JP4894240B2 - ポリマー及び化粧料組成物 - Google Patents
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Description
処理剤は一般にカチオン界面活性剤と高級アルコールを含有し、これらが形成するラメラと呼ばれるゲル状物が毛髪に吸着し良好な感触を与えるほか、乾燥後の感触を更に改良するためにシリコーン油の添加も行われている。
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、例えば、コンディショニング剤やスキンケア剤に用いると、乾燥後のサラサラ感やしっとり感、すすぎ時のなめらかさなどを向上させるポリマー及び化粧料組成物を提供することを目的とする。
即ち本発明の要旨は、下記一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体(A)に相当する構成単位、ポリシロキサン基含有単量体(B)に相当する構成単位、及びアニオン性単量体(C)に相当する構成単位を主成分とするポリマーであって、前記ポリマーの全重量に対して、単量体(A)に相当する構成単位の割合が40〜99質量%、単量体(B)に相当する構成単位の割合が1〜40質量%、及び単量体(C)に相当する構成単位の割合が0〜20質量%であることを特徴とするポリマーに存する。
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4の水酸基を有していてもよいアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は1以上4以下である。)
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
ビニル系単量体(A)としては、一般式(1)及び(2)の化合物を両方用いてもよい。好ましくは、ビニル系単量体(A)に相当する構成単位における、一般式(1)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位の割合が50〜100質量%である。
ポリシロキサン基含有単量体(B)は下記一般式(3)で表される構造を有することが好ましい。
(式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、R6及びR7はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、又はフェニル基を表し、R8は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Zは2価の連結基又は直接結合を表し、nは2〜200の整数を表す。)
この組成物は特に毛髪用化粧料に適する。好ましくはコンディショニング剤として用いられ、より好ましくは洗い流すタイプの毛髪用化粧料として用いられる。
また本発明のポリマー及びそれを含有する化粧料組成物は、ダメージ毛であってもシリコーン油の吸着量を高める利点があり、特に毛髪用に使用したときのコンディショニング効果等に優れる。また化粧料組成物中のシリコーン油の配合量を高める必要がないので、未処理毛に用いてもベタつきにくく、ダメージ毛と未処理毛の両方に優れたコンディショニング効果を与える。かつコスト面でも有利である。
本発明のポリマーは、アミド結合又は水酸基を含有する特定構造のビニル系単量体(A)に相当する構成単位、ポリシロキサン基含有単量体(B)に相当する構成単位、及びアニオン性単量体(C)に相当する構成単位を主成分とするポリマーであり、ポリマーの全重量に対して、単量体(A)に相当する構成単位の割合が40〜99質量%、単量体(B)に相当する構成単位の割合が1〜40質量%、及び単量体(C)に相当する構成単位の割合が0〜20質量%である。
好ましくはポリマーの全重量に対して単量体(A)〜(C)に相当する単位を70質量%以上含み、更に好ましくは80質量%以上含む。
ポリマー中、一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体(A)に相当する構成単位はアミド結合又は水酸基を有しており、これらに由来する親水性によりポリマーに親水性を付与する効果がある。これにより肌や毛髪、特にダメージ毛などに対する親和性が高くなり、肌や毛髪へのポリマーの吸着力を高め、更にはサラサラ感、しっとり感を与えるものと考えられる。
ポリマー中、ポリシロキサン基含有単量体(B)に相当する構成単位は、化粧料組成物中で通常併用されるシリコーン油との親和性が高く、ポリマー中の他の構成単位とシリコーン油とを結びつける働きをし、肌や毛髪、特にダメージ毛などに対してシリコーン油の吸着力を高める働きがあると考えられる。
ただしアニオン性単量体(C)に相当する構成単位の割合が20質量%を超えると、化粧料組成物が良性のゲル状物を形成せず粘度が低下し液状になったり、乾燥後にゴワツキを与えたりする場合がある。好ましくは15質量%以下とし、より好ましくは10質量%以下とし、更に好ましくは7質量%以下とすることで、化粧料組成物の均一性がより高くなり、またシリコーン油の吸着量も増加する。
ビニル系単量体(A)としては、一般式(1)又は(2)で表されるものを用いる。
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4の水酸基を有していてもよいアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は1以上4以下である。)
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
ここで、R1は水素原子が好ましい。R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3の水酸基を有していてもよいアルキル基が好ましい。炭素数1〜3の水酸基を有していてもよいアルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。R2とR3の炭素数の和は2以上4以下が好ましく、最も好ましくは2である。aは1〜3の整数が好ましく、最も好ましくは2である。bは好ましくは1である。
好ましくは、ビニル系単量体(A)に相当する構成単位における、一般式(1)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位の割合を50〜100質量%とする。即ちビニル系単量体(A)の50質量%以上を一般式(1)で表されるビニル系単量体とすることで、高い毛髪親和性が得られる。より好ましくは80〜100質量%とし、更に好ましくは90〜100質量%とし、最も好ましくは100質量%とする。
本発明においてビニル系単量体とはビニル重合しうる単量体である。ビニル系単量体(A)は、通常、親水性のノニオン性ビニル系単量体である。これは水溶性であり、且つイオン性の基を有さないものである。ここでいう水溶性とは100gの水に対して10g以上均一に溶解するものをいう。
ポリシロキサン構造とは下記の繰り返し構造単位が2以上連結された構造である。
(式中、R6及びR7はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、又はフェニル基を表す。)
ポリマー中においては、ポリシロキサン構造は主鎖にグラフト構造で連結されていてもよく、また逆にポリシロキサン構造を主鎖とし他の構造がグラフト構造で連結さされていてもよく、さらには、ポリシロキサン構造と他の構造とがブロック構造で直鎖状に連結されていてもよい。
(式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、R6及びR7はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、又はフェニル基を表し、R8は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Zは2価の連結基又は直接結合を表し、nは2〜200の整数を表す。)
Zは2価の連結基又は直接結合を表すが、なかでも以下に挙げられる構造の1つ又は2つ以上の組合せからなる構造が好ましい。組合せる個数は特に限定されないが、通常、5つ以下である。また、以下の構造の向き(どちらの端がポリシロキサン基側か)は任意である。なお、Rは炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。
−CONH−R−
−O−R−
−R−
なお、ポリシロキサン基含有単量体(B)は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
有しうるアニオン性基は特に限定されないが、好ましくはカルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基及びボロン酸基からなる群より選ばれる1以上の官能基を有する。これら官能基は酸の形でも塩の形でもよい。これらの官能基は、化粧料組成物中で通常併用されるカチオン界面活性剤と適度に相互作用することができるため好ましく、また人体への安全性の面からも好ましい。より好ましくはカルボン酸基又はスルホン酸基を有し、特に好ましくはカルボン酸基を有する。
スルホン基を有するアニオン性単量体としては、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
なお、アニオン性単量体(C)は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
他のビニル系単量体としては、例えば、炭素原子数1〜22のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルや、炭素原子数1〜22のアルキルアミンと(メタ)アクリル酸とのアミド、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等と(メタ)アクリル酸とのモノエステル、更にはこのモノエステルの水酸基がメタノールやエタノール等でエーテル化されたエステル、(メタ)アクロイルモルホリンなどのノニオン性単量体や、ベタイン基含有(メタ)アクリルエステル、ベタイン基含有(メタ)アクリルアミドなどの両性単量体、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルエステル、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルアミドなどの半極性単量体、4級アンモニウム基含有(メタ)アクリルエステル、4級アンモニウム基含有(メタ)アクリルアミドなどのカチオン性単量体、などが挙げられる。但し、単量体(A)〜(C)に含まれるものは除く。
重合反応は親水性溶媒中で行うのが好ましい。親水性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール等のアルコール系溶媒、水等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでもアルコール系溶媒を用いることが好ましい。
粘度の調整は、例えば、ポリマーの重合度を制御することによって行うことができる。また多官能アクリレートなどの架橋剤の添加量を増減することによっても分子量及び粘度が制御できる。但し架橋剤は少しでも添加しすぎると分子量及び粘度が急激に増大してしまうなど、工業的に製造する上では制御が困難な面がある。このため架橋剤は含まないことが最も好ましい。
なかでも本発明のポリマーを(a)カチオン界面活性剤、(b)高級アルコール、(c)シリコーン油、及び水と配合することにより優れたコンディショニング効果を有する化粧料組成物が得られる。カチオン界面活性剤、高級アルコール及び水は、加熱混合することによりラメラと呼ばれるゲル構造を形成しなめらかさやしっとり感を与える。またシリコーン油を配合することによりサラサラ感を付与できる。
本発明の化粧料組成物に用いる(b)高級アルコールは長鎖のアルキル基及び水酸基を有する化合物であれば特に限定されないが、アルキル基の炭素数が6〜24で、直鎖又は分岐アルキル基であるものが好ましい。水酸基は一つ以上有してもよいが、好ましくは水酸基を一つのみ有する。例えばオクチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが上げられる。なかでもセチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。
本発明の化粧料組成物に用いる(c)シリコーン油の種類は特に限定されないが、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンアルキレンオキシド共重合体、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、アルコール変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、アルコキシ変性ポリジメチルシロキサン及び環状シリコーンなどが挙げられる。これらは特開2000−336018号公報に記載されている。
ポリジメチルシロキサンアルキレンオキシド共重合体としては、「F−178−21」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。
これらのアミノ変性ポリジメチルシロキサンは、ジメチルシロキサンと、前記アミノアルキル基を有するシロキサンとを共重合させるか、又はポリジメチルシロキサンを前述のアミノアルキル基を有する化合物で後変性してポリジメチルシロキサン骨格にアミノアルキル基を導入することにより得られる。市販されているものとしては、例えば、「USAR SILICONE ALE56」(ユニオン・カーバイド社)、「ABIL9905」(ザ・ゴールドシュミットAG社)、「KF857」、「KF867」、「KF865」(いずれも信越化学工業株式会社)、「SM8702C」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、「FZ−3707」(日本ユニカー株式会社)等がある。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとして最も好ましくは、ジメチルシロキサンと、前記重合体骨格のオキシアルキレン基を有するシロキサンとを共重合させて得たものである。
エポキシ変性ポリジメチルシロキサンとしては、「X−60−164」(信越化学工業株式会社)、「PS922」(チッソ株式会社)、「L−9300」(日本ユニカー株式会社)などが市販されている。
アルコール変性ポリジメチルシロキサンとしては、「KF851」(信越化学工業株式会社)、「FM4411」(チッソ株式会社)、「FZ−3722」、「F−235−21」(日本ユニカー株式会社)などが市販されている。
アルコキシ変性ポリジメチルシロキサンとしては、「PS912」(チッソ株式会社)、「FZ−3701」(日本ユニカー株式会社)などが市販されている。
シリコーン油は1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。
(c)シリコーン油は、化粧料組成物中に0.1質量%以上含有することが好ましく、1質量%以上含有することがより好ましい。乾燥後のサラサラ感を高めるためである。ただし10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましい。ベタつきを生じさせないためであり、またコストを抑えるためである。
本発明の化粧料組成物中に含有する他の成分は特に限定されず、本発明の目的、効果を阻害しない範囲で配合することが可能である。具体的には、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、半極性界面活性剤、水溶性高分子、カチオン性高分子、アニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子、油分、パール化剤、懸濁剤等である。
アニオン界面活性剤としては、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、パラフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、N−アシル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アシルメチルタウリン塩等の洗浄剤組成物に常用されているものを用いうる。これらのアニオン界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。なお、アニオン界面活性剤は複数種を併用してもよい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルや脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミドなどが挙げられる。
水溶性高分子としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等が挙げられる。
アニオン性高分子としては、例えば、アクリル酸誘導体(ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸−アクリルアミド−アクリル酸エチル共重合体及びその塩等)、メタクリル酸誘導体、クロトン酸誘導体等が挙げられる。
両性高分子としては、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(アクリルアミド−アクリル酸−塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸−塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等)等が挙げられる。
パール化剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコールなどの脂肪酸エチレングリコール等が挙げられる。
懸濁剤としては、例えば、ポリスチレン乳化物等が挙げられる。
なかでも、洗髪の後又は前に使用する、洗い流すタイプの化粧料組成物として用いるのが好ましい。特に好ましくは洗髪後に使用し洗い流すタイプのものである。ここで「洗い流すタイプ」とは、塗布した後すぐに又はしばらく時間をおいた後に水ですすぎ落とす処理を施すものである。
また、通常シリコーン油を吸着しにくい、ブリーチ処理された毛髪(いわゆるダメージ毛)のシリコーン油吸着量が上記範囲であることが特に好ましい。
[ポリマーの製造]
(ポリマー(1)の製造)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部を仕込み、滴下ロートにジメチルアクリルアミド80質量部、シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM0711;チッソ(株)製)20質量部、及びエタノール80質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち80℃まで加熱した。反応器に、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)(V−601;和光純薬工業(株)製)0.5質量部を投入後、単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後から6時間反応させたのち冷却し、ポリマー(1)を得た。
得られたポリマーの30%エタノール溶液の粘度は19mPa・sであった。なお粘度測定はB型粘度計を用い、ローターNo.2、30rpm、25℃で実施した。以下においても同じである。
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部、ジメチルアクリルアミド80質量部、シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM0711;チッソ(株)製)20質量部を仕込み均一に混合した後、反応器を窒素置換した。反応器を35℃に設定し、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)(V−601;和光純薬工業(株)製)0.5質量部を投入後、1時間で80℃まで昇温した。昇温終了後から6時間反応させたのち冷却し、ポリマー(2)を得た。得られたポリマーの30%エタノール溶液の粘度を表−1に示した。
表−1に記載の単量体組成を用いたこと以外はポリマー(1)の製造と同様にして、ポリマー(3)〜(13)を製造した。得られたポリマーの30%エタノール溶液の粘度を表−1に示した。
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部を仕込み、滴下ロートにジメチルアミノエチルメタクリレート40.4質量部、シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM0711;チッソ(株)製)20質量部、及びエタノール80質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち80℃まで加熱した。反応器に、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)(V−601;和光純薬工業(株)製)0.5質量部を投入後、単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後から6時間反応させたのち60℃まで冷却した。反応溶液に硫酸ジエチル39.6質量部を1時間かけて滴下したのち4時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、ポリマー(14)を得た。得られたポリマーの30%エタノール溶液の粘度を表−1に示した。
上記の方法によって得られたポリマー(1)〜(14)を用いて、下記組成のコンディショナーを調製した。数値は全て活性成分の質量(質量部)である。
ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド 2質量部
セチルアルコール 3質量部
ポリマー(1)〜(14) 0.5質量部
シリコーン油 2質量部
蒸留水 92.5質量部
調製手順としては、まず、シリコーン油以外の成分を耐圧瓶に秤量し80℃の温水浴に浸し攪拌し、均一になったことを確認し60℃まで冷却し30分保持した。次いでシリコーン油を添加し攪拌した後、室温まで空冷した。なお調製の際、ポリマーは30%エタノール溶液として使用した。シリコーン油としてはシリコーンエマルションBY22−029(東レダウコーニング社製、50質量%水溶液)を使用した。
このように調製したコンディショナーを用いて配合性を評価した。
また、ダメージ毛について、それぞれすすぎ時のなめらかさ、乾燥後のサラサラ感、乾燥後のしっとり感を評価した。これら評価はポリマーを含まない組成を比較標準品として評価した。
さらに乾燥後の毛髪へのシリコーン吸着量を測定した。これらの結果を表−2に示す。
各コンディショナー組成物の均一性を以下のように3段階で評価した。
0 : 分離せずに均一なゲル状物が得られる。
−1: 分離はしないがゲル状物を形成していない。
−2: 分離し不均一な液状物。
(2)すすぎ時のなめらかさ
評価用の毛束として、人毛黒髪(100%)根本揃え(未処理毛、10g×30cm、(株)ビューラックス社)を用い、これをブリーチ処理したものを「ダメージ毛」として使用した。即ちこの毛束1本に、ブリーチ剤として、(株)ミルボン製プロマティスブレーブオキシタン6.0(過酸化水素6%クリーム)を12g及び(株)メロス化学製パウダーブリーチMR2を6g混合したものを塗布し、30分放置したのち水洗しラウロイル(EO)3硫酸ナトリウム(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)で洗浄し、ダメージ毛の毛束とした。
次いで上記の各コンディショナーを塗布した後、40℃の流水中で毛束をすすいだときの指通りのなめらかさ及びそのなめらかさの持続具合を4段階で評価した。
+2: 比較標準品に比べてなめらかさ、持続性共に優れる
+1: 比較標準品に比べてなめらかさ、持続性のどちらかが優れる
0 : 比較標準品と同程度
−1: 比較標準品に比べて劣る
すすぎ時のなめらかさ評価後の毛束を、23℃、60%RHの恒温室にて一晩乾燥させた後に、毛束のサラサラ感を4段階で評価した。
+2: 比較標準品に比べてサラサラ感が著しく優れる
+1: 比較標準品に比べてサラサラ感が優れる
0 : 比較標準品と同程度
−1: 比較標準品に比べて劣る
乾燥後のサラサラ感を評価した毛束にて、乾燥後のしっとり感を4段階で評価した。
+2: 比較標準品に比べて柔軟性を感じ、ほとんどゴワツキを感じない
+1: 比較標準品に比べて柔軟性、ゴワツキの無さのどちらかが優れる
0 : 比較標準品と同程度
−1: 比較標準品に比べて柔軟性がなくゴワツキを感じる
乾燥後の毛束10gを40℃の流水で水を含ませた後、過剰な水分を落とし、シャンプー1gを塗布して泡立てた。これを40℃の流水中で30秒間すすいだ後、上記の各コンディショナー1gを塗布して毛束全体になじませた。これを40℃の流水中で30秒間すすいだ後、一晩乾燥させた。
1)総合的に評価すると、実施例3および4が最も好ましく、実施例7が次に好ましく、実施例1および2が次に好ましく、実施例5および6が次に好ましく、実施例8および9がその次に好ましいものが得られた。
2)比較例1はアニオン性単量体(C)に相当する構造単位の含有量が20質量%より多い。そのため配合性が悪く、また乾燥後にゴワツキが生じサラサラ感が劣っている。
3)比較例2はポリシロキサン基含有単量体(B)に相当する構造単位を有していない。そのためシリコーン油吸着量が上がらずポリマー添加効果が観察されない。
4)比較例3は単量体(A)に相当する単位が40質量%より少なく、疎水性単量体に相当する単位も50質量%と多い。そのため乾燥後のサラサラ感、しっとり感、シリコーン油吸着量が劣っている。
5)比較例3は単量体(A)に相当する単位が40質量%より少なく、ポリシロキサン基含有単量体(B)に相当する構造単位も40質量%より多い。そのため乾燥後のサラサラ感、しっとり感、シリコーン油吸着量が劣っている。
6)比較例5はカチオン性単量体を主成分として有しており、(A)に相当する単量体も有していない。そのため配合性が悪く、またすすぎ時のなめらかさおよび乾燥後のサラサラ感、しっとり感、更にはシリコーン油吸着量も劣っている。
Claims (11)
- 一般式(1)で表される親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位、ポリシロキサン基含有単量体(B)に相当する構成単位を有するポリマーであって、
前記ポリマーの全重量に対して、単量体(A)に相当する構成単位の割合が40〜99質量%、単量体(B)に相当する構成単位の割合が1〜40質量%であることを特徴とするポリマー。
CH2=C(R1)−CO−NR2R3
(1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3の水酸基を有していてもよいアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は1以上4以下である。) - 一般式(2)で表される親水性ビニル単量体(A)に相当する構成単位を含む、請求項1に記載のポリマー。
CH 2 =C(R 4 )−CO(O)−(CH 2 ) a −(CHOH) b −OH
(2)
(式中、R 4 は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。) - ビニル系単量体(A)に相当する構成単位における、一般式(1)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位の割合が50〜100質量%である、請求項1又は2に記載のポリマー。
- アニオン性単量体(C)に相当する構成単位の割合が1〜20質量%である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリマー。
- ポリマーの全重量に対して単量体(A)〜(C)に相当する構成単位の合計量が60質量%以上である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリマー。
- ポリシロキサン基含有単量体(B)が一般式(3)で表される構造を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリマー。
CH 2 =C(R 5 )−Z−(SiR 6 R 7 −O) n −R 8
(3)
(式中、R 5 は水素原子又はメチル基を表し、R 6 及びR 7 はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、R 8 は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Zは2価の連結基又は直接結合を表し、nは2〜200の整数を表す。) - アニオン性単量体(C)が、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基及びボロン基からなる群よりえらばれる1以上の官能基を有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリマー。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリマー0.1〜10質量%、カチオン界面活性剤0.1〜10質量%、高級アルコール0.1〜20質量%、シリコーン油0.1〜10質量%、及び水50〜99.6質量%を含むことを特徴とする化粧料組成物。
- 毛髪用化粧料である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
- コンディショニング剤である、請求項9に記載の化粧料組成物。
- 洗い流すタイプの毛髪化粧料である、請求項9又は10に記載の化粧料組成物。
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