JP5050534B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
一般式(3)で表される化合物又はその塩であるアニオン性界面活性剤(D)、とを含有してなることを特徴とする洗浄剤組成物に関する。
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は1以上4以下である。)
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
また本発明は、前記アニオン性界面活性剤(D)が強酸基を含まない洗浄剤組成物に関する。
また本発明は、前記洗浄剤組成物が、アニオン性界面活性剤(D)を0.1〜40重量%及び前記共重合体を0.01〜5重量%含有する洗浄剤組成物に関する。
また本発明は、前記洗浄剤組成物が、更に高級アルコール及び/又はシリコーン油を含有する洗浄剤組成物に関する。
また本発明は、髪用又は皮膚用洗浄剤組成物に関する。
また、本発明の洗浄剤組成物は、特に、毛髪用、身体用に使用したときの被洗浄体のコンディショニング効果等に優れている。
本発明の洗浄剤組成物は、以下に詳述する共重合体の少なくとも1種類と、特定界面活性剤の少なくとも1種類とを処方系内に所要量配合することにより調製することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を適宜配合することができる。
本発明の共重合体は、カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位と、特定構造のビニル系単量体(B)に相当する構成単位とを含む。このとき、共重合体を構成する全構成単位における前記カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合は25〜45モル%とする。
本発明の共重合体は、通常、それぞれの構成単位に相当する構造のカチオン性ビニル系単量体(A)とビニル系単量体(B)とを、相当するモル分率で重合させることにより得られる。
なおビニル系単量体とはビニル重合しうる単量体である。カチオン性ビニル系単量体とは、カチオン性基を1以上有し、アニオン性基を有しないか又はカチオン性基の数より少ないアニオン性基を有するビニル系単量体である。
ビニル系単量体(B)としては、一般式(1)又は(2)で表されるものを用いる。一般式(1)と(2)で表されるものを併用してもよい。
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は1以上4以下である。)
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
一般式(2)で表されるビニル系単量体(B)としては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、1−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。なかでも単量体の水への溶解性、及び得られた共重合体の親水性が高いことから、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。
なお、ビニル系単量体(B)は1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
ビニル系単量体(B)は、通常、ノニオン性ビニル系単量体である。
カチオン性ビニル系単量体(A)としては、本発明の目的を達成しうる限り特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−N,N−ジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル系4級アンモニウム塩や、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリルエステル系4級アンモニウム塩や、N−メタクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリルアミド系4級アンモニウム塩、L−アルギニンとグリシジルメタクリレートの反応物等のアミノ酸系のカチオン種などが例示でき、この中でも、(メタ)アクリル系4級アンモニウム塩単量体がより好ましい。特に式(4)で表される(メタ)アクリル系4級アンモニウム塩単量体が好ましい。
(式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、R6及びR7はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R8は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、アリール基、アラルキル基又は−CH2−CH(OH)−CH2−N+R9R10R11・Y−を表し、R9〜R11はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、X−及びY−はそれぞれ独立して陰イオンを表し、cは0又は1を表し、dは1〜10の整数を表わす。)
カチオン性ビニル系単量体前駆体としては、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアミン等の三級アミンを有する(メタ)アクリル酸エステル類;N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチルアミン等の三級アミンを有する(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。
なお、カチオン性ビニル系単量体(A)またはその前駆体は、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
本発明の好ましい態様の一つは、カチオン性ビニル系単量体(A)として、前記一般式(4)においてcが1である単量体(A1)と、一般式(4)においてcが0である単量体(A2)を併用するものである。これにより、洗浄剤組成物に配合した際に、肌や毛髪、特に未処理毛のみならずダメージ毛に対しても、すすぎ時のなめらかさ、タオルドライ時の指通りのよさ、乾燥後のサラサラ感、ゴワツキ感の無さ、柔軟性といった効果がより高まる利点がある。
共重合体を構成する全構成単位におけるビニル系単量体(A1)に相当する構成単位の割合は、1モル%以上とする。これにより共重合体がカチオン性基を十分な量含有するので、界面活性剤成分とのコンプレックスを形成しやすくなり、毛髪への吸着量が増し、例えば乾燥後のサラサラ感等の効果が高まる。より好ましくは3モル%以上であり、更に好ましくは5モル%以上であり、最も好ましくは10モル%以上である。
共重合体を構成する全構成単位におけるビニル系単量体(A2)に相当する構成単位の割合は、1モル%以上とする。これにより共重合体がカチオン性基を十分な量含有するので、界面活性剤成分とのコンプレックスを形成しやすくなり、毛髪への吸着量が増し、例えば乾燥後のサラサラ感等の効果が高まる。より好ましくは3モル%以上であり、更に好ましくは5モル%以上であり、最も好ましくは10モル%以上である。
共重合体を構成する全構成単位におけるビニル系単量体(A1)及び(A2)に相当する構成単位の割合の合計は、25モル%〜45モル%とする。25モル%以上とすることで、共重合体がカチオン性基を十分な量含有するので、界面活性剤成分とのコンプレックスを形成しやすくなり、毛髪への吸着量が増し、例えば乾燥後のサラサラ感等の効果が高まる。一方、45モル%以下とすることで、界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり均一な溶液が得られやすくなる。
共重合体中には、更に他のビニル系単量体に由来する構造単位を含有させてもよい。但し、共重合体中にアニオン性の官能基が存在すると前述のアニオン性界面活性剤とのコンプレックス形成の障害となる場合があるので、アニオン性の官能基の少ないものが好ましく(例えば、全官能基の10%以下)、これを実質的に含まないものであれば更に好ましい。ここで、実質的に含まないとは、例えば、pH3〜8においてアニオン性を示さないものをいう。
共重合体中のカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位、水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(B)に相当する構成単位、及びその他ビニル系単量体に由来する構成単位の含有量は、水酸基やアミド結合部位のIR吸収や、水酸基やアミド結合部位、カチオン基に隣接するメチル基の1H−NMR、あるいはそれらの13C−NMR等により測定することができる。
本発明に係る共重合体は、例えば、それぞれの構成単位を与える単量体またはその前駆体を混合し、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法により共重合させた後、必要に応じてカチオン化反応を行うことにより製造することができる。
重合反応は親水性溶媒中で行うのが好ましい。親水性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール等のアルコール系溶媒、水等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。アルコール系溶媒または水を用いることが好ましい。
ランダム共重合体は、重合に用いる全モノマーを混合した状態に開始剤を添加して一度に反応させる方法や、モノマーの一部或いは全量を滴下しながら徐々に反応させる方法等により合成することができる。モノマー組成を変化させながら滴下して重合することも出来る。ブロック共重合体は、公知のラジカル開始剤又は触媒などを利用して合成することができる。グラフト共重合体は、ビニル系官能基を有するマクロマーを利用する方法や、反応性官能基を有するポリマー同士を反応させる方法等により合成することができる。
なお、本発明の共重合体を洗浄剤組成物に配合する際に、複数種の共重合体を併用することもできる。その場合には共重合体を別々に合成したのち混合し配合することもできる。或いは、まず1種の共重合体を製造し、その反応液中に他の種類の共重合体を構成するモノマー成分を添加して重合させることで、二種類の共重合体の混合物を得ることができる。同様にモノマー成分添加と重合を繰り返せば、更に多種類の共重合体の混合物を得る事もできる。本発明においては、簡便に製造しうる後者の方法が好ましい。
本発明の洗浄剤組成物の好ましい態様の一つは、共重合体として少なくとも共重合体(C1)及び共重合体(C2)を含有してなり、共重合体(C2)を構成する全構成単位におけるカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合が、共重合体(C1)を構成する全構成単位におけるカチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合より大きい洗浄剤組成物である。
また、共重合体(C1)及び(C2)のいずれにおいても、上記カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位を除く共重合体の構成単位中において一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位の割合は30〜100モル%であることが好ましい。30モル%以上とすることで、十分な水溶性が得られやすく界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり、均一な溶液がより得やすくなる。かつ、濯ぎ時のなめらかさや乾燥後のサラサラ感などをより効果的に保ちやすくなる。より好ましくは50〜100モル%であり、更に好ましくは70〜100モル%である。
洗浄剤組成物中、共重合体(C1)と(C2)の使用比率は、共重合体(C1)と(C2)の使用重量部の和に対する共重合体(C1)の使用重量部比率{(C1)/((C1)+(C2)) ×100}で表すと、好ましくは1〜99重量%である。共重合体(C1)の特徴である毛髪等に付着したものの感触を向上する効果を十分に得るには1重量%以上であることが好ましい。より好ましくは20重量%以上であり、更に好ましくは40重量%以上である。最も好ましくは50重量%より大きいことである。
また、共重合体(C2)の特徴である毛髪等に吸着する効果を十分に得るには99重量%以下であることが好ましい。より好ましくは95重量%以下であり、更に好ましくは85重量%以下であり、最も好ましくは75重量%以下である。
本発明の洗浄剤組成物の他の好ましい態様の一つは、共重合体として少なくとも共重合体(C3)及び共重合体(C4)を含有してなり、共重合体(C3)は、一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位と、一般式(4)においてcが1である単量体(A1)に相当する構成単位とを含む共重合体であり、共重合体(C4)は、一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位と、一般式(4)においてcが0である単量体(A2)に相当する構成単位とを含む共重合体である洗浄剤組成物である。
また、共重合体(C3)及び(C4)のいずれにおいても、上記カチオン性ビニル系単量体に相当する構成単位を除く共重合体の構成単位中において一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位の割合は30〜100モル%であることが好ましい。30モル%以上とすることで、十分な水溶性が得られやすく界面活性剤とのコンプレックスが再分散しやすくなり、均一な溶液がより得やすくなる。かつ、濯ぎ時のなめらかさや乾燥後のサラサラ感などをより効果的に保ちやすくなる。より好ましくは50〜100モル%であり、更に好ましくは70〜100モル%である。
洗浄剤組成物中、共重合体(C3)と(C4)の使用比率は、共重合体(C3)と(C4)の使用重量部の和に対する共重合体(C3)の使用重量部比率{(C3)/((C3)+(C4)) ×100}で表すと、好ましくは1〜99重量%である。共重合体(C3)の特徴である毛髪等を疎水的にし感触を向上する効果を十分に得るには1重量%以上であることが好ましい。より好ましくは20重量%以上であり、更に好ましくは40重量%以上である。
本発明の洗浄剤組成物は、カルボキシル基及び/又はリン酸基を1以上含む化合物又はその塩であるアニオン性界面活性剤(以下、アニオン性界面活性剤(D)と称する。)を含む。 アニオン性界面活性剤(D)を含むことで、被洗浄体の油分を過剰に奪い取らずやさしくマイルドに洗うことが出来、すすぎ時になめらかで、コンディショニング効果を有する洗浄剤組成物を得ることが出来る。
アニオン性界面活性剤(D)は、十分な水溶性(水への溶解度)を有することが望ましい。なお、本発明において水溶性がある、即ち水に溶解するとは、物質を水に分散させたとき可視光線の透過率が95%以上となることを言う。また十分な水溶性を有するとは、一般的な洗浄剤組成物のpH(pH5〜11)の範囲のいずれかで、25℃における水への溶解度が1g/100g水以上であることを示す。このとき、pH5〜11の範囲全てに亘って水への溶解度が1g/100g水以上である必要はなく、pH5〜11の一部の範囲において水への溶解度が1g/100g水以上であればよい。水への溶解度が1g/100g水以上であると均一透明な洗浄剤組成物を得やすく、また洗浄剤組成物の安定性を向上させることができる。よってアニオン性界面活性剤(D)としては、N−アシルアミノ酸類、カルボン酸類、モノ又はジアルキルリン酸エステル及びその塩以外のリン酸類、スルホコハク酸類等が、水溶性が高く好ましい。
(式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基、又はアルキルフェニル基を表し、Aはオキシアルキレン基又はアミド結合を含む2価の連結基を表し、Xはカルボキシル基又はリン酸基を表す。)
一般式(3)で表される化合物又はその塩であるアニオン性界面活性剤(D)としては、例えばアシルザルコシン、アシルアラニン、アシルメチル−β−アラニン、アシルグルタミン酸、及びこれらの塩等のN−アシルアミノ酸類、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、モノ又はジアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、モノ又はジアルキルフェニルエーテルリン酸エステル及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸及びその塩等が挙げられる。
毛髪用の洗浄剤組成物に配合される界面活性剤の役割には、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のサラサラ感、乾燥後のゴワツキの無さ、などを付与することが挙げられるが、なかでも最も重要なのは、すすぎ時のなめらかさである。なぜならば洗浄剤組成物で処理した後に、リンスやコンディショナー或いは洗い流さないタイプのアウトバストリートメント剤などで処理を行う事で乾燥後の感触を高めることができるのに対し、すすぎ時のなめらかさは他の方法で補うことができないからである。またマイルド性は毛髪用洗浄剤組成物の必須性能であり、他の成分を配合しても完全に改善することが困難なため、重要である。従って、毛髪用洗浄剤組成物に配合される界面活性剤としてはマイルド性及びすすぎ時のなめらかさに優れるものが最も好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、少なくとも1種類の上記の共重合体と、少なくとも1種類の上記アニオン性界面活性剤(D)を処方系内に所要量配合することにより調製することができる。
本発明の洗浄剤組成物は上記アニオン性界面活性剤(D)以外の他の界面活性剤を併用してもよい。併用しうる界面活性剤としては特に限定されずいずれも用いることができ、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、半極性界面活性剤などが挙げられる。身体用又は毛髪用洗浄剤組成物の場合は、化粧品上許容されうる界面活性剤であれば使用しうる。
上記アニオン性界面活性剤(D)とこれらアニオン性界面活性剤を併用する場合、洗浄剤組成物における両者の合計量が0.1〜40重量%であることが好ましい。アニオン性界面活性剤(D)以外のアニオン性界面活性剤を併用することにより、良好な洗浄力を有する洗浄剤組成物を得ることが出来る。より好ましくは合計量が0.3重量%以上であり、更に好ましくは0.5重量%以上、特に好ましくは1重量%以上である。また、合計量を40重量%以下とすることにより、粘度を適度に保つことができ、より扱い易くなる。より好ましくは合計量が30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下である。
これら界面活性剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の洗浄剤組成物中には必要に応じ他の成分を配合してもよい。他の成分は特に限定されず、本発明の目的、効果を著しく阻害しない範囲で配合することが可能である。具体的には、本発明の共重合体以外の水溶性高分子、カチオン性高分子、アニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子、油分、パール化剤等である。洗浄剤組成物中に配合することのできる他の任意成分を下記に例示する。
カチオン性高分子としては、カチオン変性セルロースエーテル誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合体、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウムハライド、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールネタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムハライド/アクリルアミド共重合体等のカチオン性高分子等が挙げられる。中でもカチオン変性セルロースエーテル誘導体、ポリジメチルジアリルアンモニウムハライド、ジメチルジアリルアンモニウムハライド/アクリルアミド共重合体等がコンディショニング効果が高い点で好ましく用いられる。
油分としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、弗素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル等の弗素油、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、脂肪酸アルキルエステル、多塩基酸エステル、アルキルグリセリルエーテルとその脂肪酸エステルなどのエステル油、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸、オリーブ油等のグリセリド類、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリドデシル等のエステル類、イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル等が挙げられる。油分は、0.1〜3重量%含有させることが好ましい。
その他の成分として、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の可溶化剤、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヒアルロン酸等の保湿剤、起泡増進剤、動植物の天然エキス及びその誘導体、貝殻、真珠、シルクなどから得られるタンパク質及びその加水分解物、クエン酸、乳酸等有機酸、リン酸、塩酸、硫酸等の無機酸、クエン酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム等の無機塩類、増粘剤、香料、防腐剤、キレート剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、高級脂肪酸、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、染料、顔料等の色剤、ポリスチレン乳化物等の懸濁剤、機能性カプセルやビーズ等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。
<分析及び評価方法>
(1)共重合体の重量平均分子量の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(装置:東ソー株式会社製、SC8010,SD8022,RI8020,CO8011,PS8010、カラム:和光純薬工業株式会社 Wakopak(Wakobeads G−50)、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41)を用いて、ポリエチレングリコールを標準物質として重量平均分子量を求めた。
(2)共重合体の20%水溶液の粘度測定
粘度の測定は、B型粘度計を用い、ローターNo.2を使用して30rpm、25℃で実施した。
25℃において、クエン酸又は水酸化ナトリウムを使用して水のpHを5〜11の範囲で調整し、各界面活性剤の25℃における水への溶解度を測定し、水溶性を以下のとおり評価した。ただし、所定量の試料を水100gに分散させたとき可視光線の透過率が95%以上となる場合を、水に溶解した状態であるとする。また、pH5〜11の全ての範囲で水への溶解度が1g/100g水以上である必要はなく、pH5〜11のうちの特定範囲で水への溶解度が1g/100g水以上であればよい。
○: 界面活性剤の溶解度が1g/100g水以上
×: 界面活性剤の溶解度が1g/100g水未満
各洗浄剤組成物について、下記の通り各項目をそれぞれ評価した。なお、シャンプーの評価の際に使用した毛束は、「人毛黒髪(100%)根本揃え(未処理毛 10g×30cm)」としてビューラックス社より購入し、ブリーチ処理したものを「ダメージ毛」として使用した。ダメージ毛作成は、ブリーチ剤としてはミルボン社製プロマティスブレーブオキシタン6.0(過酸化水素6%クリーム)、メロス化学社製パウダーブリーチMR2を使用し、それぞれ12g、6gを混合したものを毛束1本に塗布し、塗布後30分放置したのち、水洗及びラウロイル(EO)3硫酸ナトリウム(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)を塗布して洗浄することにより行った。
各洗浄剤組成物の透明性を目視にて観察し、配合性を以下のように3段階で評価した。ただし、シリコーン油を含有するシャンプーについては、シリコーン油添加前の配合性を評価した。
○ : ほぼ透明なシャンプー/ボディーソープが得られる
▲ : 透明性は低いが、均一なシャンプー/ボディーソープが得られる
× : 白濁又は析出が生じ、均一なシャンプー/ボディーソープが得られない
各洗浄剤組成物のマイルド性を官能評価にて以下のように2段階で評価した。
○ : 肌への刺激がない
× : 肌への刺激がある
毛束に各シャンプーを塗布し十分に泡立て、40℃の流水中で10秒間毛束をすすいだときの指通りを官能評価し、すすぎ時のなめらかさを以下のように5段階で評価した。
5 : 指通りが非常に良好
4 : 指通りが良好
3 : 抵抗を感じるが指は通る
2 : 指は通るが、毛先で引っかかる
1 : 指が全く通らない
「すすぎ時のなめらかさ」の評価後、40℃の流水中でのすすぎを続け、なめらかさがなくなるまでの時間を官能評価し、すすぎ時のなめらかさの持続性を以下のように5段階で評価した。
5 : 滑らかさが長く持続する
4 : 滑らかさが持続する
3 : 滑らかさが短時間であるが続く
2 : 滑らかさが非常に短時間で消える
1 : 滑らかさを感じない
毛束に各シャンプーを塗布し十分に泡立て、40℃の流水中で毛束をすすいだ後、23℃で一昼夜自然乾燥した毛束にて、なめらかさ及びさらさら感を官能評価にて5段階で評価した。
5 : 非常になめらかで、さらさらしている
4 : なめらかで、さらさらしている
3 : なめらかさは不足しているが、さらさらしている
2 : なめらかさもさらさら感も感じない
1 : ごわつきを感じる
DMC : N−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
DMAPAAC : N−アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
HEA : ヒドロキシエチルアクリレート
HEMA : ヒドロキシエチルメタクリレート
DMAA : N,N−ジメチルアクリルアミド
DEAA : N,N−ジエチルアクリルアミド
JR400 : カチオン化ヒドロキシエチルセルロース(UCC社製)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器に蒸留水200重量部を仕込み、滴下ロートにN−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(DMC)43重量部(80重量%水溶液として54重量部)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)57重量部、及び蒸留水80重量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち90℃まで加熱した。反応器に、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)0.5重量部を投入後、単量体混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後から20時間反応させたのち冷却し、共重合体1を得た。
表1(共重合体2〜10)に記載の単量体組成を用いたこと以外は、共重合体1の製造と同様にして共重合体2〜10を製造した。得られた共重合体の、全構成単位中の各単量体に相当する構成単位の割合と重量平均分子量、20%水溶液粘度を表1に示した。
表2に、本実施例において使用したアニオン性界面活性剤のエチレンオキサイド(EO)付加モル数及び水溶性評価結果を示した。
上記製造例で得られた共重合体4と、アニオン性界面活性剤1種とを用いて表3の組成を有する洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)で表した。残部は水である。また、防腐剤/香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
この結果から、本発明に関わる洗浄剤組成物は、ダメージ毛に対するすすぎ時のなめらかさが非常に良好で、かつ乾燥後の仕上がりも良好であることが分かる。また配合性に優れ、肌に対する刺激が非常に弱く、マイルドであることが分かる。
上記製造例で得られた共重合体4と、アニオン性界面活性剤2種とを用いて表4の組成を有する洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)で表した。残部は水である。また、防腐剤/香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
実施例8及び9は、すすぎ時のなめらかさや乾燥後の仕上がりは比較例6と同等であるが、マイルド性が高い点で評価できる。またマイルド性は毛髪用洗浄剤組成物の必須性能であり、他の成分を配合しても完全に改善することが困難なため、マイルド性が高いと洗浄剤組成物として特に有用である。
上記製造例で得られた共重合体1、3〜10及びJR400と、アニオン性界面活性剤2種とを用いて表5の組成を有する洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)で表した。残部は水である。また、防腐剤/香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
共重合体9を使用した比較例7は、カチオン性基の密度が小さく、アニオン性界面活性剤と十分なコンプレックスを形成できず、洗髪時のすすぎ時になめらかさを発現しなかった。共重合体10を使用した比較例8は、カチオン性基の密度が非常に高く配合性が不良、またアニオン性界面活性剤とのコンプレックスが強すぎるために乾燥後、ゴワツキが生じ乾燥後の仕上がりが不良となった。カチオン化ヒドロキシセルロース(JR400)を使用した比較例9ではすすぎ時のなめらかさが持続せず、また乾燥後のサラサラ感が劣り、ゴワツキが感じられた。
上記製造例で得られた共重合体2、3及び7と、アニオン性界面活性剤2種とを用いて表6の組成を有する洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)で表した。残部は水である。また、防腐剤/香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
共重合体2及び3を併用した実施例27では、共重合体2又は3を単独で使用した場合よりもすすぎ時のなめらかさが向上した。共重合体2及び7を併用した実施例28では、共重合体2又は7を単独で使用した場合よりもすすぎ時のなめらかさ持続性及び乾燥後の仕上がりが向上した。
上記製造例で得られた共重合体4と、アニオン性界面活性剤1種とを用いて表7の組成を有する洗浄剤組成物(シャンプー)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)で表した。残部は水である。また、防腐剤/香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
本処方においては、強酸基を含むアニオン性界面活性剤(D)を使用した実施例29は、比較例10に比べてすすぎ時のなめらかさに優れるが、強酸基を含まないアニオン性界面活性剤(D)を使用した実施例30〜35は、すすぎ時のなめらかさやその持続性がより優れるという結果であった。
下記に示す各成分を混合し、室温で攪拌することにより、洗浄剤組成物(ボディソープ)を調製した。各成分の量は、洗浄剤組成物全体を100重量部としたときの重量(重量部)である。残部は水である。また、香料/色素の「適量」とはこれらの添加量の合計が1重量部以下であることを表す。
共重合体2 0.2重量部
共重合体8 0.3重量部
・アニオン性界面活性剤(D)
ラウリン酸K 9.0重量部
POE(4.5)ラウリルエーテルカルボン酸Na 9.0重量部
・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 5.0重量部
・香料/色素 適量
・蒸留水 残部
Claims (7)
- カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位と、一般式(1)又は(2)で表されるビニル系単量体(B)に相当する構成単位とを含む共重合体であって該共重合体を構成する全構成単位における前記カチオン性ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合が25〜45モル%である共重合体と、
一般式(3)で表される化合物又はその塩であるアニオン性界面活性剤(D)、とを
含有してなることを特徴とする洗浄剤組成物。
CH2=C(R1)−CO−NR2R3 (1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は1以上4以下である。)
CH2=C(R4)−CO(O)−(CH2)a−(CHOH)b−OH (2)
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
R−A−X (3)
(式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基、又はアルキルフェニル基を表し、Aは少なくとも1つのオキシアルキレン基を含む2価の連結基を表し、Xはカルボキシル基又はリン酸基を表す。) - 前記アニオン性界面活性剤(D)が水溶性である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
- 前記アニオン性界面活性剤(D)が強酸基を含まない、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
- 前記洗浄剤組成物が、アニオン性界面活性剤(D)を0.1〜40重量%及び前記共重合体を0.01〜5重量%含有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
- 前記洗浄剤組成物が、更に高級アルコールを含有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
- 前記洗浄剤組成物が、更にシリコーン油を含有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
- 毛髪用又は身体用の洗浄剤組成物である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
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