アクリレートである。
上記式(5)において、Rとしては好ましくはメチル基であり、Lは好ましくは酸素原子である。sは0〜50の整数であることが好ましく、0〜20の整数であることがさらに好ましい。tは1〜50の整数であることが好ましく、1〜20の整数であることがさらに好ましい。uは1〜50の整数であることが好ましく、1〜20の整数であることがさらに好ましい。sとtとuの合計は1〜50であることが好ましく、1〜20の整数であることがさらに好ましい。
式(5)で表されるビニル系モノマーとしては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えばポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)−(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)−(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)−(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ポリブチレングリコール−(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)−(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)−(メタ)アクリレート、メトキシポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)−(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール・ポリブチレングリコール−(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうち、好ましくはポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)−(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)−(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)−(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ポリブチレングリコール-(メタ)アクリレートである。
本発明の共重合体は、ビニル系モノマー(C)として、前記式(4)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位のみを含有していてもよく、前記式(5)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位のみを含有していてもよく、式(4)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位と式(5)で表される1種又は2種以上のビニル系モノマーに相当する構成単位とを含有していてもよい。
本発明の共重合体において、前記ビニル系モノマー(C)に相当する構成単位の割合は、共重合体の全質量に対して0.1〜50質量%であることが好ましい。前記ビニル系モノマー(C)に相当する構成単位の割合が、0.1質量%以上であることにより、このビニル系モノマー(C)に相当する構成単位を共重合体中に存在させることによるリンスラメラ層の圧縮・崩壊を防ぎ、リンスの粘度低下の抑制効果を十分に得ることができ、50質量%以下であることにより、共重合体中の前記ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位とビニル系モノマー(B)に相当する構成単位の割合を確保して、カチオン界面活性剤の吸着性を高めると共に水への溶解性を確保することができる。共重合体中の前記ビニル系モノマー(C)に相当する構成単位の割合は、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは3質量%以上であり、一方、より好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。
<その他のモノマーに相当する構成単位>
上記のビニル系モノマー(A)、(B)、(C)以外にも、本発明の共重合体中には、本発明の効果を損なわない範囲において、更に他のビニル系モノマーに相当する構造単位を含有させてもよい。その他のビニル系モノマーとしては、例えば、ノニオン性モノマー、両性モノマー、半極性モノマー、カチオン性モノマーなどの他、ポリシロキサン基含有モノマーも用いうる。但し、これらその他のモノマーには、前記のビニル系モノマー(A)、(B)及び(C)は含まないものとする。
本発明の共重合体中のその他のモノマーに由来する構造単位の含有量は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜定めることができる。例えば、共重合体の肌や毛髪への親和性や、毛髪化粧料に用いる場合にはコンディショニング効果等を阻害しない範囲で適宜定めることができ、通常、共重合体の全質量に対して40質量%以下であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
但し、本発明の共重合体にカチオン性の官能基が存在すると前述のカチオン性界面活性剤とのコンプレックス形成の障害となる場合があるので、共重合体中のカチオン性の官能基は少ないことが好ましく、例えば、カチオン性の官能基は共重合体中の全官能基の10モル%以下であることが好ましく、これを実質的に含まないことが更に好ましい。
以下に、その他のモノマーについて例示するが、本発明の共重合体は、以下に列挙するもの以外のモノマーに相当する構成単位を含んでいてもよい。また、その他のモノマーに相当する構成単位は本発明の共重合体中に1種類のみ含まれていてもよく、同種又は異種のその他のモノマーに相当する構成単位が2種以上含まれていてもよい。
ノニオン性モノマーとしては、例えば、炭素原子数1〜22のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルや、炭素原子数1〜22のアルキルアミンと(メタ)アクリル酸とのアミド、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等と(メタ)アクリル酸とのモノエステル、更にはこのモノエステルの水酸基がメタノールやエタノール等でエーテル化されたエステル、(メタ)アクロイルモルホリンなどが挙げられる。
両性モノマーとしては、例えば、ベタイン基含有(メタ)アクリルエステル、ベタイン基含有(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
半極性モノマーとしては、例えば、アミンオキシド基含有(メタ)アクリル酸エステル、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
カチオン性モノマーとしては、例えば、4級アンモニウム基含有(メタ)アクリル酸エステル、4級アンモニウム基含有(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
ポリシロキサン基含有モノマーは、ポリシロキサン構造を有し、共重合体に共有結合で連結できる構造を有する化合物である。このような構成単位は、化粧料組成物中で通常併用されるシリコーン油との親和性が高く、共重合体中の他の構成単位とシリコーン油とを結びつける働きをし、肌や毛髪、特にダメージ毛などに対してシリコーン油の吸着力を高める働きがあると考えられる。但し、本発明の共重合体の効果を損なわないために、ポリシロキサン基含有モノマーを共重合成分として用いる場合には、共重合体中に40質量%以下とし、好ましくは30質量%以下とし、更に好ましくは20質量%以下とする。
ポリシロキサン構造とは下記式(8)で表される繰り返し構造単位が2以上連結された構造である。
−(SiR1415−O)− …(8)
(式(8)中、R14及びR15はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、又はフェニル基を表す。)
共重合体に共有結合で連結できる構造とは、例えば、(メタ)アクリルエステルや(メタ)アクリルアミド等のビニル構造を有し他の単量体と共重合できる構造や、チオールなどの官能基を有し、重合中の連鎖移動により共重合体に連結できる構造、又は、イソシアネート基、カルボン酸基、水酸基、アミノ基などを有し共重合体の官能基と反応して連結できる構造などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一つのポリシロキサン基含有モノマーに、これら連結可能な構造を複数個有してもよい。共重合体中において、ポリシロキサン構造は主鎖にグラフト構造で連結されていてもよく、また逆にポリシロキサン構造を主鎖とし他の構造がグラフト構造で連結されていてもよく、さらには、ポリシロキサン構造と他の構造とがブロック構造で直鎖状に連結されていてもよい。
ポリシロキサン基含有モノマーとしては、なかでも下記式(9)で表されるものが好ましい。
CH=C(R16)−G−(SiR1718−O)−R19 …(9)
(式中、R16は水素原子又はメチル基を表し、R17及びR18はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、又はフェニル基を表し、R19は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Gは2価の連結基又は直接結合を表し、wは2〜200の整数を表す。)
より好ましくはwは3以上であり、更に好ましくはwは5以上である。wがこれより大きいほどシリコーン油との親和性が向上する。また、wは50以下であるのがより好ましい。wが小さいほど他のモノマーとの共重合性が向上する。
Gは2価の連結基又は直接結合を表すが、なかでも以下に挙げられる構造の1つ又は2つ以上の組合せからなる連結基が好ましい。組合せる個数は特に限定されないが、通常、5つ以下である。また、以下の構造の向き(どちらの端がポリシロキサン基側か)は任意である。なお、以下においてRは炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。
−COO−R−
−CONH−R−
−O−R−
−R−
前記式(9)で表されるポリシロキサン基含有モノマーとしては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、α−(ビニルフェニル)ポリジメチルシロキサン、α−(ビニルベンジルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α−(ビニルベンジル)ポリメチルフェニルシロキサン、α−(メタクリロイルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α−(メタクリロイルオキシプロピル)ポリメチルフェニルシロキサン、α−(メタクリロイルアミノプロピル)ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。ポリシロキサン基含有モノマーは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
このようなポリシロキサン基含有モノマーとしては市販品も用いることができる。例えば、α−(メタクリロイルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサンとしては、サイラプレーン(チッソ株式会社)が入手可能であり、サイラプレーンFM0711(分子量1000)、サイラプレーンFM0721(分子量5000)、サイラプレーンFM0722(分子量10000)などがある。
本発明の共重合体には、共重合体の分子量や粘度の調整のために、多官能アクリレートなどの架橋剤を導入することもできるが、後述の如く、架橋剤は含まないことが好ましい。
<構造解析>
共重合体中のビニル系モノマー(A)、(B)、(C)及びその他のモノマーに相当するそれぞれの構成単位の含有量は、カルボニル基、アミド結合、ポリシロキサン構造や各種官能基、炭素骨格などのIR吸収やラマン散乱、ポリジメチルシロキサンのメチル基やアミド結合部位及びそれらに隣接するメチル基、メチレン基などのH−NMR、あるいはそれらの13C−NMR等に代表される各種NMRにより測定することができる。
<重量平均分子量>
本発明の共重合体の重量平均分子量は、3,000〜2,000,000であることが好ましい。重量平均分子量を3,000以上とすることにより、カチオン界面活性剤とのコンプレックスが毛髪や肌に付着することによるコンディショニング効果がより高まる。共重合体の重量平均分子量はより好ましくは3,500以上であり、更に好ましくは4,000以上であり、特に好ましくは5,000以上であり、最も好ましいのは10,000以上である。一方、重量平均分子量を、2,000,000以下とすることにより、乾燥後の感触をより高めることができる。共重合体の重量平均分子量はより好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下であり、更に好ましくは100,000であり、最も好ましくは50,000以下である。
共重合体の分子量の調整は、例えば、共重合体の重合度を制御することによって行うことができる。また、多官能アクリレートなどの架橋剤の添加量を増減することによっても分子量を制御することができる。但し、架橋剤は少しでも添加しすぎると分子量及び粘度が急激に増大してしまうなど、工業的に製造する上では制御が困難な面がある。このため架橋剤は含まないことが最も好ましい。
共重合体の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで用いられる展開溶媒は通常用いられるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、後述の実施例の項に示される水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム混合系溶媒を用いて測定することができる。
<粘度>
本発明の共重合体は、20質量%エタノール溶液の25℃での粘度が5mPa・s以上20000mPa・s以下であることが好ましい。この粘度は、より好ましくは10mPa・s以上、更に好ましくは15mPa・s以上であり、一方、より好ましくは10000mPa・s以下、更に好ましくは5000mPa・s以下である。共重合体の粘度が5mPa・s以上、20000mPa・s以下であるとハンドリングの点で好ましい。粘度はB型粘度計などを用いて測定することが可能である。
重量平均分子量と同様に、共重合体の粘度の調整は、例えば、共重合体の重合度を制御したり、多官能アクリレートなどの架橋剤の添加量を増減することによって制御することができる。
<カチオン界面活性剤の吸着量>
本発明の共重合体を配合した化粧料組成物、特にリンスやトリートメントなどの毛髪化粧料で、毛髪を処理した場合の毛髪へのカチオン界面活性剤の吸着量は、毛髪化粧料へのカチオン界面活性剤の配合量によっても変わりうるが、例えば、カチオン界面活性剤の配合量を1.5質量%とした場合、毛髪へのカチオン界面活性剤の吸着量は50〜3000質量ppmであることが好ましい。カチオン界面活性剤の吸着量が50質量ppm以上であることにより、コンディショニング効果がより高まる。この吸着量はより好ましくは75重量ppm以上であり、更に好ましくは100重量ppm以上である。一方、カチオン界面活性剤の吸着量が3000質量ppm以下であることにより、乾燥後の感触をより高めることができる。この吸着量はより好ましくは2000質量ppm以下、更に好ましくは1000質量ppm以下である。
カチオン界面活性剤の吸着量は、本発明の共重合体において、ビニル系モノマー(A)の種類及びビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の割合、ビニル系モノマー(B)および疎水性ビニル系モノマー(C)の種類などを適宜組み合わせることにより制御することができる。
尚、上記の毛髪へのカチオン界面活性剤の吸着量は本発明の実施例において示す評価方法による値である。
<共重合体の製造方法>
本発明の共重合体は、例えば、それぞれの構成単位を与えるモノマー又はその前駆体を混合し、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法により共重合させた後、必要に応じてポリシロキサン構造の付加、縮合反応等を行うことにより製造することができる。
また、カルボキシル基を構造内に有するビニル系モノマー(A)の対イオンは、重合する前に中和反応により一部又は全部を水素イオン以外のものに代えて重合に供することもでき、或いは、重合やその他の反応の後に中和反応により一部又は全部を水素イオン以外のものに代えることもできる。これらはその合成のし易さにより適宜選択して行うことができる。
重合反応は親水性溶媒中で行うのが好ましい。親水性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール等のアルコール系溶媒、水等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでもアルコール系溶媒を用いることが好ましい。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸塩、又はそのレドックス系など、特に限定することなく用いることができる。重合開始剤は全モノマーに対して、0.01〜5質量%の範囲で用いることが好ましい。
重合反応は、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜100℃で通常1〜30時間行うことができる。重合終了後は、生成した共重合体を、溶媒留去、貧溶媒の添加など適宜の手段で反応液から単離するとよい。この共重合体はそのまま、又は更に精製して、例えば化粧料の製造に用いることができる。精製は再沈殿、溶媒洗浄、膜分離など、必要に応じて適宜組み合わせて行うことができる。
2.化粧料組成物
本発明の共重合体は、以下に詳述する各成分を適宜組み合わせて配合することにより、化粧料組成物として有用に使用することが可能である。特に、水、カチオン界面活性剤、高級アルコールは、加熱混合することによりラメラと呼ばれるゲル構造を形成し、なめらかさやしっとり感を与えることができ、好ましい。更に、本発明の化粧料組成物にシリコーン油を配合することによりサラサラ感を付与することができる。
本発明が適用される化粧料組成物とは、毛髪及び皮膚に使用する任意の化粧料用の組成物を意味し、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、染毛剤、パーマ剤、アウトバス用トリートメント、ヘアパック、ヘアスプレー、ヘアフォーム、スタイリング剤、ボディーシャンプー、メイククレンジング、ハンドソープ、乳液、化粧水、ローション、クリーム、美容液、日焼け止め、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドー、脱毛剤等のいわゆる化粧料用の組成物を広く含むものである。また、その使用形態も、肌や毛髪等に塗布し全体によくなじませた後に洗い流す(濯ぐ)ものや、洗い流さないもの等、いずれも含み得る。
<共重合体>
本発明の化粧料組成物は本発明の共重合体を必須に含むものであり、その使用量は化粧料組成物全体に対して0.1質量%以上含有するものとする。これにより肌や毛髪に対する吸着力が増加し、濯ぎ時のなめらかさや乾燥後のサラサラ感などのコンディショニング効果を与える。本発明の化粧料組成物は、本発明の共重合体を好ましくは0.2質量%以上含有する。ただし、本発明の共重合体の含有量は乾燥後のゴワツキ感をなくししっとり感を高めるため、5質量%以下とする。好ましくはこの含有量は3質量%以下である。
また、本発明の共重合体を本発明の化粧料組成物に配合させる際、本発明の共重合体のカルボキシル基部分を未中和の状態で配合させることも、あるいは部分的に中和、あるいは完全に中和させて配合させることもできる。中和塩としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのような無機塩や、トリエタノールアミンや2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどのアルキルアミンなどの有機アミン類など特に限定はしない。ただし、本発明の共重合体のモノマー組成によっては、中和することによって、リンスラメラ層と共重合体の相互作用が強くなり、圧縮・崩壊が促進されることがあり、好ましくは、中和率は10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下が好ましく、特に好ましくは1%以下が好ましく、最も特に好ましくは、未中和で配合するのが好ましい。
本発明の化粧料組成物において、本発明の共重合体は1種類のみで用いてもよいし2種類以上用いてもよい。
<水>
本発明の共重合体を化粧料組成物として用いる場合、通常、化粧料組成物に用いることの可能な溶媒又は分散媒が用いられる。これらの溶媒又は分散媒としては例えば、水やエタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコールが挙げられるが、本発明の化粧料組成物は水を含むものである。
本発明の化粧料組成物において、水の含有量は、化粧料組成物全体に対して55質量%以上である。水を55質量%以上含むことにより、粘度が高くなりすぎるのを抑え、取り扱い易い粘度に保つことができ、塗布時の使用感を向上させることができる。より好ましい水の含有量は60質量%以上である。ただし水の含有量は99.6質量%以下とする。上記の範囲内で水を含有することにより、本発明の化粧料組成物は適度な粘性を有することができ、塗布時のなめらかさ及び肌や毛髪への吸着性が向上する。
<カチオン界面活性剤>
本発明の化粧料組成物に含まれるカチオン界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
以上に挙げたカチオン界面活性剤は1種のみでも2種以上を組み合わせても使用可能である。
カチオン界面活性剤を用いる場合には化粧料組成物全体に対してカチオン界面活性剤を合計して20質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは10質量%以下である。一方、カチオン界面活性剤の機能を十分に与えるためには化粧料組成物全体に対して0.1質量%以上含有させることが好ましく、1質量%以上含有させることがより好ましい。
<高級アルコール>
本発明の化粧料組成物には高級アルコールを含有させることが好ましい。本明細書において「高級アルコール」とは炭素数12〜24のアルコールを意味し、1価のアルコールが好ましい。高級アルコールの具体例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。
高級アルコールを水、カチオン界面活性剤と共に用いることで、ラメラ構造と呼ばれるゲルを形成し、化粧料組成物になめらかさやしっとり感の機能を与えることができる。このため、高級アルコールは水、カチオン界面活性剤と共に用いることが好ましい。高級アルコールは1種類のみでも2種以上を組み合わせて用いてもよいが、化粧料組成物の粘度を適度に押さえ塗布時のなめらかさを向上させるためには、化粧料組成物全体に対して高級アルコールを合計して20質量%以下で含有することが好ましく、より好ましくは10質量%以下である。一方、高級アルコールの機能を十分に与えるためには化粧料組成物全体に対して0.1質量%以上含有させることが好ましく、1質量%以上含有させることがより好ましい。
<シリコーン油>
本発明の化粧料組成物にはシリコーン油を含有させることが好ましい。本発明の化粧料組成物に用いるシリコーン油の種類は特に限定されないが、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンアルキレンオキシド共重合体、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、アルコール変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、アルコキシ変性ポリジメチルシロキサン及び環状シリコーンなどが挙げられる。これらは特開2000−336018号公報に記載されている。
ポリジメチルシロキサンとしては、「KF96H−100万」(信越化学工業株式会社)、「SH200」、「BY11−007」、「BY22−029」(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、「TSF451」(東芝シリコーン株式会社)や、「L−45」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。
ポリジメチルシロキサンアルキレンオキシド共重合体としては、「F−178−21」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。
アミノ変性ポリジメチルシロキサンとしては、例えば、アミノエチル基、アミノプロピル基等のアミノアルキル基を有するものやプロピレングリコールが付加されたアミノ基(アミノグリコール変性)が挙げられ、アルキル基や水酸基等の置換基を有していてもよい。アルキル基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましい。
これらのアミノ変性ポリジメチルシロキサンは、ジメチルシロキサンと、前記アミノアルキル基を有するシロキサンとを共重合させるか、又はポリジメチルシロキサンを前述のアミノアルキル基を有する化合物で後変性してポリジメチルシロキサン骨格にアミノアルキル基を導入することにより得られる。市販されているものとしては、例えば、「US AR SILICONE ALE56」(ユニオン・カーバイド社)、「ABIL9905」(ザ・ゴールドシュミットAG社)、「KF857」、「KF867」、「KF865」(いずれも信越化学工業株式会社)、「SM8702C」、「JP8500」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、「FZ−3707」(日本ユニカー株式会社)等がある。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとしては、例えば、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、オキシペンタメチレン、オキシヘキサメチレン、オキシ(2,2−ジメチル)プロピレン等の単量体骨格を有するもの、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシペンタメチレン、ポリオキシヘキサメチレン等の単独重合体骨格又はポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)共重合体等の共重合体骨格のオキシアルキレン基を有するものが挙げられる。これらは水酸基やアルキル基等の置換基を有していてもよい。アルキル基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましい。特に好ましいのは、重合体骨格にオキシアルキレン基を有するものである。
このようなオキシアルキレン基を有する変性ポリジメチルシロキサンの製造方法は、例えば、ジメチルシロキサンと、オキシアルキレン基を有するシロキサンとを共重合させる方法や、又はポリジメチルシロキサンを前記オキシアルキレン基を有する化合物で後変性して、ポリジメチルシロキサン骨格にオキシアルキレン基を導入する方法等がある。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとして最も好ましくは、ジメチルシロキサンと、前記重合体骨格のオキシアルキレン基を有するシロキサンとを共重合させて得たものである。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとして市販されているものとしては、例えば、「KF945A」、「KF351A」、「KF354A」(信越化学工業株式会社)、「SH3771C」、「SH3749」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、「L−7602C」、「L−720」(日本ユニカー株式会社)、「SF1066」(ゼネラル・エレクトリックス・カンパニー)などがある。
メチルフェニルポリシロキサンとしては、「KF56」(信越化学工業株式会社)、「SH5越化学工業株式会社)、「PS922」(チッソ株式会社)、「L−930」(日本ユニカー株式会社)などが市販されている。
フッ素変性ポリジメチルシロキサンとしては、「X−22−820」(信越化学工業株式会社)、「PS182」(チッソ株式会社)などが市販されている。
アルコール変性ポリジメチルシロキサンとしては、「KF851」(信越化学工業株式会社)、「FM4411」(チッソ株式会社)、「FZ−3722」、「F−235−21」(日本ユニカー株式会社)などが市販されている。
アルキル変性ポリジメチルシロキサンとしては、「KF410」、「KF−413」(信越化学工業株式会社)、「PS130」、「PS137」(チッソ株式会社)などが市販されている。
アルコキシ変性ポリジメチルシロキサンとしては、「PS912」(チッソ株式会社)、「FZ−3701」(日本ユニカー株式会社)などが市販されている。
環状シリコーンとしては、「SH244」、「SH245」、「SH246」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)などが市販されている。
シリコーン油は1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。配合量が過剰であると毛髪に塗布し、乾燥した後に重い感触となるために、シリコーン油は化粧料組成物全体に対して合計10質量%以下で含有することが好ましく、より好ましくは8質量%以下である。一方、シリコーン油の機能を十分に与えるためには化粧料組成物全体に対して0.1質量%以上含有させることが好ましく、1質量%以上含有させることがより好ましい。
<その他の成分>
本発明の化粧料組成物はその効果を損なわない限り、前述した共重合体、水、カチオン界面活性剤、高級アルコール、シリコーン油の他にも、炭化水素油分、保湿剤(水溶性高分子)、カチオン性高分子、アニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子等の高分子、カチオン界面活性剤以外の各種界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤などを適宜組み合わせて使用することができる。
炭化水素油分としては、イソパラフィン等の流動パラフィン、固形パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。これらの炭化水素油分は1種のみで用いても2種以上で組み合わせて用いてもよいが、化粧料組成物全体に対して合計で5質量%以下で含有させることが好ましい。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エリスリトールなどの多価アルコール、メチルセルロース、ヒアルロン酸等の水溶性高分子が挙げられる。カチオン性高分子としては、カチオン変性セルロースエーテル誘導体、カチオン変性ガラクトマンナン多糖類、ポリジメチルジアリルアンモニウムハライド、ジメチルジアリルアンモニウムハライドとアクリルアミドのコポリマー等が挙げられる。また、アニオン性高分子としては、アクリル酸誘導体(ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・アクリルアミド・アクリル酸エチル重合体及びその塩、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/ステアレス20メタクリレート重合体及びその塩、等)、メタクリル酸誘導体、クロトン酸誘導体等が、ノニオン性高分子としては、アクリル酸誘導体(アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル重合体、ポリアクリルアミド等)、ビニルピロリドン誘導体(ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル重合体等)が、そして両性高分子としては、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体等)等が挙げられる。これらの高分子を用いる場合には化粧料組成物全体に対して高分子を合計して5質量%以下で含有させることが好ましい。
カチオン界面活性剤以外の界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、親水性非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤等が挙げられる。カチオン界面活性剤以外の界面活性剤の具体例を以下に挙げるが、これらを用いる場合には化粧料組成物全体に対して合計で5質量%以下で含有させることが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、α−オレフィンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、パラフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、N−アシル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アシルメチルタウリン塩等の通常の化粧料組成物に常用されているものを用いればよい。これらのアニオン性界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEと略することがある)ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等);POEグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEモノオレエート等);POE脂肪酸エステル類(例えば、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POEアルキルエーテル類(例えば、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPと略することがある)アルキルエーテル類(例えば、POE・POPセチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等);POEミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POEソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEプロピレングリコール脂肪酸エステル;POEアルキルアミン;POE脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
半極性界面活性剤としては、例えば、ラウラミンオキシド(ラウリルジメチルアミンオキシド)が挙げられ、好適に用いることが出来る。
このような界面活性剤は一般に市販されており、そのまま使用することができる。
pH調整剤としては、例えばクエン酸、酒石酸等が挙げられる。pH調整剤を用いる場合には化粧料組成物全体に対して0.1質量%以下で含有させることが好ましい。
防腐剤としては、例えば安息香酸ナトリウムが挙げられる。防腐剤を用いる場合には化粧料組成物全体に対して0.1質量%以下で含有させることが好ましい。
増粘剤としては、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。増粘剤を用いる場合には化粧料組成物全体に対して5質量%以下で含有させることが好ましい。
上記に挙げたもの以外では、動植物の天然エキス及びその誘導体、乳酸等の有機酸、塩化ナトリウム等の無機塩、アミノ酸類(グルタミン酸又はその塩、アルギニン又はその塩、グリシンなど)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、殺菌剤、キレート剤、香料、色剤、金属封鎖剤(エデト酸塩等)、起泡増進剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。これらの成分を用いる場合には化粧料組成物全体に対して、合計して20質量%以下で含有させることが好ましい。
尚、本発明の化粧料組成物は以上で挙げた成分以外のものを用いることを妨げるものではない。
本発明の化粧料組成物の粘度は、その用途により異なるが、例えば、本発明の化粧料組成物を毛髪化粧料として用いる場合、25℃で粘度が3,000mPa・s以上100,000mPa・s以下であることが好ましい。この粘度は、より好ましくは4,000mPa・s以上、更に好ましくは5,000mPa・s以上であり、一方、より好ましくは90,000mPa・s以下、更に好ましくは80,000mPa・s以下である。化粧料組成物の粘度が3,000mPa・s以上、100,000mPa・s以下であるとハンドリングの点で好ましい。化粧料組成物及び後述の毛髪化粧料の粘度は本明細書の実施例で示すように、B型粘度計を用いて測定することが可能である。
3.毛髪化粧料
本発明の化粧料組成物は毛髪化粧料として特に有用である。本明細書において毛髪化粧料とは、特に限定されないが、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、アウトバス用トリートメント、染毛剤、パーマ剤、ヘアパック、ヘアスプレー、ヘアフォーム、スタイリング剤などが挙げられる。本発明の毛髪化粧料はこれらのなかでも、コンディショニング効果が要求される、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、アウトバス用トリートメント、のようなコンディショニング剤として特に有用である。
毛髪へのカチオン界面活性剤の吸着量は、前述の如く、本発明の共重合体において、ビニル系モノマー(A)の種類及びビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の割合、ビニル系モノマー(B)および疎水性ビニル系モノマー(C)の種類などを適宜組み合わせることにより制御することができる。
尚、上記の毛髪へのカチオン界面活性剤の吸着量は本発明の実施例において示す評価方法による値である。
4.毛髪用トリートメント化粧料
本発明の化粧料組成物は、毛髪化粧料の中でも、毛髪用トリートメント化粧料として特に有用である。毛髪用トリートメント化粧料とは、シャンプー等で洗浄した後にコンディショニング効果を付与することを主目的とするもので、毛髪の塗布後に水で洗い流すものや塗布後に洗い流さないものがあり、水で洗い流すものとしては、リンス、コンディショナー、トリートメントといった、リンスオフコンディショナーとも言われるものが挙げられる。また、洗い流さないものとしては、アウトバス用トリートメント、リーブオンコンディショナーなどと言われるものが挙げられる。これらの中でも、本発明の化粧料組成物は、リンスオフコンディショナーとして特に有用である。
以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[共重合体の製造]
<共重合体(1)の製造>
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部を仕込み、滴下ロートにN−ヒドロキシエチルアクリルアミド50質量部、アクリル酸30質量部、ポリオキシプロピレン(13モル)メタクリレート20質量部、及びエタノール100質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち80℃まで加熱した。反応器に、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(V−601;和光純薬工業(株)製)0.5質量部を投入後、単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後から8時間反応させたのち冷却し、共重合体(1)を得た。
<共重合体(2)〜共重合体(10)の製造>
表−1に記載の単量体を表−1に記載の割合で用いたこと以外は共重合体(1)の製造と同様にして共重合体(2)〜共重合体(10)を製造した。
[共重合体の物性測定]
<重量平均分子量の測定>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(装置:東ソー株式会社製「SC8010,SD8022,RI8020,CO8011,PS8010」、カラム:和光純薬工業株式会社「Wakopak(WakobeadsG−50)」、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41)を用いて、ポリエチレングリコールを標準物質として共重合体(1)〜(10)の重量平均分子量を求めた。
<粘度の測定>
調製した共重合体(1)〜(10)について、B型粘度計を用い、25℃にて粘度の測定を行った。なお、粘度測定に使用したローターナンバーは2〜4、回転数は12または60rpmである。
[化粧料組成物の調製]
共重合体(1)〜(10)を用い、定法に従って表−2に示す組成の化粧料組成物を調製した。
[化粧料組成物の物性測定及び評価]
<カチオン界面活性剤吸着量の測定>
評価用の毛束として、人毛黒髪(100%)根本揃え(未処理毛、10g×30cm、(株)ビューラックス社)を用い、これをブリーチ処理したものを「ダメージ毛」として使用した。即ち、この毛束1本に、ブリーチ剤として、(株)ミルボン製「プロマティスブレーブオキシタン6.0(過酸化水素6%クリーム)」を12g及び(株)メロス化学製「パウダーブリーチMR2」を6g混合したものを塗布し、30分放置したのち水洗しラウロイル(EO)3硫酸ナトリウム(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)で洗浄し、ダメージ毛を作成した。このダメージ毛を5g束ねたものをダメージ毛サンプル毛束とした。
このダメージ毛サンプル毛束に対し、はじめに25質量%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムをシャンプーとして洗浄・すすぎを実施した。その後、0.5gの上記化粧料組成物サンプルをそれぞれ塗布し、流水中で20回櫛を通すことによって濯いだ。その後、毛髪をイソプロピルアルコールに浸漬させ、1時間超音波処理をすることによって、吸着したカチオン界面活性剤を抽出させた。その後、抽出液を、ガスクロマトグラフィー(ヒューレットパッカード社製「HP6850C−R5A」)によって定量分析することによってカチオン界面活性剤の吸着量を求めた。
<塗布時のなめらかさの評価>
上記のダメージ毛サンプル毛束に対して、25質量%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムをシャンプーとして使用して洗浄・すすぎを実施し、次いで上記の各毛髪化粧料を塗布した後、40℃の流水中で毛束を濯いだときの指通りのなめらかさを以下の4段階で評価した。なお、比較標準品とは、共重合体を配合しないで調製した上記化粧料組成物を示す。
4:比較標準品と比べて優れる
3:比較標準品と同程度
2:比較標準品に比べてやや劣る
1:比較標準品に比べて劣る
また、比較標準品は、粘度43100mPa・s(B型粘度計、ローター番号4、12rpm)であり、カチオン界面活性剤の毛髪への吸着量は、21質量ppmであった。
<粘度の測定>
調製した化粧料組成物について、B型粘度計を用い、25℃にて粘度の測定を行った。なお、粘度測定に使用したローターナンバーは「4」であり、回転数は12rpmとした。
Figure 0005949080
Figure 0005949080
Figure 0005949080
[結果の評価]
(1) 実施例1〜8の化粧料組成物は、塗布時のなめらかさを損なうことなく、高いカチオン界面活性剤吸着量を示した。
(2) 比較例1の化粧料組成物は、用いた共重合体のビニル系モノマー(A)の配合量が10質量%と本発明の範囲よりも少ないため、カチオン界面活性剤の吸着量が27質量ppmと比較標準品と同等である。
(3) 比較例2の化粧料組成物は、ビニル系モノマー(C)を含まないためリンスに配合したときの粘度が低く、また、塗布時のなめらかさが劣っていた。
本発明の共重合体を化粧料組成物、特に毛髪化粧料として用いたときにコンディショナー効果に優れたものを得ることができる。

Claims (3)

  1. 共重合体0.1〜5質量%と、カチオン界面活性剤0.1〜20質量%と、高級アルコール0.1〜20質量%と、水55〜99.6質量%とを含む化粧料組成物よりなるリンスオフコンディショナーであって、
    該共重合体が、カルボキシル基を構造内に有するビニル系モノマー(A)に相当する構成単位、下記式(1)〜(3)で表されるビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種のビニル系モノマー(B)に相当する構成単位、及び下記式(4)〜(5)で表されるビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種の疎水性ビニル系モノマー(C)に相当する構成単位を有する共重合体であって、
    共重合体の全質量に対して前記ビニル系モノマー(A)に相当する構成単位の割合が15〜80質量%であり、
    前記ビニル系モノマー(B)に相当する構成単位の割合が、共重合体の全質量に対して1〜85質量%であり、
    前記ビニル系モノマー(A)が、下記式(6)又は下記式(7)で表される共重合体であるリンスオフコンディショナー。
    CH=C(R)−CO−NR …(1)
    (式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)
    CH=C(R)−CO(O)−X−H …(2)
    (式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは1個以上のヒドロキシル基を含む2価の連結基を表す。)
    CH=C(R)−CO−Z−(Q−O)−R …(3)
    (式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Qは置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、rは2〜15の整数を表し、Zは酸素原子又はNHを表す。)
    CH=C(R)−CO−M−Y …(4)
    (式(4)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Yは炭素数4〜22のアルキル基(分岐、環構造を含む)を表し、Mは酸素原子またはNHを表す。)
    CH=C(R)−CO−L−(C−O)−(C−O)
    (C−O)−R …(5)
    (式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Lは酸素原子またはNHを表し、s≧0、t+u≧1、1≦(s+t+u)≦100の整数を表す。ただし、式(3)におけるQが炭素数3のアルキレン基のとき、uはu≠0であり、式(3)におけるQが炭素数4のアルキレン基のとき、tはt≠0である。
    CH =C(R 10 )−CO−(O−(CH ) −CO) −OH …(6)
    (式(6)中、R 10 は水素原子又はメチル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。)
    CH =C(R 11 )−COO−(CH ) −OOC−(CH ) −COOH
    …(7)
    (式(7)中、R 11 は水素原子又はメチル基を表し、p、qはそれぞれ独立して2〜6の整数を表す。)
  2. 前記共重合体の重量平均分子量が3,000〜2,000,000である、請求項1に記載のリンスオフコンディショナー
  3. 前記化粧料組成物が更に、シリコーン油0.1〜10質量%を含む、請求項1又は請求項2に記載のリンスオフコンディショナー
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