JP4233918B2 - ポリマー粒子 - Google Patents
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Description
【発明に属する技術分野】
本発明は、化粧料に有用なポリマー粒子に関する。さらに詳しくは、皮膚、毛髪用洗浄剤に有用なポリマー粒子及びそれを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗浄剤には、汚れを落とすため又は泡立てるために、界面活性剤が使用されており、これらの系においては、使用感向上の目的で様々な添加剤が使用されている。
【0003】
特に、皮膚、毛髪用洗浄剤においては、豊かな起泡性やきめ細かい泡質、良好な感触等が必須であり、このような目的の添加剤としては、水溶性ポリマーが有用である。しかし、通常の水溶性ポリマーでは、界面活性剤水溶液中で収縮してしまうため、要求される性能を効果的に得ることはできない。特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4には、カチオン性基含有重合体と界面活性剤を組み合わせた洗浄剤組成物が開示されている。この洗浄剤組成物は、起泡性や泡質、感触等の使用感が良好であるが、泡の持続性において、更に改良が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−144183号公報
【特許文献2】
特開2000−144184号公報
【特許文献3】
特開2000−144185号公報
【特許文献4】
特開2002−201123号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、起泡性や泡質、感触等の使用感が良好であり、かつ、泡の持続性も良好であるポリマー粒子及びそれを含有する化粧料、特に洗浄剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、泡沫の安定性を高めることを検討した結果、分子中に、特定の構成単位を有する、架橋ポリマー粒子が、泡沫の安定性を向上させることを見出した。
【0007】
即ち本発明は、分子中に、下記一般式(I)で表わされる構成単位(以下構成単位(I)という)を有する、架橋ポリマー粒子及びそれを含有する化粧料を提供する。
【0008】
【化11】
【0009】
(式中、R1、R2、R3、R4の内、少なくとも一つは、連結基を有していてもよい、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、少なくとも一つは、連結基を有していてもよい、イオン性基又はオキシアルキレン基を示し、残余は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
【0010】
【発明の実施の形態】
[ポリマー粒子]
本発明のポリマー粒子は、構成単位(I)を有する、架橋ポリマー粒子である。
【0011】
構成単位(I)中のR1、R2、R3、R4の内、少なくとも一つは、連結基を有していてもよい、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。アルキル基又はアルケニル基としては、炭素数が8以上が好ましく、12以上が更に好ましく、30以下が好ましく、22以下が更に好ましい。例えば、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基、オレイル基等が挙げられる。
【0012】
連結基として、例えば、官能基を有していてもよい直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基、官能基を有していてもよい直鎖若しくは分岐鎖の炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜12のアリーレン基、アルキレンアリーレン基又はアリーレンアルキレン基、平均重合度1〜100、好ましくは4〜80、更に好ましく4〜50の炭素数1〜4のオキシアルキレン基、好ましくはオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基等が挙げられる(以下、本発明の連結基という)。
【0013】
官能基は、エーテル基、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、アミノ基、イミノ基、アンモニウム基、末端が水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である、平均重合度1〜100、好ましくは4〜80、更に好ましく4〜50の炭素数1〜4のオキシアルキレン基、好ましくはオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数1〜22のアシロキシ基等が挙げられる(以下、本発明の官能基という)。
【0014】
構成単位(I)中、R1、R2、R3、R4の内、少なくとも一つは、連結基を有していてもよい、イオン性基又はオキシアルキレン基を示す。
【0015】
イオン性基は、アニオン性基又はカチオン性基が挙げられるが、アニオン性基であることが好ましく、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基等のアニオン性基又はその塩基中和物が更に好ましい。中和のための塩基としては、アンモニウムイオン;トリメチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン等の総炭素数3〜54のトリアルキルアンモニウムイオン;炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するアンモニウムイオン;総炭素数4〜8のジヒドロキシアルキル基を有するアンモニウムイオン;総炭素数6〜12のトリヒドロキシアルキル基を有するアンモニウムイオン;炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニル置換ピリジニウムイオン;総炭素数1〜22のアルカノールアンモニウムイオン;塩基性アミノ酸イオン;アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン等が挙げられる(以下、本発明の塩基という)。
【0016】
カチオン性基としてはアンモニウム基等が挙げられる。対イオンのアニオンとして、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲンイオン;硫酸、リン酸等の無機酸からプロトンを除去した無機陰イオン;メトサルフェート、エトサルフェート、メトホスフェート、エトホスフェート等の炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキルサルフェート若しくはアルキルホスフェート、又は酢酸、乳酸もしくはクエン酸等の有機酸からプロトンを除去した有機陰イオン等が挙げられる(以下、本発明のアニオンという)。
【0017】
オキシアルキレン基は、平均重合度1〜100、好ましくは4〜80、更に好ましく4〜50の炭素数1〜4のオキシアルキレン基、好ましくはオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基である。2種以上のオキシアルキレン基、例えばオキシエチレン基及びオキシプロピレン基を用いる場合は、ブロック型、ランダム型、交互型等のいずれでもよい。オキシアルキレン基の末端は、限定されず、水酸基を有していてもよく、炭化水素基を有して、例えば、メトキシ基、エトキシ基等のエーテル結合となっていてもよい。
【0018】
連結基を有していてもよい、イオン性基又はオキシアルキレン基の連結基として、前述の本発明の連結基が挙げられ、官能基として、前述の本発明の官能基が挙げられる。
【0019】
炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基と、イオン性基又はオキシアルキレン基は、R1〜R4から選ばれる同一の基に存在していてもよい。
【0020】
構成単位(I)中、R1〜R4の残余は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示すが、好ましくは水素原子又はメチル基である。
【0021】
架橋体を形成させる方法として、(a)重合時の自己架橋、(b)多官能性モノマーとの共重合、(c)放射線の照射 等の方法により架橋した共有結合性架橋、及び(d)多価金属イオンを介したイオン結合性架橋が挙げられる。これらの中でも、架橋構造の安定性、製造し易さの点から(b)が好ましく、多官能性モノマーとして少なくとも2個の反応性不飽和基を分子中に有する架橋性ビニルモノマー(以下、架橋性ビニルモノマーという)及び分子内に少なくとも2個の不飽和基以外の官能基を有する化合物が挙げられる。
【0022】
架橋性ビニルモノマーとしては、後述する架橋性ビニルモノマー等が挙げられ、分子内に少なくとも2個の不飽和基以外の官能基を有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0023】
本発明のポリマー粒子は、好ましくは、分子中に、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基から選ばれる1種以上の疎水性基と、イオン性基又はオキシアルキレン基から選ばれる1種以上の親水性基を有するビニルモノマー(以下、両親媒性ビニルモノマーという)由来の構成単位を有する、架橋ポリマー粒子であり、両親媒性ビニルモノマー、親水性ビニルモノマー及び架橋性ビニルモノマーを、ラジカル重合して得られるものが更に好ましく、後述するように逆相懸濁重合法により重合して得られるものが特に好ましい。両親媒性ビニルモノマーは、親水性のポリマー粒子中に共重合され易いため、疎水性基を導入する方法として好ましく、更に逆相懸濁重合法を用いることで、疎水性基を粒子表面に導入し易いため、本発明の効果を発揮し易いと思われる。
【0024】
本発明のポリマー粒子は、水溶液中で膨潤する性質があれば良く、泡性能を効率良く向上させる点から、収縮状態(空気中又は疎水性有機溶媒中)から膨潤状態(イオン交換水中)に変化する時、重量平均粒径が1.3倍以上に変化することが好ましく、1.5倍以上に変化することがさらに好ましく、15倍以下の変化が好ましい。
【0025】
本発明のポリマー粒子は、使用感や配合安定性の面から、疎水性有機溶媒(例えば、シクロヘキサン)中において0.1〜300μmの重量平均粒径であることが好ましく、1〜100μmの重量平均粒径であることがさらに好ましい。重量平均粒径は、一般的なレーザー回折方式粒度分布測定装置(例えばコールターLS-230;ベックマンコールター(株)製)で確認することができる。
【0026】
本発明のポリマー粒子は、カチオン性であることが好ましい。これにより、毛髪や皮膚への残留性が高まり、さらにアニオン性界面活性剤との相互作用により、泡性能を向上させるので好ましい。
【0027】
[両親媒性ビニルモノマー]
本発明に用いられる両親媒性ビニルモノマーは、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基から選ばれる疎水性基を少なくとも1個と、イオン性基又はオキシアルキレン基から選ばれる親水性基を少なくとも1個有する。
【0028】
アルキル基又はアルケニル基としては、炭素数が8以上が好ましく、12以上が更に好ましく、30以下が好ましく、22以下が更に好ましい。例えば、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基、オレイル基等が挙げられる。
【0029】
イオン性基は、アニオン性基又はカチオン性基が挙げられるが、アニオン性基であることが好ましく、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基等のアニオン性基又はその塩基中和物が更に好ましい。中和のための塩基としては、前述の本発明の塩基が挙げられる。カチオン性基としてはアンモニウム基等が挙げられる。対イオンのアニオンとしては、前述の本発明のアニオンが挙げられる。
【0030】
後述する親水性ビニルモノマーが、主としてカチオン性である場合は、両親媒性ビニルモノマーは、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基から選ばれる1種以上の疎水性基と、アニオン性基又はオキシアルキレン基から選ばれる1種以上の親水性基を有することが好ましく、親水性ビニルモノマーが、主としてアニオン性である場合は、両親媒性ビニルモノマーは、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基から選ばれる1種以上の疎水性基と、カチオン性基又はオキシアルキレン基から選ばれる1種以上の親水性基を有することが好ましい。これにより重合時に疎水基を導入しやすい。
【0031】
オキシアルキレン基は、炭素数1〜4のオキシアルキレン基が好ましく、その平均重合度が1〜100の繰り返し単位を有するものが好ましい。オキシアルキレン基は、同一又は異なって、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基が更に好ましい。2種以上のオキシアルキレン基、例えばオキシエチレン基及びオキシプロピレン基を用いる場合は、ブロック型、ランダム型、交互型等のいずれでもよい。繰り返し単位の平均重合度は、4〜80が更に好ましく、4〜50が特に好ましい。オキシアルキレン基の末端は、限定されず、水酸基を有していてもよく、炭化水素基を有して、例えば、メトキシ基、エトキシ基等のエーテル結合となっていてもよい。
【0032】
両親媒性ビニルモノマーの具体例としては、以下の(1)〜(3)に示すものを挙げることができる。
(1)分子中にアルキル基及びスルホコハク酸塩を有するビニルモノマー[ラテムルS−180、ラテムルS−180A(花王(株)製)];
(2)分子中にアルキル基及び繰り返し単位として10〜50のオキシエチレン基を有するビニルモノマーあるいは分子中にアルキル基及び末端に硫酸基を有する繰り返し単位として10〜50のオキシエチレン基を有するビニルモノマー[アデカリアソープNEシリーズ、SEシリーズ、ERシリーズ、SRシリーズ(旭電化工業(株)製)等のポリオキシエチレンアリルグリシジルアルキル(フェニル)エーテル又はその硫酸エステル塩;アクアロンHSシリーズ、RNシリーズ(第一工業製薬(株)製)等のポリオキシエチレンアルキルプロぺニルフェニルエーテル又はその硫酸エステル塩];
(3)末端にアルキルエーテル基を有し、繰り返し単位として好ましくは1〜30のオキシエチレン基を有するビニルモノマー[ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート又はアクリルアミド(オキシエチレン基の数が1〜30)等]。
【0033】
これらの両親媒性ビニルモノマーの中でも、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基から選ばれる疎水性基を少なくとも1個と、平均重合度1〜100の繰り返し単位を有する炭素数1〜4のオキシアルキレン基から選ばれる親水性基を少なくとも1個有する、非イオン性の両親媒性ビニルモノマーが、ポリマー粒子の合成のし易さ等の面でより好ましい。
【0034】
両親媒性ビニルモノマーは、モノマー全体に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、5.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以下が更に好ましい。
【0035】
[親水性ビニルモノマー]
本発明に用いられる親水性ビニルモノマーは、イオン性基又は親水性非イオン性基を有する水溶性のビニルモノマーであれば良い。親水性は、100gの水中(20℃)、溶解度が、1質量%以上のものが好ましく、5質量%以上のものがより好ましい。具体的には、特開平2002−201123号公報4頁左欄14行〜5頁右欄35行に記載のビニルモノマーが挙げられる。親水性ビニルモノマーは、モノマー全体に対して、90質量%以上が好ましく、95質量%以上が更に好ましく、99.9質量%以下が好ましい。
【0036】
これらの親水性ビニルモノマーは、下記一般式(II)〜(IV)からなる群(以下、A1群という)から選ばれる1種以上のカチオン性ビニルモノマーを含有することが好ましく、下記一般式(V)〜(X)からなる群(以下、A2群という)から選ばれる1種以上の親水性非イオン性ビニルモノマー含有することも好ましく、A1群から選ばれる1種以上のカチオン性ビニルモノマーとA2群から選ばれる1種以上の親水性非イオン性ビニルモノマーを両方含有することが洗浄剤組成物の性能上更に好ましい。特に好ましくは一般式(II)で表わされるビニルモノマーと一般式(V)で表わされるビニルモノマーを含有することである。
A1群:一般式(II)〜(IV)で表されるカチオン性ビニルモノマー。
【0037】
【化12】
【0038】
(式中、R5は水素原子又はメチル基を示し、R6及びR7は同一又は異なって、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Xは−O−又は−NH−基を示し、Y1は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基を示し、Zは水素原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、ベンジル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のスルホアルキル基又はカルボキシアルキル基を示し、W-はアニオンを示す。)
【0039】
【化13】
【0040】
(式中、R5、R6、R7、Z及びW-は前記の意味を示し、Vは炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、pは0又は1を示す。)
【0041】
【化14】
【0042】
(式中、R8及びR9は同一又は異なって水素原子又はメチル基を示し、R10及びR11は同一又は異なって水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、W-は前記の意味を示す。)
A2群:一般式(V)〜(X)で表される親水性非イオン性ビニルモノマー
【0043】
【化15】
【0044】
(式中、R5は前記の意味を示し、R12及びR13は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
【0045】
【化16】
【0046】
(式中、R5、X及びY1は前記の意味を示す。)
【0047】
【化17】
【0048】
(式中、R5、R12及びY1は前記の意味を示し、nは1〜30の数を示す。)
【0049】
【化18】
【0050】
(式中、R5、X及びY1は前記の意味を示す。)
【0051】
【化19】
【0052】
(式中、R5は前記の意味を示し、Y2及びY3は同一又は異なって、炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Uは−O−又は−CH2−基を示す。)
【0053】
【化20】
【0054】
(式中、R5は前記の意味を示し、Tは炭素数3〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。)
A1群のビニルモノマーにおいて、一般式(II)〜(IV)中、R6及びR7は、同一又は異なって、メチル基、エチル基が好ましい。Y1はエチレン基又はプロピレン基が好ましい。pは0か、pが1の場合は、Vがメチレン基であるものが好ましい。R10及びR11は、同一又は異なって、メチル基又はエチル基が好ましい。W-のアニオンとして、前述の本発明のアニオンが挙げられ、これらは混合して用いてもよい。
【0055】
A1群のビニルモノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド類の酸中和物あるいは4級アンモニウム塩;ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類の酸中和物あるいは4級アンモニウム塩;ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル型4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0056】
上記の酸中和物を得るために好ましい酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;酢酸、プロピオン酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、スルファミン酸、トルエンスルホン酸、乳酸、ピロリドン−2−カルボン酸、コハク酸、グリコール酸等の総炭素数1〜22の有機酸が挙げられ、上記4級アンモニウム塩を得るための好ましい4級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等の炭素数1〜8のハロゲン化アルキル;塩化ベンジル等のハロゲン化ベンジル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等の硫酸ジアルキル(総炭素数2〜8);アルキル(炭素数1〜8)又はアリール(炭素数6〜14)スルホン酸等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。
【0057】
A1群の中で特に好ましいビニルモノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミドを、酸で中和した酸中和物あるいは4級化剤で4級化した4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらのビニルモノマーは、ポリマー粒子の合成のし易さや、起泡性、感触等の使用感、性能安定性、皮膚への安全性、刺激低減等の面でより好ましい。
【0058】
A1群のビニルモノマーは、モノマー全体に対して、1質量%以上が好ましく、 10質量%以上が更に好ましく、80質量%以下が好ましく、60質量%以下が更に好ましい。
【0059】
A2群のビニルモノマーにおいて、一般式(V)中、R12及びR13は、少なくとも一方は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、両方共、同一又は異なって、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であることが更に好ましい。一般式(V)で表されるビニルモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド等の炭素数1〜4のアルキル(メタ)アクリルアミド;N, N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の総炭素数2〜8のジアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0060】
一般式(VI)中、Y1は炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、エチレン基又はプロピレン基が更に好ましい。一般式(VI)で表されるビニルモノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0061】
一般式(VII)中、Y1は炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、エチレン基又はプロピレン基が更に好ましい。nは1〜30が好ましく、1〜10が更に好ましい。n個のY1は同一でも異なっていてもよい。一般式(VII)で表されるビニルモノマーとしては、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコールの重合度が1〜30)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコールの重合度が1〜30)等のポリアルキレン(炭素数1〜4)グリコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0062】
一般式(VIII)中、Y1は炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。一般式(VIII)で表されるビニルモノマーとしては、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0063】
一般式(IX)で表されるビニルモノマーとしては、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。一般式(X)で表されるビニルモノマーとしては、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル環状アミドが挙げられる。
【0064】
A2群のビニルモノマーの中で、一般式(V)で表わされるビニルモノマーが好ましく、総炭素数2〜8のジアルキル(メタ)アクリルアミドがさらに好ましい。これらのビニルモノマーは、ポリマー粒子の合成のし易さや起泡性、感触等の使用感、皮膚への安全性等の面でより好ましい。
【0065】
A2群のビニルモノマーは、モノマー全体に対して、20質量%以上が好ましく、40質量%以上が更に好ましく、99質量%以下が好ましく、90質量%以下が更に好ましい。
【0066】
親水性ビニルモノマーが、A1群から選ばれる1種以上のカチオン性ビニルモノマーと、A2群から選ばれる1種以上の親水性非イオン性ビニルモノマーを用いる場合、そのビニルモノマー群A1とA2の質量比は、合成のし易さや使用感、性能安定性の点から、A1/A2=1/99〜80/20が好ましく、10/90〜60/40が更に好ましい。
【0067】
アニオン性の親水性ビニルモノマーを用いる場合は、例えば、カルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーが好ましい。具体的なモノマーとしては例えば、(メタ)アクリル酸[(メタ)アクリル酸は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物をいう]及びその塩類、スチレンカルボン酸及びその塩類、マレイン酸系モノマー及びその塩類並びにイタコン酸及びその塩類等が挙げられる。
【0068】
[架橋性ビニルモノマー]
本発明に用いられる架橋性ビニルモノマーは、2個の反応性不飽和基(好ましくはラジカル重合性基)を分子中に有する架橋性ビニルモノマーであれば良い。このビニルモノマーは単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0069】
架橋性ビニルモノマーとして、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコールの重合度が1〜30)等の多価アルコールのジ(メタ)アクリル酸エステル類;N−メチルアリルアクリルアミド、N−ビニルアクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビスアクリルアミド酢酸等のアクリルアミド類;ジビニルベンゼン等のジビニル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルアミン等のポリアリル化合物;ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
【0070】
これらの架橋性ビニルモノマーの中でも、多価アルコールのジ(メタ)アクリル酸エステル類が好ましく、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコールの重合度が1〜30)がさらに好ましい。これらのビニルモノマーは、ポリマー粒子への導入のしやすさや、皮膚への安全性等の面でより好ましい。
【0071】
架橋性ビニルモノマーは、泡質、感触等の使用感を考慮すると、全モノマーに対して、0.002質量%以上が好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、2.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。
【0072】
[その他のビニルモノマー]
本発明のポリマー粒子は、前述のビニルモノマーを重合して得られるものが好ましいが、これらのモノマーと共重合可能なその他のモノマーも0〜50質量%の範囲で共重合することができる。
【0073】
[ポリマー粒子の製造法]
本発明のポリマー粒子を得るには、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の一般的な重合法を用いて前述のビニルモノマーをラジカル共重合することが好ましく、逆相懸濁重合法を用いて重合することが特に好ましい。
【0074】
逆相懸濁重合法は、両親媒性ビニルモノマー及び好ましくは分散助剤を含有する疎水性有機溶媒中に、親水性ビニルモノマー、架橋性ビニルモノマー及びラジカル重合開始剤を含有する水溶液を分散させ、窒素等の不活性ガスによる置換等により系内の溶存酸素を除去した後、昇温して重合する。重合後、水及び疎水性有機溶媒を留去することによりポリマー粒子を得る。逆相懸濁重合法は、両親媒性ビニルモノマーを含む疎水性有機溶媒溶液中、親水性ビニルモノマー及び架橋性ビニルモノマーを含む水溶液を分散させて重合するため、両親媒性ビニルモノマーがポリマー粒子表面に存在し易く、本発明の効果が発揮されやすい。
【0075】
本発明に用いられるラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過酸化物等が挙げられる。ラジカル重合開始剤の使用量は、全ビニルモノマーに対して0.01〜1.0モル%が好ましい。
【0076】
水相中に含まれる全ビニルモノマーの濃度は、反応率を考慮して、10〜70質量%が好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。
【0077】
本発明で用いられる疎水性有機溶媒とは、水との相溶性が低い不活性な水不溶性有機溶媒であれば良い。例えば、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;n−ブチルアルコール、n−アミルアルコール等の炭素数4〜6の脂肪族アルコール;メチルエチルケトン等の脂肪族ケトン;酢酸エチル等の脂肪族エステル等が挙げられる。これらの疎水性有機溶媒は、2種以上併用しても良い。
【0078】
この疎水性有機溶媒は、分散安定性を考慮して、疎水性有機溶媒中の水相濃度が5〜60質量%になるような量を使用するのが好ましく、10〜50質量%になるような量を使用するのがさらに好ましい。
【0079】
本発明においては、両親媒性ビニルモノマーが分散剤として働くが、分散安定性及び両親媒性ビニルモノマーの使用量の自由度を上げるため、分散助剤を併用することが望ましい。この分散助剤としては、本発明で用いる疎水性有機溶媒相に溶解し、水相との界面に吸着する性質があれば良く、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレン誘導体;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成ポリマー;アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン性界面活性剤等が挙げられる。これらの分散助剤は、2種以上併用しても良い。これらの分散助剤の中でも、脂肪酸エステルが分散安定性の面で好ましい。
【0080】
この分散助剤は、分散安定性を考慮して、全ビニルモノマー量に対して0.1〜10質量%使用することが好ましく、0.5〜5質量%使用することがさらに好ましい。
【0081】
分散は、単に前記疎水性有機溶媒溶液と水溶液を混合・撹拌するだけでも可能であるが、より均一で安定性の高い懸濁液を得るため、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ラインミキサー等の分散機を用いて予め予備分散することが望ましい。このとき、一般的なレーザー回折方式粒度分布測定装置(例えばコールターLS-230;ベックマンコールター(株)製)で測定したときの水相の平均粒径が0.1〜300μmであることが好ましく、1〜100μmであることがさらに好ましい。
【0082】
重合は、通常30〜90℃程度の温度で30分〜10時間程度行う。重合後、ポリマー粒子の回収を容易にする目的で、予め脱水を行うことが望ましい。脱水量は、重合時に使用された全水量に対して60〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がさらに好ましい。その後、疎水性有機溶媒を留去することで、容易にハンドリング良くポリマー粒子を回収することができる。
【0083】
[化粧料]
本発明の化粧料中、本発明のポリマー粒子の含有量は、その化粧料の目的に応じて適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、0.01〜10質量%、特に0.1〜5質量%が好ましい。
【0084】
本発明の化粧料の形態は特に限定されず、油中水型又は水中油型の乳化化粧料、油性化粧料、スプレー化粧料、スティック状化粧料、水性化粧料、シート状化粧料、ゲル状化粧料等のいずれでもよい。また本発明の化粧料の種類も特に限定されず、例えばパック、ファンデーション、口紅、ローション、コールドクリーム、ハンドクリーム、皮膚洗浄剤、柔軟化化粧料、栄養化粧料、収斂化粧料、美白化粧料、シワ改善化粧料、老化防止化粧料、洗浄用化粧料、制汗剤、デオドラント剤等の皮膚化粧料;シャンプー、リンス、トリートメント、整髪剤、養毛剤等の毛髪化粧料が挙げられる。好ましくは、シャンプー、リンス、トリートメント、皮膚洗浄剤等のリンスオフの剤形であり、洗浄剤が更に好ましい。
【0085】
本発明のポリマー粒子は、界面活性剤と組み合わせた洗浄剤組成物として使用することができる。この洗浄剤組成物は、皮膚、毛髪用洗浄剤組成物として使用されると最もその効果を発揮できる。本発明のポリマー粒子は、本発明の洗浄剤組成物に0.01〜10質量%配合されることが好ましく、0.1〜5質量%配合されることがさらに好ましい。
【0086】
本発明で用いられる界面活性剤は、通常の皮膚、毛髪用洗浄剤で用いられる界面活性剤であれば何れでも良い。具体的には、特開平2002−201123号公報6頁左欄13行〜7頁左欄33行に記載の界面活性剤や高級脂肪酸又はその塩等の界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0087】
これらの界面活性剤のうち、特にリン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、高級脂肪酸又はその塩、アルキルサッカライド系界面活性剤等が主界面活性剤として好ましい。具体例としては、ラウリルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム(エチレンオキサイド平均2〜3モル付加)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキサイド平均2〜3モル付加)、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、デシルポリグルコシド等が挙げられる。
【0088】
これらの界面活性剤は、洗浄剤組成物中に0.1〜60質量%配合するのが好ましく、1〜40質量%配合するのがさらに好ましい。
【0089】
本発明の洗浄剤組成物には、前記必須成分の他に、通常の洗浄剤組成物に用いられる成分、例えば、アニオン性、ノニオン性、カチオン性ポリマー等の粘度調整剤;ポリオール類等の保湿成分;アマイド、脂肪酸等の増泡剤;その他油分、微粉体、パール化剤、防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属キレート剤、香料、色素、溶剤等を、本発明の作用効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0090】
本発明の洗浄組成物は、常法に従って製造することができる。又、その剤型も液体状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等の任意の剤型にすることができる。その中でも、液体状、ペースト状、クリーム状とするのが好ましく、希釈媒体として水を配合することが好ましい。
【0091】
【実施例】
合成例1
シクロヘキサン510.0gにリョートーシュガーエステルS−770(三菱化学フーズ(株)製)1.5g及びアデカリアソープER−10(旭電化工業(株)製両親媒性ビニルモノマー)0.2gを溶解し、親水性モノマーとしてN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩75%水溶液(DMAPAA−Q:(株)興人製)14.5g、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA:(株)興人製)50.0g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(NK−14G:新中村化学(株)製)0.02gと、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩0.30gをイオン交換水80.0gに溶解させた水溶液をそこへ添加して、ホモミキサーを用いて水相の粒径が3〜4μmになるまで分散させた。これを内容量1Lのガラス製セパラブルフラスコに入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら昇温し、50〜70℃付近で1〜3時間重合・熟成した。その後、さらに昇温して系中の水を80%以上留去した。最後にシクロヘキサンを完全に留去して、ポリマー粒子1を得た。ポリマー粒子の重量平均粒径は乾燥時に2.7μmであり、イオン交換水中では32μmに膨潤した。
【0092】
合成例2
合成例1において、モノマーのうち、アデカリアソープER−10の量を0.6gに変更する以外は、合成例1と同様にして、ポリマー粒子2を得た。
【0093】
合成例3
合成例2において、親水性モノマーのうち、DMAPAA−Qの代わりにメタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウム エチルサルフェート80%水溶液(MOEDES:日東理研工業(株)製)19.0gを用い、DMAAの添加量を43.0gに変更する以外は、合成例2と同様にして、ポリマー粒子3を得た。
【0094】
合成例4
合成例2において、親水性モノマーのうち、DMAPAA−Qの代わりにアクリル酸80%水溶液(AA:東亜合成(株)製)5.5gを水酸化ナトリウム2.4gで中和したものを用い、DMAAの添加量を53.5gに変更する以外は、合成例2と同様にして、ポリマー粒子4を得た。
【0095】
合成例5
合成例2において、親水性モノマーのうち、DMAPAA−Qの代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA:和光純薬工業(株)製)7.5gを用い、DMAAの添加量を50.5gに変更する以外は、合成例2と同様にして、ポリマー粒子5を得た。
【0096】
合成例6
合成例1において、モノマーのうち、アデカリアソープER−10を添加しないこと以外は、合成例1と同様にして、ポリマー粒子6を得た。
【0097】
合成例7
合成例3において、モノマーのうち、アデカリアソープER−10を添加しないこと以外は、合成例3と同様にして、ポリマー粒子7を得た。
【0098】
試験例1:界面活性剤との相互作用
合成例で得られたポリマー粒子1〜7と界面活性剤との相互作用を以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0099】
<評価法>
ポリマー粒子の濃度(0.5質量%)を一定にし、アルキル(平均炭素数12)リン酸カリウム濃度が所定濃度(0、0.1、0.5、2、10質量%)になるように水溶液を調製した。この水溶液のpHを5.4〜5.6に合わせ、50℃で12時間静置した。このとき均一に溶解しない場合は、さらに50℃で12時間撹拌した。2〜3時間放冷後、凝集物の生成の有無を目視で確認し、何れかの界面活性剤濃度において凝集物の生成があるものを「有り」、何れの界面活性剤濃度においても凝集物の生成がないものを「無し」とした。
【0100】
また、B型粘度計(25℃、60rpm)で粘度を測定し、アルキル(平均炭素数12)リン酸カリウム濃度が0の時の粘度と比較して、下記の基準で粘度上昇を評価した。
大きい:1000mPa・s以上の粘度上昇
普通:100mPa・s以上1000mPa・s未満の粘度上昇
小さい:10mPa・s以上100mPa・s未満の粘度上昇
無し:10mPa・s未満の粘度上昇
【0101】
【表1】
【0102】
表1から明らかなように、本発明のポリマー粒子1〜5は、何れかの界面活性剤濃度において、凝集物の生成又は粘度上昇が起こることから、界面活性剤と相互作用が大きいことが推定される。
【0103】
実施例1
合成例で得られたポリマー粒子1〜7を用いるか、あるいはポリマー粒子を用いずに、表2に示した配合組成の本発明又は比較の洗浄剤組成物を常法で調製した。これらの洗浄剤組成物の使用感を下記方法で評価した。結果を表2に示す。
【0104】
<使用感の評価法>
専門パネラー6人によって、入浴時に全身に使用した場合の泡立ちやすさ、起泡量、泡の持続性、泡質、肌感触を、ポリマー粒子7配合の比較品を標準(普通;スコア3)として、以下の基準で官能評価し、その平均スコアで評価した。
(1)泡立ちやすさ
極めて泡立ちやすい…スコア5
泡立ちやすい…………スコア4
普通……………………スコア3
泡立ちにくい…………スコア2
極めて泡立ちにくい…スコア1
(2)起泡量
十分多い……スコア5
多い…………スコア4
普通…………スコア3
少ない………スコア2
少なすぎる…スコア1
(3)泡の持続性
泡持ちが非常に良い…スコア5
泡持ちが良い…………スコア4
普通……………………スコア3
泡持ちが悪い…………スコア2
泡持ちが非常に悪い…スコア1
(4)泡質
泡が非常にきめ細かく、白い…………スコア5
泡がきめ細かく、やや白い……………スコア4
普通………………………………………スコア3
泡が粗く、あまり白くない……………スコア2
泡が非常に粗く、ほとんど白くない…スコア1
(5)肌感触
滑り感や弾力感が強い…………………スコア5
滑り感や弾力感がある…………………スコア4
普通………………………………………スコア3
滑り感や弾力感があまりない…………スコア2
滑り感や弾力感がない……………………スコア1
【0105】
【表2】
【0106】
1) アルキル基の平均炭素数12
2) ポリオキシエチレン鎖のエチレンオキサイド平均付加モル数2、アルキル基の平均炭素数12
3) 脂肪酸の平均炭素数12
4) エチレングリコールジステアレート
[配合例]
皮膚用洗浄剤の配合例を以下に示す。
【0107】
<皮膚用洗浄剤1>
ポリマー粒子1 0.5質量%
モノラウリルリン酸カリウム 10
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 5
モノラウリン酸グリセリル 2
ドデシルグルコシド 5
油剤/溶剤/pH調整剤/香料/色素/防腐剤 適量
イオン交換水 バランス。
【0108】
<皮膚用洗浄剤2>
ポリマー粒子2 0.5質量%
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15
モノラウリン酸グリセリル 4
ラウリン酸 2
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 6
油剤/溶剤/pH調整剤/香料/色素/防腐剤 適量
イオン交換水 バランス。
【0109】
<皮膚用洗浄剤3>
ポリマー粒子1 0.5質量%
ラウリン酸カリウム 13
ミリスチン酸カリウム 4
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 3
油剤/溶剤/pH調整剤/香料/色素/防腐剤 適量
イオン交換水 バランス。
【0110】
毛髪用洗浄剤の配合例を以下に示す。
【0111】
<毛髪用洗浄剤1>
ポリマー粒子1 1質量%
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 10
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 3
ジメチルポリシロキサン(KF−96;信越化学工業(株)製) 3
エチレングリコールジステアリン酸エステル 1
油剤/溶剤/pH調整剤/香料/色素/防腐剤 適量
イオン交換水 バランス。
【0112】
<毛髪用洗浄剤2>
ポリマー粒子1 1質量%
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 10
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 3
シリコーンエマルション 3
(BY−22−026;東レ・ダウコーニング(株)製)
塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.3
エチレングリコールジステアリン酸エステル 1
油剤/溶剤/pH調整剤/香料/色素/防腐剤 適量
イオン交換水 バランス
【0113】
【発明の効果】
本発明のポリマー粒子を含有する洗浄剤は、起泡性、泡の持続性、泡質、感触等の使用感が良好である。これは、両親媒性ビニルモノマー由来の構成単位を有する本発明のポリマー粒子と界面活性剤との間に、相互作用を有し、それが前記の泡性能や感触の向上に効果があると考えられる。特に、界面活性剤濃度が薄い時に、相互作用があることから、実使用で想定される範囲の高希釈倍率時において、効果が高いと考えられる。
Claims (9)
- 炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基から選ばれる1種以上の疎水性基と、イオン性基又はオキシアルキレン基から選ばれる1種以上の親水性基を有するビニルモノマー(以下、両親媒性ビニルモノマーという)、親水性ビニルモノマー及び架橋性ビニルモノマーを、ラジカル重合して得られる架橋ポリマー粒子であって、親水性ビニルモノマーが、下記一般式( II )〜( IV )からなる群(以下、A1群という)から選ばれる1種以上のカチオン性ビニルモノマーを含む、架橋ポリマー粒子。
- 親水性ビニルモノマーが、下記一般式(V)〜(X)からなる群(以下、A2群という)から選ばれる1種以上の親水性非イオン性ビニルモノマーを含む、請求項1記載のポリマー粒子。
- 親水性ビニルモノマーが、A1群から選ばれる1種以上のカチオン性ビニルモノマーと、A2群から選ばれる1種以上の親水性非イオン性ビニルモノマーを含み、その質量比が、A1/A2=1/99〜80/20である、請求項1又は2記載のポリマー粒子。
- 両親媒性ビニルモノマーが、全モノマー中0.01〜5.0質量%である請求項1〜3いずれかの項記載のポリマー粒子。
- 架橋性ビニルモノマーが、全モノマー中0.002〜2.0質量%である、請求項1〜4いずれかの項記載のポリマー粒子。
- 重合法が、逆相懸濁重合法である、請求項1〜5いずれかの項記載のポリマー粒子。
- 重量平均粒径が、0.1〜300μmである、請求項1〜6いずれかの項記載のポリマー粒子。
- 請求項1〜7いずれかの項記載のポリマー粒子を含有する化粧料。
- 洗浄剤である、請求項8記載の化粧料。
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