JP6218276B2 - メーキャップ化粧料用樹脂及びメーキャップ化粧料 - Google Patents

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本発明は、ファンデーション等の化粧料に使用することができるメーキャップ化粧料用樹脂及びメーキャップ化粧料に関する。
従来、メーキャップ化粧料などの化粧料分野では、化粧持ちを向上させたり、耐水性や耐油性を向上させたりすることを目的として、天然樹脂、あるいは人工的に合成された重合体からなる樹脂が添加剤として使用されている。このような樹脂は、これを構成する重合体の分子構造、物理的性質、化学的性質などを適宜設計することで、メーキャップ化粧料に多様な機能をもたらすことが可能となる。例えば、特許文献1では、ラジカル重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物とメタクリレート等との共重合体(アクリル−シリコーン系グラフト共重合体)を含んだメーキャップ化粧料が提案されている。このようなアクリル−シリコーン系グラフト共重合体をメーキャップ化粧料に添加することで、化粧膜の耐水性、耐油性の向上効果や、化粧崩れ等の防止効果を高めるようにしている。また、特許文献2では、アニオン性基を有する繰り返し単位、特定の炭素数のアルキル基を含む繰り返し単位及びポリシロキサン繰り返し単位が、特定構造のジイソシアネート残基を介して互いに結合された樹脂を化粧料用の基材樹脂として使用することも提案されている。特に、特許文献2で提案されている基材樹脂を添加した化粧料では、肌に塗布した際に形成される基材樹脂由来の膜(以下、「皮膜」ということがある)の延びが向上するので、肌に対して良好な使用感を与えることができる。
特開平7−187951号公報 特開2005−104973号公報
しかしながら、上記提案されているような樹脂を含むメーキャップ化粧料では、肌に塗布した際に形成される皮膜の硬さが適切なものでないため、時間の経過と共に徐々に皮膜が崩壊し、化粧くずれが起こりやすく、ハリ感に劣るものであった。また、使用時のべたつきについては何ら考慮されていない樹脂の構成であるため、時間の経過と共に使用感が低下してしまうという問題もあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、適度な皮膜性を有すると共にその皮膜のべたつきを抑制することができ、肌がぴんと張ったようなハリ感を付与することのできるメーキャップ化粧料用樹脂及びこのメーキャップ化粧料用樹脂を含有するメーキャップ化粧料を提供することを目的とする。
本発明に係るメーキャップ化粧料用樹脂は、エチレン性不飽和単量体成分の重合体からなり、前記重合体は、下記式(I)で示される繰り返し単位(A)と、下記式(II)で示される繰り返し単位(B)と、下記式(III−a)で示される繰り返し単位(C1)、下記式(III−b)で示される繰り返し単位(C2)及び下記式(IV)で示される繰り返し単位(D)のうちの少なくとも1以上の繰り返し単位と、を分子中に含むことを特徴とするものである。
Figure 0006218276
Figure 0006218276
式(II)中、RはH又はCH、RはH又は炭素数1〜8のアルキル基、AはO又はNHを示す。また、x、yはそれぞれ0〜100の整数であり、x+y≧2である。また、(EO)は(CO)、(PO)は(CO)を示す。
Figure 0006218276
式(III−a)中、RはH又はCHを示す。
Figure 0006218276
式(III−b)中、RはH又はCH、Rは炭素数1又は2のアルキル基を示す。
Figure 0006218276
式(IV)中、RはH又はCH、Rは炭素数1〜18の直鎖状炭化水素基、分岐鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示す。
また、上記メーキャップ化粧料用樹脂において、前記重合体は、さらに下記式(V)で示される繰り返し単位(E)を分子中に含むことが好ましい。
Figure 0006218276
式(V)中、RはH又はCH、mは1〜25の整数である。
また、上記メーキャップ化粧料用樹脂において、前記エチレン性不飽和単量体成分は、N,N−ジメチルアクリルアミドを40〜60質量%を含有し、前記重合体は、重量平均分子量が5,000〜50,000であり、かつ、ガラス転移温度が20〜50℃であることが好ましい。
また、本発明に係るメーキャップ化粧料は、上記メーキャップ化粧料用樹脂を含有することを特徴とするものである。
本発明のメーキャップ化粧料用樹脂は、特定の構造の繰り返し単位を含む分子構造を有する重合体からなるため、皮膜性(皮膜の形成のし易さや皮膜の崩れにくさ)に優れ、また、形成された皮膜は適度な柔軟性を持つため、肌がぴんと張ったようなハリ感を付与することができる。そのため、上記メーキャップ化粧料用樹脂により、化粧持ちが良く、使用感に優れるメーキャップ化粧料を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明のメーキャップ化粧料用樹脂は、エチレン性不飽和単量体成分などの重合性単量体(モノマー)を重合させて得られる重合体(ポリマー又はオリゴマー)である。本明細書では、上記重合体を必要に応じて「重合体P」と表記する。
重合体Pは、分子中に、繰り返し単位(A)と、繰り返し単位(B)と、繰り返し単位(C1)、繰り返し単位(C2)及び繰り返し単位(D)の群から選ばれる少なくとも1以上の繰り返し単位と、を有する。ここで、繰り返し単位(A)、繰り返し単位(B)、繰り返し単位(C1)、繰り返し単位(C2)及び繰り返し単位(D)はそれぞれ、式(I)、式(II)、式(III−a)、式(III−b)及び式(IV)で示される化学構造を有している(それぞれ、上記[化1]〜[化5]に示す)。尚、繰り返し単位(C1)及び繰り返し単位(C2)を総称して、繰り返し単位(C)と称する。繰り返し単位(C)は、繰り返し単位(C1)及び繰り返し単位(C2)のいずれか一方であってもよいし、両方であってもよい。
式(II)において、Rが炭素数1〜8のアルキル基である場合、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。この場合のアルキル基は、直鎖状又は、分岐状であってもよいし、脂環式炭化水素基であってもよい。
式(III−b)における炭素数1〜2のアルキル基(R)の具体例としては、メチル基、エチル基である。
式(IV)におけるRの具体例として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、ステアリル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。この場合のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状であってもよいし、脂環式であってもよい。
重合体Pは、本発明の効果が阻害されない程度であれば、さらに他の繰り返し単位として、[化6]の式(V)で示される繰り返し単位(E)を有していてもよい。この繰り返し単位(E)は、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールに由来する繰り返し単位であり、このような繰り返し単位(E)によって、重合体Pが架橋構造を形成できるようになる。尚、本明細書では、「(メタ)アクリ((meth)acry−)」は、「アクリ(acry−)」および/または「メタクリ(methacry−)]を意味する。
重合体Pは、分子中に繰り返し単位(A)及び繰り返し単位(B)と、繰り返し単位(C1)、(C2)及び(D)の群から選ばれる少なくとも一つの繰り返し単位とを含むことを必須とし、また、必要に応じて繰り返し単位(E)を含むことができる。
メーキャップ化粧料用樹脂は、重合体Pからなるものであるため、肌に対する皮膜性に優れる。そのため、例えば、重合体Pからなる樹脂を溶媒に溶解させた溶液などから、容易に皮膜を形成することができる。これは、繰り返し単位(A)が人の肌に対する親和性が高いという性質を有するためである。また、重合体Pが分子中に繰り返し単位(A)を含むことで、重合体Pの親水性を高めることができる。そのため、重合体Pは、例えば、乳化型化粧料の水相に配合されてもその水相とのなじみが良好であるので、乳化型化粧料の調製が容易になる。
また、重合体Pは、分子中に上述した繰り返し単位を含むため、肌に形成された上記皮膜が硬くなりすぎたり、柔らかくなりすぎたりすることを抑制することができる。これは、重合体Pの分子(以下、単に重合体分子ということがある)が、皮膜を硬くさせる特性を有する繰り返し単位(A)と、皮膜に柔軟性を与える繰り返し単位(B)の両方を有していることに起因するものである。さらに、繰り返し単位(C)及び/又は繰り返し単位(D)が含まれていることで、重合体の分子間力を調節することが可能となり、皮膜の崩壊がさらに抑制される。また、重合体Pが繰り返し単位(C)を有していれば、側鎖のヒドロキシエチル基由来の水酸基又はアルコキシエチル基由来のアルコキシル基により、皮膜にべたつき感を与えることなく、適度な潤いを与えることが可能となると共に重合体Pに適度な親水性を与えることができる。また、重合体Pが繰り返し単位(D)を有していれば、アルキル基(R)の種類を選択することによって重合体分子間力の調節が可能となり、適度な硬さや柔軟性、経時的な耐久性を皮膜に与えることで皮膜の崩壊を更に抑制することができる。特に、繰り返し単位(D)において、(IV)式で示されるRが炭素数4〜12のアルキル基であれば、皮膜の崩壊をより起こしにくくすることができる。
以上より、上記重合体Pからなるメーキャップ化粧料用樹脂をメーキャップ化粧料の皮膜形成用の樹脂として使用すれば、メーキャップ化粧料の化粧持ち(化粧の持続性)が向上する。しかも、上記メーキャップ化粧料では、化粧処理後、時間が経過しても化粧崩れが起こりにくく、べたつき感も生じにくいので、長時間、良好な使用感が維持される。
特に、メーキャップ化粧料においては、肌に塗布して形成される皮膜は、硬さと柔らかさの両立が要求されるため、上記重合体Pからなるメーキャップ化粧料用樹脂は、メーキャップ化粧料として好適に採用され得る。
ここで、重合体Pの皮膜状態での硬さや柔らかさの調整は、重合体分子への繰り返し単位(A)と、繰り返し単位(B)と、繰り返し単位(C)及び/又は繰り返し単位(D)との各々の繰り返しの導入数、すなわち、重合体1分子あたりの各繰り返し単位のモル比を適宜調節することで行うことができる。本発明では、重合体1分子あたり、各繰り返し単位のモル比(ユニットモル比)は特に制限されるものではなく、要求される重合体の皮膜の硬さに応じて、適宜調整すればよい。
重合体Pは、分子中に繰り返し単位(A)〜(D)をすべて含んでいてもよいし、また、繰り返し単位(A)〜(E)のすべてを含んでいてもよい。また、重合体分子中に含まれる繰り返し単位(B)としては、1種のみに限らず、異なる2種以上であってもよい。繰り返し単位(C)〜(E)についても同様である。
重合体Pは、上記の各々の繰り返し単位がランダムに配列したランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体や交互共重合体であってもよい。後述のように、重合体Pを重合開始剤存在下でのラジカル重合で製造する場合、通常はランダム共重合体となり得る。また、本発明の効果が阻害されない程度であれば、重合体Pは、グラフト重合体(枝分かれを有する分子構造からなる重合体)であってもよい。
重合体Pの重量平均分子量は特に制限されるものではないが、5,000〜50,000であることが好ましい。ここでいう重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算して測定された値のことをいう。重量平均分子量の上限が50,000であれば、皮膜が硬くなりすぎるのを防止しやすくなり、皮膜の崩壊の抑制効果が高まると共に、重合体Pの溶液の粘性が高くなりすぎず、化粧料へ配合する際のハンドリング性が良好となる。また、重量平均分子量の下限が5,000であれば、皮膜のべたつきをさらに抑制することができ、且つ、適度な皮膜性を与えることができるため、上記メーキャップ化粧料の使用感をより高めることができる。重量平均分子量のより好ましい上限は30,000であり、より好ましい下限は7,000である。
また、重合体Pのガラス転移温度(Tg)は特に制限されるものではないが、20〜50℃であることが好ましい。ここでいうガラス転移温度は、エチレン性不飽和単量体成分の重合によって重合体Pを得る際に使用するエチレン性不飽和単量体の各種成分の組成割合から理論的に計算される値を示すものであって、下記のFoxの式で算出した値をいう。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
ここで、上記式は、n種類(nは1以上の整数)のエチレン性不飽和単量体成分の重合によって重合体Pを得た場合の計算式である。W1,W2,・・・Wnはそれぞれ、n種類のエチレン性不飽和単量体成分の各重量分率を示し、Tg1,Tg2,・・・Tgnはそれぞれ、1種のエチレン性不飽和単量体成分の重合によって得られる、いわゆるホモポリマーのガラス転移温度である。上記Foxの式におけるガラス転移温度の単位は絶対温度「K」である。ただし、本発明におけるこの計算は単官能性単量体のみに適用されるものであって、後述する多官能性単量体である単量体成分(e)(ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール)は、この計算においては構成成分とみなさず対象外とする。すなわち、上記エチレン性不飽和単量体成分に単量体成分(e)が含まれていたとしても、この単量体成分(e)は含まれないものとみなして上記式によりTgを算出するものとする。尚、エチレン性不飽和単量体成分の重合によって重合体Pを得る方法については後述する。
上記ガラス転移温度の上限が50℃であれば、皮膜が硬くなることが防止され、皮膜の崩壊が抑制される。そのため、メーキャップ化粧料の化粧持ちを向上させることができる。さらに、メーキャップ化粧料を使用した際の過剰なつっぱり感を抑制することができる。また、ガラス転移温度の下限が20℃であれば、皮膜のべたつきをさらに抑制することができ、メーキャップ化粧料の使用感をより高めることができる。さらに、適度な皮膜形成性を与えるため、メーキャップ化粧料を使用した際に良好なハリ感を与えることができる。ガラス転移温度のより好ましい上限は40℃であり、より好ましい下限は30℃である。
重合体Pは、エチレン性不飽和単量体成分の重合反応を行なうことで合成することができる。以下、エチレン性不飽和単量体成分及びその重合方法について詳述する。
エチレン性不飽和単量体成分には、N,N−ジメチルアクリルアミド(以下、単量体成分(a)という」を含むことができる。
上記単量体成分(a)は、重合することで繰り返し単位(A)を重合体Pの分子(重合体分子)中に導入することができる単量体である。
また、エチレン性不飽和単量体成分には、[化7]の式(1)で示される単量体(以下、「単量体成分(b)」という)を含むことができる。
Figure 0006218276
式(1)中、RはH又はCH、RはH又は炭素数1〜8のアルキル基、AはO又はNHを示す。また、x、yはそれぞれ0〜100の整数であり、x+y≧2である。また、(EO)は(CO)、(PO)は(CO)を示す。
上記単量体成分(b)は、重合することで繰り返し単位(B)を重合体分子中に導入することができる単量体である。
単量体成分(b)は、オキシエチレン(エチレンオキサイドともいう、EOと表記)及びオキシプロピレン(プロピレンオキサイドともいう、POと表記)の繰り返し単位からなるブロックコポリマーが側鎖に結合した構造を有している。
単量体成分(b)の具体例としては、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(x=5、y=2)(日油株式会社製ブレンマー70PEP−350B)、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート(x=8、y=6)(日油株式会社製ブレンマー50POEP−800B)、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート(x=8、y=6)(日油株式会社製ブレンマー50AOEP−800B)等の単官能不飽和単量体が挙げられる。
また、エチレン性不飽和単量体成分には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(以下、「単量体成分(c1)」という)及び[化8]の式(2)で示されるアルコキシエチル(メタ)アクリレート(以下、「単量体成分(c2)」という)のいずれか一方又は両方を含むことができる。単量体成分(c1)と単量体成分(c2)を総称して、以下、「単量体成分(c)」という。
Figure 0006218276
式(2)中、RはH又はCH、Rは炭素数1又は2のアルキル基を示す。
上記単量体成分(c)は、重合することで繰り返し単位(C)を重合体分子中に導入することができる単量体である。具体的には、単量体成分(c1)が繰り返し単位(C1)、単量体成分(c2)が繰り返し単位(C2)を分子中に与える単量体に相当する。
単量体成分(c2)(式(2)で示される単量体)の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル等が挙げられる。
また、エチレン性不飽和単量体成分には上記のほか、(メタ)アクリル酸と、炭素数1〜18の直鎖状、分岐状又は脂環式の炭化水素基を有するモノアルコールとのエステル化合物であるアルキル(メタ)アクリレート(以下、「単量体成分(d)」という)を含むことができる。上記単量体成分(d)は、重合することで繰り返し単位(D)を重合体分子中に導入することができる単量体である。
単量体成分(d)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体成分には、上記の他、本発明の効果が阻害されない程度であれば、その他(単量体成分(a)〜(d)以外)の単量体(以下、「単量体成分(e)」という)としてジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールを含有することができる。上記単量体成分(e)は、重合することで繰り返し単位(E)を重合体分子中に導入することができる二官能性の単量体である。
単量体成分(e)がエチレン性不飽和単量体成分の重合体Pから形成される皮膜の柔軟性、肌の密着性、粘着性などを調節することが可能となる。
尚、エチレン性不飽和単量体成分には、本発明の効果が阻害されない程度であれば、例えば、重合禁止剤、光安定剤、希釈溶剤などの添加剤が含まれていてもよい。
エチレン性不飽和単量体成分の各単量体成分の配合比率は適宜調整することができるが、N,N−ジメチルアクリルアミド(単量体成分(a))は、エチレン性不飽和単量体成分の全質量に対して、40〜60質量%とすることができる。単量体成分(a)の含有量の上限が60質量%であれば、重合体Pの皮膜が硬くなるのを防止しやすくなり、皮膜が経時的に崩壊しにくく、化粧持ちが良好となる。また、単量体成分(a)の含有量の下限が40質量%である場合、重合体Pの皮膜が柔らかくなるのを防止しやすくなり、また、メーキャップ化粧料に配合した際のべたつき性が抑えられ、良好な使用感が得られると共に、重合体Pの親水性の低下を抑えられる。そのため、重合体Pが乳化型化粧料の水相に配合されても、その水相とのなじみが良好であるので、乳化型化粧料の調製が容易になる。
また、単量体成分(b)は、エチレン性不飽和単量体成分の全質量に対して1〜35質量%、単量体成分(c)は、エチレン性不飽和単量体成分の全質量に対して1〜35質量%、単量体成分(d)は、エチレン性不飽和単量体成分の全質量に対して1〜35質量%、単量体成分(e)は、エチレン性不飽和単量体成分の全質量に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。
エチレン性不飽和単量体成分の重合方法として、親水性溶媒又は水と親水性溶媒の混合溶媒を用いた溶液共重合法が採用され得る。この場合、例えば親水性溶媒又は混合溶媒中にエチレン性不飽和単量体成分を溶解すると共にラジカル重合開始剤を添加して反応溶液を調製し、窒素気流下、溶媒の沸点又はその近傍温度で攪拌することで、エチレン性不飽和単量体成分を重合させることができる。反応溶液中には反応開始当初からエチレン性不飽和単量体成分に含まれる単量体成分の全種及び全量が溶解していてもよいが、単量体成分の種類、量等に応じて、重合反応を進行させながら反応溶液中にエチレン性不飽和単量体成分を分割して添加してもよい。あるいは、重合反応を進行させながら反応溶液中にエチレン性不飽和単量体成分を連続滴下してもよい。溶媒の使用量は、重合反応終了時の溶液中の重合体固形分濃度が20〜80質量%の範囲となるように調整されることが好ましい。
溶液共重合に使用される溶媒は、上記のとおり親水性溶媒又は水と親水性溶媒の混合溶媒である。親水性溶媒は、水に対する溶解度が10g/水100g(25℃)以上である有機溶媒であることが好ましい。このような親水性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール及びグリセリン等の炭素数が1〜4の脂肪族1〜4価アルコール;アセトン;メチルセロソルブ;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル;ジオキサン;酢酸メチル;酢酸エチル;ジメチルホルムアミド等が挙げられる。親水性溶媒は一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用して使用してもよい。なお、重合体Pを化粧料用の基材として使用する点から考えれば、残存する重合時の溶媒が人体の皮膚に付着する可能性があることを考慮して、エタノール又は2−プロパノールを単独又は併用で用いるのがよい。
ラジカル重合開始剤としては適宜のものが使用されるが、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化水素等の過酸化物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−ジヒドロクロリド等のアゾ系化合物等を使用することが好ましい。
また、反応溶液中には、重量平均分子量の調節等のため、必要に応じて連鎖移動剤が添加されてもよい。連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えばラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリセロール等のメルカプタン基を有する化合物;次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の無機塩等が挙げられる。連鎖移動剤の使用量は、重合体Pの分子量が所望の範囲となるように適宜決定されるが、通常、エチレン性不飽和単量体成分の総量100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲が好ましい。
また、リビングラジカル重合法によりエチレン性不飽和単量体成分を重合させてもよい。この場合、重合体Pの重量平均分子量の調整が容易になると共に、連鎖移動剤を使用する場合よりも分子量分布の狭い重合体Pが生成する。
重合体Pを得るための重合法はもちろん、上記溶液共重合法に限定されるものではなく、その他の方法、例えば、懸濁重合、バルク重合、分散重合等の適宜の方法が採用され得る。また、重合反応はラジカル重合以外にも、イオン重合などで行うこともできる。
エチレン性不飽和単量体成分の重合時の温度、時間等の重合条件は、エチレン性不飽和単量体成分やラジカル重合開始剤の種類等に応じ、高い反応率で重合反応が進行するように適宜設定される。重合反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行ってもよい。重合反応終了時の未反応モノマーの残存量は少量であるほど好ましい。
このようなエチレン性不飽和単量体成分の重合反応により、エチレン性不飽和単量体成分の重合体Pを含有する溶液が生成する。本発明では、複数の繰り返し単位を分子中に含むので、上記重合反応で生成する樹脂は共重合体である。
重合体Pは、上記以外の方法で作製されるものであってもよい。例えば、あらかじめポリアクリル酸やポリアクリルアミドなどのポリマー又はオリゴマーを準備しておき、このポリマー又はオリゴマーの側鎖に、所定の分子構造を有する化合物を反応させることで、重合体Pを合成して樹脂を得ることもできる。
重合体Pからなる樹脂は、上述のように、肌への皮膜性(皮膜の形成のし易さや崩れにくさ)に優れるものであるため、メーキャップ化粧料用樹脂として好適に用いられる。このようなメーキャップ化粧料用樹脂は、皮膜形成用の材料としてメーキャップ化粧料に添加することができる。皮膜とは、肌に形成されたメーキャップ化粧料用樹脂由来の膜のことをいう。
メーキャップ化粧料には、重合体Pからなるメーキャップ化粧料用樹脂の他、必要な原材料が配合されるが、従来からメーキャップ用化粧料に使用されている原材料であれば、特に制限されるものではない。このような原材料として、例えば、体質顔料、色剤(着色顔料)、パール剤、ラメ剤、油分、ワックス、保湿剤等が挙げられる。
体質顔料としては、マイカ、セリサイト、タルク、カオリンなどの粘度鉱物の粉砕品、無水ケイ酸、酸化セリウム、シリカ、ステアリン酸亜鉛、含フッ素金雲母、合成タルク、硫酸バリウム、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、アルミナ、炭酸マグネシウム等が例示される。
色剤としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、赤酸化鉄、群青、酸化チタン、酸化亜鉛、コンジョウなどを挙げることができる。
パール剤としては、二酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、酸化鉄被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化鉄・カルミン処理雲母チタン、コンジョウ処理雲母チタン、酸化鉄・コンジョウ処理雲母チタン、酸化クロム処理雲母チタン、黒酸化チタン雲母チタン、アクリル樹脂被覆アルミニウム末、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、着色酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化チタン被覆シリカ、酸化チタン被覆アルミナ、酸化チタン被覆ガラス粉、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等が例示される。
色剤、体質顔料、パール剤、ラメ剤などの粉末として、疎水化処理した粉末を用いても良い。疎水化処理した粉末としては、公知の各種疎水化処理を施したものを用いることができる。粉末を疎水化処理する方法としては、例えば、粉末表面に油脂を吸着させたり、水酸基等の官能基を利用して、エステル化やエーテル化を起こさせ、顔料を親油的にする油脂処理法;脂肪酸の亜鉛塩やマグネシウム塩を用いた金属石鹸処理法;ジメチルポリシロキサン又はメチル水素ポリシロキサンを用いたシリコーン処理法;パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物で処理する方法などが挙げられる。
ラメ剤としては、樹脂や金属粉末を使用することができ、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム積層末、ポリエチレンテレフタレート・金積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ポリエチレン・ポリエステル積層末、ポリエチレン・ポリエチレンテレフタレート積層末、アクリル樹脂被覆アルミニウム末等が例示される。さらに、これらの粉末を法定色素または無機顔料で着色したものを用いることもできる。
油分としては、炭化水素油、エステル油、シリコーン油などが例示され、具体的には、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン等の炭化水素油、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、バチルアルコール等の高級アルコール、セチルー2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルミリステート、ネオペンチルグリコールー2−エチルヘキサノエート、トリオクタン酸グリセリル、テトラオクタン酸ペンタエリスリトール、ステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、トリオレイン酸グリセリル等のエステル油、オリーブ油、アボカド油、ホホバ油、ヒマワリ油、サフラワー油、椿油、マカデミアナッツ油、ミンク油、ラノリン、液状ラノリン、酢酸ラノリン、ヒマシ油等の油脂、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン系油分、フッ素変性ジメチルポリシロキサン、フッ素変性メチルフェニルポリシロキサン、パーフロロポリエーテル、パーフロロカーボン等のフッ素系油分等が含まれる。
ワックスとしては、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ビースワックス、モクロウ、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンワックス等が例示される。
保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール系保湿剤が例示される。
メーキャップ用化粧料には、上記した他、ジメチコン、メチコン、シランカップリング剤、アルキル変性シリコーン、シリコーンレジンなどのシリコーン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステルとその塩、パーフルオロアルキルシラン、テフロン(登録商標)、パーフルオロアルキルカルボン酸などのフッ素化合物、PEG10−ジメチコンなどのジメチコン由来の界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、香料等が含まれていてもよい。上記シリコーン化合物は、エモリエント剤として使用することができる。
また、上記メーキャップ化粧料用樹脂の効果が阻害されない程度であれば、メーキャップ化粧料用樹脂以外の樹脂やオリゴマー成分がメーキャップ化粧料に含まれていてもよい。
メーキャップ化粧料の調製方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、各原材料を各々混合し、必要に応じて溶剤などに分散又は溶解させて、湿式成型することで、メーキャップ化粧料を調製することができる。メーキャップ化粧料用樹脂を配合させるにあたっては、固形状の状態で混合させてもよいし、溶液又は分散液の状態で混合させてもよい。また、メーキャップ化粧料用樹脂の重合反応後の反応液をそのまま用いても構わない。
メーキャップ化粧料は、重合体Pからなるメーキャップ化粧料用樹脂を含むことで、長時間にわたって良好な使用感が持続し、また、化粧崩れもしにくく、化粧持ちに優れるものとなる。これは、既述のように、上記メーキャップ化粧料用樹脂で形成された皮膜は、崩壊が起こりにくく、また、化粧後、長時間経過しても、べたつき感も抑制されるからである。
メーキャップ化粧料中のメーキャップ化粧料用樹脂の含有量は特に制限されないが、例えば、メーキャップ化粧料の全成分の総量に対して、0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜25質量%、特に好ましくは1〜20質量%であれば、メーキャップ化粧料の上記効果が充分発揮されるようになる。
上記メーキャップ化粧料は、配合させる原材料の種類や量を適宜選定することで、例えば、パウダーファンデーション、ケーキファンデーションなどの粉末固形ファンデーション、クリームファンデーション、O/W型乳化ファンデーション、W/O型乳化ファンデーションなどの乳化型ファンデーション、液状ファンデーション、油性ファンデーションなどのベースメークアップ用化粧料として使用することができる。これらの中でも、特に、液状タイプのファンデーションとして好適に使用され得る。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。尚、以下に記載される%は、特に示さない限り全て質量基準である。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
反応容器として、還流冷却器、温度計、窒素置換用管、滴下漏斗及び攪拌機が取り付けられた容量1リットルの五つ口フラスコを用い、この反応容器中にエタノール150質量部を仕込み、窒素気流下、昇温した。この反応容器中のエタノールが還流状態になったところで、このエタノール中に表1に示す量の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を添加した。添加後、直ちに表1に示す量のエチレン性不飽和単量体を配合した混合物を、反応容器内に滴下漏斗から2時間連続して滴下し、反応溶液を調製した。滴下終了後、反応溶液の還流状態を2時間、維持することで重合反応を進行させた。次いで、反応容器内の溶液から溶媒を留去するとともに、この反応溶液内にエタノールを加えることで溶液中の溶媒含有量を調整し、固形分濃度70%のメーキャップ化粧料用樹脂の溶液を得た。
(比較例5)
比較用の樹脂として、シリル化ウレタンポリマー(コニシ株式会社製「アクアリンカーSU−100」)を用意した。
表1に、実施例1〜5及び比較例1〜4の配合条件と併せて、得られたメーキャップ化粧料用樹脂のガラス転移温度及び重量平均分子量を示す。尚、表1の各配合量の欄における空欄は0であることを示す。
Figure 0006218276
ここで、各実施例及び比較例で使用したエチレン性不飽和単量体の種類は以下のとおりである。尚、表1における(a)、(b)、(c1)、(c2)、(d)及び(e)はそれぞれ、単量体成分(a)、単量体成分(b)、単量体成分(c1)、単量体成分(c2)、単量体成分(d)及び単量体成分(e)を表す。また、各々の単量体成分の「Tg」は、単量体成分(a)〜(d)の重合によって得られる、いわゆるホモポリマーのガラス転移温度を示す。表1のガラス転温度は、上述のFoxの式を用いて算出した値である。
(単量体成分(a))
・N,N−ジメチルアクリルアミド(Tg=119℃)
(単量体成分(b))
・アクリル酸ポリエチレングリコール(10)(日油株式会社製「AE−400」((1)式において、x=10、y=0))(Tg=−67℃)
・アクリル酸ポリプロピレングリコール(6)(日油株式会社製「AP−400」((1)式において、x=0、y=6))(Tg=−59℃)
・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(9)(新中村化学株式会社製「M−90G」((1)式において、x=9、y=0))(Tg=−69℃)
・メタクリル酸(ポリエチレングリコール(5)−ポリプロピレングリコール(2))(日油株式会社製「ブレンマー70PEP−350B」((1)式において、x=5、y=2))(Tg=−60℃)
(単量体成分(c1))
・アクリル酸2−ヒドロキシエチル(Tg=−15℃)
・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(Tg=55℃)
(単量体成分(c2))
・メタクリル酸2−メトキシエチル(Tg=−2℃)
(単量体成分(d))
・メタクリル酸メチル(Tg=105℃)
・メタクリル酸ブチル(Tg=20℃)
・アクリル酸ラウリル(Tg=15℃)
・メタクリル酸ラウリル(Tg=−65℃)
・メタクリル酸ステアリル(Tg=38℃)
(単量体成分(e))
・ジアクリル酸ポリエチレングリコール(23)(ポリエチレングリコール部位の鎖長23)
〔重量平均分子量及びガラス転移点〕
各実施例及び比較例で得られた樹脂の重量平均分子量及びガラス転移点は、表1に示される通りである。
この重量平均分子量の測定時には、まず各実施例及び比較例で得られた樹脂溶液から溶媒を蒸発させて乾固し、固形状の樹脂を得た。これをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、ゲル浸透クロマトグラフィー(昭和電工株式会社製 SHODEX SYSTEM 11)により重量平均分子量を測定した。
測定条件の詳細は下記の通りである。
・カラム:SHODEX KF−800P、KF−805、KF−803、KF−801の4本直列。
・移動相:THF。
・流速:1ml/分。
・カラム温度:40℃。
・検出器:RI。
・分子量換算:ポリスチレン。
<メーキャップ化粧料用樹脂の性能評価>
各実施例及び比較例で得られたメーキャップ化粧料用樹脂を皮膜形成剤として用いて、下記のように試験ファンデーションを製造し、使用感触の評価を行った。尚、参考としてシリル化ウレタンポリマー(比較例5)についても皮膜剤として同様の評価を行った。
[試験ファンデーションの製造方法]
表2に示す割合で配合したI相を混合分散し、II相を混合溶解した後、II相をI相へ徐々に添加して乳化させ、これを容器に充填することで試験ファンデーションを得た。
[評価方法]
評価は女性パネル5名により以下のように行った。あらかじめ洗顔し、市販の化粧水及び乳液を顔に塗布した後、上記のように製造した各試験ファンデーションを適量スポンジにとり、顔に塗布した際のカスの有無、塗布直後のハリ感及びべたつき、並びに8時間後のハリ感及びべたつきをそれぞれ、女性パネル5名が以下の評価基準に従って評価した。
(1)カスの有無
A:カスが出ない
B:カスが出る
上記(1)について、パネル5人の評価結果から、以下の様に2段階で評価した。
○:Aと答えたパネルが5人であった。
×:Bと答えたパネルが1人以上であった。
(2)塗布直後および塗布8時間後のべたつき
4:べたつきを感じない
3:べたつきをほとんど感じない
2:べたつきをやや感じる
1:べたつきを感じる
(3)塗布直後および塗布8時間後のハリ感
4:ハリを感じる
3:ハリをやや感じる
2:ハリをわずかに感じる
1:ハリを感じない
上記(2)及び(3)のそれぞれについて、パネル5人の評価の平均点を項目ごとに算出し、以下の様に4段階で評価した。
◎:3.5以上4点以下。
○:2.5以上3.5点未満。
△:1.5以上2.5点未満。
×:1以上1.5点未満。
上記の各々の評価結果は、表1に示している。
表1の結果から明らかなように、本発明のメーキャップ化粧料用樹脂(すなわち、実施例1〜4の樹脂)を皮膜形成剤として配合したファンデーションは、使用直後及び長時間経過後においてべたつきの低さやハリ感に優れ、皮膜性に優れるものであった。また、参考として評価したシリル化ウレタンポリマー(比較例5)との比較においても、肌へ塗布した際にカスが生じない点で、本発明のメーキャップ化粧料用樹脂は優れていることがわかった。
<処方例>
次に、本発明のメーキャップ化粧料用樹脂を用いて調製したメーキャップ化粧料の具体例について説明する。
ここでは、実施例1で得たメーキャップ化粧料用樹脂でメーキャップ化粧料としてのファンデーションの調製を行い、その性能評価を行った。ファンデーションの調製方法(処方例1〜3)及びその性能を以下に示す。
〔処方例1:液状ファンデーション〕
表3に示す原料A〜Cをそれぞれ混合してI相を調製し、さらに、原料D〜Gで構成されるII相を添加して均一に分散した。そこへ、あらかじめ均一に混合した原料H〜Lで構成されるIII相を徐々に添加して分散させた後、ホモミキサーで乳化することで、液状ファンデーションを調製した。各原料の配合比率は表3に示している。
上記のように調製された液状ファンデーションは、塗布時および塗布後のべたつきが低く、且つ、塗布後のハリ感が持続するものであった。
〔処方例2:クリームファンデーション〕
表4に示すI相の各原料を70℃で加熱、分散した後、II相を添加して均一に分散した。これを撹拌しながら35℃まで冷却した後、III相を徐々に添加して乳化することでクリームファンデーションを調製した。各原料の配合比率は表4に示している。
このクリームファンデーションは塗布時および塗布後のべたつきが低く、且つ、塗布後のハリ感が持続するものであった。
〔処方例3:化粧下地〕
表5に示すI相を分散した後、II相を添加して均一に分散した。そこへあらかじめ50℃で加熱溶解させて冷却したIII相とIV相を混合したものを徐々に添加して乳化することで化粧下地を調製した。各原料の配合比率は表5に示している。
この化粧下地は塗布時および塗布後のべたつきが低く、且つ、塗布後のハリ感が持続するものであった。
Figure 0006218276
Figure 0006218276
Figure 0006218276
Figure 0006218276

Claims (4)

  1. エチレン性不飽和単量体成分の重合体からなり、
    前記重合体は、下記式(I)で示される繰り返し単位(A)と、
    下記式(II)で示される繰り返し単位(B)と、
    下記式(III−a)で示される繰り返し単位(C1)、及び下記式(III−b)で示される繰り返し単位(C2)のうちの少なくとも1以上の繰り返し単位と、
    を分子中に含み、
    前記エチレン性不飽和単量体成分は、前記繰り返し単位(A)となるN,N−ジメチルアクリルアミドを40〜60質量%で、前記繰り返し単位(B)となる単量体成分(b)を1〜35質量%で、前記繰り返し単位(C1)及び前記繰り返し単位(C2)のうち1以上の繰り返し単位となる単量体成分(c)を1〜35質量%で含有し、
    前記重合体は、重量平均分子量が5,000〜50,000であり、かつ、ガラス転移温度が20〜50℃である、
    ことを特徴とするメーキャップ化粧料用樹脂。
    Figure 0006218276
    Figure 0006218276
    (式(II)中、RはH又はCH、RはH又は炭素数1〜8のアルキル基、AはO又はNHを示す。また、x、yはそれぞれ0〜100の整数であり、x+y≧である。また、(EO)は(CO)、(PO)は(CO)を示す。)
    Figure 0006218276
    (式(III−a)中、RはH又はCHを示す。)
    Figure 0006218276
    (式(III−b)中、RはH又はCH、Rは炭素数1又は2のアルキル基を示す。)
  2. 前記重合体は、下記式(IV)で示される繰り返し単位(D)をさらに分子中に含み、
    前記エチレン性不飽和単量体成分は、前記繰り返し単位(D)となる単量体成分(d)を1〜35質量%で含有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のメーキャップ化粧料用樹脂。
    Figure 0006218276
    (式(IV)中、R はH又はCH 、R は炭素数1〜18の直鎖状炭化水素基、分岐鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示す。)
  3. 前記重合体は、さらに下記式(V)で示される繰り返し単位(E)を分子中に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のメーキャップ化粧料用樹脂。
    Figure 0006218276
    (式(V)中、RはH又はCH、mは1〜25の整数である。)
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のメーキャップ化粧料用樹脂を含有することを特徴とするメーキャップ化粧料。
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