JP2001181354A - カチオン性ポリマー - Google Patents

カチオン性ポリマー

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JP2001181354A JP37353599A JP37353599A JP2001181354A JP 2001181354 A JP2001181354 A JP 2001181354A JP 37353599 A JP37353599 A JP 37353599A JP 37353599 A JP37353599 A JP 37353599A JP 2001181354 A JP2001181354 A JP 2001181354A
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Miyuki Miyake
深雪 三宅
Masato Hidaka
真人 日高
Toshiyuki Kashiwai
利之 柏井
Ikuko Toki
育子 土岐
Yoshibumi Yamagata
義文 山縣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄剤成分であるアニオン性の界面活性剤と
複合体を形成し、それがすすぎ時には優れたコンデイシ
ョニング性を発現し、さらに、その後乾燥してもごわつ
かず、高柔軟性な複合体皮膜となる新規なカチオン性ポ
リマーを提供すること。 【解決手段】 (A)4級カチオン基を含有する重合性
モノマーと(B)ポリオキシエチレン鎖含有重合性モノ
マーとの共重合体であるカチオン性ポリマーであって、
ポリマー中の窒素含有量がポリマー全重量に対して0.5
〜6質量%であるカチオン性ポリマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な陽イオン性
ポリマーに関し、さらに詳しくは、洗浄剤組成物、化粧
料組成物及び柔軟剤組成物などの有効成分として利用で
きるカチオン性ポリマーに関するものである。
【従来の技術】これまでに種々の陽イオン性ポリマーが
化粧料に使用されてきている。例えば、天然多糖を利用
した半合成系陽イオン性ポリマーとしては、カチオン化
セルロース(カチナールC-100,LC-200、UCAREポリマーJR
-400,JR-30M、レオガードGP,LP,MGP、セルコートSC-24
0,SC-230M,H-100,L-200、クオートリソフトLM-200)やカ
チオン化グアーガム(ジャガーC-318)、カチオン化デン
プン、カチオン化プルラン、カチオン化デキストラン等
が知られている。
【0002】さらに、合成系系陽イオン性ポリマーとし
ては、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドのホモ
ポリマー(マーコート100)、またはジメチルジアリルア
ンモニウムクロライドとアクリルアミドとのコポリマー
(マーコート550)、ジメチルジアリルアンモニウムクロ
ライドとアクリル酸のコポリマー(マーコート280)、ビ
ニルイミダゾリウムとビニルピロリドンのコポリマー
(ルビカットFC 370,550,905,HM-552)、メタアクリルア
ミドプロピルトリメチルアンモニウムハライドとビニル
ピロリドンのコポリマー(ガフコートHS-100)、ジメチル
アミノエチルメタクリレートのジメチル硫酸4級化物、
ジメチルアミノエチルメタクリレートとビニルピロリド
ンのコポリマーのジエチル硫酸4級化物(ガフコート755
N,734)、メタクリロイルエチルジメチルベタインと塩化
メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、さらに
ヒドロキシメチルメタクリレートやメトキシポリエチレ
ングリコールメタクリレートを共重合したコポリマー
(プラスサイズ440,450)などが知られている。これらの
陽イオン性ポリマーは、化粧料の増粘性や分散安定性、
保形性の為に幅広く利用されるが、特にシャンプー、ボ
デイーソープ、洗顔剤など、身体や毛髪の洗浄を目的と
する組成物では、すすいだ時に洗浄成分であるアニオン
性界面活性剤との間に複合体を形成し、それが毛髪や皮
膚に付着することでコンデイショニング性を発現してき
た。
【0003】しかしながら、これまでの陽イオン性ポリ
マー、特に、合成系陽イオン性ポリマーは、洗浄成分で
あるアニオン活性剤の種類や組成、或いは自身の構造に
よっては複合体を形成しない場合や、又、複合体を形成
してもコンデイショニング性が著しく悪いものになる場
合が多い。従って、実用的に利用可能な陽イオン性ポリ
マーは、カチオン化セルロースやカチオン化グアガム等
のカチオン化多糖類、合成系ではマーコートシリーズな
どに限られてきた。これらの陽イオン性高分子が形成す
る複合体は、洗浄剤を使用したとき、特に濯ぎを行って
いるときに、皮膚や毛髪上に付着して滑らかなを感触を
与えるが、これが後に乾燥して皮膜となると、ごわつき
感を与えるという欠点を有していた。この複合体に起因
するごわつき感は、洗浄後に使うリンス、トリートメン
トやヘアメイク剤、又は、スキンローション、スキンク
リーム、ボデイーローション、ボデイークリームなどの
使用感や性能までも損ねるので、コンデイショニング性
を有すると同時に、乾燥後のごわつき感が改善された陽
イオン性ポリマーが望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、洗浄剤成分
であるアニオン性の界面活性剤と複合体を形成し、それ
がすすぎ時には優れたコンデイショニング性を発現し、
さらに、その後乾燥してもごわつかず、高柔軟性な複合
体皮膜となる新規なカチオン性ポリマーを提供すること
を目的とする。本発明は、又、上記カチオン性ポリマー
を含有する洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、又、上記カチオン性ポリマーを含有する化粧
料組成物を提供することを目的とする。本発明は、又、
上記カチオン性ポリマーを含有する柔軟剤組成物を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、陽イオン性ポ
リマーとアニオン性の界面活性剤の複合体の析出挙動
や、析出した複合体の構造とそのレオロジー特性、さら
に複合体の乾燥・硬化に関する検討を重ねた結果、特定
のカチオン性の重合性モノマーから誘導される繰り返し
単位とポリオキシエチレン鎖含有重合性モノマーから誘
導される繰り返し単位との共重合体を用いると、上記課
題を効率的に解決できるとの知見に基づいてなされたの
である。すなわち、本発明は、(A)4級カチオン基を
含有する重合性モノマーと(B)ポリオキシエチレン鎖
含有重合性モノマーとの共重合体であるカチオン性ポリ
マーであって、ポリマー中の窒素含有量がポリマー全重
量に対して0.5〜6質量%であることを特徴とするカチオ
ン性ポリマーを提供する。本発明は、又、上記カチオン
性ポリマーを含有する洗浄剤組成物を提供する。本発明
は、又、上記カチオン性ポリマーを含有する化粧料組成
物を提供する。本発明は、又、上記カチオン性ポリマー
を含有する柔軟剤組成物を提供する。本発明の上記組成
物は、上記カチオン性ポリマーとアニオン性化合物との
複合体を含有するのが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いる(A)4級カチオ
ン基を含有する重合性モノマーとしては、分子内に少な
くとも1つ、好ましくは1つの4級カチオン基を含有す
るビニルモノマーがあげられる。本発明で用いる(A)
4級カチオン基を含有する重合性モノマーとしては、下
記一般式(1)又は(2)で表されるモノマーが好まし
い。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜
4のアルキル基、R2〜R6は、それぞれ独立に炭素数1
〜4のアルキル基、X、X1及びX2はそれぞれ独立に炭
素数2〜4のアルキレン基であり、Mはハロゲンイオ
ン、又は硫酸イオン、メチル硫酸イオン等の陰イオン性
の対イオンである。) 式中、アルキル基としては、ヒドロキシル基、ハロゲン
基などの置換基を有してもよい。R1は、水素原子又は
炭素数1又は2のアルキル基であるのが好ましく、R2
〜R6は、それぞれ独立に炭素数1又は2のアルキル基
であるのが好ましい。式(2)中の2つのR1は、同一
でも異なっていてもよい。さらに、式(1)で示される陽
イオン性モノマーでは、R1は、水素原子又はメチル基
であるのが特に好ましく、Xは、炭素数2又は3のアル
キレン基、R2〜R4は炭素数1〜3、特にメチル及びエ
チルが好ましい。Mは、ハロゲンイオンが好ましく、よ
り好ましくは、クロライド、ブロマイドなどである。
【0009】式(1)で示される陽イオン性モノマーとし
て、具体的には、(メタ)アクリル酸エチルトリメチルア
ンモニウム、(メタ)アクリル酸プロピルトリトリメチル
アンモニウム、(メタ)アクリル酸ブチルトリメチルアン
モニウム、(メタ)アクリル酸エチルトリエチルアンモニ
ウム、(メタ)アクリル酸プロピルトリエチルアンモニウ
ム、(メタ)アクリル酸ブチルトリエチルアンモニウムな
どが用いられ、特に(メタ)アクリル酸エチルトリメチル
アンモニウム、(メタ)アクリル酸プロピルトリメチルア
ンモニウム等が好ましい。本発明では、(A)4級カチ
オン基を含有する重合性モノマーの代わりに、分子内に
3級アミノ基を有する少なくとも1つ、好ましくは1つ
有するビニルモノマーを用いて、モノマー(B)と共重
合させた後、モノマー単位中の3級アミノ窒素をカチオ
ン化剤と反応させて4級化してもよい。このような分子
内に3級アミノ基を有するモノマーとしては、上記式
(1)中の―N+234基が、―NR23基となって
いるものがあげられる。
【0010】このような3級アミノ基を分子内に有する
ビニルモノマーとして、具体的には、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノブチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、ジプロピルアミノブチル(メタ)アク
リレートなどが好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト等がよ
り好ましい。使用する四級化剤としては、ハロゲン化ア
ルキル(CnH2n+1 X3;n=1〜3、X 3=Br、 ClやI)や、
ジアルキル硫酸などのカチオン化剤が好ましい。それら
のカチオン化剤として、詳しくは、臭化メチル、塩化メ
チル、ヨウ化メチル、臭化エチル、塩化エチル、ヨウ化
エチル、臭化プロピル、塩化プロピル、ヨウ化プロピル
や、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸など
が使用でき、好ましくはエチルブロマイドやメチルクロ
ライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などである。
【0011】この場合、ポリマー中の窒素含有量のうち
50mol%以上が4級されていることが望ましく、好まし
くは、70mol%以上である。又、本発明で用いる式
(2)の4級カチオン基を含有する重合性モノマーとし
ては、式中、X1及びX2はそれぞれ炭素数2又は3のア
ルキレン基が好ましく、より好ましくは、エチレン基で
あり、R5とR6は、炭素数1〜3、特にメチル及びエチ
ルが好ましい。Mは、ハロゲンイオンが好ましく、より
好ましくは、クロライド、ブロマイドなどである。具体
的には、ジメチルジアリルアンモニウムハライド、ジエ
チルジアリルアンモニウムハライド、ジプロピルジアリ
ルアンモニウムハライド、ジブチルジアリルアンモニウ
ムハライドなどがあげられ、特にジメチルジアリルアン
モニウムハライドが好ましい。又、本発明で用いられる
(B)ポリオキシエチレン鎖含有重合性モノマーとして
は、分子内に少なくとも1つのポリオキシエチレン鎖を
含有するビニルモノマーがあげられる。ここで、ポリオ
キシエチレン鎖は、エチレンオキシドの付加モル数が2
〜50であるのが好ましく、より好ましくは2〜30で
ある。(B)ポリオキシエチレン鎖含有重合性モノマー
としては、下記一般式(3)で表されるモノマーが好ま
しい。
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R7は、水素原子又は炭素数1〜
4のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基又はア
リール基、nは、2〜50である。) 式中、アルキル基としては、ヒドロキシル基、ハロゲン
基などの置換基を有してもよい。R7は、水素原子又は
炭素数1又は2のアルキル基であるのが好ましく、R8
は、炭素数1又は2のアルキル基又はフェニル基が好ま
しく、nは、2〜30が好ましい。式中、R7は、水素
原子又はメチル基であるのが好ましく、R8は、水素原
子、メチル、エチル、プロピル、ベンジルなどが好まし
い。オキシエチレン基の数nは2〜50の整数を表わす
が、単独の値であっても、分布を持ったものの平均値で
も良い。式(3)のモノマーとして、具体的には、ポリ
オキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキ
シポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキ
シポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノ
キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが
あげられ、好ましくはメトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレートである。
【0014】本発明のカチオン性ポリマーは、ポリマー
中の窒素含有量がポリマー全重量に対して0.5〜6質
量%(以下、%と略称する)、好ましくは、2〜5とな
るように、(A)4級カチオン基を含有する重合性モノ
マーと(B)ポリオキシエチレン鎖含有重合性モノマー
とを共重合させることにより得られるが、モノマー
(A)と(B)以外のモノマーをさらに、例えば、全体
の15%以下、好ましくは10%以下の量で共重合させ
ることができる。このようなモノマーとしては、アニオ
ン性、両性や他の非イオン性のエステル系モノマーがあ
げられる。ここで、アニオン基を有するモノマーを用い
る場合には、カチオン基/アニオン基の比率が7/3より
も大きくならないようにするのがよく、好ましくは、8
/2よりも大きくならないようにするのがよい。本発明
のカチオン性ポリマーとしては、さらに、その平均分子
量が1000〜100万であるのが好ましく、より好ましくは5
000〜100万、さらに好ましくは1万〜50万である。この
範囲のものを用いると、アニオン界面活性剤との複合体
が析出しやすくなり、優れたコンデイショニング性が発
現し又、配合時や使用時のハンドリング性が向上する。
特に、最終組成物を調製すると、良好な粘度とすすぎ時
のコンデイショニング性が得られ、さらに、本発明の特
徴である乾燥後に仕上がり感に優れた高柔軟な複合体皮
膜を形成することができる。
【0015】本発明のカチオン性ポリマーは公知の種々
の方法で重合でき、特に限定されるものではないが、溶
液重合或いは乳化重合を行うのが望ましい。また、共重
合はランダムでもブロックであっても構わない。重合溶
媒は、メタノール、エタノール、2-プロパノールなどの
低級アルコール、及びアセトンなどの低級ケトン等の単
独或いは混合溶媒や、或いはこれらと水の混合溶媒を用
いるのが好ましい。水を含む混合溶媒を用いる場合の溶
媒中の水の量は、10〜50%が好ましく、より好ましくは
20〜35%である。重合開始剤としては、使用前に溶媒に
溶解するものであれば特に限定されず、例えば、2,2エ-
アゾビスイソブチロニトリル、2,2エ-アゾビス(2-メチル
ブチロニトリル)、2,2エ-アゾビス(2,4-ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2エ-アゾビス(2-アミジノプロパン)2塩酸
塩、2,2エ-アゾビス(N,Nエ-ジメチレンイソブチルアミジ
ン)、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水
素水などがあげられ、その使用量はモノマーに対して、
0.02〜5%とするのが好ましい。重合温度は、用いる重
合溶媒により異なるが、40〜90℃であるのが好ましく、
重合時間は3〜8時間であるのが好ましい。
【0016】本発明のカチオン性ポリマーは、洗浄剤、
化粧料、柔軟剤等に含有させることができる。これらの
組成物全体における含有量は、0.001〜30%であるのが
好ましく、より好ましくは0.05〜20%、さらに好ましく
は0.05〜10%である。この範囲で用いると、本発明のカ
チオン性ポリマーの有する効果が特に良好に発揮でき、
しかも良好な粘度が得られる。本発明のポリマーはアニ
オン性化合物と混合することにより、さらに良好な柔軟
性、コンディショニング性、仕上がり感が得られる。こ
れは、カチオンポリマ−とアニオン性化合物が高柔軟性
を与える複合体を形成し、それが皮膚や毛髪に被覆する
ためと思われる。アニオン性化合物との混合は、例えば
リンスや柔軟剤等の仕上げ剤の場合は、洗浄剤の残存ア
ニオン活性剤と混合されても良いし、組成物中に本発明
のカチオンポリマーと共に配合しても良い。アニオン性
化合物としては、アニオン界面活性剤、アニオン基を含
有する水溶性高分子化合物があげられる。好ましいアニ
オン性化合物は、アニオン界面活性剤である。
【0017】アニオン界面活性剤の例としては、アルキ
ル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、α-オ
レフィンスルフォン酸塩、アルキルカルボン酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエ−テルカルボン酸塩、アルキ
ルアミドエーテルカルボン酸塩、N-アシルグルタミン
酸塩、N-アシル-N-アルキル-β-アラニン塩、N-アシ
ルメチルタウリン塩、N-アシルサルコシン塩、アルキ
ルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤の1種又
は二種以上の混合物があげられる。これら界面活性剤の
アルキル鎖は、炭素数6〜22が好ましく、さらに好ま
しくは8〜18である。さらに、塩としてもつ対イオン
は一価の陽イオン、ナトリウム、カリウム、セシウム、
アンモニウムなど一価の陽イオンが好ましく、より好ま
しくはナトリウム、カリウム塩である。本発明では、カ
チオン性ポリマー/アニオン性化合物の質量比を0.1/
50〜5/1とするのが好ましい。
【0018】最も効果的な本発明のカチオンポリマーの
使用方法は、組成物中にカチオンポリマー及びアニオン
性化合物を配合した組成物を皮膚や毛髪に塗布し、次い
で水ですすぐなどするのがよい。あるいはぬれた皮膚や
毛髪に本発明の組成物を塗布しても良い。これらの方法
により、組成物中では、カチオンポリマーとアニオン性
化合物の複合体が可溶化されているが、水での希釈によ
り皮膚や毛髪表面で高柔軟なゲルとして析出し、表面を
被覆することにより本発明の特に優れた効果が発揮され
るカチオン性ポリマーの上記組成物への添加方法は、任
意の方法によることができる。このうち、カチオン性ポ
リマー水溶液を製品組成中に添加する方法が好ましく、
場合によってはカチオン性ポリマーを重合したときの溶
媒のまま添加して、水で希釈、或いは水と置換しても良
い。例えば、製品し上がりより固形分濃度を高く調整し
た界面活性剤とその他の成分を含む水溶液に、10%のカ
チオン性ポリマー水溶液を所定量混合し、均一水溶液に
した後に所定の製品濃度及び製品のpHに調整して、本
発明のカチオン性ポリマー配合洗浄剤組成物を得るのが
よい。
【0019】また、単一のアニオン性界面活性剤や混合
アニオン界面活性剤には、アニオン電荷を保ち複合体の
形成が阻害されない範囲であれば、任意に、一定量の両
性や非イオン性界面活性剤を併用することができる。具
体的には、アルキル酢酸ベタイン、アルキルアミドプロ
ピル酢酸ベタイン、アルキルスルフォプロピルベタイ
ン、またはアルキルα-ヒドロキシスルフォプロピルベ
タイン、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミノプ
ロピオン酸、ポリオキシエチレン(POE)アルキルア
ルキルエーテル、アルキルモノエタノールアミド、アル
キルジエタノールアミド、アルキルイミダゾリニウムベ
タイン、ポリグリセリンアルキルエーテル、アルキルポ
リグリコシド、アルキルグリセリルグルコシド、POE
硬化ひまし油、α-アルキルグルコシドアルキルエステ
ル等の1種又は二種以上の混合物があげられ、これら界
面活性剤のアルキル鎖は炭素数6〜22が好ましく、よ
り好ましくは8〜18である。またさらに、上述の複合
体形成及び複合体皮膜性状を阻害しない範囲であれば、
汎用のカチオン性または非イオンの水溶性ポリマー等を
添加することもできる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、皮膚、毛髪、繊維に優
れた柔軟性、コンディショニング性、仕上がり感を付与
することができるカチオン性ポリマーを提供するhこと
ができる。特に、洗浄剤成分であるアニオン性の界面活
性剤と複合体を形成することによって、すすぎ時には優
れたコンデイショニング性を発現し、さらに、その後乾
燥してもごわつかず、高柔軟性な複合体皮膜となるカチ
オン性ポリマーを提供することができる。次に本発明を
実施例により具体的に説明する。
【0021】
【実施例】実施例1 攪拌機、還流冷却管及び窒素導入管をとりつけた1Lの
四つ口セパラブルフラスコに、表−1に示す各組成のモ
ノマーとエタノール200gを入れて均一に溶解した後、
攪拌しながら窒素導入管より窒素ガスを導入した。20分
後、2,2-アゾビス(2-メチル-ブチロニトリル)0.8gをエ
タノール100gに溶解した開始剤溶液を加え、90℃の
オイルバスで窒素を導入しながら6時間重合させた。フ
ラスコ内容物より脱溶媒し、さらに蒸留水で透析するこ
とによって未反応モノマーや臭気性残物を除去し、さら
に濃縮、凍結乾燥して目的とするカチオン性ポリマー1
〜10(本発明のポリマーNo1〜10)を得た。この凍
結乾燥したポリマーを、50mM塩化リチウムを含む水/
メタノール=4/1(vol/vol)の溶媒に溶解し、同溶媒を
溶離液とした水系GPCで既知分子量のポリアクリル酸
を標準として、ポリマーの分子量を決定した。表−1
に、各ポリマアーを製造するのに用いたモノマー組成、
得られたポリマーの分子量及びN含有量(質量%)を示
す。 比較例1 表−1に示す各組成のモノマーを用いた外は、実施例1
と同様にして比較用カチオン性ポリマー1〜7(比較用
ポリマー1〜7)を得た。又、実施例1と同様にして分
子量を測定した。表−1に、各ポリマアーを製造するの
に用いたモノマー組成、得られたポリマーの分子量及び
N含有量(質量%)を示す。、
【0022】
【表1】
【0023】実施例2 実施例1及び比較例1で合成したカチオン性ポリマー
0.8%を配合して下記モデル洗浄剤組成を調製した。 <モデル洗浄剤組成> カチオン性ポリマー 0.8% POE(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 10% アルキルアミドプロピル酢酸ベタイン 4% アルキルジメチルアミンオキシド 2% やし脂肪酸ジエタノールアミド 4% 硫酸ナトリウム 2% 精製水 バランス
【0024】比較例2 実施例1で合成したカチオン性ポリマーの代わりに、比
較例1で合成したポリマー又表-2に示す汎用の陽イオ
ン性ポリマーを用いた以外は、実施例2と同様にしてモ
デル洗浄剤組成物を調製し、同様にして性能を評価し
た。実施例2及び比較例2の組成物を水で希釈したとき
の複合体形成性とそのコンデイショニング性、乾燥後の
複合体皮膜の柔軟性を次ぎに示す方法で評価した。 <複合体形成性>モデル洗浄剤組成物を水で10倍に希
釈したときの複合体の析出の有無を以下の基準で判定し
た。 ◎;ゲル〜液状の複合体を析出 ○;ゲル状の複合体を析出 △;ロウ状、樹脂状の複合体を析出 ×;複合体は析出せず <コンデイショニング効果の評価>10gの毛束を水で濡
らし、モデル洗浄剤組成物1gを塗布してあわだて、40
℃の流水ですすいでいる時の毛束のなめらかさ、指通り
の良さ、きしみの無さを下記の基準で判定した。 ◎;非常に滑らかで、指通りがよい ○;滑らかさはやや低いが、きしまない △;ぬるつき感や、突っ張り感が有る ×;きしんで、指通りが悪い
【0025】<複合体乾燥後の皮膜の柔軟性>水で10
倍に希釈し、析出した複合体をスライドガラス状に塗布
し、乾燥後、指でこすったときの感触で、柔軟性と滑り
性を評価した。 ◎;高柔軟性な皮膜で滑らか ○;柔軟性皮膜 △;皮膜の柔軟性なし ×;皮膜が固く、つっぱる <仕上がり感の評価>上記コンデイショニング性を評価
した毛束を一晩放置し、乾燥後の毛髪のし上がり性を以
下の基準で判定した。 ◎;仕上がり感良好 ○;仕上がり感やや良好 △;仕上がり感の向上性なし。 ×;ごわつく、ぱさつく仕上がり感 結果をまとめて表−2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】表-2の結果から、本発明のカチオン性ポ
リマー1〜10では、アニオン界面活性剤と相互作用する
ことにより、すすぎ時のコンデイショニング性を発現す
るとともに、乾燥後に高柔軟性な複合体皮膜を形成する
ことで、軽やかで優れた仕上がり感を付与することがで
きることがわかる。一方、比較例のカチオン性ポリマー
1と2は複合体をまったく形成せず、また比較例のカチ
オン性ポリマー3〜5は、複合体を形成するものの、そ
の感触が固いのでコンデイショニング性能は悪く、仕上
がりにも大きく影響することがわかる。さらに比較例の
カチオン性ポリマー6と7は、コンデイショニング性を
発現する複合体は形成するが、分子量が高いために毛髪
に付着する量が増え、高柔軟な複合体皮膜が形成されて
も実際の仕上がり感には向上が見られなかった。又、汎
用の陽イオン性ポリマーを用いたものでは、カチオン化
セルロースやカチオン化デキストラン、カチオン化グア
ガム、セルコートなど多糖を主鎖とするものは、比較的
良好なコンデイショニング性を示すものの、乾燥後の皮
膜が柔軟性を持たないために、仕上がり感に向上は見ら
れなかった。一方、合成系の汎用ポリマーは複合体自体
が析出しなかったり、また析出してもコンデイショニン
グ性、仕上がり感共に充分なものはないことが明かであ
る。このように高柔軟な複合体を形成する本発明のカチ
オン性ポリマーを用いると、コンデイショニング性や仕
上がり感に優れたシャンプー、リンスインシャンプー、
ボデイソープ、洗顔剤などが調製できる。
【0029】実施例3 種々の陽イオン性ポリマーを含有するシャンプー組成物
をカチオン基とアニオン界面活性剤のモル比が3:1〜
1:3の範囲となるように調製した。組成を表-3に示
す。残部は20%エタノール水溶液である。この20%
エタノール水溶液を散布・塗布した後に形成された複合
体の柔軟性を以下の方法で評価した。結果を組成ととも
に表-3に示す。 <複合体乾燥皮膜の柔軟性>表-3に記載した組成の2
0%エタノール水溶液をポリプロピレン板上に散布し、
乾燥後の複合体皮膜を指でこすったときの感触で柔軟性
を評価した。 ◎;高柔軟性な皮膜で滑らか ○;柔軟性皮膜 △;皮膜の柔軟性なし ×;皮膜が固く、つっぱる <毛束上でのごわつき感>表-3に記載した組成の20
%エタノール水溶液を一定量毛束に塗布し、乾燥後の毛
束の手触りでごわつき感を評価した。 ◎;軽く、しなやか ○;◎よりやや重たい感じ △;さらに重たい感じ ×;ごわつく <フレーキング性>上記毛束の手触りを評価した後、く
しで50回ブラッシングを行い、フレーキングの有無を
評価した。 ○; フレーキングなし ×;フレーキングあり
【0030】
【表4】
【0031】表-3のデータから、本発明のカチオン性
ポリマーは、いずれの汎用陽イオン性ポリマーと比較し
ても高い柔軟性を持つ複合体を形成することがわかる。
この高柔軟な複合体を形成するカチオン性ポリマーを用
いると、ごわつきやフレーキングを引き起こさず、ナチ
ュラルな感触、優れた使用感のヘアメイク用スプレー、
ジェル、ムース剤が調製できる。
【0032】実施例4 本発明のカチオン性ポリマーを含有する種々の組成物を
調製した。それらの組成を以下に示す。シャンプー POE(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 13% アルキル硫酸ナトリウム 2% アルキルアミドプロピル酢酸ベタイン 4% アルキルジメチルアミンオキシド 2% POEアルキルエーテル 1% やし脂肪酸ジエタノールアミド 4% 本発明のポリマーNo2 0.8% プロピレングリコール 0.5% 硫酸ナトリウム 1% ジステアリン酸エチレングリコール 1.5% 精製水 バランス
【0033】シャンプー POE(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 4% ラウロイル-N-メチル-β-アラニントリエタノールアミン塩 5% ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン塩 5% アルキルアミドプロピルベタイン 5% アルキルジメチルアミンオキシド 2% POE硬化ひまし油 2% 脂肪酸モノエタノールアミド 1% 本発明のポリマーNo3 0.4% ジプロピレングリコール 0.5% 塩化ナトリウム 1% 精製水 バランス
【0034】リンスインシャンプー POE(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 15% α-オレフィンスルフォン酸ナトリウム 5% アルキルアミドプロピルベタイン 5% アルキルジメチルアミンオキシド 2% POE硬化ひまし油 4% 脂肪酸ジエタノールアミド 5% グリセリン脂肪酸エステル 5% 本発明のポリマーNo2 0.7% グリセリン 1% 硫酸ナトリウム 2% 精製水 バランス
【0035】ボデイソープ ラウリン酸カリウム塩 10% ミリスチン酸カリウム塩 10% N-ラウロイル-N-メチルβアラニンカリウム塩 2% やし油脂肪酸ジエタノールアミド 3% ジステアリン酸エチレングリコール 1.0% プロピレングリコール 6% 本発明のポリマーNo4 0.1% 塩化カリウム 0.1% 精製水 バランス
【0036】クリーム状洗顔料 ラウリン酸 2% ミリスチン酸 18% パルミチン酸 8% ステアリン酸 8% N-ラウロイル-N-メチルβアラニンカリウム塩 3% N-ラウロイル-グルタミン酸モノカリウム塩 2% 水酸化カリウム 5.5% グリセリン 15% PEG400 6% ソルビトール 6% 本発明のポリマーNo8 0.5% 植物性スクワラン 0.7% 塩化カリウム 0.1% 精製水 バランス
【0037】ヘアフォーム メチルポリシロキサン 5% POE・POP変性シリコーン 0.5% 3-メチル-1,3-ブタンジオール 2.0% 本発明のポリマーNo3 0.1% ヤシ油脂肪酸-L-グルタミン酸 0.5% POE硬化ひまし油 0.4% エタノール 20% 液化石油ガス 7% 精製水 バランス
【0038】ヘアフォーム スクアラン 3% POE変性シリコーン 0.5% 3-メチル-1,3-ブタンジオール 2.0% 本発明のポリマーNo9 3% 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5% POE硬化ひまし油 0.4% エタノール 20% 液化石油ガス 7% 精製水 バランス
【0039】上記の実施例において、限定しない成分例
は、静電気防止剤、フケ防止剤、コンデイショナー剤ま
たはエモリエント剤としての炭化水素、脂肪エステル、
シリコン等の油分、染料、香料、有機溶剤、パール光沢
剤、発泡増進剤、追加界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、
タンパク剤、皮膚活性剤、サンスクリーン剤、ビタミン
剤、粘度改質剤などがあり、任意に配合することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 290/06 C08F 290/06 4L033 C08L 71/00 C08L 71/00 B C11D 1/62 C11D 1/62 D06M 15/267 D06M 15/267 (72)発明者 柏井 利之 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 土岐 育子 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 山縣 義文 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C083 AA122 AB032 AB332 AB352 AC012 AC022 AC102 AC122 AC132 AC182 AC242 AC392 AC422 AC432 AC562 AC642 AC662 AC692 AC712 AC782 AC792 AD042 AD131 AD132 AD162 BB34 CC01 CC23 CC38 CC39 DD08 DD23 DD31 EE06 EE07 EE28 4H003 AB27 AB31 AC08 AC13 AC15 AD04 BA12 DA02 EA12 EB04 EB09 EB28 EB30 ED02 FA21 4J002 BG07W BJ00W BQ00X CH05W FD310 GB00 GK02 4J027 AC03 AC06 BA13 BA17 CB02 CB09 CD00 4J100 AL08P AN13P BA08P BA32H BA32P FA03 FA19 FA20 HA31 HC05 HC69 JA11 JA61 4L033 AC02 AC15 CA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)4級カチオン基を含有する重合性
    モノマーと(B)ポリオキシエチレン鎖含有重合性モノ
    マーとの共重合体であるカチオン性ポリマーであって、
    ポリマー中の窒素含有量がポリマー全重量に対して0.5
    〜6質量%であることを特徴とするカチオン性ポリマ
    ー。
  2. 【請求項2】 (A)4級カチオン基を含有する重合性
    モノマーが、下記一般式(1)又は(2)で表され、
    (B)ポリオキシエチレン鎖含有重合性モノマーが、下
    記一般式(3)で表される請求項1記載のカチオン性ポ
    リマー。 【化1】 (式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
    基、R2〜R6は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキ
    ル基、X、X1及びX2はそれぞれ炭素数2〜4のアルキ
    レン基、Mは陰イオン、R7は、水素原子又は炭素数1
    〜4のアルキル基、R8は、水素原子、炭素数1〜6の
    アルキル基又はアリール基、nは、2〜50である。)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のカチオン性ポリマ
    ーを含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のカチオン性ポリマ
    ーを含有することを特徴とする化粧料組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載のカチオン性ポリマ
    ーを含有することを特徴とする及びアニオン性化合物を
    含有することを特徴とする柔軟剤組成物。
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