JP5050534B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は洗浄剤組成物に関する。
シャンプー、リンス、トリートメント剤、セット剤などの毛髪化粧料には、洗浄後の毛髪の櫛どおり性や柔軟性その他の感触性を改良するために、いわゆるコンディショニング剤が配合されている。例えばシャンプーには、代表的なカチオン化ヒドロキシセルロース、カチオン化グアーガム、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、アクリルアミド共重合体等をコンディショニング剤として配合することが知られている。カチオン化ヒドロキシセルロース等を配合したシャンプーは、洗浄後に濯ぐときの指通り性は良いが、乾燥後の毛髪がごわついたかたい感触となることが指摘されている。このごわつき感を改良するために、併用する界面活性剤の選択やオイルの添加などが検討されており、なかでも、シリコ−ンを添加することにより乾燥後の感触は大きく変化する(特許文献1)。しかしながら、シリコ−ンを毛髪に付着させるためにはカチオン化ヒドロキシエチルセルロース等を多く添加する必要があるため、ごわついた感触も同時に付与することになり好ましくない。また毛髪のダメージ度が高いとその効果も低いものとなり、十分なコンディショニング効果が得られにくい。
特開2003−212733号公報
このためカチオン化ヒドロキシセルロースに代えて、カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位と、特定構造のビニル系単量体に相当する構成単位とを特定比率含む共重合体を配合することが、特願2006−211271で提案され、濯ぐときの指通り性が良く、乾燥後の感触が良好であるシャンプーが得られている。しかし、カラーリング、パーマ、ドライヤーの熱等により傷んだ髪を持つ消費者からは、特に毛先などダメージ度の高い部分のすすぎ時の滑らかさを向上させ、被洗浄体の油分を過剰に奪い取らずやさしくマイルドに洗浄しうる洗浄剤組成物が望まれている。
本発明者等は上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位と、特定構造のビニル系単量体に相当する構成単位とを特定比率含む共重合体と、特定界面活性剤とを洗浄剤組成物に配合することで、被洗浄体の油分を過剰に奪い取らずやさしくマイルドに洗うことが出来、洗浄後のすすぎの際の指通り、乾燥後のなめらかさ及びサラサラ感などに優れることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位と、一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体(B)に相当する構成単位とを含む共重合体であって該共重合体を構成する全構成単位における前記カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合が25〜45モル%である共重合体と、
一般式(3)で表される化合物又はその塩であるアニオン性界面活性剤(D)、とを含有してなることを特徴とする洗浄剤組成物に関する。
CH=C(R)−CO−NR (1)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、RとRの炭素数の和は1以上4以下である。)
CH=C(R)−CO(O)−(CH−(CHOH)−OH (2)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
R−A−X (3)
式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素原子数8〜24のアルキル基、アルケニル基、アルキルフェニル基を表し、Aは少なくとも1つのオキシアルキレン基を含む2価の連結基を表し、Xはカルボキシル基又はリン酸基を表す。)
また本発明は、前記アニオン性界面活性剤(D)が水溶性である洗浄剤組成物に関する。
また本発明は、前記アニオン性界面活性剤(D)が強酸基を含まない洗浄剤組成物に関する。
また本発明は、前記洗浄剤組成物が、アニオン性界面活性剤(D)を0.1〜40重量%及び前記共重合体を0.01〜5重量%含有する洗浄剤組成物に関する。
また本発明は、前記洗浄剤組成物が、更に高級アルコール及び/又はシリコーン油を含有する洗浄剤組成物に関する。
また本発明は、髪用又は皮膚用洗浄剤組成物に関する。
本発明の洗浄剤組成物は、洗浄時の被洗浄体、特に肌や毛髪などの表面のすべりが向上すると共に、乾燥後、被洗浄体表面を保護できるので、被洗浄体の油分を過剰に奪い取らずやさしくマイルドに洗うことが出来、泡立ち、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ時の指通り、乾燥後のサラサラ感、ゴワツキ感の無さ、柔軟性に優れる。
また、本発明の洗浄剤組成物は、特に、毛髪用、身体用に使用したときの被洗浄体のコンディショニング効果等に優れている。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明の濃度や粘度は特に述べない限り、25℃におけるものを示している。
本発明の洗浄剤組成物は、以下に詳述する共重合体の少なくとも1種類と、特定界面活性剤の少なくとも1種類とを処方系内に所要量配合することにより調製することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を適宜配合することができる。
1)共重合体
本発明の共重合体は、カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位と、特定構造のビニル系単量体(B)に相当する構成単位とを含む。このとき、共重合体を構成する全構成単位における前記カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合は25〜45モル%とする。
共重合体中、カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位は、洗浄剤組成物中において通常併用されている界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤とコンプレックス(複合体)を形成し易い。こうして形成されたコンプレックスが再分散された状態で存在し、毛髪に付着し均一に被覆することで、肌や毛髪になめらかさやサラサラ感、柔軟性を与えるものと考えられる。
一方、共重合体中、一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体(B)に相当する構成単位はアミド結合又は水酸基を有しており、これらに由来する親水性により共重合体に親水性を付与する効果がある。これにより共重合体が界面活性剤とコンプレックスを形成した際にも、共重合体の水溶性を維持させるものと考えられる。更に、アミド結合を有するものは、肌や毛髪表面との水素結合作用によって、上記コンプレックスが肌や毛髪に吸着しやすくなる効果があると考えられる。従ってビニル系単量体(B)としてより好ましくは一般式(1)で表されるものである。
共重合体を構成する全構成単位におけるカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合は、25モル%以上とする。これにより共重合体がカチオン性基を十分な量含有するので、界面活性剤成分とのコンプレックスを形成しやすくなり、毛髪への吸着量が増し、例えばすすぎ時の指通りのよさ、なめらかさ、乾燥後のサラサラ感、柔軟性が高まる。より好ましくは26モル%以上であり、更に好ましくは27モル%以上である。
但し、共重合体を構成する全構成単位におけるカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合は、45モル%以下とする。これにより界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり、毛髪等への吸着力を十分に保つことができるため、例えば乾燥後のなめらかさ、サラサラ感をより効果的に保つことができる。より好ましくは42モル%以下であり、更に好ましくは38モル%以下であり、特に好ましくは35モル%以下である。
共重合体を構成する全構成単位におけるビニル系単量体(B)に相当する構成単位の割合は、20モル%以上が好ましい。毛髪等への吸着力をより十分に保ちやすくなり、乾燥後のなめらかさ、サラサラ感をより効果的に保ちやすくなる。より好ましくは30モル以上であり、更に好ましくは40モル%以上であり、最も好ましくは55モル%以上である。
但し、共重合体を構成する全構成単位におけるビニル系単量体(B)に相当する構成単位の割合は、75モル%以下が好ましい。共重合体中のカチオン性基の密度がそれだけ高くなり、アニオン性界面活性剤と、より十分なコンプレックスを形成でき、例えば、洗髪時のすすぎ時になめらかさをより効果的に保つことができる。
本発明の共重合体は、通常、それぞれの構成単位に相当する構造のカチオン性ビニル系単量体(A)とビニル系単量体(B)とを、相当するモル分率で重合させることにより得られる。
なおビニル系単量体とはビニル重合しうる単量体である。カチオン性ビニル系単量体とは、カチオン性基を1以上有し、アニオン性基を有しないか又はカチオン性基の数より少ないアニオン性基を有するビニル系単量体である。
[ビニル系単量体(B)]
ビニル系単量体(B)としては、一般式(1)又は(2)で表されるものを用いる。一般式(1)と(2)で表されるものを併用してもよい。
CH=C(R)−CO−NR (1)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、RとRの炭素数の和は1以上4以下である。)
CH=C(R)−CO(O)−(CH−(CHOH)−OH (2)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
ここで、Rは水素原子が好ましい。R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。炭素数1〜3のアルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。RとRの炭素数の和は2以上4以下が好ましく、最も好ましくは2である。aは1〜3の整数が好ましく、最も好ましくは2である。
一般式(1)で表されるビニル系単量体(B)としては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアルキルアクリルアミド類、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキルアクリルアミド類が挙げられる(ここで「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルを表す)。
なかでも単量体の水への溶解性、及び得られた共重合体の親水性が高いことから、好ましくはN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドである。
一般式(2)で表されるビニル系単量体(B)としては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、1−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。なかでも単量体の水への溶解性、及び得られた共重合体の親水性が高いことから、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。
アミド結合を有すると毛髪等への吸着が促進されるので、ビニル系単量体(B)としてより好ましくは、一般式(1)で表されるビニル系単量体を用いる。洗浄後の髪のサラサラ感が高くゴワツキ感が無いことなどから、更に好ましくは前記式(1)のRとRの炭素数の和が2以上4以下であるものが好ましい。例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、又はN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドである。最も好ましくはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドである。
なお、ビニル系単量体(B)は1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
ビニル系単量体(B)は、通常、ノニオン性ビニル系単量体である。
[カチオン性ビニル系単量体(A)]
カチオン性ビニル系単量体(A)としては、本発明の目的を達成しうる限り特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−N,N−ジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル系4級アンモニウム塩や、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリルエステル系4級アンモニウム塩や、N−メタクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリルアミド系4級アンモニウム塩、L−アルギニンとグリシジルメタクリレートの反応物等のアミノ酸系のカチオン種などが例示でき、この中でも、(メタ)アクリル系4級アンモニウム塩単量体がより好ましい。特に式(4)で表される(メタ)アクリル系4級アンモニウム塩単量体が好ましい。
CH=C(R)−CO−(O)−(NH)1−c−(CH−N・X (4)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、アリール基、アラルキル基又は−CH−CH(OH)−CH−N1011・Yを表し、R〜R11はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、X及びYはそれぞれ独立して陰イオンを表し、cは0又は1を表し、dは1〜10の整数を表わす。)
はメチル基が好ましい。R及びRはそれぞれ独立してメチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Rはメチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R〜R11はそれぞれ独立してメチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。X及びYで表される陰イオンとしては、それぞれ独立してハロゲンイオンが好ましく、塩素イオン、沃素イオン又は臭素イオンがより好ましい。cは0が好ましい。dは1〜5の整数が好ましく、3がより好ましい。
式(4)で表されるカチオン性ビニル系単量体のいくつかを例示すると、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリエチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−[3−{N’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N’,N’−ジメチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−[3−{N’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N’,N’−ジエチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウムクロライド等のカチオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウム=モノメチル硫酸塩、N−[3−{N’−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N’,N’−ジメチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−[3−{N’−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N’,N’−ジエチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
なかでも、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドが好ましく用いられ、特にN−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。最も好ましくはN−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドと、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドとの併用である。
カチオン性ビニル系単量体(A)としてはアミド結合を有するもの、即ち一般式(4)においてc=0である単量体を用いるのが好ましい。共重合体がアミド結合を有すると毛髪への吸着が促進される利点がある。即ちアミド結合を有することによりカチオン性官能基のカチオン強度が強くなり、アニオン性界面活性剤との結合力が強まり毛髪への吸着力が高くなる。これにより、本発明の共重合体を配合した洗浄剤組成物を用いた際、特にすすぎ時のなめらかさを高めることができる。
毛髪用の洗浄剤組成物に配合されるコンディショニング用ポリマーの役割には、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のサラサラ感、乾燥後のゴワツキの無さ、などを付与することが挙げられるが、なかでも最も重要なのは、すすぎ時のなめらかさである。なぜならば洗浄剤組成物で処理した後に、リンスやコンディショナー或いは洗い流さないタイプのアウトバストリートメント剤などで処理を行う事で乾燥後の感触を高めることができるのに対し、すすぎ時のなめらかさは他の方法で補うことができないからである。従って、コンディショニング用のポリマーとしてはすすぎ時のなめらかさに優れるものが最も好ましいのである。
また、カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構造は、カチオン性ビニル系単量体の前駆体をビニル系単量体(B)と重合させ共重合体とした後に、カチオン化剤により対応するカチオン基を有する構造に変換することによっても得ることができる。
カチオン性ビニル系単量体前駆体としては、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアミン等の三級アミンを有する(メタ)アクリル酸エステル類;N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチルアミン等の三級アミンを有する(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。
カチオン化剤としては、メチルクロリライド等のアルキルハライド及び3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有カチオン化剤等が挙げられる。カチオン化反応は、例えば、重合体の溶液にカチオン化剤を添加し、20〜100℃、1〜20時間の条件で行うことができる。
なお、カチオン性ビニル系単量体(A)またはその前駆体は、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
[カチオン性ビニル系単量体(A)の併用]
本発明の好ましい態様の一つは、カチオン性ビニル系単量体(A)として、前記一般式(4)においてcが1である単量体(A1)と、一般式(4)においてcが0である単量体(A2)を併用するものである。これにより、洗浄剤組成物に配合した際に、肌や毛髪、特に未処理毛のみならずダメージ毛に対しても、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ時の指通りのよさ、乾燥後のサラサラ感、ゴワツキ感の無さ、柔軟性といった効果がより高まる利点がある。
単量体(A1)と(A2)の併用によりその効果が更に高まる理由は必ずしも明らかではないが、ビニル系単量体(A2)はアミド結合を有することから、肌や毛髪表面との水素結合作用によって、界面活性剤成分とのコンプレックスを肌や毛髪により吸着させやすくなる効果がある。一方、エステル結合を有するビニル系単量体(A1)に相当する構成単位を含むことで、コンプレックスが毛髪に付着した後の状態が疎水的になりやすく、健常毛に近い状態となることから、毛髪等の感触を向上させる効果が高くなる。従って単量体(A1)と(A2)の併用で両者の特長が出るのではないかと考えられる。
好ましくは、共重合体を構成する全構成単位における単量体(A1)に相当する構成単位の割合は1〜44モル%であり、単量体(A2)に相当する構成単位の割合が1〜44モル%であり、かつ両者の割合の合計が25〜45モル%である。
共重合体を構成する全構成単位におけるビニル系単量体(A1)に相当する構成単位の割合は、1モル%以上とする。これにより共重合体がカチオン性基を十分な量含有するので、界面活性剤成分とのコンプレックスを形成しやすくなり、毛髪への吸着量が増し、例えば乾燥後のサラサラ感等の効果が高まる。より好ましくは3モル%以上であり、更に好ましくは5モル%以上であり、最も好ましくは10モル%以上である。
但し、共重合体を構成する全構成単位におけるカチオン性ビニル系単量体(A1)に相当する構成単位の割合は、44モル%以下とする。これにより界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり均一な溶液が得られやすくなる。より好ましくは40モル%以下であり、更に好ましくは30モル%以下である。
共重合体を構成する全構成単位におけるビニル系単量体(A2)に相当する構成単位の割合は、1モル%以上とする。これにより共重合体がカチオン性基を十分な量含有するので、界面活性剤成分とのコンプレックスを形成しやすくなり、毛髪への吸着量が増し、例えば乾燥後のサラサラ感等の効果が高まる。より好ましくは3モル%以上であり、更に好ましくは5モル%以上であり、最も好ましくは10モル%以上である。
但し、共重合体を構成する全構成単位におけるカチオン性ビニル系単量体(A2)に相当する構成単位の割合は、44モル%以下とする。これにより界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり均一な溶液が得られやすくなる。より好ましくは40モル%以下であり、更に好ましくは30モル%以下である。
共重合体を構成する全構成単位におけるビニル系単量体(A1)及び(A2)に相当する構成単位の割合の合計は、25モル%〜45モル%とする。25モル%以上とすることで、共重合体がカチオン性基を十分な量含有するので、界面活性剤成分とのコンプレックスを形成しやすくなり、毛髪への吸着量が増し、例えば乾燥後のサラサラ感等の効果が高まる。一方、45モル%以下とすることで、界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり均一な溶液が得られやすくなる。
[他の単量体]
共重合体中には、更に他のビニル系単量体に由来する構造単位を含有させてもよい。但し、共重合体中にアニオン性の官能基が存在すると前述のアニオン性界面活性剤とのコンプレックス形成の障害となる場合があるので、アニオン性の官能基の少ないものが好ましく(例えば、全官能基の10%以下)、これを実質的に含まないものであれば更に好ましい。ここで、実質的に含まないとは、例えば、pH3〜8においてアニオン性を示さないものをいう。
他のビニル系単量体としては、炭素原子数1〜22のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルや、炭素原子数1〜22のアルキルアミンと(メタ)アクリル酸とのアミド、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等と(メタ)アクリル酸とのモノエステル、更にはこのモノエステルの水酸基がメタノールやエタノール等でエーテル化されたエステル、(メタ)アクロイルモルホリン、ヒドロキシメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどのノニオン性単量体や、ベタイン基含有(メタ)アクリルエステル、ベタイン基含有(メタ)アクリルアミドなどの両性単量体、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルエステル、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルアミドなどの半極性単量体、などが挙げられる。
他のビニル系単量体に由来する構造単位の含有量は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜定めることができる。例えば、共重合体の溶解性や、毛髪化粧料に用いる場合にはコンディショニング効果等を阻害しない範囲で適宜定めることができる。したがって、共重合体中の30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。
共重合体中のカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位、水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(B)に相当する構成単位、及びその他ビニル系単量体に由来する構成単位の含有量は、水酸基やアミド結合部位のIR吸収や、水酸基やアミド結合部位、カチオン基に隣接するメチル基のH−NMR、あるいはそれらの13C−NMR等により測定することができる。
本発明の共重合体は、常温、すなわち25℃で、5重量%以上の濃度の水溶液を形成し得るもの、すなわち、5重量%以上の濃度の水溶液の透過率(550nm)が80%以上あり、水溶液が均一かつ安定のものであるのが好ましい。さらに好ましくは、20重量%以上の濃度の水溶液を形成し得るものである。
[共重合体及びその製造方法]
本発明に係る共重合体は、例えば、それぞれの構成単位を与える単量体またはその前駆体を混合し、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法により共重合させた後、必要に応じてカチオン化反応を行うことにより製造することができる。
重合反応は親水性溶媒中で行うのが好ましい。親水性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール等のアルコール系溶媒、水等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。アルコール系溶媒または水を用いることが好ましい。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸塩、またはそのレドックス系など、特に限定することなく用いることができる。重合開始剤は全単量体に対して、0.01〜5重量%の範囲で用いることが好ましい。
重合反応は、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜100℃で通常1〜30時間行うことができる。重合終了後は、生成した共重合体を、溶媒留去、貧溶媒の添加など適宜の手段で反応液から単離するとよい。この共重合体はそのまま、または更に精製して本発明に係る毛髪化粧料等の製造に用いることができる。精製は再沈澱、溶媒洗浄、膜分離など、適宜の手段を必要に応じて組み合わせて行うことができる。
本発明の共重合体としては、ランダム共重合体やブロック共重合体、グラフト共重合体など任意の構造のものを利用することができ、特に限定されない。
ランダム共重合体は、重合に用いる全モノマーを混合した状態に開始剤を添加して一度に反応させる方法や、モノマーの一部或いは全量を滴下しながら徐々に反応させる方法等により合成することができる。モノマー組成を変化させながら滴下して重合することも出来る。ブロック共重合体は、公知のラジカル開始剤又は触媒などを利用して合成することができる。グラフト共重合体は、ビニル系官能基を有するマクロマーを利用する方法や、反応性官能基を有するポリマー同士を反応させる方法等により合成することができる。
なかでも、特別な工程を必要とせず安価な原料から合成することができるものが工業的な利用価値が高く望ましく、通常の原料を利用し最も簡便に製造しうるランダム共重合体が最も好ましい。
なお、本発明の共重合体を洗浄剤組成物に配合する際に、複数種の共重合体を併用することもできる。その場合には共重合体を別々に合成したのち混合し配合することもできる。或いは、まず1種の共重合体を製造し、その反応液中に他の種類の共重合体を構成するモノマー成分を添加して重合させることで、二種類の共重合体の混合物を得ることができる。同様にモノマー成分添加と重合を繰り返せば、更に多種類の共重合体の混合物を得る事もできる。本発明においては、簡便に製造しうる後者の方法が好ましい。
本発明の共重合体の重量平均分子量は10,000〜2,000,000が好ましい。重量平均分子量を10,000以上とすることにより、アニオン性界面活性剤とのコンプレックスが毛髪や肌に付着することによるコンディショニング効果がより高まる。より好ましくは100,000以上であり、更に好ましくは200,000以上である。2,000,000以下とすることにより、粘度を適度に保つことができ、配合性が高まり、製造上取り扱いもより容易になる。共重合体の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(例えば、展開溶媒として、水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウムを用いる)により測定することができる。より好ましくは1,000,000以下であり、更に好ましくは700,000以下である。
言い換えれば、溶液粘度は適度な範囲であることが好ましく、例えば、共重合体の20重量%水溶液が作成できる程度であることが好ましい。より好ましくは25℃における20重量%水溶液の粘度が100,000mPa・s以下であり、より好ましくは50,000mPa・s以下であり、更に好ましくは20,000mPa・s以下であり、最も好ましくは5,000mPa・s以下である。但し、通常10mPa・s以上である。高濃度にした方が輸送が容易なためである。
粘度の調整は、例えば、共重合体の重合度を制御することによって行うことができる。また多官能アクリレートなどの架橋剤の添加量を増減することによっても分子量及び粘度が制御できる。但し架橋剤は少しでも添加しすぎると分子量及び粘度が急激に増大してしまうなど、工業的に製造するうえでは制御が困難な面がある。分子量及び粘度が大きくなりすぎると、前述のように配合性が低下することがあり好ましくない。このため架橋剤の添加量は、重合に際して分子量が増大しない範囲の量とするのが好ましい。例えば、共重合体の量に対して0.1重量%以下であり、より好ましくは0.01重量%以下である。最も好ましくは共重合体の重合の際に架橋剤を用いず、共重合体の構成成分として架橋剤を含まないことである。
[カチオン性単量体の割合の異なる複数種の共重合体の併用]
本発明の洗浄剤組成物の好ましい態様の一つは、共重合体として少なくとも共重合体(C1)及び共重合体(C2)を含有してなり、共重合体(C2)を構成する全構成単位におけるカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合が、共重合体(C1)を構成する全構成単位におけるカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合より大きい洗浄剤組成物である。
即ち、共重合体(C1)及び(C2)はそれぞれ、カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位と特定構造のビニル系単量体に相当する構成単位とを含み、共重合体(C2)を構成する全構成単位における前記カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位の割合が、共重合体(C1)を構成する全構成単位における前記カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位の割合より大きい。本態様によれば、洗浄剤組成物の、肌や毛髪、特に未処理毛のみならずダメージ毛に対しても、すすぎ時の指通りのよさ、なめらかさ、乾燥後のサラサラ感、柔軟性といった効果がより高まる利点がある。
カチオン度の異なる共重合体を併用することで、より効果が高まる理由は必ずしも明らかではないが、カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位の多い共重合体(C2)はカチオン度が高く、界面活性剤とのコンプレックスを毛髪等に付着しやすくさせる効果が高く、一方、カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位の少ない共重合体(C1)はカチオン度が比較的低めで、コンプレックスが付着した毛髪等の感触を向上させる効果が高く、併用すると両者の特長が出やすいのではないかと考えられる。
共重合体(C2)を構成する全構成単位におけるカチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位の割合は、共重合体(C1)を構成する全構成単位における前記カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位の割合より大きい。これにより共重合体がカチオン性基を十分な量含有するので、界面活性剤成分とのコンプレックスを形成しやすくなり、毛髪への吸着量が増す。好ましくはその割合が27モル%以上であり、より好ましくは30モル%以上である。但し、その割合は45モル%以下である。
共重合体(C1)を構成する全構成単位におけるカチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位の割合は、42モル%以下が好ましい。これにより界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり、均一な溶液がより得やすくなる。より好ましくは38モル%以下であり、更に好ましくは35モル%以下である。但し、その割合は25モル%以上である。
共重合体(C1)と(C2)のカチオン性ビニル系単量体割合の差は、通常、1モル%以上あればよいが、好ましくは3モル%以上である。但し通常、20モル%以下である。
また、共重合体(C1)及び(C2)のいずれにおいても、上記カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位を除く共重合体の構成単位中において一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位の割合は30〜100モル%であることが好ましい。30モル%以上とすることで、十分な水溶性が得られやすく界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり、均一な溶液がより得やすくなる。かつ、濯ぎ時のなめらかさや乾燥後のサラサラ感などをより効果的に保ちやすくなる。より好ましくは50〜100モル%であり、更に好ましくは70〜100モル%である。
なお、共重合体(C1)と共重合体(C2)とで使用するビニル系単量体は同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
洗浄剤組成物中、共重合体(C1)と(C2)の使用比率は、共重合体(C1)と(C2)の使用重量部の和に対する共重合体(C1)の使用重量部比率{(C1)/((C1)+(C2)) ×100}で表すと、好ましくは1〜99重量%である。共重合体(C1)の特徴である毛髪等に付着したものの感触を向上する効果を十分に得るには1重量%以上であることが好ましい。より好ましくは20重量%以上であり、更に好ましくは40重量%以上である。最も好ましくは50重量%より大きいことである。
また、共重合体(C2)の特徴である毛髪等に吸着する効果を十分に得るには99重量%以下であることが好ましい。より好ましくは95重量%以下であり、更に好ましくは85重量%以下であり、最も好ましくは75重量%以下である。
[カチオン性単量体の種類の異なる複数種の共重合体の併用]
本発明の洗浄剤組成物の他の好ましい態様の一つは、共重合体として少なくとも共重合体(C3)及び共重合体(C4)を含有してなり、共重合体(C3)は、一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位と、一般式(4)においてcが1である単量体(A1)に相当する構成単位とを含む共重合体であり、共重合体(C4)は、一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位と、一般式(4)においてcが0である単量体(A2)に相当する構成単位とを含む共重合体である洗浄剤組成物である。
即ち本発明の洗浄剤組成物は、アミド結合又は水酸基を含有する特定構造のビニル系単量体及びエステル結合を含有する特定構造のビニル系単量体に相当する構成単位を含む共重合体(C3)と、アミド結合又は水酸基を含有する特定構造のビニル系単量体及びアミド結合を含有する特定構造のビニル系単量体に相当する構成単位を含む共重合体(C4)とを含有する。本態様によれば、洗浄剤組成物の、肌や毛髪、特に未処理毛のみならずダメージ毛に対しても、すすぎ時の指通りのよさ、なめらかさ、乾燥後のサラサラ感、柔軟性といった効果がより高まる利点がある。
2種類の異なる共重合体を併用することで、より効果が高まる理由は必ずしも明らかではないが、共重合体(C4)はアミド結合を有することから肌や毛髪表面との水素結合作用によって上記コンプレックスを肌や毛髪により吸着させやすくなる効果があり、共重合体(C3)はエステル結合を有することからコンプレックスが毛髪に付着した後の状態が疎水的になりやすく健常毛に近い状態となることから毛髪等の感触を向上させる効果が高くなり、従って共重合体(C3)と(C4)の併用で両者の特長が出るのではないかと考えられる。
共重合体(C3)を構成する全構成単位における一般式(4)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位の割合は、好ましくは27モル%以上である。共重合体がカチオン性基を比較的多く含有するので界面活性剤成分とのコンプレックスを形成しやすくなり、毛髪への吸着量が増し、例えば乾燥後のサラサラ感等の効果が高まる。但しその割合は、好ましくは42モル%以下であり、特に好ましくは38モル%以下である。界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり、均一な溶液がより得やすくなる。
共重合体(C4)を構成する全構成単位における一般式(4)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位の割合も、共重合体(C3)と同様である。
また、共重合体(C3)及び(C4)のいずれにおいても、上記カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位を除く共重合体の構成単位中において一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位の割合は30〜100モル%であることが好ましい。30モル%以上とすることで、十分な水溶性が得られやすく界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり、均一な溶液がより得やすくなる。かつ、濯ぎ時のなめらかさや乾燥後のサラサラ感などをより効果的に保ちやすくなる。より好ましくは50〜100モル%であり、更に好ましくは70〜100モル%である。
なお、共重合体(C3)と共重合体(C4)とで、一般式(3)で表されるビニル系単量体以外に使用するビニル系単量体は同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
洗浄剤組成物中、共重合体(C3)と(C4)の使用比率は、共重合体(C3)と(C4)の使用重量部の和に対する共重合体(C3)の使用重量部比率{(C3)/((C3)+(C4)) ×100}で表すと、好ましくは1〜99重量%である。共重合体(C3)の特徴である毛髪等を疎水的にし感触を向上する効果を十分に得るには1重量%以上であることが好ましい。より好ましくは20重量%以上であり、更に好ましくは40重量%以上である。
また、共重合体(C4)の特徴である毛髪等に吸着する効果を十分に得るには99重量%以下であることが好ましい。より好ましくは90重量%以下であり、更に好ましくは80重量%以下である。
2)アニオン性界面活性剤(D)
本発明の洗浄剤組成物は、カルボキシル基及び/又はリン酸基を1以上含む化合物又はその塩であるアニオン性界面活性剤(以下、アニオン性界面活性剤(D)と称する。)を含む。 アニオン性界面活性剤(D)を含むことで、被洗浄体の油分を過剰に奪い取らずやさしくマイルドに洗うことが出来、すすぎ時になめらかで、コンディショニング効果を有する洗浄剤組成物を得ることが出来る。
アニオン性界面活性剤(D)としては、特に限定されないが、例えばアシルザルコシン、アシルアラニン、アシルメチル−β−アラニン、及びこれらの塩等のN−アシルアミノ酸類;脂肪族カルボン酸、アルキルエーテルカルボン酸、及びこれらの塩等のカルボン酸類;モノ又はジアルキルリン酸エステル、モノ又はジアルキルエーテルリン酸エステル、モノ又はジアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、及びこれらの塩等のリン酸類;アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸、及びそれらの塩等のスルホコハク酸類、等が挙げられる。また、アニオン性界面活性剤(D)は、カルボキシル基又はリン酸基をそれぞれ2以上含む化合物でもよく、またカルボキシル基とリン酸基の両方を含む化合物でもよい。或いはこれらの塩であってもよい。例えばアシルグルタミン酸又はその塩などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤(D)が塩である場合、塩を形成する対イオンとしては特に限定されないが、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。
アニオン性界面活性剤(D)は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アニオン性界面活性剤(D)は、十分な水溶性(水への溶解度)を有することが望ましい。なお、本発明において水溶性がある、即ち水に溶解するとは、物質を水に分散させたとき可視光線の透過率が95%以上となることを言う。また十分な水溶性を有するとは、一般的な洗浄剤組成物のpH(pH5〜11)の範囲のいずれかで、25℃における水への溶解度が1g/100g水以上であることを示す。このとき、pH5〜11の範囲全てに亘って水への溶解度が1g/100g水以上である必要はなく、pH5〜11の一部の範囲において水への溶解度が1g/100g水以上であればよい。水への溶解度が1g/100g水以上であると均一透明な洗浄剤組成物を得やすく、また洗浄剤組成物の安定性を向上させることができる。よってアニオン性界面活性剤(D)としては、N−アシルアミノ酸類、カルボン酸類、モノ又はジアルキルリン酸エステル及びその塩以外のリン酸類、スルホコハク酸類等が、水溶性が高く好ましい。
なかでも、アニオン性界面活性剤(D)としては、下記一般式(3)で表される化合物又はその塩が好ましく用いられる。
R−A−X (3)
(式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基、又はアルキルフェニル基を表し、Aはオキシアルキレン基又はアミド結合を含む2価の連結基を表し、Xはカルボキシル基又はリン酸基を表す。)
一般式(3)で表される化合物又はその塩と、前記共重合体とを含有する洗浄剤組成物は、被洗浄体の油分を過剰に奪い取らずマイルドに洗うことができるうえ、毛先などダメージ度の高い部分のすすぎ時のなめらかさを向上させ、コンディショニング効果により優れたものとなる。
一般式(3)で表される化合物又はその塩であるアニオン性界面活性剤(D)としては、例えばアシルザルコシン、アシルアラニン、アシルメチル−β−アラニン、アシルグルタミン酸、及びこれらの塩等のN−アシルアミノ酸類、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、モノ又はジアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、モノ又はジアルキルフェニルエーテルリン酸エステル及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸及びその塩等が挙げられる。
Rとして用いうる直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基としては、例えばラウリル基、ココイル基、セチル基、ミリスチル基、ステアリル基、ベヘニル基、2−エチルヘキシル基、2−オクチルドデカニル基等が挙げられる。好ましくは炭素数10以上であり、より好ましくは炭素数12以上である。また好ましくは炭素数18以下であり、より好ましくは炭素数16以下である。直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルケニル基としては、例えばオレイル基等が挙げられる。好ましくは炭素数12以上であり、また好ましくは炭素数20以下である。アルキルフェニル基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基を持つフェニル基が用いられ、例えばオクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ラウリルフェニル基、セチルフェニル基、ステアリルフェニル基等が挙げられる。好ましくはアルキル基の炭素数が18以下であり、より好ましくは炭素数16以下であり、更に好ましくは炭素数14以下である。
なかでも、Rとして好ましくは、炭素数8〜24のアルキル基、オレイル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ラウリルフェニル基、より好ましくは炭素数8〜24のアルキル基、オレイル基、ノニルフェニル基、更に好ましくは炭素数10〜18のアルキル基、オレイル基、ノニルフェニル基、特に好ましくは炭素数12〜16のアルキル基、オレイル基、ノニルフェニル基である。
また、Aはオキシアルキレン基又はアミド結合を含む2価の連結基を表し、両方を含んでもよい。好ましくは少なくとも1つのオキシアルキレン基を含む連結基である。このような化合物としては、例えばアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、モノ又はジアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸又はその塩等が挙げられる。Aがオキシアルキレン基を含む連結基である場合、含まれるオキシアルキレン基の数は少なくとも1あればよいが、好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、特に好ましくは4以上である。また通常、オキシアルキレン基の数は30以下、好ましくは20以下である。オキシアルキレン基の数は大きいほどすすぎ時のなめらかさが向上し、一方、小さいほど気泡性や洗浄性が向上する。オキシアルキレン基が含むアルキレン基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは2又は3、より好ましくは2である。
また、アニオン性界面活性剤(D)は、強酸基を含まないことが好ましい。強酸基を持たないアニオン性界面活性剤(D)を含む洗浄剤組成物は、強酸基を有するアニオン性界面活性剤(D)に比べてすすぎ時のなめらかさが長く持続し、好ましい。また、洗浄剤組成物にはすすぎ性能を向上させるために更に両性界面活性剤を配合する場合が多いが、強酸基を持たないアニオン性界面活性剤(D)は両性界面活性剤との併用効果が高く、両性界面活性剤を少量使用するだけでもすすぎ性能が向上し、好ましい。強酸基とは、例えばスルホン酸基、硫酸基である。従ってアニオン性界面活性剤(D)として特に好ましいのは、N−アシルアミノ酸類、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、モノ又はジアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩である。
以上より、アニオン性界面活性剤(D)として最も好ましいものは、一般式(3)で表される化合物又はその塩であり、一般式(3)中のAが少なくとも1つのオキシアルキレン基を含み、かつ強酸基を含まないものであり、例えばアルキルエーテルカルボン酸、及びこれらの塩等のカルボン酸類;モノ又はジアルキルエーテルリン酸エステル、モノ又はジアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、及びこれらの塩等のリン酸類が挙げられる。アニオン性界面活性剤(D)としてこれらを使用することで、特にすすぎ時のなめらかさが非常に長く持続するという効果が得られる。さらに、両性界面活性剤の使用量を少量としても、すすぎ時のなめらかさの持続効果が高いなど、処方に制限が少なく、処方の自由度が増し、好ましい。また、これらは、洗浄剤組成物の粘度を低下させにくいため、適切な粘度を有する洗浄剤組成物を得やすいという利点もある。
また一般的に、アニオン性界面活性剤(D)のうちリン酸類は着色しており、カルボン酸類は無色であることから、色調を重視する等、目的によってはカルボン酸類が好ましく用いられる。
毛髪用の洗浄剤組成物に配合される界面活性剤の役割には、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のサラサラ感、乾燥後のゴワツキの無さ、などを付与することが挙げられるが、なかでも最も重要なのは、すすぎ時のなめらかさである。なぜならば洗浄剤組成物で処理した後に、リンスやコンディショナー或いは洗い流さないタイプのアウトバストリートメント剤などで処理を行う事で乾燥後の感触を高めることができるのに対し、すすぎ時のなめらかさは他の方法で補うことができないからである。またマイルド性は毛髪用洗浄剤組成物の必須性能であり、他の成分を配合しても完全に改善することが困難なため、重要である。従って、毛髪用洗浄剤組成物に配合される界面活性剤としてはマイルド性及びすすぎ時のなめらかさに優れるものが最も好ましい。
また、ボディーソープなど身体用の洗浄剤組成物に配合される界面活性剤の役割には、洗浄力を有しながらも低刺激、身体から過剰に油分を奪い取らない、乾燥後ツッパリ感がない、適度な保湿性を付与する、などが挙げられるが、中でも重要なのは身体から過剰に油分を奪い取らないことである。これは、身体に適度な油分を残すことで洗浄剤組成物で処理した後の乾燥後のツッパリ感や身体からの過剰な水分の蒸散が抑制されるためである。さらに好ましくは身体洗浄時、コンディショニング成分が身体表面を被覆し、乾燥後のツッパリ感や身体からの過剰な水分の蒸散をさらに抑制することである。したがって、身体用洗浄剤組成物に配合される界面活性剤としては、身体をマイルドに洗い上げ、かつ、身体洗浄時、コンディショニング成分が身体表面を被覆することですすぎ時のなめらかさにも優れるものが望ましい。
3)洗浄剤組成物
本発明の洗浄剤組成物は、少なくとも1種類の上記の共重合体と、少なくとも1種類の上記アニオン性界面活性剤(D)を処方系内に所要量配合することにより調製することができる。
本発明の洗浄剤組成物における共重合体の含有量は好ましくは0.01〜5重量%とする。共重合体の含有量を0.01重量%以上とすることで、アニオン性界面活性剤(D)とのコンプレックスが生成しやすくなり、コンディショニング効果がより発現でき、例えばすすぎ時のなめらかさや乾燥後のサラサラ感がより高まる。より好ましくは0.05重量%以上、更に好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは0.2重量%以上、最も好ましくは0.4重量%以上である。逆に洗浄剤組成物中の共重合体の濃度を5重量%以下とすることで、乾燥後の違和感が少なくなる傾向にある。より好ましくは3重量%以下であり、更に好ましくは1重量%以下である。
また本発明の洗浄剤組成物におけるアニオン性界面活性剤(D)の含有量は好ましくは0.1〜40重量%である。アニオン性界面活性剤(D)の含有量を0.1重量%以上とすることにより、すすぎ時の滑らかさが良好な洗浄剤組成物を得ることが出来る。より好ましくは0.3重量%以上であり、更に好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、特に好ましくは2重量%以上である。また、40重量%以下とすることにより、粘度を適度に保つことができ、より扱い易くなる。より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下である。
[他の界面活性剤]
本発明の洗浄剤組成物は上記アニオン性界面活性剤(D)以外の他の界面活性剤を併用してもよい。併用しうる界面活性剤としては特に限定されずいずれも用いることができ、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、半極性界面活性剤などが挙げられる。身体用又は毛髪用洗浄剤組成物の場合は、化粧品上許容されうる界面活性剤であれば使用しうる。
アニオン性界面活性剤としては、上記アニオン性界面活性剤(D)以外のアニオン性界面活性剤であればよく、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アシル化タウレート、アシル化イセチオン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルケニルアミドスルホン酸塩、アルキルスルホアセテート、アルケニルスルホアセテート、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシアルキレン脂肪族アミドエーテル硫酸塩、モノグリセライド硫酸エステル塩、アルキルグリセリルエーテル硫酸塩、N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル等が挙げられ、中でもアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩が泡立ち、洗浄性及び汎用性の点から好ましく用いられる。
上記界面活性剤が塩である場合、塩を形成する対イオンとしては特に限定されないが、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。
これらアニオン性界面活性剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記アニオン性界面活性剤(D)とこれらアニオン性界面活性剤を併用する場合、洗浄剤組成物における両者の合計量が0.1〜40重量%であることが好ましい。アニオン性界面活性剤(D)以外のアニオン性界面活性剤を併用することにより、良好な洗浄力を有する洗浄剤組成物を得ることが出来る。より好ましくは合計量が0.3重量%以上であり、更に好ましくは0.5重量%以上、特に好ましくは1重量%以上である。また、合計量を40重量%以下とすることにより、粘度を適度に保つことができ、より扱い易くなる。より好ましくは合計量が30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下である。
但し、アニオン性界面活性剤の合計量を100重量%としたときアニオン性界面活性剤(D)の含有量が5重量%以上であるものとする。これにより、すすぎ時の滑らかさが良好な洗浄剤組成物を得ることが出来る。好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上である。アニオン性界面活性剤(D)の割合が100重量%であってもよい。但しアニオン性界面活性剤(D)の割合を下げることがコスト面においては有利である。
両性界面活性剤としては、例えば、アミドアミノ酸型界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤、あるいはアミドスルフォベタイン型両性界面活性剤、あるいはベタイン型両性界面活性剤、あるいはスルフォベタイン型両性界面活性剤、あるいはホスホベタイン型両性界面活性剤、あるいはカルボベタイン型両性界面活性剤、あるいはアミノ酸型両性界面活性剤、あるいはリン酸エステル型両性界面活性剤、あるいはイミダゾリニウム型両性界面活性剤などが挙げられる。このような両性界面活性剤は一般に市販されており、そのまま使用することができる。なかでも長鎖アルキルアミドプロピルベタインが、泡立ち及び洗浄性の点から好ましく用いられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリンエステル、脂肪酸グリコールエステル、アルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤、脂肪酸モノエタノールアミド又はジエタノールアミド又はそれらのエトキシレート、モノグリセライドのエトキシレート、脂肪酸ショ糖エステル、ポリオキシアルキレンラノリン又はラノリンアルコール又はミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンステロール又は水素添加ステロール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸又はリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシアルキレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリアルキレンイミン誘導体等が挙げられる。このようなノニオン性界面活性剤は一般に市販されており、そのまま使用することができる。なかでも脂肪酸モノエタノールアミド又はジエタノールアミド又はそれらのエトキシレート、ポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリンエステルが、泡立ち及び粘度調整剤となりうる等の点から好ましく用いられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミン又はその塩、アルコキシジメチルアミン又はその塩、アルキルアミドメチルアミン及びその塩等が挙げられる。中でもステアリルトリメチルアンモニウムクロライドが、泡立ち及び粘度調整剤となりうる等の点から好ましく用いられる。
半極性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミンオキサイド又はアルキルアミドアミンオキサイド等の第三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤等が挙げられる。中でもラウリルジメチルアミンオキシドが、泡立ち及び粘度調整剤となりうる等の点から好ましく用いられる。
これら界面活性剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
必要に応じて、これら両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び半極性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の界面活性剤を、洗浄剤組成物中に含有していてもよい。含有量は、通常、合計で0〜10重量%である。両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び半極性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の界面活性剤を用いることにより、良好なすすぎ時の滑らかさを有し、キメの細かい泡を生成する洗浄剤組成物を得ることができる。より好ましくは2重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上である。逆に10重量%以下にすることにより気泡性が向上する。好ましくは9重量%以下、よりに好ましくは8重量%以下、さらに好ましくは7重量%以下である。
本発明の洗浄剤組成物は、特に限定はされないが、乾燥後、被洗浄体表面を保護でき、被洗浄体の油分を過剰に奪い取らずやさしくマイルドに洗うことができることから毛髪用もしくは身体用に特に好適であり、最も好適には毛髪用である。
[その他の成分]
本発明の洗浄剤組成物中には必要に応じ他の成分を配合してもよい。他の成分は特に限定されず、本発明の目的、効果を著しく阻害しない範囲で配合することが可能である。具体的には、本発明の共重合体以外の水溶性高分子、カチオン性高分子、アニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子、油分、パール化剤等である。洗浄剤組成物中に配合することのできる他の任意成分を下記に例示する。
水溶性高分子としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。中でもヒドロキシプロピルメチルセルロースは配合性の点で好ましく用いられる。
カチオン性高分子としては、カチオン変性セルロースエーテル誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合体、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウムハライド、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールネタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムハライド/アクリルアミド共重合体等のカチオン性高分子等が挙げられる。中でもカチオン変性セルロースエーテル誘導体、ポリジメチルジアリルアンモニウムハライド、ジメチルジアリルアンモニウムハライド/アクリルアミド共重合体等がコンディショニング効果が高い点で好ましく用いられる。
アニオン性高分子としては、ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸−アクリルアミド−アクリル酸エチル共重合体及びその塩等のアクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体、クロトン酸誘導体等が挙げられる。ノニオン性高分子としては、アクリル酸ヒドロキシエチル−アクリル酸メトキシエチル共重合体、ポリアクリルアミド等のアクリル酸誘導体、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン、酢酸ビニル共重合体等のビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。
両性高分子としては、アクリルアミド−アクリル酸−塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸−塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体等が挙げられる。これらは、0.1〜5重量%含有させることが好ましい。
油分としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、弗素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル等の弗素油、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、脂肪酸アルキルエステル、多塩基酸エステル、アルキルグリセリルエーテルとその脂肪酸エステルなどのエステル油、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸、オリーブ油等のグリセリド類、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリドデシル等のエステル類、イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル等が挙げられる。油分は、0.1〜3重量%含有させることが好ましい。
中でも高級アルコールは、配合すると適度な粘度を有し、キメの細かい泡を生成する洗浄剤組成物を得られる。高級アルコールとしては通常、炭素数8以上のアルコールを指すが、炭素数8〜22のアルコールを使用するのが好ましく、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール等が挙げられ、なかでもミリスチルアルコール、セチルアルコール又はステアリルアルコール、さらに好ましくはセタノールを使用することがより好ましい。高級アルコールの含有量は0〜3重量%、より好ましくは0.1〜2重量%、さらに好ましくは0.3〜1重量%である。3重量%以上配合すると粘度を適度に保てなくなり、また洗浄剤組成物の透明性、低温保管安定性が悪化する。好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。
またシリコーン油は、配合することで、乾燥後のサラサラ感が向上する。シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、弗素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられ、中でもジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーンを使用することがより好ましい。シリコーン油の含有量は0〜4重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.3〜2重量%である。4重量%以上配合すると過剰に毛髪に吸着し、乾燥後、油分特有のベタツキを生じる。好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。
パール化剤として、エチレングリコールモノアルキルエステル又はエチレングリコールジアルキルエステル、酸化チタン等が挙げられる。なかでもジステアリン酸エチレングリコールが外観、分散安定性等の点で好ましく用いられる。パール化剤は、0.1〜3重量%、さらに好ましくは1〜2%重量%含有させることが好ましい。
その他の成分として、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の可溶化剤、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヒアルロン酸等の保湿剤、起泡増進剤、動植物の天然エキス及びその誘導体、貝殻、真珠、シルクなどから得られるタンパク質及びその加水分解物、クエン酸、乳酸等有機酸、リン酸、塩酸、硫酸等の無機酸、クエン酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム等の無機塩類、増粘剤、香料、防腐剤、キレート剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、高級脂肪酸、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、染料、顔料等の色剤、ポリスチレン乳化物等の懸濁剤、機能性カプセルやビーズ等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。
以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例により限定されるものではない。
<分析及び評価方法>
(1)共重合体の重量平均分子量の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(装置:東ソー株式会社製、SC8010,SD8022,RI8020,CO8011,PS8010、カラム:和光純薬工業株式会社 Wakopak(Wakobeads G−50)、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41)を用いて、ポリエチレングリコールを標準物質として重量平均分子量を求めた。
(2)共重合体の20%水溶液の粘度測定
粘度の測定は、B型粘度計を用い、ローターNo.2を使用して30rpm、25℃で実施した。
(3)界面活性剤の水溶性評価
25℃において、クエン酸又は水酸化ナトリウムを使用して水のpHを5〜11の範囲で調整し、各界面活性剤の25℃における水への溶解度を測定し、水溶性を以下のとおり評価した。ただし、所定量の試料を水100gに分散させたとき可視光線の透過率が95%以上となる場合を、水に溶解した状態であるとする。また、pH5〜11の全ての範囲で水への溶解度が1g/100g水以上である必要はなく、pH5〜11のうちの特定範囲で水への溶解度が1g/100g水以上であればよい。
○: 界面活性剤の溶解度が1g/100g水以上
×: 界面活性剤の溶解度が1g/100g水未満
(4)洗浄剤組成物の評価
各洗浄剤組成物について、下記の通り各項目をそれぞれ評価した。なお、シャンプーの評価の際に使用した毛束は、「人毛黒髪(100%)根本揃え(未処理毛 10g×30cm)」としてビューラックス社より購入し、ブリーチ処理したものを「ダメージ毛」として使用した。ダメージ毛作成は、ブリーチ剤としてはミルボン社製プロマティスブレーブオキシタン6.0(過酸化水素6%クリーム)、メロス化学社製パウダーブリーチMR2を使用し、それぞれ12g、6gを混合したものを毛束1本に塗布し、塗布後30分放置したのち、水洗及びラウロイル(EO)3硫酸ナトリウム(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)を塗布して洗浄することにより行った。
なお、シャンプーには、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のサラサラ感、乾燥後のゴワツキの無さなどが求められるが、なかでも重要なのはすすぎ時のなめらかさである。洗浄後にリンスやコンディショナー或いは洗い流さないタイプのアウトバストリートメント剤などで処理を行う事で乾燥後の感触を高めることができるのに対し、すすぎ時のなめらかさは他の方法で補うことができないからである。またマイルド性は毛髪用洗浄剤組成物の必須性能であり、他の成分を配合しても完全に改善することが困難なため、重要である。従って、シャンプーとしては、マイルド性、すすぎ時のなめらかさ及びその持続性の評価結果が最も重要である。
また、ボディーソープには、洗浄力を有しながらも低刺激、身体から過剰に油分を奪い取らない、乾燥後ツッパリ感がない、適度な保湿性を付与するなどが求められるが、中でも重要なのは身体から過剰に油分を奪い取らないことである。身体に適度な油分を残すことで洗浄後の乾燥後のツッパリ感や身体からの過剰な水分の蒸散が抑制されるためである。さらに好ましくは身体洗浄時、コンディショニング成分が身体表面を被覆しなめらかさを付与し、乾燥後のツッパリ感や身体からの過剰な水分の蒸散をさらに抑制することである。従って、ボディーソープとしては、マイルド性、すすぎ時のなめらかさ及びその持続性の評価結果が最も重要である。
[配合性]
各洗浄剤組成物の透明性を目視にて観察し、配合性を以下のように3段階で評価した。ただし、シリコーン油を含有するシャンプーについては、シリコーン油添加前の配合性を評価した。
○ : ほぼ透明なシャンプー/ボディーソープが得られる
▲ : 透明性は低いが、均一なシャンプー/ボディーソープが得られる
× : 白濁又は析出が生じ、均一なシャンプー/ボディーソープが得られない
[マイルド性]
各洗浄剤組成物のマイルド性を官能評価にて以下のように2段階で評価した。
○ : 肌への刺激がない
× : 肌への刺激がある
[すすぎ時のなめらかさ]
毛束に各シャンプーを塗布し十分に泡立て、40℃の流水中で10秒間毛束をすすいだときの指通りを官能評価し、すすぎ時のなめらかさを以下のように5段階で評価した。
5 : 指通りが非常に良好
4 : 指通りが良好
3 : 抵抗を感じるが指は通る
2 : 指は通るが、毛先で引っかかる
1 : 指が全く通らない
[すすぎ時のなめらかさの持続性]
「すすぎ時のなめらかさ」の評価後、40℃の流水中でのすすぎを続け、なめらかさがなくなるまでの時間を官能評価し、すすぎ時のなめらかさの持続性を以下のように5段階で評価した。
5 : 滑らかさが長く持続する
4 : 滑らかさが持続する
3 : 滑らかさが短時間であるが続く
2 : 滑らかさが非常に短時間で消える
1 : 滑らかさを感じない
[乾燥後の仕上がり]
毛束に各シャンプーを塗布し十分に泡立て、40℃の流水中で毛束をすすいだ後、23℃で一昼夜自然乾燥した毛束にて、なめらかさ及びさらさら感を官能評価にて5段階で評価した。
5 : 非常になめらかで、さらさらしている
4 : なめらかで、さらさらしている
3 : なめらかさは不足しているが、さらさらしている
2 : なめらかさもさらさら感も感じない
1 : ごわつきを感じる
<単量体等の略称>
DMC : N−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
DMAPAAC : N−アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
HEA : ヒドロキシエチルアクリレート
HEMA : ヒドロキシエチルメタクリレート
DMAA : N,N−ジメチルアクリルアミド
DEAA : N,N−ジエチルアクリルアミド
JR400 : カチオン化ヒドロキシエチルセルロース(UCC社製)
[共重合体1〜10の製造例]
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器に蒸留水200重量部を仕込み、滴下ロートにN−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(DMC)43重量部(80重量%水溶液として54重量部)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)57重量部、及び蒸留水80重量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち90℃まで加熱した。反応器に、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)0.5重量部を投入後、単量体混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後から20時間反応させたのち冷却し、共重合体1を得た。
得られた共重合体の、全構成単位中の各単量体に相当する構成単位の割合は、DMC/HEA=30/70(モル百分率)であり、重量平均分子量は230,000であった。
表1(共重合体2〜10)に記載の単量体組成を用いたこと以外は、共重合体1の製造と同様にして共重合体2〜10を製造した。得られた共重合体の、全構成単位中の各単量体に相当する構成単位の割合と重量平均分子量、20%水溶液粘度を表1に示した。
Figure 0005050534
[アニオン性界面活性剤の評価]
表2に、本実施例において使用したアニオン性界面活性剤のエチレンオキサイド(EO)付加モル数及び水溶性評価結果を示した。
Figure 0005050534
[実施例1、5〜7、比較例1〜5、参考例1〜3
上記製造例で得られた共重合体4と、アニオン性界面活性剤1種とを用いて表3の組成を有する洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)で表した。残部は水である。また、防腐剤/香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
得られたシャンプーを用いて、配合性及びマイルド性を評価した。また、ダメージ毛に対するすすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の仕上がりをそれぞれ評価した。結果を表3に示す。
この結果から、本発明に関わる洗浄剤組成物は、ダメージ毛に対するすすぎ時のなめらかさが非常に良好で、かつ乾燥後の仕上がりも良好であることが分かる。また配合性に優れ、肌に対する刺激が非常に弱く、マイルドであることが分かる。
Figure 0005050534
[実施例11、15〜17、比較例6、参考例4〜9
上記製造例で得られた共重合体4と、アニオン性界面活性剤2種とを用いて表4の組成を有する洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)で表した。残部は水である。また、防腐剤/香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
得られたシャンプーを用いて、配合性及びマイルド性を評価した。また、ダメージ毛に対するすすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の仕上がりをそれぞれ評価した。結果を表4に示す。
実施例8及び9は、すすぎ時のなめらかさや乾燥後の仕上がりは比較例6と同等であるが、マイルド性が高い点で評価できる。またマイルド性は毛髪用洗浄剤組成物の必須性能であり、他の成分を配合しても完全に改善することが困難なため、マイルド性が高いと洗浄剤組成物として特に有用である。
この結果から、本発明に関わる洗浄剤組成物は、アニオン性界面活性剤(D)と他のアニオン性界面活性剤を併用した場合にも十分な効果があり、ダメージ毛に対するすすぎ時のなめらかさ、乾燥後の仕上がりともに良好であることが分かる。また肌に対する刺激が非常に弱く、マイルドであることが分かる。
Figure 0005050534
[実施例18〜23、比較例7〜9]
上記製造例で得られた共重合体1、3〜10及びJR400と、アニオン性界面活性剤2種とを用いて表5の組成を有する洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)で表した。残部は水である。また、防腐剤/香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
得られたシャンプーを用いて、配合性及びマイルド性を評価した。また、ダメージ毛に対するすすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の仕上がりをそれぞれ評価した。結果を表5に示す。
共重合体9を使用した比較例7は、カチオン性基の密度が小さく、アニオン性界面活性剤と十分なコンプレックスを形成できず、洗髪時のすすぎ時になめらかさを発現しなかった。共重合体10を使用した比較例8は、カチオン性基の密度が非常に高く配合性が不良、またアニオン性界面活性剤とのコンプレックスが強すぎるために乾燥後、ゴワツキが生じ乾燥後の仕上がりが不良となった。カチオン化ヒドロキシセルロース(JR400)を使用した比較例9ではすすぎ時のなめらかさが持続せず、また乾燥後のサラサラ感が劣り、ゴワツキが感じられた。
この結果から、本発明に関わる特定の共重合体とアニオン性界面活性剤(D)とを組合せて用いる洗浄剤組成物は、ダメージ毛に対するすすぎ時のなめらかさが非常に良好で、かつ乾燥後の仕上がりも良好であることが分かる。また配合性に優れ、肌に対する刺激が非常に弱く、マイルドであることが分かる。
Figure 0005050534
[実施例24〜28]
上記製造例で得られた共重合体2、3及び7と、アニオン性界面活性剤2種とを用いて表6の組成を有する洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)で表した。残部は水である。また、防腐剤/香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
得られたシャンプーを用いて、配合性及びマイルド性を評価した。また、ダメージ毛に対するすすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の仕上がりをそれぞれ評価した。結果を表6に示す。
共重合体2及び3を併用した実施例27では、共重合体2又は3を単独で使用した場合よりもすすぎ時のなめらかさが向上した。共重合体2及び7を併用した実施例28では、共重合体2又は7を単独で使用した場合よりもすすぎ時のなめらかさ持続性及び乾燥後の仕上がりが向上した。
この結果から、本発明に関わる特定の共重合体2種を併用し、さらにアニオン性界面活性剤(D)を組合せて用いる洗浄剤組成物は、特定の共重合体を単独で用いる場合よりも、ダメージ毛に対するすすぎ時のなめらかさ及びその持続性、さらには乾燥後の仕上がりなどがより良好となることが分かる。また配合性についても向上することが分かる。
Figure 0005050534
[実施例29、33〜35、比較例10、参考例10〜12
上記製造例で得られた共重合体4と、アニオン性界面活性剤1種とを用いて表7の組成を有する洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)で表した。残部は水である。また、防腐剤/香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
得られたシャンプーを用いて、配合性及びマイルド性を評価した。また、ダメージ毛に対するすすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の仕上がりをそれぞれ評価した。結果を表7に示す。
本処方においては、強酸基を含むアニオン性界面活性剤(D)を使用した実施例29は、比較例10に比べてすすぎ時のなめらかさに優れるが、強酸基を含まないアニオン性界面活性剤(D)を使用した実施例30〜35は、すすぎ時のなめらかさやその持続性がより優れるという結果であった。
本発明においては、強酸基を含有しないアニオン性界面活性剤(D)を用いることで、より広い処方範囲で、すすぎ時のなめらかさが非常に良好となることが分かる。
Figure 0005050534

[実施例33]
下記に示す各成分を混合し、室温で攪拌することにより、洗浄剤組成物(ボディソープ)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)である。残部は水である。また、香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
・共重合体
共重合体2 0.2重量部
共重合体8 0.3重量部
・アニオン性界面活性剤(D)
ラウリン酸K 9.0重量部
POE(4.5)ラウリルエーテルカルボン酸Na 9.0重量部
・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 5.0重量部
・香料/色素 適量
・蒸留水 残部
得られたボディーソープを用いて、配合性及びマイルド性を評価したところ、結果はいずれも○であり良好であった。また、ボディーソープを手足に塗布、洗浄し官能評価を行ったところ、起泡性に優れクリーミーな泡を生じ、洗浄時及びすすぎ時のなめらかさが良好であった。また、乾燥後も突っ張り感がなく、ベタツキのない、しっとりした感触を示した。
この結果から、本発明に関わる洗浄剤組成物は、マイルド性、なめらかさ及びその持続性に優れ、ボディーソープとしても優れることが分かる。

Claims (7)

  1. カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位と、一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体(B)に相当する構成単位とを含む共重合体であって該共重合体を構成する全構成単位における前記カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合が25〜45モル%である共重合体と、
    一般式(3)で表される化合物又はその塩であるアニオン性界面活性剤(D)、とを
    含有してなることを特徴とする洗浄剤組成物。
    CH=C(R)−CO−NR (1)
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、RとRの炭素数の和は1以上4以下である。)
    CH=C(R)−CO(O)−(CH−(CHOH)−OH (2)
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
    R−A−X (3)
    (式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基、又はアルキルフェニル基を表し、Aは少なくとも1つのオキシアルキレン基を含む2価の連結基を表し、Xはカルボキシル基又はリン酸基を表す。)
  2. 前記アニオン性界面活性剤(D)が水溶性である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 前記アニオン性界面活性剤(D)が強酸基を含まない、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 前記洗浄剤組成物が、アニオン性界面活性剤(D)を0.1〜40重量%及び前記共重合体を0.01〜5重量%含有する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
  5. 前記洗浄剤組成物が、更に高級アルコールを含有する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
  6. 前記洗浄剤組成物が、更にシリコーン油を含有する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
  7. 毛髪用又は身体用の洗浄剤組成物である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
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