JP2004525886A - 特に化粧品用途の、水溶性単位とlcstを有する単位とを含むポリマーを含む起泡性エマルション及び起泡性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、特に化粧品の、特に起泡性エマルションと組成物における、水溶性単位とLCSTを有する単位とを含むポリマーの新規の使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水溶性単位とLCSTを有する単位を含むポリマーは、下記の文献に記載されている。D. Hourdetら、Polymer, 1994, Vol.35, No.12,p.2624-2630 [1](非特許文献1);F. L'Alloretら、Coll. Polym. Sci., 1995, Vol.273, No.12, p.1163-1173 [2](非特許文献2);F. L'Alloretら、Revue de l'Institut Francais du Petrole, 1997, Vol.52, No.2, p.117-128 [3](非特許文献3);EP-A-0583814[4](特許文献1)及びEP-A-0629649[5](特許文献2)。
【0003】
これらの文献に記載されているように、これらのポリマーは、水溶性単位、及び水中で下限臨界溶液温度を有する単位である、LCSTを有する単位を含む。この点で、LCSTを有するこれらの単位は、特定の温度を超えて変性された水中での溶解性を有する単位である。これらは、それらの水溶性の領域を規定する熱誘導化偏析温度(または曇点)を有する単位である。ポリマー濃度の関数として得られる最小の偏析温度は、「LCST」(Lower Critical Solution Temperature;下限臨界溶液温度)として知られている。LCSTポリマーの各濃度について、熱誘導化偏析温度が観察されている。それは、曲線の最小点であるLCSTよりは高い。この温度未満でポリマーは水溶性であり、この温度を超えるとポリマーは水溶性を失う。
【0004】
例えば、これらのポリマーは、温度上昇によりもたらされる水ゲル化特性を有する。これらの特性は、文献[4](特許文献1)及び文献[5](特許文献2)に記載されているように、石油分野の用途に用いられることができる。
【0005】
WO−A−95/2440[6](特許文献3)も、LCSTを有する単位とpH感受性単位を含み、熱誘導化ゲル特性を有するコポリマーについて記載している。これらのコポリマーは、固体粒子の形態で、または液体、ゲルまたは軟膏などの処方物で、製薬業分野と化粧品分野で活性成分の放出の制御のために用いられる。これらのコポリマーで得られたゲルは、不透明で、LCSTを有するものであって、LCSTを有する単位を含むが、その全体的な挙動は、LCSTタイプのそれとは異なって透明のゲルをもたらす本発明のコポリマーと異なる。
【0006】
US−A−5939485[7](特許文献4)とWO97/00275[8](特許文献5)は、外的刺激及び構造的成分の変化に応答して凝集可能な感受性成分を含む可逆的ゲル化ポリマーシステムを記載している。外的刺激は温度であっても良い。外的刺激に対して感受性である成分は、例えばPluronic(登録商標)といった「ポロキサマー」のようなブロックコポリマーであって良い;そのようなブロックコポリマーは、LCSTに対応しない臨界温度を超えると微視的に凝集する。非イオン性界面活性剤も、感受性成分として使用されても良い。これらのポリマーは熱誘導化ゲル化特性を有し、医薬製品を送達するために製薬業界で使用されても良く、化粧品業界を含む多くの他の業界で使用されても良い。WO97/00275[8](特許文献5)の実施例34は、非イオン性、アニオン性、及びカチオン性界面活性剤が添加されたポロキサマー−アクリル誘導体システムを含む化粧品処方物を示す。
【0007】
これらの製剤では、ポリマーシステムの感受性成分は、加熱の間で、本発明のポリマーのもののような、LCSTを有する単位のものとは異なる挙動を有する。かくして、それが約30−40℃に加熱された場合、それはミセル化、つまり微視的なレベルでの凝集の温度を示し、次いでそれがさらに加熱されると、より高温のLCST温度を示す。このLCSTは、巨大分子間の巨視的凝集に対応する。WO-A-97/00275[8](特許文献5)の第16から17頁では、ゲル化及びLCSTが約70℃まで異なる温度で観察されることが説明されており、これは、これらのポリマーが本願のポリマーとは異なることを示す。
【0008】
文献WO−A−98/48768[9](特許文献6)も、ポリアクリル酸とポロキサマーとを含む、可逆的熱誘導化ゲル化ポリマーを使用する化粧品組成物を記載している。したがってこのポリマーは、本発明のポリマーと異なるものである。
【0009】
WO-A-00/35961[10](特許文献7)は、エマルション重合による熱誘導化増粘特性を有するポリマーの調製、及び製薬組成物と化粧品組成物におけるこれらのポリマーの使用を記載する。これらのポリマーは、水溶性単位と、アルキレンオキシドに基づくLCSTを有する単位とを含むコポリマーであって良い。その熱誘導化増粘特性を増強するために、ポリマーに非イオン性界面活性剤を添加することが考慮される。
【0010】
こうして、これらの文献から、水溶性単位と、LCSTを有する単位を含むポリマーが、熱誘導化ゲル化または熱誘導化増粘化特性を有することがわかる。
【非特許文献1】
D. Hourdetら、Polymer, 1994, Vol.35, No.12,p.2624-2630 [1]
【非特許文献2】
F. L'Alloretら、Coll. Polym. Sci., 1995, Vol.273, No.12, p.1163-1173 [2]
【非特許文献3】
F. L'Alloretら、Revue de l'Institut Francais du Petrole, 1997, Vol.52, No.2, p.117-128 [3]
【特許文献1】
EP-A-0583814[4]
【特許文献2】
EP-A-0629649[5]
【特許文献3】
WO−A−95/2440[6]
【特許文献4】
US−A−5939485[7]
【特許文献5】
WO97/00275[8]
【特許文献6】
WO−A−98/48768[9]
【特許文献7】
WO-A-00/35961[10]
【特許文献8】
EP-A-0 566 438 [11]
【特許文献9】
FR-A-2 739 566 [12]
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によって、水溶性単位及びLCSTを有する単位を含むポリマーであって、前記LCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の前記単位の濃度について5から40℃であるポリマーが、さらに、水の表面張力または界面張力を低下させる有利な特性を有し、起泡性組成物とエマルションの製造に用いることができる粘稠性を有することが見出された。
【0012】
こうして、本発明の一の主題は、水の表面張力または界面張力を低下させるための、水溶性単位及びLCSTを有する単位を含むポリマーの使用であって、前記LCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の前記単位の濃度について5から40℃であるものである、使用である。
【0013】
本発明の一の有利な特性によれば、水の表面張力または界面張力の低下が、5から80℃の範囲の温度で、ポリマーが0.1質量%の濃度で、少なくとも15mN/mである。
【0014】
さらに、水の表面張力または界面張力の低下が、ポリマーが0.1質量%の濃度で、温度が、この濃度におけるLCSTを有する単位の偏析温度よりも高い時に増大する。この場合、水の表面張力または界面張力の低下が、ポリマーが0.1質量%の濃度で、温度が、この濃度におけるLCSTを有する単位の偏析温度よりも高い時に、少なくとも20mN/mである。
【0015】
水溶性単位とLCSTを有する単位を含むポリマーのこれらの界面特性は、界面活性剤なしで、またはごくわずかな界面活性剤だけで、フォーム、水中油型エマルションまたは水中油中水型(W/O/W)多重エマルションの製造のために用いることができる。
【0016】
フォームは、水性連続相中の気泡、特に空気泡の分散物である。化粧品のクレンジング組成物において、これらの泡は、その濃度が5から20質量%の範囲である界面活性剤により安定化される。低分子質量(M<2000g/モル)のこれらの両親媒性種は、皮膚に対して、比較的刺激性を有するという欠点を有している。
【0017】
水中油型(O/W)エマルションは、水性連続相中の油滴の分散物である。これらの化粧品O/WエマルションまたはW/O/W多重エマルションは、種々の性質の両親媒性種により安定化されることができる:
−界面活性剤、その低分子質量(2000g/モル)で特徴付けられるもの、
−ミクロゲルタイプの両親媒性ゲル化剤、例えばPemulen TR1(Goodrich)、及び
−シリコーン油の存在下で用いられるジメチコーンコポリオール誘導体。
【0018】
これらの化合物は、各々使用の制限を有する:
−界面活性剤は、皮膚に対して、比較的刺激性である;
−ミクロゲルタイプの両親媒性ゲル化剤は、数が限定されており、全てが、同じタイプのゲル化のきめをもたらす
−ジメチコーンコポリオール誘導体は、シリコーン油に特異的である。
【0019】
さらに、エマルションの安定性は、温度が上昇すると一般的に減少し、これは、温度変化を原因とするエマルションの保存の間の相分離の現象をもたらす。
【0020】
したがって、化粧品の用途では、
−特に広い温度範囲(5−80℃)にわたって、化粧品エマルション及びフォームを安定化することが可能である
−皮膚に対して、ほとんど刺激性がない、及び
−広い範囲の、きめ、流動性または増粘化/ゲル化を付与することができる、
の利用可能な剤を有することが有利である。
【0021】
本発明によって、水溶性単位およびLCSTを有する単位を含むポリマーが、界面活性剤なしで、またはほんのわずかな量の界面活性剤を含み、これによって皮膚に対してほとんど刺激性がなく、5から80℃の温度範囲で安定で、広範囲のきめを付与することができる、フォーム及びエマルションを得ることを可能にすること見出された。
【0022】
かくして、本発明の主題は、また、水溶性単位及びLCSTを有する単位を含みポリマーであって、前記LCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の前記単位の濃度について5から40℃であるものであるポリマーを含む水性相を含む起泡性組成物である。
【0023】
本発明は、また、水性相と、水性相に分散された油性相を含む水中油型エマルションであって、前期水性相は、水溶性単位及びLCSTを有する単位を含みポリマーを含み、前記LCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の濃度について5から40℃であるものである、水中油型エマルションにも関する。
【0024】
本発明はまた、外部水性相に分散された油中水型エマルションを含む水中油中水型エマルションであって、前期外部水性相は、水溶性単位及びLCSTを有する単位を含みポリマーを含み、前記LCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の濃度について5から40℃であるものである、水中油中水型エマルションにも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明で使用されるポリマーは、一方で水溶性単位を含む、他方で前述のLCSTを有する単位を含む、ブロックポリマーまたはグラフトポリマーであって良い。
【0026】
かくして、本発明の文脈で使用されるポリマーは、例えばLCSTを有するブロックと交互に存在する水溶性単位からなるブロックを含むブロックポリマーであっても良い。
【0027】
これらのポリマーは、LCSTグラフトを有する水溶性単位によって形成される骨格を有するグラフトポリマーの形態で存在しても良い。これらのポリマーは、また水溶性グラフトを有する、LCSTを有する単位によって形成される骨格を有するグラフトポリマーの形態で存在しても良い。
【0028】
これらの構造は、部分的に架橋されても良い。
【0029】
なお、この文脈では、用語「水溶性単位」と「LCST単位」は、一方で、水溶性単位、他方で、LCST単位を、結合する基を含まず、結合単位は、一方は、水溶性単位の前駆体、他方は、LCST多にの前駆体により含まれる反応部位の反応により由来する。
【0030】
これらのポリマーで用いられる水溶性単位は、5℃から80℃の温度で水中で、少なくとも10g/l、好ましくは20g/lの割合まで可溶性である単位である。
【0031】
しかしながら用語、「水溶性単位」はまた、前述の溶解性を有する単位を必ずしも有さない単位をも意味するが、5℃から80℃で1重量%での水溶液において、巨視的に均一で透明な溶液、つまり1cmの厚みのサンプルを通じて400から800nmの間の波長とは無関係に、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%の最大光透過値を有する溶液の生産の可能にする。
これらの水溶性単位は、LCSTタイプの熱誘導化偏析温度を有さない。
【0032】
これらの水溶性単位は、ビニルモノマーのフリーラジカル重合、または重縮合によって得ることができ、あるいは別法として、天然に存在するポリマーまたは変性天然ポリマーからなるものでもよい。
【0033】
例として、単独または混合物として、前記水溶性単位を形成することができる、下記のモノマーを挙げることができる:
− (メタ)アクリル酸;
− 以下の式(I)のビニルモノマー:
【0034】
【化1】
【0035】
[式中:
− RはH、−CH3、−C2H5、または−C3H7から選択され;及び
− Xは以下のものから選択される:
− −OR’タイプのアルキルオキシドであって、R’は少なくとも一つのハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、またはフッ素);スルホン酸(−SO3 −)、スルファート(−SO4 −)、ホスファート(−PO4H2);ヒドロキシル(−OH);第一級アミン(−NH2);第二級アミン(−NHR1)、第三級アミン(−NR1R2)、または第四級アミン(−N+R1R2R3)基{ここで、R1、R2及びR3は互いに独立に、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基(ここでR’+R1+R2+R3の炭素原子の合計が7を超えないことを条件とする)である}で任意に置換された、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基である;及び
− −NH2、−NHR4、及び−NR4R5基であって、R4及びR5は互いに独立に、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基(ここでR4+R5の炭素原子の合計が7を超えないことを条件とする)であって、前記R4及びR5はハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、またはフッ素);ヒドロキシル(−OH);スルホン酸(−SO3 −)、スルファート(−SO4 −);ホスファート(−PO4H2);第一級アミン(−NH2);第二級アミン(−NHR1)、第三級アミン(−NR1R2)、及び/または第四級アミン(−N+R1R2R3)基{ここで、R1、R2及びR3は互いに独立に、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基(ここでR4+R5+R1+R2+R3の炭素原子の合計が7を超えないことを条件とする)である}で任意に置換される]
− マレイン酸無水物;
− イタコン酸;
− 式CH2=CHOHのビニルアルコール;
− 式CH2=CH−OCOCH3のビニルアセタート;
− N−ビニルラクタム、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びN−ブチロラクタム;
− 式CH2=CHOR6のビニルエーテルであって、R6は1から6の炭素を含む直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の炭化水素基である;
− 水溶性スチレン誘導体、特にスチレンスルホナート;
− ジメチルジアリルアンモニウムクロリド;並びに
− ビニルアセタミド。
【0036】
水溶性単位の全部または一部を構成しても良い重縮合物及び天然ポリマーまたは変性天然ポリマーの中で、下記のものを挙げることができる:
− 水溶性ポリウレタン;
− キサンタンゴム、特にKelco社によりKeltrol T及びKeltrol SFの名称で;またはRhodia社によりRhodigel SM及びRhodigel 200の名称で市販されている製品;
− アルギナート(Monsanto社製のKelcosol)、及びその誘導体、例えばプロピレングリコールアルギナート(Kelco社製のKelcoloid LVF);
− セルロース誘導体、特にカルボキシメチルセルロース(Aquasorb A500, Hercules)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び第四級化ヒドロキシエチルセルロース;
− ガラクトマンナン及びその誘導体、例えばコンニャクゴム、グアルゴム、ヒドロキシプロピルグアル、ナトリウムメチルカルボキシラート基で変性されたヒドロキシプロピルグアル(Jaguar XC97-1, Rhodia)、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムグアルクロリド。
【0037】
さらにポリエチレンイミンが挙げられる。
【0038】
水溶性単位は好ましくは、それらがグラフトポリマーの水溶性骨格を構成する場合、1000g/molから5000000g/molの範囲のモル質量を有する。
【0039】
水溶性単位は好ましくは、それらがマルチブロックポリマーの一のブロックを構成する場合、あるいはそれらがグラフトポリマーまたはコームポリマーのグラフトを構成する場合、500g/molから100000g/molの範囲のモル質量を有する。
【0040】
本発明で使用されるポリマーのLCSTを有する単位は、特定の温度を超えると変性される水溶性を有する単位であると定義されて良い。それらは、水中でのそれらの溶解性の領域を規定する熱誘導化偏析温度(または曇点)を有する単位である。ポリマー濃度の関数として得られる最小偏析温度は、「LCST」(Lower Critical Solution Temperature;下限臨界溶解温度)と称される。各ポリマー濃度について、熱誘導化偏析温度が観察される;それは、曲線の最小点であるLCSTより高い。この温度未満では、LCSTを有する単位を構成するポリマーは水中で可溶性である;この温度を超えると、LCSTを有する単位を構成するポリマーは水中での溶解性を失う。
【0041】
用語、「温度Tで水中に可溶性」は、その単位がTで少なくとも1g/l、好ましくは少なくとも2g/lの可溶性を有することを意味する。
【0042】
LCSTの測定は、視覚的に実施されて良い:水溶液の曇点が出現する温度が測定される;この曇点は、溶液の不透明化または透明性の損失によって反映される。
【0043】
一般的に、透明な組成物は、1cmの厚みのサンプルを通じて、400から800nmの間の波長に無関係に、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%の最大光透過値を有するであろう。
【0044】
透過率は、その光スペクトルの波長で作用する分光光度計の光ビームに1cmの厚みのサンプルを配置することによって測定されて良い。
【0045】
本発明で使用されるポリマー中のLCSTを有する単位は、以下のポリマーから選択される一つ以上のポリマーからなって良い:
− ポリエーテル、例えばポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、またはエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とのランダムコポリマー;
− ポリビニルメチルエーテル;
− ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド及びポリ−N−エチルアクリルアミド;並びに
− ポリビニルカプロラクタム。
【0046】
好ましくは、LCSTを有する単位は、n=10から50の整数であるポリプロピレンオキシド(PPO)n、または下式によって表されるエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とのランダムコポリマーからなる:
(EO)m(PO)n
[式中、mは1から40、好ましくは2から20の範囲の整数であり、nは10から60、好ましくは20から50の範囲の整数である]。
【0047】
好ましくはLCSTを有するこれらの単位のモル質量は、500から5300g/mol、特に1500から4000g/molである。
【0048】
EO及びPO単位のランダムな分布は、その温度を超えると巨視的相分離が観察される下限臨界溶液(偏析)温度の存在によって反映されることが見出されている。この挙動は、ミセル化温度として知られている臨界温度を超えてミセルを形成する(巨視的レベルの凝集)、ブロック(EO)(PO)コポリマーの挙動とは異なる。
【0049】
かくしてLCSTを有する単位は、特にアミノ化、特にモノアミノ、ジアミノ、またはトリアミノ、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマーから由来して良い。市場で入手可能なLCSTを有する単位としては、Huntsman社によりJeffamineの名称で市販されているコポリマー、特にJeffamin XTJ-507 (M-2005)、Jeffamine D-2000、及びJeffamine XTJ-509 (またはT-3000)が挙げられる。
【0050】
LCSTを有する単位はまた、OH末端基を含むランダムEO/POコポリマー、例えばClariant社によりPolyglycols P41及びB11の名称で市販されている製品から由来しても良い。
【0051】
LCSTを有するポリマー状及びコポリマー状N置換化アクリルアミド誘導体、さらにはポリビニルカプロラクタム及びビニルカプロラクタムコポリマーもまた、LCSTを有する単位として本発明で使用されて良い。
【0052】
LCSTを有するポリマー状及びコポリマー状N置換化アクリルアミド誘導体の例としては、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、ポリ−N−エチルアクリルアミド、及びN−イソプロピルアクリルアミド(またはN−エチルアクリルアミド)と、前述の式(I)を有するビニルモノマー、またはマレイン酸無水物、イタコン酸、ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセタミド、ビニルエーテル、及びビニルアセタート誘導体から選択されるモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0053】
これらのポリマーのモル質量は、好ましくは1000g/molから500000g/mol、好ましくは2000から50000g/molである。
【0054】
これらのポリマーは、反応性アミノ末端基を有するLCSTを有する単位を得るために、過硫酸カリウムの存在下で、アミノエタンチオールヒドロクロリドのような開始剤のペアを使用してフリーラジカル重合によって合成されて良い。
【0055】
ビニルカプロラクタムコポリマーの例としては、ビニルカプロラクタムと、前述の式(I)を有するビニルモノマー、またはマレイン酸無水物、イタコン酸、ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセタミド、ビニルアルコール、ビニルアセタート、ビニルエーテル、及びビニルアセタート誘導体から選択されるモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0056】
これらのビニルカプロラクタムポリマーまたはコポリマーのモル質量は、一般的に1000g/molから500000g/mol、好ましくは2000から50000g/molである。
【0057】
これらの化合物は、反応性アミノ末端基を有するLCSTを有する単位を得るために、過硫酸カリウムの存在下で、アミノエタンチオールヒドロクロリドのような開始剤のペアを使用してフリーラジカル重合によって合成されて良い。
【0058】
最終ポリマー中のLCSTを有する単位の重量割合は、最終ポリマーに対して好ましくは5から70重量%、特に20から65重量%、とりわけ30から60重量%である。
【0059】
前述のように、前記LCSTを有する単位の偏析温度は、前記LCSTを有する単位の1質量%の水中での濃度について、5から40℃、好ましくは10から35℃である。
【0060】
本発明の文脈で使用されるポリマーは、グラフト化、共重合、またはカップリング反応工程を使用して、当業者の一般的知見に基づいて当業者によって容易に調製することができる。
【0061】
最終ポリマーが、特にLCST側鎖またはグラフトを有する水溶性骨格を有するグラフトポリマーの形態で存在する場合、少なくとも一つの反応性末端基または反応部位、特にアミノ末端基または反応部位を有するLCSTを有する単位を、少なくとも10%(モル基準で)のカルボン酸官能基のような反応性基を有する、骨格を形成する水溶性ポリマーにグラフトすることによって、前記ポリマーを調製することが可能である。この反応は、N−メチルピロリドンまたは水のような溶媒中で、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリドのようなカルボジイミドの存在下で実施されて良い。
【0062】
グラフトポリマーを調製するための別の可能性は、例えば、LCSTを有するマクロモノマー(ビニル末端基を有する前述のLCSTを有する鎖)と、アクリル酸または式(I)を有するビニルモノマーのような水溶性ビニルモノマーとを共重合することからなる。
【0063】
最終ポリマーがブロックポリマーの形態で存在する場合、各末端で相補的な反応部位を有する、水溶性単位とLCSTを有する単位の間でのカップリングによって、前記ポリマーを調製することが可能である。
【0064】
グラフト工程及びカップリング工程の場合では、LCSTを有する単位の反応性部位は、アミン官能基、特にモノアミン、ジアミン、またはトリアミン、及びOH官能基であって良い。この場合、水溶性単位の反応性部位は、カルボン酸官能基であって良い。
【0065】
すでに記載したように、本発明の起泡性組成物は、前述のような水溶性単位及びLCSTを有する単位を含むポリマーを含む水性相を含む。一般的に、水性相のポリマーの質量濃度は、水性相の重量の5%以下であり、好ましくは0.01から5%、さらに好ましくは0.02から4%である。
【0066】
水性相は、さらに、少量の、例えば、水性相の重量に対して、5%以下、好ましくは4%以下の質量濃度の、起泡性界面活性剤を含むことができる。
【0067】
使用される起泡性界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、両性、または両イオン性界面活性剤であって良い。好ましくは、起泡性界面活性剤(類)は、非イオン性界面活性剤(類)である。
【0068】
非イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルポリグルコシド(APG)、ポリオールと脂肪酸とのエステル、ポリエチレングリコールと脂肪酸とのエステル、脂肪アルコールとポリオールとの誘導体(エーテル)、及びこれらの化合物のオキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/またはオキシプロピレン化)誘導体が挙げられる。さらには、マルトースエステル、ポリグリセロール化脂肪アルコール、グルカミン誘導体、例えば2−エチルヘキシルオキシカルボニル−N−メチルグルカミン、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0069】
アルキルポリグルコシドとしては、例えばデシルグルコシド(アルキル−C9/C11−ポリグルコシド(1.4))、例えばKao Chemicals社によりMydol 10の名称で市販されている製品、Henkel社によりPlantaren 2000 UP及びPlantacare 2000 UPの名称で市販されている製品、及びSEPPIC社によりOramix NS 10の名称で市販されている製品;カプリル/カプリン酸グルコシド、例えばSEPPIC社によりOramix CG 110の名称で市販されている製品、またはBASF社によりLutensol GD 70の名称で市販されている製品;ラウリルグルコシド、例えばHenkel社によりPlantaren 1200 N及びPlantacare 1200の名称で市販されている製品;及びココグルコシド、例えばHenkel社によりPlantacare 818/UPの名称で市販されている製品、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
マルトース誘導体は、例えば文献EP-A-0 566 438 [11](特許文献8)に記載されているもの、例えばO−オクタノイル−6’−D−マルトース、または文献FR-2 739 566 [12](特許文献9)に記載されたO−ドデカノイル−6’−D−マルトースである。
【0071】
ポリグリセロール化脂肪アルコールとしては、ポリグリセロール化ドデカンジオール(3.5molのグリセロール)が挙げられ、この製品は、Chimex社によりChimexane NFの名で市販されている。使用可能なアニオン性界面活性剤は、例えばカルボキシラート、アミノ酸誘導体、アルキルスルファート、アルキルエーテルスルファート、スルホナート、イセチオナート、タウラート、スルホスクシナート、アルキルスルホアセタート、ホスファート及びアルキルホスファート、ポリペプチド、アルキルポリグルコシドのアニオン性誘導体、脂肪酸石鹸、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0072】
カルボキシラートとしては、例えばN−アシルアミノ酸のアルカリ金属塩;アミドエーテルカルボキシラート(AEC)、例えばKao Chemicals社によりAkypo Foam 30の名称で市販されているナトリウムラウリルアミドエーテルカルボキシラート(3EO);Kao Chemicals社によりAkypo Soft 45の名称で市販されているオキシエチレン化(6EO)ナトリウムラウリルエーテルカルボキシラート(65/25/10 C12−14−16);オリーブ油とカルボキシメチルとのポリオキシエチレン化脂肪酸、例えばBiologia E Tecnologia社によりOlivem 400の名称で市販されている製品;Nikkol社によりNikkol ECTD-6NEXの名称で市販されているオキシエチレン化(6EO)ナトリウムトリデシルエーテルカルボキシラート;Sanyo社によりBeaulight SHAAの名称で市販されているナトリウム2−(2−ヒドロキシアルキルオキシ)アセタートが挙げられる。
【0073】
アミノ酸誘導体は、例えばサルコシナート、特にアシルサルコシナート、例えばCiba社によりSarkosyl NL 97の名称で市販されている、またはSEPPIC社によりOramix L 30の名称で市販されているナトリウムラウロイルサルコシナート、Nikkol社によりNikkol Sarcosinate MNの名称で市販されているナトリウムミリストイルサルコシナート、Nikkol社によりNikkol Sarcosinate PNの名称で市販されているナトリウムパルミトイルサルコシナート;アラニナート、例えばNikkol社によりSodium Nikkol Alaninate LN 30の名称で市販されている、またはKawaken社によりAlanone Aleの名称で市販されているナトリウムラウロイル−N−メチルアミドプロピオナート及びKawaken社によりAlanone Altaの名称で市販されているトリエタノールアミンN−ラウロイル−N−メチルアラニナート;N−アシルグルタマート、例えばAjinomoto社によりAcylglutamate CT-12の名称で市販されているトリエタノールアミンモノココイルグルタマート、Ajinomoto社によりAcylglutamate LT-12の名称で市販されているトリエタノールアミンラウロイルグルタマート、及びAjinomoto社によりAmisoft LS-11の名称で市販されているモノナトリウムN−ラウロイル−L−グルタマート;アスパラタート、例えばMitsubishi社によりAsparack LM-TS2の名称で市販されている、トリエタノールアミンN−ラウロイルアスパラタートとトリエタノールアミンN−ミリストイルアスパラタートとの混合物;シトラート、並びにこれらの混合物から選択されて良い。
【0074】
グリシン誘導体としては、ナトリウムN−ココイルグリシナート、及びカリウムN−ココイルグリシナート、例えばAjinomoto社によりAmilite GCS-12及びAmilite GCK-12の名称で市販されている製品が挙げられる。
【0075】
アルキルエーテルスルファートとしては、例えばHenkel社によりSipon AOS 225またはTexapon N702 Pateの名称で市販されているナトリウムラウリルエーテルスルファート(70/30 C12−14)(2.2EO) 、Henkel社によりSipon LEA 370の名称で市販されているアンモニウムラウリルエーテルスルファート(70/30 C12−14)(3EO)、及びRhodia Chimie社によりRhodapex AB/20の名称で市販されているアンモニウム(C12−C14)アルキルエーテル(9EO)スルファートが挙げられる。
【0076】
スルホナートとしては、例えばα−オレフィンスルホナート、例えばStepan社によりBio-Terge AS-40の名称で市販されている、またはWitco社によりWitconate AOS Protege及びSulframine AOS PH 12の名称で市販されている、またはStepan社によりBio-Terge AS-40 CGの名称で市販されている、ナトリウムα−オレフィンスルホナート(C14−16)、Clariant社によりHostapur SAS 30の名称で市販されている第二級ナトリウムオレフィンスルホナート;直鎖状アルキルアリールスルホナート、例えばManro社によりManrosol SXS30、Manrosol SXS40及びManrosol SXS93の名称で市販されているナトリウムキシレンスルホナートが挙げられる。
【0077】
イセチオナートとしては、アシルイセチオナート、例えばナトリウムココイルイセチオナート、例えばJordan社によりJordapon CI Pの名称で市販されている製品が挙げられる。
【0078】
タウラートとしては、Clariant社によりHostapon CT Pateの名称で市販されているヤシ実油メチルタウラートのナトリウム塩;N−アシルN−メチルタウラート、例えばナトリウムN−ココイルN−メチルタウラート、例えばClariant社によりHostapon LT-SFの名称で、またはNikkol社によりNikkol CMT-30-Tの名称で市販されているナトリウムN−ココイルN−メチルタウラート、及びNikkol社によりNikkol PMTの名称で市販されているナトリウムパルミトイルメチルタウラートが挙げられる。
【0079】
スルホスクシナートとしては、例えばWitco社によりSetacin 103 Special、Rewopol SB-FA 30 K 4の名称で市販されているオキシエチレン化(3EO)ラウリルモノスルホスクシナート(70/30 C12/C14)、Zscimmer Schwarz社によりSetacin F Special Pasteの名称で市販されているC12−C14アルキルヘミスルホスクシナートの二ナトリウム塩、Henkel社によりStandapol SH 135の名称で市販されているオキシエチレン化(2EO)二ナトリウムオレアミドスルホスクシナート、Sanyo社によりLebon A-5000の名称で市販されているオキシエチレン化(5EO)ラウラミドモノスルホスクシナート、Witco社によりRewopol SB CS 50の名称で市販されているオキシエチレン化(10EO)ラウリルシトラートモノスルホスクシナートの二ナトリウム塩、及びWitco社によりRewoderm S 1333の名称で市販されているリシノール酸モノエタノールアミドモノスルホスクシナートが挙げられる。
【0080】
ホスファート及びアルキルホスファートとしては、例えばモノアルキルホスファート及びジアルキルホスファート、例えばKao Chemicals社によりMAP 20の名称で市販されているラウリルモノホスファート、Cognis社によりCrafol AP-31の名称で市販されているモノエステル及びジエステル(主にジエステル)の混合物としてのドデシルリン酸のカリウム塩、Cognis社によりCrafol AP-20の名称で市販されているオクチルリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物、Condea社によりIsofol 12 7 EO-Phosphate Esterの名称で市販されているリン酸のエトキシル化(7molのEO)2−ブチルオクタノールモノエステル及びジエステルの混合物、Uniqema社によりArlatone MAP 230K-40及びArlatone MAP 230T-60の名称で市販されているモノ(C12−C13)アルキルホスファートのカリウム塩またはトリエタノールアミン塩、Rhodia Chimie社によりDermalcare MAP XC-99/09の名称で市販されているカリウムラウリルホスファートが挙げられる。
【0081】
ポリペプチドは、例えば穀物、特にコムギ及びオオムギのアミノ酸上の脂肪鎖を縮合することによって得られる。ポリペプチドとしては、例えばCroda社によりAminofoam W ORの名称で市販されている加水分解化ラウロイルコムギタンパク質のカリウム塩、Maybrook社によりMay-Tein SYの名称で市販されている加水分解化ココイルダイズタンパク質のトリエタノールアミン塩、SEPPIC社によりProteol Oatの名称で市販されているオオムギラウロイルアミノ酸のナトリウム塩、Deutshe Gelatine社によりGeliderm 3000の名称で市販されているココナッツ脂肪酸にグラフトされたコラーゲン加水分解産物、SEPPIC社によりProteol VS 22の名称で市販されている水素化ココナッツ酸でアシル化されたダイズタンパク質が挙げられる。
【0082】
アニオン性アルキルポリグルコシド誘導体は、特にアルキルポリグルコシドから得られるシトラート、タータラート、スルホスクシナート、カルボナート、及びグリセロールエーテルであって良い。例としては、Cesalpinia社によりEucarol AGE-ETの名称で市販されているココイルポリグルコシド酒石酸エステル(1,4)のナトリウム塩、SEPPIC社によりEssai 512 MPの名称で市販されているココイルポリグルコシドスルホコハク酸エステル(1,4)の二ナトリウム塩、Cesalpinia社によりEucarol(登録商標)AGE-ECの名称で市販されているココイルポリグルコシドクエン酸エステル(1,4)のナトリウム塩が挙げられる。別のアニオン性ホロシド誘導体は、Soliance社によりDodecyl-D-Galactoside Uronate de Sodiumの名称で市販されているナトリウムドデシル−D−ガラクトシドウロナートであって良い。
【0083】
アニオン性界面活性剤として使用して良い脂肪酸石鹸は、鉱物塩基または有機塩基で塩化された天然または合成起源の脂肪酸である。脂肪鎖は、6から22の炭素原子、好ましくは8から18の炭素原子を含んで良い。鉱物塩基または有機塩基は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属、アミノ酸及びアミノアルコールから選択されて良い。使用して良い塩としては、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、N−メチル−グルコサミン、リジン、及びアルギニン塩が挙げられる。石鹸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、またはステアリン酸のカリウムまたはナトリウム塩(カリウムまたはナトリウムラウラート、ミリスタート、パルミタート、またはステアラート)、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0084】
使用されて良い両性及び両イオン性界面活性剤は、ベタイン、N−アルキルアミドベタイン及びその誘導体、グリシン誘導体、スルタイン、アルキルポリアミノカルボキシラート、及びアルキルアンフォアセタート、並びにそれらの混合物である。
【0085】
ベタインとしては、例えばココベタイン、例えばHenkel社によりDehyton AB-30の名称で市販されている製品、ラウリルベタイン、例えばClariant社によりGenagen KBの名称で市販されている製品、オキシエチレン化(10EO)ラウリルベタイン、例えばShin Nihon Rica社によりLauryl Ether (10EO) Betainの名称で市販されている製品、オキシエチレン化ステアリルベタイン(10EO)、例えばShin Nihon Rica社によりStearyl Ether (10EO) Betainの名称で市販されている製品が挙げられる。
N−アルキルアミドベタイン及びその誘導体の例としては、Sanyo社によりLebon 2000 HGの名称で、またはAlbright & Wilson社によりEmpigen BBの名称で市販されているココアミドプロピルベタイン、及びWitco社によりRewoteric AMB12Pの名称で市販されているラウラミドプロピルベタインが挙げられる。
【0086】
スルタインの例としては、Croda社によりCrosultaine C-50の名称で市販されているココイルアミドプロピルヒドロキシスルホベタインが含まれる。
【0087】
アルキルポリアミノカルボキシラート(APAC)の例としては、Akzo Nobel社によりAmpholak 7 CX/C及びAmpholak 7 CXの名称で市販されているココイルポリアミノカルボキシラート、Akzo Nobels社によりAmpholak 7 TX/Cの名称で市販されているナトリウムステアリルポリアミドカルボキシラート、及びAkzo Nobel社によりAmpholak XO7/Cの名称で市販されているナトリウムカルボキシメチルオレイルポリプロピルアミンが挙げられる。
【0088】
アルキルアンフォアセタートの例としては、N−二ナトリウムN−ココイル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルエチレンジアミン(CTFA名:二ナトリウムコカンフォジアセタート)、例えばRhodia Chimie社によりMiranol C2M Concentre NPの名称で市販されている製品、及びN−ナトリウムN−ココイル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルエチレンジアミン(CTFA名:ナトリウムコカンフォアセタート)が挙げられる。
【0089】
これらの界面活性剤の中では、粉末形態でもよいもの、例えば、ココイルイセチオナート、リシノール酸モノエタノールアミドモノスルホンスクシナートで、Rewoderm S1333の名でWitco社により市販されているもの、N−ラウロイル−L−グルタミン酸モノナトリウム(Amisoft LS-11)及びNikkol社によりNikkol PMTの名で市販されているナトリウム=パルミトイルメチルタウラートである。
【0090】
本発明の水中油型エマルションの場合、水性相は、上述の水溶性単位とLCSTを有する単位とをポリマーを含み、水性相中のポリマーの質量濃度は、水性相の重量に対して、5%以下、好ましくは0.01から5%、さらには0.02から4%である。
【0091】
水性相は、さらに付加的に、わずかな量、例えば1%を超えない量の乳化性界面活性剤を含むことができる。
【0092】
特に挙げることができる乳化性界面活性剤は、非イオン性乳化剤、例えば、2から16の炭素原子を有するポリオールと12から22の炭素原子を有する脂肪酸との部分エステルへの1から200モルのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加の生成物、例えば、PRG−100ステアラート、PEG−50ステアラート、及びPEG−40ステアラートなどのポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセリルステアラート、ソルビタントリステアラート、及びオキシエチレン化ソルビタンステアラオラートなどポリオールの脂肪酸エステル、Tween (登録商標)20又は Tween(登録商標) 60の商品名で市販されているもの、及びスクロースステアラートなどの糖エステル、及びこれらの混合物である。
【0093】
本発明の起泡性エマルションと組成物では、水性相は好ましくは、局所適用、特に化粧品適用を許容する生理学的に許容可能な媒体からなることができる。
【0094】
この特許出願では、用語、「生理学的に許容可能な媒体」は、頭皮を含む皮膚、爪、粘膜、目、及び毛髪、または身体の皮膚の他の領域のような全てのケラチン物質と適合的である媒体を意味する。
【0095】
本発明の起泡性組成物のための生理学的に許容可能な媒体は水を含む。水の量は、組成物の全重量に対して20から99.98重量%、好ましくは40から95重量%の範囲であって良い。
【0096】
使用される水は、水の他に、植物水、例えばヤグルマソウ水、鉱水、例えばeau de Vittel、eau de Lucas、またはeau de la Roche Posay、及び/または湧き水であって良い。
【0097】
生理学的に許容可能な媒体は、水の他に、1から8の炭素原子を含む低級アルコール、例えばエタノール;ポリオール、例えばグリセロール;グリコール、例えばブチレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、例えばPEG−8;ソルビトール;糖、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、及びスクロース;並びにそれらの混合物から選択される一つ以上の溶媒を含んで良い。溶媒の量は、組成物の全重量に対して0.5から30重量%、好ましくは5から20重量%の範囲であって良い。
【0098】
エマルションに存在する油性相及び起泡性組成物に任意に存在する油性相は、化粧品に用いられるいかなる脂肪物質からなるものでよい。
【0099】
油性相は好ましくは少なくとも一つの油を含む。
【0100】
本発明の組成物で使用できる油としては、例えば以下のものが挙げられる:
− 動物起源の炭化水素ベースの油、例えばパーヒドロスクアレン;
− 植物起源の炭化水素ベースの油、例えば4から10の炭素原子の脂肪酸の液体トリグリセリド、例えばヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリド、または別法として、例えばヒマワリ油、コーン油、ダイズ油、インゲンマメ油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アンズ油、マカダミア油、アララ油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により市販されているもの、またはDynamit Nobel社によりMyglyol 810、812及び818の名称で市販されているもの、ホホバ油、またはカリテバター;
− 特に脂肪酸の合成エステル及びエーテル、例えば式R1COOR2及びR1OR2の油、でR1が8から29の炭素原子を含む脂肪酸残基を表し、R2が3から30の炭素原子を含む分枝状または非分枝状炭化水素ベースの鎖を表すもの、例えばパーセリン油、イソノニルイソノナノアート、イソプロピルミリスタート、2−エチルヘキシルパルミタート、2−オクチルドデシルステアラート、2−オクチルドデシルエルカート、またはイソステアリルイソステアラート;ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクタート、オクチルヒドロキシステアラート、オクチルドデシルヒドロキシステアラート、ジイソステアリルマラート、トリイソセチルシトラート、及び脂肪アルコールヘプタノアート、オクタノアート、及びデカノアート;ポリオールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノアート、ネオペンチルグリコールジヘプタノアート、及びジエチレングリコールジイソノナノアート;及びペンタエリスリトールエステル、例えばペンタエリスリチルテトライソステアラート;
− 鉱物または合成起源の直鎖状または分枝状炭化水素、例えば揮発性または不揮発性流動パラフィン及びその誘導体、ワセリン、ポリデセンまたは水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム油;
− 天然または合成精油、例えばユーカリ油、ハイブリッドラベンダー油、ラベンダー油、ベチベルソウ油、リッツアキュベバ油、レモン油、ビャクダン油、ローズマリー油、カモミール油、ハッカ油、ナツメグ油、シナモン油、ヒソップ油、キャラウェイ油、オレンジ油、ゲラニトール油、カデ油、及びベルガモ油;
− 8から26の炭素原子を含む脂肪アルコール、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びそれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール、またはリノレイルアルコール;
− 部分的に炭化水素ベースの及び/またはシリコーンベースのフルオロ油、例えば文献JP-A-2-295912に記載されているもの;
− シリコーン油、例えば室温で液状またはペースト状である、直鎖状または環状シリコーン鎖を含む、揮発性または不揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)、特にシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコーン)、例えばシクロヘキサシロキサン;2から24の炭素原子を含むアルキル、アルコキシ、またはフェニル基をシリコーン鎖にペンダント状にまたは末端に含むポリジメチルシロキサン;フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリカート、及びポリメチルフェニルシロキサン;
− これらの混合物。
【0101】
前述の油のリストにおいて用語、「炭化水素ベースの油」は、主に炭素原子及び水素原子を含み、任意にエステル、エーテル、フルオロ、カルボン酸、及び/またはアルコール基を含むいずれの油をも包含する。
【0102】
油性相に存在してよい他の脂肪物質は、例えば8から30の炭素原子を含む脂肪酸、例えばステアリン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、及びオレイル酸;ワックス、例えばラノリン、ミツロウ、カルナウバワックス、カンデリラワックス、パラフィンワックス、リグナイトワックス、またはマイクロクリスタリンワックス、セレシンまたはオゾケライト、合成ワックス、例えばポリエチレンワックス、及びフィッシャートロプシュワックス;ゴム、例えばシリコーンゴム(ジメチコノール);シリコーン樹脂、例えばトリフルオロメチル−C1−4−アルキルジメチコーン、及びトリフルオロプロピルジメチコーン;及びシリコーンエラストマー、例えばShin-Etsu社により"KSG"の名称で、Dow Corning社により"Trefil"、"BY29"、または"EPSX"の名称で、あるいはGrant Industries社により"Gransil"の名称で市販されている製品が挙げられる。
【0103】
これらの脂肪物質は、所望の特性、例えば粘稠度またはきめの特性を有する組成物を調製するために、当業者により可変的な態様で選択されて良い。
存在する場合には、油性相の量は、組成物の全重量に対して、例えば0.01から50重量%、好ましくは0.1から30重量%の範囲であって良い。
【0104】
本発明の起泡性組成物はまた、化粧品及び皮膚科学分野で一般的に使用されるアジュバント、例えば、鉱物または有機フィラー、親水性または親油性活性剤、防腐剤、ゲル化剤、可塑剤、抗酸化剤、香料、脱臭剤、UVスクリーン剤、金属イオン封鎖剤(EDTA)、酸性または塩基性pH調節剤またはバッファー、及び染料(顔料または着色剤または真珠光沢剤)を含んでも良い。これらの各種のアジュバントの量は、考慮される分野で一般的に使用される量、例えば組成物の全重量の0.01から20%である。言うまでもなく、当業者は本発明に係る起泡性組成物に添加される任意の化合物を選択するのに注意を払い、これらの組成物に本質的に関連する有利な特性が、考慮される添加によって損なわれない、または実質的に損なわれないようにするであろう。
【0105】
用語、「フィラー」は、組成物に体質または剛性を与え、及び/またはメイクアップにやわらかさ、マット効果、及び均一性を与えることを企図した無色または白色の、鉱物または合成の、ラメラ状または非ラメラ状の粒子を意味するように解されるべきである。特にフィラーとしては、タルク、マイカ、シリカ、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、カオリン、ナイロン(登録商標)パウダー、例えばナイロン(登録商標)-12(Atochem社により市販されているOrgasol)、ポリエチレンパウダー、テフロン(登録商標)(テトラフルオロエチレンポリマーパウダー)、ポリウレタンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリエステルパウダー、任意に変性されたデンプン、コポリマーミクロスフェア、例えばNobel Industrie社によりExpancelの名称で市販されているもの、ミクロスポンジ、例えばDow Corning社により市販されているPolytrap、シリコーン樹脂ミクロビーズ、例えばToshiba社によりTospearlの名称で市販されているもの、沈降化炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、マグネシウムヒドロカーボナート、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフェア(Maprecos社製のSilica Beads)、ガラスまたはセラミックミクロカプセル、8から22の炭素原子、好ましくは12から18の炭素原子を含む有機カルボン酸から由来する金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、マグネシウム、またはリチウム、ラウリン酸亜鉛、またはミリスチン酸マグネシウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0106】
用語、「顔料」は、組成物を着色及び/または不透明化することを企図した、媒体中に不溶性の白色または着色の、鉱物または有機粒子を意味すると解されるべきである。それらは白色または着色でも良く、鉱物及び/または有機でも良く、標準的またはナノメーターのサイズを有しても良い。鉱物顔料及びナノ顔料の中では、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、または二酸化セリウム、さらには酸化亜鉛、酸化鉄、または酸化クロム、ナノチタン(二酸化チタンナノ顔料)、ナノ亜鉛(酸化亜鉛ナノ顔料)、及びフェリックブルーが挙げられる。有機顔料の中では、カーボンブラック及びレーキ、例えば、酸性染料、例えばハロ酸染料、アゾ染料、またはアントラキノン染料のカルシウム、バリウム、アルミニウム、またはジルコニウム塩が挙げられる。
【0107】
用語、「真珠光沢剤」は、光を反射する真珠光沢顔料を意味すると解されるべきである。考慮される真珠光沢剤としては、天然真珠母、酸化チタンで、酸化鉄で、天然顔料で、またはオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、並びに着色化チタンマイカが挙げられる。
エマルションの場合、組成物のきめを調節するために、または乳液からクリームの広範囲のきめに近づけるために、特に、そこにゲル化剤を添加してもよい。
【0108】
使用されて良いゲル化剤は、親水性ゲル化剤であって良い。親水性ゲル化剤の例として、特にカルボキシビニルポリマー(カーボマー)、アクリル酸コポリマー、例えばアクリラート/アルキルアクリラートコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリサッカリド、天然ゴム、及びクレーが挙げられる。
【0109】
本発明の起泡性組成物は、頭皮を含む皮膚、爪、毛髪、睫毛、眉毛、眼、粘膜、及び半粘膜、及び身体または顔の皮膚の他の領域に適用されて良い、特に化粧品組成物、特にクレンジングまたはメイクアップ除去用組成物の形態で存在して良い。
【0110】
(身体または顔の)皮膚をクレンジング、及び/またはメイクアップを除去する製品として、本発明に係る起泡性組成物は、例えば二つの態様で使用されて良い:
・第一の使用は、手にゲルを広げる工程、顔または身体にそれを適用する工程、次いで水の存在下でそれをマッサージして、顔または身体で直接気泡を形成させる工程からなる。
・他の考え得るこのタイプの製品の使用は、顔または身体にそれを適用する前に、手の平で気泡を形成される工程からなる。
【0111】
組成物が十分に流動性があるなら、それはセルフフォーミングエアロゾルまたはエアスプレーボトルにパッケージすることができる。製品は、ついで皮膚または毛髪に直接適用される気泡の形態で吐出される。
【0112】
すべての場合で、気泡は、次いですすぎ落とされる。
【0113】
本発明の別の主題は、本発明の組成物を水の存在下で皮膚、頭皮、及び/または毛髪に適用し、形成された気泡及び汚れた残余物を水ですすぎ落とすことを特徴とする、皮膚、頭皮、及び/または毛髪をクレンジングするための、及び/またはそれらからメイクアップを除去するための美容方法からなる。
【0114】
本発明のエマルションは、多くの化粧品または皮膚科の応用に用いることができ、特に
顔の皮膚及び/または身体の皮膚、粘膜(唇)、頭皮及び/またはケラチン繊維(毛髪または睫毛)を、トリートメントするために、及び/またはUV光線から皮膚を保護するために用いることができる。
【0115】
したがって、本発明の主題は、顔の皮膚及び/または身体の皮膚、粘膜、頭皮及び/またはケラチン繊維を、トリートメント、ケア、保護及び/またはメイクアップするための、上記化粧品エマルションの美容的使用である。
【0116】
本発明の他の特徴及び利点は、添付された図面を参考にして、非制限的な説明のために与えられる以下の記載を読むことでより明確になるであろう。
【0117】
以下の実施例は、特定の水溶性単位及びLCSTを有する単位を含むポリマーを含む、本発明に係る起泡性組成物の調製を説明する。
【0118】
これらの実施例で使用されるポリマーは、LCSTを有する特定の単位からなる側鎖またはグラフトを有するポリアクリル酸(PAA)骨格からなる。それらは、水溶性骨格(ポリアクリル酸)のモル質量、LCSTを有する鎖の化学的性質、それらのポリマー中の質量割合、及びそれらのモル質量によって特徴付けされる。
使用されるポリマーの特徴は、表1に示されている。
【0119】
【表1】
【0120】
これらのポリマーは、以下の態様で調製される。
【0121】
ポリマー1の調製
450000g/molの平均モル質量を有する3グラムのポリアクリル酸(Aldrich)を、60℃で12時間攪拌しながら、凝縮器を備えた500ml反応器中の220mlのN−メチルピロリドンに溶解する。
【0122】
水中に1重量%の濃度で、16℃の曇点を有する2600g/molのモル質量を有する4.181グラムのモノアミノランダム(EO)6(PO)39コポリマー(Huntsman社製のJeffamine M-2005)を、20℃で15分間攪拌しながら、50mlのN−メチルピロリドンに溶解する。得られた溶液を、60℃で激しく攪拌しながら、ポリアクリル酸を含む反応媒体に滴下して加える。
【0123】
2.158グラムのジシクロヘキシルカルボジイミドを、20℃で15分間攪拌しながら、30mlのN−メチルピロリドンに溶解する。得られた溶液を、60℃で激しく攪拌しながら、ポリアクリル酸とモノアミノランダム(EO)6(PO)39コポリマーを含む反応媒体に滴下して加える。最終混合物を60℃で12時間攪拌する。
【0124】
混合物を20℃に冷却し、次いで4℃で24時間冷蔵庫中に配置する。形成されたジシクロヘキシルウレアの結晶を、反応媒体の濾過によって取り出す。
【0125】
次いで19gの35%水酸化ナトリウム(アクリル酸のモル数に対して4倍過剰)でポリマーを中和し、その沈降を導く。12時間放置した後、反応媒体を濾過して、沈降化ポリマーを回収する。このポリマーを35℃で24時間真空下で乾燥する。
【0126】
13.55グラムの固体を回収し、2リットルの脱イオン水に溶解する。10000ダルトンにセットされたカットオフ値を有する膜を含むMillipore限外濾過システムを使用して、この溶液を限外濾過する。かくして精製された溶液を凍結乾燥し、固体形態のポリマーを集める。
【0127】
3.9%(モル基準)のモノアミノランダム(EO)6(PO)39コポリマーをグラフトした7.05グラムのポリアクリル酸(450000g/mol)が得られる。
【0128】
最終ポリマー中のLCSTを有する単位の質量割合は51%である。
【0129】
かくして得られたポリマーは、20℃で水中に少なくとも10g/lの溶解度を有する。
【0130】
ポリマー2の調製
ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(pNIPAM)グラフトを含むポリマー2を、二段階法によって調製する:
【0131】
1)反応性アミノ末端を有するpNIPAMオリゴマーの合成
8グラムのN−イソプロピルアクリルミド及び80mlのジメチルスルホキシドを、凝縮器と窒素流入口を備えた250mlの三口丸底フラスコ内に導入する。ウォーターバスを使用して攪拌しながらこの混合物を29℃に加熱し、窒素下に配置する。45分後、4mlのジメチルスルホキシドに事前に溶解した0.161グラムのアミノエタンチオールヒドロクロリドを反応媒体に加える。5分後、8mlのジメチルスルホキシドに溶解した0.191グラムの過硫酸カリウムを反応媒体に加える。この反応媒体を、29℃で3時間窒素雰囲気下で攪拌する。
【0132】
合成されたポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(pNIPAM)オリゴマーを、アセトン(40容量%)及びヘキサン(60容量%)の混合物中で反応媒体から沈降することによって単離する。
【0133】
2)ポリアクリル酸へのpNIPAMオリゴマーのグラフト化
550000g/molのモル質量を有する3グラムのポリアクリル酸を、60℃で12時間攪拌しながら、凝縮器を備えた250ml三口丸底フラスコ中の100mlの1−メチル−2−ピロリドンに溶解する。25mlの1−メチル−2−ピロリドンに事前に溶解した3.757グラムのpNIPAMオリゴマーを、攪拌しながら反応媒体内に滴下して導入する。15分後、25mlの1−メチル−2−ピロリドン中に事前に溶解した0.776グラムのジシクロヘキシルカルボジイミドを、激しく攪拌しながら反応媒体中に滴下して導入する。反応媒体を、攪拌しながら60℃で12時間維持する。
【0134】
次いで反応媒体を20℃に冷却し、次いで4℃で24時間冷蔵庫に配置する。次いで形成されたジシクロヘキシルウレアの結晶を濾過によって取り出す。次いで19gの35%水酸化ナトリウム(アクリル酸のモル数に対して4倍過剰)でポリマーを中和し、その沈降を導く。12時間放置した後、反応媒体を濾過して、沈降化ポリマーを回収する。このポリマーを35℃で24時間真空下で乾燥する。
10.2グラムの固体を回収し、2リットルの脱イオン水に溶解する。10000ダルトンにセットされたカットオフ値を有する膜を含むMillipore限外濾過システムを使用して、この溶液を限外濾過する。かくして精製された溶液を凍結乾燥し、固体形態のポリマーを集める。
【0135】
0.9%(モル基準)のポリ−N−イソプロピルアクリルアミドをグラフトした4.8グラムのポリアクリル酸(550000g/mol)が得られる。
【0136】
最終ポリマー中のLCSTを有する単位の質量割合は49%である。
【0137】
ポリマー3の調製
750000g/molの平均モル質量を有する1.51グラムのポリアクリル酸(Aldrich)を、20℃で12時間攪拌しながら、凝縮器を備えた1l反応器中の350mlの脱イオン水に溶解する。ついで、反応媒体のpHを、1Mの水酸化ナトリウム溶液で8に調整する。1.60グラムのモノアミノランダム(EO)6(PO)39コポリマー(Huntsman社製のJeffamine M-2005)を、5℃で30分間攪拌しながら、100mlの脱イオン水に溶解する。得られた溶液を、激しく攪拌しながら、反応媒体に滴下して加える。
【0138】
1.84gの塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドを、20℃、15分間攪拌しながら、50mlの脱イオン水に溶解する。得られた溶液を、激しく攪拌しながら、上記反応媒体に、滴下し、ついで6時間60℃で加熱する。
【0139】
反応媒体を20℃に冷却し、ついで濃縮し、アセトンで沈澱させる。固体形態のポリマーを、ろ過により回収し、過剰量のアセトンで洗浄する。粉末を砕いて、35℃にて真空乾燥する。
【0140】
3.1%(モルベースで)のモノアミノランダム(EO)6(PO)39コポリマーでグラフト化した3.33gのポリアクリル酸(75000g/モル)を得る(収率94%)。
【0141】
ポリマーのLCSTを有する単位、すなわちJeffamine単位とpNIPAM単位の偏析温度を測定する。
【0142】
これらの偏析温度は、可視UV分光器により、500nmの波長で、温度の関数としてこれらの単位の水溶液の透過率を測定することにより、決定する。偏析温度は、それより上で、透過率が10℃での値より10%低くなるような温度で同定する。種々の質量濃度で得られた結果を表2に示す。
【0143】
【表2】
【0144】
上記実施例では、粘度の測定を、円錐/プレート形状寸法を備えたHaake RS150レオメーターと、温度を5から80℃の間に保つような保温槽を用いて行なった。測定は、0.5℃/分の速度で、20から40℃に温度を変化させることにより、負荷剪断レートが10s−1でフローモードで行なった。
【0145】
実施例1:水溶性骨格とLCSTを有する単位からなるグラフトを含むポリマー1と2の表面活性
【0146】
温度を5℃から80℃の間に保つための保温槽を備えた、環状張力計を用いて(Krussからの張力計K12)、表面張力(σ)を測定した。室温で、水中で粉末形態の適当な量のポリマーを攪拌して単純に溶解することによりポリマー溶液を調製し、0.05または0.1質量%のポリマー濃度とした。
【0147】
2つの温度で、測定を行なった。
−15℃、0.05と0.1%の濃度でのLCSTを有するグラフト(ポリマー1及び2)の混合温度未満の値。
−38℃、0.05と0.1%の濃度でのLCSTを有するグラフト(ポリマー1及び2)の偏析温度を超えた値。
【0148】
結果を表3に示す。
【0149】
【表3】
【0150】
濃度は、質量パーセントで示されている。
【0151】
表3の結果は、ポリマー1と2で水の表面張力の有意な減少が得られ、この減少は、偏析温度より高いことを示している。
【0152】
実施例2:0.3質量%の濃度、T=25℃のポリマー3から構成される起泡性調製物
【0153】
8000rpmで5分間、次いで13500rpmで1分間、Diax600機(Heidolph)を使用して、攪拌にかけ、0.3質量%のポリマー3の水性溶液(10mlのピルボトル中に5gの溶液)から気泡を得る。使用されたシャフトは、10mmの外径を有する(参照番号F10)。
【0154】
比較のために、a)0.15質量%の水中濃度のポリマー3の水溶性骨格、b)0.15質量%の水中濃度の、LCSTを有するグラフトだけを用いて、以外は同様にして気泡を得る。
【0155】
こうして得られた気泡の巨視的外観の変化を経時的にモニターする。起泡力は、次第に容器の気泡の高さが高いほど高くなる。
【0156】
ポリマー3の場合、0.3質量%の濃度で、1時間後に実質的に変化しない十分な気泡を得る。これは3日後にはやや不安定となる。
【0157】
0.15質量%の濃度のポリマー3の水溶性骨格の場合は、気泡の生成は非常に遅く、気泡は30分後には不安定となり、3日後には完全に消失する。0.15質量%の濃度のポリマー3のグラフトの場合は、15分後に完全に消失する気泡を得る。
【0158】
このように、ポリマー3は、水溶性骨格や、LCSTを有するグラフトより優れた起泡特性を有する。ポリマー3(0.3%)とPAA骨格(0.15%)の水溶液は、同じ粘度(10s−1の剪断率で約0.5Pa.s)を有しており、水溶性骨格を含むものと比較して、ポリマー3で得られた気泡の改善された安定性は、増粘効果のためではない。
【0159】
実施例3:0.1質量%の濃度、T=15℃と38℃のポリマー2から構成される起泡性調製物
【0160】
8000rpmで5分間、次いで13500rpmで1分間、Diax600機(Heidolph)を使用して攪拌にかけ、0.3質量%のポリマー3の水性溶液(10mlのピルボトル中に5gの溶液)から気泡を得る。使用されたシャフトは、10mmの外径を有する(参照番号F10)。
【0161】
0.15質量%の濃度のポリマー2の水溶性骨格を含む水溶液、0.15質量%の濃度の、ポリマー2のLCSTを有するグラフトの水溶液だけを用いて、同様にして気泡を得る。
【0162】
こうして得られた気泡の巨視的外観の変化を、ポリマー2の場合は15℃と38℃の温度で、水溶性骨格とLCSTを有するグラフトの場合は25℃の温度で、経時的にモニターする。
【0163】
ポリマー2の場合、15℃で十分な気泡を得るが、気泡の高さは30分後に減少し(50%減少した気泡)、2時間後に消失する。38℃では、やはり十分な気泡を得、2時間後でも存続し(40%の気泡が残る)、22時間後でも一部存在する(25%の気泡がまだ残る)。
【0164】
ポリマー2の水溶性骨格の場合は、25℃で非常に低い気泡高さを得、気泡は5分後に消失する。LCSTを有するグラフトの場合、25℃で十分な気泡を得、これは即座に不安定となり(80%気泡で20%液体)、その後実質的に30分後は残った泡は15%だけとなり、2時間後に消失する。
【0165】
このように、ポリマー2は、水溶性骨格とLCSTを有するグラフトよりも優れた起泡特性を有する。この起泡力は、広範囲の温度にわたって観察され、温度が、0.15質量%の濃度での、LCSTを有する鎖の偏析温度、すなわち36℃より高くなると増加する。15℃から38℃までのポリマー2のこの起泡力の増加は、熱誘導性ゲル化作用と関連しない。その理由は、0.1%の水溶液でのポリマー2の粘度は下記の通りであるからである。
− 15℃での粘度(10s−1):0.007Pa.s
− 38℃での粘度(10s−1):0.005Pa.s
【0166】
実施例4:水溶性骨格とLCSTを有するグラフトを含むポリマー1と2の水/油の界面活性
【0167】
温度を5℃から80℃の間に保つための保温槽を備えた、環状張力計を用いて(Krussからの張力計K12)、表面張力(σ)を測定した。室温で、水中で粉末形態の適当な量のポリマーを攪拌して単純に溶解することによりポリマー溶液を調製し、0.05または0.1質量%のポリマー濃度とした。
水/パーリーム油の界面で、2つの温度で、測定を行なった。
− 15℃、LCSTを有するグラフト(ポリマー1と2)の混合温度未満の値。
− 38℃、LCSTを有するグラフト(ポリマー1と2)の偏析温度を超えた値。
【0168】
結果を表4に示す。
【0169】
【表4】
【0170】
濃度は、質量パーセントで示されている。
【0171】
表4の結果は、ポリマー1と2の存在下で、0.1質量%のポリマー1と2の溶液の場合、水の界面張力が、15℃で、25または22mM/m、38℃で29から24mM/mの減少を示すことを表す。
【0172】
実施例5:水性相中に0.3質量%の濃度、T=25℃のポリマー3を含むエマルション
【0173】
0.3質量%の(4.8g)ポリマー3とパーリーム油(1.2g)の水溶液を用いてエマルションを調製する。混合物を、8000rpmで5分間、次いで13500rpmで1分間、Diax600機(Heidolph)を使用して攪拌にかける。使用されたシャフトは、10mmの外径を有する(参照番号F10)。10ml容量のピルボトル中で乳化を行なう。パーリームオイルの質量分画は20%とした。
【0174】
0.15質量%の濃度のポリマー3の水溶性骨格の水溶液、0.15質量%の濃度の、LCSTを有するグラフトの水溶液を用いて、同様にしてエマルションを調製する。
【0175】
エマルションの巨視的外観の変化を経時的にモニターする。乳化力は、乳化相の高さが高いほど高くなる。
【0176】
25℃で、0.3質量%のポリマー3の場合、全体の組成物が乳化され、64日間安定なままである。0.15質量%のポリマー3の水溶性骨格の場合、良好なエマルションの高さが得られるが、64日後には減少する。
【0177】
ポリマー3のLCSTを有するグラフトの場合、より低いエマルションの高さを得、エマルションは、52時間後に消失する。
【0178】
このように、ポリマー3は、水溶性骨格や、LCSTを有するグラフトより優れた乳化特性を有する。ポリマー3(0.3%)とPAA骨格(0.15%)の水溶液は、同じ粘度(10s−1の剪断率で約0.5Pa.s)を有しており、水溶性骨格を含むものと比較して、ポリマー3で得られたエマルションの改善された安定性は、増粘効果のためではない。
【0179】
実施例6:水性相中に0.3質量%の濃度、T=15℃と38℃のポリマー2を含むエマルション
【0180】
0.3質量%の(4.8g)ポリマー3とパーリーム油(1.2g)の水溶液を用いてエマルションを調製する。混合物を、8000rpmで5分間、次いで13500rpmで1分間、Diax600機(Heidolph)を使用して攪拌にかける。使用されたシャフトは、10mmの外径を有する(参照番号F10)。10ml容量のピルボトル中で乳化を行なう。パーリームオイルの質量分画は20%とした。
【0181】
エマルションの巨視的外観の変化を経時的にモニターする。乳化力は、乳化相の高さが高いほど高くなる。
【0182】
15℃で、最初にポリマー2で全体が乳化され、63日後に、乳化相の高さの半分が消失する。
【0183】
38℃で、ポリマー2で得られるエマルションは、十分であり、63日間安定なままである。
【0184】
このように、ポリマー2は、水溶性骨格とLCSTを有するグラフトよりも優れた乳化特性を有する。この乳化力は、広範囲の温度にわたって観察され、温度が、LCSTを有する鎖の偏析温度(0.3%の濃度で32℃)より高くなると増加する。この増加は、熱誘導性ゲル化作用と関連しない。その理由は、3%の水溶液でのポリマー2の粘度は下記の通りであるからである。
−15℃での粘度(10s−1):0.12Pa.s
−38℃での粘度(10s−1):0.12Pa.s
【0185】
エマルションまたはフォームの形態の化粧品組成物の例を下記に示す。
【0186】
実施例7:流動性の起泡性組成物
【0187】
3時間室温で攪拌しながら脱イオン水中に粉体形態のポリマー1を溶解し、次いで他の成分をこの溶液に導入し、30分間攪拌を続け、この起泡性組成物を得る。
【0188】
得られた調製物は、5℃から60℃で用いることができる流動性の起泡性組成物である。
【0189】
実施例8:ボディ乳液
この乳液は、下記の組成を有する油性相と水性相を含む。
【0190】
油性相
水性相
【0191】
粉末形態のポリマー3と防腐剤を、3時間攪拌しながら脱イオン水中に溶解することにより水性相を得る。ついで油性相を、Moritzブレンダーを用いて、4000rpmの速度で、20分間攪拌しながら、水性相中にゆっくりと加える。
【0192】
得られた調製物は、美しい、流動性の、水性相のきめを有するエマルションである。
Claims (43)
- 水溶性単位及びLCSTを有する単位を含み、このLCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の濃度において5から40℃であるポリマーの、水の表面張力または界面張力を低下させるための使用。
- 水の表面張力または界面張力の低下が、5から80℃の範囲の温度、ポリマーが0.1質量%の濃度において、少なくとも15mN/mである、請求項1記載の使用。
- 水の表面張力または界面張力の低下が、ポリマーが0.1質量%の濃度で、温度がこの濃度におけるLCSTを有する単位の偏析温度よりも高い時に、少なくとも20mN/mである、請求項1記載の使用。
- 水溶性単位及びLCSTを有する単位を含み、このLCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の濃度において5から40℃であるポリマーの、泡を製造するための使用。
- 水溶性単位及びLCSTを有する単位を含み、このLCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の濃度において5から40℃であるポリマーの使用であり、さらに起泡性界面活性剤を5質量%以下の濃度で含むものである、泡を製造するための使用。
- さらなる乳化界面活性剤を含まないエマルション、またはさらなる乳化界面活性剤を1質量%以下の濃度で含むエマルションを製造するための、水溶性単位及びLCSTを有する単位を含み、このLCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の前記単位の濃度において5から40℃であるポリマーの使用。
- 水溶性単位及びLCSTを有する単位を含み、このLCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の濃度において5から40℃であるポリマーを含む水性相を含む起泡性組成物。
- 前記ポリマーは、水溶性単位とLCSTを有する単位を交互に含むブロックポリマーの形態であるか、または骨格が水溶性単位から形成され、LCSTを有する単位からなるグラフトを有し、この構造は部分的に架橋されていることも可能な、グラフトポリマーの形態であるか、または骨格がLCSTを有する単位から形成され、水溶性単位からなるグラフトを有し、この構造は部分的に架橋されていることも可能な、グラフトポリマーの形態である、請求項7記載の起泡性組成物。
- 前記水溶性単位が、以下のモノマー:
− (メタ)アクリル酸;
− 以下の式(I)のビニルモノマー:
− RはH、−CH3、−C2H5、または−C3H7から選択され;及び
− Xは以下のものから選択される:
− −OR’タイプのアルキルオキシドであって、R’は少なくとも一つのハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、またはフッ素);スルホン酸(−SO3 −)、スルファート(−SO4 −)、ホスファート(−PO4H2);ヒドロキシル(−OH);第一級アミン(−NH2);第二級アミン(−NHR1)、第三級アミン(−NR1R2)、または第四級アミン(−N+R1R2R3)基{ここで、R1、R2及びR3は互いに独立に、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基(ここでR’+R1+R2+R3の炭素原子の合計が7を超えないことを条件とする)である}で任意に置換された、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基である;及び
− −NH2、−NHR4、及び−NR4R5基であって、R4及びR5は互いに独立に、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基(ここでR4+R5の炭素原子の合計が7を超えないことを条件とする)であって、前記R4及びR5はハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、またはフッ素);ヒドロキシル(−OH);スルホン酸(−SO3 −)、スルファート(−SO4 −);ホスファート(−PO4H2);第一級アミン(−NH2);第二級アミン(−NHR1)、第三級アミン(−NR1R2)、及び/または第四級アミン(−N+R1R2R3)基{ここで、R1、R2及びR3は互いに独立に、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基(ここでR4+R5+R1+R2+R3の炭素原子の合計が7を超えないことを条件とする)である}で任意に置換される]
− マレイン酸無水物;
− イタコン酸;
− 式CH2=CHOHのビニルアルコール;
− 式CH2=CH−OCOCH3のビニルアセタート;
− N−ビニルラクタム、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びN−ブチロラクタム;
− 式CH2=CHOR6のビニルエーテルであって、R6は1から6の炭素を含む直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の炭化水素基である;
− 水溶性スチレン誘導体、特にスチレンスルホナート;
− ジメチルジアリルアンモニウムクロリド;並びに
− ビニルアセタミド;
から選択される少なくとも一つのモノマーの重合、特にフリーラジカル重合によって全体的または部分的に得ることが可能である請求項7または8に記載の起泡性組成物。 - 前記水溶性単位が、一つ以上の以下の成分:
− 水溶性ポリウレタン;
− キサンタンゴム;
− アルギナート及びその誘導体、例えばプロピレングリコールアルギナート;
− セルロース誘導体、特にカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び第四級化ヒドロキシエチルセルロース;
− ガラクトマンナン及びその誘導体、例えばコンニャクゴム、グアルゴム、ヒドロキシプロピルグアル、ナトリウムメチルカルボキシラート基で変性されたヒドロキシプロピルグアル、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムグアルクロリド;
− ポリエチレンイミン;
から全体的または部分的になるものである請求項7または8に記載の起泡性組成物。 - 前記水溶性単位が、それらがグラフトポリマーの水溶性骨格を構成する場合、1000g/molから5000000g/molの範囲のモル質量を有し、それらがマルチブロックポリマーのブロックを構成する場合、またはそれらがグラフトポリマーのグラフトを構成する場合、500g/molから100000g/molの範囲のモル質量を有する請求項7から10のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
- 前記LCSTを有する単位が、以下のポリマー:
− ポリエーテル、例えばポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、またはエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とのランダムコポリマー;
− ポリビニルメチルエーテル;
− N置換化アクリルアミド誘導体ポリマー、例えば、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド又はN−エチルアクリルアミドと、請求項9に記載された式(I)に相当するビニルモノマーとの、または無水マレイン酸、イタコン酸、ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセタミド、ビニルエーテル及びビニルアセタート誘導体から選ばれるモノマーとのコポリマー;並びに
− ポリビニルカプロラクタム、及びビニルカプロラクタムと、請求項9に記載された式(I)に相当するビニルモノマーとの、または無水マレイン酸、イタコン酸、ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセタミド、ビニルエーテル及びビニルアセタート誘導体から選ばれるモノマーとのコポリマー;
から選択される一つ以上のポリマーからなる請求項7から11のいずれか一項に記載の起泡性組成物。 - 前記LCSTを有する単位が、n=10から50の整数であるポリプロピレンオキシド(PPO)n、または下式:
(EO)m(PO)n
[式中、mは1から40、好ましくは2から20の範囲の整数であり、nは10から60、好ましくは20から50の範囲の整数である]
によって表されるエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とのランダムコポリマーからなる請求項7から11のいずれか一項に記載の起泡性組成物。 - 前記LCSTを有する単位のモル質量が、500から5300g/mol、好ましくは1500から4000g/molである請求項10に記載の起泡性組成物。
- 前記LCSTを有する単位が、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド;又はポリ−N−エチルアクリルアミド;又はN−イソプロピルアクリルアミドまたはN−エチルアクリルアミドと、請求項9に記載の式(I)を有するモノマー、又はマレイン酸無水物、イタコン酸、ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセタミド、ビニルアルコール、ビニルアセタート、ビニルエーテル、及びビニルアセタート誘導体から選択されるモノマーとのコポリマーからなる請求項12に記載の起泡性組成物。
- 前記LCSTを有する単位のモル質量が、1000g/molから500000g/mol、好ましくは2000から50000g/molである請求項15に記載の起泡性組成物。
- 前記LCSTを有する単位が、ポリビニルカプロラクタム、またはビニルカプロラクタムと、請求項9に記載の式(I)に対応するビニルモノマー、又はマレイン酸無水物、イタコン酸、ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセタミド、ビニルアルコール、ビニルアセタート、ビニルエーテル、及びビニルアセタート誘導体から選択されるモノマーとのコポリマーからなる請求項7から11のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
- LCSTを有する単位のモル質量が、1000g/molから500000g/mol、好ましくは2000から50000g/molである請求項17に記載の起泡性組成物。
- 前記ポリマーのLCSTを有する単位の質量割合が、前記ポリマーに対して5から70%、好ましくは20から65%、より好ましくは30から60%である請求項7から18のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
- 水中でのLCSTを有する単位の濃度が1質量%で、LCSTを有する単位の偏析温度が5から40℃である、請求項7から19のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
- 水性相中の前記ポリマーの質量濃度が、5%以下、より好適には0.01から5%である請求項7から20のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
- 前記水性相が、さらに、5質量%を超えない濃度で起泡性界面活性剤を含む請求項7から21のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
- 水性相と、水性相に分散された油性相を含む水中油型エマルションであって、前記水性相は、水溶性単位及びLCSTを有する単位を含むポリマーを含み、前記LCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の濃度において5から40℃であるものである、水中油型エマルション。
- 外部水性相に分散された油中水型エマルションを含む水中油中水型エマルションであって、前記外部水性相は、水溶性単位及びLCSTを有する単位を含みポリマーを含み、前記LCSTを有する単位の水中における偏析温度が、水中に1質量%の濃度において5から40℃であるものである、水中油中水型エマルション。
- 前記ポリマーは、水溶性単位とLCSTを有する単位を交互に含むブロックポリマーの形態であるか、または骨格が水溶性単位から形成され、LCSTを有する単位からなるグラフトを有し、この構造は部分的に架橋されていることも可能なグラフトポリマーの形態であるか、または骨格がLCSTを有する単位から形成され、水溶性単位からなるグラフトを有し、この構造は部分的に架橋されていることも可能なグラフトポリマーの形態である、請求項23または24に記載のエマルション。
- 前記水溶性単位が、以下のモノマー:
− (メタ)アクリル酸;
− 以下の式(I)のビニルモノマー:
− RはH、−CH3、−C2H5、または−C3H7から選択され;及び
− Xは以下のものから選択される:
− −OR’タイプのアルキルオキシドであって、R’は少なくとも一つのハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、またはフッ素);スルホン酸(−SO3 −)、スルファート(−SO4 −)、ホスファート(−PO4H2);ヒドロキシル(−OH);第一級アミン(−NH2);第二級アミン(−NHR1)、第三級アミン(−NR1R2)、または第四級アミン(−N+R1R2R3)基{ここで、R1、R2及びR3は互いに独立に、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基(ここでR’+R1+R2+R3の炭素原子の合計が7を超えないことを条件とする)である}で任意に置換された、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基である;及び
− −NH2、−NHR4、及び−NR4R5基であって、R4及びR5は互いに独立に、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基(ここでR4+R5の炭素原子の合計が7を超えないことを条件とする)であって、前記R4及びR5はハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、またはフッ素);ヒドロキシル(−OH);スルホン酸(−SO3 −)、スルファート(−SO4 −);ホスファート(−PO4H2);第一級アミン(−NH2);第二級アミン(−NHR1)、第三級アミン(−NR1R2)、及び/または第四級アミン(−N+R1R2R3)基{ここで、R1、R2及びR3は互いに独立に、1から6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和の炭化水素基(ここでR4+R5+R1+R2+R3の炭素原子の合計が7を超えないことを条件とする)である}で任意に置換される]
− マレイン酸無水物;
− イタコン酸;
− 式CH2=CHOHのビニルアルコール;
− 式CH2=CH−OCOCH3のビニルアセタート;
− N−ビニルラクタム、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びN−ブチロラクタム;
− 式CH2=CHOR6のビニルエーテルであって、R6は1から6の炭素を含む直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の炭化水素基である;
− 水溶性スチレン誘導体、特にスチレンスルホナート;
− ジメチルジアリルアンモニウムクロリド;並びに
− ビニルアセタミド;
から選択される少なくとも一つのモノマーの重合、特にフリーラジカル重合によって全体的または部分的に得ることが可能である請求項23から25のいずれか一項に記載の起泡性組成物。 - 前記水溶性単位が、一つ以上の以下の成分:
− 水溶性ポリウレタン;
− キサンタンゴム;
− アルギナート及びその誘導体、例えばプロピレングリコールアルギナート;
− セルロース誘導体、特にカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び第四級化ヒドロキシエチルセルロース;
− ガラクトマンナン及びその誘導体、例えばコンニャクゴム、グアルゴム、ヒドロキシプロピルグアル、ナトリウムメチルカルボキシラート基で変性されたヒドロキシプロピルグアル、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムグアルクロリド;
− ポリエチレンイミン;
から全体的または部分的になるものである請求項23から25のいずれか一項に記載のエマルション。 - 前記水溶性単位が、それらがグラフトポリマーの水溶性骨格を構成する場合、1000g/molから5000000g/molの範囲のモル質量を有し、それらがマルチブロックポリマーのブロックを構成する場合、またはそれらがグラフトポリマーのグラフトを構成する場合、500g/molから100000g/molの範囲のモル質量を有する請求項23から27のいずれか一項に記載のエマルション。
- 前記LCSTを有する単位が、以下のポリマー:
− ポリエーテル、例えばポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、またはエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とのランダムコポリマー;
− ポリビニルメチルエーテル;
− N置換化アクリルアミド誘導体ポリマー、例えば、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド又はN−エチルアクリルアミドと、請求項9に記載された式(I)に相当するビニルモノマーとの、または無水マレイン酸、イタコン酸、ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセタミド、ビニルエーテル及びビニルアセタート誘導体から選ばれるモノマーとのコポリマー;並びに
− ポリビニルカプロラクタム、及びビニルカプロラクタムと、請求項9に記載された式(I)に相当するビニルモノマーとの、または無水マレイン酸、イタコン酸、ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセタミド、ビニルエーテル及びビニルアセタート誘導体から選ばれるモノマーとのコポリマー;
から選択される一つ以上のポリマーからなる請求項23から28のいずれか一項に記載のエマルション。 - 前記LCSTを有する単位が、n=10から50の整数であるポリプロピレンオキシド(PPO)n、または下式:
(EO)m(PO)n
[式中、mは1から40、好ましくは2から20の範囲の整数であり、nは10から60、好ましくは20から50の範囲の整数である]
によって表されるエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とのランダムコポリマーからなる請求項23から28のいずれか一項に記載のエマルション。 - 前記ポリマーのLCSTを有する単位のモル質量が、500から5300g/mol、好ましくは1500から4000g/molである請求項30に記載のエマルション。
- 前記LCSTを有する単位が、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド;又はポリ−N−エチルアクリルアミド;又はN−イソプロピルアクリルアミドまたはN−エチルアクリルアミドと、請求項9に記載の式(I)を有するモノマー、又はマレイン酸無水物、イタコン酸、ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセタミド、ビニルアルコール、ビニルアセタート、ビニルエーテル、及びビニルアセタート誘導体から選択されるモノマーとのコポリマーからなる請求項29に記載のエマルション。
- 前記ポリマーのLCSTを有する単位のモル質量が、1000g/molから500000g/mol、好ましくは2000から50000g/molである請求項32に記載の起泡性組成物。
- 前記LCSTを有する単位が、ポリビニルカプロラクタム、またはビニルカプロラクタムと、請求項9に記載の式(I)に対応するビニルモノマー、又はマレイン酸無水物、イタコン酸、ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセタミド、ビニルアルコール、ビニルアセタート、ビニルエーテル、及びビニルアセタート誘導体から選択されるモノマーとのコポリマーからなる請求項23から28のいずれか一項に記載のエマルション。
- LCSTを有する単位のモル質量が、1000g/molから500000g/mol、好ましくは2000から50000g/molである請求項34に記載のエマルション。
- 前記ポリマーのLCSTを有する単位の質量割合が、前記ポリマーに対して5から70%、好ましくは20から65%、より好ましくは30から60%である請求項23から35のいずれか一項に記載のエマルション。
- 水中でのLCSTを有する単位の濃度が1質量%で、LCSTを有する単位の偏析温度が5から40℃である、請求項23から36のいずれか一項に記載のエマルション。
- 水性相中の前記ポリマーの質量濃度が、5%以下、より好適には0.01から5%である請求項23から37のいずれか一項に記載のエマルション。
- 前記水性相が、さらに、1質量%を超えない濃度で乳化界面活性剤を含む請求項23から38のいずれか一項に記載のエマルション。
- さらにゲル化剤を含む請求項23から39のいずれか一項に記載のエマルション。
- 頭皮を含む皮膚、爪、毛髪、睫毛、眉毛、眼、粘膜、半粘膜、及び身体または顔の皮膚の他の領域をクレンジングするための、及び/またはそこからメイクアップを除去するための、請求項7から22のいずれか一項記載の起泡性組成物の美容的使用。
- 顔の皮膚及び/または身体の皮膚、粘膜(唇)、頭皮及び/またはケラチン繊維を、トリートメント、ケア、保護及び/またはメイクアップするための、請求項23から40のいずれか一項記載の化粧品エマルションの美容的使用。
- 水の存在下で、本発明の組成物を、皮膚に、頭皮に、及び/または毛髪に適用し、形成された泡と汚れた残りを、水ですすいで除去することを特徴とする、皮膚、頭皮及び/または毛髪のクレンジングおよび/またはそこからメイクアップを除去するための美容的使用。
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